説明

真空成型用シート

【課題】 真空成型性、初期タック性、初期密着性に優れ、三次元被覆成形品での耐熱接着性に優れた真空成型用シートを提供する。
【解決手段】 表層フィルム(ア)の下面に接着剤層(イ)を有し、(ア)が、例えばアクリル系樹脂フィルム(A)であり、(イ)が、下記の熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂100質量部に、含窒素複素環化合物0.1〜5.0質量部、タルク2〜15質量部を配合し、かつ該熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂に対しポリイソシアネート0.5〜2.0当量を配合し硬化した真空成型用シート。該ポリエステル樹脂:テレフタル酸40〜70モル%、セバシン酸30〜60モル%からなる酸成分と、1,4−ブタンジオール40〜90モル%、エチレングリコール10〜60モル%からなるグリコール成分とから構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空成型用シートに関するものであり、詳しくは、真空成型性、初期タック性、初期密着性に優れ、さらに積層基材が、マグネシウムやアルミニウムなどの金属製基材においても、三次元被覆成型品での耐熱接着性(85℃×5日)に優れた真空成型用シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、装飾用途の自動車内外装部品、家電用部品、建材用部品などは、射出成型、真空成型やインモールド成型等の成型加工を施した後、成型品表面をスプレー塗装などで塗料を塗布し、乾燥・加熱硬化させ、成型品の表面保護や着色、装飾等の意匠性を付与する。しかし、この様な塗装は、揮発性有機溶剤の排出に対する作業環境の問題や、成型品ごとの塗布、乾燥、加熱硬化等の作業工程と生産設備が必要となり、生産性が低い問題がある。
【0003】
これに対して、近年、成型加工時に意匠性を有する軟質な熱可塑性樹脂からなる加飾用積層シートを供し、成型品表面に該加飾用積層シートを貼り合わせ、意匠性を有する被覆成型品を得る方法が数多く提案されている。加飾用積層シートは熱成型時の立体変形に追従できるような熱可塑性樹脂で構成されているので、成型時の塗膜の割れや破れ、剥離を生じるなどの問題はなく、塗装工程がないので作業環境や生産性に優れる。
【0004】
真空成型法を採用して上記の被覆成型品を得る方法としては、例えば下記の特許文献1〜3に開示されている。
【0005】
また、下記の特許文献4には、表面にメッシュ状の連通溝を形成してなる粘着剤層を有する合成樹脂シートを真空ラミネート成形によりアルミニウム製窓枠パネルの表面に被覆する車両用窓枠パネルの製造方法であって、第一の成形室と第二の成形室とを有する真空成形機の両方の成形室を略真空状態にする第1工程、加熱により該合成樹脂製化粧シートを軟化させる第2工程、第二の成形室内に配置されたアルミニウム製窓枠パネルに軟化した該合成樹脂製化粧シートを被せる第3工程、第一の成形室内の気圧を上昇させ該アルミニウム製窓枠パネルの形状に沿うよう該合成樹脂製化粧シートを加圧する第4工程からなることを特徴とする車両用窓枠パネルの製造方法が開示されている。
【0006】
また、下記の特許文献5には、合成樹脂シートは、2〜3層に積層したポリオレフィンシートからなる基材シートの表面には耐摩耗性を有する表面シートを積層し、基材シートの裏面に粘着剤を施してなり、該合成樹脂シートをテーブル等の家具におけるベース部材の表面側および側面側にわたって一体的に粘着したことを特徴とする家具における表面板構造が開示されている。
【0007】
しかしながら、上記従来技術に記載したような、接着剤または粘着剤を使用して作成した三次元被覆加飾成型品を家電製品用途、自動車内装用途等に必要とされる85℃×5日の耐熱試験を行なった場合、接着剤層が捲れてしまい耐熱接着性がもたないという問題がある。特に積層基材が、マグネシウムやアルミニウムなどの金属製基材の場合、上記の耐熱接着性に劣り、十分満足するものが得られていないのが現状である。また、真空成型性、初期タック性、初期密着性にも改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特公昭56−45768号公報
【特許文献2】特許第3016518号公報
【特許文献3】特許第3733564号公報
【特許文献4】特開2004−237510号公報
【特許文献5】特開2000−157346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって本発明の目的は、真空成型性、初期タック性、初期密着性に優れ、さらに積層基材が、マグネシウムやアルミニウムなどの金属製基材においても、三次元被覆成型品での耐熱接着性(85℃×5日)に優れた真空成型用シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下のとおりである。
1.表層フィルム(ア)の下面に接着剤層(イ)を有する真空成型用シートであって、
前記表層フィルム(ア)が、アクリル系樹脂フィルム(A)、二軸延伸共重合ポリエチレンテレフタレート系フィルム(B)、未延伸非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム(C)、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム(D)またはポリカーボネート系樹脂フィルム(E)であり、かつ
前記接着剤層(イ)が、下記の熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂100質量部に、含窒素複素環化合物0.1〜5.0質量部およびタルク2〜15質量部を配合し、かつ該熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂に対しポリイソシアネート0.5〜2.0当量を配合し硬化したものであることを特徴とする真空成型用シート。
熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂:テレフタル酸40〜70モル%、およびセバシン酸30〜60モル%からなる酸成分(ただし、前記酸成分の合計は100モル%)と、1,4−ブタンジオール40〜90モル%およびエチレングリコール10〜60モル%からなるグリコール成分(ただし、前記グリコール成分の合計は100モル%)とから構成される。
2.前記熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂のピークトップ融点が、85〜115℃であることを特徴とする前記1に記載の真空成型用シート。
3.前記表層フィルム(ア)と前記接着剤層(イ)との間にバッカー層(ウ)を有することを特徴とする前記1または2に記載の真空成型用シート。
4.前記バッカー層(ウ)が、未延伸非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム(F)またはポリ塩化ビニル系樹脂フィルム(G)であることを特徴とする前記3に記載の真空成型用シート。
5.前記接着剤層(イ)が、前記熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂に、さらにカルボジイミド化合物またはオキサゾリン化合物0.5〜2.0当量を配合したものであることを特徴とする前記1に記載の真空成型用シート。
6.前記含窒素複素環化合物が、トリアゾール系化合物またはイミダゾール系化合物であることを特徴とする前記1に記載の真空成型用シート。
