説明

監視システム

【課題】カメラの動作条件を自動的に設定することができる監視システムを提供することを課題とする。
【解決手段】カメラ11は、仮運用を開始する。位置通知ハブ12は、カメラ11の識別情報とGPS装置14が測定した測位情報とを含む機器設置情報61を出力する。監視サーバ4は、測位情報と予め設定された支店の位置情報とに基づいて、カメラ11の設置支店を特定する。監視サーバ4は、仮運用時に撮影された仮映像データの輝度及び動きの変化を検出する。これらの変化パターンと、取付位置とを対応付けた映像パターン情報421とに基づいて、カメラ11の取付位置が特定される。監視サーバ4は、特定された設置支店及び取付位置とカメラ設定情報422とに基づいて、カメラ11の動作条件を決定する。カメラ設定情報422は、カメラ11が設置され得る支店及びその支店における取付位置と、動作条件とを対応付けた情報である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視対象の施設にカメラを設置し、カメラが撮影した映像データにより監視対象の施設を遠隔監視する監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
防犯などを目的として、スーパーマーケットの店舗や、金融機関の支店などに、監視システムが導入されている。監視システムが金融機関に導入された場合、金融機関の支店の出入口、ATM(Automated Teller Machine)コーナー、窓口、あるいは店舗全体を見渡すことができる天井などに監視カメラが設置される。監視カメラが撮影した映像データは、インターネットなどを介して監視センターに設置されるサーバに送信される。監視センターのオペレータは、サーバを操作して、支店内の様子をリアルタイムに監視したり、過去の映像データを確認したりすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−248983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、監視システムにより遠隔監視される金融機関の支店には、複数のカメラが様々な位置に取り付けられる。映像データの記録条件などのカメラの動作条件は、カメラの取付位置によって異なる。たとえば、クレジットカードの不正使用などを確認するために、ATMコーナーに設置されるカメラは、高画質の映像データをサーバへ送信するように設定される。
【0005】
カメラの設定は、カメラが予め指定された位置に取り付けられる前に、サービスマンによって設定される。しかし、サービスマンが手作業でカメラを設定することにより、設定ミスが発生するおそれがある。ATMコーナーに設置されたカメラが、誤って低画質の映像データを送信するように設定されていた場合、クレジットカードの不正使用者を特定できない可能性がある。このため、取付位置に応じた動作条件をカメラに確実に設定することができる方法が求められている。
【0006】
上記特許文献1に係る設置場所認識方法において、機器は、コンセントの位置情報を取得することによって、自装置の物理的な設置場所を示す位置情報を取得する。しかし、各機器の設置場所に応じた設定を、各機器が個別に実行することはできない。
【0007】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、カメラの動作条件を自動的に設定することができる監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、監視システムであって、カメラと、前記カメラの動作条件を設定するサーバと、前記カメラが撮影した映像データに基づいて、前記カメラの撮影対象を特定する位置特定装置と、を備え、前記位置特定装置は、前記カメラの撮影対象となる可能性のある撮影対象候補と、前記撮影対象候補を撮影した場合に予測される映像データの変化パターンとを対応付けた予測パターン情報を記憶する予測パターン情報記憶部と、前記映像データの変化を検出し、前記予測パターン情報と検出された前記映像データの変化とに基づいて前記カメラの撮影対象を特定する変化検出部と、を含み、前記サーバは、前記撮影対象候補と前記カメラの動作条件とが対応付けられた動作条件リストを記憶するリスト記憶部と、特定された前記カメラの撮影対象と前記動作条件リストとに基づいて前記カメラの動作条件を決定し、決定された動作条件が設定された設定情報を前記カメラに送信するカメラ設定部と、を含むことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の監視システムにおいて、前記動作条件リストは、前記カメラが設置される可能性のある候補施設と、前記撮影対象候補と、前記動作条件とが対応付けられており、前記監視システムは、さらに、前記カメラが設置される監視対象施設に設置され、前記カメラの識別情報と自装置に接続された位置検出装置が測定して生成した測位情報とを取得し、前記カメラの識別情報と前記測位情報とを対応付けたカメラ設置情報を前記サーバに送信する測位情報取得装置、を備え、前記サーバは、前記カメラ設置情報と、予め設定された候補施設の位置を示す位置情報とに基づいて前記監視対象施設を特定する監視対象施設特定部、を含み、前記カメラ設定部は、特定された前記監視対象施設と、特定された前記カメラの撮影対象と、前記動作条件リストとに基づいて、前記カメラの動作条件を決定することを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の監視システムにおいて、前記測位情報取得装置は、前記監視対象施設において前記カメラとともにネットワークを構成するハブであることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の監視システムにおいて、前記変化検出部は、前記映像データにおける動きを検出する動き検出部、を含み、前