説明

監視装置、制御プログラム、及び制御方法

【課題】外出時に機器の異常を確認でき、かつ異常があった機器に対して迅速に対処できる監視装置、制御プログラム及び制御方法を提供する。
【解決手段】ルータ装置2は、玄関鍵3の施錠を契機に、家庭内の電気機器4〜7の状態を検出する。電気機器4〜7の現在の状態と、予め登録した電気機器4〜7の外出時の正常状態とを対比する。状態が異なる電気機器は異常である。ルータ装置2は利用者の携帯端末8に発信する。ルータ装置2は、携帯端末8との通話において異常のあった電気機器に対応するDTMF入力用音声を再生する。利用者は、携帯端末8でDTMF入力を行う。ルータ装置2は、携帯端末8から受信したDTMF信号に対応する電気機器を正常に設定し直す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器の異常を監視する監視装置、制御プログラム、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外出時に玄関ドアを施錠すると、予め登録された電気機器、センサの状態を自動的にチェックすることが可能な監視端末、通信モジュール及びホームコントロールシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。監視端末は、電気機器、センサ、施錠装置に組み込まれた通信モジュールからの機器情報、状態情報を受信し、受信した電気機器の電源の状態、センサの作動状態を記憶し、各種情報を表示部に表示する。通信モジュールは、検出部により夫々の状態を検出し、監視端末に対して情報を送信する。さらに、通信モジュールは、検出部による状態変化の検出時に機器情報、状態情報を送信する。監視端末は、通信モジュールにより施錠を通知された際に、記憶部に記憶されている電源の状態、作動状態をチェックし、全てが電源オフ状態、正常状態にあれば表示部に正常である旨を表示し、そうでない場合は異常である旨を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−160190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の監視端末では、利用者の外出時において、電気機器等に異常があった場合に、表示部に異常である旨を表示するだけである。利用者はその場では異常のあった電気機器に対してすぐに対応できないという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、外出時に機器の異常を確認でき、かつ異常があった機器に対して迅速に対処できる監視装置、制御プログラム 及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係る監視装置は、機器の異常を監視する監視装置であって、前記監視装置を制御する制御部と、前記制御部に実行させる命令を記憶した記憶部とを備え、前記制御部は、前記命令を実行することにより、所定タイミングで前記機器の状態を検出する機器状態検出ステップと、前記機器状態検出ステップにおいて検出した前記機器の状態と、予め登録した前記機器の通常状態とを比較して前記機器の異常の有無を判断する異常有無判断ステップと、前記異常有無判断ステップにおいて前記機器に異常があると判断した場合、プッシュホン式電話機能を有する外部端末に異常情報を出力する異常情報出力ステップと、前記異常情報を受信した前記外部端末から出力され、前記機器の制御を要求する制御要求指令を受け付ける制御要求指令受付ステップと、前記制御要求指令受付ステップにおいて受け付けた前記制御要求指令に基づき、前記機器を制御する機器制御ステップとを実行することを特徴とする。
【0007】
第1態様に係る監視装置では、制御部が記憶部に記憶した命令を実行する。監視装置は、機器に異常があると判断した場合、プッシュホン式電話機能を有する外部端末に異常情報を出力する。これにより、利用者は、外出時に機器の異常を確認できる。さらに、監視装置は、異常情報を受信した外部端末から出力された制御要求指令を受け付け、その受け付けた制御要求指令に基づき、機器を制御する。これにより、監視装置は、利用者が外部端末から監視端末に向けて出力した制御要求指令に基づき、異常のあった機器に対して迅速に対処できる。
【0008】
また、第1態様において、前記制御部は、前記異常情報出力ステップを実行するときに、前記異常情報として、前記異常有無判断ステップにおいて異常と判断された前記機器のみに対応し、かつ前記機器の複数の操作の中から少なくとも一の操作を、プッシュホン入力により選択可能な音声メニュー情報を前記外部端末に出力し、前記制御要求指令受付ステップを実行するときに、前記音声メニュー情報を受信した前記外部端末において、前記音声メニュー情報に従って入力されたプッシュホン信号を、前記制御要求指令として受け付け、前記機器制御ステップを実行するときに、前記制御要求指令受付ステップにおいて受け付けた前記プッシュホン信号に基づき、前記機器を制御してもよい。制御部は、異常情報として、異常と判断された機器のみに対応し、かつ機器の複数の操作の中から少なくとも一の操作を、プッシュホン入力により選択可能な音声メニュー情報を外部端末に出力する。これにより、その外部端末の利用者は、外出先から音声メニュー情報に従って入力されたプッシュホン信号により、機器の操作を簡単、かつ迅速に選択できる。
【0009】
また、第1態様において、利用者の外出を検知する外出検知部を備え、前記制御部は、前記機器状態検出ステップを実行するときに、前記外出検出部によって前記利用者の外出を検知した場合に、前記機器の状態を検出してもよい。これにより、利用者が外出する時点での機器の状態を検出できるので、監視装置は、機器が異常のままで利用者が外出してしまうのを防止できる。
