説明

直流電動機

【課題】ロータを組み込んだ後のブラシの仮保持の解除を簡単に行うことができるようにした直流電動機を提供する。
【解決手段】ブラシホルダ211,212内に収容したブラシ5,6を整流子4に向けて付勢するバネ11,12を設け、これらのバネの先端部11b1,12b1をブラシホルダの側面に設けたスリットsを通して、ブラシホルダ内に挿入する。バネの先端部を嵌合させる保持溝501,601をブラシ5,6の後端部寄りの側面に設けて、バネの先端部をこれらの保持溝に嵌合させることによりブラシ5,6を整流子4に接触しない位置に仮保持する。仮保持されているブラシ5,6の後端部をブラシホルダの後端部側の開口部を通して整流子4側に押すことによりバネ11,12の先端部をブラシの保持溝から外してブラシの後端部の端面側に設けられたバネ係合部に係合させ、ブラシを整流子側に付勢する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラシと整流子とを有する整流機構を備えた直流電動機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
直流電動機に設けられる整流機構は、ロータの回転軸に取り付けられてロータに巻装された電機子コイルに接続された整流子と、整流子を貫通させる孔部を中央部付近に有するブラシ保持プレートと、整流子の径方向に伸びるようにしてブラシ保持プレートに保持されたブラシホルダと、ブラシホルダ内にスライド自在に保持されて整流子に接触させられたブラシとを備えている。
【0003】
ブラシホルダは通常ダクト状の形状に形成されていて、ブラシホルダの両側壁部に整流子の径方向に沿って延びるピグテールガイド用のスリットが設けられ、ブラシホルダ内に保持されたブラシに接続されたピグテールがブラシホルダの一方の側壁部に設けられたスリットを通してブラシホルダの外部に導出されている。また、ブラシ保持プレートに後端部側が保持されたバネが設けられて、該バネの先端部がブラシホルダの他方の側壁部に設けられたスリットを通してブラシホルダ内に挿入され、このバネの先端部がブラシの後端部の端面側に設けられたバネ係合部に係合することによりブラシを整流子側に付勢するように構成されている。
【0004】
この種の整流機構を備えた直流電動機においては、ブラシがバネにより整流子側に付勢されているため、ロータを組み込む前の状態では、ブラシがブラシホルダの先端から突出した状態にある。このように、ロータを組み込む前に、ブラシがブラシホルダから突出した状態にあると、整流子をブラシに接触させる作業を行うことができない。そこで、特許文献1に示されているように、ロータを組み込むまでの間、ブラシをブラシホルダから突出することがない位置に仮保持しておくことができるようにした直流電動機が提案されている。
【0005】
特許文献1に示された電動機においては、ブラシを付勢するバネの先端を係止する係合溝をブラシホルダに設けて、バネの先端をこの係合溝内に係止した状態では、バネの付勢力がブラシに作用しないようになっている。また、ピグテールガイド用のスリットの内面にピグテールを係止する係止突起が設けられていて、ブラシがバネにより付勢されていない状態にあるときに、ピグテールを係止突起で係止することにより、ブラシをブラシホルダから突出しない位置に保持するができるようになっている。
【0006】
このように構成しておくと、ステータにロータを組み込むまでの間、バネの先端を係合溝内に係止して、バネの付勢力がブラシに作用しないようにするとともに、ピグテールのスリット内に位置する部分を係止突起により係止することにより、ブラシをブラシホルダから突出しない位置に保持することができ、ステータにロータを組み込んで整流子をブラシの内側に配置した後に、バネの先端を係合溝から外すことにより、ブラシを整流子に接触させることができる。
【特許文献1】特開平10−56761号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に示された直流電動機においては、ロータを組み込んだ後、ブラシの仮保持を解除する際に、係合溝内に嵌っているバネの先端を係合溝から外した後、バネの先端をブラシホルダ内に配置されているブラシの後端部側に変位させて、該ブラシの後端部に係合させる必要があるため、ブラシの仮保持の解除をワンアクションで行うことができず、ブラシの仮保持を解除する作業が面倒になるのを避けられなかった。
【0008】
