監視装置
【課題】不審な移動行動を示す行動パターンを登録することなく、監視対象者が次に訪れる可能性がある区域を知らせることができる監視装置を得ることを目的とする。
【解決手段】履歴データベース15に記録されている過去の行動履歴を参照して、識別情報取得部10により取得された識別情報が示す監視対象者が、次に訪れる可能性が高い区域を予測する予測処理部16とを設け、予測区域明示部17が、監視対象領域を表しているマップ上に、予測処理部16により予測された区域を明示する。
【解決手段】履歴データベース15に記録されている過去の行動履歴を参照して、識別情報取得部10により取得された識別情報が示す監視対象者が、次に訪れる可能性が高い区域を予測する予測処理部16とを設け、予測区域明示部17が、監視対象領域を表しているマップ上に、予測処理部16により予測された区域を明示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、立入が制限されている区域を含む監視対象領域を監視する監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の監視装置の操作画面でも、画面上に監視対象領域のマップを表示する機能のほかに、監視対象領域内に存在する人物を撮影しているカメラの映像を表示する機能や、その人物の行動履歴を一覧表で表示する機能などを備えているものがある。
しかし、カメラの映像や人物の行動履歴等は画面内で表示領域が区分けされていたり、常時表示画面上に別ウィンドウで表示されていたりしており、これらの内容を表示変更する場合は、対象となる領域を個別に操作して表示を切替えることが必要である。
このため、関連する情報を把握するためには表示切替操作を行うとともに、個別の情報表示領域と監視対象領域のマップと対比しながら、ユーザが頭の中で関連性を紐付けることが必要である。
【0003】
以下の特許文献1には、予め、不審な移動行動を示す行動パターンを登録し、監視対象領域内を移動している監視対象者の行動パターンが、予め登録している行動パターンと一致する場合、その監視対象者が不審な行動を行っていると判定する監視装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−90861号公報(段落番号[0019]、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の監視装置は以上のように構成されているので、予め不審な移動行動を示す行動パターンを登録しておけば、監視対象者の不審な行動を検出することができる。しかし、不審な移動行動を示す行動パターンの全てを事前に登録することは困難であり、監視対象者が不審な行動をしていても、その監視対象者の行動パターンと一致する行動パターンが事前に登録されていなければ、監視対象者の不審な行動を検出することができず、監視対象者の次の行動を予測することもできないなどの課題があった。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、不審な移動行動を示す行動パターンを登録することなく、監視対象者が次に訪れる可能性がある区域を知らせることができる監視装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る監視装置は、監視対象領域内で立入が制限される区域毎に設置されており、当該区域への立入を希望している監視対象者の識別情報を取得する識別情報取得手段と、識別情報取得手段により取得された識別情報が示す監視対象者が、当該区域への立入を許可されている立入許可者であるか否かを判定する立入許可者判定手段と、立入許可者判定手段により監視対象者が立入許可者である旨の判定がなされた場合、当該区域の出入口に設置されている扉の鍵を開錠し、その監視対象者が立入許可者でない旨の判定がなされた場合、その扉の施錠状態を維持する鍵制御手段と、識別情報取得手段により取得された識別情報、その識別情報取得手段が設置されている区域、立入許可者判定手段の判定時刻及び判定結果を示す監視対象者の行動履歴を記録する行動履歴記録手段と、行動履歴記録手段に記録されている過去の行動履歴を参照して、識別情報取得手段により取得された識別情報が示す監視対象者が、次に訪れる可能性が高い区域を予測する予測手段とを設け、予測区域明示手段が、監視対象領域を表しているマップ上に、予測手段により予測された区域を明示するようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、監視対象領域内で立入が制限される区域毎に設置されており、当該区域への立入を希望している監視対象者の識別情報を取得する識別情報取得手段と、識別情報取得手段により取得された識別情報が示す監視対象者が、当該区域への立入を許可されている立入許可者であるか否かを判定する立入許可者判定手段と、立入許可者判定手段により監視対象者が立入許可者である旨の判定がなされた場合、当該区域の出入口に設置されている扉の鍵を開錠し、その監視対象者が立入許可者でない旨の判定がなされた場合、その扉の施錠状態を維持する鍵制御手段と、識別情報取得手段により取得された識別情報、その識別情報取得手段が設置されている区域、立入許可者判定手段の判定時刻及び判定結果を示す監視対象者の行動履歴を記録する行動履歴記録手段と、行動履歴記録手段に記録されている過去の行動履歴を参照して、識別情報取得手段により取得された識別情報が示す監視対象者が、次に訪れる可能性が高い区域を予測する予測手段とを設け、予測区域明示手段が、監視対象領域を表しているマップ上に、予測手段により予測された区域を明示するように構成したので、不審な移動行動を示す行動パターンを登録することなく、監視対象者が次に訪れる可能性がある区域を知らせることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1による監視装置を示す構成図である。
【図2】タグ/個人情報テーブルを示す説明図である。
【図3】立入制限区域テーブルを示す説明図である。
【図4】カメラ・扉テーブルを示す説明図である。
【図5】扉・認証装置テーブルを示す説明図である。
【図6】認証装置・電気錠テーブルを示す説明図である。
【図7】監視対象者別の行動履歴を示す説明図である。
【図8】この発明の実施の形態1による監視装置の処理内容の要部を示すフローチャートである。
【図9】監視対象領域を示すマップ、監視映像や認証リストなどを示す画面の表示例を示す説明図である。
【図10】監視対象者が次に訪れる可能性が高い区域が明示されている監視対象領域のマップを示す説明図である。
【図11】この発明の実施の形態2による監視装置を示す構成図である。
【図12】予測区域が“立入禁止区域”である旨を示す警告情報が表示されている監視対象領域のマップを示す説明図である。
【図13】この発明の実施の形態3による監視装置を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による監視装置を示す構成図である。
図1において、マップ表示処理部1は例えばGPU(Graphics Processing Unit)などから構成されており、監視対象領域を示すマップをモニタ2に表示する処理を実施する。
カメラ3は監視対象領域内の複数箇所に設置されており、設置箇所の監視映像を出力する。
カメラ映像取得部4は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、カメラ3から出力された監視映像を取得する処理を実施する。
カメラ映像蓄積部5は例えばハードディスクなどの記憶装置から構成されており、カメラ映像取得部4により取得された監視映像を蓄積する。
【0011】
監視対象者検出部6は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、カメラ映像取得部4により取得された監視映像(LIVEの映像)を解析して、その監視映像内に存在している人物(監視対象者)の検出処理を実施し、監視対象者が検出されれば、その監視対象者を撮影しているカメラ3を示すカメラ番号を出力する。
アイコン表示処理部7は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、監視対象領域内に設置されているカメラ3のアイコンをマップ上に表示する指令をマップ表示処理部1に出力するとともに、監視対象者検出部6により検出された監視対象者のアイコンをマップ上に表示する指令をマップ表示処理部1に出力する。監視対象者のアイコンの表示位置は、監視対象者検出部6から出力されたカメラ番号が示すカメラ3の撮影エリア内の位置である。
なお、監視対象者検出部6及びアイコン表示処理部7からアイコン表示手段が構成されている。
【0012】
監視対象者選択部8は例えばキーボード、マウスやタッチパネルなどのマンマシンインタフェースから構成されており、監視対象領域を示すマップ上に表示されている1以上の監視対象者のアイコンの中から、いずれかのアイコンの選択を受け付けることで、監視対象者を指定する処理を実施する。
映像表示処理部9は例えばGPUなどから構成されており、カメラ映像蓄積部5に蓄積されている監視映像(LIVE映像、過去の映像を含む)の中から、監視対象者選択部8により指定された監視対象者を撮影しているカメラ3の監視映像を取得して、監視対象領域を示すマップと同一画面上に、そのカメラ3の監視映像を表示する処理を実施する。なお、映像表示処理部9は映像表示手段を構成している。
【0013】
識別情報取得部10は監視対象領域内で立入が制限される区域(例えば、部屋、パーティションなどで囲われている領域、物理的な壁では囲われていないが立入が制限される空間など)毎に設置されており、例えば、カードリーダから構成されている場合には、監視対象者が保持しているICカードから、監視対象者の識別情報として、タグ番号(ICカード毎に割り当てられているユニークな番号)と監視対象者のID番号を読み取る処理を実施する。例えば、生体認証装置から構成されている場合には、監視対象者の識別情報として、監視対象者の指紋や眼紋などを読み取る処理を実施する。なお、識別情報取得部10は識別情報取得手段を構成している。
【0014】
テーブル格納部11は例えばハードディスクなどの記憶装置から構成されており、タグ/個人情報テーブル、立入制限区域テーブル、カメラ・扉テーブル、扉・認証装置テーブル及び認証装置・電気錠テーブルを格納している。
タグ/個人情報テーブルは、図2に示すように、ICカードのタグ番号、監視対象者のID番号、名前、性別、所属及びセキュリティレベル(監視対象者の立入可能区域を示す立入可能区域情報)を記録している。
立入制限区域テーブルは、図3に示すように、立入が制限される区域を示す区域番号・部屋番号、区域のセキュリティレベル及び区域の位置(座標)を記録している。
【0015】
カメラ・扉テーブルは、図4に示すように、カメラ3を示すカメラ番号、立入が制限される区域の出入口に設置されている扉を示す扉番号、立入が制限される区域を示す区域番号及びカメラの撮影エリアを記録している。
扉・認証装置テーブルは、図5に示すように、立入が制限される区域の出入口に設置されている扉を示す扉番号、扉の近傍に設置されている識別情報取得部10(認証装置)を示す認証装置番号及び立入が制限される区域を示す区域番号を記録している。