7.前記トリアゾール系化合物が、ベンゾトリアゾールであり、前記イミダゾール系化合物が、イミダゾールであることを特徴とする前記6に記載の真空成型用シート。
8.前記未延伸非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム(C)が、テレフタル酸からなる酸成分と、エチレングリコール60〜90モル%およびシクロヘキサンジメタノール10〜40モル%からなるグリコール成分(ただし、前記グリコール成分の合計は100モル%)とから構成されることを特徴とする前記1〜7のいずれかに記載の真空成型用シート。
9.前記未延伸非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム(F)が、テレフタル酸からなる酸成分と、エチレングリコール60〜90モル%およびシクロヘキサンジメタノール10〜40モル%からなるグリコール成分(ただし、前記グリコール成分の合計は100モル%)とから構成されることを特徴とする前記4に記載の真空成型用シート。
10.下記の真空成型方法により真空成型を行なうために用いられる、前記1〜9のいずれかに記載の真空成型用シート。
真空成型方法:前記1〜9のいずれかに記載の真空成型用シートと、前記真空成型用シートを積層する積層基材とを対向配置し、前記真空成型用シートにより積層基材側に第一の室を、反対側に第二の室を互いに気密に区画し、前記第一の室および前記第二の室を減圧し、かつ前記真空成型用シートを加熱軟化した後、前記真空成型用シートと前記積層基材とを接触させ、この後に前記第二の室の減圧を解除して前記第一の室と前記第二の室の差圧により前記真空成型用シートを積層基材の外表面に密着積層する真空成型方法。
11.前記1〜10のいずれかに記載の真空成型用シートと、マグネシウム基材またはアルミニウム基材とを真空成型により積層せしめてなることを特徴とする成型品。
12.前記マグネシウム基材の表面にリン酸塩表面処理が施されていることを特徴とする前記11に記載の成型品。
13.前記1〜10のいずれかに記載の真空成型用シートと、前記真空成型用シートを積層する積層基材とを対向配置し、前記真空成型用シートにより積層基材側に第一の室を、反対側に第二の室を互いに気密に区画し、前記第一の室および前記第二の室を減圧し、かつ前記真空成型用シートを加熱軟化した後、前記真空成型用シートと前記積層基材とを接触させ、この後に前記第二の室の減圧を解除して前記第一の室と前記第二の室の差圧により前記真空成型用シートを積層基材の外表面に密着積層する真空成型方法であって、
前記真空成型用シートと前記積層基材とを接触させる工程の際に、前記積層基材を60℃〜100℃に加温することを特徴とする真空成型方法。
14.前記積層基材が、マグネシウム基材またはアルミニウム基材であることを特徴とする前記13に記載の真空成型方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、表層フィルム(ア)の種類を特定するとともに、接着剤層(イ)における熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂の組成と、含窒素複素環化合物、タルクおよびポリイソシアネートの使用量とを特定の範囲に設定したので、真空成型性、初期タック性、初期密着性に優れ、さらに積層基材が、マグネシウムやアルミニウムなどの金属製基材においても、三次元被覆成型品での耐熱接着性(85℃×5日)に優れた真空成型用シートを提供することができる。また、本発明の真空成型用シートと、マグネシウム基材またはアルミニウム基材との真空成型品は、両者の密着性が良好である。とくに本発明の真空成型方法において、積層基材を60℃〜100℃に加温して両者を密着積層した場合、密着性をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の真空成型用シートの構成を説明するための断面図である。
【図2】本発明の真空成型用シートに好適に適用される真空成型方法の一例を説明するための図である。
【図3】本発明の真空成型用シートに好適に適用される真空成型方法の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明をさらに詳しく説明する。図1は、本発明の真空成型用シートの構成を説明するための断面図である。本発明の真空成型用シート1は、表層フィルム(ア)の下面に接着剤層(イ)を有し、必要に応じて、表層フィルム(ア)と接着剤層(イ)との間にバッカー層(ウ)を有する。
【0014】
表層フィルム(ア)
本発明における表層フィルム(ア)は、アクリル系樹脂フィルム(A)、二軸延伸共重合ポリエチレンテレフタレート系フィルム(B)、未延伸非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム(C)、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム(D)またはポリカーボネート系樹脂フィルム(E)である必要がある。これら以外のフィルムであると、本発明の効果を奏することができない。
【0015】
アクリル系樹脂フィルム(A)としては、例えばポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、あるいは(メタ)アクリレート単位とスチレン単位やウレタン構造を有する共重合体などからなるフィルムを挙げることができる。さらには、前記のアクリル系樹脂と熱可塑性ポリウレタン樹脂との混合樹脂、あるいは前記のアクリル系樹脂とアクリルゴムとの混合樹脂などを用いることもできる。本発明においては、前記のアクリル系樹脂、アクリル系樹脂と熱可塑性ポリウレタン樹脂との混合樹脂、アクリル系樹脂とアクリルゴムとの混合樹脂などを、例えばキャスティング法やカレンダー法などにより製膜することにより、無延伸アクリル系樹脂フィルムを得ることができる。本発明においては、アクリル系樹脂フィルムとして、前記の無延伸フィルムを用いてもよいし、延伸可能なアクリル系樹脂の場合は、従来公知の方法で一軸又は二軸延伸処理して得られた延伸フィルムを用いてもよい。
【0016】
二軸延伸共重合ポリエチレンテレフタレート系フィルム(B)とは、酸成分および/またはグリコール成分を2種類以上使用して得られる樹脂のフィルムであり、その例としては、ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール60〜90モル%とネオペンチルグリコール10〜40モル%であるネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ジカルボン酸成分がテレフタル酸60〜98モル%とイソフタル酸2〜40モル%であり、グリコール成分がエチレングリコールであるイソフタル酸共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂などを挙げることができる。
これらの中では、二軸延伸性、三次元成形性、ヘアライン加工性、エンボス加工性などの観点から、特にイソフタル酸共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂が好適である。
二軸延伸共重合ポリエチレンテレフタレート系フィルム(B)を得るには、公知のテンター法およびチューブ法などの製膜法を適用できる。
【0017】
未延伸非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム(C)としては、少なくとも酸成分としてテレフタル酸、グリコール成分としてエチレングリコールを用い、これらを反応させて得られる非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を公知の手段により製膜したものが挙げられる。