【0010】
本発明の第2態様に係る制御プログラムは、機器の異常を監視する監視装置を機能させる制御プログラムであって、コンピュータに、所定タイミングで前記機器の状態を検出する機器状態検出ステップと、前記機器状態検出ステップにおいて検出した前記機器の状態と、予め登録した前記機器の通常状態とを比較して前記機器の異常の有無を判断する異常有無判断ステップと、前記異常有無判断ステップにおいて前記機器に異常があると判断した場合、プッシュホン式電話機能を有する外部端末に異常情報を出力する異常情報出力ステップと、前記異常情報を受信した前記外部端末から出力され、前記機器の制御を要求する制御要求指令を受け付ける制御要求指令受付ステップと、前記制御要求指令受付ステップにおいて受け付けた前記制御要求指令に基づき、前記機器を制御する機器制御ステップとを実行させることを特徴とする。
【0011】
第2態様に係る制御プログラムでは、監視装置のコンピュータは、機器に異常があると判断した場合、プッシュホン式電話機能を有する外部端末に異常情報を出力する。これにより、利用者は、外出時に機器の異常を確認できる。さらに、コンピュータは、異常情報を受信した外部端末から出力された制御要求指令を受け付け、その受け付けた制御要求指令に基づき、機器を制御する。これにより、監視装置は、利用者が外部端末から監視端末に向けて出力した制御要求指令に基づき、異常のあった機器に対して迅速に対処できる。
【0012】
本発明の第3態様に係る制御方法は、機器の異常を監視する監視装置の制御方法であって、所定タイミングで前記機器の状態を検出する機器状態検出ステップと、前記機器状態検出ステップにおいて検出した前記機器の状態と、予め登録した前記機器の通常状態とを比較して前記機器の異常の有無を判断する異常有無判断ステップと、前記異常有無判断ステップにおいて前記機器に異常があると判断した場合、プッシュホン式電話機能を有する外部端末に異常情報を出力する異常情報出力ステップと、前記異常情報を受信した前記外部端末から出力され、前記機器の制御を要求する制御要求指令を受け付ける制御要求指令受付ステップと、前記制御要求指令受付ステップにおいて受け付けた前記制御要求指令に基づき、前記機器を制御する機器制御ステップとを備えたことを特徴とする。
【0013】
第3態様に係る制御方法では、監視装置は、機器に異常があると判断した場合、プッシュホン式電話機能を有する外部端末に異常情報を出力する。これにより、利用者は、外出時に機器の異常を確認できる。さらに、監視装置は、異常情報を受信した外部端末から出力された制御要求指令を受け付け、その受け付けた制御要求指令に基づき、機器を制御する。これにより、監視装置は、利用者が外部端末から監視端末に向けて出力した制御要求指令に基づき、異常のあった機器に対して迅速に対処できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】監視システム1の構成を示す図である。
【図2】監視システム1の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】フラッシュメモリ24の各種記憶領域を示す概念図である。
【図4】外出時設定テーブル2421の概念図である。
【図5】外出時状態テーブル2431の概念図である。
【図6】機器/DTMF対応テーブル2441の概念図である。
【図7】音声メニュー2451の概念図である。
【図8】音声データ記憶エリア246の概念図である。
【図9】外出検出処理のフローチャートである。
【図10】監視処理のフローチャートである。
【図11】図10の続きを示すフローチャートである。
【図12】機器状態設定処理のフローチャートである。
【図13】DTMF入力処理のフローチャートである。
【図14】音声メニュー2452の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る監視装置の一実施形態であるルータ装置2、制御プログラム、及び制御方法について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面及びフローチャートは、本発明が採用し得る技術的特徴を説明するために用いられるものである。図面に記載されている機器の構成、フローチャート等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0016】
はじめに、ルータ装置2を中心とする監視システム1の概要について、図1を参照して説明する。監視システム1は、監視装置としてのルータ装置2と、該ルータ装置2とPSTN101経由で通信可能な携帯端末8と、ルータ装置2にLAN102を介して接続された玄関鍵3と、同じくルータ装置2にLAN102を介して接続された家庭内の電気機器であるテレビ4、パソコン5、室内灯6、及び防犯装置7(まとめて電気機器4〜7と呼ぶ。)とを備えている。電気機器4〜7は一例であって、これ以外の電気機器をルータ装置2の管理下としてもよい。
【0017】
ルータ装置2は、コンピュータネットワークにおいて2つ以上の異なるネットワーク間を相互に接続する通信機器である。ルータ装置2は、このような一般的な中継機能と、家庭内の電気機器4〜7の外出時の異常を監視できる監視機能とを併せ持っている。玄関鍵3は、玄関を施錠する通常の機能に加え、施錠を契機に、ルータ装置2の監視機能を実行させるトリガー機器としても機能する。
【0018】
