説明

直流高電圧発生装置

【課題】直流高電圧発生装置を小型化し、経済化を図ることができる直流高電圧発生装置を提供することを目的とする。
【解決手段】直流電源電圧を高周波交流電圧に変換する半導体スイッチを用いたインバータ回路と、上記インバータ回路の高周波交流電圧を昇圧変換するトランスと、上記トランスの漏れインダクタンスまたは上記1次巻線または上記2次巻線に直列接続されるインダクタンスからなる共振インダクタと、上記2次巻線に接続される交流アームと直流アームとの2列のコンデンサとこの交流アームと直流アームとの間に跨って接続されている複数個のダイオードからなるコッククロフト・ウオルトン回路とを具備する直流高電圧発生装置において、上記共振インダクタと、上記コッククロフト・ウオルトン回路の交流アームの初段コンデンサとを、上記インバータ回路の変換周波数よりも高い周波数で直列共振させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線電源、CT電源等の直流高電圧発生回路に用いるコッククロフト・ウオルトン回路(以下、「CW回路」という)を、インダクタンスとコンデンサとの直列共振作用を利用した直列共振型インバータで駆動する直流高電圧発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
直列共振型コンバータでCW回路(コッククロフト・ウオルトン回路)を駆動する回路が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
図6は、直列共振型コンバータでCW回路を駆動する従来の回路を簡略化した直流高電圧発生装置300を示す回路である。
【0004】
従来の直流高電圧発生装置300は、X線電源、CT電源等の直流高電圧発生回路に用いる直流高電圧発生装置として、整流器等の直流電源と、この直流電圧を高周波に変換する直列共振型インバータと、高圧トランス、CW回路とを組み合わせた装置である。
【0005】
従来の直流高電圧発生装置300は、直流電源1と、直流電源1の電圧を数kHz〜数10kHzの高周波交流電圧に変換するブリッジインバータ回路20とを有する。ブリッジインバータ回路20の交流出力端子に、共振インダクタ30と、共振コンデンサCrと、高周波高圧用のトランス40の1次巻線41とが直列接続されている。この共振インダクタ30は、トランス40の漏れインダクタンスである場合もある。
【0006】
トランス40の2次巻線42には、CW回路70の入力端子T1、T2が接続されている。CW回路70の高圧側の出力端子T3と入力端子T2との間には、X線管等の負荷50が接続されている。入力端子T2は、図6に示すように、安全のために接地される。
【0007】
ブリッジインバータ回路20は、MOSFETまたはIGBTのようなスイッチング素子11、12、13、14を、周知のフルブリッジ構成にしたもの等である。
【0008】
スイッチング素子11、12、13、14には、ダイオード21、22、23、24が、互いに逆極性で並列接続されている。なお、ダイオード21、22、23、24は、スイッチング素子11、12、13、14のボティダイオードであってもよい。スイッチング素子11、12、13、14は、図示しない制御回路によって、スイッチング素子11、14の組と、スイッチング素子12、13の組との交互のスイッチング動作によって、直流電源1の入力電圧Eを、単相の高周波交流電圧に変換する。
【0009】
トランス40は、1次巻線41と2次巻線42とを有する。1次巻線41に加わる高周波交流電圧を、2次巻線42に所定の変圧比n、または巻数比n(たとえば50倍)で、昇圧する。2次巻線42は、CW回路70の入力端子T1、T2に接続されている。
【0010】
CW回路70は、高圧出力端子T3と入力端子T2(すなわち接地)との間に、直列接続されている2個の直流アームのコンデンサC2、C4と、2個の交流アームのコンデンサC1、C3と、直流アームと交流アームとのコンデンサ間に跨って、千鳥状に接続されているダイオードD1、D2、D3、D4とによって構成されている。
【0011】
CW回路70は、初段のCW回路と2段目のCW回路とによって構成されている。上記初段のCW回路は、直流アームのコンデンサC2と、交流アームのコンデンサC1と、千鳥状のダイオードD1、D2とからなる1組である。上記2段目のCW回路は、直流アームのコンデンサC4と、交流アームのコンデンサC3と、千鳥状のダイオードD3、D4とからなる1組である。
【0012】
