説明

眼障害の処置のためのクマリン誘導体

本発明は、種々の眼障害を処置するための、クマリン塩基およびその塩(特にその薬学的に受容可能な塩)の化合物、ならびに上記化合物およびその塩を含有する薬学的組成物に関する。本発明は、眼障害を処置する方法を提供し、この方法は、被験体に、上記化合物およびその塩を投与する工程を包含する。上記化合物またはその塩は、経口的にまたは注入により投与され得るか、あるいは眼組織(例えば、眼の裏側)に移植または注入された徐放性デバイスを介して送達され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、種々の眼障害を処置するための、クマリン塩基およびその塩を含有する薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
クマリンは、縮合ベンゼンおよびα−ピロール環を特徴とするフェノール物質のクラスを含む。クロリクロメンおよびカルボクロメンは、クマリンファミリーに属し、以下の式により表される:
【0003】
【化5】


【0004】
米国特許第4,452,811号(della Valle)は、カルボクロメンおよびクロリクロメンは、血管拡張性活性を有し、血管の閉塞により引き起こされる冠動脈疾患を処置するために使用され得ることを開示する。米国特許第4,349,566号(della Valle)は、クロリクロメンは抗不整脈活性を示すことを開示する。米国特許第4,362,741号(della Valle)は、クロリクロメンは血小板凝集を予防するために使用され得ることを開示する。WO 2000/76498は、クロリクロメンおよび他のクマリンの、コレステロールを下げる活性を開示する。WO 2002/10148は、主要な病原(例えば、末梢虚血および器官虚血、炎症誘発性分子の放出に起因する心筋および他の器官の電気的改変、末梢血管症および脳血管症)、ならびにさらなる病原を処置するための種々のクマリン誘導体を開示する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要旨)
本発明は、眼障害を処置する方法を提供し、この方法は、被験体に、クマリン塩基またはその塩、特に式(I):
【0006】
【化6】

の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含し、
ここで:
Xは、OまたはSであり;
nは、0または1〜10の整数であり;
は、メチルまたはフェニルであり;
およびRは、独立して、H、OH、アリル、ハロゲンまたはメチルであり;
およびRは、独立して、水素、C〜Cアルキル基であるか、あるいはRおよびRは、窒素原子と一緒になって、必要に応じて他のヘテロ原子を含むN−ヘテロ環を形成し;そして
は、H;必要に応じて1つ以上のエーテルラジカル、チオエーテルラジカル、エステルラジカルまたはアミノラジカルで置換され、かつ必要に応じてOH、アミド、糖残基またはアミノ酸残基で置換されている、C〜C10アルキルもしくはC〜C10アルケニル;あるいは式(II):
【0007】
【化7】

のラジカルであり;
は、必要に応じて1つ以上のエーテルラジカル、チオエーテルラジカル、エステルラジカルまたはアミノラジカルで置換され、かつ必要に応じてOH、アミド、糖残基またはアミノ酸残基で置換されている、C〜C10アルキレン鎖である。
【0008】
上記化合物またはその塩は、経口的にまたは注入により投与され得るか、あるいは眼組織(例えば、眼の裏側)に移植または注入された徐放性デバイスを介して送達され得る。
【0009】
眼障害としては、糖尿病網膜症、糖尿病斑状浮腫、網膜血管閉塞疾患、ブドウ膜炎、および脈絡膜炎が挙げられる。
【0010】
化合物の1つのクラスとしては、8−クロロ置換または8−ブロモ置換を含む、式(III)の化合物:
【0011】
【化8】