中でも、本発明の効果の点から、未延伸非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム(C)は、テレフタル酸からなる酸成分と、エチレングリコール60〜90モル%およびシクロヘキサンジメタノール10〜40モル%からなるグリコール成分(ただし、前記グリコール成分の合計は100モル%)とから構成された非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂のフィルムが好ましい。
【0018】
ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム(D)としては、公知の塩化ビニル系樹脂を主成分とする硬質、半硬質、又は軟質の組成物から製造されたフィルムをいずれも使用することができる。
【0019】
ポリカーボネート系樹脂フィルム(E)としては、二価フェノールとホスゲンを原料とし、界面重縮合法により得られるポリカーボネート系樹脂、あるいは二価フェノールとジフェニルカーボネートなどのカーボネート前駆体とを原料とし、エステル交換法により得られるポリカーボネート系樹脂のフィルムが挙げられる。
このポリカーボネート系樹脂としては、通常二価フェノールとして、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)を用いて得られる樹脂が使用される。また、二価フェノールとして、ビスフェノールAと2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(テトラブロモビスフェノールA)との混合物を用いて得られる難燃性ポリカーボネート系樹脂を使用することもできる。さらに、耐衝撃性および難燃性を向上させたポリカーボネート系樹脂として、ビスフェノールA系ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を使用することもできる。
【0020】
表層フィルム(ア)の厚さは、25μm〜250μmが好ましく、50μm〜150μmがさらに好ましい。
【0021】
接着剤層(イ)
本発明における接着剤層(イ)は、下記の熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂100質量部に、含窒素複素環化合物0.1〜5.0質量部およびタルク2〜15質量部を配合し、かつ該熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂に対しポリイソシアネート0.5〜2.0当量を配合し硬化したものである。
熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂:テレフタル酸40〜70モル%、およびセバシン酸30〜60モル%からなる酸成分(ただし、前記酸成分の合計は100モル%)と、1,4−ブタンジオール40〜90モル%およびエチレングリコール10〜60モル%からなるグリコール成分(ただし、前記グリコール成分の合計は100モル%)とから構成される。
【0022】
上記の酸成分のいずれか一つでも上記割合の範囲から外れてしまうと、初期タック性、初期密着性、耐熱接着性のすべてを同時に満足することができない。
【0023】
さらに好ましい熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂は、テレフタル酸 45〜65モル%、およびセバシン酸35〜55モル%からなる酸成分(ただし、前記酸成分の合計は100モル%)と、1,4−ブタンジオール50〜80モル%およびエチレングリコール20〜50モル%からなるグリコール成分(ただし、前記グリコール成分の合計は100モル%)とから構成される。
【0024】
また、熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂のピークトップ融点は、85〜115℃であるのが好ましい。この融点範囲であると、初期タック性、初期密着性、耐熱接着性のすべてを向上させる効果がある。
ピークトップ融点は、示差走査熱量計(DSC)を用い、測定試料をJIS K7122に準じ、毎分20℃の速度で昇温させたときに描かれる融解曲線におけるピークトップ位置を指す。
ピークトップ融点は、酸成分の配合割合を変更することにより調整することができる。
【0025】
本発明における接着剤層(イ)は、上記の熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂に、含窒素複素環化合物0.1〜5.0質量部およびタルク2〜15質量部を配合し、かつ該熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂に対しポリイソシアネート0.5〜2.0当量を配合し硬化したものである。
【0026】
含窒素複素環化合物としては、トリアゾール環を有する化合物、ピロール環を有する化合物、ピラゾール環を有する化合物、チアゾール環を有する化合物、イミダゾール環を有する化合物等が挙げられる。中でも、トリアゾール環を有する化合物であるトリアゾール系化合物またはイミダゾール環を有する化合物であるイミダゾール系化合物が、金属製積層基材、とくにマグネシウム基材との密着性を高める効果に優れ、好ましい。さらに好ましくは、トリアゾール系化合物が、ベンゾトリアゾール、イミダゾール系化合物がイミダゾールである形態である。
なお、本明細書において、オキサゾリン化合物は上記でいう含窒素複素環化合物には含まれないものとする。
含窒素複素環化合物は、金属製積層基材における金属、とくにマグネシウムとの錯体形成能に優れ、上記密着性を高めるものと推測される。
【0027】
タルクとしては、天然タルク、合成タルクまたは変性タルクのいずれであってもよく、その粒径は、例えば1〜10μmである。
タルクを添加することにより、接着剤層(イ)にかかる応力が分散され、面での接着性が高まり、接着強度が向上するという効果を奏する。タルクを添加しない場合は、接着剤層(イ)にかかる応力が一点集中し、界面破壊しやすく、接着強度が低下する。
【0028】
ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、トリジンジイソシネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添XDI、トリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネートメチルオクタン、リジンエステルトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等が挙げられる。なかでも、初期タック性、初期密着性、耐熱接着性が優れるという点で、ヘキサメチレンジイソシアネートが好ましく用いられる。
【0029】
本発明における接着剤層(イ)は、上記のように、熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂100質量部に、含窒素複素環化合物0.1〜5.0質量部およびタルク2〜15質量部を配合し、かつ該熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂に対しポリイソシアネート0.5〜2.0当量を配合し、硬化したものである。
含窒素複素環化合物が0.1質量部未満または5.0質量部超では、初期密着性および耐熱接着性が悪化する。
タルクが2質量部未満では、初期密着性および耐熱接着性が悪化し、逆に15質量部を超えると、耐熱接着性が悪化し、初期タック性、初期密着性も低下する傾向にある。
