説明

眼鏡用液晶シャッタセット及びその製造方法

【課題】左眼用液晶シャッタと右眼用液晶シャッタとの判別が容易で、高生産性の眼鏡用液晶シャッタセット及びその製造方法を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、左右の一方の眼用の第1液晶シャッタと、左右の他方の眼用第2液晶シャッタと、を備えた眼鏡用液晶シャッタセットが提供される。第1液晶シャッタは、第1基板部と、第2基板部と、第1基板部と第2基板部との間に設けられ、第1液晶層を含む第1中間部と、を含む。第2液晶シャッタは、第3基板部と、第4基板部と、第3基板部と第4基板部との間に設けられ、第2液晶層を含む第2中間部と、を含む。第1基板部及び第2基板部の少なくともいずれかは、第3基板部及び第4基板部の少なくともいずれかに対して非対称な部分を有する、並びに、第1中間部は、第2中間部に対して非対称な部分を有する、の少なくともいずれかである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、眼鏡用液晶シャッタセット及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置に広く実用化されている液晶は、電気信号によって透光性を制御できる機能を利用して、透光性と遮光性とを制御するシャッタとしても応用されている。
【0003】
例えば、娯楽、教育、放送、医療などの分野への実用化が進んでいる立体視システムにおいて、左右眼の視差に対応した左眼用像と右眼用像とを、左右眼にそれぞれ時分割で呈示するシャッタ眼鏡に、液晶が用いられる。
【0004】
液晶シャッタ眼鏡は、左眼用及び右眼用の一対の液晶シャッタを有する。左眼用の液晶シャッタの外形と、右眼用の液晶シャッタの外形と、は互いに類似していることが多い。このため、左右を間違えることがある。
【0005】
なお、基板の表裏を目視により区別するために、液晶セルの透明基板に形成された透明電極と隣接する透明基板端面上に識別マークが形成され、電極と識別マークとで透明基板上に形成されたパターンが非対称形である液晶素子が知られている。
【0006】
しかしながら、液晶シャッタ眼鏡のように、外形が類似している一対の液晶シャッタを簡単に判別するための技術はこれまで知られていない。立体視システムを広く普及するためには、液晶シャッタ眼鏡を高効率に生産することが不可欠であり、このためには、左眼用液晶シャッタと右眼用液晶シャッタとの判別を簡単に行い、生産性を向上することが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−234219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施形態は、左眼用液晶シャッタと右眼用液晶シャッタとの判別が容易で、高生産性の眼鏡用液晶シャッタセット及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態によれば、第1液晶シャッタと、第2液晶シャッタと、を備えた眼鏡用液晶シャッタセットが提供される。前記第1液晶シャッタは、左右の一方の眼用であり、前記第2液晶シャッタは、左右の他方の眼用である。
前記第1液晶シャッタは、第1基板部と、第2基板部と、前記第1基板部と前記第2基板部との間に設けられ、第1液晶層を含む第1中間部と、を含む。
前記第2液晶シャッタは、第3基板部と、第4基板部と、前記第3基板部と前記第4基板部との間に設けられ、第2液晶層を含む第2中間部と、を含む。
前記第1基板部及び前記第2基板部の少なくともいずれかは、前記第3基板部及び前記第4基板部の少なくともいずれかに対して非対称な部分を有する、並びに、前記第1中間部は、前記第2中間部に対して非対称な部分を有する、の少なくともいずれかである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセットの構成の概要を例示する模式的斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセットを用いた液晶シャッタ眼鏡の構成を例示する模式的斜視図である。
【図3】第1の実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセットの構成を例示する模式的斜視図である。
【図4】第1の実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセットの構成を例示する模式的断面図である。
【図5】第2の実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセットの構成の概要を例示する模式的斜視図である。
【図6】第2の実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセットの構成を例示する模式的断面図である。
【図7】第3の実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセットの構成の概要を例示する模式的斜視図である。
【図8】第4の実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセットの構成の概要を例示する模式的斜視図である。
【図9】第5の実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセットの製造方法を例示する模式的斜視図である。
【図10】第5の実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセットの製造方法を例示する模式的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比係数などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比係数が異なって表される場合もある。
また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセットの構成の概要を例示する模式的斜視図である。
図2は、第1の実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセットを用いた液晶シャッタ眼鏡の構成を例示する模式的斜視図である。
図3(a)及び図3(b)は、第1の実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセットの構成を例示する模式的斜視図である。
すなわち、図3(a)は、第1液晶シャッタ101を例示し、図3(b)は、第2液晶シャッタ102を例示している。
図4(a)及び図4(b)は、第1の実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセットの構成を例示する模式的断面図である。
すなわち、図4(a)は、図1のA1−A2線断面図であり、図4(b)は図1のB1−B2線断面図である。
【0013】
図1に表したように、本実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセット10は、左右の一方の眼用の第1液晶シャッタ101と、左右の他方の眼用の第2液晶シャッタ102と、を備える。
【0014】
例えば、第1液晶シャッタ101及び第2液晶シャッタ102のいずれか一方が左眼用であり、第1液晶シャッタ101及び第2液晶シャッタ102のいずれか他方が右眼用である。第1液晶シャッタ101及び第2液晶シャッタ102における左右の関係は、入れ替えが可能である。以下では、第1液晶シャッタ101が左眼用であり、第2液晶シャッタ102が右眼用であるものとして説明する。ただし、以下の記述は、第1液晶シャッタ101が右眼用であり、第2液晶シャッタ102が左眼用である場合にも適用できる。
【0015】