次に、ルータ装置2の電気的構成について、図2を参照して説明する。ルータ装置2は、装置全体の制御を司るCPU21を備えている。CPU21には、BIOS等の各種プログラムを記憶したROM22と、各種データを一時的に記憶するRAM23と、後述する各種データを記憶するフラッシュメモリ24と、LAN102に接続するためのネットワーク通信部25と、PSTN101に接続するためのPSTN通信部26とがバスで接続されている。
【0019】
次に、携帯端末8の電気的構成について、図2を参照して説明する。携帯端末8は、一般的なプッシュホンである。携帯端末8は、端末全体の制御を司るCPU81を備えている。CPU81には、BIOS等の各種プログラムを記憶したROM82と、各種データを一時的に記憶するRAM83と、フラッシュメモリ84と、データの受け渡しを行う入出力部85と、PSTN101に無線で接続するための無線通信部86とがバスで接続されている。入出力部85には、電話の音声を出力するスピーカ87と、利用者の音声を入力するマイク88と、各種プッシュボタンを有し、DTMFを入力可能な入力部89とが接続されている。無線通信部86にはアンテナ18が接続されている。PSTN101に接続された移動通信網111にはアンテナ112が接続されている。無線通信部86は、アンテナ18、112、移動通信網111を介して、PSTN101とデータの送受信を行う。
【0020】
ここで、DTMF(Dual-Tone Multi-Frequency)とは、0から9までの数字と、*、#、A、B、C、Dの記号の計16種類の符号を、低群・高群の2つの音声周波数帯域の合成信号音で送信する方法である。別名「トーン信号」「ダイヤルトーン」「プッシュ信号」とも呼ばれる。DTMFは、プッシュ式電話回線での電話番号の送出、特に本実施例では音声回線での番号入力で用いられる。本実施例では、「プッシュ信号」をDTMFと呼んで説明する。
【0021】
次に、玄関鍵3の電気的構成について、図2を参照して説明する。玄関鍵3は、CPU31を備えている。CPU31には、LAN102に接続するためのネットワーク通信部32と、鍵機構部35とがバスを介して接続されている。鍵機構部35は、図示外の鍵によって扉を施錠できる。CPU31は、鍵機構部35に設けられたセンサ等によって扉の施錠を検出できる。
【0022】
次に、電気機器4〜7の電気的構成について、図2を参照して説明する。テレビ4は、装置全体の制御を司るCPU41を備えている。CPU41には、LAN102に接続するためのネットワーク通信部42と、テレビ4のモニターのON/OFFを切り替える動作部45とが接続されている。
【0023】
パソコン5は、装置全体の制御を司るCPU51を備えている。CPU51には、LAN102に接続するためのネットワーク通信部52と、パソコン5の電源のON/OFFを切り替える動作部55とが接続されている。
【0024】
室内灯6は、機器の制御を司るCPU61を備えている。CPU61には、LAN102に接続するためのネットワーク通信部62と、室内灯6の点灯/消灯を切り替える動作部65とが接続されている。
【0025】
防犯装置7は、機器の制御を司るCPU71を備えている。CPU71には、LAN102に接続するためのネットワーク通信部72と、防犯装置7の設定(稼動、休止)を変更する動作部75とが接続されている。
【0026】
次に、ルータ装置2のフラッシュメモリ24の各種記憶エリアについて、図3を参照して説明する。フラッシュメモリ24は、プログラム記憶エリア241と、外出時設定テーブル記憶エリア242と、外出時状態テーブル記憶エリア243と、機器/DTMF対応テーブル記憶エリア244と、音声メニュー記憶エリア245と、音声データ記憶エリア246とを少なくとも備えている。
【0027】
プログラム記憶エリア241には、本発明の「制御プログラム」が記憶されている。外出時設定テーブル記憶エリア242には、後述する外出時設定テーブル2421(図4参照)が記憶されている。外出時状態テーブル記憶エリア243には、後述する外出時状態テーブル2431(図5参照)が記憶されている。機器/DTMF対応テーブル記憶エリア244には、後述する機器/DTMF対応テーブル2441(図6参照)が記憶されている。音声メニュー記憶エリア245には、後述する音声メニュー2451(図7参照)が記憶されている。音声データ記憶エリア246には、音声データA〜D(図8参照)が記憶されている。
【0028】
次に、外出時設定テーブル2421について、図4を参照して説明する。外出時設定テーブル2421には、監視システム1の管理下に置かれたテレビ4、パソコン5、室内灯6、及び防犯装置7の外出時における正常状態が利用者によって予め登録されている。例えば、テレビ4は「モニターOFF」、パソコン5は「電源OFF」、室内灯6は「消灯」、防犯装置7は「稼動」がそれぞれの正常状態として、外出時設定テーブル2421に登録されている。なお、正常状態をどのように設定するかは自由である。外出時設定テーブル2421に登録されている情報が「外出時設定情報」である。本実施形態では、外出時において、外出時設定情報と異なる状態の電気機器は異常と判断される。
【0029】
次に、外出時状態テーブル2431について、図5を参照して説明する。監視システム1では、玄関鍵3の施錠を契機に、テレビ4、パソコン5、室内灯6、及び防犯装置7の現在の状態が検出される。それら検出結果は、電気機器4〜7からルータ装置2に送信され、外出時状態テーブル2431に各々記憶される。外出時状態テーブル2431には、電気機器4〜7の現在の状態が各々記憶される。外出時状態テーブル2431に登録されている情報が「外出時状態情報」である。外出時設定テーブル2421の外出時設定情報と、外出時状態テーブル2431の外出時状態情報とを対比することで、外出時における電気機器4〜7が正常か異常かをそれぞれ判定できる。
