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目的遺伝子を脳で小脳プルキンエ細胞、脳幹および嗅球特異的に過剰発現するトランスジェニック非ヒト哺乳動物
説明

目的遺伝子を脳で小脳プルキンエ細胞、脳幹および嗅球特異的に過剰発現するトランスジェニック非ヒト哺乳動物

【課題】小脳プルキンエ細胞障害性疾患のモデル動物を作製すること。
【解決手段】マウス胚性幹細胞ウイルス(MSCV)プロモーターとそれに連結された目的遺伝子を含むベクターを生殖系列において導入することによって得られ、目的遺伝子を脳において小脳プルキンエ細胞、脳幹および嗅球特異的に過剰発現する、トランスジェニック非ヒト哺乳動物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的遺伝子を脳で小脳プルキンエ細胞、脳幹および嗅球特異的に過剰発現するトランスジェニック非ヒト哺乳動物、ならびにそれを利用した小脳プルキンエ細胞障害性疾患の解析方法および小脳プルキンエ細胞障害性疾患を治療するための薬剤を評価または同定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
小脳は複数の筋肉が関与する歩行などの協調運動に重要な役割を果たしている。小脳に損傷があると、協調運動の調節がうまく行かず、なめらかな動きができなくなる。大脳皮質からの運動の指令は脳幹を通って、脊髄、筋肉に伝達されるが、同時に脳幹(橋)から苔状線維を介して小脳皮質にも伝達される。苔状線維を介して伝達された信号は、小脳皮質の神経細胞である顆粒細胞に入力される。そして、顆粒細胞はその軸索である平行線維を介してプルキンエ細胞に信号を伝える。
【0003】
一つのプルキンエ細胞は平行線維との間に10万個以上のシナプスを形成し、そこからの入力情報を統合し、小脳の深部にある小脳核へ情報を出力する。プルキンエ細胞は小脳皮質からの唯一の出力神経細胞であり、小脳において非常に重要な役割を果たしているが、脆弱であり、小脳出血、外傷、小脳腫瘍や遺伝性神経変性疾患により障害を受けやすい。
【0004】
神経細胞に野生型や変異遺伝子を導入し、その影響を調べる手法は、神経科学分野の研究面において非常に効果的であるが、遺伝子治療としての臨床応用面からも、神経細胞への遺伝子導入は注目を集めている。小脳に遺伝子を効率よく導入できれば、小脳を対象とする研究の進展に大きく寄与するだけでなく、プルキンエ細胞が障害される脊髄小脳変性症などの遺伝子治療への応用も期待される。
【0005】
しかしながら、神経細胞は非分裂細胞であり遺伝子導入が難しい。なかでも、プルキンエ細胞への遺伝子導入は極めて困難であり、2000年以前まで効率的な遺伝子導入の成功例も報告されていなかった。最近ウイルスベクターの開発が進み、プルキンエ細胞への効率的な遺伝子導入が可能になってきたが(非特許文献1〜4)、それでもまだ十分ではない。
【0006】
さらに、ウイルスベクターを利用したプルキンエ細胞への遺伝子導入においては、使用するプロモーターも重要であると考えられ、これまでに検討がなされている。
特許文献1では、L7プロモーター配列若しくはその誘導配列、又はカルビンディンプロモーター若しくはその誘導配列を含有したレンチウイルス又はアデノ随伴ウイルスを用いて小脳プルキンエ細胞に遺伝子を導入することが開示されているが、L7プロモーターやカルビンディンプロモーターではプロモーター活性が十分ではなかった。
また、特許文献2では改変型L7プロモーターを用いた遺伝子導入が開示されているが、まだ発現量が十分とは言えず、改善の余地があった。
【0007】
一方、マウス胚性幹細胞ウイルス(Murine Stem Cell Virus (MSCV))プロモーターは従来、血球系細胞への遺伝子導入に用いられてきたが、脳での部位特異的プロモーター活性については知られていなかった。
例えば、上記特許文献1の実施例では、MSCVプロモーターに連結されたGFP(Green Fluorescent Protein)遺伝子をレンチウイルスベクターにより成体マウスの脳に導入したも
のの、小脳プルキンエ細胞に加えて、星状細胞やバーグマングリアへの発現も認められたことが記載されている。
また、上記特許文献2でもコントロール(非特異プロモーター)としてのMSCVプロモーターに連結されたGFP遺伝子をレンチウイルスベクターにより成体マウスの脳に導入したことが開示されているが、結果は、プルキンエ細胞、顆粒細胞に加えてグリア細胞や顆粒細胞とプルキンエ細胞の中間サイズの細胞体を持つ細胞にもGFPの発現が見られたというものであった。
【0008】
さらに、非特許文献5,6でもMSCVプロモーターに連結されたGFP遺伝子をレンチウイルスベクターにより脳に遺伝子導入したことが開示されているが、いずれも生殖系列への導入ではなく、また、MSCVプロモーターは普遍的プロモーターとして使用されたにすぎなかった。
その上、非特許文献6では新生仔のラットに導入したらプルキンエ細胞の発達障害が見られたとのことであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006-050956号公報
【特許文献2】再表2007/105744号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Hum.Gene Ther., 13,665-674
【非特許文献2】Neuroreport, 11, 669-2673
【非特許文献3】Mol. Ther., 2, 446-457
【非特許文献4】Nat. Med.,10, 816-820
【非特許文献5】Cerebellum. 2010 Feb 23.
