説明

着色剤を添加したときの粘度低下を軽減する添加剤を含有する改良された塗料組成物

この発明は、水性ラテックス塗料組成物及び粘度色安定性を有する水性ラテックス塗料組成物を調製する方法に関する。水性ラテックス塗料組成物は、ベース塗料、少なくとも1種の会合性増粘剤、着色化合物及び少なくとも0.1乾燥質量%のABLBAブロック共重合体組成物を含有している。このブロック共重合体は会合性増粘剤の存在下において粘度安定剤として機能する。前記A成分としては、アルキル基、アリール基又はアルキルアリール基等を含むモノマー単位が挙げられる。前記B成分としては、ポリエチレンオキシドポリマー又はポリエチレン−ポリプロピレンオキシドコポリマーが挙げられる。前記L成分は、二酸無水物単位又はジイソシアネート単位を有している。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
この出願は、発明の名称「着色剤を添加したときの粘度低下を軽減する添加剤を含有する改良された塗料組成物」と題され、2006年6月7日に出願された米国仮出願番号第60/812,069の利益を主張する。この出願は、発明の名称「着色剤を添加したときの粘度低下を軽減する添加剤を含有する改良された塗料組成物」と題され、2006年9月7日に出願された一部継続出願第11/517,692号に対応する。この一部継続出願は、発明の名称「着色剤を添加したときの粘度低下を軽減する添加剤を含有する改良された塗料組成物」と題され、2005年9月7日に出願された米国仮出願番号第60/714,946号の利益を主張している。これら前記出願それぞれは、その全文が参照として本明細書に組み入れられる。
【技術分野】
【0002】
この発明は、改良された塗料組成物に関し、さらに詳しくは、着色剤を添加したときの会合性増粘剤ネットワークの分解を低減する目的で水性ラテックス塗料に使用される添加組成物、及び、この改良された塗料組成物を製造する新規な方法に関する。
【発明の概要】
【0003】
この発明における一実施形態において、この発明は、着色剤を添加したときの粘度低下を軽減する添加剤を含有する改良された塗料組成物に関する。
【0004】
この発明の一側面は、ベース塗料と、少なくとも1種の会合性増粘剤と、着色化合物と、少なくとも0.1乾燥質量%のABLBAブロック共重合体組成物とを含有する水性ラテックス塗料組成物(以下、水性ラテックス塗料系(water−borne latex paint system)とも称する。)に関する。前記ブロック共重合体は会合性増粘剤の存在下において粘度安定剤として機能する。前記A成分としては、アルキル基、アリール基又はアルキルアリール基等の基を有するモノマー単位が挙げられる。前記B成分としては、ポリエチレンオキシドポリマー又はポリエチレン−ポリプロピレンオキシドコポリマーが挙げられる。前記L成分は、二酸無水物単位又はジイソシアネート単位を有している。
【0005】
この発明の別の一側面は、ベース塗料、会合性増粘剤及び着色化合物を添加する工程と、少なくとも0.1乾燥質量%のABLBAブロック共重合体組成物をさらに添加する工程とを有する水性ラテックス塗料組成物の調製方法に関する。
【0006】
この発明のまた別の一側面は、高分子化合物(polymer chemical)に関する。この高分子化合物は、アルキル基、アリール基又はアルキルアリール基等の基を有するモノマー単位及びポリエチレンオキシドポリマー又はポリエチレン−ポリプロピレンオキシドコポリマーと、二酸無水物単位及びジイソシアネート単位等のL成分とを反応させることによって、調製される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
ある水ベースの塗料系においては、その基準値の±10%の範囲で塗料の中剪断粘度(ストーマー粘度)を維持することが望まれている。着色剤を添加したときに観測される粘度低下の範囲は、会合性増粘剤の効率すなわち所定の粘度を得るために必要とされる増粘剤の添加量によって決定され、通常、会合性増粘剤が効率的であればあるほど観測される粘度の低下は大きくなる。着色による中剪断粘度減少の一例として、粘度が90〜100KUの塗料において、−30〜−40KU(Krebs Unit、すなわち、ストーマー粘度単位)の粘度低下が認められることは珍しいことではない。このような粘度低減によって、塗料は非常に流動性に富み塗布上の問題を引き起こす。粘度低下は着色配合物の組成に関係している。これは、着色剤の顔料を安定化するのに使用される表面活性剤の種類及び量に起因するものと多分に思われる。ほとんどの場合、カーボンブラックは最も多くの界面活性剤を必要とするため、最も困難な顔料である。
【0008】
この発明の一態様において、この発明は、ベース塗料配合物が着色(tint)するまで粘度低下を低減させる水性ラテックス塗料の配合組成物及び前記水性ラテックス塗料の配合方法を提供する。水性ラテックス塗料系は、ベース塗料と、少なくとも1種の会合性増粘剤と、着色化合物と、少なくとも0.1乾燥質量%のABLBAブロック共重合体組成物とを含有する。この発明の一態様において、前記ABLBA型共重合体は、疎水性基Aを有するA成分と、親水性ポリマーBを含有するB成分と、結合基を有するL成分とを含有する。このABLBA共重合体は、前記水性ラテックス塗料系の粘度安定剤として機能する。
【0009】
この発明の一態様において、前記ABLBA共重合体における前記疎水基A成分としては、アルキル基、アリール基又はアルキルアリール基等の基を有するモノマー単位が挙げられる。この発明の態様において、前記疎水基A成分としては、C10〜C22の直鎖アルコール、C12〜C24の分岐アルコール及びこれらの混合物が挙げられる。この発明の他の態様において、前記疎水基A成分としては、2−ブチル−オクタノール、2−ヘキシル−デカノール、2−オクチル−ドデカノール、2−イソヘプチル−7−メチル−ウンデカノール、2−(2,4,4−トリメチルブチル)−6,8,8−トリメチル−ノナノール及びこれらの混合物が挙げられる。この発明の一態様において、前記疎水基A成分としては、2−ヘキシル−デカノールが挙げられる。