記変化検出部は、前記予測パターン情報と検出された前記動きの移動パターンとに基づいて、前記カメラの撮影対象を特定することを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の監視システムにおいて、前記変化検出部は、前記映像データにおける輝度を検出する輝度検出部、を含み、前記変化検出部は、前記予測パターン情報と検出された前記輝度の変化パターンとに基づいて、前記カメラの撮影対象を特定することを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項4または請求項5のいずれかに記載の監視システムにおいて、前記カメラは、前記カメラの周囲の温度を計測して温度計測データを生成する温度センサ、を含み、前記変化検出部は、前記予測パターン情報と前記温度計測データの変化パターンとに基づいて、前記カメラの撮影対象を特定することを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の監視システムにおいて、前記カメラは、前記カメラの周囲の明るさを計測して照度計測データを生成する照度センサ、を含み、前記変化検出部は、前記予測パターン情報と前記照度計測データの変化パターンとに基づいて、前記カメラの撮影対象を特定することを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の監視システムにおいて、前記カメラは、所定の動作条件が記録された仮設定情報を記憶する仮設定部、を含み、前記カメラは、前記仮設定情報に基づいて前記撮影対象を撮影して前記映像データを生成することを特徴とする。
【0016】
請求項9記載の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の監視システムにおいて、前記カメラは、前記位置特定装置を含むことを特徴とする。
【0017】
請求項10記載の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の監視システムにおいて、前記サーバは、前記位置特定装置を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明による監視システムにおいて、位置特定装置は、カメラが撮影した映像データに基づいて、通路や出入口などのカメラの撮影対象を特定する。サーバは、特定されたカメラの撮影対象と動作条件リストとに基づいてカメラの動作条件を決定する。カメラの動作条件がカメラの撮影対象に基づいて自動的に設定されるため、カメラの設定ミスを防止することができる。
【0019】
本発明による監視システムにおいて、測位情報取得装置は、カメラが設置される監視対象施設に設置され、位置検出装置が測定して生成した測位情報とカメラの識別情報とを対応付けたカメラ設置情報をサーバに送信する。サーバは、測位情報と候補施設の位置情報とに基づいて監視対象施設を特定する。これにより、カメラは、監視対象施設及び撮影対象に対応付けて管理される。カメラが設置される監視対象施設及び撮影対象に基づいて、カメラの動作条件を自動的に設定できるため、複数のカメラを様々な場所に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係る監視システムの概略図である。
【図2】支店に設置される機器のネットワーク構成を示す図である。
【図3】監視サーバの機能的構成を示すブロック図である。
【図4】動作条件設定情報を示す図である。
【図5】カメラの自動設定の流れを示すシーケンス図である。
【図6】機器設置情報を示す図である。
【図7】機器管理情報を示す図である。
【図8】映像パターン情報を示す図である。
【図9】通路に設置されたカメラが撮影した仮映像データを示す図である。
【図10】仮映像データの輝度の変化を示す図である。
【図11A】出入口に設置されたカメラが撮影した映像データを示す図である。
【図11B】出入口に設置されたカメラが撮影した映像データを示す図である。
【図12】ATMに設置されたカメラが撮影した映像データを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(1.監視システムの全体構成)
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係る監視システム100の概略図である。本実施の形態では、監視システム100を用いて金融機関の各支店を監視するケースを説明する。
【0022】
監視システム100は、金融機関の支店10,20,30にそれぞれ設置される複数のカメラと、支店10,20,30を遠隔監視する監視サーバ4などで構成される。各カメラが撮影した映像データは、インターネット5などを介して監視サーバ4へ送信される。
【0023】
支店10(大阪店)には、複数のカメラ11,11・・・と、位置通知ハブ12と、ハブ13とが設置される。カメラ11は、支店10の様々な位置に取り付けられる。撮影データの画質、配信レートなどのカメラの動作条件は、取付位置によって異なる。
【0024】
位置通知ハブ12は、従来のスイッチングハブと同様の機能を有する。位置通知ハブ12は、カメラ11,11・・・と、ハブ13と接続するとともに、ルータ(図示省略)などを介してインターネット5に接続する。位置通知ハブ12は、図2に示すGPS(Grobal Positioning System)装置14に接続して、GPS装置14が測定して生成した測位情報を取得する。位置通知ハブ12は、測位情報と、カメラ11,11・・・の識別情報とを対応付けた機器設置情報を監視サーバ4に送信する。
【0025】
支店20(東京店)には、複数のカメラ21,21・・・と、位置通知ハブ22とが設置される。カメラ21は、位置通知ハブ22及びルータ(図示省略)などを介してインターネット5に接続される。
【0026】