【非特許文献6】Neurosci Lett. 2008 Sep 26;443(1):7-11
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、目的遺伝子を脳内で小脳プルキンエ細胞特異的に安定高発現する小脳プルキンエ細胞障害性疾患のモデル動物となりうる非ヒト哺乳動物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は上記課題を解決すべく、MSCVプロモーター制御下でGFPを発現するレンチウイルスベクターをマウス受精卵に感染させ、仮親の子宮に戻す方法で、トランスジェニックマウスを作製した。得られたトランスジェニックマウスを解析することでMSCVプロモーターがどの部位でプロモーター活性をもつのかを調べた。その結果、既報の、MSCVプロモーターに連結された遺伝子を含むレンチウイルスをマウス等の哺乳動物の脳に投与した場合とは異なり、構成的プロモーターであると考えられていたMSCVプロモーターは小脳、脳幹、嗅球に限局して活性をもつことが明らかになった。とくに小脳ではプルキンエ細胞特異的に強いGFPの発現が観察された。脳幹では橋核を中心とする広い領域に、嗅球では比較的狭い領域にGFP発現が観察された。
以上の知見に基づき、MSCVプロモーターとそれに連結された目的遺伝子を含むベクターを生殖系列において導入することによって得られるトランスジェニック非ヒト哺乳動物が小脳プルキンエ細胞障害性疾患のモデル動物となりうることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)マウス胚性幹細胞ウイルス(MSCV)プロモーターとそれに連結された目的遺伝子を含むベクターを生殖系列において導入することによって得られ、目的遺伝子を脳において小脳プルキンエ細胞、脳幹および嗅球特異的に過剰発現する、トランスジェニック非ヒト哺乳動物。
(2)動物がマウス、ラットまたはマーモセットである、(1)に記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物。
(3)遺伝子がGFP遺伝子である、(1)または(2)に記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物。
(4)遺伝子が、アタキシン−1遺伝子、アタキシン−2遺伝子、アタキシン−3遺伝子、huntingtin遺伝子、α1a電位依存型(P/Q型)カルシウムチャネルをコードする遺伝子、Kv3.3電位依存性カリウムチャネルをコードする遺伝子、および変異型PKCγをコードする遺伝子からなる群より選ばれる、(1)または(2)に記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物。
(5)小脳プルキンエ細胞障害性疾患のモデル動物である、(4)に記載の動物。
(6)小脳プルキンエ細胞障害性疾患が遺伝性脊髄小脳変性症である、(5)に記載の動物。
(7)(1)〜(4)のいずれかに記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物から単離された、非ヒト哺乳動物細胞。
(8)(1)〜(4)のいずれかに記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物又は該トランスジェニック非ヒト哺乳動物から得られる細胞、組織もしくは器官を用いて解析を行うことを特徴とする、小脳プルキンエ細胞障害性疾患の解析方法。
(9)小脳プルキンエ細胞障害性疾患を治療するための薬剤を評価または同定する方法であって、
(a)(5)または(6)に記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物に化合物を投与する工程;および、
(b)化合物投与前後の該トランスジェニック非ヒト哺乳動物の小脳プルキンエ細胞障害性疾患の症状を評価する工程、を含む方法。
(10)MSCVプロモーターとそれに連結された小脳プルキンエ細胞障害性疾患治療用遺伝子を含むレンチウイルスベクターを含み、脳のクモ膜下腔に投与される小脳プルキンエ細胞障害性疾患治療薬。
(11)小脳プルキンエ細胞障害性疾患が遺伝性脊髄小脳変性症である、(10)に記載の小脳プルキンエ細胞障害性疾患治療薬。
【発明の効果】
【0014】
MSCVプロモーターは、従来、主に血球系細胞への遺伝子導入に用いられ、脳ではどのような細胞においても活性があると考えられていたが、今回、MSCVプロモーターは脳内で極めて高い特異性をもって働くことがわかった。この特性を利用することで、遺伝性脊髄小脳変性症などの患者の病態を反映する優れたモデル動物の作製が可能となる。また治療用ベクターに組み込むことで、障害細胞選択的に治療効果をもつことが期待される。
【0015】
遺伝性脊髄小脳変性症の多くは小脳プルキンエ細胞だけ、あるいはプルキンエ細胞と脳幹の神経細胞の変性が観察される。MSCVプロモーターを用いて変異した遺伝性脊髄小脳変性症原因遺伝子を発現するトランスジェニック動物を作製することで、患者の病態に近いモデル動物を作製することが可能となる。また、遺伝性脊髄小脳変性症に対して治療効果のある遺伝子をMSCVプロモーター制御下で発現するウイルスベクターは、遺伝性脊髄小脳変性症の遺伝子治療用ベクターとして有望である。ムコ多糖症やニーマンピック病を含むライソゾーム病においても同様である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】レンチウイルスベクターpCL20c-MSCV-GFPの制限酵素地図。
【図2】レンチウイルスを用いて作製されたMSCV-GFPおよびCAG-GFPトランスジェニックマウスを示す図。(A) トランスジェニックマウス作製に使用したHIV由来レンチウイルスベクターpCL20c-MSCV(CAG)-GFPの構造を示す模式図。RREはrev応答配列を示す。(B) 生後3日目の、F1 MSCV-GFP トランスジェニック(Tg)マウス(左)とF1 CAG-GFP Tgマウス(右)、およびこれらの同腹野生型(WT)マウスにおける蛍光測定の結果を示す写真(下段)。上段は可視光。
【図3】MSCV-GFPマウスの各組織におけるGFPの発現を示すウエスタンブロット解析の写真。
【図4】MSCV-GFPマウスにおけるGFPの小脳限定的発現を示す図。(A, B) MSCV-GFPおよびCAG-GFPトランスジェニックマウス(Tg:下段)と同腹野生型マウス(WT:上段)の脳全体の明視野像 (左)、及び蛍光像(右)を示す写真。 (C, D) MSCV-GFP Tgマウス(C)およびCAG-GFP Tgマウス(D)の脳の矢状切片の明視野像(上)、及び蛍光像(下)を示す写真。スケールバーは1mmを示している。(E) MSCV-GFPマウスの脳の各領域のウエスタンブロット解析を示す写真。上段がGFP抗体により染色を、下段が(-アクチン抗体による染色を示す。
【図5】MSCV-GFPマウスとCAG-GFPマウスの脳におけるGFPの発現パターンを示す写真。(A-E) MSCV-GFPマウスの小脳におけるGFPの発現パターンを示す。:(A)明視野像、(B)GFP蛍光像。(C-E)では、(B)の四角で囲った領域を順に拡大している。(F-G)ではCAG-GFPマウスの脳におけるGFPの発現パターンを示す。(F)明視野像、(G)GFP蛍光像。(H-J)では、(G)の四角で囲った領域を順に拡大している。スケールバーは20μmを示している。