第1液晶シャッタ101は、第1基板部110と、第2基板部120と、第1基板部110と第2基板部120との間に設けられ、第1液晶層151を含む第1中間部150と、を含む。図1に表したように、第1中間部150は、第1液晶層151を封止する第1シール152をさらに含む。
【0016】
第2液晶シャッタ102は、第3基板部130と、第4基板部140と、第3基板部130と第4基板部140との間に設けられ、第2液晶層161を含む第2中間部160と、を含む。図1に表したように、第2中間部160は、第2液晶層161を封止する第2シール162をさらに含む。
【0017】
そして、本実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセット10においては、第1基板部110及び第2基板部120の少なくともいずれかは、第3基板部130及び第4基板部140の少なくともいずれかに対して非対称な部分を有する、並びに、第1中間部150は、第2中間部160に対して非対称な部分を有する、の少なくともいずれかである。
本具体例では、第1中間部150は、第2中間部160に対して非対称な部分を有する。
【0018】
これにより、左眼用液晶シャッタ(例えば第1液晶シャッタ101)と、右眼用液晶シャッタ(第2液晶シャッタ102)との判別が容易で、高生産性の眼鏡用液晶シャッタセットが提供できる。
【0019】
図2に表したように、眼鏡用液晶シャッタセット10は、液晶シャッタ眼鏡20に用いられる。液晶シャッタ眼鏡20は、眼鏡用液晶シャッタセット10の第1液晶シャッタ101及び第2液晶シャッタ102と、第1液晶シャッタ101及び第2液晶シャッタ102を保持する保持部301と、を有する。
【0020】
保持部301は、例えば、第1液晶シャッタ101を保持する左側フレーム310と、第2液晶シャッタ102を保持する右側フレーム320と、を有する。保持部301は、さらに、左側耳かけ部311と、右側耳かけ部321と、を有する。なお、本具体例では、左側フレーム310と右側フレーム320とは、連結部330によって連結されている。なお、連結部330は必要に応じて設けられ、例えば、左側フレーム310と右側フレーム320とが一体的に形成されている場合には、連結部330は省略される。
【0021】
保持部301は、第1液晶シャッタ101が観視者の左眼に対向し、第2液晶シャッタ102が観視者の右眼に対向するように、第1液晶シャッタ101及び第2液晶シャッタ102をそれぞれ保持する。
【0022】
すなわち、第1液晶シャッタ101及び第2液晶シャッタ102は、保持部301の中心線301aに対して実質的に対称に配置される。そして、例えば、第1液晶シャッタ101の外形と、第2液晶シャッタ102の外形と、は、互いに鏡面対称(例えば中心線301aに対して対称)である。
【0023】
液晶シャッタ眼鏡20は、第1液晶シャッタ101及び第2液晶シャッタ102を介して、観視者の左右の眼が図示しないディスプレイに相対するよう装着される。ディスプレイは、右眼および左眼に対応した画像を交互に切り替えて表示する。液晶シャッタ眼鏡20においては、ディスプレイの表示に同期して、第1液晶シャッタ101及び第2液晶シャッタ102が交互に透光状態および遮光状態となる。このように、液晶シャッタ眼鏡20は、右眼用像と左眼用像とを時分割的に観視する方式を実現する。
【0024】
図3(a)及び図4(a)に表したように、第1基板部110は、第1基板111と、第1基板111の主面に設けられた第1電極112と、第1基板111の第1電極112とは反対の側に設けられた第1光学フィルム115と、を有する。第1光学フィルム115は、例えば偏光フィルム(偏光板)を含む。第1光学フィルム115は、偏光フィルムと第1基板111との間に設けられた種々の位相差フィルムをさらに含むことができる。
【0025】
また、第2基板部120は、第2基板121と、第2基板121の主面に設けられた第2電極122と、第2基板121の第2電極122とは反対の側に設けられた第2光学フィルム125と、を有する。第2光学フィルム125は、例えば偏光フィルム(偏光板)を含むことができる。第2光学フィルム125は、偏光フィルムと第2基板121との間に設けられた種々の位相差フィルムをさらに含むことができる。
【0026】
図4(a)に表したように、第1基板部110は、第1電極112の上に設けられた第1配向膜113をさらに含むことができる。また、第2基板部120は、第2電極122の上に設けられた第2配向膜123をさらに含むことができる。
【0027】
そして、第1基板部110と第2基板部120との間(すなわち、第1配向膜113と第2配向膜123との間)に、第1液晶層151が設けられる。第1基板部110と第2基板部120との間において、第1液晶層151を囲むように、第1シール152が設けられる。
【0028】
図3(b)及び図4(b)に表したように、第3基板部130は、第3基板131と、第3基板131の主面に設けられた第3電極132と、第3基板131の第3電極132とは反対の側に設けられた第3光学フィルム135と、を有する。第3光学フィルム135は、例えば偏光フィルム(偏光板)を含むことができる。第3光学フィルム135は、偏光フィルムと第3基板131との間に設けられた種々の位相差フィルムをさらに含むことができる。
【0029】
また、第4基板部140は、第4基板141と、第4基板141の主面に設けられた第4電極142と、第4基板141の第4電極142とは反対の側に設けられた第4光学フィルム145と、を有する。第4光学フィルム145は、例えば偏光フィルム(偏光板)を含むことができる。第4光学フィルム145は、偏光フィルムと第4基板141との間に設けられた種々の位相差フィルムをさらに含むことができる。
【0030】
図4(b)に表したように、第3基板部130は、第3電極132の上に設けられた第3配向膜133をさらに含むことができる。また、第4基板部140は、第4電極142の上に設けられた第4配向膜143をさらに含むことができる。
【0031】
そして、第3基板部130と第4基板部140との間(すなわち、第3配向膜133と第4配向膜143との間)に、第2液晶層161が設けられる。第3基板部130と第4基板部140との間において、第2液晶層161を囲むように、第2シール162が設けられる。
【0032】
第1、第2、第3及び第4光学フィルム115、125、135及び145は、2軸性の光学フィルムや、負の光学異方性を有する光学フィルムなどを含むことができる。第1、第2、第3及び第4光学フィルム115、125、135及び145は、それぞれ、第1、第2、第3及び第4基板111、121、131及び141に粘着材などで貼り付けられる。
【0033】
第1、第2、第3及び第4基板111、121、131及び141には、眼鏡用液晶シャッタセット10において透光及び遮光の動作の対象となる可視光に対して透光性を有するガラスや樹脂などが用いられる。また、第1、第2、第3及び第4電極112、122、132及び142には、可視光に対して透光性を有する、例えばITO(Indium Tin Oxide)やZnOなどの透明導電膜を用いることができる。
【0034】
第1液晶層151及び第2液晶層161は、例えばπセル(スプレイ配列セル)を応用したOCB(Optically Compensated Bend)型液晶層を含むことができる。OCB型液晶層においては、液晶のベンド配列を利用することで、液晶シャッタに適した高速応答が得られる。
【0035】
この場合には、図3(a)及び図3(b)に表したように、第1基板111における液晶配列方向111aと、第2基板121における液晶配列方向121aと、は、互いに平行である。液晶配列方向111a及び液晶配列方向121aは、例えば、第1配向膜113及び第2配向膜123のそれぞれのラビング方向である。
【0036】
また、第1光学フィルム115の光軸115aは、例えば水平方向である。そして、第2光学フィルム125の光軸125aは、例えば垂直方向である。
【0037】
