説明

直流接続装置

【課題】アークの発生をより確実に減らす。
【解決手段】直流駆動される電気機器に使用される一対の接続端子11を有するDC配電用のプラグ1と、該プラグが着脱自在で上記一対の接続端子が電気的に接続される一対の直流給電用の接続部21をハウジング内部に設けたDC配電用のコンセント2とからなる。コンセントはその接続部と前記接続端子との接続の解離時に上記の対の接続部間を接続する高抵抗並列回路3を備える。プラグをコンセントから抜く時に高抵抗並列回路で対の接続部間を接続しておくことにより、プラグ側へと流れる電流を少なくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DC配電用のプラグ及びコンセントからなる直流接続装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家庭内で使用される電気機器にDC電源タイプのものが増えていること、電源側にしても太陽電池に加えて燃料電池が家庭内に設置されることが見込まれることなどの点から、家庭内でのDC配電が検討されている。
【0003】
しかしDC配電を行う場合、プラグ及びコンセントからなる直流接続装置においては、アーク発生が問題となる。
【0004】
負荷に接続されているプラグをコンセントに差し込んでいるとともに負荷に通電している状態下でプラグをコンセントから引き抜けば、流れている電流が大である時、プラグの接続端子とこの接続端子が接続されるコンセントの接続部との間にアークが発生し、該アークが接続端子や接続部を溶損させるほか、火災の発生の虞もある。
【0005】
このアーク発生を防ぐ直流接続装置として、特開2004−158331号公報(特許文献1)にはコンセントにおける接続部を低抵抗接続部と高抵抗接続部の2つで形成するとともに、プラグの接続端子をコンセントに差し込んだ時、接続端子が高抵抗接続部に接触した後に低抵抗接続部に接触し、プラグを抜く時には接続端子と低抵抗接続部とが離れた後も接続端子は高抵抗接続部に接触しており、その後、高抵抗接続部から接続端子も離れるようにしたものが示されている。接続端子と接続部との接続が切断される直前は、高抵抗接続部を通じて接触端子に電流が流れているために、電流が制限された状態にあって、大きな電流が流れていないために、アークの発生を抑止することができるものである。
【0006】
しかし、特許文献1に示されたものでは、アークの発生を抑止することはできず、アークが生じる虞が依然として高くて、接続端子や接続部が溶損してしまうことがある。
【特許文献1】特開2004−158331号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、アークの発生をより確実に減らすことができる直流電源接続装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明に係る直流接続装置は、直流駆動される電気機器に使用される一対の接続端子を有するDC配電用のプラグと、該プラグが着脱自在で上記一対の接続端子が電気的に接続される一対の直流給電用の接続部をハウジング内部に設けたDC配電用のコンセントとからなる直流接続装置であって、前記コンセントはその接続部と前記接続端子との接続の解離時に上記の対の接続部間を接続する高抵抗並列回路を備えていることに特徴を有している。
【0009】
プラグをコンセントから抜く時に高抵抗並列回路で対の接続部間を接続しておくことにより、プラグ側へと流れる電流を少なくすることができる。
【0010】
上記高抵抗並列回路は、上記接続端子のコンセントに対する抜き差しに伴って作動するスイッチで開閉されるものであると、プラグの抜き差し時の高抵抗並列回路の接続を確実に行うことができる。
【0011】
上記高抵抗並列回路は、上記コンセント内に設けられて上記プラグに設けた出没自在な突部によって操作されるスイッチで開閉されるものであってもよい。
【0012】
また、上記高抵抗並列回路は、電子スイッチング回路で開閉されるものであってもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明においては、プラグをコンセントから抜く時、高抵抗並列回路によって対の接続部間を接続するために、高抵抗並列回路に電流が分流されてしまうものであり、従って接続端子と接続部との間に流れる電流を減ってアークの発生を減らすことができるものであり、またアークが発生したとしてもアーク量を減らすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明すると、図1は本発明に係るプラグ1とコンセント2とからなる直流接続装置を示しており、直流駆動される電気機器に使用されるプラグ1は一対の栓刃11,11を接続端子として備えており、コンセント2は上記栓刃11,11が夫々接続される一対の刃受けばね21,21を接続部として備えている。