【図6】MSCVプロモーターあるいは改良型L7プロモーター(tr-L7)(再表2007/105744号公報)制御下でGFPを発現するレンチウイルスベクターを生後0日のラット小脳に接種し、生後21〜23日の時点でのプルキンエ細胞におけるGFP蛍光強度を測定した結果を示す図。
【図7】MSCVプロモーター制御下でGFPを発現するトランスジェニックマウス(MSCV-Tg)あるいはL7プロモーター制御下でGFPを発現するトランスジェニックマウス(L7-Tg) (生後〜25日)のプルキンエ細胞(細胞体)におけるGFP蛍光強度、およびMSCVプロモーター制御下でGFPを発現するレンチウイルスベクター(MSCV Lenti)あるいは、CAGプロモーター制御下でGFPを発現するレンチウイルスベクター(CAG Lenti)をマウス小脳に接種したときのプルキンエ細胞におけるGFP蛍光強度を示す図。
【図8】MSCVプロモーター制御下で、119番目のセリンがプロリンに変異(S119P)したPKCgとGFPの融合たんぱく質(gPKC-GFP)を発現するトランスジェニックマウス(MSCV- gPKC(S119P)-GFPマウス)のgPKC-GFPの発現パターンを示す免疫組織染色の図(写真)。(A)生後39日のMSCV- gPKC(S119P)-GFPマウスの小脳切片を、抗GFP抗体、及びプルキンエ細胞のマーカーであるカルビンディンに対する抗体を用いて二重染色した。GFPを緑で、カルビンディンを赤で示し、両者を重ね合わせた。(B)(A)の写真を拡大したものである。スケールバーは20μmを示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明を詳しく説明する。
MSCVプロモーターとは、MSCVの5' LTR とパッケージングシグナルφを含む配列をいう(Ann. N. Y. Acad. Sci. 716 : 327-330 (1994) ; Mol Ther 2 : 458-469 (2000) ; Stem Cells 19 : 236-246 (2001) ; J. Virol. 75 : 9995-9999 (2001) ; Mol. Ther. 5 : 242-251 (2002) ; Blood 103 : 4062-4069 (2004) ; Hum. Gene. Ther. 20:630-640 (2009) 。
MSCVプロモーターとしては、配列番号1の塩基配列を含むプロモーターが例示される。ただし、トランスジェニック動物の脳において小脳プルキンエ細胞、脳幹および嗅球特異的プロモーター活性を有する限りにおいて、配列番号1の塩基配列の相補鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイズするものであってもよい。ここで、「ストリンジェントな条件」とは、例えば、相同性が高いDNA同士、好ましくは95%以上の相同性を有するDNA同
士がハイブリダイズし、それより相同性が低いDNA同士がハイブリダイズしない条件、具体的には、通常のサザンハイブリダイゼーションの洗いの条件である68℃、0.1×SSC, 0.1%SDSに相当する塩濃度でハイブリダイズする条件が挙げられる。
【0018】
MSCVプロモーターに連結される目的遺伝子の種類は特に制限されないが、GFP遺伝子(改変型を含む)、Cre recombinase遺伝子、ルシフェラーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼなどのマーカー遺伝子、異常伸長したCAGリピートを持つアタキシン(ataxin)−1、アタキシン−2、アタキシン−3、α1a電位依存型(P/Q型)カルシウムチャネル、Kv3.3電位依存性カリウムチャネル、またはhuntingtinをコードする遺伝子、ならびに変異を持つPKCγをコードする遺伝子などの小脳プルキンエ細胞障害性疾患の関連遺伝子が例示される。また、後述するような、小脳プルキンエ細胞障害性疾患の治療に用いられる遺伝子でもよい。
【0019】
目的遺伝子はMSCVプロモーターに連結されるが、連結の態様は目的遺伝子がMSCVプロモーターによって発現可能な態様であれば特に制限はなく、エンハンサー配列等、高発現に有利な配列を介して連結されてもよい。また、目的遺伝子はタンパク質の部分配列をコードするものであってもよいし、また、タグ配列との融合タンパク質をコードするものであってもよい。
【0020】
MSCVプロモーターとそれに連結された目的遺伝子を含むベクターとしては、真核生物細胞において複製可能なベクター、ならびにエピソームを維持するベクターあるいは宿主細胞ゲノムに組み込まれるベクターが挙げられるが、ウイルスベクターが好ましく、レンチウイルスベクターがより好ましい。
【0021】
ベクターは、選択マーカーを含んでもよい。「選択マーカー」とは、選択マーカーが導入された細胞に選択可能な表現型を提供する遺伝エレメントをいい、一般には、遺伝子産物が細胞の増殖を阻害するかまたは細胞を殺傷する薬剤に対する耐性を与える遺伝子である。具体的には、例えば、Neo遺伝子、Hyg遺伝子、hisD遺伝子、Gpt遺伝子およびBle遺伝子が挙げられる。選択マーカーの存在を選択するために有用な薬物としては、例えば、Neoに対してはG418、Hygに対してはハイグロマイシン、hisDに対してはヒスチジノール、Gptに対してはキサンチン、そしてBleに対してはブレオマイシンが挙げられる。
【0022】
相同組換えによって染色体上の内因性遺伝子を目的遺伝子で置き換える場合には、ベクターは染色体上の目的部位と相同な配列をさらに含むことが好ましい。
【0023】
目的遺伝子が上記のような小脳プルキンエ細胞障害性疾患関連遺伝子であった場合、本発明のトランスジェニック非ヒト哺乳動物は、小脳プルキンエ細胞障害性疾患のモデルとして有用である。ここで、小脳プルキンエ細胞障害性疾患としては、遺伝性脊髄小脳変性症(1型、2型、6型等)、及びハンチントン病を含むポリグルタミン病、ムコ多糖症やニーマンピック病を含むライソゾーム病、毛細血管拡張性運動失調症、自閉症、アルツハイマー病、胎児アルコール症候群、アルコール中毒、加齢性小脳失調などが挙げられる。
【0024】
本発明のトランスジェニック非ヒト哺乳動物は、例えば、マウス、ラットなどの任意の非ヒト哺乳動物であり得る。また、ウサギ、ヤギ、ブタ、モルモット、ヒツジ、ウシ、マーモセットを含む非ヒト霊長類などの他の非ヒト哺乳動物でもあり得る。
【0025】
本発明のトランスジェニック非ヒト哺乳動物は、例えば、以下の(a)〜(g)の工程を含む方法により得ることができる。
(a)MSCVプロモーターと目的遺伝子を含むベクターを非ヒト哺乳動物の胚性幹(ES)細
胞に導入する工程
(b)MSCVプロモーターと目的遺伝子が挿入された染色体を有するES細胞を選択する工程(c)選択したES細胞を受精卵に導入する工程
(d)該受精卵を偽妊娠雌性非ヒト哺乳動物の卵管あるいは子宮に移植する工程
(e)該非ヒト哺乳動物を飼育し、産まれた仔から、生殖系列キメラを選択する工程
(f)該生殖系列キメラを交配させ、産まれた仔から、MSCVプロモーターと目的遺伝子が挿入された染色体を有する個体を選択する工程
(g)(f)で得られた個体同士を交配させ、産まれた仔から、両方の相同染色体において、MSCVプロモーターと目的遺伝子が挿入されたホモ接合体を選択する工程。
【0026】
このような方法は、例えば、Hoganら、Manipulating the Mouse Embryo: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory(1986)、や米国特許第5,616,491号および5,750,826号などに記載されている。