【0010】
この発明の一態様において、前記ABLBA共重合体における前記B成分としては、ポリエチレンオキシドポリマー又はポリエチレン−ポリプロピレンオキシドコポリマーが挙げられる。この発明の態様において、前記ポリエチレンオキシドポリマーは、25〜100のエチレンオキシド繰り返し単位を有している。この発明の他の態様において、前記ポリエチレン−ポリプロピレンオキシドコポリマーは、25〜75の全繰り返し単位数と、最大で10までのプロプレンオキシド単位を有している。この発明の一態様において、前記ポリエチレン−ポリプロピレンオキシドコポリマーは、2500未満の数平均分子量を有している。この発明の別の一態様において、前記B成分として、50のエチレンオキシド単位を有するポリエチレンオキシドが挙げられる。
【0011】
ABエトキシレートは、塩基性溶液中又は金属触媒の存在下、前記A成分と前記B成分との反応によって得ることができる。この発明の一態様において、前記ABエトキシレートは、3000g/モル以下の数平均分子量を有している。この発明の別の一態様において、前記ABエトキシレートは、2500g/モル未満の数平均分子量を有している。
【0012】
この発明の一態様において、前記ABLBA共重合体における前記L成分としては、1単位又はそれ以上の、ジイソシアネート単位等の結合単位が挙げられる。この発明の態様において、前記ジイソシアネート結合単位は、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)及び4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)等の化合物から得られる。この発明の一態様において、前記ジイソシアネート結合単位は、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)から得られる。これらの反応において、有機錫触媒、ビスマス触媒又はアミン等の触媒は、通常、所望の温度で反応を促進するために添加される。ウレタン反応において温度は分岐度及び反応の化学量論に影響するから、この反応は現実的な最低限の温度で行われる。
【0013】
この発明の別の一態様において、前記ABLBA共重合体における前記L成分としては、二酸無水物単位等の結合単位が挙げられる。この発明の態様において、前記二酸無水物単位は、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTD)又はピロメリト酸二無水物(PMA)等の化合物から得られ、対応するジエステルポリマーを生成させる。前記二酸無水物の合成法は、アミン(トリメチルアミン、DABCO等)を触媒して用いた前記ジイソシアネート合成と同様である。得られるポリマーは、ある用途に有用となりうるアニオン性を有している。
【0014】
この発明の一態様において、前記ABLBA共重合体は、10,000g/モル以下の数平均分子量を有している。この発明の別の一態様において、前記ABLBA共重合体は、7000g/モル未満の数平均分子量を有している。前記前記ABLBA共重合体は、15を超える疎水性親油性バランス(HLB)値を有している。
【0015】
ベース塗料配合物もまた樹脂(ポリマー)を含有している。この発明の態様において、前記樹脂としては、疎水性樹脂が挙げられる。代表的な疎水性樹脂としては、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂又はスチレン樹脂が挙げられる。この発明の他の態様において、前記樹脂としては、親水性樹脂が挙げられる。代表的な親水性樹脂としては、ビニルアクリル樹脂又はエチレン酢酸ビニル樹脂が挙げられる。この発明の態様において、この樹脂は、実質的に球状をなし、大きな粒径又は小さな表面積を有している。この発明の一態様において、粒径は200nmを超えてもよい。この発明の別の一態様において、粒径は220nm〜650nmまでの範囲に及んでいる。この発明の他の態様において、前記樹脂は、実質的に球状をなし、小さな粒径又は大きな表面積を有している。この発明の一態様において、粒径は200nm未満であってもよい。この発明の別の一態様において、粒径は80nm〜180nmまでの範囲に及んでいる。この発明のまた別の一態様において、前記樹脂は多葉状(multilobes shape)をなしている。代表的な樹脂としては、Optive 130(BASF、アクリル樹脂、160nm)、UCAR 300(Dow、ビニルアクリル樹脂、260nm)、UCAR 625(Dow、アクリル樹脂、340nm)、Rhoplex ML−200(Rhom & Haas、アクリル樹脂、590nm、多葉状)、及び、Neocryl XK−90(DSM Neoresins、アクリル樹脂、90nm)が挙げられる。
【0016】
水性ラテックス塗料系もまた少なくとも1種の会合性増粘剤を含有している。会合性増粘剤は、化学的に結合した疎水基を有する水溶性ポリマー又は水膨潤性ポリマーである。前記ABLBA安定剤は、少なくとも1種の会合性増粘剤を含有する塗料に着色剤を添加したときの粘度安定性を改善するのに効果的である。この発明の態様において、前記会合性増粘剤としては、ポリエーテル会合性増粘剤及び/又はポリウレタン会合性増粘剤等の疎水的に改質されたノンイオン性物質、又は、疎水的に改質されたアルカリ膨潤性(又は溶解性)エマルション(HASE)等のイオン性会合性増粘剤、及び、疎水的に改質されたヒドロキシエチルセルロース及びこれらの混合物が挙げられる。前記イオン性会合性増粘剤は、10,000〜150,000g/モルの数平均分子量を有していてもよい。この発明の態様において、低剪断増粘剤及び高剪断増粘剤の2つの会合性増粘剤を含む組成物は、前記ABLBA安定剤と共に使用されることができる。この発明の一態様において、前記2つの会合性増粘剤は共にポリエーテルポリウレタン組成物であってもよい。この発明の別の一態様において、前記2つの会合性増粘剤は共にポリエーテルポリアセタール組成物であってもよい。