ポリイソシアネートが0.5当量未満では、耐熱接着性が悪化する。逆に2.0当量を超えると、初期タック性、初期密着性、耐熱接着性がいずれも悪化する。
なお本発明でいうポリイソシアネートの当量は、ポリイソシアネート中のNCO%と、熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂の水酸基価(KOHmg/g)から計算によって求めることができる。
【0030】
また本発明では、熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂100質量部に、含窒素複素環化合物0.5〜3.5質量部およびタルク5〜10質量部を配合し、かつ該熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂に対しポリイソシアネート0.8〜1.6当量を配合するのがさらに好ましい。
【0031】
また本発明の接着剤層(イ)において、熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂に、さらにカルボジイミド化合物またはオキサゾリン化合物0.5〜2.0当量を配合するのが、金属製積層基材、とくに表面にリン酸塩表面処理が施されたマグネシウム基材との密着性を高める効果に優れ、好ましい。
さらに好ましいカルボジイミド化合物またはオキサゾリン化合物の上記配合割合は、
0.7〜1.6当量である。
【0032】
カルボジイミド化合物としては、式−(N=C=N−R−)n−で表される化合物が挙げられる。
式中、nは1以上の整数を示し、Rは有機系結合単位を示す。例えば、Rは脂肪族、脂環族、芳香族のいずれかであることができる。また、nは、通常、1〜50の間で適当な整数が選択される。
【0033】
具体的には、ビス(ジプロピルフェニル)カルボジイミド、ポリ(4,4'−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)等、および、これらの単量体が、カルボジイミド化合物として挙げられる。これらのカルボジイミド化合物は、単独で使用しても、あるいは、2種以上組み合わせて使用してもよい。カルボジイミド化合物として市販されているものとしては、「カルボジライトシリーズ」(日清紡績株式会社製)等を好適に用いることができる。
【0034】
本発明に用いられるオキサゾリン化合物としては、1,2−エチレンビスオキサゾリン、2−シクロヘキシル−2−オキサゾリン、2−(2'−シクロヘキセニル)−2−オキサゾリン、2−オキサゾリン、2−メチル−2−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、2−イソプロピル−2−オキサゾリン、2−n−プロピル−2−オキサゾリン等が挙げられる。これらのオキサゾリン化合物は、単独で使用しても、あるいは、2種以上組み合わせて使用してもよい。また、上記オキサゾリン化合物の重合体であってもよい。オキサゾリン化合物として市販されているものとしては、「エポクロスシリーズ」(株式会社日本触媒製)等を好適に用いることができる。
なお本発明でいうカルボジイミド化合物およびオキサゾリン化合物の当量は、熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂のカルボキシル基の数に対する、カルボジイミド基またはオキサゾリン基の数から求めることができる。
【0035】
接着剤層(イ)の硬化後の厚さは、5μm〜50μmが好ましく、10μm〜40μmがさらに好ましい。
【0036】
また本発明では、表層フィルム(ア)と前記接着剤層(イ)との間にバッカー層(ウ)を設けることができる。バッカー層(ウ)の存在により、真空成型性が高まり好ましいものとなる。
【0037】
バッカー層(ウ)としては、とくに制限されないが、未延伸非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム(F)またはポリ塩化ビニル系樹脂フィルム(G)であることが、真空成型性の観点から好ましい。
【0038】
未延伸非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム(F)としては、テレフタル酸からなる酸成分と、エチレングリコール60〜90モル%およびシクロヘキサンジメタノール10〜40モル%からなるグリコール成分(ただし、前記グリコール成分の合計は100モル%)とから構成されるフィルムが好ましい。
また、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム(G)としては、公知の塩化ビニル系樹脂を主成分とする硬質、半硬質、又は軟質の組成物から製造されたフィルムをいずれも使用することができる。
【0039】
バッカー層(ウ)の厚さは、50μm〜300μmが好ましく、100μm〜200μmがさらに好ましい。
【0040】
本発明の真空成型用シートは、例えば次のようにして調製することができる。すなわち、熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂をメチルエチルケトンのような有機溶剤に溶解させ、そこに所定量の含窒素複素環化合物、タルクおよびポリイソシアネート化合物、必要に応じてカルボジイミド化合物またはオキサゾリン化合物を加え、塗料とし、該塗料を表層フィルム(ア)上に公知のコーティング法により塗布し、硬化させることにより調製することができる。
バッカー層(ウ)を設ける場合は、表層フィルム(ア)とバッカー層(ウ)とを例えば熱ラミネートあるいはドライラミネートによって積層させ、このバッカー層(ウ)上に、上記塗料を公知のコーティング法により塗布し、硬化させることにより調製することができる。
なお、表層フィルム(ア)、接着剤層(イ)、バッカー層(ウ)には、必要に応じて耐候剤、帯電防止剤、充填剤等の公知の添加剤を添加できることは勿論である。
【0041】
本発明の真空成型用シートを用いた真空成型は、とくにその方法を制限するものではないが、例えば上記特許文献1〜3に記載の方法によって成型するのが好ましい。すなわち、本発明の真空成型用シートと、前記真空成型用シートを積層する積層基材とを対向配置し、前記真空成型用シートにより積層基材側に第一の室を、反対側に第二の室を互いに気密に区画し、前記第一の室および前記第二の室を減圧し、かつ前記真空成型用シートを加熱軟化した後、前記真空成型用シートと前記積層基材とを接触させ、この後に前記第二の室の減圧を解除して前記第一の室と前記第二の室の差圧により前記真空成型用シートを積層基材の外表面に密着積層する真空成型方法である。当該方法は公知であるので、以下、簡単に説明する。
【0042】
図2は、上記真空成型方法の一例を説明するための図である。
図2に示すように、真空成型機内で真空成型用シート10と積層基材12とを、接着剤層(イ)が積層基材12と接するように対向配置し、真空成型用シート10により積層基材側に第一の室14を、反対側に第二の室16を互いに気密に区画する。続いて、第一の室14および第二の室16を真空ポンプ18により減圧し、かつ、真空成型用シート10を加熱軟化させる。加熱軟化は、ヒータ20を点灯することにより行なう。
次に図3に示すように、駆動装置22によって第一の室14内のテーブル24を上昇させ、真空成型用シート10と積層基材12とを接触させる。次に、第二の室16の減圧を解除して第一の室14と第二の室16の差圧により前記真空成型用シートを積層基材の外表面に密着積層し、成型品を得る。その後、駆動装置26によって真空成型機を開放し、成型品を取り出す。
【0043】
上記積層基材としては、本発明では、金属製基材、とくにマグネシウム基材またはアルミニウム基材が、密着性の点で好ましい。