【0027】
以下、作製方法についてより詳しく説明する。
ES細胞は、適切な条件下において、インビトロで移植前の胚を培養することによって得られる(Nature 292:154-156(1981);Nature 309:255-258(1984);Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:9065-9069(1986);およびNature 322:445-448(1986))。
【0028】
ベクターは、当該分野で公知の種々の方法(エレクトロポレーション、リン酸カルシウム共沈、プロトプラストまたはスフェロプラストの融合、リポフェクションおよびDEAEデキストラン媒介性トランスフェクションを含む)を使用するDNAトランスフェクションによって、ES細胞中に効率的に導入され得る。
【0029】
レンチウイルスなどのウイルス感染もまた、非ヒト動物中に遺伝子を導入するために使用できる。発達中の非ヒト胚を、胚盤胞段階までインビトロで培養する。この間に、割球にウイルスを感染させる(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 73:1260-1264(1976))。トランスフェクションは、ウイルスを産生する細胞の単層上において割球を培養することによって、簡単かつ効率的に達成される(EMBO J.6:383-388(1987))。あるいは、より後期の段階で、感染させてもよい。ウイルスまたはウイルスを産生する細胞を胞胚腔内に注入してもよい(Nature 298:623-628(1982))。
さらに、妊娠中期の胚の子宮内ウイルス感染によって、生殖細胞系列中に導入遺伝子を導入することもまた可能である。受精卵または初期胚の卵黄周囲腔にウイルス粒子またはウイルスを産生するマイトマイシンC処理細胞を微量注入することも可能である。
【0030】
核微量注入(米国特許第4,873,191号);胚性幹細胞における遺伝子標的化(Cell 56:313-321(1989));胚のエレクトロポレーション(Mol Cell.Biol.3:1803-1814(1983));および精子媒介性遺伝子移入(Cell 57:717-723(1989))などの方法を採用してもよい。
【0031】
このようにして遺伝子が導入されたES細胞は、その後、胚盤胞段階の胚の胞胚腔内に導入された後に胚に組み込まれ、キメラ動物の生殖細胞系列に組み込まれる。導入遺伝子が、選択されるための手段を提供する場合には、トランスフェクトされたES細胞を胞胚腔内に導入する前に、トランスフェクトされたES細胞を種々の選択プロトコールに供して、導入遺伝子を組み込んだES細胞を濃縮することができる。あるいは、PCRを使用して、導入遺伝子を組み込んだES細胞をスクリーニングし得る。これにより、導入効率を上げることができる。
【0032】
注入された胚を、偽妊娠の雌の卵管/子宮に移植し、そして最終的にトランスジェニック動物を得る。
【0033】
一旦、創始動物が作製されると、この創始動物を交配、同系交配、異系交配または交雑して、特定の動物の個体群を生じさせることができる。このような育種ストラテジーの例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:分離系統を確立するための、複数の組み込み部位を有する創始動物の異系交配;各導入遺伝子の相加的な発現効果によってより高いレベルで導入遺伝子を発現する倍加トランスジェニックを作製するための、分離系統の同系交配;発現を増強するため、およびDNA分析によって動物をスクリーニングする必要を排除するための、所定の組み込み部位についてホモ接合性のマウスを作製するためのヘテロ接合性トランスジェニックマウスの交雑;倍加ヘテロ接合性系統または倍加ホモ接合性系統を作製するための、ホモ接合性分離系統の交雑;導入遺伝子の発現に対する対立遺伝子改変効果および発現の神経病理学的効果を試験するための、異なる近交系の遺伝的背景に対しての交配。
【0034】
本発明のトランスジェニック非ヒト哺乳動物は、目的の形質を選択するためにスクリーニングされそして評価される。最初のスクリーニングは、例えば、サザンブロット分析またはPCR技術を使用して行うことができ、その導入遺伝子の組み込みが生じたことを確認するために動物組織が分析される。そのトランスジェニック動物の組織におけるその導入遺伝子のmRNA発現のレベルもまた、その動物から得た組織サンプルのノーザンブロット分析、インサイチュハイブリダイゼーション分析、および逆転写酵素−PCR(rt−PCR)などによって解析され得る。また、導入遺伝子がGFP遺伝子であると、蛍光を測定することにより組み込みが生じたことを確認することができる。
さらに、脳のサンプルまたは他の適切な組織のサンプルを用い、導入遺伝子から発現されたポリペプチドやタグ(例えば、ポリヒスチジンやFLAGなど)に特異的な抗体を使用して免疫細胞学的に評価することもできる。
【0035】
本発明はまた、本発明のトランスジェニック非ヒト哺乳動物又は該トランスジェニック非ヒト哺乳動物から得られる細胞、組織もしくは器官を用いて解析を行うことを特徴とする、小脳プルキンエ細胞障害性疾患の解析方法を提供する。ここで、細胞は脳細胞が好ましく、小脳細胞がより好ましく、小脳プルキンエ細胞がさらに好ましい。また、組織は脳組織が好ましく、小脳組織がより好ましい。解析は、表現型の解析、組織学的解析、電気生理学的解析、遺伝子発現解析などが挙げられるがこれらに限定されない。
【0036】
また、本発明のトランスジェニック非ヒト哺乳動物は、小脳プルキンエ細胞障害性疾患の治療剤をスクリーニングするために、有利に使用され得る。
すなわち、本発明は、小脳プルキンエ細胞障害性疾患を治療するための薬剤を評価または同定する方法であって、
(a)本発明のトランスジェニック非ヒト哺乳動物に化合物を投与する工程;および、
(b)化合物投与前後の該トランスジェニック非ヒト哺乳動物の小脳プルキンエ細胞障害性疾患に関連する表現型を評価する工程、を含む方法が提供される。
【0037】
本明細書中で使用される場合、「小脳プルキンエ細胞障害性疾患に関連する表現型」としては、ポリグルタミン凝集塊の蓄積、封入体の増加、プルキンエ細胞層の配列の乱れ、プルキンエ細胞の減少、小脳失調などが挙げられ、これらの表現型を改善する薬剤を小脳プルキンエ細胞障害性疾患を治療するための薬剤として選択することができる。
【0038】
評価またはスクリーニングに使用する治療剤候補物質としての化合物は、例えば、合成又は天然の低分子又は高分子化合物、金属含有化合物、糖質、ペプチド、タンパク質、ペプチド模倣物、糖タンパク質、リポタンパク質、核酸、抗体などが使用可能である。多数の天然化合物および合成化合物を含むライブラリーもまた、使用可能である。
【0039】
本発明は、別の側面では、MSCVプロモーターの下流に導入対象の遺伝子が作動可能に連結された、小脳プルキンエ細胞に導入対象の遺伝子を発現させるためのレンチウイルスベクターを有効成分として含有してなる、小脳表面のクモ膜下腔に注入するための、小脳プルキンエ細胞障害性疾患の治療剤に関する。このようなベクターとしては、Neurosci. Lett. 2008 Sep 26;443(1):7-11. Epub 2008 Jul 25.に記載されたようなベクターが例示されるがこれに限定されない。
【0040】