支店30(札幌店)には、複数のカメラ31,31・・・と、位置通知ハブ32とが設置される。カメラ31は、位置通知ハブ32及びルータ(図示省略)などを介してインターネット5に接続される。
【0027】
監視サーバ4は、各カメラから受信した映像データを用いて、支店10,20,30を監視する。監視サーバ4は、支店10,20,30を監視する機能の他に、各カメラの動作条件を設置場所に応じて自動的に設定する機能を有する。設置場所は、カメラが設置される監視対象施設(支店、店舗など)と、監視対象施設におけるカメラの取付位置(出入口、通路など)とを意味する。
【0028】
監視サーバ4は、位置通知ハブ12,22,32から受信した機器設置情報に基づいて、各カメラが設置された支店を特定する。監視サーバ4は、各カメラが撮影した映像データを解析して、各カメラの撮影対象を判定する。各カメラの撮影対象に基づいて、各カメラの取付位置が特定される。監視サーバ4は、設置場所が特定されたカメラに対して、その設置場所に応じた動作条件が設定された設定情報を送信する。
【0029】
このように、カメラの動作条件が監視サーバ4により自動的に設定される。カメラを取り付ける前に、設置場所に応じた動作条件をカメラに設定しておく必要がないため、各カメラの設定ミスを防止することができる。
【0030】
(2.カメラ11及び位置通知ハブ12の構成)
図2は、支店10に設置される機器のネットワーク構成図である。図2に示すように、支店10には、カメラ11a,11b,11c,11d,11e,11fが設置される。カメラ11a〜11fは、共通の機能を有している。このため、カメラ11a〜11fに共通の説明をする場合、カメラ11a〜11fをカメラ11と呼ぶ。図2では、カメラ11b〜11fの機能的構成の表示を省略している。
【0031】
カメラ11は、撮影部111と、コネクタ112と、温度センサ113と、映像データ送信部114とを備える。
【0032】
撮影部111は、取付位置に応じた撮影対象を撮影して、映像データを生成する。コネクタ112は、カメラ11とメモリカード6とを接続するインタフェースである。メモリカード6には、生成された映像データが格納される。温度センサ113は、カメラ11の取付位置の周辺の温度を計測する。
【0033】
映像データ送信部114は、メモリカード6に蓄積された映像データを蓄積用映像データとして監視サーバ4に送信する。映像データ送信部114は、生成された映像データを監視サーバ4にリアルタイムに送信することも可能である。これにより、監視サーバ4のオペレータは、カメラ11の取付位置をリアルタイムに監視することができる。
【0034】
位置通知ハブ12の構成について説明する。位置通知ハブ12は、図2に示すように、測位情報取得部121と、設置情報通知部122と、表示ランプ123とを備える。測位情報取得部121は、GPS装置14と接続することができるコネクタを有し、GPS装置14から測位情報を取得する。設置情報通知部122は、測位情報及びカメラ11の識別情報から機器設置情報を生成して監視サーバ2に送信する。表示ランプ123は、監視サーバ4が測位情報に基づいて位置通知ハブ12の位置を認識したことを通知するためのランプである。
【0035】
ハブ13は、従来のスイッチングハブと同様の機能を有する。ハブ13には、カメラ11a〜11cと、位置通知ハブ12とが接続される。
【0036】
支店20,30に設置される機器のネットワーク構成についても、支店10と同様である。ただし、支店20では、全てのカメラ21,21・・・が位置通知ハブ22に接続される。支店30では、全てのカメラ31,31・・・が位置通知ハブ32に接続される。
【0037】
(3.監視サーバ4の構成)
図3は、監視サーバ4の機能的構成を示すブロック図である。監視サーバ4は、制御部41と、データベース42と、映像記憶部43と、モニタ44と、操作部45と、ネットワークインタフェース46とを備える。
【0038】
データベース42は、映像パターン情報421と、動作条件設定情報422とを格納する。映像パターン情報421は、カメラの取付位置と、その取付位置でカメラが撮影した場合に予測される映像データの変化パターンとが対応付けられた情報である。動作条件設定情報422は、各カメラの設置場所と、設置場所に応じたカメラの動作条件とが対応付けられた情報である。
【0039】
制御部41は、CPUやRAMなどを備え、監視サーバ4の全体制御を行う。制御部41は、施設特定部411と、取付位置判定部412と、動作条件通知部413とを含む。施設特定部411は、機器設置情報に基づいて、各カメラが設置されている支店を特定する。取付位置判定部412は、各カメラが撮影した映像データの変化を検出し、検出した映像データの変化と映像パターン情報421とに基づいて各カメラの取付位置を特定する。動作条件通知部413は、動作条件設定情報422と、施設特定部411及び取付位置判定部412により特定されたカメラの設置場所とに基づいて、カメラの動作条件を決定する。
【0040】
映像記憶部43は、各カメラから受信した蓄積用映像データを記憶する。モニタ44は、液晶ディスプレイなどであり、各カメラがリアルタイムに送信する映像データを表示する。操作部45は、キーボードやマウスなどである。
【0041】
ネットワークインタフェース46は、TCP/IPなどのプロトコルを用いて、支店10,20,30に設置されたカメラ及び位置通知ハブと通信を行う。
【0042】
(4.カメラの自動設定の流れ)
以下、カメラの自動設定の流れについて、支店10に設置されたカメラ11を例にして説明する。
【0043】
(4.1.動作条件設定情報の作成)
まず、監視サーバ4のオペレータが、操作部45を操作して、動作条件設定情報422を作成する。図4は、動作条件設定情報422を示す図である。動作条件設定情報422では、カメラの設置場所と、カメラの動作条件とが対応付けられている。動作条件には、配信レート、記録レート、画質、音声、及び動き検知が含まれる。
【0044】