この発明のまた別の一態様において、第1の前記会合性増粘剤はポリエーテル組成物であり、第2の前記会合性増粘剤はポリエーテルポリウレタン組成物であってもよい。代表的な会合性増粘剤の組み合わせとしては、Rhom & Haas Acrysol RM825/RM2020 NPR、Rhom & Haas Acrysol SCT275/RM2020 NPR、Aqualon NLS200/NHS300、Elementis Rheolate 255/350、及び、Cognis DSX1514/DSX3075が挙げられる。この発明の他の態様において、高剪断増粘剤組成物は前記ABLBA安定剤と共に使用されることができる。この発明の一態様において、前記会合性増粘剤は疎水的に改質されたポリエーテルポリウレタン組成物であってもよい。この発明の別の一態様において、前記会合性増粘剤は疎水的に改質されたポリエーテルポリアセタール組成物であってもよい。この発明のまた別の一態様において、前記会合性増粘剤は疎水的に改質されたポリエーテル組成物であってもよい。
【0017】
前記樹脂が200nm未満の粒径を有するこの発明の態様において、前記ABLBA安定剤ポリマーは、高剪断増粘剤と共に使用されることができ、低剪断増粘剤として機能する。前記樹脂が200nmを超える粒径を有するこの発明の態様において、前記ABLBA安定剤ポリマーは、高剪断増粘剤及び低剪断増粘剤と共に使用されることができる。
【0018】
この発明の一態様において、前記水性ラテックス塗料系は、0.01質量%未満の第2のポリマーを含有してもよい。この第2のポリマーは、少なくとも1000の数平均分子量を有する親水性基を少なくとも1つと、ただ1つの疎水性基とを有している。
【0019】
前記ABLBA安定剤は、固体として、又は、他の溶媒及び界面活性剤を含有する溶液として、塗料に添加されることができる。この発明の態様において、他の界面活性剤を含有する前記ABLBA安定剤の溶液では前記ABLBA安定剤の効果が低減されているから、同様の効果を得るには、より多量の前記ABLBA安定剤が必要になる。この発明の一態様において、固形状態では、前記ABLBA安定剤は着色剤を含有する塗料配合物に添加され、次いで、これらは、例えば、高速分散機又はレッドデビルシェーカー(red devil shaker)で分散される。この発明の態様において、液体状態では、前記ABLBA安定剤は塗料調製段階のいかなる段階でも添加されることができる。この発明の一態様において、前記ABLBA安定剤はベース塗料配合物に添加される。この発明の別の一態様において、前記ABLBA安定剤は着色剤に添加される。
【ABLBA安定剤の合成】
【0020】
溶媒中におけるジイソシアネートを用いた安定化添加剤の一般的な合成
【0021】
冷却器、ディーン−シュターク型トラップ、窒素ガス置換器及びオーバーヘッド攪拌機を備えた500mL反応容器に350mLの乾燥トルエンを投入する。0.03モルのラウリルエトキシレート(50)を添加して75℃でトルエンに溶解する。115℃まで昇温して、トルエン/水混合液が約100mLになるまで共沸して水を除去する。反応混合物を75℃に冷却した後に、0.015モルのヘキサメチレンジイソシアネートを5分かけて添加する(反応を促進するために、3滴のジブチル錫ジラウレートを添加してもよい。)。反応混合物を75℃で、1時間又は前記イソシアネートが完全に消失するまで、攪拌する。得られた溶液を冷却した後トルエンを除去して、所望の固体ポリマーを得る。
【0022】
溶媒不存在下におけるジイソシアネートを用いた安定化添加剤の一般的な合成
【0023】
オーバーヘッド攪拌機、吸引アダプター及び窒素ガス置換器を備えた250mLの三口丸底フラスコに0.06モルの2−ヘキシル−デカノールエトキシレート(25)を投入する。このフラスコを75℃に加熱して前記エトキシドを溶融させる。これに10mLの乾燥トルエンを加え、得られた溶液を200RPMで5分間攪拌する。フラスコ内の空気を排気して流速約100mL/minの窒素ガスで置換し、フラスコ内の圧力バランスを−27〜−28の水銀柱高さとなるように保持する。2時間にわたって窒素ガスで置換して前記条件を保持する。減圧を解除して、大気圧に達するまで系内に窒素ガスを充填する。その後、0.03モルのヘキサメチレンジイソシアネートを5分間かけてフラスコ内に添加する(触媒が必要であれば、この時点で反応を促進するために3滴のジブチル錫ジラウレートを添加してもよい。)。反応混合物を75℃で、30分間又は前記イソシアネートが完全に消失するまで、攪拌する。
【0024】
溶媒中における二酸無水物を用いた安定化添加剤の一般的な合成
【0025】
冷却器、ディーン−シュターク型トラップ、窒素ガス置換器及びオーバーヘッド攪拌機を備えた500mL反応容器に350mLの乾燥トルエンを投入する。0.03モルの所望の2−ヘキシル−デカノールエトキシレート(50)を添加して75℃でトルエンに溶解する。トルエン/水混合液を共沸して水を除去し、約100mLにする。反応混合物を75℃に冷却した後に、0.015モルのベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(Aldrich製)を一度に添加する。0.03モルのトリエチルアミンを反応混合物に添加して、75℃で、16時間又は前記二無水物が完全に消失するまで、攪拌する。得られた溶液を冷却し、トルエン及びトリエチルアミンを減圧下で除去して、所望の固体ポリマーを得る。
【0026】
注入可能な添加剤とするため、前記固体ポリマーをブチルカルビトールと水とを含有する溶液に溶解させることもできる。典型的な添加剤配合物は、10〜15質量%のブチルカルビトールと60〜65質量%の水と25質量の前記ポリマーとを含有する溶液である。
【0027】
溶媒中で行われる合成法によって、第1表に示されるように、種々のA成分及びB成分と結合基としてのヘキサメチレンジイソシアネートとを有する多数の安定化剤を合成することができる。
【実施例】
【0028】
第1表
【表1】