本発明の治療剤は、前記発現ベクターを含有しているため、導入対象の遺伝子を、効率的に小脳プルキンエ細胞に導入し、選択的に発現させることができるという優れた効果を発揮する。したがって、本発明の治療剤によれば、小脳プルキンエ細胞障害性疾患に対し、効率のよい治療効果を得ることができるという優れた効果を発揮する。
【0041】
本明細書において、「小脳プルキンエ細胞障害性疾患」としては、遺伝性脊髄小脳変性症(1型、2型、6型、14型等)、及びハンチントン病を含むポリグルタミン病、ムコ多糖症やニーマンピック病を含むライソゾーム病、毛細血管拡張性運動失調症、自閉症、アルツハイマー病、胎児アルコール症候群、アルコール中毒、加齢性小脳失調などが挙げられる。
【0042】
前記治療剤の薬理評価は、治療対象となる疾患の種類により異なるが、遺伝性脊髄小脳変性症の場合、治療剤を、小脳表面のクモ膜下腔に投与した後、細胞学的にはプルキンエ細胞(および小脳のその他の細胞)に見られるポリグルタミン凝集塊の減少によって、さらに臨床的(動物の場合は行動学的)には小脳失調の改善程度により行われうる。遺伝性脊髄小脳変性症の主な病因は異常伸長したポリグルタミン鎖をもつタンパク質の蓄積、及びこれに伴う細胞内信号伝達の異常であり、このため小脳失調が出現すると考えられることから、細胞内のポリグルタミン凝集塊が減少し、小脳失調が改善した場合、治療剤が、薬理作用を示すことの指標となりうる。
【0043】
本発明の治療剤においては、治療対象となる疾患の種類等に応じ、有効成分である発現ベクターに組み込む導入対象の遺伝子を適宜選択することができる。例えば、遺伝性脊髄小脳変性症6型の場合、プルキンエ細胞に多く発現している電位依存性Caチャネルα1Aサブユニット遺伝子の変異による機能異常を相補又は抑制しうる因子又はエレメントをコードする核酸、例えば、変異した電位依存性Caチャネルα1Aサブユニット遺伝子の発現を抑制するsiRNAを発現させ得る核酸、細胞質封入体を分解するタンパク質をコードする核酸等が用いられうる。また、遺伝性脊髄小脳変性症1型、2型の場合、核内及び細胞質封入体を分解するタンパク質をコードする核酸、脳由来又はグリア細胞由来神経栄養因子をコードする核酸等が挙げられる。
【0044】
ポリグルタミン病の治療を目的とした場合は、GTPase CRAG(Qin et al.J.cell Biol.2006 Feb 13;172(4):497-504.)、ubiquitin chain assembly factor E4B(UFD2a)(EMBO J.2004 Feb 11;23(3):659-69.)、ATPase VCP/p97(Cell Death Differ.2001 Oct;8(10):977-84.)、分子シャペロンHDJ-2 HSDJ(Nat Genet.1998 Jun;19(2):148-54.)や分子シャペロンBiP(Nature.1988 Mar 31;332(6163):462−4.)、小胞体蛋白質分解を促進する分子:ER degradation enhancing alpha−mannosidase-like protein (EDEM)(Science.2003 Feb 28;299(5611):1394−7.)、ERのセンサー分子(Endoplasmic reticulum(ER)stress transducer):CREB/ATF family member OASIS(Nat Cell Biol.2005 Feb;7(2):186-94.)、IRE1(J Biol Chem.1996 Jul 26;271(30):18181−7.)、PERK,ATF6(J Biol Chem.1998 Dec 11;273(50):33741-9.)をコードする遺伝子を用いることができる。
【0045】
また、遺伝性脊髄小脳変性症1型、2型、6型の治療を目的とした場合は、アタキシン
−1、アタキシン−2、アタキシン−3、α1a電位依存型カルシウムチャネル、Kv3.3電位依存性カリウムチャネル、またはPKCγ遺伝子をコードする遺伝子に対するsiRNA、ハンチントン病の治療を目的とした場合は、Huntingtinに対するsiRNAを用いて、これら遺伝子の発現を抑制してもよい。
【0046】
ニーマンピック病の治療を目的とした場合は、スフィンゴミエリナーゼをコードする遺伝子を治療用遺伝子として用いることができる。毛細血管拡張性運動失調症の治療を目的とした場合は、AT−mutated(atm)、自閉症の治療を目的とした場合は、ReelinやBcl−2をコードする遺伝子を治療用遺伝子として用いることができる。アルツハイマー病の治療を目的とした場合は、ネプリライシンをコードする遺伝子を治療用遺伝子として用いることができる。さらに、胎児アルコール症候群(FAS)、アルコール中毒、及び加齢性小脳失調の治療を目的とした場合は、Bcl−2、DNF、NGFをコードする遺伝子を治療用遺伝子として用いることができる。
【0047】
本発明の治療剤は、小脳表面のクモ膜下腔に注入することにより、投与されうる。本発明の治療剤を小脳表面のクモ膜下腔に注入することにより、注入部位周辺の少数のプルキンエ細胞のみに限局することなく、小胞分子層及びプルキンエ細胞層全体に高い親和性で、かつ広範囲に有効成分を送達することができる点で有利である。また、小脳表面のクモ膜下腔への本発明の治療剤の注入は、下オリーブ核や小脳核への注入に比べ、脳実質の損傷を抑制でき、臨床応用に優れる。
【0048】
また、本発明の治療剤の投与には、注入の際、脳圧を安定して維持させる観点から、好ましくは、一定した速度で注入可能な手段、例えば、ハミルトンシリンジとそれを取りつけることができるマイクロマニピュレーター及び注入のためのマイクルインジェクションポンプ等を用いることが望ましい。注入速度は、脳圧を安定して維持できる範囲であれば特に限定されるものではなく、個体の年齢、体重、疾患状態等に応じて、適宜設定され得る。例えば、10nl/分〜800nl/分、好ましくは、50nl/分〜400nl/分、より好ましくは、100nl/分〜200nl/分であることが望ましい。
【0049】
本発明の治療剤の投与量は、治療効果を発揮させるに適した量であれば特に限定されるものではなく、個体の年齢、体重、疾患状態等に応じて、適宜設定され得る。例えば、また、本発明の治療剤の投与回数は、治療効果を発揮させるに十分な回数であればよい。レンチウイルスを基本骨格とする場合、遺伝子が染色体に組み込まれることから、1回の投与でもよく、組み込まれる遺伝子のコピー数を増加させ、より広範囲の細胞に導入させるために、小脳表面の場所を変更して(右、正中、左など)3回程度であってもよい。また挿入変異による副作用の危険性除去のため、宿主染色体へのプロウイルスの組み込み能力を欠損する非挿入型レンチウイルスベクターを用いる場合、1年以上の期間を空けて複数回、投与してもよい。アデノ随伴ウイルスを基本骨格とする場合、長期にわたる発現が確認されていることから前記レンチウイルスの場合と同様に行い、小脳失調の状態によって追加投与を行なってもよい。
【実施例】
【0050】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、様々な改変された態様が含まれることはいうまでもない。
【0051】
<材料と方法>
<ウイルスの調製>
MSCV-GFP マウスの作製にはレンチウイルスベクタープラスミドpCL20c (Mol. Ther. 5
: 242-251 (2002) ; Blood 103 : 4062-4069 (2004))を用いて得られたpCL20c MSCV-GFP (図1)を使用した。