動作条件設定情報422の設置場所には、カメラが設置される支店の名称(大阪店、東京店及び札幌店)と、各支店におけるカメラの取付位置が登録される。たとえば、大阪店では、取付位置として、出入口(屋外)、出入口(屋内)、通路(屋内)、オフィス(屋内)、ATM管理室(屋内)、及びATM(屋内)が登録されている。
【0045】
登録された取付位置ごとに、カメラの動作条件が設定される。配信レートは、カメラ11が映像データを監視サーバ4にリアルタイムに送信するときのフレームレートを示す。配信レート「高」、「中」、及び「低」は、30(フレーム/秒)、20(フレーム/秒)、及び10(フレーム/秒)を示す。記録レートは、蓄積用映像データのフレームレートを示す。たとえば、記録レート「高」、「中」、及び「低」は、15(フレーム/秒)、10(フレーム/秒)、及び5(フレーム/秒)を示す。配信レートは、記録レートより高く設定される。これは、オペレータが各支店をリアルタイムに監視する際に各支店の状況を正確に把握できるようにするためである。
【0046】
画質は、映像データの圧縮率を示す。音声は、カメラが撮影と並行して録音を実行するか否かを示す情報である。音声が「有」に設定されている場合、音声データが付加された映像データが生成される。動き検出は、撮影のトリガとして動き検出を使用するか否かを示す情報である。動き検知が「有」に設定されている場合、カメラは、撮影領域内で動きを検出したときに所定の時間だけ撮影を行う。動き検知が「無」に設定されている場合、カメラは、撮影領域内で動きがあるかないかに関係なく、継続的に撮影を行う。
【0047】
動作条件設定情報422では、カメラと設置場所とは対応付けられていない。各カメラと設置場所との対応付けは、後述するように、監視サーバ2が各カメラの設置場所を判定した後に行われる。
【0048】
動作条件設定情報422の生成とともに、支店10,20,30の位置情報が監視サーバ4に設定される。位置情報は、後述するように、各カメラが設置された支店を特定するために用いられる。
【0049】
(4.2.カメラ及び位置通知ハブの取り付け)
次に、サービスマンが、支店10に移動して、動作条件設定情報422で指定された取付位置にカメラ11を取り付ける。この時点で、カメラ11には、設置場所に応じた動作条件が設定されていない。また、カメラ11の設置場所とカメラ11の識別情報(MACアドレスなど)とが対応付けられていない。サービスマンがカメラ11の識別番号及び動作条件を確認する必要がないため、カメラ11の設置作業が簡略化される。
【0050】
サービスマンは、位置通知ハブ12及びハブ13を支店10に設置する。位置通知ハブ12は、カメラ11d〜11fと、ハブ13と、ルータ(図示省略)などと接続される。カメラ11a〜11cは、ハブ13を介して位置通知ハブ12に接続される。これにより、カメラ11、位置通知ハブ12、及びハブ13の取り付けが完了する。
【0051】
(4.3.仮運用の開始)
図5は、監視システム100におけるカメラ11の自動設定の流れを示すシーケンス図である。サービスマンは、カメラ11の電源をONにし(ステップS1)、位置通知ハブ12及びハブ13の電源をONにする(ステップS2)。カメラ11は、電源がONになると、それぞれの取付位置で仮運用を開始する(ステップS3)。仮運用とは、予めカメラ11に設定されている仮設定情報に基づいて行われる撮影のことである。
【0052】
全てのカメラ11には、同一の内容の仮設定情報が予め記録される。たとえば、仮設定情報では、配信レート、記録レート、及び画質は、いずれも「中」が設定される。変化パターンの検出精度を向上させる場合には、配信レート、記録レート、及び画質を「高」に設定してもよい。音声は、「無」が設定される。これは、映像データの変化を検出する際に、音声データが必要とされないためである。動き検知は、「無」が設定される。これは、映像データの変化を検出するためには、継続的に撮影を行う必要があるためである。
【0053】
カメラ11は、自装置の識別情報を位置通知ハブ12に送信する(ステップS4)。識別情報として、カメラ11のMACアドレスや、カメラ11に個別に割り当てられた名称などが用いられる。
【0054】
位置通知ハブ12は、カメラ11とルータ(図示省略)との間の通信を中継するときに、カメラ11の識別情報を取得してもよい。たとえば、カメラ11が、ネットワーク設定のためにルータと通信をするときに、位置通知ハブ12は、カメラ11の識別情報を取得することができる。この場合、位置通知ハブ12は、ハブ12やルータなどのMACアドレスを取得する。位置通知ハブ12は、カメラ11のMACアドレスを特定するために、取得したMACアドレスを送信先として送信先がカメラ11であるか否かを確認する確認メッセージを送信する。位置通知ハブ12は、確認メッセージの応答に基づいて、カメラ11のMACアドレスを特定することができる。
【0055】
(4.4.機器設置情報61の送信)
次に、サービスマンは、GPS装置14を位置通知ハブ12に接続する。位置通知ハブ12は、GPS装置14が接続された場合、表示ランプ123を赤色で発光させる。表示ランプ123が赤色で発光していれば、監視サーバ4が、位置通知ハブ12の設置施設を特定していないことを示す。GPS装置14は、自装置の位置を検出して、測位情報を生成する。測位情報取得部121は、GPS装置14から測位情報を取得する(ステップS5)。設置情報通知部122は、取得した測位情報とカメラ11の識別情報を用いて機器設置情報61(図6参照)を作成して、監視サーバ4に送信する(ステップS6)。
【0056】
図6は、機器設置情報61を示す。図6に示すように、機器設置情報61は、送信元情報61aと、測位情報61bと、カメラ識別情報61cとで構成される。送信元情報61aには、位置通知ハブ12のMACアドレスが記録される。測位情報61bは、GPS装置14から取得した測位情報である。カメラ識別情報61cには、カメラ11a〜11fのMACアドレスが記録される。