【0015】
ここで、一対の栓刃11,11と刃受けばね21,21は、夫々一方が陽極接続用、他方が陰極接続用であって、形状や配置によって誤接続がなされることがないようになっているのであるが、この点については省略する。
【0016】
そして、上記両刃受けばね21,21間が抵抗RとスイッチSWとを備える高抵抗並列回路3によって接続されている。上記スイッチSWは、プラグ1をコンセント2から抜く時に、つまりは刃受けばね21と栓刃11との接続の解離時に閉じられて、刃受けばね21,21間に抵抗Rを介在させた閉回路を形成する。
【0017】
上記スイッチSWであるが、図2はコンセント2に対するプラグ1の抜き差しに伴って作動する対のスイッチS1,S2で構成した場合を示している。抵抗Rと共にプリント基板30上に配設されてコンセント2内に配されている両スイッチS1,S2は、刃受けばね21,21の側方に位置して刃受けばね21,21に接続されるプラグ1の対の栓刃11,11によって夫々オンオフされるものであり、図3に示すようにスイッチS1は常開型、スイッチS2は常閉型のもので形成されている上に、栓刃11の抜き差しに伴う開閉タイミングが少しずらされている。
【0018】
すなわち、図4に示すように、プラグ1をコンセント2に接続していない時には、常開型のスイッチS1が開いているが、プラグ1を差し込み始めると栓刃11が刃受けばね21に接触し始めるより少し前の時点で常開型のスイッチS1が栓刃11で押されて閉じる。この時点では常閉型のスイッチS2は閉じたままであるために、刃受けばね21,21間に抵抗Rが挿入されたことになる。さらにプラグ1を差し込んで両栓刃11,11が共に刃受けばね21に接触する状態になれば、常閉型のスイッチS2も栓刃11に押されて開く。
【0019】
逆にコンセント2からプラグ1を抜く時は、栓刃11が刃受けばね21から離れる直前の状態から離れた直後の間だけ、抵抗Rが刃受けばね21,21間に電気的に挿入されることになる。
【0020】
つまり、アークが発生する虞のある状態の時だけ、スイッチSWが閉じて抵抗Rを含む高抵抗並列回路3がコンセント2の刃受けばね21,21間に接続されるものであり、そしてこの高抵抗並列回路3が接続されたならば、電流が分流されて栓刃11側へと流れる電流が減少するものであり、このためにアークの発生を減らすことができるとともに、アークが発生したとしてもアーク量を減らすことができる。
【0021】
図5に他例を示す。ここでのスイッチSWは、単独で形成されているとともに、対の刃受けばね21,21の間に配設されている。また、プラグ1は図6に示すようにこのプラグ1を摘む時に指を当てる面となるところに押し釦15を備えているとともに、対の栓刃11,11間には上記押し釦15の押し込み操作によって突出するピン16を備えている。なお、押し釦15及びピン16は図7に示すように、夫々復帰ばね17,18で付勢されているために、押し釦15を押していない状態では、ピン16はプラグ1内に収容された状態にある。
【0022】
今、プラグ1をコンセント2に差した状態では、図7(a)に示すように、スイッチSWは開いた状態にある。しかし、プラグ1を抜くためにプラグ1を摘んだ時、図7(b)に示すように、押し釦15が押されてピン16が突出するとともに、このピン16によってスイッチSWが閉じられて刃受けばね21,21間が高抵抗並列回路3が接続されるものであり、プラグ1をコンセント2から抜いてしまえば図7(c)に示すようにスイッチSWは復帰してオフとなる。
【0023】
ここではプラグ1を抜く時の操作に伴って半自動的に高抵抗並列回路3が刃受けばね21に接続されるものを示したが、例えば引っ掛け式の抜け止め型コンセント2と対応するプラグ1とにおいて、プラグ1を抜き差し可能な位置にした時だけプラグ1から常時突出しているピン16によってオンとなるスイッチSWを設けることで、自動化させることができる。
【0024】
高抵抗並列回路3は電子スイッチング回路で形成してもよい。図8は図2に示した例を制御回路31とこの制御回路31によって通電状態の開閉がなされる通電回路32とからなる電子スイッチング回路に置き換えた場合の例を示している。この場合、スイッチS1,S2は共に常開型のものを用いたり、高抵抗並列回路3で刃受けばね21,21間を接続している時間を任意に設定したりすることができる。
【0025】
以上の例では、プラグ1及びコンセント2がAC配電に用いられるものと同様の形態の接続端子(栓刃11)及び接続部(刃受けばね21)を備えたもので示したが、図示例のような形状のものに限定されるものでない。
【0026】
次に上記のような直流接続装置を必要とするDC配電のシステム例を参考までに図9に示す。なお、図示例は戸建て住宅の家屋を想定したものであるが、集合住宅にも適用することができる。
【0027】
