説明

着色されたポリメチルメタクリラート骨セメント及びその製造方法

【課題】今まで常用のポリメチルメタクリラート骨セメントの公知の問題を克服し、ポリメチルメタクリラート骨セメントの粉末成分が色を確実に再現できる、着色されたポリメチルメタクリラート骨セメントを開発すること
【解決手段】少なくとも粉末成分のポリマー粒子の表面が1種又は数種の着色剤と疎水性の低分子量の又はオリゴマーの有機の定着剤とからなる混合物で部分的に又は完全に被覆されていて、その際、前記ポリマー粒子が視覚的に認識可能に膨潤されていない程度の量の定着剤が存在することを特徴とする、液状成分と粉末成分とからなる着色されたポリメチルメタクリラート骨セメント

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色されたポリメチルメタクリラート骨セメントに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリメチルメタクリラート骨セメント(PMMA骨セメント)は、数十年来、骨内に生体プロステーシスを固定するために医学分野において広く使用されている(Klaus-Dieter Kuehn著: Knochenzemente fuer die Endoprothetik: ein aktueller Vergleich der physikalischen und chemischen Eigenschaften handelsueblicher PMMA-Zemente.(生体プロテーシス用の骨セメント:市販のPMMAセメントの生理学的及び化学的特性の最新の比較); Springer Verlag Berlin Heidelberg New York, 2001)。ポリメチルメタクリラート骨セメントは、一般に液体モノマー成分と粉末成分とから構成されている。前記液体モノマー成分は、メチルメタクリラートと活性剤とからなる。活性剤として、N,N−ジメチル−p−トルイジンが有利に使用される。前記粉末成分は、一般に、ポリメチルメタクリラート又はポリメチルメタクリラート−コ−メチルアクリラート、エックス線造影剤及びラジカル開始剤からなる。エックス線造影剤としては、二酸化ジルコニウム及び硫酸バリウムが常用される。ジベンゾイルペルオキシドはラジカル開始剤として有利に使用される。モノマー成分と粉末成分との混合の後に、骨セメントはモノマーのラジカル重合によって数分で硬化する。
【0003】
通常のポリメチルメタクリラート骨セメントは、混合後に白色〜わずかに黄色がかったペースト状の材料として存在する。それにより、しばしば、骨中に混合された骨セメントを導入する際に、骨セメントと骨組織の間の光学的差異が問題となる。しかしながら、骨セメントは周辺の骨組織から視覚的に問題なく区別できることが望ましい。
【0004】
この理由から、約30年来、Heraeus Kulzer GmbH社により製造されたポリメチルメタクリラート骨セメントは緑色を有する。この色は、緑色のモノマー成分及び緑色の粉末成分により達成される。両方の成分中には着色剤としてクロロフィリンが含まれている。
【0005】
このクロロフィリンは、Heraeus Kulzer GmbH社のポリメチルメタクリラート骨セメントの場合に、溶解補助剤として精製された落花生油(Biskin(R))を用いて液体モノマー成分中に溶かされている。着色されたモノマー成分の他に、ポリメチルメタクリラート骨セメントは着色された粉末成分も含有することができる。ポリメチルメタクリラート骨セメントの粉末成分を着色するための公知の方法は、着色されたポリメチルメタクリラート−又はポリメチルメタクリラート−コ−メチルアクリラート粒子を使用することにあった。これは、ポリメチルメタクリラート骨セメントの特性に影響を及ぼすために、着色されていない第2のポリマーと組み合わせることができる。この場合に生じる問題は、着色されたポリマー対着色されていないポリマーの多様な混合比でも粉末成分の色、色感覚を確実に再現することにある。
【0006】
着色剤をパール重合の間に生じるポリマーパール中へ閉じ込める着色されたポリメチルメタクリラート−又はポリメチルメタクリラート−コ−メチルアクリラート粒子の合成は、工業的条件下で極めて複雑で、コストがかかる。これについての根本的な理由は、パール重合の際に使用されるラジカル開始剤に対して及び重合の差異に生じるラジカルに対してして、着色剤の耐性がしばしば低いことにある。特に、前記開始剤は、酸化プロセスを引き起こすことができ、それにより着色剤は脱色される。