【0030】
次に、機器/DTMF対応テーブル2441について、図6を参照して説明する。機器/DTMF対応テーブル2441には、電気機器4〜7に対して、プッシュボタン操作(以下、DTMF入力)の番号1〜4が割り当てられている。例えば、番号1はテレビ4、番号2はパソコン5、番号3は室内灯6、番号4は防犯装置7に対応している。後述するように、ルータ装置2から利用者の携帯端末8のスピーカ87を通じて再生されるDTMF入力用音声に従い、利用者が携帯端末8の入力部89においてDTMF入力を行うことにより、電気機器4〜7の各操作を選択できる。
【0031】
次に、音声メニュー2451について、図7を参照して説明する。音声メニュー2451には、外出時に異常が検出された電気機器に対応するDTMF入力の番号と、該番号に対応する電気機器の種類と、その電気機器の設定内容とが対応づけられて記憶されている。例えば、外出時において電気機器4〜7の各状態が検出され、その結果、テレビ4のモニターがONされ、パソコン5の電源がOFFされ、室内等6が消灯され、防犯装置7が休止していた場合を想定する。図4に示す外出時設定テーブル2421と対比すると、パソコン5と室内灯6は正常であるが、テレビ4と防犯装置7とが異常である。この場合、ルータ装置2では、テレビ4と防犯装置7とを正常状態に設定し直す為の音声メニュー2451を作成する。
【0032】
図7に示す音声メニュー2451において、DTMF入力の番号には「1」と「4」が記憶されている。「1」と「4」に対応する電気機器として「テレビ」と「防犯装置」が記憶されている。「テレビ」に対応する設定内容には「モニターOFF」、「防犯装置」に対応する設定内容には「稼動」が記憶されている。このような音声メニュー2451に従って、フラッシュメモリ24の音声データ記憶エリア246から音声データが取得され、DTMF入力用音声が生成される。携帯端末8のスピーカ87を通じてDTMF入力用音声を再生する。利用者は、再生されたDTMF入力用音声に従って、携帯端末8の入力部89においてDTMF入力を行うことにより、外出先からテレビ4をモニターOFFに設定し、防犯装置7を稼動させることができる。
【0033】
次に、音声データ記憶エリア246に記憶されている音声データについて、図8を参照して説明する。音声データ記憶エリア246には、4種類の音声データA〜Dが記憶されている。これら音声データA〜Dは、上述の音声メニュー2451に従って取得され、DTMF入力用音声を生成する為に利用される。音声データA〜Dのメッセージ内容は、例えば、以下の通りである。
・音声データA →「テレビのモニターをOFFする場合は1を押してください。」
・音声データB →「パソコンを電源OFFする場合は2を押して下さい。」
・音声データC →「室内灯を消灯する場合は3を押して下さい。」
・音声データD →「防犯装置を稼動する場合は4を押して下さい。」
【0034】
次に、監視システム1によって実行される家庭内の電気機器4〜7の監視処理について説明する。監視システム1の監視処理は、玄関鍵3のCPU31が実行する外出検出処理(図9参照)と、ルータ装置2のCPU21が実行する監視処理(図10、図11参照)と、電気機器4〜7のCPU41、51、61、71が実行する機器状態設定処理(図12参照)と、携帯端末8のCPU81が実行するDTMF入力処理(図13処理)とによって構成される。
【0035】
まず、玄関鍵3のCPU31が実行する外出検出処理について、図9のフローチャートを参照して説明する。本処理は、玄関鍵3の電源がオンされたのを契機に実行される。CPU31は、鍵機構部35(図2参照)において、施錠を検出したか否か判断する(S1)。CPU31は、施錠を検出するまでは(S1:NO)、S1に戻って待機状態となる。CPU31は、施錠を検出したと判断した場合(S1:YES)、利用者は外出したので、ルータ装置2に向けて、利用者が外出したことを通知する外出通知信号を送信する(S2)。CPU31は、その後、S1に戻って処理を繰り返す。
【0036】
次に、ルータ装置2のCPU21が実行する監視処理について、図10、図11のフローチャートを参照して説明する。本処理は、ルータ装置2の電源がONされると、フラッシュメモリ24のプログラム記憶エリア241(図3参照)に記憶された「制御プログラム」が呼び出されて実行される。
【0037】
まず、CPU21は、玄関鍵3から外出通知信号を受信したか否か判断する(S11)。CPU21は、玄関鍵3から外出通知信号を受信するまでは(S11:NO)、S11に戻って待機状態となる。
【0038】
CPU21は、玄関鍵3から外出通知信号を受信したと判断した場合(S11:YES)、利用者が外出したので、家庭内の電気機器4〜7の現在の状態を確認する為、電気機器4〜7に向けて、機器状態確認依頼信号を送信する(S12)。機器状態確認依頼信号を受信した電気機器4〜7は、各機器の現在の状態を検出する。電気機器4〜7は、現在の状態の検出結果を示す機器状態確認結果信号をルータ装置2に向けて送信する。
【0039】
CPU21は、電気機器4〜7から機器状態確認結果信号を受信した否か判断する(S13)。CPU21は、電気機器4〜7から機器状態確認結果信号を全て受信したと判断するまでは(S13:NO)、S13に戻って待機状態となる。CPU21は、電気機器4〜7から受信した機器状態確認結果信号に基づき、フラッシュメモリ24に記憶した外出時状態テーブル2431(図5参照)に、電気機器4〜7の現在の状態を登録する。
【0040】