家屋Hには、直流電力を出力する直流電力供給部101と、直流電力により駆動される負荷としての直流機器102とが設けられ、直流電力供給部101の出力端部に接続した直流供給線路Wdcを通して直流機器102に直流電力が供給される。直流電力供給部101と直流機器102との間には、直流供給線路Wdcに流れる電流を監視し、異常を検知したときに直流給電線路Wdc上で直流電力供給部101から直流機器102への給電を制限ないし遮断する直流ブレーカ114が設けられる。
【0028】
直流供給線路Wdcは、直流電力の給電路であるとともに通信路としても兼用されており、高周波の搬送波を用いてデータを伝送する通信信号を直流電圧に重畳することにより直流供給線路Wdcに接続された機器間での通信を可能にしている。この技術は、交流電力を供給する電力線において交流電圧に通信信号を重畳させる電力線搬送技術と類似した技術である。
【0029】
直流供給線路Wdcは、直流電力供給部101を介して宅内サーバ116に接続される。宅内サーバ116は、宅内の通信網(以下、「宅内網」という)を構築する主装置であり、宅内網において直流機器102が構築するサブシステムなどと通信を行う。
【0030】
図示例では、サブシステムとして、パーソナルコンピュータ、無線アクセスポイント、ルータ、IP電話機のような情報系の直流機器102からなる情報機器システムK101、照明器具のような照明系の直流機器102からなる照明システムK102,K105、来客対応や侵入者の監視などを行う直流機器102からなる玄関システムK103、火災感知器のような警報系の直流機器102からなる住警器システムK104などがある。各サブシステムは、自立分散システムを構成しており、サブシステム単独でも動作が可能になっている。
【0031】
上述した直流ブレーカ114は、サブシステムに関連付けて設けられており、図示例では、情報機器システムK101、照明システムK102および玄関システムK103、住警器システムK104、照明システムK105に関連付けて4個の直流ブレーカ114を設けている。1台の直流ブレーカ114に複数個のサブシステムを関連付ける場合には、サブシステムごとに直流供給線路Wdcの系統を分割する接続ボックス121が設けられる。図示例においては、照明システムK102と玄関システムK103との間に接続ボックス121が設けられている。
【0032】
情報機器システムK101としては、壁コンセントあるいは床コンセントの形態で家屋Hに先行配置(家屋Hの建築時に施工)される直流コンセント131に接続される直流機器102からなる情報機器システムK101が設けられる。
【0033】
照明システムK102、K105としては、家屋Hに先行配置される照明器具(直流機器102)からなる照明システムK102と、天井に先行配置される引掛シーリング132に接続する照明器具(直流機器102)からなる照明システムK105とが設けられる。引掛シーリング132には、家屋Hの内装施工時に施工業者が照明器具を取り付けるか、または家人自身が照明器具を取り付ける。
【0034】
照明システムK102を構成する直流機器102である照明器具に対する制御の指示は、赤外線リモコン装置を用いて与えるほか、直流供給線路Wdcに接続されたスイッチ141から通信信号を用いて与えることができる。すなわち、スイッチ141は直流機器102とともに通信の機能を有している。また、スイッチ141の操作によらず、宅内網の別の直流機器102あるいは宅内サーバ116から通信信号により制御の指示がなされることもある。照明器具への指示には、点灯、消灯、調光、点滅点灯などがある。
【0035】
上述した直流コンセント131、引掛シーリング132には、任意の直流機器102を接続することができ、接続された直流機器102に直流電力を出力するから、以下では直流コンセント131、引掛シーリング132を区別する必要がない場合には「直流アウトレット」と呼ぶ。
【0036】
これらの直流アウトレットは、直流機器102に直接設けた接触子(図示せず)または接続線を介して設けた接触子(図示せず)が差し込まれる差込式の接続口が器体に開口し、接続口に差し込まれた接触子に直接接触する接触子受けが器体に保持された構造を有している。すなわち、直流アウトレットは接触式で給電を行う。直流アウトレットに接続された直流機器102が通信機能を有する場合には、直流供給線路Wdcを通して通信信号を伝送することが可能になる。直流機器102だけではなく直流アウトレットにも通信機能が設けられている。
【0037】
宅内サーバ116は、宅内網に接続されるだけではなく、インターネットを構築する広域網NTに接続される接続口を有している。宅内サーバ116が広域網NTに接続されている場合には、広域網NTに接続されたコンピュータサーバであるセンタサーバ200によるサービスを享受することができる。
【0038】