2段のCW回路70は、交流入力電圧、すなわちトランス40の2次巻線電圧の4倍の直流高電圧を発生することができ、段数を変更することによって、さらに高い直流高電圧を発生することができる。
【0013】
従来の直流高電圧発生装置300において、直流電源1の入力電圧Eを400Vとし、負荷50に印加される出力直流高電圧Voを79kVとし、出力直流電流Ioを158mAとし、目標リップル電圧Vrを1kV以下とし、インバータの変換周波数fsを40kHzとする。
【0014】
これらの条件で、慣用的な方法で、直列共振型コンバータを設計した結果、共振インダクタ30のインダクタンスは、7μHであり、共振コンデンサCrの容量は、1.82μFであり、トランス40の巻数比nは、50である。
【0015】
ここで、共振インダクタ30(7μH)と共振コンデンサCr(1.82μF)との直列共振周波数frは、44.6kHzであり、変換周波数fsの40kHzよりも10%ほど高い。
【0016】
このような従来の直列共振型コンバータ、また後述する本発明の直列共振型コンバータにおいて、インバータを構成するスイッチング素子のスイッチング損失を減少するために、変換周波数の半周期内にインバータ電流波形が正弦半波波形のように自然にゼロになるZCS(ゼロ電流スイッチング)を実現するために、共振電流波形の途中で変換周波数fsの半周期Tsが終わり、強制的にターンオフさせないように、直列共振周波数frを変換周波数fsよりも高くする必要がある。すなわち、直列共振周波数frの半周期Trが、変換周波数fsの半周期Tsよりも短いので、変換周波数fsの半周期Ts内で直列共振電流が自然にゼロになる。
【0017】
次に、CW回路70のコンデンサC2、C3、C4の容量Cは、経験上、次の式(1)で決まる。
【0018】
C=(N+N)Io/2.4(fs×Vr) …… 式(1)
【0019】
なお、Nは、CW回路70の段数(2)であり、Ioは、出力電流(0.16A)であり、fsは、インバータの変換周波数(40kHz)であり、Vrは、目標リップル電圧(1kV)であるとする。
【0020】
これらの数値を使用して、容量Cを計算すると、C≒10nFになる。
【0021】
図2は、求めた定数によって直流高電圧発生装置を動作させた場合のシミュレーション波形を示す図である。
【0022】
図2において、Vo1は、出力電圧であり、In1は、トランス40の1次巻線電流であり、Vc1は、CW回路70の初段のコンデンサC1の電圧波形である。
【0023】
直列共振周波数fr(44.6kHz)が、変換周波数fs(40kHz)よりも高いので、1次巻線電流In1は、ほぼ正弦波になり、スイッチング素子11〜14がZCS(ゼロ電流スイッチ)動作し、スイッチング素子のスイッチング損失を減少することができる。出力電圧Vo1のリップル電圧も、設計通りほぼ1kVになっている。なお、トランスの1次側励磁インダクタンスLoは、代表的な値である500μHに設定した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】特開2009−225492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
従来の直流高電圧発生装置300において、共振インダクタ30は、トランス40の漏れインダクタンスを利用する等、構成を簡略化できるが、共振コンデンサCrが、大型であり、また、高価であるという問題がある。
【0026】
つまり、大きなインバータ1次電流が全て、共振コンデンサCrに流れるので、リップル電流容量の大きなコンデンサが必要であり、また、共振コンデンサCrの最大電圧は、X線管等の放電時、すなわち出力短絡時に、インバータの変換周波数を急速に低下しなければ、電源電圧の数倍になり、高耐電圧のコンデンサが必要である。したがって、共振コンデンサCrが、大型になり、高価な部品になる。
【0027】
例えば、耐電圧が、直流電源の入力電圧の2倍である800V以上であり、リップル電流が、45Armsである条件を満たすコンデンサを市販製品から選定すると、上記条件を満たすために市販のコンデンサを6並列に接続して使用する必要がある。この場合、総外形が170mm×23.9mm×25.7mmと大きくなり、高価になるという問題がある。さらに、装置全体が大型化するという問題がある。
【0028】
