説明

着色硬化性組成物、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、及び液晶表示素子

【課題】露光、現像、及び後加熱処理により、高精細で、且つ、順テーパーの断面形状を有し、更に、膜強度に優れた着色パターンを形成し得る着色硬化性組成物を提供する。また、本発明の他の目的は、高精細で、且つ、順テーパーの断面形状を有し、更に、膜強度に優れた着色パターンを有するカラーフィルタ、その製造方法、及び該カラーフィルタを備えた液晶表示素子を提供する。
【解決手段】(a)分子内に、1つ以上の重合性基を有しない環構造、2つ以上のラジカル重合性基、及び1つ以上の脂環式開環重合性基を有する化合物、(b)光重合開始剤、及び(c)着色剤を含むことを特徴とする着色硬化性組成物、カラーフィルタ、その製造方法、及び該カラーフィルタを備えた液晶表示素子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色硬化性組成物、該着色硬化性組成物を用いて形成された着色パターンを有するカラーフィルタ、及びその製造方法、並びに、液晶表示素子に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カラーフィルタは、液晶表示素子(LCD)用途においてモニターのみならずテレビ(TV)へと用途が拡大する傾向にある。この用途拡大の傾向に伴い、カラーフィルタには、色度、コントラストなどにおいて高度の色特性が要求されるに至っている。また、イメージセンサ(固体撮像素子)用途のカラーフィルタにおいても、同様に色むらの低減、色分解能の向上など色特性の高いものが求められるようになっており、また、高精細化も望まれている。
【0003】
上述のように、近年、カラーフィルタの高色再現性要求が高まる中、着色硬化性組成物は高顔料濃度化傾向にある。しかしながら、高顔料濃度化した着色硬化性組成物を用いてフォトリソグラフィー法により着色パターンを形成する場合、顔料が紫外線の透過を妨げたり吸収したりするために露光不足が著しく、露光の際に充分な深部硬化性が得られない傾向がある。その結果、現像工程においてアンダーカットが生じ易く、断面形状が逆テーパー状である着色パターンとなり、基板に対する密着性が劣るなどの問題がある。
【0004】
一方、膜強度に優れた着色パターンを形成するために、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を部分アクリレート化又は部分メタクリレート化した樹脂を用いる提案(例えば、特許文献1参照)、ノボラック型エポキシ樹脂を部分アクリレート化又は部分メタクリレート化した樹脂を用いる提案(例えば、特許文献2参照)がなされている。これらの樹脂を用いると膜強度に優れた着色パターンを得ることはできるが、逆テーパー形状の改良には至らない。よってオーバーコート層を形成せずにITO電極をカラーフィルタ上にスパッタした際の抵抗値異常の発生について、更なる改善が望まれていた。
【特許文献1】特開平5−295087号公報
【特許文献2】特開平3−188186号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
即ち、本発明は、上記の背景技術に鑑みなされたものであり、以下に示す目的を達成することを課題とする。
本発明の目的は、露光、現像、及び加熱処理により、高精細で、且つ、順テーパーの断面形状を有し、更に、膜強度に優れた着色パターンを形成し得る着色硬化性組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、高精細で、且つ、順テーパーの断面形状を有し、更に、膜強度に優れた着色パターンを有するカラーフィルタ、その製造方法、及び該カラーフィルタを備えた液晶表示素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は以下の方法で達成できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、
<1> (a)分子内に、1つ以上の重合性基を有しない環構造、2つ以上のラジカル重合性基、及び1つ以上の脂環式開環重合性基を有する化合物、(b)光重合開始剤、及び(c)着色剤を含むことを特徴とする着色硬化性組成物である。
<2> 基板上に、<1>に記載の着色硬化性組成物を用いて形成された着色パターンを有することを特徴とするカラーフィルタである。
【0007】
<3> 基板上に、<1>に記載の着色硬化性組成物を用い、塗布、露光、現像、及び後加熱処理を繰り返すことによって任意の着色パターンを形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
<4> <2>に記載のカラーフィルタを搭載することを特徴とする液晶表示装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、露光、現像、及び加熱処理により、高精細で、且つ、順テーパーの断面形状を有し、更に、膜強度に優れた着色パターンを形成し得る着色硬化性組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、高精細で、且つ、順テーパーの断面形状を有し、更に、膜強度に優れた着色パターンを有するカラーフィルタ、その製造方法、及び該カラーフィルタを備えた液晶表示素子を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
<着色硬化性組成物>
本発明の着色硬化性組成物は、(a)分子内に、1つ以上の重合性基を有しない環構造、2つ以上のラジカル重合性基、及び1つ以上の脂環式開環重合性基を有する化合物、(b)光重合開始剤、及び(c)着色剤を含むことを特徴とする。
以下、この(a)〜(c)成分について、説明する。
【0010】
〔(a)分子内に、1つ以上の重合性基を有しない環構造、2つ以上のラジカル重合性基、及び1つ以上の脂環式開環重合性基を有する化合物〕
(a)分子内に、1つ以上の重合性基を有しない環構造、2つ以上のラジカル重合性基、及び1つ以上の脂環式開環重合性基を有する化合物について説明する。以下、この化合物を、適宜、「特定重合性化合物」と称する。
【0011】