また本発明によれば、真空成型用シートと積層基材とを接触させる工程の際に、積層基材を60℃〜100℃、好ましくは70〜90℃に加温することにより、真空成型用シートと積層基材との密着性をさらに高めることができる。とくにこの効果は、マグネシウム基材またはアルミニウム基材を使用したときにさらに高まる。
なお、本発明の真空成型用シートと積層基材との真空成型は、上記方法に限定されるものではない。
【実施例】
【0044】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0045】
実施例1
熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂の合成
得られる樹脂が下記表1の樹脂構成(1)を有するように、酸成分として、テレフタル酸、セバシン酸、グリコール成分として、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールを適当量配合し、触媒(テトラブチルチタネート)の存在下、加熱し、熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂(以下、単に共重合ポリエステル樹脂ということがある)を合成した。なお、熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂における上記4種のモノマー組成は、NMRにより確認した。NMRの確認は、以下の実施例および比較例でも行った。
【0046】
接着剤層(イ)形成用塗料の調製
上記で得られた熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂を溶剤(メチルエチルケトン)に溶解し、固形分30質量%の塗料とした。この塗料に含窒素複素環化合物(1)((株)スリーボンド製ベンゾトリアゾール)、タルク(日本タルク(株)製、P−6、粒子径D50=4.0μm)、カルボジイミド化合物(日清紡績(株)製、カルボジライトV−03)、ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製、「コロネートHX」(ヘキサメチレンジイソシアネート)、固形分100%)を表1に記載の量で加え、接着剤層(イ)形成用塗料とした。
【0047】
真空成型用シートの調製
表層フィルム(ア)として、アクリル樹脂フィルム(1)(住友化学工業(株)製、「テクノロイS001」、ポリメタクリル酸メチル、厚さ50μm、引張弾性率1300MPa、鉛筆硬度 H)を用いた。
またバッカー層(ウ)として、PET−G(1)(リケンテクノス(株)製、製品名「SET470、FZ25871」、未延伸非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム、テレフタル酸からなる酸成分と、エチレングリコール70モル%およびシクロヘキサンジメタノール30モル%からなるグリコール成分とから構成される。厚さ150μm)を用いた。
表層フィルム(ア)とバッカー層(ウ)との積層は、熱ラミネートにより行なった。
また、バッカー層(ウ)上に、上記接着剤層(イ)形成用塗料を、ナイフコーターによりコーティングし、硬化後の厚さを20μmとした。
【0048】
真空成型
図2〜3に示した真空成型法により、真空成型を行なった。成型時の表層フィルム(ア)の表面温度(成型温度)を表1に示した。また、積層基材としては、Mg(1)(マグネシウム筐体、リン酸表面処理(化成処理)済み。真空成型時、真空成型用シートとマグネシウム筐体とを接触させる工程の際に、マグネシウム筐体を70℃に加温した)を用いた。
なお以下の実施例および比較例において、筐体のサイズは、いずれも高さ5mm、奥行200mm、幅280mmの矩形である。
【0049】
評価
以下の評価を行なった。
真空成型性:布施真空(株)製 NGF−0912型 両面真空成形機により、真空成型性を評価した。
◎: 基材形状への追従性が良好で、端部巻き込み性も良好である。
○: 基材形状への追従性は良好であるが、端部巻き込み性が甘い。
△: 基材形状への追従性および端部巻き込み性が甘く、浮きが見られる場合がある。
×: シートの破れが発生し、十分に成形ができない。
初期タック性:硬化後の接着層面に指を強く押し当ててから剥離する際の感覚により、初期タック性を評価した。
○: べたつき感がある。
△: 多少のべたつきを感じる。
×: 全くべたつきがない。
初期密着性:真空成形直後にシートの強制剥離を行うことにより、初期密着性を評価した。
◎: シート材破となる。
○: シートが伸ばされながら剥離する。
△: シートが伸ばされずに多少の剥離抵抗を保ちながら剥離する。
×: シートが伸ばされずに十分な剥離抵抗がないまま剥離する。
耐熱接着性(85℃×5日間):
真空成形品を85℃に設定したギアオーブン中に5日間放置した後、膨れおよび端部の剥離の確認を行い、かつ、シートの強制剥離を行うことにより、耐熱接着性を評価した。
◎: 膨れおよび端部の剥離もなく、かつ、強制剥離でシート材破となる。
○: 膨れおよび端部の剥離もなく、かつ、強制剥離でシートが伸ばされながら剥離する。
△: わずかに膨れあるいは端部の剥離が認められ、かつ、強制剥離でシートが伸ばされずに多少の剥離抵抗を保ちながら剥離する。
×: 明らかに膨れあるいは端部の剥離が認められる、または、強制剥離でシートが十分な剥離抵抗がないまま剥離する。
【0050】
結果を表1に示す。
【0051】
実施例2
実施例1において、バッカー層(ウ)として、PVC(1)(リケンテクノス(株)製、製品名「S12040、FC13477」、ポリ塩化ビニル樹脂、厚さ150μm)を用い、表1に示す成型温度で真空成型を行なったこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表1に示す。
【0052】
実施例3
実施例1において、表層フィルム(ア)として、共重合PET(1)(帝人デュポンフィルム(株)製、テフレックスFT、酸成分として、テレフタル酸、およびナフタレンジカルボン酸、グリコール成分としてエチレングリコールからなる二軸延伸共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム、厚さ50μm)を用い、表1に示す成型温度で真空成型を行なったこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表1に示す。
【0053】
実施例4
実施例1において、表層フィルム(ア)として、PC(1)(旭硝子製、商品名 レキサンフィルム8010、112クリア、ポリカーボネートフィルム、厚さ100μm)を用い、表1に示す成型温度で真空成型を行なったこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表1に示す。
【0054】
実施例5
実施例1において、表層フィルム(ア)として、PET−G(2)(リケンテクノス(株)製、商品名 SET241 FZ025、未延伸非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム、テレフタル酸からなる酸成分と、エチレングリコール70モル%およびシクロヘキサンジメタノール30モル%からなるグリコール成分とから構成される。厚さ100μm)を用い、かつ積層基材としてAl(1)(アルミニウム筐体。化成処理なし。真空成型時、真空成型用シートとアルミニウム筐体とを接触させる工程の際に、アルミニウム筐体を70℃に加温した)を用い、表1に示す成型温度で真空成型を行なったこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表1に示す。