認証装置・電気錠テーブルは、図6に示すように、識別情報取得部10(認証装置)を示す認証装置番号、扉の電気錠を示す電気錠番号及び立入が制限される区域を示す区域番号を記録している。
【0016】
立入許可者判定部12は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、テーブル格納部11により格納されている図2のタグ/個人情報テーブルから、識別情報取得部10により取得された識別情報(タグ番号、ID番号)に対応する監視対象者のセキュリティレベル(立入可能区域情報)を読み出すとともに、図3の立入制限区域テーブルから、その識別情報取得部10が設置されている区域のセキュリティレベルを読み出し、その監視対象者のセキュリティレベルが区域のセキュリティレベルより高ければ(セキュリティレベルが同等である場合を含む)、その監視対象者は当該区域への立入を許可されている立入許可者であるものと判定し、その監視対象者のセキュリティレベルが区域のセキュリティレベルに満たなければ、その監視対象者は当該区域への立入を許可されている立入許可者ではないものと判定する。なお、立入許可者判定部12は立入許可者判定手段を構成している。
【0017】
鍵制御部13は立入が制限される区域の出入口に設置されている扉の電子錠と電気的に接続されており(無線で接続されていてもよい)、その電子錠の施錠状態を制御する鍵制御機器であって、立入許可者判定部12により監視対象者が立入許可者である旨の判定がなされた場合、当該区域の出入口に設置されている扉の鍵を開錠し、監視対象者が立入許可者でない旨の判定がなされた場合、その扉の施錠状態を維持する処理を実施する。なお、鍵制御部13は鍵制御手段を構成している。
【0018】
行動履歴記録処理部14は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、識別情報取得部10により取得された識別情報、その識別情報取得部10が設置されている区域を示す区域番号・部屋番号、その識別情報が示す監視対象者のセキュリティレベル、立入許可者判定部12の判定時刻及び判定結果などの組み合わせからなる監視対象者の行動履歴を履歴データベース15に記録する処理を実施する。
履歴データベース15は例えばハードディスクなどの記憶装置から構成されており、図7に示すような監視対象者別の行動履歴を示す履歴テーブルを格納している。
なお、行動履歴記録処理部14及び履歴データベース15から行動履歴記録手段が構成されている。
【0019】
予測処理部16は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、履歴データベース15に記録されている過去の行動履歴を参照して、識別情報取得部10により取得された識別情報が示す監視対象者が、次に訪れる可能性が高い区域を予測する処理を実施する。
即ち、予測処理部16は履歴データベース15に記録されている過去の行動履歴の中から、識別情報取得部10により取得された識別情報が示す監視対象者が現在訪れている区域と、直前に訪れている区域とが同じであって、次に訪れている区域が記録されている一連の行動履歴を検索し、一連の行動履歴に記録されている次に訪れている区域を、次に訪れる可能性が高い区域として予測する処理を実施する。なお、予測処理部16は予測手段を構成している。
【0020】
予測区域明示部17は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、監視対象領域を表しているマップ上に、予測処理部16により予測された区域を明示する指令をマップ表示処理部1に出力する。なお、予測区域明示部17は予測区域明示手段を構成している。
認証リスト表示処理部18は例えばGPUなどから構成されており、識別情報取得部10により取得された識別情報、立入許可者判定部12の判定時刻・判定結果(認証結果)及び扉の鍵の状態を示す認証リストを生成し、監視対象領域を表しているマップと同一画面上に、その認証リストを表示する処理を実施する。なお、認証リスト表示処理部18は認証リスト表示手段を構成している。
【0021】
図1の例では、監視装置の構成要素であるマップ表示処理部1、モニタ2、カメラ3、カメラ映像取得部4、カメラ映像蓄積部5、監視対象者検出部6、アイコン表示処理部7、監視対象者選択部8、映像表示処理部9、識別情報取得部10、テーブル格納部11、立入許可者判定部12、鍵制御部13、行動履歴記録処理部14、履歴データベース15、予測処理部16、予測区域明示部17及び認証リスト表示処理部18のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、監視装置がコンピュータで構成されていてもよい。
監視装置がコンピュータで構成される場合、マップ表示処理部1、モニタ2、カメラ3、カメラ映像取得部4、監視対象者検出部6、アイコン表示処理部7、監視対象者選択部8、映像表示処理部9、識別情報取得部10、立入許可者判定部12、鍵制御部13、行動履歴記録処理部14、予測処理部16、予測区域明示部17及び認証リスト表示処理部18の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
図8はこの発明の実施の形態1による監視装置の処理内容の要部を示すフローチャートである。
【0022】
次に動作について説明する。
監視装置が起動されると、マップ表示処理部1が、監視対象領域を示すマップをモニタ2に表示する。
図9は監視対象領域を示すマップ、監視映像や認証リストなどを示す画面の表示例を示す説明図である。
図9の例では、監視対象領域である会議フロアA_3Fのマップが表示されており、会議フロアA_3F内の5つの部屋が、立入が制限される区域となっている。
また、会議フロアA_3Fには約20台のカメラ3が設置されており、図9には図示していないが、各部屋の出入口に設置されている扉には電気錠が設けられ、その扉の近傍には識別情報取得部10が設置されている。
【0023】
図9の例では、会議フロアA_3Fの他にも、複数の監視対象領域があり(例えば、フロア1F,2F,4F,5F,6F,7F)、画面中の監視対象領域の選択エリアにはマップ表示可能な複数の監視対象領域が示されている。
図9の例では、会議フロアA_3Fのマップが表示されているが、ユーザがマウス等のマンマシンインタフェースを用いて、例えば、フロア5Fを選択すれば、フロア5Fのマップが表示される。
【0024】
カメラ3は、監視対象領域内の複数箇所に設置されており、設置箇所の監視映像を出力する。
カメラ映像取得部4は、複数のカメラ3から出力された監視映像を取得し、その監視映像を当該カメラ3を示すカメラ番号と一緒にカメラ映像蓄積部5に蓄積する。
【0025】
監視対象者検出部6は、カメラ映像取得部4により取得された監視映像(LIVEの映像)を解析して、その監視映像内に存在している人物(監視対象者)の検出処理を実施する。
人物の検出処理自体は公知の技術であるため詳細な説明を省略するが、例えば、人間の顔等をパターン認識することで、人物を検出することができる。
監視対象者検出部6は、カメラ映像取得部4により取得された監視映像内に監視対象者が存在している場合、その監視対象者を撮影しているカメラ3を示すカメラ番号をアイコン表示処理部7に出力する。
【0026】
アイコン表示処理部7は、監視対象者検出部6から監視対象者を撮影しているカメラ3を示すカメラ番号を受けると、テーブル格納部11に格納されている図4のカメラ・扉テーブルを参照して、そのカメラ番号が示すカメラ3の撮影エリアを認識する。例えば、カメラ番号が“K0013”であれば、カメラ3の撮影エリアが2階03会議室内であると認識する。
アイコン表示処理部7は、カメラ番号が示すカメラ3の撮影エリアを認識すると、そのカメラ3の撮影エリア内の位置に、監視対象者のアイコンを表示する指令をマップ表示処理部1に出力する。
これにより、マップ表示処理部1は、監視対象領域を示すマップにおける当該カメラの撮影エリア内の位置に、監視対象者のアイコンを表示する。
図9の例では、右下の部屋内に監視対象者のアイコンを表示している。
【0027】
また、アイコン表示処理部7は、テーブル格納部11に格納されている図4のカメラ・扉テーブルを参照して、監視対象領域内に設置されている全てのカメラ3を認識し、監視対象領域内に設置されている全てのカメラ3のアイコンをマップ上に表示する指令をマップ表示処理部1に出力する。
これにより、マップ表示処理部1は、監視対象領域を示すマップ上に、カメラ3のアイコンを表示する。
図9の例では、約20台のカメラ3のアイコンを表示している。
【0028】
監視対象者選択部8は、監視対象領域を示すマップ上に表示されている1以上の監視対象者のアイコンの中から、いずれかのアイコンの選択を受け付けることで、監視対象者を指定する。
即ち、ユーザがマップ上に表示されている1以上の監視対象者のアイコンの中から、いずれかのアイコンを選択すると、そのアイコンの選択結果を映像表示処理部9及び予測処理部16に出力する。
図9の例では、監視対象者のアイコンが1つだけ表示されているが、複数の人物が監視対象領域内に存在していれば、複数のアイコンが表示されるので、ユーザが監視を希望する監視対象者のアイコンを選択することができる。
【0029】
映像表示処理部9は、監視対象者選択部8からアイコンの選択結果を受けると、カメラ映像蓄積部5に蓄積されている監視映像の中から、選択されたアイコンに係る監視対象者を撮影しているカメラ3の監視映像(例えば、LIVE映像)を取得する。
映像表示処理部9は、カメラ3の監視映像を取得すると、図9に示すように、監視対象領域を示すマップと同一画面上に、そのカメラ3の監視映像を表示する。
図9の例では、画面の右上に、カメラ3のLIVE映像を表示しているが、監視映像の上にある“履歴”タブを選択すれば、LIVE映像から当該カメラ3による過去の監視映像に切り替えることができる。
また、監視映像の上にある“認証”タブを選択すれば、その監視対象者が認証処理(後述する識別情報取得部10により識別情報が取得されて、立入許可者判定部12により立入許可者であるか否かの判定を受ける処理)を受けている間の映像に切り替えることができる。
【0030】
識別情報取得部10は、監視対象領域内で立入が制限される区域毎に設置されており、例えば、カードリーダから構成されている場合には、監視対象者が保持しているICカードから、監視対象者の識別情報として、タグ番号と監視対象者のID番号の読み取りを行う(図8のステップST1)。
例えば、立入が制限される部屋への入室を希望する監視対象者が、ICカードをカードリーダにかざすと、カードリーダがICカードに記憶されているタグ番号とID番号の読み取りを行う。
識別情報取得部10が、例えば、生体認証装置から構成されている場合には、監視対象者の識別情報として、監視対象者の指紋や眼紋などの読み取りを行う。
【0031】
立入許可者判定部12は、識別情報取得部10が監視対象者の識別情報(タグ番号、ID番号)を読み取ると、テーブル格納部11により格納されている図2のタグ/個人情報テーブルから、その識別情報(タグ番号、ID番号)に対応する監視対象者のセキュリティレベルの読み出しを行うとともに、図3の立入制限区域テーブルから、その識別情報取得部10が設置されている区域のセキュリティレベルの読み出しを行う(ステップST2)。