また、第3基板131における液晶配列方向131aと、第4基板141における液晶配列方向141aと、は、互いに平行である。液晶配列方向131a及び液晶配列方向141aは、例えば、第3配向膜133及び第4配向膜143のそれぞれのラビング方向である。
【0038】
また、第3光学フィルム135の光軸135aは、例えば水平方向である。そして、第4光学フィルム145の光軸145aは、例えば垂直方向である。
【0039】
図3(a)及び図3(b)に表したように、第1液晶シャッタ101の外形と、第2液晶シャッタ102の外形と、は、互いに鏡面対称の関係を有している。このため、第1液晶シャッタ101を第1基板部110の方向からみたときの形状は、第2液晶シャッタ102を第4基板部140の方向から見たときに形状と一致する。このため、第1液晶シャッタ101及び第2液晶シャッタ102を液晶シャッタ眼鏡20の保持部301に組み込むときに、左右を間違え易い。例えば、表裏の向きを反転させれば、左眼用に設計されている第1液晶シャッタ101を、保持部301の右側フレーム320にセットする間違いが発生する可能性がある。
【0040】
また、第1基板111と第2基板121とを対向させて、その間に第1液晶層151を封入した後に、第1基板111と第2基板121とに、それぞれ第1光学フィルム115及び第2光学フィルム125を貼付する工程において、第1光学フィルム115と外見が似ている第4光学フィルム145を第1基板111に貼付し、第2光学フィルム125と外見が似ている第3光学フィルム135を第2基板121に貼付する間違いが発生する可能性がある。
【0041】
このように、液晶シャッタ眼鏡20に用いられる眼鏡用液晶シャッタセット10においては、左右の液晶シャッタを取り違える可能性がある。この問題は、従来着目されていない。
すなわち、液晶を用いた表示ディスプレイなどにおいては、液晶表示パネルが種々の電子機器などに実装される。このとき、例えば1つの液晶表示パネルがその電子機器に実装される。また、例えば複数の液晶表示パネルに実装される場合においても、例えば同じ外形で同じ仕様の複数の液晶表示パネルが電子機器に実装される。または、異なる外形の複数の液晶表示パネルが電子機器に実装される。このため、間違った液晶表示パネルを電子機器に実装する不良は発生しなかった。
【0042】
これに対し、液晶シャッタ眼鏡20においては、左右の目に対応した、外形が類似した一対の液晶シャッタが用いられる。一対の液晶シャッタにおいては、例えば、左眼用液晶シャッタと右眼用液晶シャッタとで鏡面対称の外形が適用される。このため、一方の液晶シャッタの表裏を反転すると、他方の液晶シャッタの外形と重なる。
【0043】
このように、液晶シャッタ眼鏡20に用いられる一対に液晶シャッタにおいては、特に、左眼用と右眼用との判別が難しいことが新たな問題として認識された。すなわち、液晶シャッタ眼鏡20においては、左右のフレームに、左右を間違った液晶シャッタをセットする間違いや、基板に光学フィルムを貼付するときの間違いが発生しやすいことが判明した。
本実施形態の構成は、このように液晶シャッタ眼鏡20において新たに発生する課題に着目して構築されたものである。
【0044】
すなわち、図1に例示したように、本実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセット10においては、第1中間部150が、第2中間部160に対して非対称な部分を有することで、このような間違いの発生が抑制できる。なお、第1中間部150に設けられる上記の非対称な部分は、第2中間部160と相対的な関係であるので、第2中間部160が、第1中間部150に対して非対称な部分を有しても良い。
【0045】
なお、本具体例では、第1中間部150が第2中間部160に対して非対称な部分を有する例であるが、第1基板部110及び第2基板部120の少なくともいずれかが、第3基板部130及び第4基板部140の少なくともいずれかに対して非対称な部分を有していても良い。この例については後述する。
【0046】
図1に例示したように、本具体例では、第1中間部150に含まれる第1シール152の形状が、第2中間部160に含まれる第2シール162の形状に対して非対称である。具体的には、第1シール152に設けられる注入口(第1注入口152a)の位置が、第2シール162に設けられ注入口(第2注入口162a)の位置と非対称である。
すなわち、第1シール152の形状は、第2シール152の形状と非対称である。
【0047】
このように、本具体例においては、第1液晶シャッタ101に設けられる第2液晶シャッタ102と非対称な部分が、第1シール152によって形成される注入口である。非対称な部分(本具体例では注入口)は、目視で判別可能な大きさである。具体的には、非対称な部分(本具体例では注入口)の大きさは、1.0ミリメートル(mm)以上である。これにより、注入口の位置が目視で容易に判別でき、間違いが防止し易くなり生産性を向上できる。さらに、非対称な部分(本具体例では注入口)の大きさは、2.0mm以上とすることがさらに望ましい。これにより、目視による判別がさらに容易になる。なお、この注入口の大きさが大きくなりすぎると、中間部の厚さにむらが生じる恐れがあるため、注入口の大きさは5.0mm以下とすることが望ましい。
【0048】
なお、本実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセット10においては、左眼用液晶シャッタと、右眼用液晶シャッタと、の判別がシールの形状(例えば注入口の位置など)により行われるので、例えば、基板に設けられる識別マーク(例えば電極に用いられる材料などで形成される)よりも、より見易くできる。
【0049】
すなわち、第1基板部110と第2基板部120との間に設けられる第1中間部150及び第2中間部160の厚さは、例えば約5マイクロメートル(μm)(すなわち、液晶層の厚さ)程度である。これに対し、基板上に設けられる電極用の導電膜などは、0.1μm程度以下であることが多い。本実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセット10においては、厚さが厚くできる中間部(第1中間部150及び第2中間部160の少なくともいずれか)を左右の判別マークとして使用することで、より見易いマークが実現できる。そして、このような中間部を利用した識別マークとして、シールを用いることで、追加される新たな材料もないため、生産性も高い。
【0050】
このように、本実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセット10によれば、左眼用液晶シャッタと、右眼用液晶シャッタと、の判別が容易で、高生産性の眼鏡用液晶シャッタセットが提供できる。
【0051】
(第2の実施の形態)
図5は、第2の実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセットの構成の概要を例示する模式的斜視図である。
図6(a)及び図6(b)は、第2の実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセットの構成を例示する模式的断面図である。
すなわち、図6(a)は、図5のA1−A2線断面図であり、図6(b)は図5のB1−B2線断面図である。
【0052】
図5、図6(a)及び図6(b)に表したように、本実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセット11も第1液晶シャッタ101及び第2液晶シャッタ102を備える。なお、図5においては、第1シール152及び第2シール162が省略されている。
【0053】
眼鏡用液晶シャッタセット11においては、第1液晶シャッタ101の第1中間部150は、第1トランスファ導電部153をさらに有しており、第2液晶シャッタ102の第2中間部160は、第2トランスファ導電部163をさらに有している。
【0054】
