真空電子装置用の高電圧直流接続部
【課題】真空電子装置への高電圧直流接続部を提供する。
【解決手段】真空電子装置(VED)への高電圧直流接続部は、(a)第1のVED接続側端部を備えた第1の中空筒体から成る外側陰極ラインと、(b)外側陰極ライン内に着脱自在に配置され、ヒータ接点及び第1のVED接続端部に向かって延びる第1のねじ山付きステムを備えた接点ブロックと、(c)第1の中空筒体内に着脱自在に配置され、接点ブロックと接触する内側陰極ラインを更に有し、内側陰極ラインは第2の中空筒体及び第1のねじ山付きステムを着脱自在に受け入れる開口部が設けられた支持プレートを備え、(d)ヒータ接点と接触するヒータ接点ラインを更に有し、ヒータ接点ラインは、第3の中空筒体及びその外部に設けられたフランジを備え、フランジは支持プレートと接触し、第3の中空筒体は第1のねじ山付きステムと着脱自在に結合される。
【解決手段】真空電子装置(VED)への高電圧直流接続部は、(a)第1のVED接続側端部を備えた第1の中空筒体から成る外側陰極ラインと、(b)外側陰極ライン内に着脱自在に配置され、ヒータ接点及び第1のVED接続端部に向かって延びる第1のねじ山付きステムを備えた接点ブロックと、(c)第1の中空筒体内に着脱自在に配置され、接点ブロックと接触する内側陰極ラインを更に有し、内側陰極ラインは第2の中空筒体及び第1のねじ山付きステムを着脱自在に受け入れる開口部が設けられた支持プレートを備え、(d)ヒータ接点と接触するヒータ接点ラインを更に有し、ヒータ接点ラインは、第3の中空筒体及びその外部に設けられたフランジを備え、フランジは支持プレートと接触し、第3の中空筒体は第1のねじ山付きステムと着脱自在に結合される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空電子装置(VED)に関する。特に、本発明は、テレビジョン放送においてVED、例えばクライストロード(Klystrodes)、誘導出力管(IOT)とを用いる高出力RF(無線周波数)増幅器用の入力回路に関する。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2000年2月7日にウィルソン・ダブリュー・トイ氏、クリストファー・イエーツ氏、ポール・クルゼミンスキー氏、ロバート・エヌ・トーノー氏、エドモンド・ティー・デイビス氏の名義で出願され、コミュニケーション・アンド・パワー・インダストリーズ(Communication and Power Industries)のデラウェア・コーポレイション(Delaware Corporation)に譲渡された米国仮特許出願第60/180,798号の権益主張出願である。
【背景技術】
【0003】
真空管増幅器は一般に入力回路を有し、入力回路は3つの主要な構成要素、即ち、エンクロージャ、入力共振器及びソケットを含む。エンクロージャは、ソケット及び高電圧接続又は結線が施された入力共振器を収容している。エンクロージャは、入力回路を収容するだけでなく、その機能としてRFコンパートメント内に無線周波数(RF)エネルギを封じ込めることにもある。
【0004】
IOTは寿命が制限されているので、時々交換する必要がある。既存のIOTを利用した設計方式の増幅器は一般に、VED交換のために送信機から増幅器入力回路を完全に取り外す必要がある。この手順は厄介であり都合の悪い場合がある。真空管の交換中、ソケット内の電気接点フィンガが、不正確な位置合わせにより容易に損傷する場合がある。接点フィンガが損傷すると、RFエネルギは増幅器から漏れ出る場合がある。RFエネルギの漏れは又、配線及び構成部品に損傷を及ぼす場合のある相当多量の熱又はアークを生じさせる場合がある。加うるに、位置合わせ不良により、電磁干渉(EMI)ガスケット上への不適当な着座又は設置により増幅器エンクロージャからのRFエネルギの漏れも生じる場合がある。
【0005】
たとえ入力回路が適正に設置されても、高電圧導線は、入力RFのうち望ましくないほどの割合を送信機の計装類内へ結合する場合がある。空間的な制約に起因して、エンクロージャにフェライト類(フィルタ部品、チョーク及びボビン)を一緒に入れることによりエンクロージャ内のRF信号を隔離することは困難である。その結果、末端使用者は現在のところ、かかるRF隔離部品を送信機の出力回路内に配置している。同一カバーの下にRF部品と高電圧部品を組み合わせることができるにもかかわらず、空間的な制約により、製品を改良できる度合には限度がある。RF隔離とは別に、高電圧碍子に関する問題により、迅速且つ容易に接近できる接続箱を組み込むことは困難である。
【0006】
図1は、従来技術によるVEDを用いる増幅器の従来型入力回路及びエンクロージャの斜視外観図である。エンクロージャカバー10が、VED(図示せず)への無線周波数(RF)接続部及び高電圧接続部を収納している。トリー12及びブランチ14を含む空気分配システムが、カバー10から別個のエントリー16を介してVEDエンクロージャにアクセスしている。
【0007】
図2は、従来技術のVED用の入力共振器及びソケットの断面図である。入力共振器は、並列LC回路を有している。インダクタンスが、陰極ライン21とグリッドライン24との間に配置された短絡ピン(図示せず)によってもたらされる。キャパシタンスは、VED内に配置された陰極及びグリッド構造(図示せず)によってもたらされる。入力共振器は、構造体の並列回路共振周波数がVEDの動作搬送周波数とマッチするように容量同調される。陰極ライン21及びグリッドライン24は又、ソケットコレットとしても役立ち、これらソケットコレットは、VED(図示せず)上の対応関係をなす表面に取り付けられる。コレットは、入力RFエネルギをVEDの入力部分に伝える。加うるに、陰極ラインは、DCビーム電圧をVEDの陰極に送る。グリッドラインは、バイアス電圧をVEDのグリッドに分配する。ソケットは又、ヒータコレット25とバック−イオン(vac-ion )接点31で構成されている。ヒータコレットは、DC電圧をVEDに送って高温でVEDの陰極(図示せず)が動作するのに必要な電力を生じさせる。バック−イオン接点は、VED上に設けられた付属真空ポンプ(図示せず)を動作させるのに必要なDC電圧を生じさせる。
【0008】
作用を説明すると、交流RF電圧を陰極ライン21とグリッドライン24との間に印加する。入力RF電圧は、VED(図示せず)の入力部分に伝わり、RF電圧をVEDのグリッドと陰極(図示せず)との間に生じさせる。VEDの陰極は、電子を放出し、その結果、束になった(密度変調)電子ビームが生じる。高DCビーム電圧で動作する陽極構造(図示せず)が、束になったビームを陽極のアパーチュアを通って加速させる。
【0009】
ヒータコレット25は、陰極ライン21,22を昇温させると、陰極ライン21,22にC形クリップ26を介して保持される。取付けねじが、ヒータコレット25を高電圧絶縁体に当接保持する。ヒータコレット25を保守のために取り外す必要がある場合、取付けねじ27をC形クリップ26と一緒に取り外す必要がある。したがって、ユーザがヒータラインを収容したRFソケットの部品を交換する必要がある場合、RFソケット全体を完全に取り外す必要がある。かかる部品は、組立ての際又はRFソケットの取付けの際、容易に損傷する場合がある。
【0010】
したがって、RFの漏れを阻止するEMIガスケットを備えたVEDのための良好な着座又は設置位置合わせ、分解組立てが容易な機構、RF隔離手段を備えた適正な冷却システム及び容易なソケットインタフェースを可能にする高出力RF増幅器用改良型入力回路が要望されている。
【0011】
〔発明の概要〕
真空電子装置(VED)エンクロージャ用の自動案内カバー組立体が、カバーと、1対の案内プレートと、1対の案内要素とを有する。カバーは、頂部と、側壁と、内部と、外部と、カバーの内部に取り付けられていて、VEDと嵌合する少なくとも1つの電気コネクタとを有する。1対の案内プレートは、カバーの側壁の外部の互いに反対側の側部に取り付けられている。案内プレートは各々、軌道を有する。1対の案内要素は、カバーの側壁の外部の互いに反対側の側部に取り付けられている。1対の案内要素は各々、軌道と嵌合する。カバーは、VEDをベース付きのVEDエンクロージャ内へ設置するブリーチロック機構を更に有する。ブリーチロック機構は、VEDに取り付けられた案内要素を有する。第1のスリーブが、ベースに取り付けられていて、VEDを着脱自在に受け入れている。第2のスリーブが、ベースに取り付けられていて、第1のスリーブを着脱自在に受け入れている。第2のスリーブは、案内要素と嵌合する軌道を有している。第2のスリーブの回転により、VEDは、ベース内へ引き入れられて設置される。
本明細書に添付された図面は、本発明の1以上の実施形態を図示していて、本明細書と一緒になって本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0012】