【0055】
実施例6〜9
実施例1において、バッカー層(ウ)を設けずに、表層フィルム(ア)、積層基材、成型温度を表2に示す様に変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表2に示す。
なお表2において、アクリル(2)とは、住友化学工業(株)製、商品名 テクノロイ S001、アクリル樹脂フィルム、厚さ125μmである。
PET−G(3)とは、リケンテクノス(株)製、商品名 SET329 FZ93266、未延伸非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム、テレフタル酸からなる酸成分と、エチレングリコール70モル%およびシクロヘキサンジメタノール30モル%からなるグリコール成分とから構成され、厚さ150μmである。
PVC(2)とは、リケンテクノス(株)製、商品名 S12138 FC25847、ポリ塩化ビニル樹脂フィルム、厚さ150μmである。
PC(2)とは、旭硝子製、商品名 レキサンフィルムFR765 黒、ポリカーボネート樹脂フィルム、厚さ180μmである。
【0056】
実施例10〜13
実施例1において、樹脂構成(1)の替わりに、表3に示す樹脂構成(2)〜(5)を採用したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表3に示す。
【0057】
実施例14〜20
実施例1において、含窒素複素環化合物の量または種類を、表4および表5に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表4および表5に示す。
なお、含窒素複素環化合物(2)とは、(株)スリーボンド製、トリルトリアゾールである。
含窒素複素環化合物(3)とは、日本合成化学工業(株)製、 イミダゾールである。
含窒素複素環化合物(4)とは、四国化成製、2−フェニルイミダゾールである。
含窒素複素環化合物(5)とは、ダイセル化学工業(株)製、ピリジンである。
【0058】
実施例21〜22
実施例1において、タルクの配合割合を表6に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表6に示す。
【0059】
実施例23
実施例1において、カルボジイミド化合物の替わりに、オキサゾリン化合物を1.2当量使用したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表6に示す。
なお、オキサゾリン化合物としては、(株)日本触媒製 エポクロス WS−500を使用した。
【0060】
実施例24〜25
実施例1において、カルボジイミド化合物の配合割合を表6に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表6に示す。
【0061】
実施例26〜27
実施例1において、ポリイソシアネートの配合割合を表7に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表7に示す。
【0062】
実施例28
実施例1において、バッカー層(ウ)として、A−PET(1)を用いたこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表7に示す。
なお、A−PET(1)とは、帝人化成製、商品名 A−PETシート 一般タイプ、化合物名 無延伸ポリエチレンテレフタレートシート、厚さ150μmである。
【0063】
実施例29
実施例7において、表層フィルム(ア)としてA−PET(2)を用いたこと以外は、実施例7を繰り返した。結果を表7に示す。
なお、A−PET(2)とは、帝人化成製、商品名A−PETシート 黒、化合物名 無延伸ポリエチレンテレフタレートシート、厚さ150μmである。
【0064】
実施例30〜33
実施例1において、積層基材を表8に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表8に示す。
なお、Mg(2)〜(5)は以下の通りである。
Mg(2):マグネシウム筐体、リン酸表面処理(化成処理)済み。真空成型時、真空成型用シートとマグネシウム筐体とを接触させる工程の際に、マグネシウム筐体の加温は行なっていない。
Mg(3):マグネシウム筐体、リン酸表面処理(化成処理)済み。真空成型時、真空成型用シートとマグネシウム筐体とを接触させる工程の際に、マグネシウム筐体を55℃に加温した。
Mg(4):マグネシウム筐体、リン酸表面処理(化成処理)済み。真空成型時、真空成型用シートとマグネシウム筐体とを接触させる工程の際に、マグネシウム筐体を65℃に加温した。
Mg(5):マグネシウム筐体、リン酸表面処理(化成処理)済み。真空成型時、真空成型用シートとマグネシウム筐体とを接触させる工程の際に、マグネシウム筐体を90℃に加温した。
【0065】
実施例34
実施例5において、積層基材をAl(2)(アルミニウム筐体。化成処理なし。真空成型時、真空成型用シートとアルミニウム筐体とを接触させる工程の際に、アルミニウム筐体の加温は行なっていない)表8に示すように変更したこと以外は、実施例5を繰り返した。結果を表8に示す。
【0066】
比較例1
実施例1において、表層フィルム(ア)として二軸PET(1)(ユニチカ(株)製、商品名 エンブレットS50、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ50μm)を使用し、成型温度を表9に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表9に示す。
【0067】
比較例2
実施例1において、バッカー層(ウ)を設けずに、表層フィルム(ア)としてPBT(1)(ポリブチレンテレフタレート樹脂〔東レ(株)製、商品名 トレコン1200S〕を600mm幅のTダイを装着した40mm押出機〔(株)池貝製〕で、エンボスパターン200メッシュ、温度条件はシリンダー温度270℃、ダイス温度270℃、製膜速度10m/minで厚さ100μmに製膜した)を使用し、成型温度を表9に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表9に示す。
【0068】
比較例3〜5
実施例1において、樹脂構成(1)の替わりに、表9に示す樹脂構成(6)〜(8)を採用したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表9に示す。
【0069】
比較例6〜7
実施例1において、含窒素複素環化合物(1)の配合割合を表10に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表10に示す。
【0070】
比較例8〜9
実施例1において、タルクの配合割合を表10に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表10に示す。
【0071】
比較例10〜11
実施例1において、ポリイソシアネートの配合割合を表11に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表11に示す。
【0072】
比較例12
実施例1において、接着剤層(イ)を、粘着剤(1)に変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表11に示す。
なお、粘着剤(1)とは、ビックテクノス(株)製、商品名 リキダイン AR−2037 、塗料組成:アクリル酸エステル共重合体である。
【0073】
【表1】

【0074】
【表2】

【0075】