CPU21は、電気機器4〜7から機器状態確認結果信号を全て受信したと判断した場合(S13:YES)、フラッシュメモリ24に記憶された外出時設定テーブル2421(図4参照)から、電気機器4〜7の外出時設定情報を取得する(S14)。CPU21は、取得した外出時設定情報と、外出時状態テーブル2431(図5参照)に登録した外出時情報とを比較する(S15)。CPU21は、外出時設定情報と外出時情報との比較結果に相違が有るか否か判断する(S16)。CPU21は、外出時設定情報と外出時情報との比較結果に相違が無いと判断した場合(S16:NO)、外出時において家庭内の電気機器4〜7はすべて正常であるので、S11に戻って処理を繰り返す。
【0041】
一方、CPU21は、外出時設定情報と外出時情報との比較結果に相違があると判断した場合(S16:YES)、異常のある電気機器が検出されているので、異常が検出された電気機器を正常状態に設定する為の音声メニューを作成する(S17)。
【0042】
例えば、図4に示す外出時設定テーブル2421に記憶された外出時設定情報と、図5に示す外出時状態テーブル2431に記憶された外出時情報とを対比する。すると、テレビ4の現在の状態と、防犯装置7の現在の状態とが、外出時設定情報と異なっているので異常である。CPU21は、テレビ4と防犯装置7とを正常に設定し直す為の音声メニュー2451(図7参照)を作成する。CPU21は、作成した音声メニュー2451を、フラッシュメモリ24の音声メニュー記憶エリア245(図3参照)に記憶する。
【0043】
CPU21は、作成した音声メニュー2451に対応する音声データA、Dを、フラッシュメモリ24の音声データ記憶エリア246(図8参照)から取得する(S18)。CPU21は、取得した音声データA、Dを元に、DTMF入力用音声を生成する(S19)。生成したDTMF入力用音声が、異常が検出されたテレビ4と防犯装置7とを正常に設定し直す為の音声ガイダンスとなる。
【0044】
このように、CPU21は、異常が検出された電気機器のみを抽出し、異常が検出された電気機器のみを正常に設定し直す為のDTMF入力用音声を生成する。故に、利用者は、電気機器4〜7の中から異常が検出された電気機器を選択する手間がない。さらに、利用者は、どの電気機器に異常が検出されたかを短時間で把握できる。また、利用者が携帯端末8の入力部89で行うDTMF入力作業を簡単にできる。
【0045】
次いで、CPU21は、利用者に電気機器の異常を通知する為、利用者の携帯端末8に発信する(S20)。
【0046】
図11に示すように、CPU21は、携帯端末8が着信を受け入れたか否か判断する(S21)。CPU21は、例えば、携帯端末8において着信拒否が設定されていると判断した場合、又は所定時間を経過しても着信を受け入れられないと判断した場合(S21:NO)、図10のS11に戻って処理を繰り返す。利用者は、ルータ装置2から着信があれば、少なくとも家庭内の電気機器4〜7の何れかに異常があったことを認識できる。例えば、外出先と自宅との距離が近ければ、自宅に帰って、自ら異常のあった電気機器を正常に設定し直すことも可能である。この場合、利用者は、ルータ装置2からの着信を拒否すればよい。この他にも例えば、利用者が事情により異常があっても構わないと判断した場合に、ルータ装置2からの着信を拒否してもよい。
【0047】
CPU21は、携帯端末8が着信を受け入れたと判断した場合(S21:YES)、DTMF入力用音声を再生する(S22)。すると、利用者の携帯端末8のスピーカ87からDTMF入力用音声が流れる。本実施例では、例えば、「テレビを電源OFFする場合は1を押してください。防犯装置を稼動する場合は4を押して下さい。」というDTMF入力用音声が流れる。利用者は、DTMF入力用音声に従って、携帯端末8の入力部89においてDTMF入力を行う。携帯端末8は、DTMF入力に対応するDTMF信号をルータ装置2に送信する。
【0048】
CPU21は、携帯端末8からDTMF信号を受信したか否かを判断する(S24)。CPU21は、携帯端末8からDTMF信号を受信するまでは(S24:NO)、携帯端末8と通話中か否か判断する(S23)。CPU21は、携帯端末8と通話中であると判断する間は(S23:YES)、S24に戻って、DTMF信号を受信するまで待機状態となる。CPU21は、携帯端末8との通話が遮断され、通話中でないと判断した場合(S23:NO)、図10のS11に戻って処理を繰り返す。
【0049】
例えば、利用者がDTMF入力用音声に従って、携帯端末8の入力部89において番号「1」を押した場合、CPU21は、携帯端末8から番号「1」に対応するDTMF信号を受信する。CPU21は、番号「1」のDTMF信号を受信したと判断した場合(S24:YES)、CPU21は、機器/DTMF対応テーブル」2441(図6参照)を参照し、番号「1」に対応するDTMF信号はテレビ4であると認識する。CPU21は、フラッシュメモリ24に記憶した音声メニュー2451(図7参照)に基づき、テレビ4の設定内容を決定する。CPU21は、DTMF信号に対応する電気機器のDTMF対応動作データを取得する(S25)。本実施例では、CPU21は、番号「1」のDTMF信号に対応するテレビ4を「モニターOFF」に設定するDTMF対応動作データを取得する。
【0050】
CPU21は、取得したDTMF対応動作データに基づき、テレビ4のモニターをOFFに設定する為の機器状態設定依頼信号を、テレビ4に向けて送信する(S26)。機器状態設定依頼信号を受信したテレビ4のCPU41(図2参照)は、動作部45によってモニターをOFFに設定する。設定動作を終了したCPU41は、テレビ4の設定動作を終了したことを通知する為の設定動作終了通知信号をルータ装置2に向けて送信する。