そして、本具体例では、第1トランスファ導電部153の位置が、第2トランスファ導電部163の位置と、非対称である。すなわち、本具体例では、第1中間部150に含まれる第1トランスファ導電部153の位置が、第2中間部160に含まれる第2トランスファ導電部163の位置に対して非対称である。なお、このように、第1トランスファ導電部153の位置が第2トランスファ導電部163の位置と非対称であるため、第1シール152と第2シール162とは互いに対称でも良い。なお、さらに、第1シール152と第2シール162とが互いに非対称でも良い。
【0055】
第1トランスファ導電部153と第2トランスファ導電部163とが互いに非対称であることにより、左眼用液晶シャッタと、右眼用液晶シャッタと、の判別が容易になり、高生産性の眼鏡用液晶シャッタセットが提供できる。
【0056】
図6(a)に例示したように、例えば第2基板部120には、接続端子用電極124が設けられ、第1基板部110の第1電極112と、第2基板部120の接続端子用電極124と、が第1トランスファ導電部153により電気的に接続される。これにより、第1液晶シャッタ101においては、第2基板部120の側だけに電気信号を供給することで第1液晶シャッタ101が動作し、電気的接続が容易になる。なお、逆に、第1基板部110に接続端子用電極を設け、第2基板部120の第2電極122と、第1基板部110の接続端子用電極と、が第1トランスファ導電部153により電気的に接続されても良い。
【0057】
一方、図6(b)に表したように、例えば第4基板部140には、接続端子用電極144が設けられ、第3基板部130の第3電極132と、第4基板部140の接続端子用電極144と、が第2トランスファ導電部163により電気的に接続される。これにより、第2液晶シャッタ102においては、第4基板部140の側だけに電気信号を供給することで第2液晶シャッタ102が動作し、電気的接続が容易になる。なお、逆に、第3基板部130に接続端子用電極を設け、第4基板部140の第4電極142と、第3基板部130の接続端子用電極と、が第2トランスファ導電部163により電気的に接続されても良い。
【0058】
このように、第1中間部150は、第1基板部110に設けられる導電膜と、第2基板部120に設けられる導電膜と、を電気的に接続する第1導電部材(第1トランスファ導電部153)を含む、並びに、第2中間部160は、第3基板部130に設けられる導電膜と、第4基板部140に設けられる導電膜と、を電気的に接続する第2導電部材(第2トランスファ導電部163)を含む、の少なくともいずれかとすることができる。
【0059】
そして、基板部の間で電気的な接続を移行させる第1トランスファ導電部153及び第2トランスファ導電部163において、互いに非対称の関係を適用することで、左眼用液晶シャッタ(例えば第1液晶シャッタ101)と、右眼用液晶シャッタ(第2液晶シャッタ102)と、の判別が容易になり、高生産性の眼鏡用液晶シャッタセットが提供できる。
【0060】
第1トランスファ導電部153及び第2トランスファ導電部163は、目視でその存在位置の判別が可能な大きさである。具体的には、第1トランスファ導電部153及び第2トランスファ導電部163の少なくともいずれかの大きさは、例えば約1.0mmである。これにより、第1トランスファ導電部153及び第2トランスファ導電部163の少なくともいずれかの位置が目視で容易に判別でき、間違いが防止し易くなり生産性を向上できる。なお、このトランスファ導電部の存在位置自体は、その大きさが1.0mmよりも小さくても判別は十分に可能である。
【0061】
例えば、第1液晶シャッタ101と、第2液晶シャッタ102と、のいずれか一方にトランスファ導電部を設けることができる。これにより、第1液晶シャッタ101と、第2液晶シャッタ102と、の判別は容易になる。
【0062】
また、第1トランスファ導電部153及び第2トランスファ導電部163の両方が設けられる場合においては、第1トランスファ導電部153及び第2トランスファ導電部163の位置、形状、色及び大きさの少なくともいずれかが非対称とされる。
【0063】
なお、第1トランスファ導電部153は、複数の導電部を有することができる。このような場合には、複数の導電部の全体が第1トランスファ導電部153と見なされる。また、第2トランスファ導電部163も、複数の導電部を有することができる。このような場合には、複数の導電部の全体が第2トランスファ導電部163と見なされる。複数設けられる導電部の数や配置の違いは、形状の違いに含められる。
【0064】
このような第1トランスファ導電部153及び第2トランスファ導電部163は、上記のように、電極どうしを電気的に接続する機能を有すると共に、識別マークとして機能することができる。
【0065】
すなわち、第1中間部150及び第2中間部160の少なくともいずれかは、中間部識別マーク(例えば第1トランスファ導電部153及び第2トランスファ導電部163)をさらに含み、中間部識別マークは、第1中間部150と第2中間部160とで異なる。
【0066】
すなわち、中間部識別マークの有無は、第1中間部150と第2中間部160とで異なる、中間部識別マークの位置は、第1中間部150と第2中間部160とで非対称である、中間部識別マークの形状は、第1中間部150と第2中間部160とで非対称である、中間部識別マークの色は、第1中間部150と第2中間部160とで異なる、並びに、中間部識別マークの大きさは、第1中間部150と第2中間部160とで異なる、の少なくともいずれかとすることができる。
【0067】
これにより、左眼用液晶シャッタと、右眼用液晶シャッタと、の判別が容易になり、高生産性の眼鏡用液晶シャッタセットが提供できる。
【0068】
なお、上記においては、中間部識別マークとして第1トランスファ導電部153及び第2トランスファ導電部163の少なくともいずれかを用いる場合として説明したが、中間部識別マークに適用される構成及び材料は任意である。
【0069】
(第3の実施の形態)
図7は、第3の実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセットの構成の概要を例示する模式的斜視図である。
図7に表したように、本実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセット12も第1液晶シャッタ101及び第2液晶シャッタ102を備える。なお、図7においては、第1シール152及び第2シール162が省略されている。
【0070】
眼鏡用液晶シャッタセット12においては、中間部識別マークが設けられている。具体的には、第1液晶シャッタ101に第1中間部識別マーク158が設けられ、第2液晶シャッタ102に第2中間部識別マーク168が設けられている。
【0071】
すなわち、第1中間部150及び第2中間部160の少なくともいずれかは、中間部識別マークをさらに含んでいる。そして、中間部識別マークは、第1中間部150と第2中間部160とで異なる。
【0072】
既に説明したように、中間部識別マークの有無は、第1中間部150と第2中間部160とで異なる、中間部識別マークの位置は、第1中間部150と第2中間部160とで非対称である、中間部識別マークの形状は、第1中間部150と第2中間部160とで非対称である、中間部識別マークの色は、第1中間部150と第2中間部160とで異なる、並びに、中間部識別マークの大きさは、第1中間部150と第2中間部160とで異なる、の少なくともいずれかとされる。なお、上記において、中間部識別マークの形状は、中間部識別マークに含まれる独立した中間部サブマークの個数を含むことができる。
【0073】
本具体例では、第1中間部識別マーク158の位置が、第2中間部識別マーク168の位置とは異なる。中間部識別マーク(第1中間部識別マーク158及び第2中間部識別マーク168)は、第1シール152及び第2シール162の少なくともいずれかに用いられる材料と同じ材料で形成されることができる。これにより、中間部に、左右を判別するための識別マークを、簡単に、見易く、設けることができる。
【0074】