本発明の着色硬化性組成物は、特定重合性化合物を含むことにより、露光、現像、及び後加熱処理により、高精細で、且つ、順テーパーの断面形状を有し、更に、膜強度に優れた着色パターンを形成し得ることが可能となる。本発明の作用は明確ではないが、ラジカル重合性基を有することにより光硬化性が向上し、脂環式開環重合性基を有することにより熱硬化性が向上するためと考えられる。更に特定重合性化合物は、重合性基を有しない環構造を有することにより、その構造に起因して、熱による硬化収縮を抑制することができる。
【0012】
特定重合性化合物が分子内に1つ以上有する重合性基を有しない環構造としては、芳香族環、脂肪族環の何れでもよく、芳香族環であることが好ましい。
前記芳香族環としては、炭化水素環、複素環のいずれでもよい。該炭化水素環の具体例としては、例えば、単環構造のベンゼン環、縮環構造のナフタレン環が挙げられる。
【0013】
一方、前記複素環が有するヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が挙げられ、窒素原子が好ましい。前記複素環の具体例としては、例えば、トリアジン環が挙げられる。前記芳香族環としては、ベンゼン環、トリアジン環が好ましい。
【0014】
前記脂肪族環としては、ヘテロ原子を含んでいてもよい。該ヘテロ原子としては、窒素原子が挙げられる。前記脂肪族環の具体例としては、例えば、シクロアルキル環が挙げられ、炭素数4〜10のシクロアルキル環が好ましく、シクロヘキシル環がより好ましい。
【0015】
特定重合性化合物が分子内に有する上述の環構造の数は、環構造が単環構造であるベンゼン環の場合は、2〜4であることが好ましい。また、環構造が縮環構造であるナフタレン環の場合は、1〜2であることが好ましい。更に、環構造が複素環であるトリアジン環の場合は、1であることが好ましい。
【0016】
特定重合性化合物が分子内に2つ以上有するラジカル重合性基としては、具体例として、例えば、アクリレート基、メタクリレート基、アリル基、アリルエーテル基が挙げられ、アクリレート基が好ましい。
特定重合性化合物が分子内に有する上述のラジカル重合性基の数は、2〜4が好ましく、2がより好ましい。
【0017】
特定重合性化合物が分子内に1つ以上有する脂環式開環重合性基は、酸等により、開環して重合する基をいい、例えば、カチオン重合性基が挙げられ、具体例として、エポキシ基、オキセタン基、オキサゾリン基、スピロオルトエステル基、スピロカーボネート基、ビシクロオルソエステル基等が挙げられ、エポキシ基が好ましい。
特定重合性化合物が分子内に有する上述の脂環式開環重合性基の数は、1〜2が好ましい。
【0018】
既述の特定重合性化合物が分子内に1つ以上有する環構造は、重合性基を有していないものである。具体的には、上述のラジカル重合性基を有していない環構造ある。また、重合性基を有しない環構造は、上述の脂環式開環重合性基を含まないものである。
【0019】
特定重合性化合物において、前記重合性基を有しない環構造が複数の場合、それぞれの環を連結する連結基としては、該環の数と同じ価の脂肪族基が挙げられ、該脂肪族基の炭素数しては、1〜2が好ましい。
一方、環構造とラジカル重合性基或いは脂環式開環重合性基を結ぶ連結基としては、アルキレン基が挙げられ、該アルキレン基は枝別れしていてもよい。また、2つのアルキレン基がエーテル基で連結していてもよい。
【0020】
特定重合性化合物は、露光感度、現像性の観点で、ラジカル重合性基或いは脂環式開環重合性基1つあたりの重合性化合物の分子量が50〜500であることが好ましく、60〜300であることがより好ましい。
【0021】
以下、特定重合性化合物の具体例として例示化合物(a−1)〜(a−8)を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】
【化1】

【0023】
【化2】

【0024】
【化3】

【0025】
本発明において、特定重合性化合物としては、上記具体例の中でも、例示化合物(a−1)、(a−2)、(a−3)が好ましい。
【0026】
本発明において、特定重合性化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
特定重合性化合物の着色硬化性組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分100質量部に対して、3〜50質量部が好ましく、より好ましくは5〜40質量部である。特定重合性化合物の含有量が上記範囲内であると、硬化反応が充分に行われると共に、加熱処理時の熱変形が容易に、且つ、充分に生じ、所望の断面形状を有する着色パターンを得ることができる。
【0027】
本発明の着色硬化性組成物は、上述の特定重合性化合物と共に、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物を併用して用いてもよい。エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物としては、エチレン性不飽和二重結合を一つ以上有する重合性モノマー又はオリゴマーが挙げられ、中でも、エチレン性不飽和二重結合を一つ以上有し、且つ、沸点が常圧で100℃以上である化合物が好ましい。
【0028】
前記エチレン性不飽和二重結合を一つ以上有し、且つ、沸点が常圧で100℃以上である化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号公報に記載のウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号の各公報に記載のポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートを挙げることができる。
更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用できる。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリレート」等の記載は、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を意味するものとする。
【0029】