【表3】

【0076】
【表4】

【0077】
【表5】

【0078】
【表6】

【0079】
【表7】

【0080】
【表8】

【0081】
【表9】

【0082】
【表10】

【0083】
【表11】

【0084】
表1〜11の結果から、以下の事項が導き出される。
・実施例1は、表層フィルム(ア)の種類を特定するとともに、接着剤層(イ)における熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂の組成と、含窒素複素環化合物、タルクおよびポリイソシアネートの使用量とを特定の範囲に設定したので、真空成型性、初期タック性、初期密着性に優れ、さらに積層基材が、マグネシウムのような金属製基材においても、三次元被覆成型品での耐熱接着性(85℃×5日)に優れた真空成型用シートを提供することができた。また、バッカー層(ウ)を設けたことにより、真空成型性を向上させることができた。
・実施例2は、バッカー層(ウ)をPVC(1)にした例で、実施例1と同様の性能を示した。
・実施例3は、表層フィルム(ア)を共重合PET(1)にした例で、実施例1と同様の性能を示した。
・実施例4は、表層フィルム(ア)をPC(1)にした例で、実施例1と同様の性能を示した。
・実施例5は、表層フィルム(ア)をPET−G(2)にし、積層基材をAl(1)にした例で、実施例1と同様の性能を示した。
・実施例6は、表層フィルム(ア)をアクリル(2)にして、バッカー層(ウ)を設けなかった例で、真空成型性が○評価であったこと以外、実施例1と同様の性能を示した。
・実施例7は、表層フィルム(ア)をPET−G(3)にして、バッカー層(ウ)を設けなかった例で、真空成型性が○評価であったこと以外、実施例1と同様の性能を示した。
・実施例8は、表層フィルム(ア)をPVC(2)にして、バッカー層(ウ)を設けず、積層基材をAl(1)にした例で、真空成型性が○評価であったこと以外、実施例1と同様の性能を示した。
・実施例9は、表層フィルム(ア)をPC(2)にして、バッカー層(ウ)を設けなかった例で、真空成型性が○評価であったこと以外、実施例1と同様の性能を示した。
・実施例10は、共重合ポリエステル樹脂を樹脂構成(2)にした例で、実施例1と同様の性能を示した。
・実施例11は、共重合ポリエステル樹脂を樹脂構成(3)にした例で、耐熱接着性(85℃×5日)が△評価になった。それ以外は実施例1と同様の性能を示した。
・実施例12は、共重合ポリエステル樹脂を樹脂構成(4)にした例で、初期タック性、初期密着性が△評価、耐熱性(85℃×5日)が○評価になった。それ以外は実施例1と同様の性能を示した。
・実施例13は、共重合ポリエステル樹脂を樹脂構成(5)にした例で、実施例1と同様の性能を示した。
・実施例14は、含窒素複素環化合物(1)の配合割合を0.2質量部にした例で、初期密着性、耐熱接着性(85℃×5日)が△評価になった。それ以外は実施例1と同様の性能を示した。
・実施例15は、含窒素複素環化合物(1)の配合割合を1.0質量部にした例で、初期密着性、耐熱接着性(85℃×5日)が○評価になった。それ以外は実施例1と同様の性能を示した。
・実施例16は、含窒素複素環化合物(1)の配合割合を4.5質量部にした例で、初期密着性、耐熱接着性(85℃×5日)が△評価になった。それ以外は実施例1と同様の性能を示した。
・実施例17は、含窒素複素環化合物(2)を使用した例で、初期密着性、耐熱接着性(85℃×5日)が○評価になった。それ以外は実施例1と同様の性能を示した。
・実施例18は、含窒素複素環化合物(3)を使用した例で、実施例1と同様の性能を示した。
・実施例19は、含窒素複素環化合物(4)を使用した例で、初期密着性、耐熱接着性(85℃×5日)が○評価になった。それ以外は実施例1と同様の性能を示した。
・実施例20は、含窒素複素環化合物(5)を使用した例で、初期密着性、耐熱接着性(85℃×5日)が△評価になった。それ以外は実施例1と同様の性能を示した。
・実施例21は、タルクの配合割合を3質量部にした例で、初期密着性、耐熱接着性(85℃×5日)が△評価になった。それ以外は実施例1と同様の性能を示した。
・実施例22は、タルクの配合割合を13質量部にした例で、初期タック性、耐熱接着性(85℃×5日)が△評価になった。それ以外は実施例1と同様の性能を示した。
・実施例23は、カルボジイミド化合物の代わりにオキサゾリン化合物を使用した例で、実施例1と同様の性能を示した。
・実施例24は、カルボジイミド化合物の配合割合を0.3当量にした例で、初期密着性、耐熱接着性(85℃×5日)が○評価になった。それ以外は実施例1と同様の性能を示した。
・実施例25は、カルボジイミド化合物の配合割合を2.2当量にした例で、初期密着性、耐熱接着性(85℃×5日)が○評価になった。それ以外は実施例1と同様の性能を示した。
・実施例26は、ポリイソシアネートの配合割合を0.7当量にした例で、耐熱接着性(85℃×5日)が△評価になった。それ以外は実施例1と同様の性能を示した。
・実施例27は、ポリイソシアネートの配合割合を1.8当量にした例で、初期タック性、初期密着性、耐熱接着性(85℃×5日)が△評価になった。それ以外は実施例1と同様の性能を示した。
・実施例28は、バッカー層(ウ)にA−PET(1)を使用した例で、真空成型性、耐熱接着性(85℃×5日)が△評価になった。それ以外は実施例1と同様の性能を示した。
・実施例29は、表層フィルム(ア)にA−PET(2)を使用し、バッカー層(ウ)を設けなかった例で、真空成型性、耐熱接着性(85℃×5日)が△評価になった。それ以外は実施例1と同様の性能を示した。
・実施例30は、基材をMg(2)にした例で、初期密着性、耐熱接着性(85℃×5日)が△評価になった。それ以外は実施例1と同様の性能を示した。
・実施例31は、基材をMg(3)にした例で、初期密着性、耐熱接着性(85℃×5日)が○評価になった。それ以外は実施例1と同様の性能を示した。
・実施例32は、基材をMg(4)にした例で、実施例1と同様の性能を示した。
・実施例33は、基材をMg(5)にした例で、実施例1と同様の性能を示した。
・実施例34は、基材をAl(2)にした例で、初期密着性、耐熱接着性(85℃×5日)が△評価になった。それ以外は実施例1と同様の性能を示した。
【0085】
・比較例1は、表層フィルム(ア)を二軸PET(1)にした例で、本発明の範囲外であるため、真空成型性、初期密着性、耐熱接着性(85℃×5日)が×評価になった。
・比較例2は、表層フィルム(ア)をPBT(1)にして、バッカー層(ウ)を設けなかった例で、本発明の範囲外であるため、真空成型性、初期密着性、耐熱接着性(85℃×5日)が×評価になった。
・比較例3は、共重合ポリエステル樹脂を樹脂構成(6)にした例で、本発明の範囲外であるため、耐熱接着性(85℃×5日)が×評価になった。
・比較例4は、共重合ポリエステル樹脂を樹脂構成(7)にした例で、本発明の範囲外であるため、初期タック性、初期密着性、耐熱接着性(85℃×5日)が×評価になった。
・比較例5は、共重合ポリエステル樹脂を樹脂構成(8)にした例で、本発明の範囲外であるため、耐熱接着性(85℃×5日)が×評価になった。
・比較例6は、含窒素複素環化合物(1)の配合割合を0.05質量部にした例で、本発明の範囲外であるため、初期密着性、耐熱接着性(85℃×5日)が×評価になった。
・比較例7は、含窒素複素環化合物(1)の配合割合を5.5質量部にした例で、本発明の範囲外であるため、初期密着性、耐熱接着性(85℃×5日)が×評価になった。
・比較例8は、タルクの配合割合を1質量部にした例で、本発明の範囲外であるため、初期密着性、耐熱接着性(85℃×5日)が×評価になった。