なお、pCL20c MSCV-GFPの塩基配列を配列番号2に示した。配列番号2においては、塩基番号2500−3905がMSCVプロモーターであり、塩基番号3955−4671がGFP遺伝子である。GFPのアミノ酸配列を配列番号3に示した。
【0052】
CAG-GFPマウスの作製にはレンチウイルスベクタープラスミドpLV (Nat. Biotechnol. 25 : 233-237 (2007))にCAG-GFP を組み込むことにより得られたpLV CAG-GFPを使用した。
(1)ウイルスの産生
以下の操作を、P2実験室で行なった。ウイルス産生には、HEK293T細胞を用いた。培養液は通常用いられている、10%ウシ血清を加えたDulbecco's modified Eagle's medium (D-MEM)を使用した。対数増殖期のHEK293T細胞をリン酸緩衝化生理食塩水(Mg2+とCa2+とを含有しない)[PBS(−)]に分散させ、ついで、10cmディッシュ(ファルコン社製)あたり5×105細胞となるように播種した。播種後の10cmディッシュに、10重量%ウシ胎仔血清含有D-MEM10m1を添加し、その後、細胞を、5体積%C02, 37℃で培養した。24時間後、前記ディッシュ中の培養液を、新しい培養液(10重量%ウシ胎仔血清含有D-MEM)10m1と交換した。その後、細胞を、5体積%C02, 37℃で0.5時間培養した。
【0053】
一方、MSCV-GFPマウス作成用に、pCAGkGP1R(St. Jude Chi1dren's Research Hospital)
6μg, pCAG4RTR2 (St. Jude Children's Research Hospita1) 2μg, pCAG-VSV-G(St. Jude Chi1dren's Research Hospital) 2μg, pCL20c MSCV-GFP(St. Jude Chi1dren's Research Hospita1/George Washington University) 10μgを450μl滅菌水に溶解させ、プラスミド溶液を得た。
・pCAGkGP1R: gag(ウイルスの構造蛋白質をコード)とpol(逆転写酵素をコード)を含むパッケージングプラスミド。
・pCAG4RTR2: tat(転写調節遺伝子)を含むプラスミド。revを削除してあるため、ウイルス粒子は宿主内で複製することができない。
・pCAG-VSV-G: VSV-GはVesicular somatitis virus glycoproteinの略。レンチウイルスの本来のエンベロープではCD4陽性細胞にしか感染できない。これをリン脂質をターゲットとするVSV(Vesicular stomatitis virus)のEnvelopeに置換し、神経を含むさまざまな細胞に感染可能としたエンベローププラスミド。
このようにウイルス産生に不可欠な遺伝子を4つのプラスミドに分割し、複製に必要な領域等を削除することにより、産生されたウイルスは感染能を持つ一方、感染後は自己増殖能が欠如するため安全性が増す。
【0054】
CAG-GFPマウスはpLV CAG-GFPに加えて、pMD.G、pMDLg/p、pMDLg/pRRE、pRSV-Rev、pTK-Rev(全て大阪大学 伊川正人博士から譲渡)からなるパッケージングプラスミドを用いて作成したレンチウイルスベクターを用いた。pMD.G 3.5μg、パッケージングプラスミド
6.5μg、pLV CAG-GFP 10μgを450μl滅菌水に溶解させ、プラスミド溶液を得た。
・pMD.G: エンベローププラスミド
・pMDLg/p: CMVプロモーター制御でgagとpolを含むパッケージングプラスミド。
・pMDLg/pRRE: pMDLg/pにrev応答配列を付加したプラスミド。
・pRSV-Rev、pTK-Rev: それぞれ、ラウス肉腫ウイルスのRSV U3と単純ヘルペスウイルス1型のthymidine kinase (TK)プロモーター制御下でrevを発現するプラスミド。
【0055】
得られたプラスミド溶液に2.5M CaC12 50μlを添加して攪拌し、2xHBSS〔組成:50mM HEPES、0mM NaC1, 1.5mM Na2HP04, pH7.05)〕500μ1を添加し、すばやく攪拌した。
前記ディッシュにプラスミド溶液を均等に滴下し、穏やかにディッシュ内の培地と混合した。その後、細胞を、5体積%C02, 35℃で培養した。以下、バイオハザード対策用安全キャビネットの中で操作を行なった。
16時間後、前記ディッシュ中の培地を、新しい培地(10重量%ウシ胎仔血清含有D-MEM) 1
0m1と交換した。さらに細胞を、5体積%C02, 37℃で培養しトランスフェクション後から40時間でウイルスを含む培養液を回収した。
【0056】
(2)濃縮
前記(1)で回収した培地は、それぞれ50m1遠心管に移し、1000rpm(120×g)、4分間遠心分離して、上清を得た。得られた上清を、フィルター(ミリポア社製、0.22μm径)に通した。得られた濾液を、ベックマン社製ローターSW28.1を用いた超遠心分離(25,000 rpm, 2時間、4℃)に供してウイルス粒子を沈殿させ、上清を除去した。
得られたウイルス粒子沈殿物をKSOMに懸濁し、最終量を90μ1とし、感染用ウイルス液を得た。ウイルス液は作成後、1週間以内に使用した。
【0057】
(3)ウイルス力価の測定
対数増殖期のHELA細胞をPBS(-)に分散させ、ついで、12ウェルディッシュ(イワキ硝子社製)に1ウェルあたり5 x 104細胞となるように播種した。播種後の12ウェルディッシュに、10重量%ウシ胎仔血清含有D-MEMを、1m1/ウェルとなるように添加し、その後、細胞を、5体積%C02, 37℃で24時間培養した。
ウイルス液を103〜105倍となるように前記ウェル内の培地に添加した。また、同時に、Hexadimethrine Bromide (SIGMA社製、商品名: ポリブレン)を6μg/mlとなるように各ウェルに添加した。その後、細胞を5体積% C02, 37℃で88時間培養した。
ウェルの中の緑色蛍光蛋白質(GFP)発現細胞を蛍光顕微鏡(オリンパス社製 商品名:CKX41)下でセルカウンター(アズワン社製、商品名:数取器)を用いて計測し、ウイルスの力価を算出した。10x希釈ウイルス液を添加した中、Y個の細胞のGFP発現細胞が見出された場合、ウイルス力価は、Y×10xTU/m1 (TU:transductionunit)として算出される。
【0058】
<胚の処理とトランスジェニックマウスの作製>
メスのC57BL/6JマウスとICRマウスにセロトロピン(ASKA pharmaceutical Company)を腹腔内投与し、さらに48時間後ゴナドトロピン(ASKA pharmaceutical Company)を腹腔内投与して過剰排卵させた。その後、それぞれ C57BL/6J およびICRのオスマウスと交配させた。ゴナドトロピン投与41時間後に、交配メスの卵管から2細胞期の胚を採取した。得られた胚を5%CO2の条件下で30分インキュベートした後、0.3Mグルコースを含む無血清PB1培地に入れた。2細胞期の胚が全て培養皿の底に付着した後、レンチウイルス液 (5.0 x 109 TU/ml) を、マニュアルマイクロインジェクター(CellTram vario, Eppendorf AG, Hamburg, Germany)を用いて胚の囲卵腔にマイクロインジェクションした。その後、ウシ血清アルブミンを含む0.3Mスクロース溶液を吹き付けることによって胚を培養皿の底から剥がし、KSOM培地で一時間培養した後、擬妊娠メスの卵管に移植した。
【0059】