例えば、タグ番号が“1000”、ID番号が“0001”であれば、監視対象者のセキュリティレベルとして“B”を読み出し、監視対象者の識別情報(タグ番号、ID番号)の読み取りを行った識別情報取得部10が設置されている区域が“FK0004”であれば、区域のセキュリティレベルとして“B”を読み出す。
なお、監視対象者の識別情報として、監視対象者の指紋や眼紋などが読み取られた場合には、図示せぬテーブルを参照して、監視対象者の指紋や眼紋に対応する監視対象者のセキュリティレベルの読み出しを行う。
【0032】
立入許可者判定部12は、監視対象者のセキュリティレベルと区域のセキュリティレベルを読み出すと、その監視対象者のセキュリティレベルと区域のセキュリティレベルを比較する(ステップST3)。
立入許可者判定部12は、その監視対象者のセキュリティレベルが区域のセキュリティレベルより高ければ(セキュリティレベルが同等である場合を含む)、その監視対象者は当該区域への立入を許可されている立入許可者であるものと判定する(ステップST4)。
例えば、セキュリティレベルが“A”,“B”,“C”の3段階であるとき、監視対象者のセキュリティレベルが“B”であれば、区域のセキュリティレベルが“B”、“C”である場合に、監視対象者は立入許可者であると判定される。
【0033】
立入許可者判定部12は、その監視対象者のセキュリティレベルが区域のセキュリティレベルに満たなければ、その監視対象者は立入許可者ではないものと判定する(ステップST5)。
例えば、監視対象者のセキュリティレベルが“B”であれば、区域のセキュリティレベルが“A”である場合、監視対象者は立入許可者でないと判定される。
【0034】
鍵制御部13は、立入許可者判定部12により監視対象者が立入許可者である旨の判定がなされた場合、テーブル格納部11に格納されている図6の認証装置・電気錠テーブルを参照して、監視対象者の識別情報(タグ番号、ID番号)の読み取りを行った識別情報取得部10(認証装置)を示す認証装置番号に対応する電気錠番号の読み取りを行う。
そして、鍵制御部13は、その電気錠番号が示す電気錠に対して、開錠を指示する制御信号を送信することにより、その電気錠を開錠する(ステップST6)。
一方、立入許可者判定部12により監視対象者が立入許可者でない旨の判定がなされた場合には、その電気錠が閉じている状態を維持するため、鍵制御部13は、その電気錠に対して、開錠を指示する制御信号は送信しない(ステップST7)。
【0035】
行動履歴記録処理部14は、テーブル格納部11に格納されている図2のタグ/個人情報テーブルを参照して、識別情報取得部10により取得された識別情報(タグ番号、ID番号)に対応する監視対象者のセキュリティレベルを読み出すとともに、図3の立入制限区域テーブルを参照して、その識別情報取得部10が設置されている区域(当該監視対象者が訪れている区域)を示す区域番号に対応する部屋番号と、その区域のセキュリティレベルとを読み出し、図7に示すように、監視対象者別の行動履歴を履歴データベース15に記録する(ステップST8)。
例えば、タグ番号が“10003”、監視対象者のID番号が“0004”である場合、監視対象者のセキュリティレベルとして“B”が読み出される。
また、監視対象者が訪れている区域が“F0101”であれば、部屋番号として“1階01号室”が読み出され、その区域のセキュリティレベルとして“B”が読み出される。
【0036】
図7の例では、タグ番号が“10003”、ID番号が“0004”、セキュリティレベルが”B”の監視対象者の行動履歴を示しており、その監視対象者の行動履歴として、その監視対象者が訪れている区域(識別情報取得部10が設置されている区域)を示す区域番号、その区域に対応する部屋を示す部屋番号、その区域のセキュリティレベル、立入許可者判定部12の判定時刻(立入OKの場合は入室時刻と退室時刻、立入NGの場合は入室拒否時刻)、立入許可者判定部12の判定結果(立入OK又は立入NG)を履歴データベース15に記録している。
なお、監視対象者別の行動履歴は、例えば1日単位で管理され、図7の例では、2010年12月29日の行動履歴を示している。
【0037】
予測処理部16は、履歴データベース15に記録されている過去の行動履歴を参照して、識別情報取得部10により取得された識別情報が示す監視対象者が、次に訪れる可能性が高い区域を予測する。
即ち、予測処理部16は、履歴データベース15に記録されている監視対象者別の行動履歴の中から、監視対象者選択部8から出力された選択結果が示す監視対象者(ユーザにより指定された監視対象者)の行動履歴の読み出しを行う(ステップST9)。
例えば、2010年9月1日から本日に至るまでの期間の行動履歴が履歴データベース15に記録されている場合、その期間における当該監視対象者の全ての行動履歴の読み出しを行う。
【0038】
予測処理部16は、選択された監視対象者の行動履歴を読み出すと、当該監視対象者における本日の行動履歴を参照して、その監視対象者が現在訪れている区域を示す区域番号(最新の入室時刻又は入室拒否時刻に対応する区域番号)と、その監視対象者が直前に訪れている区域を示す区域番号(2番目に新しい入室時刻又は入室拒否時刻に対応する区域番号)とを確認する(ステップST10)。
予測処理部16は、監視対象者が現在訪れている区域と、直前に訪れている区域とを確認すると、上記期間における1日単位の行動履歴の中から、監視対象者が現在訪れている区域と、直前に訪れている区域とが同じであって、次に訪れている区域が記録されている一連の行動履歴を検索する(ステップST11)。
例えば、監視対象者が直前に訪れている区域が“2階03会議室”で、現在訪れている区域が“1階02号室”であれば、読み出している行動履歴の中で、“2階03会議室”に訪れてから、“1階02号室”に訪れており、その後、別の区域に訪れている旨が記録されている一連の行動履歴を検索する。
ここでは、説明の便宜上、一連の行動履歴がM個検索されたものとする。
【0039】
予測処理部16は、M個の一連の行動履歴を検索すると、監視対象者が次に訪れている区域が同じ行動履歴をグループ化する(ステップST12)。
例えば、監視対象者が次に訪れている区域が3つに分類される場合、3つのグループに分類する。
予測処理部16は、各々のグループ毎に、当該区域を過去に訪れている回数(当該グループに属する行動履歴の数)をカウントし、その回数がN回以上であるか否かを判定する(ステップST13)。N回は予め設定された回数であり(Nは1以上の整数)、ユーザが必要に応じて変更することが可能である。
【0040】
予測処理部16は、過去に訪れている回数がN回以上である区域については、当該監視対象者が次に訪れる可能性が高い区域として予測する(ステップST14)。
例えば、グループ1に属する行動履歴の数が3、グループ2に属する行動履歴の数が8、グループ3に属する行動履歴の数が7であるとき、N=5であれば、グループ2とグループ3に属する行動履歴が示す2つの区域が、当該監視対象者が次に訪れる可能性が高い区域として予測される。
ここでは、予測処理部16が、監視対象者が現在訪れている区域と、直前に訪れている区域とが同じである一連の行動履歴を検索するものを示しているが、直前に訪れている区域よりも更に前に訪れている区域が同じである一連の行動履歴を検索するようにしてもよい。
【0041】
予測区域明示部17は、予測処理部16が、監視対象者が次に訪れる可能性が高い区域を予測すると、監視対象領域を表しているマップ上に、予測処理部16により予測された区域を明示する指令をマップ表示処理部1に出力する。
これにより、マップ表示処理部1は、図10に示すように、監視対象領域を表しているマップ上に、当該監視対象者が次に訪れる可能性が高い区域を明示する(ステップST15)。
図10の例では、区域番号“FK0015”の区域(図中右下の部屋)にいる監視対象者が、次に訪れる可能性が高い区域として、区域番号“FK0011”の区域と、区域番号“FK0012”の区域とを明示している。
なお、図10では、過去の行動履歴において、次に訪れている回数が、区域番号“FK0012”の区域より、区域番号“FK0011”の区域の方が多いため、区域番号“FK0011”の区域が、1番訪れる可能性が高い区域として明示している。
【0042】
認証リスト表示処理部18は、識別情報取得部10により取得された識別情報(監視対象者のID番号)、立入許可者判定部12の判定時刻・判定結果(認証結果)及び扉の鍵の状態(鍵制御部13による制御結果)を示す認証リストを生成し、図9に示すように、監視対象領域を表しているマップと同一画面上に、その認証リストを表示する。
【0043】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、監視対象領域内で立入が制限される区域毎に設置されており、当該区域への立入を希望している監視対象者の識別情報を取得する識別情報取得部10と、識別情報取得部10により取得された識別情報が示す監視対象者が、当該区域への立入を許可されている立入許可者であるか否かを判定する立入許可者判定部12と、立入許可者判定部12により監視対象者が立入許可者である旨の判定がなされた場合、当該区域の出入口に設置されている扉の鍵を開錠し、その監視対象者が立入許可者でない旨の判定がなされた場合、その扉の施錠状態を維持する鍵制御部13と、識別情報取得部10により取得された識別情報、その識別情報取得部10が設置されている区域、立入許可者判定部12の判定時刻及び判定結果を示す監視対象者の行動履歴を履歴データベース15に記録する行動履歴記録処理部14と、履歴データベース15に記録されている過去の行動履歴を参照して、識別情報取得部10により取得された識別情報が示す監視対象者が、次に訪れる可能性が高い区域を予測する予測処理部16とを設け、予測区域明示部17が、監視対象領域を表しているマップ上に、予測処理部16により予測された区域を明示するように構成したので、不審な移動行動を示す行動パターンを登録することなく、監視対象者が次に訪れる可能性がある区域を知らせることができる効果を奏する。
【0044】
また、この実施の形態1によれば、監視対象領域を表しているマップと同一画面上に、監視対象者を撮影しているカメラ3の映像を表示する映像表示処理部9を設けるように構成したので、監視対象領域を表しているマップからカメラ3の映像を表示するための画面切替操作を行うことなく、監視対象者の行動を確認することができる効果を奏する。
【0045】
この実施の形態1によれば、監視対象領域を表しているマップ上に、識別情報取得部10により取得された識別情報が示す監視対象者のアイコンと、監視対象領域内に設置されているカメラ3のアイコンとを表示するアイコン表示処理部7を設けるように構成したので、監視対象領域内に存在している監視対象者とカメラの位置関係を把握することができる効果を奏する。
【0046】
また、この実施の形態1によれば、監視対象領域を表しているマップと同一画面上に、識別情報取得部10により取得された識別情報、立入許可者判定部12の判定時刻・判定結果及び扉の鍵の状態を示す認証リストを表示する認証リスト表示処理部18を設けるように構成したので、監視対象領域を表しているマップから認証リストを表示するための画面切替操作を行うことなく、監視対象者の認証状況等を確認することができる効果を奏する。
【0047】
実施の形態2.