〔好ましい実施形態の詳細な説明〕
本発明の実施形態を、真空電子装置を用いる高出力RF増幅器と関連して説明する。当業者であれば、本発明の以下の説明は例示であって、いかなる点においても本発明を限定するものではないということは理解されよう。当業者であれば、本発明の他の実施形態を本願の開示内容から容易に想到できよう。今、添付の図面に示されているような本発明の具体的構成例を参照して詳細に説明する。図中及び以下の説明において同一の符号は同一又は類似の部分を示している。
【0013】
分かりやすくすることを考慮して、本明細書で説明する具体的構成例の公知の特徴のうち全てを説明するわけではない。当然のことながら、かかる実際の具体的構成例の開発にあたり、多くの具体的構成例に特有の設計変更を行なって開発者の特定の目的、例えば、システム及びビジネスに関連した目的との適合性を達成する必要があり、これら目的は、具体的構成例ごとに様々であろう。さらに、かかる開発努力は、手が込んでいて時間のかかることではあるが、本願の開示内容の恩恵に浴する当業者の日常行われている技術的試みであることは理解されよう。
【0014】
図3は、本発明の特定の実施形態の真空電子装置の入力回路及びエンクロージャの斜視図である。カバー302が、真空電子装置(VED)(図示せず)への無線周波数(RF)接続部、高電圧接続部(図示せず)及び無線周波数(RF)コンパートメント(図示せず)を収納している。カバー302は、VEDエンクロージャ304の頂部上に着座状態で設けられている。RF入力306が、カバー302の頂部を介してカバー302の内部のRF接続部(図示せず)に接続されている。空気入力システム308が、カバー302の頂部に入って空気がカバー302内で循環することができるようになっている。
【0015】
1対の案内プレート310,312が、カバー302の側壁303,305と向かい合った状態でVEDエンクロージャ304に取り付けられている。302の限定された運動範囲を定めるための軌道314、スロット又は他の形態の案内手段を案内プレート310,312の内部又はこれを貫通し、或いはこの上に設けるのがよい。軌道314は好ましくは、図示のように「L」の形状をしている。1対の案内要素、例えば、1対のシャフト316が、カバー302の側壁303,305の外部の互いに反対側の側部に着脱自在に取り付けられている。1対のシャフト316は、ナット(図示せず)によりカバー302に取り付けられた1対のねじであるのがよい。1対のシャフト316は、案内プレート310,312の軌道314に嵌まっている。1対の案内プレート310,312により、カバー302は軌道314に沿って限定的に動くことができる。
【0016】
1対の案内プレート310,312により、カバー302をその取付け及び取外し中、位置合わせすることができる。1対の案内プレートは、カバー302の重量がシャフト316に加わることによりカバー302が開くと、カバー302を支持する。カバー302とVEDエンクロージャ304との間で接点フィンガが破損したり又は曲がらないようにするために、軌道314は物理的に、カバー302をこれが全てのインタフェースを通過するまで垂直方向に持ち上げる必要がある。さらに、カバー302は、90°回転し、次に、水平に後方へ押されて定位置にロックし、それによりVEDの取外しのための隙間が得られるようになる。互いに異なる軌道パターンを用いると、特定の制約条件を持つ送信機に対応することができる。加うるに、システムを支援すると共に(或いは)自動化するために他の機械的システム、例えば、ガスストラット、ばね及び回転/直線アクチュエータを用いるのがよい。
【0017】
図4Aは、本発明の特定の実施形態の案内プレート402の側面図である。案内プレート402は、図3のカバー302についての運動範囲を定める軌道404を有している。軌道404は、カバー302が軌道404の特定経路内で左右上下に動くことができるようにする「L」字形の形をしている。案内プレート402の底部に取り付けられたスイッチ機構406を用いると、好ましくは信号をコントローラに送ることにより高電圧接続部への電力を遮断することができる。スイッチ機構406は、カバー302の閉鎖位置を検出するセンサ408、例えば舌部を備えたインターロック取付け具の形態をしているのがよく、即ち、カバー302をVEDエンクロージャ304(閉鎖位置にある)上に正しく着座又は設置させると、シャフト314のうちの1つは、センサ408と接触し、スイッチ406の状態を変えて閉鎖状態を指示するようにする。かくして、カバー302をその閉鎖位置から持ち上げると、スイッチ機構406は再び状態を変えて、カバー302が開かれていると共に高電圧接続部への電力を遮断すべきことを指示するようにする。
【0018】
図4Bは、本発明の特定の実施形態の案内プレート及び閉鎖位置にある真空電子装置エンクロージャ用カバーの側面図である。カバー400は、閉鎖位置にあり、VEDエンクロージャ(図示せず)上に着座した状態で設けられている。シャフト410,412は、軌道404の内側に位置している。シャフト412は、センサ408に接触している。シャフト412によりセンサ408に加わる圧力は、スイッチ406の状態を変えて、電力を高電圧接続部に印加すべきことを指示するようにする。
【0019】
図4Cは、本発明の特定の実施形態の案内プレート及び開放位置にある真空電子装置エンクロージャ用カバーの側面図である。カバー400は、これがVEDエンクロージャ(図示せず)から離れると開放位置となる。1対のシャフト410,412が、カバー400を持ち上げると軌道404に沿って動く。シャフト412はもはやセンサ408に圧力を及ぼさないので、スイッチ機構406は、高電圧接続部への電力を遮断する。
【0020】
図4Dは、本発明の特定の実施形態の案内プレート及び回転位置にある真空電子装置エンクロージャ用カバーの側面図である。カバー400が案内プレート402の周りに回転すると、シャフト410,412は、軌道404の「L」字形経路を辿る。シャフト410,412が、垂直経路部分から水平経路部分に移行すると、それにより、カバー400は、90°回転する。
【0021】
図4Eは、本発明の特定の実施形態の案内プレート及び開放ロック位置にある真空電子装置エンクロージャ用カバーの側面図である。シャフト410,412が軌道404内で水平位置にスライド運動すると、カバー400は立ってVEDエンクロージャの上方で垂直位置をとる。カバー400を軌道404の端部のところに設けられた切欠き414を用いることにより休止垂直位置に停止させることができる。切欠き414により、ラッチ410が休止位置をとり、したがってカバー400を動かないようにする。カバー400を水平に押すとカバーは定位置にロックされる。
【0022】
図5Aは、本発明の別の特定の実施形態の案内プレートの側面図である。案内プレート500は、スロット軌道502を有し、このスロット軌道502は、その頂端部のところに開口部504を有している。
【0023】
垂直方向隙間要件が互いに異なる送信機の場合、別の軌道パターン又は案内システムを用いてもよい。L字形軌道を図5Aに示すような開放スロットで置き換えることにより、カバーを送信機から完全に取り外すことができるが、これは依然として垂直方向の持ち上げを必要とするであろう。
【0024】
図5Bは、本発明の特定の実施形態の案内プレート及び閉鎖位置にある真空電子装置エンクロージャ用カバーの側面図である。カバー500は、閉鎖位置にあり、VEDエンクロージャ(図示せず)上に着座した状態で設けられている。シャフト506,508は、軌道502の内側に位置している。シャフト412は、センサ408に接触している。シャフト412によりセンサ408に加わる圧力は、高電圧接続部への電力を制御する。
【0025】
図5Cは、本発明の別の特定の実施形態の案内プレート及び開放位置にある真空電子装置エンクロージャ用カバーの側面図である。カバー500は、VEDエンクロージャから持ち上げられている。開口部504により、カバー500を完全に取り外すことができる。センサ408はシャフト508を検出しないので、高電圧接続部への電力が遮断される。
【0026】
図6Aは、本発明の特定の実施形態の案内プレートを真空電子装置エンクロージャと接触状態で示す断面斜視図である。垂直方向隙間の減少した送信機に対応するため、カバーと案内プレートとの間のインタフェースは互換性がある。図6Aに示すように、構成部品は、いずれのシステム(図4A及び図5A)とインタフェースをとることができる。カバー600の各側部は、1対の支承軸602と、テフロン(登録商標)製スリッププレート604と、ガイドプレート606とから成っている。軸受608、例えば、フランジ付き複合材又は金属製軸受及び肩付きねじを含む支承軸602は、カバー600を機械的に補強するインサート612で取り付けられている。テフロン(登録商標)製スリッププレート610を、かじり、こう着及び上反りの防止のため案内プレート606とカバー608との間に設けるのがよい。