【0057】
位置通知ハブ12は、支店10で通信可能な全ての機器のMACアドレスを機器設置情報61に含めてもよい。この場合、監視サーバ4が、確認メッセージを支店10に設置された各機器に送信して、カメラ11のMACアドレスを特定する。
【0058】
施設特定部411は、受信した機器設置情報61と各支店の位置情報とに基づいて、位置通知ハブ12が設置された施設を特定する(ステップS7)。具体的には、施設特定部411は、測位情報61bと支店10,20,30の位置情報とに基づいて、位置通知ハブ12と各支店との距離を求める。位置通知ハブ12に最も近い距離にある支店10(大阪店)が、位置通知ハブ12が設置された施設として特定される。施設特定部411は、測位情報61bと、特定した施設の名称と、カメラ11の識別情報とを機器管理情報423に登録する。
【0059】
図7は、機器管理情報423を示す図である。機器管理情報423は、施設情報と、カメラ取付情報とで構成される。機器管理情報423の施設情報において、MACアドレスには、送信元情報61a(位置通知ハブ12のMACアドレス)が登録される。緯度及び経度には、測位情報61bが登録される。施設名称には、施設特定部411が特定した施設の名称が登録される。
【0060】
機器管理情報423のカメラ関連情報には、カメラ識別情報61cに基づいてカメラ11のMACアドレスが登録される。取付位置は、監視サーバ4がカメラ11の取付位置を特定した(ステップS9)後に登録されるため、この時点では空欄である。機器管理情報423にカメラ11の識別情報と施設名称とが登録されることで、カメラ11の識別情報と、カメラ11が設置される支店とが対応付けられる。機器管理情報423は、図2に示していないが、データベース42に格納される。
【0061】
監視サーバ4は、位置通知ハブ12が設置された施設(支店10)を特定したことを示すOKメッセージを位置通知ハブ12に送信する。位置通知ハブ12がOKメッセージを受信することにより、表示ランプ123の色が赤から緑に変化する。サービスマンは、表示ランプ123の色が緑になったことを確認して、GPS装置14を位置通知ハブ12から取り外す。サービスマンによるカメラ11、位置通知ハブ12、及びハブ13の取り付け作業は、これで終了する。
【0062】
このように、サービスマンは、カメラ11などを取り付ける際に、カメラ11の識別番号や、取付位置に応じたカメラ11の動作条件などを確認する必要がない。したがって、カメラ11の取り付け時の作業内容を簡素化することができる。
【0063】
(4.5.カメラ取付位置の特定)
再び、図5を参照する。上述したように、カメラ11は、仮運用を開始している(ステップS3)。仮設定情報に基づいて生成した映像データは、メモリカード6に格納される。仮運用の開始から24時間が経過した後に、映像データ送信部114が、メモリカード6に格納された映像データを、仮映像データとして監視サーバ4に送信する(ステップS8)。仮映像データの送信と同時に、温度センサ113が計測して生成した温度計測データも、監視サーバ4に送信される。
【0064】
監視サーバ4の取付位置判定部412は、受信した仮映像データに基づいて、仮映像データの送信元のカメラ11の取り付け位置を特定する(ステップS9)。取付位置判定部412は、仮映像データの輝度の変化と、仮映像データの動きの変化を検出する。仮映像データの輝度及び動きの変化と、温度計測データから検出される温度変化と、映像パターン情報421とに基づいて、仮映像データの送信元であるカメラ11の撮影対象が判定される。判定された撮影対象に基づいて、カメラ11の取付位置を特定することができる。
【0065】
図8は、映像パターン情報421を示す図である。映像パターン情報421は、カメラの撮影対象と、この撮影対象を撮影した場合に予測される映像データの変化パターンとが対応付けられた情報である。映像パターン情報421では、撮影対象ごとに輝度、温度、及び動きの変化パターンが設定されている。
【0066】
ここで、具体例として、支店10の通路に設置されたカメラ11が撮影した仮映像データ710を判定するケースを説明する。図9は、支店10の通路に設置されているカメラ11が撮影した仮映像データ710を示す図である。
【0067】
仮映像データ710には、人間711が矢印71aの方向に移動する様子が記録される。したがって、仮映像データ710では、人間711が撮影される範囲に対応する動き領域71bが検出される。映像パターン情報421(図8参照)の動き変化の欄に示すように、仮映像データ710から動き領域71bのみが検出され、かつ、動き領域71bの範囲が一定である場合、仮映像データ710を撮影したカメラ11は、通路に設置されていると判定される。
【0068】
仮映像データ710の輝度の変化に基づいて、カメラ11が屋内の通路と屋外の通路とのどちらに設置されているかが判定される。図10は、仮映像データの輝度の変化の一例を示す図である。図10は、仮映像データの輝度の変化を示すものであり、輝度のレベルの大小を示すものではない。輝度変化線81は、屋外に設置されたカメラ11が撮影した仮映像データの輝度の変化を示す。輝度変化線82、83は、屋内に設置されたカメラ11が撮影した仮映像データの輝度の変化を示す。輝度変化線84については、後述する。
【0069】
カメラ11が屋外の通路に設置されている場合、仮映像データ710の輝度は、輝度変化線81のように、太陽の日出時刻、日没時刻に対応して緩やかに変化する。一方、カメラ11が屋内の通路に設置されている場合、仮映像データ710の輝度は、輝度変化線82のように、支店10の始業時刻及び終業時刻に応じて急激に変化する。これは、支店10の始業時刻となる前に支店10の照明がONとなり、終業時刻の後に支店10の照明がOFFとなるためである。あるいは、仮映像データ710の輝度は、輝度変化線83のように、支店の営業開始時刻及び営業終了時刻に応じて急激に変化する。これは、支店10において主に顧客が出入する場所の照明は、営業時間内に限ってONになると考えられるためである。このように、仮映像データ710の輝度の変化に基づいて、カメラ11が屋内の通路に設置されているか、屋外の通路に設置されているかを判定することができる。