【0007】
ポリメチルメタクリラート骨セメントの一定の色調の状態は、顧客に骨セメントを導入するために重要な要因であり、ひいては経済的意味がある。
【非特許文献1】Klaus-Dieter Kuehn著: Knochenzemente fuer die Endoprothetik: ein aktueller Vergleich der physikalischen und chemischen Eigenschaften handelsueblicher PMMA-Zemente.(生体プロテーシス用の骨セメント:市販のPMMAセメントの生理学的及び化学的特性の最新の比較); Springer Verlag Berlin Heidelberg New York, 2001
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の根底をなす課題は、今まで常用のポリメチルメタクリラート骨セメントの公知の問題を克服した着色されたポリメチルメタクリラート骨セメントを開発することであった。ポリメチルメタクリラート骨セメントの粉末成分は、色を確実に再現できるように製造するのが好ましい。低コストの着色されていないポリマー、例えばポリメチルメタクリラート又はポリメチルメタクリラート−コ−メチルアクリラート又はポリメチルメタクリラート−コ−スチレン並びに同様に構成されたコポリマー又はターポリマーを着色されたポリメチルメタクリラート骨セメントの製造のために使用することもできるのが好ましい。この場合、粉末成分中の骨セメントの色感覚が均一であるのが重要である。これは、粉末成分の色が視覚的に認識可能に均質でなければならないことを意味する。さらに、前記ポリメチルメタクリラート骨セメントの粉末成分はその流動性において、着色されていないポリメチルメタクリラート骨セメントの流動性及び膨潤性とは異ならないことが重要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題は、本発明の場合に、少なくともポリマー成分のポリマー粒子の表面が1種以上の着色剤と疎水性の低分子量の又はオリゴマーの、有機定着剤とからなる混合物で部分的に又は完全に被覆されていて、その際、前記のポリマー粒子が視覚的に認識可能に膨潤されていない程度の量の定着剤が存在する、着色されたポリメチルメタクリラート骨セメントによって解決された。疎水性の定着剤を使用することにより、少量の染料をポリマー粒子上に均質に塗布して、前記の染料を前記のポリマー粒子上に固着させることも可能である。それにより、1種の染料又は数種の染料は粒子表面上に固定される。この場合、少量の定着剤が存在することが重要である。大量の定着剤は、ポリマー粒子を膨潤させるか又は溶解させ、それにより前記粒子が接着されかねない。それにより、粉末成分の流動挙動及びそれによる膨潤性も、着色されていないポリメチルメタクリラート骨セメントに対して明らかに変化してしまう。
【0010】
場合により、エックス線造影剤の硫酸バリウム及び/又は酸化ジルコニウムの表面も又は粉末成分の全ての成分の表面も、1種又は数種の着色剤と疎水性の、低分子量の又はオリゴマーの、有機の定着剤とからなる混合物で部分的に又は完全に被覆されていてもよい。1種又は数種の着色剤は、疎水性の、低分子量の又はオリゴマーの、有機の定着剤中に可溶性であるか又は前記定着剤中に懸濁されているのが有利である。例えば、クロロフィリン(E141)はBiskin又はオレイン酸エチルエステル中に溶解される。「懸濁」の概念は、前記着色剤粒子が、1μm以下の粒度を有し、かつ定着剤中で均質に分布していることであると解釈される。
【0011】
さらに、1〜22個の炭素原子を有する脂肪族アルコールのオレイン酸エステル及び/又はエライジン酸エステル及び/又はリノール酸エステル及び/又はリノレン酸エステル又は前記エステルのオリゴマーが定着剤として有利である。
【0012】
さらに、4〜16個の炭素原子を有する脂肪族アルコールのメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル又は3000g/molより低い分子量を有する前記メタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルのオリゴマーが定着剤として有利である。3000g/molより高い分子量を有するこの構造のオリゴマーは、室温でペースト状であるか又は粘性である限り定着剤として使用することも可能である。