本発明は、直流高電圧発生装置を小型化し、経済化を図ることができる直流高電圧発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明は、共振インダクタと、コッククロフト・ウオルトン回路の交流アームの初段コンデンサとからなる直列回路を、上記インバータ回路の変換周波数よりも高い周波数で直列共振させることによって、コッククロフト・ウオルトン回路の出力に直流高電圧を発生する直流高電圧発生装置である。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、直流高電圧発生装置を小型化することができ、また、経済化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施例1である直流高電圧発生装置100を示す図である。
【図2】直流高電圧発生装置100を、従来の直流高電圧発生装置300と同一条件で動作させた場合のシミュレーション波形を、従来の直流高電圧発生装置300の波形に重ねて示す図である。
【図3】直流高電圧発生装置100において、定格電圧79kVを維持しながら出力電流を定格の1/2である79mAとした場合におけるシミュレーション波形を示す図である。
【図4】直流高電圧発生装置100において、2次巻線の浮遊容量Cfを考慮した実際の高電圧発生装置のシミュレーション結果を示す図である。
【図5】本発明の実施例2である直流高電圧発生装置200を示す図である。
【図6】直列共振型コンバータでCW回路を駆動する従来の回路を簡略化した直流高電圧発生装置300を示す回路である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
発明を実施するための形態は、次の実施例である。なお、本発明は、以下に示す実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0033】
図1は、本発明の実施例1である直流高電圧発生装置100を示す図である。
【0034】
直流高電圧発生装置100の大きな特徴は、図6に示す従来の直流高電圧発生装置300に設けられているトランス40の1次巻線41に直列接続されている共振コンデンサCrを削除した点と、共振コンデンサCrの作用を、トランス40の2次巻線42に直列接続されているCW回路71の交流アームの初段のコンデンサC1aに受け持たせる点とである。
【0035】
すなわち、直流高電圧発生装置100の初段のコンデンサC1aは、CW回路71としての昇圧作用と、共振型インバータに必要な共振作用とを兼用する。
【0036】
以下、共振インダクタ30とCW回路71の交流アームの初段のコンデンサC1aとの直列共振を、第1の直列共振という。
【0037】
直流高電圧発生装置100は、ブリッジインバータ回路20と、共振インダクタ30と、トランス40と、CW回路(コッククロフト・ウオルトン回路)71とを有する。
【0038】
トランス40は、1次巻線41と、2次巻線42と、2次巻線の浮遊容量Cfとを有する。
【0039】
CW回路71は、初段のコンデンサC1aと、直流アームのコンデンサC2と、交流アームのコンデンサC3と、直流アームのコンデンサC4と、千鳥状のダイオードD1、D2、D3、D4と、入力端子T1、T2と、出力端子T3とを有する。
【0040】
そして、共振インダクタ30と、CW回路71の交流アームの初段のコンデンサC1aとを、インバータ回路20の変換周波数より高いも周波数で直列共振させることによって、CW回路71の出力に直流高電圧を発生する。
【0041】
次に、トランス40の2次側の2次共振コンデンサとしての初段のコンデンサC1aの容量選定について説明する。
【0042】
まず、従来の直流高電圧発生装置300における1次側の共振コンデンサCr(1.82μF)を、トランス40の巻数比nを50として2次側に等価変換すると、728pFになるが、従来の直流高電圧発生装置300と同一出力電圧となるようにトランス40の巻数比nと初段のコンデンサC1aの定数とを微調整し、初段のコンデンサC1aの容量を、500pFとし、トランス40の巻数比nを、51.3に補正した。
【0043】
この補正、特に初段のコンデンサC1aを補正する必要がある理由は、シミュレーションで代表的な値に設定したトランス40の1次側励磁インダクタンスLo(500μH)と、初段のコンデンサC1aとの等価的接続位置が共振に影響すると推定されるからである。すなわち、初段のコンデンサC1aが、等価的にトランス40の1次側励磁インダクタンスLoの後(出力側)に存在していることによって、1次側励磁インダクタンスLoが共振に影響すると考えられる。
【0044】
図2は、直流高電圧発生装置100を、従来の直流高電圧発生装置300と同一条件で動作させた場合のシミュレーション波形を、従来の直流高電圧発生装置300の波形に重ねて示した図である。