またはその薬学的に受容可能な塩が挙げられ、
ここで:
は、塩基性置換基を有するアルキル基であり;
は、塩基性基、アルケニル基、カルボキシアルキル基またはアルコキシカルボニルアルキル基で置換されたアルキル基であり;
10は、水素、アルキルまたはアリールであり;そして
X’は、塩素または臭素である。
【0012】
1つの好ましい化合物は、クロリクロメン、特にその塩酸塩である。
【0013】
本発明の方法は、ヒトを含む哺乳動物のための以下の工程を包含する:
糖尿病網膜症の処置工程;
網膜出血の予防工程;
眼障害を有する被験体における視力障害の予防工程;
眼組織における硬性白斑を低減する工程;および
特に糖尿病被験体における網膜損傷の進行を遅延する工程。
【0014】
(詳細な説明)
本発明の薬学的組成物は、クマリン塩基またはその薬学的に受容可能な塩を含有する。これらの化合物としては、式(I)の化合物:
【0015】
【化9】

が挙げられ、
ここで:
Xは、OまたはSであり;
nは、0または1〜10の整数であり;
は、メチルまたはフェニルであり;
およびRは、独立して、H、OH、アリル、ハロゲンまたはメチルであり;
およびRは、独立して、水素、C〜Cアルキル基であるか、あるいはRおよびRは、窒素原子と一緒になって、必要に応じて他のヘテロ原子を含むN−ヘテロ環を形成し;そして
は、H;必要に応じて1つ以上のエーテルラジカル、チオエーテルラジカル、エステルラジカルまたはアミノラジカルで置換され、かつ必要に応じてOH、アミド、糖残基またはアミノ酸残基で置換されている、C〜C10アルキルもしくはC〜C10アルケニル;あるいは式(II):
【0016】
【化10】

のラジカルであり;
は、必要に応じて1つ以上のエーテルラジカル、チオエーテルラジカル、エステルラジカルまたはアミノラジカルで置換され、かつ必要に応じてOH、アミド、糖残基またはアミノ酸残基で置換されている、C〜C10アルキレン鎖である。
【0017】
代表的な−ORラジカルとしては、ヒドロキシ、エトキシ(ethyox)カルボニルメトキシ、2−ヒドロキシヘキシルオキシ、プロピルオキシ、および2−ヒドロキシプロピルオキシ(hydroxyopropyloxy)が挙げられる。
【0018】
−(CH−N(R)(R)部分を含む代表的なラジカルとしては、ピペリジノエチル、モルホリノエチル、ジエチルアミノエチルまたはジエチルアミノプロピルが挙げられる。
【0019】
好ましい塩は、塩酸塩である。
【0020】
種々のクマリンおよびそれらの調製は、以下の文献に開示され、それらの開示は、本明細書中で参考として援用される:米国特許第4,452,811号(della Valle);米国特許第4,349,566号(della Valle);米国特許第4,362,741号(della Valle);WO 2000/76498;WO 2002/10148;および米国特許第4,296,039号。本発明で使用される化合物の全ては、当該分野で公知の方法によって調製され得る。
【0021】
好ましい化合物としては特に、式(III):
【0022】
【化11】

の8−ブロモ誘導体または8−クロロ誘導体が挙げられ、
ここで:
は、塩基性置換基(例えば、ピペリジノエチル、モルホリノエチル、ジエチルアミノエチルまたはジエチルアミノプロピル)を有するアルキル基であり;
は、塩基性基、アルケニル基、カルボキシアルキル基またはアルコキシカルボニルアルキル基で置換されたアルキル基であり;
10は、水素、アルキルまたはアリールであり;そして
X’は、塩素または臭素である。
【0023】
1つの好ましい化合物は、クロリクロメンまたはその塩酸塩である。
【0024】
【化12】