また、中間部識別マーク(第1中間部識別マーク158及び第2中間部識別マーク168)は、トランスファの材料を適用することもできる。
すなわち、中間部識別マークは、第1導電部材(第1トランスファ導電部153)及び第2導電部材(第2トランスファ導電部163)の少なくともいずれか、並びに、第1導電部材及び第2導電部材に用いられる材料を含む専用中間部識別マーク(例えば第1中間部識別マーク158及び第2中間部識別マーク168)が、の少なくともいずれかを含むことができる。
【0075】
(第4の実施の形態)
図8は、第4の実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセットの構成の概要を例示する模式的斜視図である。
図8に表したように、本実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセット13も第1液晶シャッタ101及び第2液晶シャッタ102を備える。なお、図8においては、第1シール152及び第2シール162が省略されている。
【0076】
眼鏡用液晶シャッタセット13においては、基板部識別マークが設けられている。具体的には、第1液晶シャッタ101に第1基板部識別マーク118が設けられ、第2液晶シャッタ102に第2基板部識別マーク138が設けられている。
【0077】
そして、本具体例では、第1基板部識別マーク118の位置は、第2基板部識別マーク138の位置とは非対称である。
すなわち、第1基板部110及び第2基板部120の少なくともいずれかは、第3基板部130及び第4基板部140の少なくともいずれかに対して非対称な部分を有する。本具体例では、第1基板部識別マーク118が、第1基板部110における第3基板部130に対して非対称な部分である。
【0078】
第1基板部識別マーク118及び第2基板部識別マーク138には、例えば、第1電極112及び第3電極132に電気的にそれぞれ接続される金属電極となる金属膜などを所定のパターンに加工したものが用いられる。
【0079】
ただし、本実施形態はこれに限らず、第1基板部識別マーク118及び第2基板部識別マーク138には、導電性または絶縁性の目視で有無や形状が判別可能な任意の材料を用いることができる。また、その形成方法も、成膜とエッチングの他に印刷など任意の手法を適用できる。例えば、第1基板部識別マーク118及び第2基板部識別マーク138には、例えば、第1基板111及び第3基板131のそれぞれにレーザなどによって加工された部分を適用しても良い。
【0080】
このように、本実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセット13においては、第1基板部110及び第2基板部120の少なくともいずれかが、第3基板部130及び第4基板部140の少なくともいずれかに対して非対称な部分を有することで、左眼用液晶シャッタと右眼用液晶シャッタとの判別が容易で、高生産性の眼鏡用液晶シャッタセットを提供できる。
【0081】
例えば、第1基板部110は、第2基板部120に対向する第1主面に設けられた第1電極112を有し、第2基板部120は、第1基板部110に対向する第2主面に設けられた第2電極122を有し、第3基板部130は、第4基板部140に対向する第3主面に設けられた第3電極132を有し、第4基板部140は、第3基板部130に対向する第4主面に設けられた第4電極142を有しており、第1電極112及び第2電極122の少なくともいずれかの形状は、第3電極132及び第4電極142の少なくともいずれかの形状と非対称とすることができる。
【0082】
また、第1基板部110、第2基板部120、第3基板部130及び第4基板部140の少なくともいずれかは、基板部識別マーク(第1基板部識別マーク118及び第2基板部識別マーク138など)を含み、この基板部識別マークは、第1液晶シャッタ101と第2液晶シャッタ102とで異なることができる。
【0083】
そして、この基板部識別マークの有無は、第1液晶シャッタ101と第2液晶シャッタ102とで異なる、基板部識別マークの位置は、第1液晶シャッタ101と第2液晶シャッタ102とで非対称である、基板部識別マークの形状は、第1液晶シャッタ101と第2液晶シャッタ102とで非対称である、基板部識別マークの色は、第1液晶シャッタ101と第2液晶シャッタ102とで異なる、並びに、基板部識別マークの大きさは、第1液晶シャッタ101と第2液晶シャッタ102とで異なる、の少なくともいずれかとすることができる。なお、基板部識別マークの上記の形状は、基板部識別マークに含まれる独立した基板部サブマークの個数を含むことができる。
【0084】
また、第1基板111及び第2基板121の少なくともいずれかが、第3基板131及び第4基板141の少なくともいずれかに対して非対称な部分を有していても良い。この場合には、例えば、第1液晶シャッタ101の外形と、第2液晶シャッタ102の外形と、が互いに鏡面対称の関係でなくなる。これにより、左右の判別ができる。なお、このように、第1液晶シャッタ101の外形と、第2液晶シャッタ102の外形と、が鏡面対称でない場合には、液晶シャッタ眼鏡20のフレームなどには、第1液晶シャッタ101及び第2液晶シャッタ102の外形に適合する設計が適用される。
【0085】
このように、第1基板部110及び第2基板部120の少なくともいずれかが、第3基板部130及び第4基板部140の少なくともいずれかに対して非対称な部分を有することで、左眼用液晶シャッタと右眼用液晶シャッタとの判別が容易となる。
【0086】
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態は、眼鏡用液晶シャッタセットの製造方法である。
本製造方法は、左右の一方の眼用の第1液晶シャッタ101と、左右の他方の眼用の第2液晶シャッタ102と、を含む眼鏡用液晶シャッタセットの製造方法である。第1液晶シャッタ部101は、第1基板部110と、第2基板部120と、第1基板部110と第2基板部120との間に設けられ、第1液晶層151と第1中間部材とを含む第1中間部150と、を含む。第2液晶シャッタ部102は、第3基板部130と、第4基板部140と、第3基板部130と第4基板部140との間に設けられ、第2液晶層161と第2中間部材とを含む第2中間部160と、を含む。
【0087】
ここで、第1中間部材は、例えば、第1シール152を含む。第1中間部材は、例えば第1トランスファ導電部153を含んでも良い。ここで、第2中間部材は、例えば、第2シール162を含む。第2中間部材は、例えば第2トランスファ導電部163を含んでも良い。
【0088】
図9(a)、図9(b)、図10(a)及び図10(b)は、第5の実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセットの製造方法を例示する模式的斜視図である。
図9(a)に表したように、本製造方法では、第1元基板110s及び第2元基板120sが用いられる。第1元基板110sは、第1基板111(第1基板部110)及び第3基板131(第3基板部130)となる。すなわち、第1元基板110sが分断されて、第1基板111及び第3基板131が形成される。また、第2元基板120sは、第2基板121(第2基板部120)及び第4基板141(第4基板部140)となる。すなわち、第2元基板120sが分断されて、第2基板121及び第4基板141が形成される。
【0089】
第1元基板110sは、それぞれが第1基板部110の一部となる複数の第1層と、それぞれが第3基板部130の一部となる複数の第3層と、を有する。
なお、第1元基板110sが分断されて、第1基板111及び第4基板141が形成されても良い。すなわち、第1元基板110sは、それぞれが第1基板部110の一部となる複数の第1層と、それぞれが第3基板部130及び第4基板部140の一方の一部となる複数の第3層と、を有することができる。以下では、複数の第3層のそれぞれが第3基板部130の一部となる場合として説明する。
【0090】