【0029】
水性ラテックス塗料における、前記安定化ポリマーの粘度低下軽減力を評価するために、種々の樹脂を有する配合物を5種調合した。種々の疎水性を有し、表面積に関連する粒子径の範囲に及ぶ樹脂を使用した。代表的な樹脂として、Optive 130(BASF、アクリル樹脂、160nm)、UCAR 300(Dow、ビニルアクリル樹脂、260nm)、UCAR 625(Dow、アクリル樹脂、340nm)、Rhoplex ML−200(Rhom & Haas、アクリル樹脂、590nm、多葉状)、及び、Neocryl XK−90(DSM Neoresins、アクリル樹脂、90nm)が挙げられる。
【0030】
粘度低下問題の程度は着色剤の添加量に比例するので、濃色の配合物を選択して用いた。この配合物は、低濃度の二酸化チタンと、塗料1ガロン当り最大で12液量オンス(fl.oz.)までの着色剤とを必要とする。周知の黒色着色剤(black colorant)は、通常、粘度低下が最大となる。したがって、特段の定めのない限り、前記着色剤は、1ガロン当たり12液量オンス(fl.oz.)の「Colortrend 888 Lampblack(Degussa)」を用いたときと同等となる量を用いた。
【0031】
すべての塗料配合物は、会合性増粘剤によって顕著に高濃度になり粘度低下が最大になった。下記の例では、組み合わされた増粘剤(低剪断/高剪断)の市販品として、Rhom & Haas Acrysol RM825/RM2020 NPR、Rhom & Haas Acrysol SCT275/RM2020 NPR、Aqualon NLS200/NHS300、Elementis Rheolate 255/350、及び、Cognis DSX1514/DSX3075等を用いた。各塗料において、低剪断増粘剤の高剪断増粘剤に対する相対的な組成を調整したところ、約90〜100KUのストーマー粘度及び(ASTM D562及びD4287による)1〜2ポイズのICI粘度になった。
【0032】
前記5種の配合物を下記に示す。
【0033】
【表2】