・比較例9は、タルクの配合割合を17質量部にした例で、本発明の範囲外であるため、初期タック性、初期密着性が△評価、耐熱接着性(85℃×5日)が×評価になった。
・比較例10は、ポリイソシアネ−トの配合割合を0.3当量にした例で、本発明の範囲外であるため、耐熱接着性(85℃×5日)が×評価になった。
・比較例11は、ポリイソシアネ−トの配合割合を2.2当量にした例で、本発明の範囲外であるため、初期タック性、初期密着性、耐熱接着性(85℃×5日)が×評価になった。
・比較例12は、接着剤層(イ)に粘着剤(1)を使用した例で、本発明の範囲外であるため、耐熱接着性(85℃×5日)が×評価になった。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明の真空成型用シートは、家電製品用途、自動車内装用途等の三次元被覆成型品を得るのに有用である。
【符号の説明】
【0087】
1 真空成型用シート
ア 表層フィルム
イ 接着剤層
ウ バッカー層
10 真空成型用シート
12 積層基材
14 第一の室
16 第二の室
18 真空ポンプ
20 ヒータ
22,26 駆動装置
24 テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表層フィルム(ア)の下面に接着剤層(イ)を有する真空成型用シートであって、
前記表層フィルム(ア)が、アクリル系樹脂フィルム(A)、二軸延伸共重合ポリエチレンテレフタレート系フィルム(B)、未延伸非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム(C)、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム(D)またはポリカーボネート系樹脂フィルム(E)であり、かつ
前記接着剤層(イ)が、下記の熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂100質量部に、含窒素複素環化合物0.1〜5.0質量部およびタルク2〜15質量部を配合し、かつ該熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂に対しポリイソシアネート0.5〜2.0当量を配合し硬化したものであることを特徴とする真空成型用シート。
熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂:テレフタル酸40〜70モル%、およびセバシン酸30〜60モル%からなる酸成分(ただし、前記酸成分の合計は100モル%)と、1,4−ブタンジオール40〜90モル%およびエチレングリコール10〜60モル%からなるグリコール成分(ただし、前記グリコール成分の合計は100モル%)とから構成される。
【請求項2】
前記熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂のピークトップ融点が、85〜115℃であることを特徴とする請求項1に記載の真空成型用シート。
【請求項3】
前記表層フィルム(ア)と前記接着剤層(イ)との間にバッカー層(ウ)を有することを特徴とする請求項1または2に記載の真空成型用シート。
【請求項4】
前記バッカー層(ウ)が、未延伸非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム(F)またはポリ塩化ビニル系樹脂フィルム(G)であることを特徴とする請求項3に記載の真空成型用シート。
【請求項5】
前記接着剤層(イ)が、前記熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂に、さらにカルボジイミド化合物またはオキサゾリン化合物0.5〜2.0当量を配合したものであることを特徴とする請求項1に記載の真空成型用シート。
【請求項6】
前記含窒素複素環化合物が、トリアゾール系化合物またはイミダゾール系化合物であることを特徴とする請求項1に記載の真空成型用シート。
【請求項7】
前記トリアゾール系化合物が、ベンゾトリアゾールであり、前記イミダゾール系化合物が、イミダゾールであることを特徴とする請求項6に記載の真空成型用シート。
【請求項8】
前記未延伸非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム(C)が、テレフタル酸からなる酸成分と、エチレングリコール60〜90モル%およびシクロヘキサンジメタノール10〜40モル%からなるグリコール成分(ただし、前記グリコール成分の合計は100モル%)とから構成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の真空成型用シート。
【請求項9】
前記未延伸非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム(F)が、テレフタル酸からなる酸成分と、エチレングリコール60〜90モル%およびシクロヘキサンジメタノール10〜40モル%からなるグリコール成分(ただし、前記グリコール成分の合計は100モル%)とから構成されることを特徴とする請求項4に記載の真空成型用シート。
【請求項10】
下記の真空成型方法により真空成型を行なうために用いられる、請求項1〜9のいずれかに記載の真空成型用シート。
真空成型方法:請求項1〜9のいずれかに記載の真空成型用シートと、前記真空成型用シートを積層する積層基材とを対向配置し、前記真空成型用シートにより積層基材側に第一の室を、反対側に第二の室を互いに気密に区画し、前記第一の室および前記第二の室を減圧し、かつ前記真空成型用シートを加熱軟化した後、前記真空成型用シートと前記積層基材とを接触させ、この後に前記第二の室の減圧を解除して前記第一の室と前記第二の室の差圧により前記真空成型用シートを積層基材の外表面に密着積層する真空成型方法。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の真空成型用シートと、マグネシウム基材またはアルミニウム基材とを真空成型により積層せしめてなることを特徴とする成型品。
【請求項12】
前記マグネシウム基材の表面にリン酸塩表面処理が施されていることを特徴とする請求項11に記載の成型品。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれかに記載の真空成型用シートと、前記真空成型用シートを積層する積層基材とを対向配置し、前記真空成型用シートにより積層基材側に第一の室を、反対側に第二の室を互いに気密に区画し、前記第一の室および前記第二の室を減圧し、かつ前記真空成型用シートを加熱軟化した後、前記真空成型用シートと前記積層基材とを接触させ、この後に前記第二の室の減圧を解除して前記第一の室と前記第二の室の差圧により前記真空成型用シートを積層基材の外表面に密着積層する真空成型方法であって、
前記真空成型用シートと前記積層基材とを接触させる工程の際に、前記積層基材を60℃〜100℃に加温することを特徴とする真空成型方法。
【請求項14】
前記積層基材が、マグネシウム基材またはアルミニウム基材であることを特徴とする請求項13に記載の真空成型方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−253740(P2010−253740A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−104667(P2009−104667)
【出願日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(000250384)リケンテクノス株式会社 (236)
【Fターム(参考)】