【0045】
図2において、Vo2は、出力電圧であり、In2は、トランス40の1次巻線電流であり、Vc2は、CW回路71の初段のコンデンサC1aの電圧波形である。
【0046】
ここで、実施例における共振インダクタ30と交流アームの初段のコンデンサC1aとの理論的な第1の直列共振周波数frは、次の式(2)から求めることができる。
【0047】
fr=1/(2π(LC)1/2) …… 式(2)
【0048】
第1の直列共振周波数frは、52.4kHzになり、変換周波数fsに対して従来例の1.1倍よりも高い1.31倍と高くなったが、図2に示すトランス40の1次巻線電流波形In2は、従来のトランス40の1次巻線電流In1の共振電流の半周期よりもそれほど短くはなっていないのは、上記1次側励磁インダクタンスLoの影響と考えられる。
【0049】
上記比較の結果、従来の直流高電圧発生装置300における出力電圧と同様な出力電圧79kVを得ることができ、しかも、ZCSの共振電流モードが維持されている。注目すべきは、CW回路71の初段のコンデンサC1aの電圧波形Vc2が、20kVを中心に約±9kVで共振していることである。これに対して、従来の直流高電圧発生装置300において共振に影響を与えないCW回路70の初段のコンデンサC1の電圧波形Vc1は、図2に示すようにほぼ一定の20kVである。
【0050】
この直列共振型コンバータを制御する場合、インバータのスイッチング素子が電流を遮断しないようにするために、すなわちZCSを維持するために、制御変換周波数fscを定格の変換周波数fs(40kHz)よりも低い周波数に制御することが望ましい。
【0051】
図3は、直流高電圧発生装置100において、定格電圧79kVを維持しながら出力電流を定格の1/2である79mAとした場合におけるシミュレーション波形を示す図である。
【0052】
図3において、制御変換周波数fscを37kHzまで低下させることで、ZCSを維持している。
【0053】
上記説明では、動作説明を単純にするために、2次巻線浮遊容量Cfを無視している。しかし、実際の直流高電圧発生装置では、トランス40の2次巻線42の巻数が数百ターン以上と大きいので、2次巻線42に大きな浮遊容量Cfが発生し、これが共振インダクタ30と直列共振し、動作に影響する。
【0054】
以下、共振インダクタ30と2次巻線の浮遊容量Cfとの直列共振を、第2の直列共振と表現する。第2の直列共振は、共振インダクタ30とCW回路71の交流アームの初段のコンデンサC1aとの直列共振(第1の直列共振)と区別して呼称する。
【0055】
図4は、直流高電圧発生装置100において、2次巻線の浮遊容量Cfを考慮した実際の直流高電圧発生装置のシミュレーション結果を示す図である。
【0056】
2次巻線の浮遊容量Cfを、代表的数値例として100pFとした。2次巻線の浮遊容量Cfを追加することによって、第2の直列共振作用で2次巻線電圧が上昇するので、トランス40の巻き数比n(=50)を、43.5に調整した。
【0057】
インバータ電流波形In2に示すように、共振インダクタ30と2次巻線の浮遊容量Cfとの第2の直列共振作用によって2次巻線電圧、すなわち浮遊容量電圧は、直流電源電圧と巻数比nとを乗じた値よりも上昇する。この結果、1次側に換算した浮遊容量電圧が、直流電源1の電圧よりも高くなり、直流電源1に帰還する帰還電流が流れる。図4に示すインバータ電流波形In2の斜線部分が、上記帰還電流である。
【0058】
2次巻線の浮遊容量Cfを考慮した実際の直流高電圧発生装置でも、広い負荷範囲を、周波数制御することによって、ZCSを維持することができる。
【実施例2】
【0059】
図5は、本発明の実施例2である直流高電圧発生装置200を示す図である。
【0060】
直流高電圧発生装置200は、直流高電圧発生装置100において、CW回路71の代わりに、CW回路72を設けた装置である。つまり、直流高電圧発生装置200において、トランス40の1次側の構成は、直流高電圧発生装置100と同じであるが、2次側のCW回路が異なる。
【0061】
CW回路72は、出力電圧のリップルを低減するために、互いに逆極性のCW回路721と722とを直列接続し、直列中間点を駆動する中問駆動型である。
【0062】
CW回路721は、初段のコンデンサC11と、直流アームのコンデンサC12と、ダイオードD11、D12とを有する。
【0063】
CW回路722は、初段のコンデンサC21と、直流アームのコンデンサC22と、ダイオードD21、D22とを有する。
【0064】