【0070】
また、温度の変化に基づいて、カメラ11が屋内の通路及び屋外の通路のどちらに設置されているかを判定することができる。たとえば、オペレータが監視サーバ4に温度差(最高温度と最低温度との差)のしきい値を入力する。温度差がしきい値より大きい場合、カメラ11は屋外の通路に設置されていると判定される。温度変化が小さい場合、カメラ11は屋内の通路に設置されていると判定される。輝度の変化及び温度の変化を用いることにより、カメラ11の取付位置が屋内及び屋外のどちらであるを判定するときの精度を向上することができる。
【0071】
次に、取付位置判定部412が、支店10の出入口に設置されたカメラ11が撮影した仮映像データ720を判定するケースを説明する。
【0072】
図11Aは、両開きの自動ドアが設置された出入口をカメラ11が撮影した仮映像データ720を示す図である。仮映像データ720には、自動ドア721,722が左右に開閉する様子と人間723が出入口を通過する様子とが記録される。取付位置判定部412は、動き領域72a,72b,72cを仮映像データ720から検出する。動き領域72a,72bは、自動ドア721、722が矢印72dの方向に開閉する領域に対応する。動き領域72cは、人間723が矢印72eの方向に移動する領域に対応する。
【0073】
図11Aでは、動き領域72a,72bと動き領域72cとの一部が互いに重なっている。通常、自動ドア721,722が開閉するタイミングと人間723が出入口を通過するタイミングとは異なる。このため、動き領域72a、72bと、動き領域72cとは、異なるタイミングで検出される。したがって、取付位置判定部412は、一部が重複している動き領域72a,72b,72cを個別に検出することができる。
【0074】
自動ドア721,722の開閉方向(矢印72dの方向)及び人間723の移動方向(矢印72eの方向)がそれぞれ一定であるため、動き領域72a,72b,72cの範囲は、ほぼ一定となる。映像パターン情報421(図8参照)の動き検出の欄に示すように、仮映像データ720から動き領域72a〜72cが検出され、かつ、動き領域72a〜72cの範囲がほぼ一定であることから、仮映像データ720を撮影したカメラ11は、出入口に設置されていると判定される。
【0075】
図11Bは、片開きのドアが設置された出入口をカメラ11が撮影した仮映像データ730を示す図である。仮映像データ730には、ドア731が弧を描くように開閉する様子と人間732が出入口を通過する様子とが記録される。この結果、取付位置判定部412は、動き領域73a,73bを検出する。動き領域73aは、ドア731が矢印73cの方向に開閉する領域に対応する。動き領域73bは、人間732が矢印73dの方向に移動する領域に対応する。映像パターン情報421(図8参照)の動き検出の欄に示すように、仮映像データ730から二つの動き領域73a,73bが検出され、かつ、動き領域73a,73bの領域が一定であることから、仮映像データ730を撮影したカメラ11は、出入口に設置されていると判定される。
【0076】
カメラ11が出入口の屋内側及び屋外側のどちらに設置されているかは、上述のように、輝度の変化及び温度の変化に基づいて判定される。
【0077】
次に、取付位置判定部412が、支店10のATMに設置されたカメラ11が撮影した映像データを判定するケースを説明する。
【0078】
図12は、ATMをカメラ11が撮影した仮映像データ740を示す図である。仮映像データ740には、顧客741がATM742を操作する様子が記録される。
【0079】
顧客741は、ATM742を使用する場合に、ATM742の前に移動する。顧客741は、ATM742の前で停止して、ATM742を操作する。ATM742の操作終了後、顧客741は、ATM742から離れる。このように、顧客741は、ATM742の前で、移動、停止、移動の動作を連続的に行う。
【0080】
取付位置判定部412は、顧客741がATM742の前に移動する映像に基づいて、矢印74aで示す動きを検出する。顧客741がATM742の操作をしている間、取付位置判定部412は、動きを検出しない。ATM742の操作終了後、顧客741がATM742から離れる映像に基づいて、矢印74bで示す動きが検出される。取付位置判定部412は、矢印74aで示す動きを検出した後に領域74cで動きが停止し、かつ、領域74cから矢印74bで示す動きを検出した場合に、カメラ11がATMに設置されていると判定する。
【0081】
カメラ11が屋内のATMに設置されているか、屋外のATMに設置されているかの判定は、上述の輝度の変化及び温度の変化に基づく判定と同様である。
【0082】
次に、ATMの管理室に取り付けられたカメラ11が撮影した仮映像データを判定するケースを説明する。
【0083】
管理室は、トラブルが発生していない状態では無人であり、照明がOFFにされている。そして、トラブルが発生したときに管理者が管理室に入室して、照明をONにする。管理室は、トラブルの解決後に再び無人になり、照明がOFFとなる。通常、トラブルが発生してから解決するまでの時間は、営業時間よりも短く、トラブルの発生に規則性はない。このため、管理室を撮影した仮映像データの輝度は、輝度変化線84(図10参照)のように、レベルが急激に上昇した後で急激に下降する。
【0084】