なお、テレビ4については、モニターをOFFに設定する以外に、電源をOFFに設定するようにしてもよい。テレビ4のCPU41は、テレビ4の電源がOFFの場合でもルータ装置2との通信は可能である。
【0051】
CPU21は、テレビ4から設定動作終了通知信号を受信したか否か判断する(S27)。CPU21は、テレビ4から設定動作終了通知信号を受信していないと判断した場合(S27:NO)、S27に戻って待機状態となる。CPU21は、テレビ4から設定動作終了通知信号を受信したと判断した場合(S27:YES)、設定動作が終了したことを通知する設定動作終了通知用音声を再生する(S28)。これにより、利用者は、携帯端末8のスピーカ87を通じて、テレビ4の設定動作が終了したことを認識できる。
【0052】
CPU21は、異常が検出された全ての電気機器から設定動作終了通知信号を受信したか否か判断する(S29)。本実施例では、異常が検出されたテレビ4の設定動作終了通知信号は受信したが、異常が検出された防犯装置7の設定動作終了通知信号はまだ受信していない。
【0053】
CPU21は、異常が検出された防犯装置7から設定動作終了通知信号を受信していないと判断し(S29:NO)、防犯装置7のみを対象としたDTMF入力用音声に変更する為、「防犯装置を稼動する場合は4を押して下さい。」のDTMF入力用音声を生成する(S30)。CPU21は、S22に戻り、生成したDTMF入力用音声を再生する。携帯端末8のスピーカ87から「防犯装置を稼動する場合は4を押して下さい。」というDTMF入力用音声が流れる。CPU21は、上記同様にS23〜28を実行し、休止していた防犯装置7を稼動させる。設定動作を終了した防犯装置7のCPU71は、防犯装置7の設定動作を終了したことを通知する為の設定動作終了通知信号をルータ装置2に向けて送信する。
【0054】
CPU21は、異常が検出された全ての電気機器から設定動作終了通知信号を受信したか否か判断する(S29)。CPU21は、異常が検出された防犯装置7からも設定動作終了通知信号を受信しているので(S29:YES)、家庭内の電気機器4〜7は全て正常になっているので、図10のS11に戻って処理を繰り返す。
【0055】
次に、電気機器4〜7のCPU41〜71が実行する機器状態確認処理について、図12のフローチャートを参照して説明する。なお、ここでは、テレビ4のCPU41が実行する機器状態確認処理を一例として説明する。
【0056】
まず、CPU41は、ルータ装置2から機器状態確認依頼信号を受信したか否か判断する(S31)。機器状態確認依頼信号は、玄関鍵3が施錠され、利用者が外出したことをトリガーとして、ルータ装置2から送信されるものである。CPU41は、ルータ装置2から機器状態確認依頼信号を受信していないと判断した場合(S31:NO)、続いて、機器状態設定依頼信号を受信したか否か判断する(S35)。CPU41は、機器状態設定依頼信号も受信していないと判断した場合(S35:NO)、S31に戻って、機器状態確認依頼信号、又は機器状態設定依頼信号の受信があるまで待機状態となる。
【0057】
CPU41は、ルータ装置2から機器状態確認依頼信号を受信したと判断した場合(S31:YES)、モニターがOFFかONかの機器状態を検出する(S32)。CPU41は、機器状態の検出結果を示す機器状態確認結果信号をルータ装置2に送信し(S33)、S31に戻って処理を繰り返す。機器状態確認結果信号を受信したルータ装置2では、電気機器4〜7が正常か異常かを判定し、異常の検出された電気機器に向けて、機器状態設定依頼信号を送信する。
【0058】
CPU41は、ルータ装置2から機器状態設定依頼信号を受信したと判断した場合(S35:YES)、その機器状態設定依頼信号に基づき、設定動作を実行する(S36)。機器状態設定依頼信号を受信した場合、テレビ4に異常が検出されている。つまり、外出時のテレビ4のモニターがONになっている。機器状態設定依頼信号は、テレビ4のモニターをOFFにする依頼である。CPU41は、テレビ4をモニターOFFに設定する。これにより、テレビ4の機器状態は正常となる。CPU41は、機器状態の設定動作を終了したので、設定動作終了通知信号をルータ装置2に送信し(S37)。S31に戻って、処理を繰り返す。
【0059】
次に、携帯端末8のCPU81が実行するDTMF入力処理について、図13のフローチャートを参照して説明する。本処理は、携帯端末8の電源がONされると開始される。まず、CPU81は、ルータ装置2から異常通知の着信があったか否か判断する(S41)。CPU81は、ルータ装置2から異常通知の着信があるまでは(S41:NO)、S41に戻って待機状態となる。
【0060】
CPU81は、ルータ装置2から異常通知の着信があったと判断した場合(S41:YES)、利用者が着信ボタン(図示外)を押して着信を受け入れたか否かを判断する(S42)。CPU81は、利用者が着信ボタンを押さずに、着信拒否の操作をしたと判断した場合(S42:NO)、S41に戻って、処理を繰り返す。利用者は、ルータ装置2から着信があれば、少なくとも家庭内の電気機器4〜7の何れかに異常があったことを認識できる。例えば、外出先と自宅との距離が近ければ、自宅に帰って、自ら異常のあった電気機器を正常に設定し直すことも可能である。この場合、利用者は、携帯端末8においてルータ装置2からの着信を拒否すればよい。
【0061】
CPU81は、利用者が着信ボタン(図示外)を押して着信を受け入れたと判断した場合(42:YES)、DTMF入力用音声が再生されたか否か判断する(S43)。DTMF入力用音声をスピーカ87から聞いた利用者は、電気機器4〜7のどの電気機器が異常であるかを認識できる。利用者は、スピーカ87から流れるDTMF入力用音声に従って、入力部89においてDTMF入力を行う。