図11はこの発明の実施の形態2による監視装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
立入許可者判定部21は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、図1の立入許可者判定部12と同様に、識別情報取得部10により取得された識別情報が示す監視対象者が、現在訪れている区域への立入を許可されている立入許可者であるか否かを判定するほか、その監視対象者が、予測処理部16により予測された区域への立入を許可されている立入許可者であるか否かを判定する処理を実施する。なお、立入許可者判定部21は立入許可者判定手段を構成している。
【0048】
予測区域明示部22は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、図1の予測区域明示部17と同様に、監視対象領域を表しているマップ上に、予測処理部16により予測された区域を明示する指令をマップ表示処理部1に出力するほか、立入許可者判定部21により監視対象者が予測区域への立入を許可されている立入許可者でない旨の判定がなされた場合、予測処理部16により予測された区域は“立入禁止区域”である旨を示す警告情報を表示する指令をマップ表示処理部1に出力する処理を実施する。なお、予測区域明示部22は予測区域明示手段を構成している。
【0049】
図11の例では、監視装置の構成要素であるマップ表示処理部1、モニタ2、カメラ3、カメラ映像取得部4、カメラ映像蓄積部5、監視対象者検出部6、アイコン表示処理部7、監視対象者選択部8、映像表示処理部9、識別情報取得部10、テーブル格納部11、立入許可者判定部21、鍵制御部13、行動履歴記録処理部14、履歴データベース15、予測処理部16、予測区域明示部22及び認証リスト表示処理部18のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、監視装置がコンピュータで構成されていてもよい。
監視装置がコンピュータで構成される場合、マップ表示処理部1、モニタ2、カメラ3、カメラ映像取得部4、監視対象者検出部6、アイコン表示処理部7、監視対象者選択部8、映像表示処理部9、識別情報取得部10、立入許可者判定部21、鍵制御部13、行動履歴記録処理部14、予測処理部16、予測区域明示部22及び認証リスト表示処理部18の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
【0050】
次に動作について説明する。
立入許可者判定部21及び予測区域明示部22以外は、上記実施の形態1と同様であるため、立入許可者判定部21及び予測区域明示部22の処理内容だけを説明する。
立入許可者判定部21は、図1の立入許可者判定部12と同様に、識別情報取得部10により取得された識別情報が示す監視対象者が、現在訪れている区域への立入を許可されている立入許可者であるか否かを判定する。
また、立入許可者判定部21は、その監視対象者が予測処理部16により予測された区域への立入を許可されている立入許可者であるか否かを判定する。
即ち、立入許可者判定部21は、テーブル格納部11に格納されている図3の立入制限区域テーブルから、予測処理部16により予測された区域のセキュリティレベルの読み出しを行う。
例えば、予測処理部16により予測された区域が“FK0002”であれば、区域のセキュリティレベルとして“A”を読み出す。
【0051】
立入許可者判定部21は、予測処理部16により予測された区域のセキュリティレベルを読み出すと、その監視対象者のセキュリティレベルと区域のセキュリティレベルを比較する。
立入許可者判定部21は、その監視対象者のセキュリティレベルが予測処理部16により予測された区域のセキュリティレベルより高ければ(セキュリティレベルが同等である場合を含む)、その監視対象者は当該区域への立入を許可されている立入許可者であるものと判定する。
一方、その監視対象者のセキュリティレベルが予測処理部16により予測された区域のセキュリティレベルに満たなければ、その監視対象者は立入許可者ではないものと判定する。
例えば、監視対象者のセキュリティレベルが“B”であり、予測処理部16により予測された区域のセキュリティレベルが“A”である場合、監視対象者は予測された区域への立入を許可されている立入許可者でないと判定される。
【0052】
予測区域明示部22は、図1の予測区域明示部17と同様に、監視対象領域を表しているマップ上に、予測処理部16により予測された区域を明示する指令をマップ表示処理部1に出力する。
また、予測区域明示部22は、立入許可者判定部21により監視対象者が予測区域への立入を許可されている立入許可者でない旨の判定がなされた場合、予測処理部16により予測された区域は“立入禁止区域”である旨を示す警告情報を表示する指令をマップ表示処理部1に出力する。
これにより、マップ表示処理部1は、図12に示すように、監視対象領域を表しているマップ上に、当該監視対象者が次に訪れる可能性が高い区域を明示するとともに、監視対象者が予測区域への立入を許可されている立入許可者でない場合、予測された区域は“立入禁止区域”である旨を示す警告情報を表示する。
【0053】
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、立入許可者判定部21が、監視対象者が予測処理部16により予測された区域への立入を許可されている立入許可者であるか否かを判定し、予測区域明示部22が、監視対象者が予測区域への立入を許可されている立入許可者でない旨の判定がなされた場合、予測処理部16により予測された区域は“立入禁止区域”である旨を示す警告情報を表示する指令をマップ表示処理部1に出力するように構成したので、監視対象者が立入禁止区域へ向かう可能性が高いことを知らせることができる効果を奏する。
【0054】
実施の形態3.
図13はこの発明の実施の形態3による監視装置を示す構成図であり、図において、図11と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
許可区域/禁止区域明示部23は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、識別情報取得部10により取得された識別情報に対応する監視対象者のセキュリティレベルと、全ての区域のセキュリティレベルとを比較して、その監視対象者が立ち入れる立入許可区域又は立ち入れない立入禁止区域を特定し、監視対象領域を表しているマップ上に、その立入許可区域又は立入禁止区域を明示する指令をマップ表示処理部1に出力する処理を実施する。なお、許可区域/禁止区域明示部23は許可区域/禁止区域明示手段を構成している。
【0055】
図13の例では、監視装置の構成要素であるマップ表示処理部1、モニタ2、カメラ3、カメラ映像取得部4、カメラ映像蓄積部5、監視対象者検出部6、アイコン表示処理部7、監視対象者選択部8、映像表示処理部9、識別情報取得部10、テーブル格納部11、立入許可者判定部21、鍵制御部13、行動履歴記録処理部14、履歴データベース15、予測処理部16、予測区域明示部22、認証リスト表示処理部18及び許可区域/禁止区域明示部23のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、監視装置がコンピュータで構成されていてもよい。
監視装置がコンピュータで構成される場合、マップ表示処理部1、モニタ2、カメラ3、カメラ映像取得部4、監視対象者検出部6、アイコン表示処理部7、監視対象者選択部8、映像表示処理部9、識別情報取得部10、立入許可者判定部21、鍵制御部13、行動履歴記録処理部14、予測処理部16、予測区域明示部22、認証リスト表示処理部18及び許可区域/禁止区域明示部23の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
【0056】
次に動作について説明する。
上記実施の形態1,2では、予測処理部16が、監視対象者が次に訪れる可能性が高い区域を予測することで、次に訪れる可能性が高い区域をマップ上に明示するものを示したが、監視対象者が立ち入れる立入許可区域又は立ち入れない立入禁止区域を特定し、その立入許可区域又は立入禁止区域をマップ上に明示するようにしてもよい。
【0057】
例えば、ユーザが図示せぬマンマシンインタフェースを操作して、次に訪れる可能性が高い区域をマップ上に明示するモードを選択すれば、上記実施の形態1,2と同様にして、予測処理部16により予測された区域をマップ上に明示し、監視対象者の立入許可区域又は立入禁止区域をマップ上に明示するモードを選択すれば、許可区域/禁止区域明示部23により特定された立入許可区域又は立入禁止区域をマップ上に明示するようにしてもよい。
具体的には、以下の通りである。
【0058】
許可区域/禁止区域明示部23は、監視対象者の立入許可区域又は立入禁止区域をマップ上に明示するモードが選択された場合、テーブル格納部11により格納されている図2のタグ/個人情報テーブルから、識別情報取得部10により取得された識別情報(タグ番号、ID番号)に対応する監視対象者のセキュリティレベルの読み出しを行うとともに、図3の立入制限区域テーブルから、全ての区域のセキュリティレベルの読み出しを行う。
【0059】
許可区域/禁止区域明示部23は、監視対象者のセキュリティレベルと全ての区域のセキュリティレベルを読み出すと、その監視対象者のセキュリティレベルと全ての区域のセキュリティレベルを比較する。
許可区域/禁止区域明示部23は、その監視対象者のセキュリティレベルが区域のセキュリティレベルより高ければ(セキュリティレベルが同等である場合を含む)、その区域は、監視対象者が立ち入れる立入許可区域であると特定する。
一方、監視対象者のセキュリティレベルが区域のセキュリティレベルに満たなければ、その区域は、監視対象者が立ち入れない立入禁止区域であると特定する。
例えば、セキュリティレベルが“A”,“B”,“C”の3段階であるとき、監視対象者のセキュリティレベルが“B”であれば、セキュリティレベルが“B”、“C”である区域は、その監視対象者が立ち入れる立入許可区域であると特定され、セキュリティレベルが“A”である区域は、その監視対象者が立ち入れない立入禁止区域であると特定される。
【0060】
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、識別情報取得部10により取得された識別情報に対応する監視対象者のセキュリティレベルと、全ての区域のセキュリティレベルとを比較して、その監視対象者が立ち入れる立入許可区域又は立ち入れない立入禁止区域を特定し、監視対象領域を表しているマップ上に、その立入許可区域又は立入禁止区域を明示する指令をマップ表示処理部1に出力するように構成したので、監視対象者の立入許可区域又は立入禁止区域を容易に確認することができる効果を奏する。
【0061】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0062】
1 マップ表示処理部、2 モニタ、3 カメラ、4 カメラ映像取得部、5 カメラ映像蓄積部、6 監視対象者検出部(アイコン表示手段)、7 アイコン表示処理部(アイコン表示手段)、8 監視対象者選択部、9 映像表示処理部(映像表示手段)、10 識別情報取得部(識別情報取得手段)、11 テーブル格納部、12,21 立入許可者判定部(立入許可者判定手段)、13 鍵制御部(鍵制御手段)、14 行動履歴記録処理部(行動履歴記録手段)、15 履歴データベース(行動履歴記録手段)、16 予測処理部(予測手段)、17,22 予測区域明示部(予測区域明示手段)、18 認証リスト表示処理部(認証リスト表示手段)、23 許可区域/禁止区域明示部(許可区域/禁止区域明示手段)。
【技術分野】
【0001】
この発明は、立入が制限されている区域を含む監視対象領域を監視する監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の監視装置の操作画面でも、画面上に監視対象領域のマップを表示する機能のほかに、監視対象領域内に存在する人物を撮影しているカメラの映像を表示する機能や、その人物の行動履歴を一覧表で表示する機能などを備えているものがある。
しかし、カメラの映像や人物の行動履歴等は画面内で表示領域が区分けされていたり、常時表示画面上に別ウィンドウで表示されていたりしており、これらの内容を表示変更する場合は、対象となる領域を個別に操作して表示を切替えることが必要である。
このため、関連する情報を把握するためには表示切替操作を行うとともに、個別の情報表示領域と監視対象領域のマップと対比しながら、ユーザが頭の中で関連性を紐付けることが必要である。