【0027】
図6Bは、本発明の特定の実施形態の案内プレートを真空電子装置エンクロージャと接触状態で示す断面図である。図6Bは、カバーと案内プレートとの間の相互連結インタフェースを示している。
【0028】
カバーを位置合わせする別の方法は、案内支柱及びスロットのためのアイボルトから成るシステム、ハードウェアに取り付けられたフレーム、送信機の各側での回転を可能にする(十分な隙間があれば)ヒンジシステム又はカバー全体を送信機から回動して取り外すシステムが挙げられる。
【0029】
図7Aは、本発明の特定の実施形態のブリーチロック機構を開放位置で示す平面図である。図7Bは、本発明の特定の実施形態のブリーチロック機構を開放位置で示す側面図である。図7Cは、VED用ブリーチロック機構の斜視図である。VED702は、キャビティを有するVEDエンクロージャ704内へ据え付けられる。VEDエンクロージャ704は、一端に開口部706を有する丸い中空筒体の形態をしているのがよい。VED702は、開口部706の近くで外面に取り付けられた数本のピン708を有している(図7Bには、ピン708は1本しか示していない)。開口部712を有する支持プレート710が、着脱自在にVEDエンクロージャ704を受け入れている。
【0030】
垂直方向案内組立体713が、開口部712の周りで支持プレート710に取り付けられている。垂直方向案内組立体713は好ましくは、縁部の周りにぐるりと横方向に設けられたスロット715を有する中空筒体である。スロットは、支持プレート710から遠ざかる方向に差し向けられた1つの開放端部を有している。スロット715の幅は、ピン708と嵌合するのに適している。ピン708の運動は、スロット715の形状によって拘束される。したがって、ピン708は、これらがいったんスロット715と嵌合すると、スロット715の特定の直線形状内で動くことができるにすぎない。
【0031】
スリーブ714が、開口部712の周りで支持プレート710に着座して、スリーブ714が垂直方向案内組立体713の周りで回転することができるようになっている。スリーブ714の直径は、垂直方向案内組立体の直径よりも大きく、スリーブ714が垂直方向案内組立体713を包囲するようになっている。スリーブ714は、ピンを受け入れる数個のスロット(図7Bにはスロット716が1つしか示されていない)を有している。例えば、図7Bでは、スロット716はピン708を受け入れる。スロット716は、開口部718、中間部分720及び末端部722を有している。開口部718は、スロット716の入口のところに位置している。中間部720は、斜めになっていて、スロット716の入口から遠ざかって傾斜している。末端部722は、スロット716の入口に向かって傾斜した切欠きを有している。
【0032】
スリーブ714は、開口部712と反対側で取っ手724に連結されている。取っ手724を2つの端部相互間で開口部712の周りに回転することができる。取っ手724がVED702の周りにぐるりと回転すると、スリーブ714は垂直方向案内組立体713の周りにぐるりと回転する。ピン708は、スロット716内で動くように拘束されている。特に、ピン708は、開口部718、中間部720及び末端部722を通って入る。ピン708が中間部720に達すると、ピンは、開口部718から遠ざかる方向に傾斜した傾斜経路を辿らなければならない。さらに、ピン708は、スロット715によって定まる経路運動に拘束される。例えば、取っ手724が回転すると、ピン708は実際には垂直方向組立体713とスロット715の両方に係合する。取っ手724が回転すると、ピン708は、スロット716とスロット715の交差部により構成される空間に閉じ込められる。この結果、VED702がVEDエンクロージャ704内へ昇降する。VED702を取っ手724の回転により下降させると、VED702はVEDエンクロージャ704上に封止状態で着座される。ピン708が末端部722に達すると、取っ手724はロック位置に達する。
【0033】
図8は、本発明の特定の実施形態のアダプタープレートの斜視図である。図9は、本発明の特定の実施形態のアダプタープレートの断面側面図である。図3に示すように、カバー302は、VEDエンクロージャ304の頂部上に着座した状態で設けられている。アダプタープレート902が、VEDエンクロージャ304を分割するために用いられており、このアダプタープレートは、空気及びRFのための緊密なシールを生じさせている。アダプタープレート902は、VEDを受け入れる開口部904を有していて、VEDの外面が開口部904を構成する表面と連続接触関係をなすようになっている。
【0034】
アダプタープレート802は、VEDエンクロージャ304を下側から(図示せず)封止する。図9では、アダプタープレート802は、2つの部分、即ち、スポンジコード906と、フィンガストック(finger stock)908とから成るシールを有している。スポンジコード906は、フィンガストック908内に送り込まれ、これら両方は、アダプタープレート802の外周部の周りに連続して設けられた溝810/910内に配置される。フィンガストック908は、導電性材料で作られ、このフィンガストックは、VEDエンクロージャ304内部のエンクロージャ壁912とアダプタープレート802の外周部との間の連続接触部を形成している。アダプタープレート802をVEDエンクロージャ304のエンクロージャ壁内に配置すると、フィンガストック908は、スポンジコードに押し付けられ、その結果、正の接地接点914と気密封止状態を生じさせる。かかるインタフェースは、必要とする圧縮力は小さくてもよく、しかも製造上のばらつきがあってもかまわない。例えば、銅製の剛毛/ブラシシール及びスポンジコア付きの傾斜コイルばねが代替手段である。さらに、別個の複合材料ブラシシール又はOリングを設計に組み込んでもよい。アダプタープレート802により、接触状態及びRFシール(漏れ止め)状態を維持しながら垂直方向高さを変えることができる。
【0035】
図10は、本発明の特定の実施形態のVEDエンクロージャの入力回路の斜視図である。カバー1002が、2つのチャンバ1004,1006を有している。チャンバ1004は、VEDエンクロージャの一部をなしている。チャンバ1006は、VED用の高電圧回路を包囲し、空気入力システム1008(図示せず)に連結されている。チャンバ1004,1006は両方ともパネル1010によって分離され、このパネルは、RFを隔離した状態で空気が循環することができるようにする。図10Aは、本発明の特定の実施形態のVEDエンクロージャの入力回路の平面図である。図10Bは、本発明の特定の実施形態のVEDエンクロージャの入力回路の断面側面図である。チャンバ1004は、RF入力1012に連結されている。
【0036】
まず最初に、チャンバ1004内の平らな表面上に取り付けられた吸収性材料、例えば、タイル1013を用いてRF隔離を達成する。それ以上の隔離を達成するには、「ハニカム」又は「カットオフ超過導波路(waveguide beyond cutoff )」EMIベントとも呼ばれているパネル1010が取り付けられたパーティション又は仕切りによって達成される。パネル1010は、チャンバ1004からのRFをカットオフしながら空気が流れるようにすることができる。パネル1010のもう1つの目的は、チャンバ1006内の高圧接続部への接近を容易にすることにある。例えば、パネル1008を図10Cに示すように締結具1012により、或いは、図10Dに示すようにキーホールスロット1014を用いるクイックリリースシステムで取り付けることができる。
【0037】
チャンバ1006は、高電圧電線を挿通させる穴1016を有し、かくして、チャンバ1006に入るRFの量を最小限に抑えている。高電圧ケーブルへのRF結合を極力小さくするために追加のRF隔離部品、例えば、フィルタ、チョーク、ボビン及びフェライト類をチャンバ1004内に取り付けるのがよい。空気入力システム1008は、チャンバ1006,1004の両方の中の部品を冷却するのに十分なほど、チャンバ1006,1004内の空気流分布をもたらす。
【0038】
図11は、本発明の特定の実施形態のコロナシールドの斜視図である。図2に示すような従来型ソケットインタフェース内のVEDのコロナシールド部品1100を取り外すためには、ねじ30を取り外す必要がある。かかる作業は、これにより再組立ての際の複雑さが増すので困難な場合がある。本発明の設計では、締結具1102をコロナシールド1100の周りで弛め、コロナシールド1100を回転させる必要があるに過ぎない。これにより、ねじ30の位置決め及び再挿入が不要になる。開口部1106のところで始まるL字形軌道1104は、締結具1102に対するコロナシールド1100の運動を案内する。締結具1102が弛んだ状態になると、コロナシールド1100は、これが軌道1100の端のコーナー部に到達するまで軌道1104に沿って回転することができる。コロナシールド1100を完全に取り外すには、コロナシールド1100を引き離せばよい。