また、特開平10−62986号公報において一般式(1)及び(2)としてその具体例と共に記載の、前記多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も用いることができる。
【0030】
中でも、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びこれらのアクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。
【0031】
前記エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物の使用量は、特定重合性化合物100質量部に対して、0〜70質量部であることが好ましく、0〜50質量部であることがより好ましい。
【0032】
〔(b)光重合開始剤〕
本発明の着色硬化性組成物は、(b)光重合開始剤を含有する。
本発明の着色硬化性組成物に用いられる光重合開始剤としては、光照射によるエネルギーにて分解して開始種を発生しうるものであれば、特に制限はないが、公知の光重合開始剤などが好ましく挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、特開平57−6096号公報に記載のハロメチルオキサジアゾール、特公昭59−1281号公報、特開昭53−133428号公報等に記載のハロメチル−s−トリアジン等活性ハロゲン化合物、米国特許第4318791、欧州特許第88050A等の各明細書に記載のケタール、アセタール、又はベンゾインアルキルエーテル類等の芳香族カルボニル化合物、米国特許第4199420号明細書に記載のベンゾフェノン類等の芳香族ケトン化合物、仏国特許第2456741号明細書に記載の(チオ)キサントン系又はアクリジン系化合物、特開平10−62986号公報に記載のクマリン系又はロフィンダイマー類を含むビイミダゾール系の化合物、特開平8−015521号公報等のスルホニウム有機硼素錯体等、等を挙げることができる。
【0033】
光重合開始剤としては、(1)アセトフェノン系、(2)ケタール系、(3)ベンゾフェノン系、(4)ベンゾイン系・ベンゾイル系、(5)キサントン系、(6)活性ハロゲン化合物〔(6−1)トリアジン系、(6−2)ハロメチルオキサジアゾール系、(6−3)クマリン類系〕、(7)アクリジン類系、(8)ビイミダゾール系、(9)オキシムエステル系等の重合開始剤が好ましい。
【0034】
(1)アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−トリル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1などを好適に挙げることができる。
【0035】
(2)ケタール系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタールなどを好適に挙げることができる。
【0036】
(3)ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4’−(ビスジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−(ビスジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−トリル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1等を好適に挙げることができる。
【0037】
(4)ベンゾイン系又はベンゾイル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインイソプロピルエーテル、ゼンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、メチルo−ベンゾイルベゾエート等を好適に挙げることができる。
【0038】
(5)キサントン系光重合開始剤としては、例えば、ジエチルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、モノイソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン等を好適に挙げることができる。
【0039】
(6)活性ハロゲン化合物である(6−1)トリアジン系光重合開始剤としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ビフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メチルビフェニル)−s−トリアジン、p−ヒドロキシエトキシスチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メトキシスチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル−s−トリアジン、3,4−ジメトキシスチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−ベンズオキソラン−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(クロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(クロロメチル)−s−トリアジン等を好適に挙げることができる。
【0040】
(6−2)ハロメチルオキサジアゾール系光重合開始剤としては、例えば、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(シアノスチリル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(ナフト−1−イル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−スチリル)スチリル−1,3,4−オキソジアゾール等を好適に挙げることができる。
(6−3)クマリン類系光重合開始剤としては、例えば、3−メチル−5−アミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−クロロ−5−ジエチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−ブチル−5−ジメチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン等を好適に挙げることができる。