センタサーバ200が提供するサービスには、広域網NTを通して宅内網に接続された機器(主として直流機器102であるが通信機能を有した他の機器も含む)の監視や制御を可能にするサービスがある。このサービスにより、パーソナルコンピュータ、インターネットTV、移動体電話機などのブラウザ機能を備える通信端末(図示せず)を用いて宅内網に接続された機器の監視や制御が可能になる。
【0039】
宅内サーバ116は、広域網NTに接続されたセンタサーバ200との間の通信と、宅内網に接続された機器との間の通信との両方の機能を備え、宅内網の機器に関する識別情報(ここでは、IPアドレスを用いるものとする)の取得の機能を備える。
【0040】
宅内サーバ116は、センタサーバ200との通信機能を用いることにより、広域網NTに接続された通信端末からセンタサーバ200を通して宅内の機器の監視や制御を可能にする。センタサーバ200は、宅内の機器と広域網NT上の通信端末とを仲介する。
【0041】
通信端末から宅内の機器の監視や制御を行う場合は、監視や制御の要求をセンタサーバ200に記憶させ、宅内の機器は定期的に片方向のポーリング通信を行うことにより、通信端末からの監視や制御の要求を受信する。この動作により、通信端末から宅内の機器の監視や制御が可能になる。
【0042】
また、宅内の機器において火災検知など通信端末に通知すべきイベントが生じたときには、宅内の機器からセンタサーバ200に通知し、センタサーバ200から通信端末に対して電子メールによる通知を行う。
【0043】
宅内サーバ116における宅内網との通信機能のうち重要な機能は、宅内網を構成する機器の検出と管理である。宅内サーバ116では、UPnP(Universal Plug and Play)を応用して宅内網に接続された機器を自動的に検出する。宅内サーバ116はブラウザ機能を有する表示器117を備え、検出した機器の一覧を表示器117に表示する。この表示器117はタッチパネル式もしくは操作部が付設された構成を有し、表示器117の画面に表示された選択肢から所望の内容を選択する操作が可能になっている。したがって、宅内サーバ116の利用者(施工業者あるいは家人)は、表示器117の画面上で機器の監視ないし制御が可能になる。表示器117は宅内サーバ116とは分離して設けてもよい。
【0044】
宅内サーバ116では、機器の接続に関する情報を管理しており、宅内網に接続された機器の種類や機能とアドレスとを把握する。したがって、宅内網の機器を連動動作させることができる。機器の接続に関する情報は上述のように自動的に検出されるが、機器を連動動作させるには、機器自身が保有する属性により自動的に関係付けを行うほか、宅内サーバ116にパーソナルコンピュータのような情報端末を接続し、情報端末のブラウザ機能を利用して機器の関係付けを行うこともできる。
【0045】
機器の連動動作の関係は各機器がそれぞれ保持する。したがって、機器は宅内サーバ116を通すことなく連動動作することができる。各機器について、連動動作の関係付けを行うことにより、たとえば、機器であるスイッチの操作により、機器である照明器具の点灯あるいは消灯の動作を行うことが可能になる。また、連動動作の関係付けはサブシステム内で行うことが多いが、サブシステムを超える関係付けも可能である。
【0046】
ところで、直流電力供給部101は、基本的には、商用電源のように宅外から供給される交流電源ACの電力変換により直流電力を生成する。図示する構成では、交流電源ACは、分電盤110に内器として取り付けられた主幹ブレーカ111を通して、スイッチング電源を含むAC/DCコンバータ112に入力される。AC/DCコンバータ112から出力される直流電力は、協調制御部113を通して各直流ブレーカ114に接続される。
【0047】
直流電力供給部101には、交流電源ACから電力が供給されない期間(たとえば、商用電源ACの停電期間)に備えて二次電池162が設けられている。また、直流電力を生成する太陽電池161や燃料電池163を併用することも可能になっている。交流電源ACから直流電力を生成するAC/DCコンバータ112を備える主電源に対して、太陽電池161や二次電池162や燃料電池163は分散電源になる。なお、図示例において、太陽電池161、二次電池162、燃料電池163は出力電圧を制御する回路部を含み、二次電池162は放電だけではなく充電を制御する回路部も含んでいる。
【0048】
分散電源のうち太陽電池161や燃料電池163は必ずしも設けなくてもよいが、二次電池162は設けるのが望ましい。二次電池162は主電源や他の分散電源により適時充電され、二次電池162の放電は、交流電源ACから電力が供給されない期間だけではなく必要に応じて適時に行われる。二次電池162の充放電や主電源と分散電源との協調は、協調制御部113により行われる。すなわち、協調制御部113は、直流電力供給部101を構成する主電源および分散電源から直流機器102への電力の配分を制御する直流電力制御部として機能する。なお、太陽電池161、二次電池162、燃料電池163の出力を交流電力に変換し、AC/DCコンバータ112の入力電力として用いる構成を採用してもよい。