一方、第2元基板120sは、それぞれが第2基板部120の一部となる複数の第2層と、それぞれが第4基板部140の一部となる複数の第4層と、を有する。
なお、第2元基板120sが分断されて、第2基板121及び第3基板131が形成されても良い。すなわち、第2元基板120sは、それぞれが第2基板部120の一部となる複数の第2層と、それぞれが第3基板部130及び第4基板部140の他方の一部となる複数の第4層と、を有することができる。以下では、複数の第4層のそれぞれが第4基板部140の一部となる場合として説明する。
【0091】
第1層は、例えば、第1電極112を含む、また、第1層は、第1配向膜113をさらに含んでも良い。第3層は、例えば、第3電極132を含む、また、第3層は、第3配向膜133をさらに含んでも良い。
【0092】
第2層は、例えば、第2電極122を含む、また、第2層は、第2配向膜123をさらに含んでも良い。第4層は、例えば、第4電極142を含む、また、第4層は、第4配向膜143をさらに含んでも良い。
【0093】
図9(a)に表したように、例えば、第1層と第3層とは交互に配置されている。また、例えば、第2層と第4層とは交互に配置されている。
なお、本具体例では、第1元基板110sに、2つの第1層と、2つの第3層と、が設けられているが、第1層の数と、第3層の数と、は任意である。また、本具体例では、第1層及び第3層が1つの方向(例えば横方向)に並んでいるが、1つの方向と、さらにその方向とは別の方向(例えば縦方向)と、に並んでも良い。
【0094】
同様に、本具体例では、第2元基板120sに、2つの第2層と、2つの第4層と、が設けられているが、第2層の数と、第4層の数と、は任意である。また、本具体例では、第2層及び第4層が1つの方向(例えば横方向)に並んでいるが、1つの方向と、さらにその方向とは別の方向(例えば縦方向)と、に並んでも良い。
【0095】
図9(a)に表したように、第1元基板110s及び第2元基板120sに、液晶配列方向111a、121a、131a及び141aに沿って、例えばラビング処理が行われる。
【0096】
この後、図9(b)に表したように、第1元基板110sの第1主面において、第1層に対応する位置に第1中間部材を形成し、第3層に対応する位置に第2中間部材を形成する。本具体例では、第1中間部材は、第1シール152となる樹脂である。そして、第2中間部材は、第2シール162となる樹脂である。
【0097】
第1中間部材において、第1シール152の分断部が設けられ、この分断部が第1注入口152aとなる。また、第2中間部材において、第2シール162の分断部が設けられ、この分断部が第2注入口162aとなる。
【0098】
そして、第1シール152の分断部(第1注入口152a)の位置と、第2シール162の分断部(第2注入口162a)の位置とが、互いに非対称である。
【0099】
すなわち、本実施形態に係る製造方法においては、第1中間部材の形状と、第2中間部材の形状と、が互いに非対称である。
【0100】
なお、上記においては、第1元基板110sにシールとなる樹脂を設けたが、第2元基板120sにシールとなる樹脂を設けても良い。
【0101】
また、本具体例においては、例えば、第1元基板110sの端部に、第1中間部材及び第2中間部材の少なくともいずれかに用いられる材料によって、端部マーク152dが一緒に設けられている。端部マーク152dに関しては後述する。
【0102】
その後、第2元基板120sの第2主面と、第1元基板110sの第1主面と、を対向させて、第1主面と第2主面との間に第1液晶層と第2液晶層となる液晶材料を導入する。
【0103】
本具体例では、図10(a)に表したように、第1元基板110sと第2元基板120sとを互いに対向させて組み立て、第1中間部材の第1シール152と、第2中間部材の第2シール162と、を硬化させて、第1元基板110sと第2元基板120sとを接着する。
【0104】
このようにして組み立てられた第1元基板110s及び第2元基板120sを、例えば、減圧雰囲気中に配置し、第1元基板110sと第2元基板120sとの端部から開口する第1注入口152a及び第2注入口162aを、液晶材料が収容された液晶ポット170に漬ける。その後、雰囲気を大気圧に戻すことにより、第1元基板110s及び第2元基板120sとの間に液晶材料が注入(導入)される。
【0105】
そして、注入口を封止した後、図10(b)に表したように、第1元基板110s及び第2元基板120sを分断する。すなわち、第1元基板110s及び第2元基板120sを分断して、第1基板部110、第2基板部120、第3基板部130及び第4基板部140とを形成する。これにより、第1液晶シャッタ101及び第2液晶シャッタ102が得られる。
【0106】
このように、本実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセットの製造方法においては、第1中間部材の形状と、第2中間部材の形状と、が互いに非対称とされる。これにより、左眼用液晶シャッタと右眼用液晶シャッタとの判別が容易になり、高い生産性で眼鏡用液晶シャッタセットを製造することができる。
【0107】
すなわち、本実施形態においては、第1液晶シャッタ101に用いられる第1膜の形状と、第2液晶シャッタ102に用いられる第3膜の形状と、は互いに鏡面対称とすることができる。また、同様に、第2膜の形状と、第4膜の形状と、は互いに鏡面対称とすることができる。
このとき、第1中間部材の形状と、第2中間部材の形状と、を互いに非対称とすることで、第1液晶シャッタ101と、第2液晶シャッタ102と、の判別が容易となる。
【0108】
本実施形態においては、第1層の形状と第1中間部材の形状との差異と、第3層の形状と第2中間部材の形状との差異と、は互いに異なる。
例えば、図9(b)に例示したように、第1層である第1電極112の形状と、第1中間部材である第1シール152の形状と、の差異は、第3層である第3電極132の形状と、第2中間部材である第2シール162の形状と、の差異と、異なる。これにより、表裏が反転した場合にも第1液晶シャッタ101と、第2液晶シャッタ102と、の判別が容易となる。
【0109】
さらに、第1元基板110s及び第2元基板120sの分断の際に、基板部の外形を非対称にしても良い。これによっても、表裏が反転した場合にも第1液晶シャッタ101と、第2液晶シャッタ102と、の判別が容易となる。
【0110】
このように、本実施形態においては、第1層の形状と第1中間部材の形状との差異と、第3層の形状と第2中間部材の形状との差異と、は互いに異なる、中間部材の形状と、第2中間部材の形状と、は互いに非対称である、並びに、第1基板部110及び第2基板部120の少なくともいずれかの外形と、第3基板部130及び第4基板部140の少なくともいずれかの外形と、は互いに非対称である、の少なくともいずれかとすることができる。
【0111】
例えば、第1中間部材は、第1液晶層151の周囲に配置される第1シール152を含み、第2中間部材は、第2液晶層161の周囲に配置される第2シール162を含み、第1シール152のパターン形状は、第2シール162のパターン形状と非対称な部分を有する。例えば、この非対称な部分は、第1シール152の不連続部分とすることができる。この不連続な部分は、例えば注入口として機能する。すなわち、この非対称な部分は、第1元基板110sの第1主面において第1シール152で囲われた領域の内部に液晶材料を導入する、第1シール152によって形成された注入口とすることができる。
【0112】
なお、上記は、第2シール162のパターン形状が、第1シール152のパターン形状と非対称な部分を有すると見なしても良く、例えば、この非対称な部分は、第2シール162の不連続部分とすることができ、この非対称な部分は、第1元基板110sの第1主面において第2シール162で囲われた領域の内部に液晶材料を導入する、第2シール162によって形成された注入口とすることができる。
【0113】