【0013】
オレイン酸、エライジン酸、リノレン酸、グリセリントリオレアート、グリセリンエライジナート、グリセリントリリノレナート、エチレングリコールジオレイナート、エチレングリコールジエライジナート、エチレングリコールトリリノレナート及びこれらのオリゴマーが定着剤として特に有利である。このオリゴマーは、高温で空気の作用によっていわゆる吹込油として製造することができるか又は空気酸素の不在で加熱することによりいわゆるスタンド油として製造することができる。グリセリン、エチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリトリトール、1,1,1−トリメチロールプロパンの、不飽和脂肪酸のオレイン酸、エライジン酸、リノレン酸及びアラキドン酸との混合エステル並びにそれから誘導されたオリゴマーも定着剤として使用することができる。
【0014】
1実施態様の場合に、合成により又は部分的合成により製造されかつタンパク質又はタンパク質の分解性生物を含有しない定着剤が有利である。この特性は特に重要である、それというのもタンパク質不含の定着剤を使用する場合に、アレルギーが発生する危険性が最少化されるためである。
【0015】
しかしながら、精製された落花生油、硬化アマニ油、硬化ナタネ油及びヒマワリ油も定着剤として使用することができる。他の食品分野で常用の脂肪及び植物油を使用することも可能である。
【0016】
この定着剤は、有利にラジカル重合可能な二重結合を有するのが好ましい。それにより、前記定着剤は骨セメントの硬化時に重合に関与し、骨セメント中に強固に組み込まれることができる。
【0017】
さらに、定着剤と、1種の着色剤又は数種の着色剤とからなる混合物が、メチルメタクリラート又はメチルメタクリラートと他のメタクリル酸エステル、例えばメタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸イソボルニルエステル及びメタクリル酸−2−エチル−ヘキシルエステル、及びアクリル酸エステル、例えばアクリル酸メチルエステル中に可溶性であるのが有利である。粉末成分と液体モノマー成分とを混合する場合に、1種の着色剤又は数種の着色剤と定着剤とからなる混合物は液体モノマー成分中に溶かされていてかつ前記液体モノマー成分を着色していてもよい。これは、前記被覆が少なくとも部分的にモノマーの作用により剥離されかつモノマーと溶液を形成することを意味する。それにより、硬化時にポリメチルメタクリラート骨セメントの均質な色感覚が達成される、それというのもラジカル重合するモノマーが着色剤を溶解して含有していて、それにより硬化の間に重合して着色されたポリマーが生じるためである。
【0018】
着色剤としては、クロロフィル、クロロフィリン(E141)、インジゴ、マラカイトグリーン、クリスタルバイオレット、ブリリアントブルー、ブリリアントグリーン、銅フタロシアニン、コバルトフタロシアニン、カロテン、ビタミンB12及びこれらから誘導された誘導体が特に有利である。
【0019】
前記粉末成分を着色するための本発明による方法は、本質的に、ポリマー粒子又はポリマー粒子とエックス線造影剤とからなる混合物又はポリマー粒子とエックス線造影剤と開始剤とからなる混合物を、1種の着色剤又は数種の着色剤と定着剤との液状又はペースト状の混合物と、0℃〜50℃の温度範囲内で、空気又は不活性ガスの存在で混合することにより、被覆された粒子上の前記混合物の層厚が2μmより薄くかつ被覆された粒子が相互に接着しない程度に被覆されることにある。その際、前記混合工程をポリマー粒子のガラス転移点を上回らないように実施する場合が特に有利である。ガラス転移点を上回ることにより、ポリマー粒子は接着され、それによりアグロメレートが形成されてしまう。前記混合工程は、有利に工業的に常用のミキサー、例えば撹拌ミキサー又はホイール型ドラムミキサー(Roehnradmischer)で実施することができる。被覆は約40℃の温度で実施するのが有利である、それというのも加熱された定着剤の粘度が、室温での定着剤の粘度よりも低下するためである。それにより、定着剤の均質な分布がより容易に可能となる。
【0020】
本発明を次の実施例により説明するが、本発明はこれに制限されない。
【実施例】
【0021】
実施例1:
スクリューキャップを備えたプラスチック容器中に、ポリメチルメタクリラート−コ−メチルアクリラート(分子量約600000g/mol、粒子サイズ4〜50μm)33.2gを、クロロフィル1.0mgがオレイン酸エチルエステル3.0mg中に溶解している混合物4.0mgと、偏心ドラムミキサー中で、室温で24時間混合した。24時間後に、最初に無色のポリマーが緑色に着色された。このポリマー粒子は膨潤されておらず、かつ相互に接着されていなかった。引き続き、二酸化ジルコニウム6.3g及びジベンゾイルペルオキシド0.84g(水25%で粘液化)を、前記の着色されたポリマーに添加し、室温で10分間、前記偏心ドラムミキサーを用いて混合した。視覚的に均質に見える流動性の生じた混合物は、ポリメチルメタクリラート骨セメントの粉末成分として使用される。
【0022】
実施例2:
スクリューキャップを備えたプラスチック容器中に、ポリメチルメタクリラート−コ−メチルアクリラート(分子量約600000g/mol、粒子サイズ5〜40μm)33.2gと二酸化ジルコニウム6.3gとを、クロロフィル1.0mgがオレイン酸エチルエステル2.0mg中に溶解している混合物3.0mgと、偏心ドラムミキサー中で、室温で24時間混合した。24時間後に、最初に無色のポリマーが緑色に着色された。引き続き、ジベンゾイルペルオキシド0.84g(水25%で粘液化)を、前記の着色された混合物に添加し、室温で10分間、前記偏心ドラムミキサーを用いて混合した。視覚的に均質に見える生じた混合物は、ポリメチルメタクリラート骨セメントの粉末成分として使用される。
【0023】
実施例3:
実施例1と同様に、ポリメチルメタクリラート骨セメントの粉末成分を製造するが、その際、クロロフィル1.0mgとグリセリントリオレイナート3.0mgとからなる混合物4.0mgを使用した。
【0024】
実施例4:
実施例1と同様に、ポリメチルメタクリラート骨セメントの粉末成分を製造するが、その際、ブリリアントブルー1.0mgとオレイン酸3.0mgとからなる混合物4.0mgを使用した。
【0025】
実施例5:
液体モノマー成分をメチルメタクリラート18.40gとN,N−ジメチル−p−トルイジン0.38gとから混合によって製造した。この混合物は、次のセメントのモノマー成分である。
【0026】
それぞれ実施例1〜4の粉末成分39.00gを、それぞれモノマー成分18.00gと組み合わせた。前記粉末成分を液体モノマー成分と混合すると、室温で1分後に緑色の、塑性変形可能なペーストが生じた。これは3分間加工可能であり、かつその後に完全に硬化した。緑色の固体が生じた。
【0027】
実施例6:
液体モノマー成分を、メチルメタクリラート18.40gと、N,N−ジメチル−p−トルイジン0.38gと、オレイン酸エチルエステル2.0mg中に溶かしたクロロフィル1.0mgとから、混合により製造した。この緑色の混合物は、次のセメントのモノマー成分である。
【0028】
それぞれ実施例1〜4の粉末成分39.00gを、それぞれモノマー成分18.00gと組み合わせた。前記粉末成分を液体モノマー成分と混合すると、室温で1分後に緑色の、塑性変形可能なペーストが生じた。これは3分間加工可能であり、かつその後に緑色の固体に完全に硬化した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも粉末成分のポリマー粒子の表面が1種又は数種の着色剤と疎水性の低分子量の又はオリゴマーの有機の定着剤とからなる混合物で部分的に又は完全に被覆されていて、その際、前記ポリマー粒子が視覚的に認識可能に膨潤されていない程度の量の定着剤が存在することを特徴とする、液状成分と粉末成分とからなる着色されたポリメチルメタクリラート骨セメント。
【請求項2】
エックス線造影剤の硫酸バリウム及び/又は酸化ジルコニウムの表面又は粉末成分の全ての成分の表面も、1種又は数種の着色剤と、疎水性の低分子量又はオリゴマーの有機の定着剤とからなる混合物で部分的に又は完全に被覆されていることを特徴とする、粉末成分中に付加的に硫酸バリウム及び/又は酸化ジルコニウムを含有する請求項1記載の着色されたポリメチルメタクリラート骨セメント。
【請求項3】
1種又は数種の着色剤が疎水性の低分子量又はオリゴマーの有機の定着剤中に溶解されているか又は前記定着剤中に懸濁されていることを特徴とする、請求項1又は2記載の着色されたポリメチルメタクリラート骨セメント。
【請求項4】
1種/数種の着色剤対疎水性の低分子量の又はオリゴマーの有機の定着剤の質量比が1.0:0.1〜1.0:10.0であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の着色されたポリメチルメタクリラート骨セメント。