またブラシホルダのスリット内に設けられている係止突起によるピグテールの係止がきついと、バネの先端の係止を外してバネの付勢力をブラシに与えても、ブラシを整流子側に変位させることができず、ブラシが整流子に接触しないままで電動機が組み立てられるおそれがあった。
【0009】
本発明の目的は、ブラシの仮保持の解除を簡単に行うことができるようにするとともに、仮保持が解除されたブラシを整流子に確実に接触させることができるようにした直流電動機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明が対象とする直流電動機は、整流子と、整流子の径方向の外側に配置されたブラシ保持プレートと、整流子の径方向に伸びるようにしてブラシ保持プレートの表面側に保持されたブラシホルダと、ブラシホルダ内にスライド自在に保持されて先端部が整流子に接触させられたブラシとを備えている。ブラシホルダには、整流子の径方向に沿って延びるスリットが設けられ、ブラシに接続されたピグテールがこのスリットを通してブラシホルダの外部に導出されている。また、後端部側がブラシ保持プレートに保持されたバネが設けられて該バネの先端部がスリット通してブラシホルダ内に挿入され、バネの先端部がブラシの後端部の端面側に設けられたバネ係合部に係合した状態にあるときにブラシがバネにより整流子側に付勢されるように構成されている。
【0011】
本発明においては、ブラシホルダが、整流子と反対側に位置する後端部が開口した状態で設けられ、スリットを通してブラシホルダ内に挿入されたバネの先端部を嵌合させる保持溝がブラシの後端部寄りの側面に設けられている。そして、バネの先端部が保持溝に嵌合した状態にあるときにブラシが整流子に接触しない位置に仮保持されるようになっており、仮保持されたブラシの後端部を、ブラシホルダの後端部側の開口部を通して整流子側に押した際にバネの先端部がブラシの保持溝から外れてブラシの後端部の端面側に設けられたバネ係合部に係合した状態になるように構成されている。
【0012】
上記のように構成すると、ロータを組み込んで整流子をブラシの内側に配置した後、ブラシの後端部を押すだけでブラシの仮保持を解除してブラシを整流子に接触させることができるため、ブラシの仮保持の解除をワンアクションで行うことができ、ブラシの仮保持を解除する作業を簡単にすることができる。またピグテールの係止は行われず、ピグテールがブラシの変位を妨げることはないため、ブラシを整流子側に押してブラシの仮保持を解除した際に、ブラシを整流子側に容易に変位させて、ブラシを整流子に確実に接触させることができる。
【0013】
本発明の好ましい態様では、バネ係合部が、ブラシの後端部の端面側に開口するように形成されたバネ係合溝からなっていて、保持溝とバネ係合溝とが、傾斜面または滑らかな曲面を有する境界部を介して相互に接続されている。
【0014】
上記のように、バネ係合部をブラシの後端部の端面側に開口するように形成されたバネ係合溝により構成して、保持溝とバネ係合溝とを傾斜面または滑らかな曲面を有する境界部を介して相互に接続するようにしておくと、ブラシの後端部を押した際に、バネの先端を保持溝からバネ係合溝へとスムーズに移動させることができるため、ブラシの仮保持の解除動作を円滑に行わせることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、スリットを通してブラシホルダ内に挿入されたバネの先端部を嵌合させる保持溝をブラシの後端部寄りの側面に設けて、バネの先端部を保持溝に嵌合した状態にすることによりブラシを整流子に接触しない位置に仮保持し、仮保持されているブラシの後端部をブラシホルダの後端部側の開口部を通して整流子側に押した際にバネの先端部がブラシの保持溝から外れてブラシの後端部の端面側に設けられたバネ係合部に係合した状態になるように構成したので、ロータを組み込んで整流子をブラシの内側に配置した後、ブラシの後端部を押すだけでブラシの仮保持を解除してブラシを整流子に接触させることができる。そのため、ブラシの仮保持の解除をワンアクションで行うことができ、ブラシの仮保持を解除する作業を簡単にすることができる。またピグテールの係止は行わないため、ブラシを整流子側に押してブラシの仮保持を解除した際に、ブラシを整流子側に容易に変位させて、ブラシを整流子に確実に接触させることができる。
【0016】