【0003】
以下の特許文献1には、予め、不審な移動行動を示す行動パターンを登録し、監視対象領域内を移動している監視対象者の行動パターンが、予め登録している行動パターンと一致する場合、その監視対象者が不審な行動を行っていると判定する監視装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−90861号公報(段落番号[0019]、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の監視装置は以上のように構成されているので、予め不審な移動行動を示す行動パターンを登録しておけば、監視対象者の不審な行動を検出することができる。しかし、不審な移動行動を示す行動パターンの全てを事前に登録することは困難であり、監視対象者が不審な行動をしていても、その監視対象者の行動パターンと一致する行動パターンが事前に登録されていなければ、監視対象者の不審な行動を検出することができず、監視対象者の次の行動を予測することもできないなどの課題があった。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、不審な移動行動を示す行動パターンを登録することなく、監視対象者が次に訪れる可能性がある区域を知らせることができる監視装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る監視装置は、監視対象領域内で立入が制限される区域毎に設置されており、当該区域への立入を希望している監視対象者の識別情報を取得する識別情報取得手段と、識別情報取得手段により取得された識別情報が示す監視対象者が、当該区域への立入を許可されている立入許可者であるか否かを判定する立入許可者判定手段と、立入許可者判定手段により監視対象者が立入許可者である旨の判定がなされた場合、当該区域の出入口に設置されている扉の鍵を開錠し、その監視対象者が立入許可者でない旨の判定がなされた場合、その扉の施錠状態を維持する鍵制御手段と、識別情報取得手段により取得された識別情報、その識別情報取得手段が設置されている区域、立入許可者判定手段の判定時刻及び判定結果を示す監視対象者の行動履歴を記録する行動履歴記録手段と、行動履歴記録手段に記録されている過去の行動履歴を参照して、識別情報取得手段により取得された識別情報が示す監視対象者が、次に訪れる可能性が高い区域を予測する予測手段とを設け、予測区域明示手段が、監視対象領域を表しているマップ上に、予測手段により予測された区域を明示するようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、監視対象領域内で立入が制限される区域毎に設置されており、当該区域への立入を希望している監視対象者の識別情報を取得する識別情報取得手段と、識別情報取得手段により取得された識別情報が示す監視対象者が、当該区域への立入を許可されている立入許可者であるか否かを判定する立入許可者判定手段と、立入許可者判定手段により監視対象者が立入許可者である旨の判定がなされた場合、当該区域の出入口に設置されている扉の鍵を開錠し、その監視対象者が立入許可者でない旨の判定がなされた場合、その扉の施錠状態を維持する鍵制御手段と、識別情報取得手段により取得された識別情報、その識別情報取得手段が設置されている区域、立入許可者判定手段の判定時刻及び判定結果を示す監視対象者の行動履歴を記録する行動履歴記録手段と、行動履歴記録手段に記録されている過去の行動履歴を参照して、識別情報取得手段により取得された識別情報が示す監視対象者が、次に訪れる可能性が高い区域を予測する予測手段とを設け、予測区域明示手段が、監視対象領域を表しているマップ上に、予測手段により予測された区域を明示するように構成したので、不審な移動行動を示す行動パターンを登録することなく、監視対象者が次に訪れる可能性がある区域を知らせることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1による監視装置を示す構成図である。
【図2】タグ/個人情報テーブルを示す説明図である。
【図3】立入制限区域テーブルを示す説明図である。
【図4】カメラ・扉テーブルを示す説明図である。
【図5】扉・認証装置テーブルを示す説明図である。
【図6】認証装置・電気錠テーブルを示す説明図である。
【図7】監視対象者別の行動履歴を示す説明図である。
【図8】この発明の実施の形態1による監視装置の処理内容の要部を示すフローチャートである。
【図9】監視対象領域を示すマップ、監視映像や認証リストなどを示す画面の表示例を示す説明図である。
【図10】監視対象者が次に訪れる可能性が高い区域が明示されている監視対象領域のマップを示す説明図である。
【図11】この発明の実施の形態2による監視装置を示す構成図である。
【図12】予測区域が“立入禁止区域”である旨を示す警告情報が表示されている監視対象領域のマップを示す説明図である。
【図13】この発明の実施の形態3による監視装置を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による監視装置を示す構成図である。
図1において、マップ表示処理部1は例えばGPU(Graphics Processing Unit)などから構成されており、監視対象領域を示すマップをモニタ2に表示する処理を実施する。
カメラ3は監視対象領域内の複数箇所に設置されており、設置箇所の監視映像を出力する。
カメラ映像取得部4は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、カメラ3から出力された監視映像を取得する処理を実施する。
カメラ映像蓄積部5は例えばハードディスクなどの記憶装置から構成されており、カメラ映像取得部4により取得された監視映像を蓄積する。
【0011】
監視対象者検出部6は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、カメラ映像取得部4により取得された監視映像(LIVEの映像)を解析して、その監視映像内に存在している人物(監視対象者)の検出処理を実施し、監視対象者が検出されれば、その監視対象者を撮影しているカメラ3を示すカメラ番号を出力する。
アイコン表示処理部7は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、監視対象領域内に設置されているカメラ3のアイコンをマップ上に表示する指令をマップ表示処理部1に出力するとともに、監視対象者検出部6により検出された監視対象者のアイコンをマップ上に表示する指令をマップ表示処理部1に出力する。監視対象者のアイコンの表示位置は、監視対象者検出部6から出力されたカメラ番号が示すカメラ3の撮影エリア内の位置である。
なお、監視対象者検出部6及びアイコン表示処理部7からアイコン表示手段が構成されている。
【0012】
監視対象者選択部8は例えばキーボード、マウスやタッチパネルなどのマンマシンインタフェースから構成されており、監視対象領域を示すマップ上に表示されている1以上の監視対象者のアイコンの中から、いずれかのアイコンの選択を受け付けることで、監視対象者を指定する処理を実施する。
映像表示処理部9は例えばGPUなどから構成されており、カメラ映像蓄積部5に蓄積されている監視映像(LIVE映像、過去の映像を含む)の中から、監視対象者選択部8により指定された監視対象者を撮影しているカメラ3の監視映像を取得して、監視対象領域を示すマップと同一画面上に、そのカメラ3の監視映像を表示する処理を実施する。なお、映像表示処理部9は映像表示手段を構成している。
【0013】
識別情報取得部10は監視対象領域内で立入が制限される区域(例えば、部屋、パーティションなどで囲われている領域、物理的な壁では囲われていないが立入が制限される空間など)毎に設置されており、例えば、カードリーダから構成されている場合には、監視対象者が保持しているICカードから、監視対象者の識別情報として、タグ番号(ICカード毎に割り当てられているユニークな番号)と監視対象者のID番号を読み取る処理を実施する。例えば、生体認証装置から構成されている場合には、監視対象者の識別情報として、監視対象者の指紋や眼紋などを読み取る処理を実施する。なお、識別情報取得部10は識別情報取得手段を構成している。
【0014】
テーブル格納部11は例えばハードディスクなどの記憶装置から構成されており、タグ/個人情報テーブル、立入制限区域テーブル、カメラ・扉テーブル、扉・認証装置テーブル及び認証装置・電気錠テーブルを格納している。
タグ/個人情報テーブルは、図2に示すように、ICカードのタグ番号、監視対象者のID番号、名前、性別、所属及びセキュリティレベル(監視対象者の立入可能区域を示す立入可能区域情報)を記録している。
立入制限区域テーブルは、図3に示すように、立入が制限される区域を示す区域番号・部屋番号、区域のセキュリティレベル及び区域の位置(座標)を記録している。
【0015】
カメラ・扉テーブルは、図4に示すように、カメラ3を示すカメラ番号、立入が制限される区域の出入口に設置されている扉を示す扉番号、立入が制限される区域を示す区域番号及びカメラの撮影エリアを記録している。
扉・認証装置テーブルは、図5に示すように、立入が制限される区域の出入口に設置されている扉を示す扉番号、扉の近傍に設置されている識別情報取得部10(認証装置)を示す認証装置番号及び立入が制限される区域を示す区域番号を記録している。
認証装置・電気錠テーブルは、図6に示すように、識別情報取得部10(認証装置)を示す認証装置番号、扉の電気錠を示す電気錠番号及び立入が制限される区域を示す区域番号を記録している。
【0016】
立入許可者判定部12は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、テーブル格納部11により格納されている図2のタグ/個人情報テーブルから、識別情報取得部10により取得された識別情報(タグ番号、ID番号)に対応する監視対象者のセキュリティレベル(立入可能区域情報)を読み出すとともに、図3の立入制限区域テーブルから、その識別情報取得部10が設置されている区域のセキュリティレベルを読み出し、その監視対象者のセキュリティレベルが区域のセキュリティレベルより高ければ(セキュリティレベルが同等である場合を含む)、その監視対象者は当該区域への立入を許可されている立入許可者であるものと判定し、その監視対象者のセキュリティレベルが区域のセキュリティレベルに満たなければ、その監視対象者は当該区域への立入を許可されている立入許可者ではないものと判定する。なお、立入許可者判定部12は立入許可者判定手段を構成している。
【0017】
鍵制御部13は立入が制限される区域の出入口に設置されている扉の電子錠と電気的に接続されており(無線で接続されていてもよい)、その電子錠の施錠状態を制御する鍵制御機器であって、立入許可者判定部12により監視対象者が立入許可者である旨の判定がなされた場合、当該区域の出入口に設置されている扉の鍵を開錠し、監視対象者が立入許可者でない旨の判定がなされた場合、その扉の施錠状態を維持する処理を実施する。なお、鍵制御部13は鍵制御手段を構成している。
【0018】
行動履歴記録処理部14は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、識別情報取得部10により取得された識別情報、その識別情報取得部10が設置されている区域を示す区域番号・部屋番号、その識別情報が示す監視対象者のセキュリティレベル、立入許可者判定部12の判定時刻及び判定結果などの組み合わせからなる監視対象者の行動履歴を履歴データベース15に記録する処理を実施する。
履歴データベース15は例えばハードディスクなどの記憶装置から構成されており、図7に示すような監視対象者別の行動履歴を示す履歴テーブルを格納している。
なお、行動履歴記録処理部14及び履歴データベース15から行動履歴記録手段が構成されている。
【0019】
予測処理部16は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、履歴データベース15に記録されている過去の行動履歴を参照して、識別情報取得部10により取得された識別情報が示す監視対象者が、次に訪れる可能性が高い区域を予測する処理を実施する。
即ち、予測処理部16は履歴データベース15に記録されている過去の行動履歴の中から、識別情報取得部10により取得された識別情報が示す監視対象者が現在訪れている区域と、直前に訪れている区域とが同じであって、次に訪れている区域が記録されている一連の行動履歴を検索し、一連の行動履歴に記録されている次に訪れている区域を、次に訪れる可能性が高い区域として予測する処理を実施する。なお、予測処理部16は予測手段を構成している。