このような管理室の照明の使用パターンに基づいて、カメラ11が管理室に取り付けられているか否かが判定される。図10を参照して、輝度変化線84には、営業開始時刻から営業終了時刻までの営業時間内に、輝度レベルがBaより小さい期間が存在する。ここで、輝度レベルがBaである状態は、管理室で照明を使用していない状態に対応する。取付位置判定部412は、レベルBa以下の輝度を営業時間内に一定時間継続して検出した場合、カメラ11の取付位置が管理室であると判定する。あるいは、取付位置判定部412は、業務開始時刻から業務終了時刻までの業務時間内に輝度レベルBa以下の輝度を一定時間検出した場合に、カメラ11の取付位置が管理室であると判定してもよい。
【0085】
さらに、取付位置判定部412は、仮映像データから検出した動きに基づいて、カメラ11の取付位置が管理室であるか否かを判定してもよい。これにより、カメラ11の取付位置を正確に判定することが可能となる。具体的には、管理者は、管理室で作業するときに照明をONにする。このため、取付位置判定部412は、仮映像データの輝度レベルが上昇しているときに、ランダムな動きを仮映像データから検出する。一方、管理室が無人のときに照明はOFFとなる。このため、輝度レベルが低下しているときに、仮映像データから動きは検出されない。このような変化が仮映像データから検出された場合、取付位置判定部412は、カメラ11が管理室に取り付けられていると判定する。
【0086】
次に、仮映像データから検出した動きがランダムであり、仮映像データの輝度の変化が輝度変化線84に示すような変化ではない場合、取付位置判定部412は、映像パターン情報421(図8参照)に示すその他の位置にカメラ11が設置されていると判定する。この場合、輝度の変化及び温度の変化に基づいて、カメラ11が屋内及び屋外のどちらに設置されているかが判定される。
【0087】
本実施の形態では、取付位置判定部412は、カメラ11が屋内のその他の位置に設置されていると判定した場合、カメラ11がオフィス全体を撮影する位置に設置されていると判定する。これは、オフィス内の人の動きはランダムであることと、オフィスが屋内にあるため輝度の変化パターンが始業時刻及び終業時刻に対応するためである。
【0088】
取付位置判定部412は、上述した手順でカメラ11の取付位置を判定した後に、カメラ11の取付位置を機器管理情報423(図7参照)に登録する。たとえば、機器管理情報423において、カメラ関連情報の1段目は、カメラ11cに対応する。カメラ11cの設置場所は、支店10(大阪店)の出入口(屋内)に設置されていることがわかる。このようにして、カメラ11の識別情報と設置場所とが対応付けられる。
【0089】
(4.6.動作条件の決定)
取付位置判定部412によりカメラ11の設置場所が特定されるため、動作条件通知部413は、特定されたカメラ11の設置場所と動作条件設定情報422とに基づいて、カメラ11の動作条件を決定する。たとえば、カメラ11cが支店10の出入口(屋内)に設置されているため、カメラ11cの動作条件は、動作条件設定情報422の2段目に対応する。動作条件通知部413は、動作条件設定情報422の2段目に設定された動作条件が記録された動作条件通知情報を生成して、カメラ11cに送信する(ステップS10)。
【0090】
カメラ11cは、仮設定情報に基づく動作条件を、動作条件通知情報で記録された内容に変更する(ステップS11)。カメラ11cは、変更された動作条件に基づいて、正式運用を開始する(ステップS12)。つまり、カメラ11cは、設置場所に応じた動作条件で撮影を開始する。
【0091】
以上説明したように、本実施の形態に係る監視システムでは、位置通知ハブ12が測位情報とカメラ11の識別情報とを対応付けた機器設置情報61を送信する。これにより、カメラ11が設置された支店が特定される。カメラ11は仮設定情報に基づいて撮影をして、仮映像データを監視サーバ4に送信する。監視サーバ4は、仮映像データの動きの変化及び輝度の変化と、動作条件設定情報422とに基づいて、カメラ11の取付位置を特定する。カメラ11が設置される支店と取付位置とが特定されることにより、カメラ11の設置場所が特定される。監視サーバ4は、特定した設置場所に応じた動作条件をカメラ11に設定する。これにより、カメラ11の動作条件が設置場所に応じて自動的に設定されるため、カメラ11の動作条件の設定ミスを防ぐことが可能となる。
【0092】
本実施の形態において、監視サーバ4がカメラ11の取付位置を判定できない場合、動作条件通知情報を受信できないカメラが発生する。このカメラ11は、仮設定情報に基づく仮運用を継続する。これにより、支店10で監視できない場所が発生することを防止することができる。また、監視サーバ4のオペレータは、機器管理情報423を参照して、
取付位置の判定に失敗したカメラ11を確認することができる。具体的には、オペレータは、機器管理情報423において取付位置が登録されていないカメラ11の仮映像データを再生して、このカメラ11の取付位置を特定する。そして、オペレータは、このカメラ11に対応する動作条件を動作条件設定情報422に基づいて決定し、動作条件通知情報をこのカメラ11に送信する。
【0093】
本実施の形態では、監視サーバ4がカメラ11の取付位置を判定する例を説明したが、これに限られない。たとえば、各カメラ11が、各カメラ11は、映像パターン情報421を保持し、取付位置判定部412を備えることにより、自装置の取付位置を特定してもよい。各カメラ11は、仮映像データと映像パターン情報421とに基づいて自装置の位置を特定し、特定した自装置(カメラ11)の取付位置を監視サーバ4に通知する。これにより、監視サーバ4の負担が軽減される。
【0094】
本実施の形態では、仮映像データの輝度の変化に基づいてカメラ11の取付位置を判定する例を説明したが、これに限られない。たとえば、カメラ11は周辺の明るさを計測する照度センサを備えてもよい。照度センサが計測した照度計測データは、ステップS8(図5参照)において、仮映像データとともに監視サーバ4へ送信される。照度は、仮映像データの輝度と同様に変化する。このため、取付位置判定部412は、照度計測データに基づいてカメラ11が屋内及び屋外のどちらに設定されているかを判定することができる。