<PCR解析とF1マウスの作製>
離乳したマウスの爪先からDNAを抽出し、EGFP-F (配列番号4:AGGAACTCCAGCAGGACCATGTGAT) と EGFP-R (配列番号5:AGCACATGAAGCAGCACGACTTCTT)を用いてPCRを行ってEGFPの存在を確認した。F1のトランスジェニックマウスを得るために、GFPを発現するFounder (F0) マウスを野生型マウスと交配させた。
【0060】
<F1マウスの組織学的解析と蛍光イメージング>
マウスをペントバルビタール ナトリウム(40 mg/kg 体重)で麻酔した後、0.1Mリン酸バッファー中に4%パラホルムアルデヒドを含む固定液を用いて経心腔的潅流を行った。脳全体と各器官の蛍光像は蛍光実体顕微鏡(Keyence VB-L10)のついたCCDカメラ(Keyence VB-7010, Osaka, Japan) を用いて撮像した。脳はマイクロスライサー(DOSAKA DTK-1000, Kyoto, Japan)を用いて50μmの矢状切片にスライスした。GFPの蛍光像は蛍光顕微鏡(DMI6000 B; Leica, Nusslock, Germany) または共焦点レーザー顕微鏡(LSM 5 PASCAL; Zeiss, Germany)を用いて撮像した。
【0061】
<ウエスタンブロット解析>
MSCV-GFP マウスの脳の6つの領域のサンプルと各器官のサンプルを、150 mM NaCl, 1% SDS, 1% TritonX-100, 50 mM Tris-HCl (pH 7.5) およびプロテアーゼインヒビターカクテル (Nacalai Tesque, Kyoto, Japan)を含むRIPAバッファーで可溶化し、超音波破砕後、タンパク質濃度をNIPAキット(非競合タンパク質アッセイ; Calbiochem, Darmstadt, Germany)で測定した。その後、サンプルを10% SDSポリアクルアミドゲルで電気泳動し、 PVDF膜(Immobilon; Millipore, Temecula, CA, USA)に転写し、5%nonfatスキムミルクと0.2% Tween-20を含むトリスバッファーを用いてブロッキングした。その後、膜を抗GFPモノクローナル抗体(1:10,000; Nacalai), 抗β-actinモノクローナル抗体 (1 : 10,000; SIGMA),または抗β-tubulin モノクローナル抗体(1:10,000; Sigma, MO, USA)と反応させた。2次抗体にはHRP結合抗マウスIgG (Bio-Rad, Tokyo, Japan)を25000倍希釈して用いた。検出は化学発光試薬 (ECL plus; GE healthcare, Piscataway, NJ, USA) を用いて行った。
【0062】
<レンチウイルスベクターの小脳皮質への投与>
動物へのウイルスベクター接種は、安全キャビネットの中で行った。ネンブタール(ペントバルビタールナトリウム;40mg/kg体重)をマウスの腹腔内に投与して麻酔した後、マウスの両耳にイアーバーを挿入し、口鼻とともに頭部固定装置にしっかりと固定した。後頭部の毛を刈り皮膚を切開して、小脳直上の頭蓋骨を露出し、実体顕微鏡で観察しながら、ブレグマ(Bregma; 矢状縫合と冠状縫合の交点)の尾側5〜6mmに穴を開けた。硬膜を除去し、ウルトラマイクロポンプに取り付けたハミルトンシリンジからウイルス液を小脳皮質表面のクモ膜下腔に、毎分500 nlの速度で20分かけて10 μl、注入した。その後、頭皮を縫い合わせ、麻酔から覚めるまでheating padの上に置いた。覚醒後、動物をケージに戻し、感染動物飼育ラックで飼育した。小脳皮質内の遺伝子発現は、ウイルスベクター投与10日後に灌流固定を行い、観察した。
【0063】
<結果>
MSCVプロモーターまたはサイトメガロウイルスearly enhancer element及びトリβアクチン(CAG)プロモーターとそれに連結したGFP遺伝子を含むカセットをマウス胚のゲノムに導入するためにレンチウイルスベクターを使用した(図2A)。
レンチウイルスに感染した胚は擬妊娠のメスの卵管に移植された。全ての仔は遺伝子解析され、体表面におけるGFPの発現を蛍光実体顕微鏡で確認した。その結果、GFPの蛍光は2匹のMSCV-GFP マウスと3匹のCAG-GFPマウスで体全体に確認できた。GFP蛍光の表現型は子孫にも受け継がれた。生後3日目のF1トランスジェニックマウスのGFP蛍光像を野生型コントロールマウスの像とともに示した (図2B).
【0064】
MSCV-GFP マウスの血液におけるGFPの発現を調べたところ、白血球に多く発現することがわかった。
次に、生後30日のMSCV-GFP マウスの各器官におけるGFPの発現をウエスタンブロットにより調べたところ、GFPはほとんど全ての器官で存在していた(図3)。その後、組織切片を作成して詳細に解析したところ、筋細胞、肝細胞、網膜、心筋細胞を含むほぼすべての臓器の細胞にはGFP発現が認められなかった。このことからウエスタンブロットで認識されたGFPのバンドは、組織の血管内の白血球に発現するGFPに由来するものと考えられた。
【0065】
中枢神経系(CNS)におけるMSCVプロモーターの特性を調べるために、MSCV-GFPマウスの脳におけるGFPの空間的発現パターンをCAG-GFPマウスと比較して解析した。蛍光実体顕微鏡による解析の結果、MSCV-GFPマウスの脳においてGFPは、小脳に大量に発現しており、他の部分ではわずかに発現するにすぎないことが分かった(図4A)。対照的に、CAG-G
FPマウスの脳では、GFPの蛍光は脳全体にみられ、特に大脳に多く発現していた(図4B)。
【0066】
各マウスの脳からの矢状切片を解析した結果、MSCV-GFPマウスにおける強いGFP発現は主に小脳皮質と深部小脳核のプルキンエ細胞に見られ(図4C)、一方、CAG-GFPマウスの脳においてGFPは嗅覚皮質、大脳皮質、海馬、線条体や小脳皮質などなどの脳の様々な領域に広く発現していることが分かった (図4D)。
【0067】
MSCV-GFP マウスのCNSにおけるGFPの空間的発現パターンを、脳の6つの領域から得られた組織を用いたウエスタンブロットによっても調べた(図4E)。その結果、蛍光像とも一致し、GFPの発現は小脳で最も高く、次いで脳幹や嗅球で高いということが確認できた。脳幹の像を拡大した結果、橋核などの比較的、広い領域で発現していることが分かった。一方、大脳皮質、海馬、線条体のような他の領域では血管内皮細胞にわずかに発現が認められたのみであった。
【0068】
MSCV-GFPマウスの小脳におけるGFP発現領域 (図4C) はCAG-GFP マウス(図4D)とは異なっていた。そこで、両マウスの小脳におけるGFP発現細胞の種類を調べた。その結果、MSCV-GFPマウスの小脳ではGFPはプルキンエ細胞特異的に発現していた。(図5A-E): また、GFP は分子層の樹状突起から深部小脳核へ伸びる軸索にまで認められた(図5C)。その一方で、GFPは顆粒細胞や皮質介在ニューロンやBergmann グリア細胞には発現していなかった。
【0069】
対照的に、CAG-GFP マウスの小脳ではほとんどのプルキンエ細胞はGFPを発現していないか、ごくわずかに発現するのみであり、GFPは顆粒細胞やBergmann グリア細胞で高発現していた(図5F-H)。介在ニューロンではMSCV-GFPマウス同様にGFPの発現は見られなかった (図5I, J)。このMSCV-GFPマウスにおけるプルキンエ細胞特異的発現パターンは他のトランスジェニックラインでも同様であった(データは示さず)。