【0039】
図12A及び図12Bは、本発明の特定の実施形態の入力回路ソケットインタフェースの断面側面図である。
導電性材料で作られた中空筒体の形態をした外側陰極ライン1202は、VED接続端部1204を有している。接続ブロック1206が、外側陰極ライン1202内に着脱自在に配置されている。接点ブロック1206は、内側陰極接点1208と、ヒータ接点1210と、真空イオンポンプ接点1212とを有している。接点ブロック1206は、外側陰極ライン1202のVED接続端部1204に向かって延びるねじ山付きステム1214を更に有している。真空イオンポンプ接点1212は、ねじ山付きステム1214の端部のところに配置されている。
【0040】
導電性材料で作られた中空筒体及び支持プレート1218を有する内側陰極ライン1216が、外側陰極ライン1202内に着脱自在に配置されている。支持プレート1218は、内側陰極接点ライン1216の内部に横方向に配置されている。支持プレート1218の中心に設けられた開口部1220が、ねじ山付きステム1214を着脱自在に受け入れる。
【0041】
取外しが容易になるようにするための雌ねじ及び六角部を備えたヒータ接点ライン1222が、内側陰極ライン1216に結合されている。ヒータ接点ライン1222は、外部にフランジ1226が設けられたねじ山付き中空筒体1224を有している。ねじ山付きステム1214は、ヒータ接点ライン1222がヒータ接点1210と接触関係をなすようにねじ山付き中空筒体1224を受け入れている。フランジ1226が、支持プレート1218と接触状態にある。内側陰極ライン1216は、接点ブロック1206に定位置で当接保持されている。ヒータ接点ライン1222は、VED接続部の近くにねじ山1228を有している。ねじ山1228は、工具を用いてツールをヒータ接点ライン1222に加えるのに用いられる。
【0042】
この新規な構成により、ヒータ接点ライン1222を簡単な工具で取り外すことにより全ての部品に容易に接近できる。ヒータ接点ライン1222は、ねじ山1228で接点ブロック1206に締結されていて、内側陰極ライン1216を定位置に保持している。その結果、フィルタ部品1230が取り付けられた状態で内側陰極ライン1216を取り外すことができる。フィルタ部品1230は、非導電性材料、即ちセラミック又はナイロンの碍子で取り付けられ、接点フィンガにより外側陰極ライン接点1232及び内側陰極ライン接点1234に接続されている。接点ブロック1206は又、内側陰極ライン1216及びヒータ接点ライン1222に接触するフィンガを更に用いている。ヒータ接点ライン1222の場合、取付けのためのタブを備えた波形座金又は板座金を接点用に用いることができる。接点ブロック1206を、平頭ねじ1230を半径方向内方に用いて外側陰極ライン1202に取り付けてもよい。ねじ1230は、外側陰極ライン1202に対する高電圧遮断物の不適切な着座又設置を回避するために外側陰極ライン1202の頂部上ではなく上記のように差し向けられている。真空イオンポンプ接点1212を、締結具により接点ブロック1206に取り付けて、図13に示すようにヒータ接点ライン1222を受け入れるよう改造するのがよい。
【0043】
本発明の実施形態及び用途を開示したが、この開示内容の恩恵に浴する当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく上述した実施形態以外の多くの変形例を想到できることは明らかである。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載にのみ基づいて定められる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】従来技術のVEDを用いる増幅器の従来型入力回路及びエンクロージャの斜視図である。
【図2】従来技術のVEDのソケットの断面図である。
【図3】本発明の特定の実施形態の真空電子装置の入力回路及びエンクロージャの斜視図である。
【図4A】本発明の特定の実施形態の案内プレートの側面図である。
【図4B】本発明の特定の実施形態の閉鎖位置にある真空電子装置エンクロージャ用の自動案内カバーの側面図である。
【図4C】本発明の特定の実施形態の開放位置にある真空電子装置エンクロージャ用の自動案内カバーの側面図である。
【図4D】本発明の特定の実施形態の回転位置にある真空電子装置エンクロージャ用の自動案内カバーの側面図である。
【図4E】本発明の特定の実施形態の開放且つロック位置にある真空電子装置エンクロージャ用の自動案内カバーの側面図である。
【図5A】本発明の特定の変形実施形態の案内プレートの側面図である。
【図5B】本発明の特定の変形実施形態の閉鎖位置にある真空電子装置エンクロージャ用の自動案内カバーの側面図である。
【図5C】本発明の特定の変形実施形態の開放位置にある真空電子装置エンクロージャ用の自動案内カバーの側面図である。
【図6A】本発明の特定の実施形態の真空電子装置エンクロージャと接触状態にある案内プレートの断面斜視図である。
【図6B】本発明の特定の実施形態の真空電子装置エンクロージャと接触状態にある案内プレートの断面図である。
【図7A】本発明の特定の実施形態に従ってVEDを着座又は設置させるブリーチロック機構の平面図である。
【図7B】本発明の特定の実施形態に従ってVEDを着座させるブリーチロック機構の側面図である。
【図7C】本発明の特定の実施形態に従ってVEDを着座させるブリーチロック機構の斜視図である。
【図8】本発明の特定の実施形態のアダプタープレートの斜視図である。
【図9】本発明の特定の実施形態のアダプタープレートの断面側面図である。
【図10】本発明の特定の実施形態のVEDエンクロージャのパネル及び入力回路の斜視図である。
【図10A】本発明の特定の実施形態のVEDエンクロージャの入力回路の平面図である。
【図10B】本発明の特定の実施形態のVEDエンクロージャの入力回路の断面側面図である。
【図10C】本発明の特定の実施形態のVEDエンクロージャのパネル及び入力回路の断面側面図である。
【図10D】本発明の特定の実施形態のVEDエンクロージャのパネル及び入力回路の斜視図である。
【図11】本発明の特定の実施形態のコロナシールドの斜視図である。
【図12A】本発明の特定の実施形態の入力回路ソケットインタフェースの断面斜視図である。
【図12B】本発明の特定の実施形態の入力回路ソケットインタフェースの断面側面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空電子装置(VED)に関する。特に、本発明は、テレビジョン放送においてVED、例えばクライストロード(Klystrodes)、誘導出力管(IOT)とを用いる高出力RF(無線周波数)増幅器用の入力回路に関する。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2000年2月7日にウィルソン・ダブリュー・トイ氏、クリストファー・イエーツ氏、ポール・クルゼミンスキー氏、ロバート・エヌ・トーノー氏、エドモンド・ティー・デイビス氏の名義で出願され、コミュニケーション・アンド・パワー・インダストリーズ(Communication and Power Industries)のデラウェア・コーポレイション(Delaware Corporation)に譲渡された米国仮特許出願第60/180,798号の権益主張出願である。
【背景技術】
【0003】
真空管増幅器は一般に入力回路を有し、入力回路は3つの主要な構成要素、即ち、エンクロージャ、入力共振器及びソケットを含む。エンクロージャは、ソケット及び高電圧接続又は結線が施された入力共振器を収容している。エンクロージャは、入力回路を収容するだけでなく、その機能としてRFコンパートメント内に無線周波数(RF)エネルギを封じ込めることにもある。
【0004】
IOTは寿命が制限されているので、時々交換する必要がある。既存のIOTを利用した設計方式の増幅器は一般に、VED交換のために送信機から増幅器入力回路を完全に取り外す必要がある。この手順は厄介であり都合の悪い場合がある。真空管の交換中、ソケット内の電気接点フィンガが、不正確な位置合わせにより容易に損傷する場合がある。接点フィンガが損傷すると、RFエネルギは増幅器から漏れ出る場合がある。RFエネルギの漏れは又、配線及び構成部品に損傷を及ぼす場合のある相当多量の熱又はアークを生じさせる場合がある。加うるに、位置合わせ不良により、電磁干渉(EMI)ガスケット上への不適当な着座又は設置により増幅器エンクロージャからのRFエネルギの漏れも生じる場合がある。