【0034】
【表3】

【0035】
【表4】

【0036】
【表5】

【0037】
【表6】

【0038】
第2表に示されるように、ABLBA安定化ポリマーを粘度安定化剤として前記塗料に添加した。この安定化添加剤を高剪断会合性増粘剤及び低剪断会合性増粘剤と同時に塗料配合物に添加した。種々の組み合わせの会合性増粘剤と前記ABLBA安定化ポリマーとの併用を検討した。会合性増粘剤の組み合わせは、Rhom & Haas Acrysol RM825/RM2020 NPR、Rhom & Haas Acrysol SCT275/RM2020 NPR、Aqualon NLS200/NHS300、Elementis Rheolate 255/350、及び、Cognis DSX1514/DSX3075である。ABLBA安定化添加剤は、2−ヘキシル−デシル/EO(50)とHDIとの反応によって得られたものである。大きな粒子径を有する樹脂系それぞれにおける増粘剤と濃度とを第2表に示した。前記安定化剤の濃度は0.5質量%であり、着色剤は12液量オンス(fl.oz.)/ガロンのColortrend 888 Lampblackを用いた。前記安定化剤の濃度は最適化していない。
【0039】
第2表に示されるように、塗料配合物への着色剤を添加したときの粘度低下量は、前記ABLBA安定化ポリマーを添加していない配合物と比較すると、前記ABLBA安定化ポリマーを添加した塗料配合物の方が、前記ABLBA安定化ポリマーによって減少した。前記ABLBA安定化ポリマーによって、ベース塗料が有するもとの粘度がわずかに増加したものの、着色剤を添加したときの粘度低下が減少した配合物例もあった。また、前記ABLBAポリマーの添加によって、ベース塗料を配合した配合物の粘度が大きく減少した配合物例もあった。この効果は、種々のABLBA安定化ポリマーを用いることによって最小限に抑えることができる。
【0040】
第2表のデータから、200nmを超える大きな粒子径の樹脂を含有する配合物における粘度色安定値Δηが示されている。この出願の目的において、粘度色安定性は、1ガロンの塗料に12液量オンス(fl.oz.)のColortrend 888 Lampblackを添加した後であって配合物が着色する前のストーマー粘度と、着色した配合物の24時間後のストーマー粘度との差分である。200nmを超える大きな粒子径の樹脂を含有する塗料配合物において、粘度色安定性は−10KU単位から最大で+10KU単位まで及んでいる。この発明の一態様において、粘度色安定性は−10KU単位から最大で−5KU単位まで及んでいてもよい。この発明の別の一態様において、粘度色安定性は−5KU単位から最大で5KU単位まで及んでいてもよい。この発明のまた別の一態様において、粘度色安定性は0KU単位から最大で10KU単位まで及んでいてもよい。
【0041】
小さな粒子径を有する樹脂であるOptive 130を含有する配合物に前記ABLBA安定化添加剤を添加したときの結果を第3表に示す。前記安定化剤の濃度は0.5質量%であり、着色剤は塗料1ガロン当り12液量オンス(fl.oz.)のColortrend 888 Lampblackを用いた。前記配合物は市販の高剪断会合性増粘剤と市販の低剪断会合性増粘剤とを含有している。会合性増粘剤の組み合わせは、Rhom & Haas Acrysol RM825/RM2020 NPR、Rhom & Haas Acrysol SCT275/RM2020 NPR、Aqualon NLS200/NHS300、及び、Cognis DSX1514/DSX3075である。第3表に示された結果から、小さな粒子径を有する樹脂を含有する配合物においては、前記ABLBA安定化ポリマーを添加するとベース塗料の粘度が増大し、着色剤を添加すると粘度が減少したことが理解できる。200nm未満の粒子径を有する樹脂を含有する塗料配合物において、粘度色安定性は−35KU単位から最大で−15KU単位まで及んでいる。この発明の一態様において、粘度色安定性は−30KU単位から最大で−20KU単位まで及んでいてもよい。この発明の別の一態様において、粘度色安定性は−25KU単位から最大で−20KU単位まで及んでいてもよい。
【0042】
第2表
【表7】

【0043】
第3表
【表8】

【0044】
200nm未満の粒子径を有する樹脂を含有する塗料配合物の別の一態様において、前記ABLBAポリマーは、高剪断会合性増粘剤と共に、低剪断会合性増粘剤とし、また、着色安定性を与えるために、使用されることができる。第4表には、第4表に示される量でHDIに結合した2−ヘキシル−デシル/EO(50)である前記ポリマーを用いた小さな粒子径を有する2つの樹脂塗料における結果が示されている。この比較において、市販の低剪断増粘剤DSK XK−90を用いた。着色剤としては、Colortrend 888 Lampblackを塗料1ガロン当り12オンス用いた。低剪断増粘剤として前記安定化ABLBAポリマー(水:ブチルカルビトール混合物中での活性25%)を用いることによって、着色による粘度低下は劇的に減少した。200nm未満の粒子径を有する樹脂、高剪断会合性増粘剤及び前記ABLBA安定化ポリマーを含有する塗料配合物において、粘度色安定性は−15KU単位から最大で0KU単位まで及んでいる。この発明の一態様において、粘度色安定性は−10KU単位から最大で−5KU単位まで及んでいる。
【0045】
第4表
【表9】