また、既に説明したように、シールパターンは、第2元基板120sに形成しても良く、この場合にも、第1シール152のパターン形状は、第2シール162のパターン形状と非対称な部分を有する。
【0114】
なお、注入口を第1液晶シャッタ101と第2液晶シャッタ102とで非対称な位置に設ける際には、注入口と配向方向(例えばラビング方向)との関係を適正化することによって、液晶の注入時間を短縮できる。
【0115】
すなわち、本実施形態に係る製造方法は、第1中間部材を形成し、第2中間部材を形成する工程の前に、第1主面に液晶材料の液晶分子を配向させるための工程をさらに備えることができる。そして、第1中間部材は、第1液晶層151の周囲に配置される第1シール152を含み、第2中間部材は、第2液晶層161の周囲に配置される第2シール162を含み、第1シール152のパターン形状は、第2シール162のパターン形状と非対称な部分(例えば注入口)を有する。そして、非対称な部分(例えば注入口)は、第1元基板110sの第1主面において第1シール152で囲われた領域の内部に液晶材料を導入する、第1シール152によって形成された注入口であり、その領域の中心から、注入口が設けられる位置に向かう方向は、液晶分子の長軸方向(すなわち、例えばラビング方向)に沿う方向(例えば実質的に平行な方向)とすることができる。これにより、注入時間を短縮でき、生産性がより向上する。
【0116】
なお、本具体例では、注入口の位置を第1液晶シャッタ101と第2液晶シャッタ102とで非対称にするため、第1液晶シャッタ101と第2液晶シャッタ102との組みの表裏を反転させると、反転後の注入口の位置は、反転前の注入口の位置から変化する。
【0117】
例えば、図10(a)に例示した状態に対して、第1液晶シャッタ101と第2液晶シャッタ102との組みの表裏を反転させると、注入口は、液晶ポット170の位置からずれてしまい、適正な注入が行われなくなる。このように、注入時に表裏を反転させて間違って、第1液晶シャッタ101と第2液晶シャッタ102との組みを、液晶ポット170の上にセットしないために、第1液晶シャッタ101と第2液晶シャッタ102との組みにおいて、表裏(例えば左右)の印を設けることが望ましい。
【0118】
例えば、図9(b)に例示したように、第1元基板110sの一方の端部に、シールとなる材料で印(端部マーク152d)を形成することができる。これにより、図10(a)に表したように、正しい表裏の配置によって第1液晶シャッタ101と第2液晶シャッタ102との組みをセットした場合は、形成した端部マーク152dは、一方の端に位置する。そして表裏を反転させて誤ってセットした場合には、形成した端部マーク152dは他方の端に位置する。
【0119】
シールでなどの中間部材による印は、基板に設ける印などよりも目立ち易いため、第1液晶シャッタ101と第2液晶シャッタ102との組みを間違ってセットすることが効果的に抑制できる。
【0120】
また、本実施形態において、中間部材として、トランスファ導電部を用いても良い。すなわち、第1中間部材は、第1導電部材(第1トランスファ導電部153)を含み、第2中間部材は、第2導電部材(第2トランスファ導電部163)を含むことができる。そして、第1導電部材のパターン形状は、第2導電部材のパターン形状と非対称な部分を有することができる。
【0121】
また、中間部材として、シール材に用いられる材料やトランスファ導電部に用いられる材料を用いて、シールやトランスファとは別の独立した印(例えば上記の端部マーク152d)を形成しても良い。
【0122】
このような場合も、第1液晶シャッタ101に含まれる第1中間部材の形状と、第2液晶シャッタ102に含まれる第2中間部材の形状と、を互いに非対称にすることで、第1液晶シャッタ101と第2液晶シャッタ102との判別が容易になり、高い生産性で眼鏡用液晶シャッタセットを製造することができる。
【0123】
本実施形態においては、第1層の形状と第3層の形状とが互いに異なって設定される。例えば、複数の第1層は、第1液晶層151に電圧を印加するための複数の第1電極112を含み、複数の第3層は、第2液晶層161に電圧を印加するための複数の第3電極132を含み、複数の第1電極112のそれぞれのパターン形状は、複数の第3電極132のそれぞれのパターン形状と非対称な部分を含むことができる。
【0124】
また、本実施形態に係る製造方法は、第1〜第4層を形成する工程をさらに備えることができる。
すなわち、本製造方法は、第1中間部材を形成し、第2中間部材を形成する工程の前に、複数の第1層と、複数の第3層と、を形成する工程をさらに備える。そして、複数の第1層の形成は、第1液晶層151に電圧を印加するための複数の第1電極112を形成する工程を含み、複数の第3層の形成は、第2液晶層161に電圧を印加するための複数の第3電極132を形成する工程を含むことができる。このとき、複数の第1電極112を形成する工程は、複数の第1電極112となる材料を用いて第1基板部識別マーク118を形成する工程を含むことができる。
【0125】
また、複数の第3電極132を形成する工程は、複数の第3電極132となる材料を用いて第2基板部識別マーク138を形成する工程を含むことができる。
そして、第1基板部識別マーク118の位置は、第2基板部識別マーク138と非対称である、第1基板部識別マーク118の形状は、第2基板部識別マーク123と非対称である、第1基板部識別マーク118の色は、第2基板部識別マーク123と異なる、並びに、第1基板部識別マーク118の大きさは、第2基板部識別マーク123と異なる、の少なくともいずれかとされる。
【0126】
また、本実施形態に係る製造方法は、第1中間部材を形成し、第2中間部材を形成する工程の前に、複数の第1層と、複数の第3層と、を形成する工程をさらに備え、複数の第1層の形成は、第1層識別マーク(例えば第1基板部識別マーク118)を形成する工程を含むことができる。
【0127】
そして、複数の第3層の形成は、第3層識別マーク(例えば第2基板部識別マーク138)を形成する工程を含むことができる。そして、第1層識別マークの位置は、第3層識別マークと非対称である、第1層識別マークの形状は、第3層識別マークと非対称である、第1層識別マークの色は、第3層識別マークと異なる、並びに、第1層識別マークの大きさは、第3層識別マークと異なる、の少なくもいずれかとされる。
【0128】
また、実施形態に係る眼鏡用液晶シャッタセットは、第1液晶シャッタ101と第2液晶シャッタ102とを備え、第1液晶シャッタ101及び第2液晶シャッタ102の少なくとも一方には、識別マークが組み込まれる。この識別マークは、位置、有無、形状(個数を含む)及び大きさの関係のうちの少なくともいずれか1つが、第1液晶シャッタ101と第2液晶シャッタ102とで非対称の関係にある。これにより、第1液晶シャッタ101と第2液晶シャッタ102との判別が容易になる。
【0129】
例えば、第1液晶シャッタ101及び第2液晶シャッタ102の形状のそれぞれが、対称軸を持たない形状とすることができる。この場合には、識別マークに関する、位置、有無、形状(個数を含む)及び大きさの関係のうちの少なくともいずれか1つが、第1液晶シャッタ101と第2液晶シャッタ102とで非対称の関係である。これにより、第1液晶シャッタ101及び第2液晶シャッタ102の判別と共に、表裏の判別ができる。
【0130】
また、識別マークは、位置、有無、形状(個数を含む)及び大きさの関係のうちいずれか2つ以上を、第1液晶シャッタ101と第2液晶シャッタ102とで非対称の関係とすることができる。これにより、第1液晶シャッタ101と第2液晶シャッタ102との判別、並びに、それらの表裏の判別が容易になる。
【0131】
例えば、第1液晶シャッタ101及び第2液晶シャッタ102の形状のそれぞれが、対称軸を有する形状の場合において、識別マークに関する、位置、有無、形状(個数を含む)及び大きさの関係のうちの少なくともいずれか2つが、第1液晶シャッタ101と第2液晶シャッタ102とで非対称の関係である。これにより、第1液晶シャッタ101及び第2液晶シャッタ102の判別と共に、表裏の判別ができる。