直流アームのコンデンサC12、C22の容量は、10nFである。コンデンサ容量を、直流高電圧発生装置100と同じにすると、この回路は、レギュレーションが優れているので、直流高電圧発生装置100におけるトランス40の昇圧比(巻数比n)が51.3であるが、直流高電圧発生装置200では、トランスの昇圧比(巻数比n)を、44.5に減少させている。
【0065】
また、上下2個のCW回路721、722の初段のコンデンサC11、C21は、交流では、等価的に並列であるので、直流高電圧発生装置100におけるCW回路の初段のコンデンサの容量の1/2である250pFである。
【0066】
本発明によれば、高価で、大型となるトランス1次側の共振コンデンサCrを不要にすることができ、トランス40の1次側の回路を、小型化することができ、経済性が高い。
【0067】
上記実施例において、CW回路を駆動するインバータ回路は、4個のスイッチング素子11,12,13,14と、4個の逆並列ダイオード21,22,23,24からなるフルブリッジインバータ回路20であるが、フルブリッジインバータ回路20の代わりに、2個のスイッチング素子12,14を2個の直流電圧分圧用コンデンサに置き換えたハーフブリッジインバータ回路を使用するようにしてもよく、このようにしても、上記実施例と同様の効果を奏する。
【0068】
また、トランス40の1次巻線41に中間タップを設け、この中間タップを直流電源1の正極に接続し、1次巻線41の各両端と直流電源1の負極間にそれぞれ逆並列ダイオードを有する2個のスイッチング素子を接続する構成のセンタータップ型、もしくはプッシュプル型といわれる構成のインバータ回路を使用してもよく、このようにしても、上記実施例と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0069】
100…直流高電圧発生装置、
20…ブリッジインバータ回路、
30…インダクタ、
40…トランス、
Cf…2次巻線の浮遊容量、
71…CW回路、
C1a…初段のコンデンサ、
72、721、722…CW回路、
C11、C21…初段のコンデンサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源電圧を高周波交流電圧に変換する半導体スイッチを用いたインバータ回路と、上記インバータ回路の高周波交流電圧を昇圧変換し、1次巻線と2次巻線とを備えるトランスと、上記トランスの漏れインダクタンスまたは上記1次巻線または上記2次巻線に直列接続されるインダクタンスからなる共振インダクタと、上記2次巻線に接続される交流アームと直流アームとの2列のコンデンサとこの交流アームと直流アームとの間に跨って接続されている複数個のダイオードからなるコッククロフト・ウオルトン回路とを具備する直流高電圧発生装置において、
上記共振インダクタと、上記コッククロフト・ウオルトン回路の交流アームの初段コンデンサとを、上記インバータ回路の変換周波数より高いも周波数で直列共振させることによって、上記コッククロフト・ウオルトン回路の出力に直流高電圧を発生することを特徴とする直流高電圧発生装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記コッククロフト・ウオルトン回路が、互いに逆極性の2組のコッククロフト・ウオルトン回路が並列接続されている回路によって構成され、上記2組のコッククロフト・ウオルトン回路の並列接続点が、上記トランスの2次巻線に接続され、上記共振インダクタと、上記2組のコッククロフト・ウオルトン回路の初段コンデンサの並列容量とを直列共振させることによって、上記互いに逆極性の2組のコッククロフト・ウオルトン回路の出力端子間から、合成出力電圧を発生させることを特徴とする直流高電圧発生装置。
【請求項3】
請求項1において、
上記共振インダクタと上記コッククロフト・ウオルトン回路の交流アームのコンデンサとの直列共振周波数よりも低い周波数領域で、上記インバータ回路の変換周波数を、制御することによって、上記コッククロフト・ウオルトン回路の出力直流高電圧を制御することを特徴とする直流高電圧発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−139618(P2011−139618A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−72(P2010−72)
【出願日】平成22年1月4日(2010.1.4)
【出願人】(000103976)オリジン電気株式会社 (223)
【Fターム(参考)】