クロリクロメンの塩酸塩はまた、商品名Proendotelで公知であり、そして米国特許第4,296,039号および同第4,452,811号に記載されるプロセスにより調製され得る。
【0025】
これらの化合物および塩は、種々の眼障害および病理を処置するために、ヒトを含む哺乳動物に投与され得ることが見出された。このような障害としては、糖尿病網膜症、糖尿病斑状浮腫、網膜血管閉塞疾患、ブドウ膜炎(後区ブドウ膜炎および前区ブドウ膜炎を含む)、および脈絡膜炎が挙げられる。
【0026】
上記化合物またはその塩は、処置を必要としている被験体に経口的に投与され得る。経口用調製物は、糖衣錠、錠剤、またはカプセル剤(例えば、ゼラチンカプセル剤)の形態を有し得る。一般的に、その活性剤は、従来の薬学的な賦形剤、キャリアまたは希釈剤(水、植物油、アラビアゴム、ゼラチン、セルロース誘導体、ポリグリコールおよび/または乳化剤を含む)と組み合わされる。
【0027】
上記化合物またはその塩は、筋肉内または静脈内を含む注入により投与され得る。一般的に、その活性剤は、従来の薬学的な賦形剤、キャリアまたは希釈剤(例えば、水または生理食塩水溶液)と組み合わされる。さらに、注射可能調製物は、その調製物を眼組織に直接注入することにより、局所的に投与され得る。
【0028】
上記化合物または塩は、徐放性デバイス中に含まれ得、ここでこのデバイスは、その活性剤を時間をかけて放出するために、身体に移植または注入される。好ましくは、上記デバイスは、眼組織に移植または注入される。このようなデバイスの例は、以下の特許に見出され、これらの開示は、本明細書中で参考として援用される:US 2002/0086051A1(Viscasillas);US 2002/0106395A1(Brubaker);US 2002/0110591A1(Brubakerら);US 2002/0110592A1(Brubakerら);US 2002/0110635A1(Brubakerら);米国特許第5,378,475号(Smithら);米国特許第5,773,019号(Ashtonら);米国特許第5,902,598号(Chenら);米国特許第6,001,386号(Ashtonら);米国特許第6,217,895号(Guoら);および米国特許第6,375,972号(Guoら)。
【0029】
薬学的調製物は、薬学的有効量の化合物またはその塩を含有する。一般的に、上記調製物は、10mg〜500mgの量でその活性剤を含む。一般的に、上記化合物またはその塩は、10mg〜500mgの1日投薬量で投与され、より詳細には25mg〜200mgの1日投薬量で、最も好ましくは50mg〜200mgの1日投薬量で投与される。
【0030】
薬学的に有効量の上記化合物またはその塩を含有する薬学的調製物は、特に上記化合物またはその塩が移植可能な徐放性デバイス中に含まれる場合、他の活性剤をさらに含有し得る。このような補充活性剤の例としては、以下が挙げられる:麻酔および疼痛緩和剤(pain killing agent)(例えば、リドカインおよび関連化合物、ならびにベンゾジアゼパムおよび関連化合物);抗癌剤(例えば、5−フルオロウラシル、アドリアマイシン、および関連化合物);抗真菌剤(例えば、フルコナゾールおよび関連化合物);抗ウイルス剤(例えば、三ナトリウムホスホモノホルメート(trisodium phosphomonoformate)、トリフルオロチミジン、アシクロビル、ガンシクロビル、DDIおよびAZT);細胞輸送/運動切迫剤(impending agent)(例えば、コルヒチン、ビンクリスチン、サイトカラシンBおよび関連化合物);抗緑内障薬(例えば、β遮断薬:チモロール、ベタキソロール、アテナロールなど);抗高血圧薬;うっ血除去薬(例えば、フェニレフリン、ナファゾリン、およびテトラヒドラゾリン);免疫応答調節剤(例えば、ムラミルジペプチドおよび関連化合物);ペプチドおよびタンパク質(例えば、シクロスポリン、インスリン、成長ホルモン、インスリン関連成長因子、熱ショックタンパク質および関連化合物);ステロイド化合物(例えば、デキサメタゾン、プレドニゾロンおよび関連化合物);低溶解度ステロイド(例えば、フルオシロノンアセトニドおよび関連化合物);炭酸脱水素酵素阻害剤;診断用薬;抗アポトーシス剤;遺伝子治療剤;金属イオン封鎖剤;還元剤(例えば、グルタチオン);抗浸透剤;アンチセンス化合物;抗増殖剤;抗体抱合体;抗うつ薬;血流賦活薬;抗喘息薬;駆虫剤;非ステロイド抗炎症剤(例えば、イブプロフェン);栄養分およびビタミン:酵素阻害剤:抗酸化剤;抗白内障薬;アルドースレダクターゼ阻害剤;細胞保護物質;サイトカイン、サイトカイン阻害剤、およびサイトカイン保護物質;uv遮断薬;肥満細胞安定剤;ならびに抗新生血管剤(例えば、抗脈管形成剤様マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤。
【実施例】
【0031】
臨床研究を、眼障害を処置するための化合物の安全性および効力を試験するために行った。この研究は、1型糖尿病を有し、非増殖性糖尿病網膜症に罹患した40人のヒト患者を含んだ。それらの患者のうち20人が、塩酸クロリクロメン(100mg)を含有する1種の錠剤を毎日摂取し、一方、患者のうち20人は、コントロール群を形成し、処置を受けなかった。患者は、クロリクロメンを受けるのかまたは処置を受けないのかいずれかについて、ランダムに指定された。上記患者は、眼底撮影法およびフルオレセイン血管造影法により評価された、1型糖尿病メリタスおよび非増殖網膜症と評価された45歳より上の男性および女性を含んだ。両目の疾患を有する患者については、両目を評価した。片目の疾患を有する患者については、罹患した眼を研究用の眼として提供した。研究から、以下の被験体を除外した:増殖性糖尿病網膜症を罹患した患者;2/10未満の視力を有する患者;腎不全の病歴を有する患者;または抗凝固薬、血小板抗凝固薬、もしくはフィブリン溶解性物質での処置を受けている患者。
【0032】
結果を、以下の表に要約した。この結果は、研究の開始対1年間の研究期間に基づく。視力を、患者が視力検査表を使用することにより評価した。網膜における出血、硬性白斑または血管漏出の存在を、網膜損傷の格付け程度の手段として評価した。出血および硬性白斑を、網膜の実体鏡のカラー眼底写真を観察することによって最初に評価した。血管漏出を、フルオレセイン染色により最初に評価した。
【0033】
【表1】