【0095】
本実施の形態では、カメラ11が温度センサ113を備える例を説明したが、これに限られない。カメラ11は、温度センサ113を備えていなくてもよい。これにより、カメラ11のコストを削減することが可能となる。この場合であっても、カメラ11は、映像データから検出した輝度の変化と動きの変化とを用いて、カメラ11の取付位置を特定することができる。
【符号の説明】
【0096】
4 監視サーバ
10,20,30 支店
11,11a〜11f,21,31 カメラ
12,22,32 位置通知ハブ
100 監視システム
111 撮影部
113 温度センサ
114 映像データ送信部
411 施設特定部
412 取付位置判定部
413 動作条件通知部
421 映像パターン情報
422 動作条件設定情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラと、
前記カメラの動作条件を設定するサーバと、
前記カメラが撮影した映像データに基づいて、前記カメラの撮影対象を特定する位置特定装置と、
を備え、
前記位置特定装置は、
前記カメラの撮影対象となる可能性のある撮影対象候補と、前記撮影対象候補を撮影した場合に予測される映像データの変化パターンとを対応付けた予測パターン情報を記憶する予測パターン情報記憶部と、
前記映像データの変化を検出し、前記予測パターン情報と検出された前記映像データの変化とに基づいて前記カメラの撮影対象を特定する変化検出部と、
を含み、
前記サーバは、
前記撮影対象候補と前記カメラの動作条件とが対応付けられた動作条件リストを記憶するリスト記憶部と、
特定された前記カメラの撮影対象と前記動作条件リストとに基づいて前記カメラの動作条件を決定し、決定された動作条件が設定された設定情報を前記カメラに送信するカメラ設定部と、
を含むことを特徴とする監視システム。
【請求項2】
請求項1に記載の監視システムにおいて、
前記動作条件リストは、
前記カメラが設置される可能性のある候補施設と、前記撮影対象候補と、前記動作条件とが対応付けられており、
前記監視システムは、さらに、
前記カメラが設置される監視対象施設に設置され、前記カメラの識別情報と自装置に接続された位置検出装置が測定して生成した測位情報とを取得し、前記カメラの識別情報と前記測位情報とを対応付けたカメラ設置情報を前記サーバに送信する測位情報取得装置、
を備え、
前記サーバは、
前記カメラ設置情報と、予め設定された候補施設の位置を示す位置情報とに基づいて前記監視対象施設を特定する監視対象施設特定部、
を含み、
前記カメラ設定部は、特定された前記監視対象施設と、特定された前記カメラの撮影対象と、前記動作条件リストとに基づいて、前記カメラの動作条件を決定することを特徴とする監視システム。
【請求項3】
請求項2に記載の監視システムにおいて、
前記測位情報取得装置は、前記監視対象施設において前記カメラとともにネットワークを構成するハブであることを特徴とする監視システム。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の監視システムにおいて、
前記変化検出部は、
前記映像データにおける動きを検出する動き検出部、
を含み、
前記変化検出部は、前記予測パターン情報と検出された前記動きの移動パターンとに基づいて、前記カメラの撮影対象を特定することを特徴とする監視システム。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の監視システムにおいて、
前記変化検出部は、
前記映像データにおける輝度を検出する輝度検出部、
を含み、
前記変化検出部は、前記予測パターン情報と検出された前記輝度の変化パターンとに基づいて、前記カメラの撮影対象を特定することを特徴とする監視システム。
【請求項6】
請求項4または請求項5のいずれかに記載の監視システムにおいて、
前記カメラは、
前記カメラの周囲の温度を計測して温度計測データを生成する温度センサ、
を含み、
前記変化検出部は、前記予測パターン情報と前記温度計測データの変化パターンとに基づいて、前記カメラの撮影対象を特定することを特徴とする監視システム。
【請求項7】
請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の監視システムにおいて、
前記カメラは、
前記カメラの周囲の明るさを計測して照度計測データを生成する照度センサ、
を含み、
前記変化検出部は、前記予測パターン情報と前記照度計測データの変化パターンとに基づいて、前記カメラの撮影対象を特定することを特徴とする監視システム。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の監視システムにおいて、
前記カメラは、
所定の動作条件が記録された仮設定情報を記憶する仮設定部、
を含み、
前記カメラは、
前記仮設定情報に基づいて前記撮影対象を撮影して前記映像データを生成することを特徴とする監視システム。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の監視システムにおいて、
前記カメラは、前記位置特定装置を含むことを特徴とする監視システム。
【請求項10】
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の監視システムにおいて、
前記サーバは、前記位置特定装置を含むことを特徴とする監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−114784(P2011−114784A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271610(P2009−271610)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
【Fターム(参考)】