【0005】
たとえ入力回路が適正に設置されても、高電圧導線は、入力RFのうち望ましくないほどの割合を送信機の計装類内へ結合する場合がある。空間的な制約に起因して、エンクロージャにフェライト類(フィルタ部品、チョーク及びボビン)を一緒に入れることによりエンクロージャ内のRF信号を隔離することは困難である。その結果、末端使用者は現在のところ、かかるRF隔離部品を送信機の出力回路内に配置している。同一カバーの下にRF部品と高電圧部品を組み合わせることができるにもかかわらず、空間的な制約により、製品を改良できる度合には限度がある。RF隔離とは別に、高電圧碍子に関する問題により、迅速且つ容易に接近できる接続箱を組み込むことは困難である。
【0006】
図1は、従来技術によるVEDを用いる増幅器の従来型入力回路及びエンクロージャの斜視外観図である。エンクロージャカバー10が、VED(図示せず)への無線周波数(RF)接続部及び高電圧接続部を収納している。トリー12及びブランチ14を含む空気分配システムが、カバー10から別個のエントリー16を介してVEDエンクロージャにアクセスしている。
【0007】
図2は、従来技術のVED用の入力共振器及びソケットの断面図である。入力共振器は、並列LC回路を有している。インダクタンスが、陰極ライン21とグリッドライン24との間に配置された短絡ピン(図示せず)によってもたらされる。キャパシタンスは、VED内に配置された陰極及びグリッド構造(図示せず)によってもたらされる。入力共振器は、構造体の並列回路共振周波数がVEDの動作搬送周波数とマッチするように容量同調される。陰極ライン21及びグリッドライン24は又、ソケットコレットとしても役立ち、これらソケットコレットは、VED(図示せず)上の対応関係をなす表面に取り付けられる。コレットは、入力RFエネルギをVEDの入力部分に伝える。加うるに、陰極ラインは、DCビーム電圧をVEDの陰極に送る。グリッドラインは、バイアス電圧をVEDのグリッドに分配する。ソケットは又、ヒータコレット25とバック−イオン(vac-ion )接点31で構成されている。ヒータコレットは、DC電圧をVEDに送って高温でVEDの陰極(図示せず)が動作するのに必要な電力を生じさせる。バック−イオン接点は、VED上に設けられた付属真空ポンプ(図示せず)を動作させるのに必要なDC電圧を生じさせる。
【0008】
作用を説明すると、交流RF電圧を陰極ライン21とグリッドライン24との間に印加する。入力RF電圧は、VED(図示せず)の入力部分に伝わり、RF電圧をVEDのグリッドと陰極(図示せず)との間に生じさせる。VEDの陰極は、電子を放出し、その結果、束になった(密度変調)電子ビームが生じる。高DCビーム電圧で動作する陽極構造(図示せず)が、束になったビームを陽極のアパーチュアを通って加速させる。
【0009】
ヒータコレット25は、陰極ライン21,22を昇温させると、陰極ライン21,22にC形クリップ26を介して保持される。取付けねじが、ヒータコレット25を高電圧絶縁体に当接保持する。ヒータコレット25を保守のために取り外す必要がある場合、取付けねじ27をC形クリップ26と一緒に取り外す必要がある。したがって、ユーザがヒータラインを収容したRFソケットの部品を交換する必要がある場合、RFソケット全体を完全に取り外す必要がある。かかる部品は、組立ての際又はRFソケットの取付けの際、容易に損傷する場合がある。
【0010】
したがって、RFの漏れを阻止するEMIガスケットを備えたVEDのための良好な着座又は設置位置合わせ、分解組立てが容易な機構、RF隔離手段を備えた適正な冷却システム及び容易なソケットインタフェースを可能にする高出力RF増幅器用改良型入力回路が要望されている。
【0011】
〔発明の概要〕
真空電子装置(VED)エンクロージャ用の自動案内カバー組立体が、カバーと、1対の案内プレートと、1対の案内要素とを有する。カバーは、頂部と、側壁と、内部と、外部と、カバーの内部に取り付けられていて、VEDと嵌合する少なくとも1つの電気コネクタとを有する。1対の案内プレートは、カバーの側壁の外部の互いに反対側の側部に取り付けられている。案内プレートは各々、軌道を有する。1対の案内要素は、カバーの側壁の外部の互いに反対側の側部に取り付けられている。1対の案内要素は各々、軌道と嵌合する。カバーは、VEDをベース付きのVEDエンクロージャ内へ設置するブリーチロック機構を更に有する。ブリーチロック機構は、VEDに取り付けられた案内要素を有する。第1のスリーブが、ベースに取り付けられていて、VEDを着脱自在に受け入れている。第2のスリーブが、ベースに取り付けられていて、第1のスリーブを着脱自在に受け入れている。第2のスリーブは、案内要素と嵌合する軌道を有している。第2のスリーブの回転により、VEDは、ベース内へ引き入れられて設置される。
本明細書に添付された図面は、本発明の1以上の実施形態を図示していて、本明細書と一緒になって本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0012】
〔好ましい実施形態の詳細な説明〕
本発明の実施形態を、真空電子装置を用いる高出力RF増幅器と関連して説明する。当業者であれば、本発明の以下の説明は例示であって、いかなる点においても本発明を限定するものではないということは理解されよう。当業者であれば、本発明の他の実施形態を本願の開示内容から容易に想到できよう。今、添付の図面に示されているような本発明の具体的構成例を参照して詳細に説明する。図中及び以下の説明において同一の符号は同一又は類似の部分を示している。
【0013】
分かりやすくすることを考慮して、本明細書で説明する具体的構成例の公知の特徴のうち全てを説明するわけではない。当然のことながら、かかる実際の具体的構成例の開発にあたり、多くの具体的構成例に特有の設計変更を行なって開発者の特定の目的、例えば、システム及びビジネスに関連した目的との適合性を達成する必要があり、これら目的は、具体的構成例ごとに様々であろう。さらに、かかる開発努力は、手が込んでいて時間のかかることではあるが、本願の開示内容の恩恵に浴する当業者の日常行われている技術的試みであることは理解されよう。
【0014】
図3は、本発明の特定の実施形態の真空電子装置の入力回路及びエンクロージャの斜視図である。カバー302が、真空電子装置(VED)(図示せず)への無線周波数(RF)接続部、高電圧接続部(図示せず)及び無線周波数(RF)コンパートメント(図示せず)を収納している。カバー302は、VEDエンクロージャ304の頂部上に着座状態で設けられている。RF入力306が、カバー302の頂部を介してカバー302の内部のRF接続部(図示せず)に接続されている。空気入力システム308が、カバー302の頂部に入って空気がカバー302内で循環することができるようになっている。
【0015】
1対の案内プレート310,312が、カバー302の側壁303,305と向かい合った状態でVEDエンクロージャ304に取り付けられている。302の限定された運動範囲を定めるための軌道314、スロット又は他の形態の案内手段を案内プレート310,312の内部又はこれを貫通し、或いはこの上に設けるのがよい。軌道314は好ましくは、図示のように「L」の形状をしている。1対の案内要素、例えば、1対のシャフト316が、カバー302の側壁303,305の外部の互いに反対側の側部に着脱自在に取り付けられている。1対のシャフト316は、ナット(図示せず)によりカバー302に取り付けられた1対のねじであるのがよい。1対のシャフト316は、案内プレート310,312の軌道314に嵌まっている。1対の案内プレート310,312により、カバー302は軌道314に沿って限定的に動くことができる。
【0016】
1対の案内プレート310,312により、カバー302をその取付け及び取外し中、位置合わせすることができる。1対の案内プレートは、カバー302の重量がシャフト316に加わることによりカバー302が開くと、カバー302を支持する。カバー302とVEDエンクロージャ304との間で接点フィンガが破損したり又は曲がらないようにするために、軌道314は物理的に、カバー302をこれが全てのインタフェースを通過するまで垂直方向に持ち上げる必要がある。さらに、カバー302は、90°回転し、次に、水平に後方へ押されて定位置にロックし、それによりVEDの取外しのための隙間が得られるようになる。互いに異なる軌道パターンを用いると、特定の制約条件を持つ送信機に対応することができる。加うるに、システムを支援すると共に(或いは)自動化するために他の機械的システム、例えば、ガスストラット、ばね及び回転/直線アクチュエータを用いるのがよい。
【0017】