【0041】
(7)アクリジン系光重合開始剤としては、例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン等を好適に挙げることができる。
【0042】
(8)ビイミダゾール系光重合開始剤としては、ロフィンダイマーとして知られる例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体や、2−メルカプトベンズイミダゾール、2,2’−ベンゾチアゾリルジサルファイド等を好適に挙げることができる。
【0043】
上記以外に、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、o−ベンゾイル−4’−(ベンズメルカプト)ベンゾイル−ヘキシル−ケトキシム、2,4,6−トリメチルフェニルカルボニル−ジフェニルフォスフォニルオキサイド、ヘキサフルオロフォスフォロ−トリアルキルフェニルホスホニウム塩等が挙げられる。
【0044】
本発明では、以上の光重合開始剤に限定されるものではなく、他の公知のものも使用することができる。例えば、米国特許第2,367,660号明細書に記載のビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号及び第2,367,670号明細書に記載のα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に記載のアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号及び第2,951,758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に記載のトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物、J.C.S.Perkin II(1979)1653−1660、J.C.S. Perkin II(1979)156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202−232、特開2000−66385号公報に記載のオキシムエステル化合物等が挙げられる。
また、これらの光重合開始剤を併用することもできる。
【0045】
(b)光重合開始剤の着色硬化性組成物中における含有量としては、該組成物の総固形分に対して、0.1質量%〜15.0質量%が好ましく、より好ましくは0.5質量%〜12.0質量%であり、更に好ましくは1.0質量%〜10.0質量%である。光重合開始剤の含有量が前記範囲内であると、重合反応を良好に進行させて強度の良好な膜形成が可能である。
【0046】
〔(c)着色剤〕
本発明の着色硬化性組成物は(c)着色剤を含有する。
本発明の着色硬化性組成物に含有される着色剤には特に制限はなく、従来公知の種々の染料や顔料を1種又は2種以上混合して用いることができる。該着色剤としては、耐光性の観点から、顔料であることが好ましい。
【0047】
−顔料−
本発明の着色硬化性組成物に用いることができる顔料としては、従来公知の種々の無機顔料又は有機顔料を適宜選択して用いることができる。顔料の粒子サイズとしては、本発明の着色硬化性組成物が好適に用いられるカラーフィルタが、高透過率であることが好ましいこと等を考慮すると、有機顔料が好ましく、また、なるべく粒子サイズの小さいものを使用することが好ましい。本発明の着色硬化性組成物のハンドリング性を考慮すると、顔料の平均1次粒子径としては、100nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましく、5〜25nmが最も好ましい。粒径が上記範囲内であると、透過率が高く、色特性が良好であると共に、高いコントラストのカラーフィルタを形成するのに有効である。平均1次粒子径は、SEM或いはTEMで観察し、粒子が凝集していない部分で粒子サイズを100個計測し、平均値を算出することによって求める。
前記無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で示される金属化合物を挙げることができ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、及び前記金属の複合酸化物を挙げることができる。
【0048】
前記有機顔料としては、例えば、
C.I.Pigment Red 1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,270,272,279、
C.I.Pigment Yellow 1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214、
C.I.Pigment Orange 2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73、
C.I. Pigment Green 7,10,36,37、
C.I.Pigment Blue 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,79のCl置換基をOHに変更したもの,80、
C.I.Pigment Violet 1,19,23,27,32,37,42、
C.I.Pigment Brown 25,28、
C.I.Pigment Black 1,7等を挙げることができる。
【0049】
これらの中で好ましく用いることができる顔料として、以下のものを挙げることができる。但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
C.I.Pigment Yellow 11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185、
C.I.Pigment Orange 36,71、
C.I.Pigment Red 122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264、
C.I.Pigment Violet 19,23,32、