【0034】
【表2】

これらの臨床結果は、塩酸クロリクロメンが、糖尿病患者における網膜損傷の進行を遅延することに有効であったことを実証する。従って、疾患の後期段階における、より侵襲性な処置が回避され得る。コントロールと比較して、試験した処方物は、網膜出血を予防し、視力障害を予防し、そして眼組織における硬性白斑の形成を低減した。
【0035】
種々の好ましい実施形態または例示的な実施形態が記載されたが、当業者は、このように記載された実施形態の改変を容易に理解する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼障害を処置する方法であって、該方法は、被験体に、式(I):
【化1】

の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含し、
ここで:
Xは、OまたはSであり;
nは、0または1〜10の整数であり;
は、メチルまたはフェニルであり;
およびRは、独立して、H、OH、アリル、ハロゲンまたはメチルであり;
およびRは、独立して、水素、C〜Cアルキル基であるか、あるいはRおよびRは、窒素原子と一緒になって、必要に応じて他のヘテロ原子を含むN−ヘテロ環を形成し;そして
は、H;必要に応じて1つ以上のエーテルラジカル、チオエーテルラジカル、エステルラジカルまたはアミノラジカルで置換され、かつ必要に応じてOH、アミド、糖残基またはアミノ酸残基で置換されている、C〜C10アルキルもしくはC〜C10アルケニル;あるいは式(II):
【化2】