特に請求項2に記載された発明によれば、バネ係合部をブラシの後端部の端面側に開口するように形成されたバネ係合溝により構成して、保持溝とバネ係合溝とを傾斜面または滑らかな曲面を有する境界部を介して相互に接続するようにしたので、ブラシの後端部を押した際に、バネの先端を保持溝からバネ係合溝へとスムーズに移動させることができ、ブラシの仮保持の解除動作を円滑に行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下図1ないし図3を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係わる直流電動機の整流機構部分の構成を示した正面図、図2は本実施形態で用いるブラシの構成例を示した斜視図、図3はブラシ保持プレートに保持されたブラシホルダの一例を示した斜視図である。
【0018】
図1において、1は円筒状に形成された図示しない電動機のケースの開口端を閉じるように取り付けられるカップ状のエンドカバー、2はエンドカバー1に固定されたブラシ保持プレートである。図示の例では、電動機のケースが、図1の紙面の手前側に配置される。電動機のケースの内周には、界磁を形成する手段として界磁コイルまたは永久磁石を備えたステータが設けられている。また、電機子コイルを備え、該電機子コイルに接続された整流子を備えたロータがステータの内側に配置される。
【0019】
図示のブラシ保持プレート2は、樹脂の成型品からなっていて、円板状に形成されたブラシ保持プレート本体部201の外周から径方向の外側に突出させて、互いに90度の角度間隔を隔てて配置されたブラシホルダ保持部202及び203と、ブラシホルダ保持部202及び203の間に配置されたバネ保持部204と、バネ保持部204に対して180度離れた位置に配置された板状部205と、バネ保持部204及び板状部205が相対する方向に対して90度位置をずらして対称に配置された1対の端子取付部206及び207とを設けた構造を有している。
【0020】
なおブラシ保持プレート2は、電動機の構成に応じて適宜の形状に形成される。例えば、ロータに巻回される電機子コイルの構成により、ブラシが4個設けられる場合には、更に2個のブラシホルダ取り付け部が設けられる。またピグテールが接続される端子の一方または双方がブラシ保持プレート以外の箇所に取り付けられる場合には、端子取付部206及び207の一方または双方が省略される。またブラシ保持プレート全体が円板状に形成される場合もある。
【0021】
ブラシ保持プレート2の円板部201の中央部には、ステータの内側に配置されるロータ(図示せず。)の回転軸3に取り付けられた整流子4を貫通させるための孔部210が形成されている。ブラシ保持プレート2のブラシホルダ保持部202及び203にはブラシホルダ211及び212が保持されている。ブラシホルダ211及び212は、ブラシホルダ保持部202及び203に一体に設けられていてもよく、ブラシホルダ保持部と別体に設けられて適宜の手段によりブラシホルダ保持部202及び203に固定されていてもよいが、図示の例では、ブラシホルダ211及び212がブラシホルダ保持部202及び203に一体に設けられている。
【0022】
各ブラシホルダは、図3に示したように、天板部a1と、天板部a1の幅方向の両端から同じ側に突出した1対の側壁部a2,a2とを有しており、側壁部a2,a2の先端(天板部a1と反対側の端部)がブラシホルダ保持部202及び203に一体化されている。各ブラシホルダは、整流子側に位置する先端部及び整流子と反対側に位置する後端部がともに開口した状態で設けられていて、その側壁部a2,a2には、整流子の径方向(ブラシホルダの長手方向)に伸びるスリットsが形成されている。スリットsはその整流子と反対側に位置する端部が開口し、整流子側に位置する端部が閉じた状態で設けられている。また図示の例では、整流子と反対側に位置するブラシホルダの天井部a1の端部を板厚方向に貫通させてコの字形の切り欠き部a3が形成されている。
【0023】
バネ保持部204には、ブラシホルダ211及び212にそれぞれ隣接させて円柱状に形成された1対のバネサポート213及び214が突設され、これらのサポートにはバネの一端を係止するための溝gが形成されている。
【0024】
ブラシホルダ211及び212内にはそれぞれ図2に示したように角柱の角部を面取りした形状を有するブラシ5及び6がスライド自在に挿入されている。バネ保持部204と反対側に位置するブラシ5及び6の側面の後端部にピグテール7及び8(図2には図示せず。)の一端が接続され、これらのピグテール7及び8は、バネ保持部204と反対側に位置するブラシホルダ211及び212の側壁部に形成されたスリットsを通して端子取付部206及び207側に導出されている。
【0025】
端子取付部206及び207にはそれぞれピグテール接続端子9及び10が取り付けられ、これらの接続端子にピグテール7及び8の他端がそれぞれ接続されている。接続端子9及び10は図示しない電線を通して電動機の電源入力端子に接続される。