【0020】
予測区域明示部17は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、監視対象領域を表しているマップ上に、予測処理部16により予測された区域を明示する指令をマップ表示処理部1に出力する。なお、予測区域明示部17は予測区域明示手段を構成している。
認証リスト表示処理部18は例えばGPUなどから構成されており、識別情報取得部10により取得された識別情報、立入許可者判定部12の判定時刻・判定結果(認証結果)及び扉の鍵の状態を示す認証リストを生成し、監視対象領域を表しているマップと同一画面上に、その認証リストを表示する処理を実施する。なお、認証リスト表示処理部18は認証リスト表示手段を構成している。
【0021】
図1の例では、監視装置の構成要素であるマップ表示処理部1、モニタ2、カメラ3、カメラ映像取得部4、カメラ映像蓄積部5、監視対象者検出部6、アイコン表示処理部7、監視対象者選択部8、映像表示処理部9、識別情報取得部10、テーブル格納部11、立入許可者判定部12、鍵制御部13、行動履歴記録処理部14、履歴データベース15、予測処理部16、予測区域明示部17及び認証リスト表示処理部18のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、監視装置がコンピュータで構成されていてもよい。
監視装置がコンピュータで構成される場合、マップ表示処理部1、モニタ2、カメラ3、カメラ映像取得部4、監視対象者検出部6、アイコン表示処理部7、監視対象者選択部8、映像表示処理部9、識別情報取得部10、立入許可者判定部12、鍵制御部13、行動履歴記録処理部14、予測処理部16、予測区域明示部17及び認証リスト表示処理部18の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
図8はこの発明の実施の形態1による監視装置の処理内容の要部を示すフローチャートである。
【0022】
次に動作について説明する。
監視装置が起動されると、マップ表示処理部1が、監視対象領域を示すマップをモニタ2に表示する。
図9は監視対象領域を示すマップ、監視映像や認証リストなどを示す画面の表示例を示す説明図である。
図9の例では、監視対象領域である会議フロアA_3Fのマップが表示されており、会議フロアA_3F内の5つの部屋が、立入が制限される区域となっている。
また、会議フロアA_3Fには約20台のカメラ3が設置されており、図9には図示していないが、各部屋の出入口に設置されている扉には電気錠が設けられ、その扉の近傍には識別情報取得部10が設置されている。
【0023】
図9の例では、会議フロアA_3Fの他にも、複数の監視対象領域があり(例えば、フロア1F,2F,4F,5F,6F,7F)、画面中の監視対象領域の選択エリアにはマップ表示可能な複数の監視対象領域が示されている。
図9の例では、会議フロアA_3Fのマップが表示されているが、ユーザがマウス等のマンマシンインタフェースを用いて、例えば、フロア5Fを選択すれば、フロア5Fのマップが表示される。
【0024】
カメラ3は、監視対象領域内の複数箇所に設置されており、設置箇所の監視映像を出力する。
カメラ映像取得部4は、複数のカメラ3から出力された監視映像を取得し、その監視映像を当該カメラ3を示すカメラ番号と一緒にカメラ映像蓄積部5に蓄積する。
【0025】
監視対象者検出部6は、カメラ映像取得部4により取得された監視映像(LIVEの映像)を解析して、その監視映像内に存在している人物(監視対象者)の検出処理を実施する。
人物の検出処理自体は公知の技術であるため詳細な説明を省略するが、例えば、人間の顔等をパターン認識することで、人物を検出することができる。
監視対象者検出部6は、カメラ映像取得部4により取得された監視映像内に監視対象者が存在している場合、その監視対象者を撮影しているカメラ3を示すカメラ番号をアイコン表示処理部7に出力する。
【0026】
アイコン表示処理部7は、監視対象者検出部6から監視対象者を撮影しているカメラ3を示すカメラ番号を受けると、テーブル格納部11に格納されている図4のカメラ・扉テーブルを参照して、そのカメラ番号が示すカメラ3の撮影エリアを認識する。例えば、カメラ番号が“K0013”であれば、カメラ3の撮影エリアが2階03会議室内であると認識する。
アイコン表示処理部7は、カメラ番号が示すカメラ3の撮影エリアを認識すると、そのカメラ3の撮影エリア内の位置に、監視対象者のアイコンを表示する指令をマップ表示処理部1に出力する。
これにより、マップ表示処理部1は、監視対象領域を示すマップにおける当該カメラの撮影エリア内の位置に、監視対象者のアイコンを表示する。
図9の例では、右下の部屋内に監視対象者のアイコンを表示している。
【0027】
また、アイコン表示処理部7は、テーブル格納部11に格納されている図4のカメラ・扉テーブルを参照して、監視対象領域内に設置されている全てのカメラ3を認識し、監視対象領域内に設置されている全てのカメラ3のアイコンをマップ上に表示する指令をマップ表示処理部1に出力する。
これにより、マップ表示処理部1は、監視対象領域を示すマップ上に、カメラ3のアイコンを表示する。
図9の例では、約20台のカメラ3のアイコンを表示している。
【0028】
監視対象者選択部8は、監視対象領域を示すマップ上に表示されている1以上の監視対象者のアイコンの中から、いずれかのアイコンの選択を受け付けることで、監視対象者を指定する。
即ち、ユーザがマップ上に表示されている1以上の監視対象者のアイコンの中から、いずれかのアイコンを選択すると、そのアイコンの選択結果を映像表示処理部9及び予測処理部16に出力する。
図9の例では、監視対象者のアイコンが1つだけ表示されているが、複数の人物が監視対象領域内に存在していれば、複数のアイコンが表示されるので、ユーザが監視を希望する監視対象者のアイコンを選択することができる。
【0029】
映像表示処理部9は、監視対象者選択部8からアイコンの選択結果を受けると、カメラ映像蓄積部5に蓄積されている監視映像の中から、選択されたアイコンに係る監視対象者を撮影しているカメラ3の監視映像(例えば、LIVE映像)を取得する。
映像表示処理部9は、カメラ3の監視映像を取得すると、図9に示すように、監視対象領域を示すマップと同一画面上に、そのカメラ3の監視映像を表示する。
図9の例では、画面の右上に、カメラ3のLIVE映像を表示しているが、監視映像の上にある“履歴”タブを選択すれば、LIVE映像から当該カメラ3による過去の監視映像に切り替えることができる。
また、監視映像の上にある“認証”タブを選択すれば、その監視対象者が認証処理(後述する識別情報取得部10により識別情報が取得されて、立入許可者判定部12により立入許可者であるか否かの判定を受ける処理)を受けている間の映像に切り替えることができる。
【0030】
識別情報取得部10は、監視対象領域内で立入が制限される区域毎に設置されており、例えば、カードリーダから構成されている場合には、監視対象者が保持しているICカードから、監視対象者の識別情報として、タグ番号と監視対象者のID番号の読み取りを行う(図8のステップST1)。
例えば、立入が制限される部屋への入室を希望する監視対象者が、ICカードをカードリーダにかざすと、カードリーダがICカードに記憶されているタグ番号とID番号の読み取りを行う。
識別情報取得部10が、例えば、生体認証装置から構成されている場合には、監視対象者の識別情報として、監視対象者の指紋や眼紋などの読み取りを行う。
【0031】
立入許可者判定部12は、識別情報取得部10が監視対象者の識別情報(タグ番号、ID番号)を読み取ると、テーブル格納部11により格納されている図2のタグ/個人情報テーブルから、その識別情報(タグ番号、ID番号)に対応する監視対象者のセキュリティレベルの読み出しを行うとともに、図3の立入制限区域テーブルから、その識別情報取得部10が設置されている区域のセキュリティレベルの読み出しを行う(ステップST2)。
例えば、タグ番号が“1000”、ID番号が“0001”であれば、監視対象者のセキュリティレベルとして“B”を読み出し、監視対象者の識別情報(タグ番号、ID番号)の読み取りを行った識別情報取得部10が設置されている区域が“FK0004”であれば、区域のセキュリティレベルとして“B”を読み出す。
なお、監視対象者の識別情報として、監視対象者の指紋や眼紋などが読み取られた場合には、図示せぬテーブルを参照して、監視対象者の指紋や眼紋に対応する監視対象者のセキュリティレベルの読み出しを行う。
【0032】
立入許可者判定部12は、監視対象者のセキュリティレベルと区域のセキュリティレベルを読み出すと、その監視対象者のセキュリティレベルと区域のセキュリティレベルを比較する(ステップST3)。
立入許可者判定部12は、その監視対象者のセキュリティレベルが区域のセキュリティレベルより高ければ(セキュリティレベルが同等である場合を含む)、その監視対象者は当該区域への立入を許可されている立入許可者であるものと判定する(ステップST4)。
例えば、セキュリティレベルが“A”,“B”,“C”の3段階であるとき、監視対象者のセキュリティレベルが“B”であれば、区域のセキュリティレベルが“B”、“C”である場合に、監視対象者は立入許可者であると判定される。
【0033】
立入許可者判定部12は、その監視対象者のセキュリティレベルが区域のセキュリティレベルに満たなければ、その監視対象者は立入許可者ではないものと判定する(ステップST5)。
例えば、監視対象者のセキュリティレベルが“B”であれば、区域のセキュリティレベルが“A”である場合、監視対象者は立入許可者でないと判定される。
【0034】
鍵制御部13は、立入許可者判定部12により監視対象者が立入許可者である旨の判定がなされた場合、テーブル格納部11に格納されている図6の認証装置・電気錠テーブルを参照して、監視対象者の識別情報(タグ番号、ID番号)の読み取りを行った識別情報取得部10(認証装置)を示す認証装置番号に対応する電気錠番号の読み取りを行う。
そして、鍵制御部13は、その電気錠番号が示す電気錠に対して、開錠を指示する制御信号を送信することにより、その電気錠を開錠する(ステップST6)。
一方、立入許可者判定部12により監視対象者が立入許可者でない旨の判定がなされた場合には、その電気錠が閉じている状態を維持するため、鍵制御部13は、その電気錠に対して、開錠を指示する制御信号は送信しない(ステップST7)。
【0035】
行動履歴記録処理部14は、テーブル格納部11に格納されている図2のタグ/個人情報テーブルを参照して、識別情報取得部10により取得された識別情報(タグ番号、ID番号)に対応する監視対象者のセキュリティレベルを読み出すとともに、図3の立入制限区域テーブルを参照して、その識別情報取得部10が設置されている区域(当該監視対象者が訪れている区域)を示す区域番号に対応する部屋番号と、その区域のセキュリティレベルとを読み出し、図7に示すように、監視対象者別の行動履歴を履歴データベース15に記録する(ステップST8)。
例えば、タグ番号が“10003”、監視対象者のID番号が“0004”である場合、監視対象者のセキュリティレベルとして“B”が読み出される。
また、監視対象者が訪れている区域が“F0101”であれば、部屋番号として“1階01号室”が読み出され、その区域のセキュリティレベルとして“B”が読み出される。
【0036】
図7の例では、タグ番号が“10003”、ID番号が“0004”、セキュリティレベルが”B”の監視対象者の行動履歴を示しており、その監視対象者の行動履歴として、その監視対象者が訪れている区域(識別情報取得部10が設置されている区域)を示す区域番号、その区域に対応する部屋を示す部屋番号、その区域のセキュリティレベル、立入許可者判定部12の判定時刻(立入OKの場合は入室時刻と退室時刻、立入NGの場合は入室拒否時刻)、立入許可者判定部12の判定結果(立入OK又は立入NG)を履歴データベース15に記録している。
なお、監視対象者別の行動履歴は、例えば1日単位で管理され、図7の例では、2010年12月29日の行動履歴を示している。
【0037】
予測処理部16は、履歴データベース15に記録されている過去の行動履歴を参照して、識別情報取得部10により取得された識別情報が示す監視対象者が、次に訪れる可能性が高い区域を予測する。
即ち、予測処理部16は、履歴データベース15に記録されている監視対象者別の行動履歴の中から、監視対象者選択部8から出力された選択結果が示す監視対象者(ユーザにより指定された監視対象者)の行動履歴の読み出しを行う(ステップST9)。