図4Aは、本発明の特定の実施形態の案内プレート402の側面図である。案内プレート402は、図3のカバー302についての運動範囲を定める軌道404を有している。軌道404は、カバー302が軌道404の特定経路内で左右上下に動くことができるようにする「L」字形の形をしている。案内プレート402の底部に取り付けられたスイッチ機構406を用いると、好ましくは信号をコントローラに送ることにより高電圧接続部への電力を遮断することができる。スイッチ機構406は、カバー302の閉鎖位置を検出するセンサ408、例えば舌部を備えたインターロック取付け具の形態をしているのがよく、即ち、カバー302をVEDエンクロージャ304(閉鎖位置にある)上に正しく着座又は設置させると、シャフト314のうちの1つは、センサ408と接触し、スイッチ406の状態を変えて閉鎖状態を指示するようにする。かくして、カバー302をその閉鎖位置から持ち上げると、スイッチ機構406は再び状態を変えて、カバー302が開かれていると共に高電圧接続部への電力を遮断すべきことを指示するようにする。
【0018】
図4Bは、本発明の特定の実施形態の案内プレート及び閉鎖位置にある真空電子装置エンクロージャ用カバーの側面図である。カバー400は、閉鎖位置にあり、VEDエンクロージャ(図示せず)上に着座した状態で設けられている。シャフト410,412は、軌道404の内側に位置している。シャフト412は、センサ408に接触している。シャフト412によりセンサ408に加わる圧力は、スイッチ406の状態を変えて、電力を高電圧接続部に印加すべきことを指示するようにする。
【0019】
図4Cは、本発明の特定の実施形態の案内プレート及び開放位置にある真空電子装置エンクロージャ用カバーの側面図である。カバー400は、これがVEDエンクロージャ(図示せず)から離れると開放位置となる。1対のシャフト410,412が、カバー400を持ち上げると軌道404に沿って動く。シャフト412はもはやセンサ408に圧力を及ぼさないので、スイッチ機構406は、高電圧接続部への電力を遮断する。
【0020】
図4Dは、本発明の特定の実施形態の案内プレート及び回転位置にある真空電子装置エンクロージャ用カバーの側面図である。カバー400が案内プレート402の周りに回転すると、シャフト410,412は、軌道404の「L」字形経路を辿る。シャフト410,412が、垂直経路部分から水平経路部分に移行すると、それにより、カバー400は、90°回転する。
【0021】
図4Eは、本発明の特定の実施形態の案内プレート及び開放ロック位置にある真空電子装置エンクロージャ用カバーの側面図である。シャフト410,412が軌道404内で水平位置にスライド運動すると、カバー400は立ってVEDエンクロージャの上方で垂直位置をとる。カバー400を軌道404の端部のところに設けられた切欠き414を用いることにより休止垂直位置に停止させることができる。切欠き414により、ラッチ410が休止位置をとり、したがってカバー400を動かないようにする。カバー400を水平に押すとカバーは定位置にロックされる。
【0022】
図5Aは、本発明の別の特定の実施形態の案内プレートの側面図である。案内プレート500は、スロット軌道502を有し、このスロット軌道502は、その頂端部のところに開口部504を有している。
【0023】
垂直方向隙間要件が互いに異なる送信機の場合、別の軌道パターン又は案内システムを用いてもよい。L字形軌道を図5Aに示すような開放スロットで置き換えることにより、カバーを送信機から完全に取り外すことができるが、これは依然として垂直方向の持ち上げを必要とするであろう。
【0024】
図5Bは、本発明の特定の実施形態の案内プレート及び閉鎖位置にある真空電子装置エンクロージャ用カバーの側面図である。カバー500は、閉鎖位置にあり、VEDエンクロージャ(図示せず)上に着座した状態で設けられている。シャフト506,508は、軌道502の内側に位置している。シャフト412は、センサ408に接触している。シャフト412によりセンサ408に加わる圧力は、高電圧接続部への電力を制御する。
【0025】
図5Cは、本発明の別の特定の実施形態の案内プレート及び開放位置にある真空電子装置エンクロージャ用カバーの側面図である。カバー500は、VEDエンクロージャから持ち上げられている。開口部504により、カバー500を完全に取り外すことができる。センサ408はシャフト508を検出しないので、高電圧接続部への電力が遮断される。
【0026】
図6Aは、本発明の特定の実施形態の案内プレートを真空電子装置エンクロージャと接触状態で示す断面斜視図である。垂直方向隙間の減少した送信機に対応するため、カバーと案内プレートとの間のインタフェースは互換性がある。図6Aに示すように、構成部品は、いずれのシステム(図4A及び図5A)とインタフェースをとることができる。カバー600の各側部は、1対の支承軸602と、テフロン(登録商標)製スリッププレート604と、ガイドプレート606とから成っている。軸受608、例えば、フランジ付き複合材又は金属製軸受及び肩付きねじを含む支承軸602は、カバー600を機械的に補強するインサート612で取り付けられている。テフロン(登録商標)製スリッププレート610を、かじり、こう着及び上反りの防止のため案内プレート606とカバー608との間に設けるのがよい。
【0027】
図6Bは、本発明の特定の実施形態の案内プレートを真空電子装置エンクロージャと接触状態で示す断面図である。図6Bは、カバーと案内プレートとの間の相互連結インタフェースを示している。
【0028】
カバーを位置合わせする別の方法は、案内支柱及びスロットのためのアイボルトから成るシステム、ハードウェアに取り付けられたフレーム、送信機の各側での回転を可能にする(十分な隙間があれば)ヒンジシステム又はカバー全体を送信機から回動して取り外すシステムが挙げられる。
【0029】
図7Aは、本発明の特定の実施形態のブリーチロック機構を開放位置で示す平面図である。図7Bは、本発明の特定の実施形態のブリーチロック機構を開放位置で示す側面図である。図7Cは、VED用ブリーチロック機構の斜視図である。VED702は、キャビティを有するVEDエンクロージャ704内へ据え付けられる。VEDエンクロージャ704は、一端に開口部706を有する丸い中空筒体の形態をしているのがよい。VED702は、開口部706の近くで外面に取り付けられた数本のピン708を有している(図7Bには、ピン708は1本しか示していない)。開口部712を有する支持プレート710が、着脱自在にVEDエンクロージャ704を受け入れている。
【0030】
垂直方向案内組立体713が、開口部712の周りで支持プレート710に取り付けられている。垂直方向案内組立体713は好ましくは、縁部の周りにぐるりと横方向に設けられたスロット715を有する中空筒体である。スロットは、支持プレート710から遠ざかる方向に差し向けられた1つの開放端部を有している。スロット715の幅は、ピン708と嵌合するのに適している。ピン708の運動は、スロット715の形状によって拘束される。したがって、ピン708は、これらがいったんスロット715と嵌合すると、スロット715の特定の直線形状内で動くことができるにすぎない。
【0031】
スリーブ714が、開口部712の周りで支持プレート710に着座して、スリーブ714が垂直方向案内組立体713の周りで回転することができるようになっている。スリーブ714の直径は、垂直方向案内組立体の直径よりも大きく、スリーブ714が垂直方向案内組立体713を包囲するようになっている。スリーブ714は、ピンを受け入れる数個のスロット(図7Bにはスロット716が1つしか示されていない)を有している。例えば、図7Bでは、スロット716はピン708を受け入れる。スロット716は、開口部718、中間部分720及び末端部722を有している。開口部718は、スロット716の入口のところに位置している。中間部720は、斜めになっていて、スロット716の入口から遠ざかって傾斜している。末端部722は、スロット716の入口に向かって傾斜した切欠きを有している。
【0032】
スリーブ714は、開口部712と反対側で取っ手724に連結されている。取っ手724を2つの端部相互間で開口部712の周りに回転することができる。取っ手724がVED702の周りにぐるりと回転すると、スリーブ714は垂直方向案内組立体713の周りにぐるりと回転する。ピン708は、スロット716内で動くように拘束されている。特に、ピン708は、開口部718、中間部720及び末端部722を通って入る。ピン708が中間部720に達すると、ピンは、開口部718から遠ざかる方向に傾斜した傾斜経路を辿らなければならない。さらに、ピン708は、スロット715によって定まる経路運動に拘束される。例えば、取っ手724が回転すると、ピン708は実際には垂直方向組立体713とスロット715の両方に係合する。取っ手724が回転すると、ピン708は、スロット716とスロット715の交差部により構成される空間に閉じ込められる。この結果、VED702がVEDエンクロージャ704内へ昇降する。VED702を取っ手724の回転により下降させると、VED702はVEDエンクロージャ704上に封止状態で着座される。ピン708が末端部722に達すると、取っ手724はロック位置に達する。