【請求項5】
1〜22個の炭素原子を有する脂肪族アルコールのオレイン酸エステル及び/又はエライジン酸エステル及び/又はリノール酸エステル及び/又はリノレン酸エステル又は前記エステルのオリゴマーが定着剤として存在することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の着色されたポリメチルメタクリラート骨セメント。
【請求項6】
4〜16個の炭素原子を有する脂肪族アルコールのメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル又は3000g/molより低い分子量を有する前記メタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルのオリゴマーが定着剤として存在することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の着色されたポリメチルメタクリラート骨セメント。
【請求項7】
オレイン酸、エライジン酸、リノレン酸、グリセリントリオレアート、グリセリンエライジナート、グリセリントリリノレナート、エチレンジグリコールジオレイナート、エチレングリコールジエライジナート、エチレングリコールトリリノレナート及びこれらのオリゴマーが定着剤として存在することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の着色されたポリメチルメタクリラート骨セメント。
【請求項8】
合成により又は部分的合成により製造されかつタンパク質又はタンパク質の分解生成物を含有していない定着剤が存在することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の着色されたポリメチルメタクリラート骨セメント。
【請求項9】
定着剤として、精製された落花生油、硬化アマニ油、硬化ナタネ油及びヒマワリ油が存在することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の着色されたポリメチルメタクリラート骨セメント。
【請求項10】
定着剤がラジカル重合可能な二重結合を有することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の着色されたポリメチルメタクリラート骨セメント。
【請求項11】
定着剤と、1種の着色剤又は数種の着色剤とからなる混合物がメチルメタクリラート中で可溶性であることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の着色されたポリメチルメタクリラート骨セメント。
【請求項12】
着色剤としてクロロフィル、クロロフィリン、インジゴ、マラカイトグリーン、クリスタルバイオレット、ブリリアントブルー、ブリリアントグリーン、銅フタロシアニン、コバルトフタロシアニン、カロテン、ビタミンB12及びこれらから誘導された誘導体が着色剤として存在することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の着色されたポリメチルメタクリラート骨セメント。
【請求項13】
ポリマー粒子又はポリマー粒子とエックス線造影剤とからなる混合物又はポリマー粒子とエックス線造影剤と開始剤とからなる混合物を、1種の着色剤又は数種の着色剤と定着剤との液状又はペースト状の混合物と、0℃〜50℃の温度範囲内で、空気又は不活性ガスの存在で混合することにより、被覆された粒子上の前記混合物の層厚が2μmより薄くかつ被覆された粒子が相互に接着しない程度に被覆することを特徴とする、PMMA骨セメントの粉末成分のポリマー粒子を着色する方法。

【公開番号】特開2007−14778(P2007−14778A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−186643(P2006−186643)
【出願日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(399011900)ヘレーウス クルツァー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (56)
【氏名又は名称原語表記】Heraeus Kulzer GmbH 
【Fターム(参考)】