【0062】
CPU81は、スピーカ87からDTMF入力用音声が再生されたと判断した場合(S43:YES)、入力部89においてDTMF入力が有ったか否か判断する(S45)。CPU81は、入力部89においてDTMF入力が有るまでは(S45:NO)、ルータ装置2と通話中か否か判断する(S44)。CPU81は、ルータ装置2と通話中と判断した場合(S44:YES)、S45に戻って、入力部89においてDTMF入力があるまで待機状態となる。CPU81は、利用者によってルータ装置2との通話が遮断されたと判断した場合(S44:NO)、ルータ装置2との通話が終了しているので、最初のS41に戻って、処理を繰り返す。
【0063】
CPU81は、入力部89においてDTMF入力が有ったと判断した場合(S45:YES)、設定動作終了通知用音声が再生されたか否か判断する(S47)。CPU81は、設定動作終了通知用音声が再生されていないと判断した場合(S47:NO)、ルータ装置2と通話中か否か判断する(S46)。CPU81は、ルータ装置2と通話中と判断した場合(S46:YES)、S47に戻って、設定動作終了通知用音声が再生されるまで待機状態となる。CPU81は、利用者によってルータ装置2との通話が遮断されたと判断した場合(S46:NO)、ルータ装置2との通話が終了しているので、最初のS41に戻って、処理を繰り返す。
【0064】
CPU81は、設定動作終了通知用音声が再生されたと判断された場合(S47:YES)、S43に戻り、さらにDTMF入力用音声が再生されたか否か判断する。利用者による1回のDTMF入力で、機器状態を設定し直すことができる電気機器は1つである。1つの電気機器の設定が終了しても、異常が検出された電気機器が残っている場合、ルータ装置2では、残りの電気機器に対応するDTMF入力用音声が再生される。異常が検出された電気機器が残っていない場合、DTMF入力用音声は再生されない。CPU81は、DTMF入力用音声が再生されないと判断した場合(S43:NO)、最初のS41に戻って処理を繰り返す。
【0065】
以上説明したように、本実施形態のルータ装置2では、玄関鍵3の施錠を契機に、家庭内の電気機器4〜7の状態を検出する。検出した電気機器4〜7の現在の状態と、予め登録した電気機器4〜7の外出時の正常状態とを対比し、状態が異なる電気機器は異常である。ルータ装置2は、異常が検出された電気機器を抽出し、その異常が検出された電気機器の状態を携帯端末8のDTMF入力により設定可能とする為に、DTMF入力用音声を生成する。ルータ装置2は、異常通知として利用者の携帯端末8に発信する。携帯端末8で着信が受け入れられた場合、DTMF入力用音声を再生する。
【0066】
利用者は、DTMF入力用音声に従い、携帯端末8からDTMF入力を行う。DTMF信号を受信したルータ装置2は、DTMF信号に対応する電気機器に対して、状態を正常に設定することを依頼する機器状態設定依頼信号を送信する。機器状態設定依頼信号を受信した電気機器では、機器状態設定依頼信号に基づき、状態を正常に設定し直す。これにより、利用者は、外出時に電気機器の異常を確認できるのみならず、異常があった電機機器に対して迅速に対処できる。
【0067】
以上説明において、図1に示すルータ装置2が本発明の「監視装置」に相当し、電気機器4〜7が本発明の「機器」に相当し、玄関鍵3が本発明の「外出検知部」に相当し、携帯端末8が本発明の「外部端末」に相当し、フラッシュメモリ24が本発明の「記憶部」に相当する。図10のS12の処理を実行するCPU21が本発明の「機器状態検出ステップ」に相当し、S15、S16の処理を実行するCPU21が本発明の「異常有無判断ステップ」に相当し、S20〜S22の処理を実行するCPU21が本発明の「異常情報出力ステップ」に相当し、S24の処理を実行するCPU21が本発明の「制御要求指令ステップ」に相当し、S26の処理を実行するCPU21が本発明の「機器制御ステップステップ」に相当する。DTMF信号が本発明の「制御要求指令」に相当し、DTMF入力用音声が本発明の「異常情報」としての「音声メニュー情報」に相当する。
【0068】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態は、ルータ装置2のCPU21が作成する音声メニューとして、図7に示す音声メニュー2451を一例として説明している。つまり、音声メニュー2451では、異常のあったテレビ4と防犯装置7の各状態を、2段階のDTMF入力で、正常な状態に戻すことができる。これに対し、図14に示す音声メニュー2452では、異常のあったテレビ4と防犯装置7の各状態を、1段階のDTMF入力で、正常な状態に戻すことができる。
【0069】
図14に示す音声メニュー2452では、図7に示す音声メニュー2451に対して、DTMF入力の番号「1」、「4」に追加して「0」が記憶されている。「0」には、「テレビ:電源OFF」と、「防犯装置:稼動」とを同時に設定可能な外出時設定が記憶されている。このような音声メニュー2452を元に生成されるDTMF入力用音声は、例えば、「全てを外出時設定にする場合は0を押してください。テレビの電源をOFFにする場合には1を押してください。防犯装置を稼動する場合には4を押してください。」となる。利用者が携帯端末8の入力部89において「0」を押した場合、1段階のDTMF入力で、テレビ4を電源OFFに設定し、防犯装置7を稼動させることができる。従って、異常状態の機器が複数に渡る場合には、DTMF入力の作業をさらに短縮できる。
【0070】