【0033】
図8は、本発明の特定の実施形態のアダプタープレートの斜視図である。図9は、本発明の特定の実施形態のアダプタープレートの断面側面図である。図3に示すように、カバー302は、VEDエンクロージャ304の頂部上に着座した状態で設けられている。アダプタープレート902が、VEDエンクロージャ304を分割するために用いられており、このアダプタープレートは、空気及びRFのための緊密なシールを生じさせている。アダプタープレート902は、VEDを受け入れる開口部904を有していて、VEDの外面が開口部904を構成する表面と連続接触関係をなすようになっている。
【0034】
アダプタープレート802は、VEDエンクロージャ304を下側から(図示せず)封止する。図9では、アダプタープレート802は、2つの部分、即ち、スポンジコード906と、フィンガストック(finger stock)908とから成るシールを有している。スポンジコード906は、フィンガストック908内に送り込まれ、これら両方は、アダプタープレート802の外周部の周りに連続して設けられた溝810/910内に配置される。フィンガストック908は、導電性材料で作られ、このフィンガストックは、VEDエンクロージャ304内部のエンクロージャ壁912とアダプタープレート802の外周部との間の連続接触部を形成している。アダプタープレート802をVEDエンクロージャ304のエンクロージャ壁内に配置すると、フィンガストック908は、スポンジコードに押し付けられ、その結果、正の接地接点914と気密封止状態を生じさせる。かかるインタフェースは、必要とする圧縮力は小さくてもよく、しかも製造上のばらつきがあってもかまわない。例えば、銅製の剛毛/ブラシシール及びスポンジコア付きの傾斜コイルばねが代替手段である。さらに、別個の複合材料ブラシシール又はOリングを設計に組み込んでもよい。アダプタープレート802により、接触状態及びRFシール(漏れ止め)状態を維持しながら垂直方向高さを変えることができる。
【0035】
図10は、本発明の特定の実施形態のVEDエンクロージャの入力回路の斜視図である。カバー1002が、2つのチャンバ1004,1006を有している。チャンバ1004は、VEDエンクロージャの一部をなしている。チャンバ1006は、VED用の高電圧回路を包囲し、空気入力システム1008(図示せず)に連結されている。チャンバ1004,1006は両方ともパネル1010によって分離され、このパネルは、RFを隔離した状態で空気が循環することができるようにする。図10Aは、本発明の特定の実施形態のVEDエンクロージャの入力回路の平面図である。図10Bは、本発明の特定の実施形態のVEDエンクロージャの入力回路の断面側面図である。チャンバ1004は、RF入力1012に連結されている。
【0036】
まず最初に、チャンバ1004内の平らな表面上に取り付けられた吸収性材料、例えば、タイル1013を用いてRF隔離を達成する。それ以上の隔離を達成するには、「ハニカム」又は「カットオフ超過導波路(waveguide beyond cutoff )」EMIベントとも呼ばれているパネル1010が取り付けられたパーティション又は仕切りによって達成される。パネル1010は、チャンバ1004からのRFをカットオフしながら空気が流れるようにすることができる。パネル1010のもう1つの目的は、チャンバ1006内の高圧接続部への接近を容易にすることにある。例えば、パネル1008を図10Cに示すように締結具1012により、或いは、図10Dに示すようにキーホールスロット1014を用いるクイックリリースシステムで取り付けることができる。
【0037】
チャンバ1006は、高電圧電線を挿通させる穴1016を有し、かくして、チャンバ1006に入るRFの量を最小限に抑えている。高電圧ケーブルへのRF結合を極力小さくするために追加のRF隔離部品、例えば、フィルタ、チョーク、ボビン及びフェライト類をチャンバ1004内に取り付けるのがよい。空気入力システム1008は、チャンバ1006,1004の両方の中の部品を冷却するのに十分なほど、チャンバ1006,1004内の空気流分布をもたらす。
【0038】
図11は、本発明の特定の実施形態のコロナシールドの斜視図である。図2に示すような従来型ソケットインタフェース内のVEDのコロナシールド部品1100を取り外すためには、ねじ30を取り外す必要がある。かかる作業は、これにより再組立ての際の複雑さが増すので困難な場合がある。本発明の設計では、締結具1102をコロナシールド1100の周りで弛め、コロナシールド1100を回転させる必要があるに過ぎない。これにより、ねじ30の位置決め及び再挿入が不要になる。開口部1106のところで始まるL字形軌道1104は、締結具1102に対するコロナシールド1100の運動を案内する。締結具1102が弛んだ状態になると、コロナシールド1100は、これが軌道1100の端のコーナー部に到達するまで軌道1104に沿って回転することができる。コロナシールド1100を完全に取り外すには、コロナシールド1100を引き離せばよい。
【0039】
図12A及び図12Bは、本発明の特定の実施形態の入力回路ソケットインタフェースの断面側面図である。
導電性材料で作られた中空筒体の形態をした外側陰極ライン1202は、VED接続端部1204を有している。接続ブロック1206が、外側陰極ライン1202内に着脱自在に配置されている。接点ブロック1206は、内側陰極接点1208と、ヒータ接点1210と、真空イオンポンプ接点1212とを有している。接点ブロック1206は、外側陰極ライン1202のVED接続端部1204に向かって延びるねじ山付きステム1214を更に有している。真空イオンポンプ接点1212は、ねじ山付きステム1214の端部のところに配置されている。
【0040】
導電性材料で作られた中空筒体及び支持プレート1218を有する内側陰極ライン1216が、外側陰極ライン1202内に着脱自在に配置されている。支持プレート1218は、内側陰極接点ライン1216の内部に横方向に配置されている。支持プレート1218の中心に設けられた開口部1220が、ねじ山付きステム1214を着脱自在に受け入れる。
【0041】
取外しが容易になるようにするための雌ねじ及び六角部を備えたヒータ接点ライン1222が、内側陰極ライン1216に結合されている。ヒータ接点ライン1222は、外部にフランジ1226が設けられたねじ山付き中空筒体1224を有している。ねじ山付きステム1214は、ヒータ接点ライン1222がヒータ接点1210と接触関係をなすようにねじ山付き中空筒体1224を受け入れている。フランジ1226が、支持プレート1218と接触状態にある。内側陰極ライン1216は、接点ブロック1206に定位置で当接保持されている。ヒータ接点ライン1222は、VED接続部の近くにねじ山1228を有している。ねじ山1228は、工具を用いてツールをヒータ接点ライン1222に加えるのに用いられる。
【0042】
この新規な構成により、ヒータ接点ライン1222を簡単な工具で取り外すことにより全ての部品に容易に接近できる。ヒータ接点ライン1222は、ねじ山1228で接点ブロック1206に締結されていて、内側陰極ライン1216を定位置に保持している。その結果、フィルタ部品1230が取り付けられた状態で内側陰極ライン1216を取り外すことができる。フィルタ部品1230は、非導電性材料、即ちセラミック又はナイロンの碍子で取り付けられ、接点フィンガにより外側陰極ライン接点1232及び内側陰極ライン接点1234に接続されている。接点ブロック1206は又、内側陰極ライン1216及びヒータ接点ライン1222に接触するフィンガを更に用いている。ヒータ接点ライン1222の場合、取付けのためのタブを備えた波形座金又は板座金を接点用に用いることができる。接点ブロック1206を、平頭ねじ1230を半径方向内方に用いて外側陰極ライン1202に取り付けてもよい。ねじ1230は、外側陰極ライン1202に対する高電圧遮断物の不適切な着座又設置を回避するために外側陰極ライン1202の頂部上ではなく上記のように差し向けられている。真空イオンポンプ接点1212を、締結具により接点ブロック1206に取り付けて、図13に示すようにヒータ接点ライン1222を受け入れるよう改造するのがよい。
【0043】