例えば、2010年9月1日から本日に至るまでの期間の行動履歴が履歴データベース15に記録されている場合、その期間における当該監視対象者の全ての行動履歴の読み出しを行う。
【0038】
予測処理部16は、選択された監視対象者の行動履歴を読み出すと、当該監視対象者における本日の行動履歴を参照して、その監視対象者が現在訪れている区域を示す区域番号(最新の入室時刻又は入室拒否時刻に対応する区域番号)と、その監視対象者が直前に訪れている区域を示す区域番号(2番目に新しい入室時刻又は入室拒否時刻に対応する区域番号)とを確認する(ステップST10)。
予測処理部16は、監視対象者が現在訪れている区域と、直前に訪れている区域とを確認すると、上記期間における1日単位の行動履歴の中から、監視対象者が現在訪れている区域と、直前に訪れている区域とが同じであって、次に訪れている区域が記録されている一連の行動履歴を検索する(ステップST11)。
例えば、監視対象者が直前に訪れている区域が“2階03会議室”で、現在訪れている区域が“1階02号室”であれば、読み出している行動履歴の中で、“2階03会議室”に訪れてから、“1階02号室”に訪れており、その後、別の区域に訪れている旨が記録されている一連の行動履歴を検索する。
ここでは、説明の便宜上、一連の行動履歴がM個検索されたものとする。
【0039】
予測処理部16は、M個の一連の行動履歴を検索すると、監視対象者が次に訪れている区域が同じ行動履歴をグループ化する(ステップST12)。
例えば、監視対象者が次に訪れている区域が3つに分類される場合、3つのグループに分類する。
予測処理部16は、各々のグループ毎に、当該区域を過去に訪れている回数(当該グループに属する行動履歴の数)をカウントし、その回数がN回以上であるか否かを判定する(ステップST13)。N回は予め設定された回数であり(Nは1以上の整数)、ユーザが必要に応じて変更することが可能である。
【0040】
予測処理部16は、過去に訪れている回数がN回以上である区域については、当該監視対象者が次に訪れる可能性が高い区域として予測する(ステップST14)。
例えば、グループ1に属する行動履歴の数が3、グループ2に属する行動履歴の数が8、グループ3に属する行動履歴の数が7であるとき、N=5であれば、グループ2とグループ3に属する行動履歴が示す2つの区域が、当該監視対象者が次に訪れる可能性が高い区域として予測される。
ここでは、予測処理部16が、監視対象者が現在訪れている区域と、直前に訪れている区域とが同じである一連の行動履歴を検索するものを示しているが、直前に訪れている区域よりも更に前に訪れている区域が同じである一連の行動履歴を検索するようにしてもよい。
【0041】
予測区域明示部17は、予測処理部16が、監視対象者が次に訪れる可能性が高い区域を予測すると、監視対象領域を表しているマップ上に、予測処理部16により予測された区域を明示する指令をマップ表示処理部1に出力する。
これにより、マップ表示処理部1は、図10に示すように、監視対象領域を表しているマップ上に、当該監視対象者が次に訪れる可能性が高い区域を明示する(ステップST15)。
図10の例では、区域番号“FK0015”の区域(図中右下の部屋)にいる監視対象者が、次に訪れる可能性が高い区域として、区域番号“FK0011”の区域と、区域番号“FK0012”の区域とを明示している。
なお、図10では、過去の行動履歴において、次に訪れている回数が、区域番号“FK0012”の区域より、区域番号“FK0011”の区域の方が多いため、区域番号“FK0011”の区域が、1番訪れる可能性が高い区域として明示している。
【0042】
認証リスト表示処理部18は、識別情報取得部10により取得された識別情報(監視対象者のID番号)、立入許可者判定部12の判定時刻・判定結果(認証結果)及び扉の鍵の状態(鍵制御部13による制御結果)を示す認証リストを生成し、図9に示すように、監視対象領域を表しているマップと同一画面上に、その認証リストを表示する。
【0043】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、監視対象領域内で立入が制限される区域毎に設置されており、当該区域への立入を希望している監視対象者の識別情報を取得する識別情報取得部10と、識別情報取得部10により取得された識別情報が示す監視対象者が、当該区域への立入を許可されている立入許可者であるか否かを判定する立入許可者判定部12と、立入許可者判定部12により監視対象者が立入許可者である旨の判定がなされた場合、当該区域の出入口に設置されている扉の鍵を開錠し、その監視対象者が立入許可者でない旨の判定がなされた場合、その扉の施錠状態を維持する鍵制御部13と、識別情報取得部10により取得された識別情報、その識別情報取得部10が設置されている区域、立入許可者判定部12の判定時刻及び判定結果を示す監視対象者の行動履歴を履歴データベース15に記録する行動履歴記録処理部14と、履歴データベース15に記録されている過去の行動履歴を参照して、識別情報取得部10により取得された識別情報が示す監視対象者が、次に訪れる可能性が高い区域を予測する予測処理部16とを設け、予測区域明示部17が、監視対象領域を表しているマップ上に、予測処理部16により予測された区域を明示するように構成したので、不審な移動行動を示す行動パターンを登録することなく、監視対象者が次に訪れる可能性がある区域を知らせることができる効果を奏する。
【0044】
また、この実施の形態1によれば、監視対象領域を表しているマップと同一画面上に、監視対象者を撮影しているカメラ3の映像を表示する映像表示処理部9を設けるように構成したので、監視対象領域を表しているマップからカメラ3の映像を表示するための画面切替操作を行うことなく、監視対象者の行動を確認することができる効果を奏する。
【0045】
この実施の形態1によれば、監視対象領域を表しているマップ上に、識別情報取得部10により取得された識別情報が示す監視対象者のアイコンと、監視対象領域内に設置されているカメラ3のアイコンとを表示するアイコン表示処理部7を設けるように構成したので、監視対象領域内に存在している監視対象者とカメラの位置関係を把握することができる効果を奏する。
【0046】
また、この実施の形態1によれば、監視対象領域を表しているマップと同一画面上に、識別情報取得部10により取得された識別情報、立入許可者判定部12の判定時刻・判定結果及び扉の鍵の状態を示す認証リストを表示する認証リスト表示処理部18を設けるように構成したので、監視対象領域を表しているマップから認証リストを表示するための画面切替操作を行うことなく、監視対象者の認証状況等を確認することができる効果を奏する。
【0047】
実施の形態2.
図11はこの発明の実施の形態2による監視装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
立入許可者判定部21は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、図1の立入許可者判定部12と同様に、識別情報取得部10により取得された識別情報が示す監視対象者が、現在訪れている区域への立入を許可されている立入許可者であるか否かを判定するほか、その監視対象者が、予測処理部16により予測された区域への立入を許可されている立入許可者であるか否かを判定する処理を実施する。なお、立入許可者判定部21は立入許可者判定手段を構成している。
【0048】
予測区域明示部22は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、図1の予測区域明示部17と同様に、監視対象領域を表しているマップ上に、予測処理部16により予測された区域を明示する指令をマップ表示処理部1に出力するほか、立入許可者判定部21により監視対象者が予測区域への立入を許可されている立入許可者でない旨の判定がなされた場合、予測処理部16により予測された区域は“立入禁止区域”である旨を示す警告情報を表示する指令をマップ表示処理部1に出力する処理を実施する。なお、予測区域明示部22は予測区域明示手段を構成している。
【0049】
図11の例では、監視装置の構成要素であるマップ表示処理部1、モニタ2、カメラ3、カメラ映像取得部4、カメラ映像蓄積部5、監視対象者検出部6、アイコン表示処理部7、監視対象者選択部8、映像表示処理部9、識別情報取得部10、テーブル格納部11、立入許可者判定部21、鍵制御部13、行動履歴記録処理部14、履歴データベース15、予測処理部16、予測区域明示部22及び認証リスト表示処理部18のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、監視装置がコンピュータで構成されていてもよい。
監視装置がコンピュータで構成される場合、マップ表示処理部1、モニタ2、カメラ3、カメラ映像取得部4、監視対象者検出部6、アイコン表示処理部7、監視対象者選択部8、映像表示処理部9、識別情報取得部10、立入許可者判定部21、鍵制御部13、行動履歴記録処理部14、予測処理部16、予測区域明示部22及び認証リスト表示処理部18の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
【0050】
次に動作について説明する。
立入許可者判定部21及び予測区域明示部22以外は、上記実施の形態1と同様であるため、立入許可者判定部21及び予測区域明示部22の処理内容だけを説明する。
立入許可者判定部21は、図1の立入許可者判定部12と同様に、識別情報取得部10により取得された識別情報が示す監視対象者が、現在訪れている区域への立入を許可されている立入許可者であるか否かを判定する。
また、立入許可者判定部21は、その監視対象者が予測処理部16により予測された区域への立入を許可されている立入許可者であるか否かを判定する。
即ち、立入許可者判定部21は、テーブル格納部11に格納されている図3の立入制限区域テーブルから、予測処理部16により予測された区域のセキュリティレベルの読み出しを行う。
例えば、予測処理部16により予測された区域が“FK0002”であれば、区域のセキュリティレベルとして“A”を読み出す。
【0051】
立入許可者判定部21は、予測処理部16により予測された区域のセキュリティレベルを読み出すと、その監視対象者のセキュリティレベルと区域のセキュリティレベルを比較する。
立入許可者判定部21は、その監視対象者のセキュリティレベルが予測処理部16により予測された区域のセキュリティレベルより高ければ(セキュリティレベルが同等である場合を含む)、その監視対象者は当該区域への立入を許可されている立入許可者であるものと判定する。
一方、その監視対象者のセキュリティレベルが予測処理部16により予測された区域のセキュリティレベルに満たなければ、その監視対象者は立入許可者ではないものと判定する。
例えば、監視対象者のセキュリティレベルが“B”であり、予測処理部16により予測された区域のセキュリティレベルが“A”である場合、監視対象者は予測された区域への立入を許可されている立入許可者でないと判定される。
【0052】
予測区域明示部22は、図1の予測区域明示部17と同様に、監視対象領域を表しているマップ上に、予測処理部16により予測された区域を明示する指令をマップ表示処理部1に出力する。
また、予測区域明示部22は、立入許可者判定部21により監視対象者が予測区域への立入を許可されている立入許可者でない旨の判定がなされた場合、予測処理部16により予測された区域は“立入禁止区域”である旨を示す警告情報を表示する指令をマップ表示処理部1に出力する。
これにより、マップ表示処理部1は、図12に示すように、監視対象領域を表しているマップ上に、当該監視対象者が次に訪れる可能性が高い区域を明示するとともに、監視対象者が予測区域への立入を許可されている立入許可者でない場合、予測された区域は“立入禁止区域”である旨を示す警告情報を表示する。
【0053】
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、立入許可者判定部21が、監視対象者が予測処理部16により予測された区域への立入を許可されている立入許可者であるか否かを判定し、予測区域明示部22が、監視対象者が予測区域への立入を許可されている立入許可者でない旨の判定がなされた場合、予測処理部16により予測された区域は“立入禁止区域”である旨を示す警告情報を表示する指令をマップ表示処理部1に出力するように構成したので、監視対象者が立入禁止区域へ向かう可能性が高いことを知らせることができる効果を奏する。
【0054】
実施の形態3.