のラジカルであり;
は、必要に応じて1つ以上のエーテルラジカル、チオエーテルラジカル、エステルラジカルまたはアミノラジカルで置換され、かつ必要に応じてOH、アミド、糖残基またはアミノ酸残基で置換されている、C〜C10アルキレン鎖である、
方法。
【請求項2】
前記化合物またはその塩が、経口的にまたは注入によって投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記化合物またはその塩が、経口的に投与される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記化合物またはその塩が、薬学的に受容可能なキャリアをさらに含有する錠剤またはカプセル剤の中に含まれる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記化合物またはその塩が、眼組織に注入される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記化合物またはその塩が、筋肉内または静脈内に注入される、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記化合物またはその塩が、徐放性デバイス中に含まれ、該方法がさらに、該デバイスを眼組織に移植する工程を包含する、方法。
【請求項8】
前記デバイスが、前記眼の裏側に移植される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記化合物またはその塩が、25mg〜500mgの投薬量で投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記化合物またはその塩が、50mg〜200mgの投薬量で投与される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記化合物またはその塩が、50mg〜200mgの1日投薬量で投与される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記化合物またはその塩が、約100mgの1日投薬量で投与される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記眼障害が、糖尿病網膜症、糖尿病斑状浮腫、網膜血管閉塞疾患、ブドウ膜炎、および脈絡膜炎からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
眼障害を処置するための方法であって、該方法は、被験体に、式(III):
【化3】

の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含し、
ここで:
は、塩基性置換基を有するアルキル基であり;
は、塩基性基、アルケニル基、カルボキシアルキル基またはアルコキシカルボニルアルキル基で置換されたアルキル基であり;
10は、水素、アルキルまたはアリールであり;そして
X’は、塩素または臭素である、
方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、該方法は、以下の式:
【化4】

の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含する、方法。
【請求項16】
前記化合物またはその塩が、25mg〜500mgの1日投薬量で経口的に投与される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記化合物の塩酸塩を、約100mgの1日投薬量で投与する工程を包含する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法であって、該方法は、糖尿病網膜症、糖尿病斑状浮腫、網膜血管閉塞疾患、ブドウ膜炎、および脈絡膜炎からなる群より選択される眼障害を処置するために、前記化合物の塩酸塩を投与する工程を包含する、方法。
【請求項19】
糖尿病網膜症を処置するために、前記化合物の塩酸塩を投与する工程を包含する、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記化合物またはその塩を、眼組織に注入する工程を包含する、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
請求項15に記載の方法であって、前記化合物またはその塩が、徐放性デバイス中に含まれ、該方法がさらに、該デバイスを眼組織に移植する工程を包含する、方法。
【請求項22】
が、ピペリジノ、エチル、モルホリノエチル、ジエチルアミノエチルまたはジエチルアミノプロピルからなる群より選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
眼障害を処置するための方法であって、該方法が、被験体に、クマリン塩基またはその薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含する、方法。
【請求項24】
網膜出血を予防するための方法であって、該方法は、被験体に、クマリン塩基またはその薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含する、方法。
【請求項25】
クロリクロメンまたはその塩を投与する工程を包含する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
眼障害を有する被験体における視力障害を予防するための方法であって、該方法は、被験体に、クマリン塩基またはその薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含する、方法。
【請求項27】
クロリクロメンまたはその塩を投与する工程を包含する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
眼組織における硬性白斑を低減する方法であって、該方法は、被験体に、クマリン塩基またはその薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含する、方法。
【請求項29】
クロリクロメンまたはその塩を投与する工程を包含する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
網膜損傷の進行を遅延するための方法であって、該方法は、被験体に、クマリン塩基またはその薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含する、方法。
【請求項31】
クロリクロメンまたはその塩を投与する工程を包含する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記被験体が、糖尿病である、請求項31に記載の方法。

【公表番号】特表2007−521285(P2007−521285A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517741(P2006−517741)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/020739
【国際公開番号】WO2005/004859
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(391008847)ボシュ・アンド・ロム・インコーポレイテッド (137)
【氏名又は名称原語表記】BAUSCH & LOMB INCORPORATED
【Fターム(参考)】