【0026】
ブラシホルダ211及び212内に挿入されたブラシ5及び6を整流子側に付勢するためにバネ11及び12が設けられている。これらのバネはコイル状に巻回された巻回部11a及び12aと、巻回部11a及び12aのそれぞれの一端から両巻回部の接線方向に突出して伸びる延長部11b及び12bと、巻回部11a及び12aのそれぞれの他端から両巻回部の径方向に折れ曲がって伸びる折り曲げ部11c及び12cとを一体に備えたものである。バネ11及び12は、それぞれの巻回部11a及び12aをバネサポート213及び214に嵌合させるとともに、折り曲げ部11c及び12cをそれぞれバネサポート213及び214に設けられた溝g内に係入することにより、ブラシ保持プレート2に保持されている。
【0027】
バネ11及び12の延長部11b及び12bの先端部11b1及び12b1はそれぞれブラシ側に凸な円弧状の形状に形成され、バネ11及び12の円弧状に形成された先端部11b1及び12b1がそれぞれブラシホルダ211及び212のスリットsを通してブラシホルダ211及び212内のブラシ5及び6の後端部に係合される。
【0028】
図2に示されているように、本発明においては、ブラシ5及び6のスリットsに対向する側面5a,6aの後端部寄りの位置に、スリットsを通してブラシホルダ211及び212内にそれぞれ挿入されたバネ11及び12の先端部11b1及び12b1を嵌合させる保持溝501及び601が形成され、ブラシの後端部の端面側にバネ係合部502及び602が形成されている。そして、バネ11及び12の先端部11b1及び12b1がそれぞれ保持溝501及び601に嵌合した状態にあるときにブラシ5及び6が整流子4に接触しない位置に仮保持され、このようにして仮保持されたブラシ5及び6の後端部を、ブラシホルダ211及び212の後端部側の開口部を通して整流子4側に押した際にバネ11及び12の先端部がブラシ5及び6の保持溝501及び601から外れてブラシ5及び6の後端部の端面側に設けられたバネ係合部502及び602に係合した状態になるように構成されている。
【0029】
図示のバネ係合部502及び602は、ブラシの後端部の端面側に開口するように形成されたバネ係合溝502a及び602aからなっていて、保持溝501及び601とバネ係合溝502a及び602aとが、傾斜面または滑らかな曲面を有する境界部503及び603を介して相互に接続されている。
【0030】
図示の例では、カップ状に形成されたエンドカバー1の内周部に、ブラシ保持プレート2のブラシホルダ保持部202,203の先端を嵌合させる溝部102,103と、バネ保持部204の先端及び板状部205の先端をそれぞれ嵌合させる溝部104及び105とが設けられ、ブラシホルダ保持部202,203の先端と溝部102,103との嵌合と、バネ保持部204の先端及び板状部205の先端と溝部104及び105との嵌合とにより、ブラシ保持プレート2がエンドカバー1の周方向に対して位置決めされるようになっている。ブラシ保持プレート2は、バネ保持部204及び板状部205に設けられた取り付け孔hを通してエンドカバーにねじ込まれるネジ(図示せず。)により、エンドカバー1に対して固定される。
【0031】
本発明に係わる電動機においては、整流子4をブラシ5,6の先端側(孔部210内)に配置するまでの間、図1に示したように、バネ11及び12の先端部11b1及び12b1をブラシの後端部側面に設けられた保持溝501及び601内に嵌合させることにより、ブラシ5及び6をブラシホルダ211及び212から突出しない位置に仮保持しておく。そして、ロータの回転軸3の一端に取りつけられた軸受けをエンドカバー1の中央部に設けられた軸受け保持部に保持し、整流子4をブラシ保持プレート2の孔部210の内側に挿入する。しかる後に、ブラシ5及び6の後端部を押して両ブラシを整流子4側に強制的に変位させることにより、バネ11及び12の先端部11b1及び12b1を保持溝501,601から離脱させ、バネ11及び12の先端部11b1及び12b1をブラシ5及び6の後端部の端面に形成された係合溝502a及び602aに係合させる。バネ11及び12の先端部11b1及び12b1が係合溝502a及び602aに係合した状態になると、バネ11及び12の付勢力により、ブラシ5及び6が整流子4側に付勢されるため、両ブラシの先端が整流子4に所定の圧力で接触させられる。このようにしてブラシ5及び6を整流子4に接触させた後に、回転軸3に取りつけられているロータ(図示せず。)を図1の紙面の手前に配置されている図示しない電動機のケースの内周に設けられているステータの内側に挿入して、回転軸3の他端に取りつけられている軸受けを電動機のケースの底部の中央に設けられている軸受け保持部に支持させ、エンドカバー1を電動機のケースの開口端部に接続して電動機の組み立てを完了する。