【0070】
表1に、MSCVプロモーターとCAGプロモーターについて、トランスジェニックマウスと、レンチウイルスベクターを直接脳に投与した場合とで、プルキンエ細胞と脳のそれ以外でのプロモーター活性をGFPの発現レベルで示した。その結果、MSCVプロモーターについては、トランスジェニックマウスではプルキンエ細胞特異的プロモーター活性を示したのに対し、レンチウイルスベクターを直接脳に投与した場合ではプルキンエ細胞と脳のそれ以外の部位では、ほぼ同等のプロモーター活性であった。これは、生殖細胞に導入してトランスジェニックマウスを作製したときには、マウスの発達の過程で脳の他の部位では遺伝子のサイレンシングが起こり、プルキンエ細胞(および脳幹、嗅球)特異的な発現パターンになったと考えられた。
【0071】
【表1】

【0072】
次に、MSCVプロモーター制御下でGFPを発現するレンチウイルスベクター(pCL20c MSCV-GFP)あるいは、改良型L7プロモーター制御下でGFPを発現するレンチウイルスベクター(再表2007/105744号公報)を生後0日のラット小脳に接種した。生後21〜23日の時点で小脳スライスを作成し、GFP発現プルキンエ細胞(細胞体)のGFP蛍光強度を測定した。 結果を図6に示す。
MSCVプロモーターを用いて発現させたGFPの蛍光強度は、改良型L7プロモーターを用いた場合の約10倍であった(Cerebellum 2010, DOI: 10.1007/s12311-010-0161-1)。
【0073】
また、MSCVプロモーター制御下でGFPを発現するトランスジェニックマウス(MSCV Tg)あるいは、L7プロモーター制御下でGFPを発現するトランスジェニックマウス(L7 Tg) (Eur. J. Neurosci. 14 : 57-63 (2001))(いずれも生後〜25日)のプルキンエ細胞(細胞体)におけるGFP蛍光強度を図7に示した。その結果、MSCVプロモーターを用いた場合、GFPの蛍光強度はL7プロモーターを用いた場合の3倍以上であった。
【0074】
さらに、MSCVプロモーター制御下でGFPを発現するレンチウイルスベクター(MSCV Lenti)あるいは、CAGプロモーター制御下でGFPを発現するレンチウイルスベクター(CAG Lenti)を生後25日のマウス小脳に接種した。1週間後に小脳スライスを作成し、GFP発現プルキンエ細胞(細胞体)のGFP蛍光強度を測定した(図7)。グラフ内の数字はMSCVプロモーターを介して発現させたGFPの蛍光強度を100としたときの、それぞれの蛍光強度を示す。 その結果、MSCVプロモーターを用いた場合、GFPの蛍光強度はCAGプロモーターを用いた場合の約65倍であった。
【0075】
pCL20c MSCV-GFPの代わりにpCL20c MSCV-gPKC(S119P)-GFPを用いてレンチウイルスベクターを作成した。PKCgは遺伝性脊髄小脳変性症14型の原因遺伝子であり、119番目のセリンがプロリンに置換した変異(S119P)をもつ患者の家系が見つかっている。MSCVプロモーター制御下でGFPと融合したPKCg(S119P)を発現するレンチウイルスベクターを用いて、上述の方法でトランスジェニックマウスを得た。導入遺伝子をもつF1マウスを生後39日で灌流固定し、小脳を観察したところ、プルキンエ細胞特異的にGFPの発現が観察された。切片を抗GFP抗体、及びプルキンエ細胞のマーカーであるカルビンディンに対する抗体を用いて二重染色した。GFPを緑で、カルビンディンを赤で示し、両者を重ね合わせたところ、すべてのプルキンエ細胞においてgPKC(S119P)-GFPが発現していることが確認された(図8)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マウス胚性幹細胞ウイルス(MSCV)プロモーターとそれに連結された目的遺伝子を含むベクターを生殖系列において導入することによって得られ、目的遺伝子を脳において小脳プルキンエ細胞、脳幹および嗅球特異的に過剰発現する、トランスジェニック非ヒト哺乳動物。
【請求項2】
動物がマウス、ラットまたはマーモセットである、請求項1に記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物。
【請求項3】
遺伝子がGFP遺伝子である、請求項1または2に記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物。
【請求項4】
遺伝子が、アタキシン−1遺伝子、アタキシン−2遺伝子、アタキシン−3遺伝子、huntingtin遺伝子、α1a電位依存型(P/Q型)カルシウムチャネルをコードする遺伝子、Kv3.3電位依存性カリウムチャネルをコードする遺伝子、および変異型PKCγをコードする遺伝子からなる群より選ばれる、請求項1または2に記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物。
【請求項5】
小脳プルキンエ細胞障害性疾患のモデル動物である、請求項4に記載の動物。
【請求項6】
小脳プルキンエ細胞障害性疾患が遺伝性脊髄小脳変性症である、請求項5に記載の動物。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物から単離された、非ヒト哺乳動物細胞。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物又は該トランスジェニック非ヒト哺乳動物から得られる細胞、組織もしくは器官を用いて解析を行うことを特徴とする、小脳プルキンエ細胞障害性疾患の解析方法。
【請求項9】
小脳プルキンエ細胞障害性疾患を治療するための薬剤を評価または同定する方法であって、
(a)請求項5または6に記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物に化合物を投与する工程;および、
(b)化合物投与前後の該トランスジェニック非ヒト哺乳動物の小脳プルキンエ細胞障害性疾患の症状を評価する工程、を含む方法。
【請求項10】
MSCVプロモーターとそれに連結された小脳プルキンエ細胞障害性疾患治療用遺伝子を含むレンチウイルスベクターを含み、脳のクモ膜下腔に投与される小脳プルキンエ細胞障害性疾患治療薬。
【請求項11】
小脳プルキンエ細胞障害性疾患が遺伝性脊髄小脳変性症である、請求項10に記載の小脳プルキンエ細胞障害性疾患治療薬。

【図1】
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【図6】
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【図7】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−254701(P2011−254701A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129021(P2010−129021)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度 独立行政法人科学技術振興機構「戦略的創造研究推進事業個人型研究 脊髄小脳変性症の根治的遺伝子治療法の開発」にかかる委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(504145364)国立大学法人群馬大学 (352)
【Fターム(参考)】