【0046】
第5表には、A成分が2−ヘキシル−デカノールでB成分がEO単位を40有するエチレンオキシドであるABLBA添加剤の安定性におけるジイソシアネート基の効果が示されている。濃色ベースの配合物例1では、安定化添加剤の含有又は無含有配合物におけるRholate 255についての研究結果が示されている。安定化添加剤の濃度は0.75質量%である。着色剤としては、塗料1ガロン当り12オンスのColortrend 888 Lampblackを用いた。この研究結果から、粒子径の大きな樹脂を含有するラテックス塗料において安定化剤として前記ポリマーを用いる場合には、前記結合剤はほとんど影響しないことが分かった。
【0047】
第5表
【表10】

【0048】
第6表には、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物に由来する安定化剤の添加による結果が示されている。濃色ベースの配合物例1では、安定化添加剤の含有又は無含有配合物におけるRholate 255についての研究結果が示されている。ABLBA安定化添加剤は、50単位のEO単位を有する2−ヘキシル−デカノールに由来し、その濃度は0.75質量%であった。着色剤としては、塗料1ガロン当り12オンスのColortrend 888 Lampblackを用いた。この場合、前記ABLBAポリマーは、ジイソシアネートが結合したポリマーよりも粘度色安定性がわずかに小さくなるようであり、これは生成物中に存在する二酸部分に起因する可能性がある。
【0049】
第6表
【表11】

【0050】
BTD−Bを用いた実験例においては前記結合剤と未反応のAB単位が約10%残存したのに対して、BTD−Aを用いた実験例においては低分子量AB単位(アルキルエトキシレート)は少しも残存しなかった。未反応のAB単位が存在すると色安定性が低下する。第7表及び第8表には、疎水性物質及びエトキシレートの分子量(第1表参照。)による効果が示され、これらの表において、第1表におけるアルキルエトキシレートはHDIに結合している。これらの実験例において、配合物例2のラテックス塗料は、添加剤の有無にかかわらず、Rheolate 225で増粘した。添加剤の濃度は0.75%であった。着色剤としては、塗料1ガロン当り12オンスのColortrend 888 Lampblackを用いた。
【0051】
第7表
【表12】

【0052】
第8表
【表13】

【0053】
第7表及び第8表によると、安定化ポリマーの構造及び分子量が塗料のレオロジー及び安定化効果に影響する。直鎖化合物、分岐鎖化合物又は脂環式化合物であるA成分に由来するABLBAポリマーはすべて粘度色安定性を向上させた。AB単位の分子量がより大きくなるとベース塗料は高粘度になる。疎水性物質の長さもまた重要であり、この長さが短くなるとベース塗料は粘度が低下する。さらに、低剪断粘度及び高剪断粘度は構造に応じて種々異なる影響を受けることがある。
【0054】
第9表及び図1には、着色剤を添加したときの粘度変化における安定化添加剤の濃度効果が示されている。配合物例2では、安定化添加剤と共にRheolate 255(3%)で、又は、安定化添加剤を用いずにRheolate 255(3%)で、増粘されていた。添加剤濃度は0.75質量%であった。着色剤としては、塗料1ガロン当り12オンスのColortrend 888 Lampblackを用いた。これらの結果によれば、粘度安定性の度合いは、安定剤の配合量に比例すること、すなわち、ABLBA安定化ポリマーの添加量を増やすと着色剤による粘度低下が減少すること、が分かる。
【0055】
第9表
【表14】