【0032】
本実施形態においては、バネ係合部502及び602を、ブラシの後端部の端面側に開口したバネ係合溝502a及び602aにより構成して、保持溝501及び601とバネ係合溝502a及び602aとを、傾斜面または滑らかな曲面を有する境界部503及び603を介して相互に接続してあるため、仮保持されたブラシの後端部を押した際にバネ11及び12の先端部11b1及び12b1を係合溝502a及び602aにスムーズに移行させることができ、ブラシの仮保持の解除を容易に行うことができる。
【0033】
上記の実施形態では、ブラシ5,6の後端部の端面に係合溝502a、602aを形成して、これらの係合溝をバネ係合部としたが、ブラシ5,6の後端部の端面に溝502a、602aを設けることなく、ブラシ5,6の後端部の端面そのものをバネ係合部として、ブラシの仮保持を外した際にバネ11及び12の先端部11b1及び12b1をそれぞれブラシ5及び6の後端面に係合させるようにしてもよい。
【0034】
上記の実施形態では、ブラシが2つ設けられているが、ブラシの数は電動機のロータに設ける電機子コイルの構成により適宜に設定される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本実施形態に係わる直流電動機の整流機構部分の構成を示した正面図である。
【図2】本実施形態で用いるブラシの構成例を示した斜視図である。
【図3】ブラシ保持プレートに保持されたブラシホルダの一例を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0036】
1 エンドカバー
2 ブラシ保持プレート
211,212 ブラシホルダ
s スリット
3 回転軸
4 整流子
5,6 ブラシ
501,601 保持溝
502,602 バネ係合部
502a,602a 係合溝
11,12 バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
整流子と、前記整流子の径方向の外側に配置されたブラシ保持プレートと、前記整流子の径方向に伸びるようにして前記ブラシ保持プレートの表面側に保持されたブラシホルダと、前記ブラシホルダ内にスライド自在に保持されて先端部が前記整流子に接触させられたブラシとを備え、前記整流子の径方向に沿って延びるスリットが前記ブラシホルダに設けられて、前記ブラシに接続されたピグテールが前記スリットを通して前記ブラシホルダの外部に導出され、後端部側が前記ブラシ保持プレートに保持されたバネが設けられて該バネの先端部が前記スリット通して前記ブラシホルダ内に挿入され、前記バネの先端部が前記ブラシの後端部の端面側に設けられたバネ係合部に係合した状態にあるときに前記ブラシが前記バネにより前記整流子側に付勢されるように構成されている直流電動機において、
前記ブラシホルダは前記整流子と反対側に位置する後端部が開口した状態で設けられ、
前記スリットを通して前記ブラシホルダ内に挿入された前記バネの先端部を嵌合させる保持溝が前記ブラシの後端部寄りの側面に設けられていて、前記バネの先端部が前記保持溝に嵌合した状態にあるときに前記ブラシが前記整流子に接触しない位置に仮保持され、 前記仮保持されたブラシの後端部を、前記ブラシホルダの後端部側の開口部を通して前記整流子側に押した際に前記バネの先端部が前記ブラシの保持溝から外れて前記ブラシの後端部の端面側に設けられた前記バネ係合部に係合した状態になるように構成されていること、
を特徴とする直流電動機。
【請求項2】
前記バネ係合部は、前記ブラシの後端部の端面側に開口するように形成されたバネ係合溝からなっていて、前記保持溝と前記バネ係合溝とが、傾斜面または滑らかな曲面を有する境界部を介して相互に接続されていること、
を特徴とする請求項1に記載の直流電動機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−172942(P2008−172942A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−4302(P2007−4302)
【出願日】平成19年1月12日(2007.1.12)
【出願人】(000001340)国産電機株式会社 (191)
【Fターム(参考)】