【0132】
以上のように、実施形態によれは、左眼用液晶シャッタと右眼用液晶シャッタとの判別が容易で、高生産性の眼鏡用液晶シャッタセット及びその製造方法が提供される。
【0133】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。眼鏡用液晶シャッタセットに含まれる、基板部、中間部、電極、配向膜、液晶層、シール、トランスファ導電部等の各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0134】
その他、本発明の実施の形態として上述した眼鏡用液晶シャッタセット及びその製造方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての眼鏡用液晶シャッタセット及びその製造方法も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0135】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。
【0136】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0137】
10、11、12、13…眼鏡用液晶シャッタセット、 20…液晶シャッタ眼鏡、 101…第1液晶シャッタ、 102…第2液晶シャッタ、 110…第1基板部、 110s…第1元基板、 111…第1基板、 111a…液晶配列方向、 112…第1電極、 113…第1配向膜、 115…第1光学フィルム、 115a…光軸、 118…第1基板部識別マーク、 120…第2基板部、 120s…第2元基板、 121…第2基板、 121a…液晶配列方向、 122…第2電極、 123…第2配向膜、 124…接続端子用電極、 125…第2光学フィルム、 125a…光軸、 130…第3基板部、 131…第3基板、 131a…液晶配列方向、 132…第3電極、 133…第3配向膜、 135…第3光学フィルム、 135a…光軸、 138…第2基板部識別マーク、 140…第4基板部、 141…第4基板、 141a…液晶配列方向、 142…第4電極、 143…第4配向膜、 144…接続端子用電極、 145…第4光学フィルム、 145a…光軸、 150…第1中間部、 151…第1液晶層、 152…第1シール、 152a…第1注入口、 152d…端部マーク、 153…第1トランスファ導電部、 158…第1中間部識別マーク、 160…第2中間部、 161…第2液晶層、 162…第2シール、 162a…第2注入口、 163…第2トランスファ導電部、 168…第2中間部識別マーク、 170…液晶ポット、 301…保持部、 301a…中心線、 310…左側フレーム、 311…左側耳かけ部、 320…右側フレーム、 321…右側耳かけ部、 330…連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板部と、
第2基板部と、
前記第1基板部と前記第2基板部との間に設けられ、第1液晶層を含む第1中間部と、
を含む左右の一方の眼用の第1液晶シャッタと、
第3基板部と、
第4基板部と、
前記第3基板部と前記第4基板部との間に設けられ、第2液晶層を含む第2中間部と、
を含む左右の他方の眼用の第2液晶シャッタと、
を備え、
前記第1基板部及び前記第2基板部の少なくともいずれかは、前記第3基板部及び前記第4基板部の少なくともいずれかに対して非対称な部分を有する、並びに、
前記第1中間部は、前記第2中間部に対して非対称な部分を有する、
の少なくともいずれかであることを特徴とする眼鏡用液晶シャッタセット。
【請求項2】
前記第1基板部は、前記第2基板部に対向する第1主面に設けられた第1電極を有し、 前記第2基板部は、前記第1基板部に対向する第2主面に設けられた第2電極を有し、
前記第1中間部は、前記第1基板部と前記第2基板部との間において前記第1液晶層の周囲に設けられた第1シールを有し、
前記第3基板部は、前記第4基板部に対向する第3主面に設けられた第3電極を有し、 前記第4基板部は、前記第3基板部に対向する第4主面に設けられた第4電極を有し、
前記第2中間部は、前記第3基板部と前記第4基板部との間において前記第2液晶層の周囲に設けられた第2シールを有し、
前記第1電極及び前記第2電極の少なくともいずれかの形状は、前記第3電極及び前記第4電極の少なくともいずれかの形状と非対称である、並びに、
前記第1シールの形状は、前記第2シールの形状と非対称である、
の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1記載の眼鏡用液晶シャッタセット。
【請求項3】
前記第1中間部及び前記第2中間部の少なくともいずれかは、中間部識別マークをさらに含み、前記中間部識別マークは、前記第1中間部と前記第2中間部とで異なることを特徴とする請求項1または2に記載の眼鏡用液晶シャッタセット。
【請求項4】
第1基板部と、第2基板部と、前記第1基板部と前記第2基板部との間に設けられ、第1液晶層と第1中間部材とを含む第1中間部と、を有する左右の一方の眼用の第1液晶シャッタと、第3基板部と、第4基板部と、前記第3基板部と前記第4基板部との間に設けられ、第2液晶層と第2中間部材とを含む第2中間部と、を有する左右の他方の眼用の第2液晶シャッタと、を有する眼鏡用液晶シャッタセットの製造方法であって、
それぞれが前記第1基板部の一部となる複数の第1層と、それぞれが前記第3基板部及び前記第4基板部の一方の一部となる複数の第3層と、が設けられた第1元基板の第1主面に、前記第1層に対応する位置に前記第1中間部材を形成し、前記第3層に対応する位置に前記第2中間部材を形成する工程と、
それぞれが前記第2基板部の一部となる複数の第2層と、それぞれが前記第3基板部及び前記第4基板部の他方の一部となる複数の第4層と、が設けられた第2元基板の第2主面と、前記第1主面と、を対向させて、前記第1主面と前記第2主面との間に前記第1液晶層と前記第2液晶層となる液晶材料を導入する工程と、
前記第1元基板及び前記第2元基板を分断して、前記第1基板部、前記第2基板部、前記第3基板部及び前記第4基板部を形成する工程と、
を備え、
前記第1層の形状と前記第1中間部材の形状との差異と、前記第3層の形状と前記第2中間部材の形状との差異と、は互いに異なる、
前記中間部材の形状と、前記第2中間部材の形状と、は互いに非対称である、並びに、
前記第1基板部及び前記第2基板部の少なくともいずれかの外形と、前記第3基板部及び前記第4基板部の少なくともいずれかの外形と、は互いに非対称である、
の少なくともいずれかであることを特徴とする眼鏡用液晶シャッタセットの製造方法。
【請求項5】
前記第1中間部材は、前記第1液晶層の周囲に配置される第1シールを含み、
前記第2中間部材は、前記第2液晶層の周囲に配置される第2シールを含み、
前記第1シールのパターン形状は、前記第2シールのパターン形状と非対称な部分を有することを特徴とする請求項4記載の眼鏡用液晶シャッタセットの製造方法。
【請求項6】
前記第1中間部材は、第1導電部材を含み、
前記第2中間部材は、第2導電部材を含み、
前記第1導電部材のパターン形状は、前記第2導電部材のパターン形状と非対称な部分を有することを特徴とする請求項4または5に記載の眼鏡用液晶シャッタセットの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−88369(P2012−88369A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−232467(P2010−232467)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【出願人】(302020207)東芝モバイルディスプレイ株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】