【0056】
この明細書による開示は、この発明の精神又は本質的特徴から逸脱することなく他の特定の形態のものとして具体化することができる。したがって、この開示の範囲は、前記明細書よりも添付の請求項が参照されるべきである。前記明細書はこの開示の好ましい形態について説明しているが、他の変形又は改良は当業者においてこの開示の精神又は範囲から逸脱することなく可能であろうことに留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、この発明の一態様に係る塗料配合物に着色剤を添加したときの粘度安定剤の濃度効果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ベース塗料、
(b)少なくとも1種の会合性増粘剤、
(c)着色化合物、及び、
(d)少なくとも0.1乾燥質量%のABLBAブロック共重合体組成物
を含有することを特徴とする水性ラテックス塗料組成物。
【請求項2】
前記ABLBAブロック共重合体は、疎水性基Aを有するA成分と、親水性ポリマーBを含有するB成分と、結合基を有するL成分とを含有することを特徴とする請求項1に記載の水性ラテックス塗料組成物。
【請求項3】
前記ABLBAブロック共重合体は、アルキル基、アリール基及びアルキルアリール基からなる群より選択される部分を有するモノマー単位を含有するA成分と、ポリエチレンオキシドポリマー又はポリエチレン−ポリプロピレンオキシドコポリマーを含有するB成分と、1単位又はそれ以上の、二酸無水物単位及びジイソシアネート単位からなる結合単位から選択されるL成分とを含有することを特徴とする請求項1に記載の水性ラテックス塗料組成物。
【請求項4】
前記A成分は、C10〜C22の直鎖アルコール又はC12〜C24の分岐アルコール及びこれらの混合物を1種又はそれ以上含有することを特徴とする請求項3に記載の水性ラテックス塗料組成物。
【請求項5】
前記A成分は、2−ブチル−オクタノール、2−ヘキシル−デカノール、2−オクチル−ドデカノール、2−イソヘプチル−7−メチル−ウンデカノール、2−(2,4,4−トリメチルブチル)−6,8,8−トリメチル−ノナノール及びこれらの混合物を1種又はそれ以上含有することを特徴とする請求項4に記載の水性ラテックス塗料組成物。
【請求項6】
前記ポリエチレンオキシドポリマーは、25〜100のエチレンオキシド繰り返し単位を有していることを特徴とする請求項3に記載の水性ラテックス塗料組成物。
【請求項7】
前記ポリエチレン−ポリプロピレンオキシドコポリマーは、25〜75の全繰り返し単位数と、最大で10までのプロプレンオキシド単位を有していることを特徴とする請求項3に記載の水性ラテックス塗料組成物。
【請求項8】
前記ポリエチレン−ポリプロピレンオキシドコポリマーは、2500未満の数平均分子量を有していることを特徴とする請求項7に記載の水性ラテックス塗料組成物。
【請求項9】
前記結合単位は、ジイソシアネート結合単位を含有していることを特徴とする請求項3に記載の水性ラテックス塗料組成物。
【請求項10】
前記ジイソシアネート結合単位は、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート及び4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)からなる群から選択されるイソシアネート化合物群から選択されることを特徴とする請求項9に記載の水性ラテックス塗料組成物。
【請求項11】
前記A成分は、2−ヘキシル−デカノールを含有し、
前記B成分は、50のエチレンオキシド単位を有するポリエチレンオキシドを含有し、
前記L成分は、ヘキサメチレンジイソシアネートを含有することを特徴とする請求項3に記載の水性ラテックス塗料組成物。
【請求項12】
前記ポリマーは、疎水性樹脂又は親水性樹脂を含有することを特徴とする請求項3に記載の水性ラテックス塗料組成物。
【請求項13】
前記ポリマーは、ビニルアクリル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂又はスチレンアクリル樹脂を1種又はそれ以上含有することを特徴とする請求項12に記載の水性ラテックス塗料組成物。
【請求項14】
前記ポリマーは、200nmを超える粒径を有していることを特徴とする請求項12に記載の水性ラテックス塗料組成物。
【請求項15】
前記少なくとも1種の会合性増粘剤は、低剪断会合性増粘剤及び高剪断会合性増粘剤を含有することを特徴とする請求項14に記載の水性ラテックス塗料組成物。
【請求項16】
前記ポリマーは、200nm未満の粒径を有していることを特徴とする請求項12に記載の水性ラテックス塗料組成物。
【請求項17】
前記少なくとも1種の会合性増粘剤は、高剪断会合性増粘剤を含有することを特徴とする請求項16に記載の水性ラテックス塗料組成物。
【請求項18】
前記水性ラテックス塗料組成物は、少なくとも1000の数平均分子量を有する親水性基を少なくとも1つと、ただ1つの疎水性基とを有する第2のポリマーを0.01質量%未満含有することを特徴とする請求項3に記載の水性ラテックス塗料組成物。
【請求項19】
(a)ベース塗料、会合性増粘剤及び着色化合物を添加する工程、
(b)少なくとも0.1乾燥質量%のABLBAブロック共重合体組成物をさらに添加する工程
を有することを特徴とする水性ラテックス塗料組成物の配合方法。
【請求項20】
前記ABLBAブロック共重合体は、疎水性基Aを有するA成分と、親水性ポリマーBを含有するB成分と、結合基を有するL成分とを含有することを特徴とする請求項19に記載の水性ラテックス塗料組成物の配合方法。
【請求項21】
前記ABLBAブロック共重合体は、アルキル基、アリール基及びアルキルアリール基からなる群より選択される基を有するモノマー単位を含有するA成分と、ポリエチレンオキシドポリマー又はポリエチレン−ポリプロピレンオキシドコポリマーを含有するB成分と、1単位又はそれ以上の、二酸無水物単位及びジイソシアネート単位からなる結合単位から選択されるL成分とを含有することを特徴とする請求項19に記載の水性ラテックス塗料組成物の配合方法。
【請求項22】
前記A成分は、C10〜C22の直鎖アルコール又はC12〜C24の分岐アルコール及びこれらの混合物を1種又はそれ以上含有することを特徴とする請求項21に記載の水性ラテックス塗料組成物の配合方法。