図13はこの発明の実施の形態3による監視装置を示す構成図であり、図において、図11と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
許可区域/禁止区域明示部23は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、識別情報取得部10により取得された識別情報に対応する監視対象者のセキュリティレベルと、全ての区域のセキュリティレベルとを比較して、その監視対象者が立ち入れる立入許可区域又は立ち入れない立入禁止区域を特定し、監視対象領域を表しているマップ上に、その立入許可区域又は立入禁止区域を明示する指令をマップ表示処理部1に出力する処理を実施する。なお、許可区域/禁止区域明示部23は許可区域/禁止区域明示手段を構成している。
【0055】
図13の例では、監視装置の構成要素であるマップ表示処理部1、モニタ2、カメラ3、カメラ映像取得部4、カメラ映像蓄積部5、監視対象者検出部6、アイコン表示処理部7、監視対象者選択部8、映像表示処理部9、識別情報取得部10、テーブル格納部11、立入許可者判定部21、鍵制御部13、行動履歴記録処理部14、履歴データベース15、予測処理部16、予測区域明示部22、認証リスト表示処理部18及び許可区域/禁止区域明示部23のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、監視装置がコンピュータで構成されていてもよい。
監視装置がコンピュータで構成される場合、マップ表示処理部1、モニタ2、カメラ3、カメラ映像取得部4、監視対象者検出部6、アイコン表示処理部7、監視対象者選択部8、映像表示処理部9、識別情報取得部10、立入許可者判定部21、鍵制御部13、行動履歴記録処理部14、予測処理部16、予測区域明示部22、認証リスト表示処理部18及び許可区域/禁止区域明示部23の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
【0056】
次に動作について説明する。
上記実施の形態1,2では、予測処理部16が、監視対象者が次に訪れる可能性が高い区域を予測することで、次に訪れる可能性が高い区域をマップ上に明示するものを示したが、監視対象者が立ち入れる立入許可区域又は立ち入れない立入禁止区域を特定し、その立入許可区域又は立入禁止区域をマップ上に明示するようにしてもよい。
【0057】
例えば、ユーザが図示せぬマンマシンインタフェースを操作して、次に訪れる可能性が高い区域をマップ上に明示するモードを選択すれば、上記実施の形態1,2と同様にして、予測処理部16により予測された区域をマップ上に明示し、監視対象者の立入許可区域又は立入禁止区域をマップ上に明示するモードを選択すれば、許可区域/禁止区域明示部23により特定された立入許可区域又は立入禁止区域をマップ上に明示するようにしてもよい。
具体的には、以下の通りである。
【0058】
許可区域/禁止区域明示部23は、監視対象者の立入許可区域又は立入禁止区域をマップ上に明示するモードが選択された場合、テーブル格納部11により格納されている図2のタグ/個人情報テーブルから、識別情報取得部10により取得された識別情報(タグ番号、ID番号)に対応する監視対象者のセキュリティレベルの読み出しを行うとともに、図3の立入制限区域テーブルから、全ての区域のセキュリティレベルの読み出しを行う。
【0059】
許可区域/禁止区域明示部23は、監視対象者のセキュリティレベルと全ての区域のセキュリティレベルを読み出すと、その監視対象者のセキュリティレベルと全ての区域のセキュリティレベルを比較する。
許可区域/禁止区域明示部23は、その監視対象者のセキュリティレベルが区域のセキュリティレベルより高ければ(セキュリティレベルが同等である場合を含む)、その区域は、監視対象者が立ち入れる立入許可区域であると特定する。
一方、監視対象者のセキュリティレベルが区域のセキュリティレベルに満たなければ、その区域は、監視対象者が立ち入れない立入禁止区域であると特定する。
例えば、セキュリティレベルが“A”,“B”,“C”の3段階であるとき、監視対象者のセキュリティレベルが“B”であれば、セキュリティレベルが“B”、“C”である区域は、その監視対象者が立ち入れる立入許可区域であると特定され、セキュリティレベルが“A”である区域は、その監視対象者が立ち入れない立入禁止区域であると特定される。
【0060】
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、識別情報取得部10により取得された識別情報に対応する監視対象者のセキュリティレベルと、全ての区域のセキュリティレベルとを比較して、その監視対象者が立ち入れる立入許可区域又は立ち入れない立入禁止区域を特定し、監視対象領域を表しているマップ上に、その立入許可区域又は立入禁止区域を明示する指令をマップ表示処理部1に出力するように構成したので、監視対象者の立入許可区域又は立入禁止区域を容易に確認することができる効果を奏する。
【0061】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0062】
1 マップ表示処理部、2 モニタ、3 カメラ、4 カメラ映像取得部、5 カメラ映像蓄積部、6 監視対象者検出部(アイコン表示手段)、7 アイコン表示処理部(アイコン表示手段)、8 監視対象者選択部、9 映像表示処理部(映像表示手段)、10 識別情報取得部(識別情報取得手段)、11 テーブル格納部、12,21 立入許可者判定部(立入許可者判定手段)、13 鍵制御部(鍵制御手段)、14 行動履歴記録処理部(行動履歴記録手段)、15 履歴データベース(行動履歴記録手段)、16 予測処理部(予測手段)、17,22 予測区域明示部(予測区域明示手段)、18 認証リスト表示処理部(認証リスト表示手段)、23 許可区域/禁止区域明示部(許可区域/禁止区域明示手段)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象領域内で立入が制限される区域毎に設置されており、当該区域への立入を希望している監視対象者の識別情報を取得する識別情報取得手段と、上記識別情報取得手段により取得された識別情報が示す監視対象者が、当該区域への立入を許可されている立入許可者であるか否かを判定する立入許可者判定手段と、上記立入許可者判定手段により監視対象者が立入許可者である旨の判定がなされた場合、当該区域の出入口に設置されている扉の鍵を開錠し、上記監視対象者が立入許可者でない旨の判定がなされた場合、上記扉の施錠状態を維持する鍵制御手段と、上記識別情報取得手段により取得された識別情報、上記識別情報取得手段が設置されている区域、上記立入許可者判定手段の判定時刻及び判定結果を示す監視対象者の行動履歴を記録する行動履歴記録手段と、上記行動履歴記録手段に記録されている過去の行動履歴を参照して、上記識別情報取得手段により取得された識別情報が示す監視対象者が、次に訪れる可能性が高い区域を予測する予測手段と、上記監視対象領域を表しているマップ上に、上記予測手段により予測された区域を明示する予測区域明示手段とを備えた監視装置。
【請求項2】
予測手段は、行動履歴記録手段に記録されている過去の行動履歴の中から、識別情報取得手段により取得された識別情報が示す監視対象者が現在訪れている区域と、直前に訪れている区域とが同じであって、次に訪れている区域が記録されている一連の行動履歴を検索し、一連の行動履歴に記録されている次に訪れている区域を、次に訪れる可能性が高い区域として予測することを特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項3】
立入許可者判定手段は、各々の監視対象者の識別情報と対応付けられている監視対象者の立入可能区域を示す立入可能区域情報を参照して、識別情報取得手段により取得された識別情報が示す監視対象者が、上記識別情報取得手段が設置されている区域への立入を許可されている立入許可者であるか否かを判定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の監視装置。
【請求項4】
立入許可者判定手段は、識別情報取得手段により取得された識別情報に対応する立入可能区域情報を参照して、上記識別情報が示す監視対象者が、予測手段により予測された区域への立入を許可されている立入許可者であるか否かを判定し、
予測区域明示手段は、上記立入許可者判定手段により監視対象者が立入許可者でない旨の判定がなされた場合、上記予測手段により予測された区域は立入禁止区域である旨を示す警告情報を表示する
ことを特徴とする請求項3記載の監視装置。
【請求項5】
識別情報取得手段により取得された識別情報に対応する立入可能区域情報を参照して、上記識別情報が示す監視対象者が立ち入れる立入許可区域又は立ち入れない立入禁止区域を特定し、監視対象領域を表しているマップ上に、上記立入許可区域又は上記立入禁止区域を明示する許可区域/禁止区域明示手段を設けたことを特徴とする請求項3記載の監視装置。
【請求項1】
監視対象領域内で立入が制限される区域毎に設置されており、当該区域への立入を希望している監視対象者の識別情報を取得する識別情報取得手段と、上記識別情報取得手段により取得された識別情報が示す監視対象者が、当該区域への立入を許可されている立入許可者であるか否かを判定する立入許可者判定手段と、上記立入許可者判定手段により監視対象者が立入許可者である旨の判定がなされた場合、当該区域の出入口に設置されている扉の鍵を開錠し、上記監視対象者が立入許可者でない旨の判定がなされた場合、上記扉の施錠状態を維持する鍵制御手段と、上記識別情報取得手段により取得された識別情報、上記識別情報取得手段が設置されている区域、上記立入許可者判定手段の判定時刻及び判定結果を示す監視対象者の行動履歴を記録する行動履歴記録手段と、上記行動履歴記録手段に記録されている過去の行動履歴を参照して、上記識別情報取得手段により取得された識別情報が示す監視対象者が、次に訪れる可能性が高い区域を予測する予測手段と、上記監視対象領域を表しているマップ上に、上記予測手段により予測された区域を明示する予測区域明示手段とを備えた監視装置。
【請求項2】
予測手段は、行動履歴記録手段に記録されている過去の行動履歴の中から、識別情報取得手段により取得された識別情報が示す監視対象者が現在訪れている区域と、直前に訪れている区域とが同じであって、次に訪れている区域が記録されている一連の行動履歴を検索し、一連の行動履歴に記録されている次に訪れている区域を、次に訪れる可能性が高い区域として予測することを特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項3】
立入許可者判定手段は、各々の監視対象者の識別情報と対応付けられている監視対象者の立入可能区域を示す立入可能区域情報を参照して、識別情報取得手段により取得された識別情報が示す監視対象者が、上記識別情報取得手段が設置されている区域への立入を許可されている立入許可者であるか否かを判定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の監視装置。
【請求項4】
立入許可者判定手段は、識別情報取得手段により取得された識別情報に対応する立入可能区域情報を参照して、上記識別情報が示す監視対象者が、予測手段により予測された区域への立入を許可されている立入許可者であるか否かを判定し、
予測区域明示手段は、上記立入許可者判定手段により監視対象者が立入許可者でない旨の判定がなされた場合、上記予測手段により予測された区域は立入禁止区域である旨を示す警告情報を表示する
ことを特徴とする請求項3記載の監視装置。
【請求項5】
識別情報取得手段により取得された識別情報に対応する立入可能区域情報を参照して、上記識別情報が示す監視対象者が立ち入れる立入許可区域又は立ち入れない立入禁止区域を特定し、監視対象領域を表しているマップ上に、上記立入許可区域又は上記立入禁止区域を明示する許可区域/禁止区域明示手段を設けたことを特徴とする請求項3記載の監視装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−226485(P2012−226485A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−92184(P2011−92184)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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