本発明の実施形態及び用途を開示したが、この開示内容の恩恵に浴する当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく上述した実施形態以外の多くの変形例を想到できることは明らかである。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載にのみ基づいて定められる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】従来技術のVEDを用いる増幅器の従来型入力回路及びエンクロージャの斜視図である。
【図2】従来技術のVEDのソケットの断面図である。
【図3】本発明の特定の実施形態の真空電子装置の入力回路及びエンクロージャの斜視図である。
【図4A】本発明の特定の実施形態の案内プレートの側面図である。
【図4B】本発明の特定の実施形態の閉鎖位置にある真空電子装置エンクロージャ用の自動案内カバーの側面図である。
【図4C】本発明の特定の実施形態の開放位置にある真空電子装置エンクロージャ用の自動案内カバーの側面図である。
【図4D】本発明の特定の実施形態の回転位置にある真空電子装置エンクロージャ用の自動案内カバーの側面図である。
【図4E】本発明の特定の実施形態の開放且つロック位置にある真空電子装置エンクロージャ用の自動案内カバーの側面図である。
【図5A】本発明の特定の変形実施形態の案内プレートの側面図である。
【図5B】本発明の特定の変形実施形態の閉鎖位置にある真空電子装置エンクロージャ用の自動案内カバーの側面図である。
【図5C】本発明の特定の変形実施形態の開放位置にある真空電子装置エンクロージャ用の自動案内カバーの側面図である。
【図6A】本発明の特定の実施形態の真空電子装置エンクロージャと接触状態にある案内プレートの断面斜視図である。
【図6B】本発明の特定の実施形態の真空電子装置エンクロージャと接触状態にある案内プレートの断面図である。
【図7A】本発明の特定の実施形態に従ってVEDを着座又は設置させるブリーチロック機構の平面図である。
【図7B】本発明の特定の実施形態に従ってVEDを着座させるブリーチロック機構の側面図である。
【図7C】本発明の特定の実施形態に従ってVEDを着座させるブリーチロック機構の斜視図である。
【図8】本発明の特定の実施形態のアダプタープレートの斜視図である。
【図9】本発明の特定の実施形態のアダプタープレートの断面側面図である。
【図10】本発明の特定の実施形態のVEDエンクロージャのパネル及び入力回路の斜視図である。
【図10A】本発明の特定の実施形態のVEDエンクロージャの入力回路の平面図である。
【図10B】本発明の特定の実施形態のVEDエンクロージャの入力回路の断面側面図である。
【図10C】本発明の特定の実施形態のVEDエンクロージャのパネル及び入力回路の断面側面図である。
【図10D】本発明の特定の実施形態のVEDエンクロージャのパネル及び入力回路の斜視図である。
【図11】本発明の特定の実施形態のコロナシールドの斜視図である。
【図12A】本発明の特定の実施形態の入力回路ソケットインタフェースの断面斜視図である。
【図12B】本発明の特定の実施形態の入力回路ソケットインタフェースの断面側面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空電子装置(VED)への高電圧直流接続部であって、
導電性材料で作られていて、第1のVED接続側端部を備えた第1の中空筒体から成る外側陰極ラインと、
前記外側陰極ライン内に着脱自在に配置されるように設けられていて、ヒータ接点及び第1のねじ山付きステムを備えた接点ブロックとを有し、前記第1のねじ山付きステムは、前記接点ブロックが前記外側陰極ライン内に配置されたとき、前記第1のVED接続端部に向かって延び、
前記第1の中空筒体内に着脱自在に配置されるように設けられていて、前記接点ブロックと接触して配置された内側陰極ラインを更に有し、前記内側陰極ラインは導電性材料で作られた第2の中空筒体及び支持プレートを備え、前記第2の中空筒体は、支持プレート側端部及び第2のVED接続部側端部を備え、前記支持プレートは、前記第1のねじ山付きステムを着脱自在に受け入れるように設けられた開口部を備え、
前記ヒータ接点と接触するように設けられたヒータ接点ラインを更に有し、前記ヒータ接点ラインは、導電性材料で作られた第3の中空筒体及び第3の中空筒体の外部に設けられたフランジを備え、前記第3の中空筒体は、ねじ山付き端部及び第3のVED接続端部を備え、前記フランジは、前記支持プレートと接触するように設けられ、前記ねじ山付き端部は、前記第1のねじ山付きステムと着脱自在に結合されることを特徴とする高電圧直流接続部。
【請求項2】
前記接点ブロックが、更に、前記第1のねじ山付きステムの端部に配置された真空イオンポンプ接点を有する請求項1記載の高電圧直流接続部。
【請求項3】
前記ヒータ接点ラインは、前記VED接続部の近くのねじ山を備え、該ねじ山は工具を用いてトルクを前記ヒータ接点ラインに加えるように設けられている請求項1記載の高電圧直流接続部。
【請求項4】
前記支持プレートは、前記支持プレート側端部の近くの前記第2の中空筒体の側方内側に位置決めされている請求項1記載の高電圧直流接続部。
【請求項5】
前記内側陰極ラインが、更に、前記外側陰極ライン及び前記内側陰極ラインに接触するように形成されたフィルタ部品を有する請求項1記載の高電圧直流接続部。
【請求項1】
真空電子装置(VED)への高電圧直流接続部であって、
導電性材料で作られていて、第1のVED接続側端部を備えた第1の中空筒体から成る外側陰極ラインと、
前記外側陰極ライン内に着脱自在に配置されるように設けられていて、ヒータ接点及び第1のねじ山付きステムを備えた接点ブロックとを有し、前記第1のねじ山付きステムは、前記接点ブロックが前記外側陰極ライン内に配置されたとき、前記第1のVED接続端部に向かって延び、
前記第1の中空筒体内に着脱自在に配置されるように設けられていて、前記接点ブロックと接触して配置された内側陰極ラインを更に有し、前記内側陰極ラインは導電性材料で作られた第2の中空筒体及び支持プレートを備え、前記第2の中空筒体は、支持プレート側端部及び第2のVED接続部側端部を備え、前記支持プレートは、前記第1のねじ山付きステムを着脱自在に受け入れるように設けられた開口部を備え、
前記ヒータ接点と接触するように設けられたヒータ接点ラインを更に有し、前記ヒータ接点ラインは、導電性材料で作られた第3の中空筒体及び第3の中空筒体の外部に設けられたフランジを備え、前記第3の中空筒体は、ねじ山付き端部及び第3のVED接続端部を備え、前記フランジは、前記支持プレートと接触するように設けられ、前記ねじ山付き端部は、前記第1のねじ山付きステムと着脱自在に結合されることを特徴とする高電圧直流接続部。
【請求項2】
前記接点ブロックが、更に、前記第1のねじ山付きステムの端部に配置された真空イオンポンプ接点を有する請求項1記載の高電圧直流接続部。
【請求項3】
前記ヒータ接点ラインは、前記VED接続部の近くのねじ山を備え、該ねじ山は工具を用いてトルクを前記ヒータ接点ラインに加えるように設けられている請求項1記載の高電圧直流接続部。
【請求項4】
前記支持プレートは、前記支持プレート側端部の近くの前記第2の中空筒体の側方内側に位置決めされている請求項1記載の高電圧直流接続部。
【請求項5】
前記内側陰極ラインが、更に、前記外側陰極ライン及び前記内側陰極ラインに接触するように形成されたフィルタ部品を有する請求項1記載の高電圧直流接続部。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図10】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図10】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【公開番号】特開2007−110739(P2007−110739A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−303243(P2006−303243)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【分割の表示】特願2001−557067(P2001−557067)の分割
【原出願日】平成13年2月7日(2001.2.7)
【出願人】(502287369)コミュニケイション アンド パワー インダストリーズ (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【分割の表示】特願2001−557067(P2001−557067)の分割
【原出願日】平成13年2月7日(2001.2.7)
【出願人】(502287369)コミュニケイション アンド パワー インダストリーズ (3)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]