【請求項23】
前記A成分は、2−ブチル−オクタノール、2−ヘキシル−デカノール、2−オクチル−ドデカノール、2−イソヘプチル−7−メチル−ウンデカノール、2−(2,4,4−トリメチルブチル)−6,8,8−トリメチル−ノナノール及びこれらの混合物を1種又はそれ以上含有することを特徴とする請求項22に記載の水性ラテックス塗料組成物の配合方法。
【請求項24】
前記ポリエチレンオキシドポリマーは、25〜100のエチレンオキシド繰り返し単位を有していることを特徴とする請求項22に記載の水性ラテックス塗料組成物の配合方法。
【請求項25】
前記ポリエチレン−ポリプロピレンオキシドコポリマーは、25〜75の全繰り返し単位数と、最大で10までのプロプレンオキシド単位を有していることを特徴とする請求項22に記載の水性ラテックス塗料組成物の配合方法。
【請求項26】
前記ポリエチレン−ポリプロピレンオキシドコポリマーは、2500未満の数平均分子量を有していることを特徴とする請求項25に記載の水性ラテックス塗料組成物の配合方法。
【請求項27】
前記結合単位は、ジイソシアネート結合単位を含有していることを特徴とする請求項22に記載の水性ラテックス塗料組成物の配合方法。
【請求項28】
前記ジイソシアネート結合単位は、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート及び4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)からなる群から選択されるイソシアネート化合物群から得られることを特徴とする請求項27に記載の水性ラテックス塗料組成物の配合方法。
【請求項29】
前記A成分は、2−ヘキシル−デカノールを含有し、
前記B成分は、50のエチレンオキシド単位を有するポリエチレンオキシドを含有し、
前記L成分は、ヘキサメチレンジイソシアネートを含有することを特徴とする請求項27に記載の水性ラテックス塗料組成物の配合方法。
【請求項30】
前記ポリマーは、疎水性樹脂又は親水性樹脂を含有することを特徴とする請求項22に記載の水性ラテックス塗料組成物の配合方法。
【請求項31】
前記ポリマーは、ビニルアクリル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂又はスチレンアクリル樹脂を1種又はそれ以上含有することを特徴とする請求項30に記載の水性ラテックス塗料組成物の配合方法。
【請求項32】
前記ポリマーは、200nmを超える粒径を有していることを特徴とする請求項30に記載の水性ラテックス塗料組成物の配合方法。
【請求項33】
前記少なくとも1種の会合性増粘剤は、低剪断会合性増粘剤及び高剪断会合性増粘剤を含有することを特徴とする請求項32に記載の水性ラテックス塗料組成物の配合方法。
【請求項34】
前記ポリマーは、200nm未満の粒径を有していることを特徴とする請求項30に記載の水性ラテックス塗料組成物の配合方法。
【請求項35】
前記少なくとも1種の会合性増粘剤は、高剪断会合性増粘剤を含有することを特徴とする請求項34に記載の水性ラテックス塗料組成物の配合方法。
【請求項36】
(a)アルキル基、アリール基及びアルキルアリール基からなる群より選択される部分を有するモノマー単位、
(b)ポリエチレンオキシドポリマー又はポリエチレン−ポリプロピレンオキシドコポリマー、及び、
(c)1単位又はそれ以上の、二酸無水物単位及びジイソシアネート単位からなる結合単位から選択されるL成分
を反応させて得られることを特徴とする高分子化合物。
【請求項37】
前記モノマー単位は、C10〜C22の直鎖アルコール又はC12〜C24の分岐アルコール及びこれらの混合物を1種又はそれ以上含有することを特徴とする請求項36に記載の高分子化合物。
【請求項38】
前記モノマー単位は、2−ブチル−オクタノール、2−ヘキシル−デカノール、2−オクチル−ドデカノール、2−イソヘプチル−7−メチル−ウンデカノール、2−(2,4,4−トリメチルブチル)−6,8,8−トリメチル−ノナノール及びこれらの混合物を1種又はそれ以上含有することを特徴とする請求項37に記載の高分子化合物。
【請求項39】
前記ポリエチレンオキシドポリマーは、25〜100のエチレンオキシド繰り返し単位を有していることを特徴とする請求項36に記載の高分子化合物。
【請求項40】
前記ポリエチレン−ポリプロピレンオキシドコポリマーは、25〜75の全繰り返し単位数と、最大で10までのプロプレンオキシド単位を有していることを特徴とする請求項36に記載の高分子化合物。
【請求項41】
前記結合単位は、ジイソシアネート結合単位を含有していることを特徴とする請求項36に記載の高分子化合物。
【請求項42】
前記ジイソシアネート結合単位は、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート及び4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)からなる群から選択されるイソシアネート化合物群から得られることを特徴とする請求項41に記載の高分子化合物。
【請求項43】
前記A成分は、2−ヘキシル−デカノールを含有し、
前記B成分は、50のエチレンオキシド単位を有するポリエチレンオキシドを含有し、
前記L成分は、ヘキサメチレンジイソシアネートを含有することを特徴とする請求項36に記載の高分子化合物。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2009−540056(P2009−540056A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514401(P2009−514401)
【出願日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際出願番号】PCT/US2007/013538
【国際公開番号】WO2007/146142
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(501121831)エレメンティス スペシャルティーズ,インコーポレイテッド., (4)
【住所又は居所原語表記】P.O.BOX 700,329 Wrckoffs Mill Road,Hightstown,NJ 08520 U.S.A.
【Fターム(参考)】