また、上記実施形態では、ルータ装置2が実行する監視処理は、玄関鍵3において施錠が検出されたことを契機としているが、監視処理のトリガーはこれ以外でもよい。利用者の外出を契機とするならば、例えば、玄関に人感センサ、赤外線センサ等を設け、玄関における人の通過を検出して利用者の外出を検出してもよい。また、玄関に外出ボタンを設け、外出時に押下されたときを契機としてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、本発明の監視装置として、ルータ装置2を一例として説明したが、これ以外に、例えば、通常のPCや、複合機でもよく、PSTN、LANに接続できるものであればよい。さらに、本発明の監視装置は、協働して動作する複数の装置で構成されていてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、ルータ装置2のCPU21は、利用者が外出するタイミングで、監視処理を実行しているが、外出中に監視処理を実行してもよい。さらには、外出中において、監視処理を定期的に実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0073】
1 監視システム
2 ルータ装置
3 玄関鍵
4 テレビ
5 パソコン
6 室内灯
7 防犯装置
8 携帯端末
21 CPU
24 フラッシュメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の異常を監視する監視装置であって、
前記監視装置を制御する制御部と、
前記制御部に実行させる命令を記憶した記憶部とを備え、
前記制御部は、前記命令を実行することにより、
所定タイミングで前記機器の状態を検出する機器状態検出ステップと、
前記機器状態検出ステップにおいて検出した前記機器の状態と、予め登録した前記機器の通常状態とを比較して前記機器の異常の有無を判断する異常有無判断ステップと、
前記異常有無判断ステップにおいて前記機器に異常があると判断した場合、プッシュホン式電話機能を有する外部端末に異常情報を出力する異常情報出力ステップと、
前記異常情報を受信した前記外部端末から出力され、前記機器の制御を要求する制御要求指令を受け付ける制御要求指令受付ステップと、
前記制御要求指令受付ステップにおいて受け付けた前記制御要求指令に基づき、前記機器を制御する機器制御ステップと
を実行することを特徴とする監視装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記異常情報出力ステップを実行するときに、前記異常情報として、前記異常有無判断ステップにおいて異常と判断された前記機器のみに対応し、かつ前記機器の複数の操作の中から少なくとも一の操作を、プッシュホン入力により選択可能な音声メニュー情報を前記外部端末に出力し、
前記制御要求指令受付ステップを実行するときに、前記音声メニュー情報を受信した前記外部端末において、前記音声メニュー情報に従って入力されたプッシュホン信号を、前記制御要求指令として受け付け、
前記機器制御ステップを実行するときに、前記制御要求指令受付ステップにおいて受け付けた前記プッシュホン信号に基づき、前記機器を制御することを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
利用者の外出を検知する外出検知部を備え、
前記制御部は、前記機器状態検出ステップを実行するときに、
前記外出検出部によって前記利用者の外出を検知した場合に、前記機器の状態を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の監視装置。
【請求項4】
機器の異常を監視する監視装置を機能させる制御プログラムであって、
コンピュータに、
所定タイミングで前記機器の状態を検出する機器状態検出ステップと、
前記機器状態検出ステップにおいて検出した前記機器の状態と、予め登録した前記機器の通常状態とを比較して前記機器の異常の有無を判断する異常有無判断ステップと、
前記異常有無判断ステップにおいて前記機器に異常があると判断した場合、プッシュホン式電話機能を有する外部端末に異常情報を出力する異常情報出力ステップと、
前記異常情報を受信した前記外部端末から出力され、前記機器の制御を要求する制御要求指令を受け付ける制御要求指令受付ステップと、
前記制御要求指令受付ステップにおいて受け付けた前記制御要求指令に基づき、前記機器を制御する機器制御ステップと
を実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項5】
機器の異常を監視する監視装置の制御方法であって、
所定タイミングで前記機器の状態を検出する機器状態検出ステップと、
前記機器状態検出ステップにおいて検出した前記機器の状態と、予め登録した前記機器の通常状態とを比較して前記機器の異常の有無を判断する異常有無判断ステップと、
前記異常有無判断ステップにおいて前記機器に異常があると判断した場合、プッシュホン式電話機能を有する外部端末に異常情報を出力する異常情報出力ステップと、
前記異常情報を受信した前記外部端末から出力され、前記機器の制御を要求する制御要求指令を受け付ける制御要求指令受付ステップと、
前記制御要求指令受付ステップにおいて受け付けた前記制御要求指令に基づき、前記機器を制御する機器制御ステップと
を備えたことを特徴とする制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−159900(P2012−159900A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17564(P2011−17564)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】