【0049】
直流機器102の駆動電圧は機器に応じた複数種類の電圧から選択されるから、協調制御部113にDC/DCコンバータを設け、主電源および分散電源から得られる直流電圧を必要な電圧に変換するのが望ましい。通常は、1系統のサブシステム(もしくは1台の直流ブレーカ114に接続された直流機器102)に対して1種類の電圧が供給されるが、1系統のサブシステムに対して3線以上を用いて複数種類の電圧を供給するように構成してもよい。あるいはまた、直流供給線路Wdcを2線式とし、線間に印加する電圧を時間経過に伴って変化させる構成を採用することも可能である。DC/DCコンバータは、直流ブレーカと同様に複数に分散して設けてもよい。
【0050】
上述の構成例では、AC/DCコンバータ112を1個だけ図示しているが、複数個のAC/DCコンバータ112を並設することが可能であり、複数個のAC/DCコンバータ112を設けるときには、負荷の大きさに応じて運転するAC/DCコンバータ112の台数を増減させるのが望ましい。
【0051】
上述したAC/DCコンバータ112、協調制御部113、直流ブレーカ114、太陽電池161、二次電池162、燃料電池163には通信機能が設けられており、主電源および分散電源や直流機器102を含む負荷の状態に対処する連携動作を行うことを可能にしている。この通信に用いる通信信号は、直流機器2に用いる通信信号と同様に直流電圧に重畳する形式で伝送する。
【0052】
上述の例では主幹ブレーカ111から出力された交流電力をAC/DCコンバータ112により直流電力に変換するために、AC/DCコンバータ112を分電盤110内に配置しているが、主幹ブレーカ111の出力側において分電盤110内に設けた分岐ブレーカ(図示せず)で交流供給線路を複数系統に分岐し、各系統の交流供給線路にAC/DCコンバータを設けて系統ごとに直流電力に変換する構成を採用してもよい。
【0053】
この場合、家屋Hの各階や各部屋を単位として直流電力供給部101を設けることができるから、直流電力供給部101を系統別に管理することができ、しかも、直流電力を利用する直流機器102との間の直流供給線路Wdcの距離が小さくなるから、直流供給線路Wdcでの電圧降下による電力損失を低減させることができる。また、主幹ブレーカ111および分岐ブレーカを分電盤110に収納し、AC/DCコンバータ112と協調制御部113と直流ブレーカ114と宅内サーバ116とを分電盤110とは別の盤に収納してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態の一例の概略断面図である。
【図2】同上のコンセントを示しており、(a)は水平断面図、(b)は縦断面図、(c)は高抵抗並列回路の正面図である。
【図3】同上の具体例の回路図である。
【図4】同上の動作説明図である。
【図5】他例を示すもので、(a)(b)は断面図である。
【図6】同上の斜視図である。
【図7】(a)(b)(c)は同上のプラグの断面図である。
【図8】別の例のブロック回路図である。
【図9】DC配電システムのブロック図である。
【符号の説明】
【0055】
1 プラグ
2 コンセント
3 高抵抗並列回路
11 栓刃
21 刃受けばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流駆動される電気機器に使用される一対の接続端子を有するDC配電用のプラグと、該プラグが着脱自在で上記一対の接続端子が電気的に接続される一対の直流給電用の接続部をハウジング内部に設けたDC配電用のコンセントとからなる直流接続装置であって、前記コンセントはその接続部と前記接続端子との接続の解離時に上記の対の接続部間を接続する高抵抗並列回路を備えていることを特徴とする直流接続装置。
【請求項2】
上記高抵抗並列回路は、上記接続端子のコンセントに対する抜き差しに伴って作動するスイッチで開閉されるものであることを特徴とする請求項1記載の直流接続装置。
【請求項3】
上記高抵抗並列回路は、上記コンセント内に設けられて上記プラグに設けた出没自在な突部によって操作されるスイッチで開閉されるものであることを特徴とする請求項1または2記載の直流接続装置。
【請求項4】
上記高抵抗並列回路は、電子スイッチング回路で開閉されるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の直流接続装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−146782(P2009−146782A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−323862(P2007−323862)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】