C.I.Pigment Blue 15:1,15:3,15:6,16,22,60,66、
C.I.Pigment Green 7,36,37、
C.I.Pigment Black 1,7
【0050】
これら有機顔料は、単独若しくは色純度を上げるため種々の組合せて用いることができる。上記の組合せの具体例を以下に示す。
例えば、赤の顔料として、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料を単独で用いてもよいが、それらの少なくとも1種と、ジスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、又は、ペリレン系赤色顔料、アントラキノン系赤色顔料、ジケトピロロピロール系赤色顔料と、の混合を行ってもよい。例えば、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド177が挙げられ、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド155、C.I.ピグメント・レッド224が挙げられ、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド254が挙げられ、色再現性の点で、C.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・イエロー139、又はC.I.ピグメント・レッド177との混合が好ましい。
また、赤色顔料と他顔料との質量比は、光透過率と色純度、発色力の観点から、100:5〜100:80が好ましい。特に、質量比としては、100:10〜100:65の範囲が最適である。なお、赤色顔料同士の組み合わせの場合は、色度に併せて調整することができる。
【0051】
また、緑の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料を単独で用いてもよいが、これと、ジスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、アゾメチン系黄色顔料、若しくはイソインドリン系黄色顔料と、の混合を行ってもよい。例えば、このような例としては、C.I.ピグメント・グリーン7,36,37と、C.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー180、又はC.I.ピグメント・イエロー185との混合が好ましい。
緑顔料と黄色顔料との質量比は、光透過率と色純度、NTSC目標色相の観点から、100:5〜100:200が好ましい。また、質量比としては100:20〜100:150の範囲が特に好ましい。
【0052】
青の顔料としては、フタロシアニン系顔料を単独で用いてもよいが、これとジオキサジン系紫色顔料との混合を行ってもよい。特に好適な例として、C.I.ピグメント・ブルー15:6とC.I.ピグメント・バイオレット23との混合を挙げることができる。
青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:100が好ましく、より好ましくは100:70以下である。
【0053】
また、ブラックマトリックス用途に好適な顔料としては、カーボンブラック、グラファイト、チタンブラック、酸化鉄、酸化チタンを、単独で、又は、混合して用いることができ、カーボンブラックとチタンブラックとの組合せが好ましい。
また、カーボンブラックとチタンブラックとの質量比は、分散安定性の観点で、100:0〜100:60の範囲が好ましい。
【0054】
本発明においては、必要に応じて、上記のような有機顔料を、微細で、かつ、整粒化してなる顔料を用いてもよい。
この有機顔料の微細化には、顔料を、水溶性有機溶剤及び水溶性無機塩類と共に高粘度な液状組成物として、摩砕する工程を含む方法を用いることが好ましい。
本発明においては、有機顔料の微細化には、以下の方法を用いることがより好ましい。
即ち、まず、有機顔料、水溶性有機溶剤、及び水溶性無機塩類の混合物(液状組成物)に対し、二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸若しくは2軸の押出機等の混練機を用いて、強い剪断力を与えることで、混合物中の有機顔料を摩砕した後、この混合物を水中に投入し、攪拌機等でスラリー状とする。次いで、このスラリーをろ過、水洗し、水溶性有機溶剤及び水溶性無機塩を除去した後、乾燥することで、微細化された有機顔料を得る方法である。
【0055】
前記の微細化に用いられる水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテール、ジエチレングリコールモノエチルエーテール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート等を挙げることができる。
また、少量用いることで顔料に吸着して、廃水中に流失しないならば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、アニリン、ピリジン、キノリン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘササン、ハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等を用いてもよい。また、必要に応じて2種類以上の溶剤を混合して使用してもよい。
これら水溶性有機溶剤の使用量は、有機顔料に対して、50質量%〜300質量%の範囲が好ましく、より好ましくは100質量%〜200質量%の範囲である。
【0056】
また、本発明において水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、硫酸ナトリウム等が用いられる。
水溶性無機塩の使用量は、有機顔料の1倍質量〜50倍質量が好ましく、多い方が摩砕効果はあるが、生産性の点から、より好ましい量は1倍質量〜10倍質量である。
また、水溶性無機塩の溶解を防ぐため、摩砕される液状組成物中の水分が1質量%以下であることが好ましい。
【0057】
本発明において、有機顔料、水溶性有機溶剤、及び水溶性無機塩を含む液状組成物を摩砕する際には、前述の混練機などの湿式粉砕装置を用いればよい。この湿式粉砕装置の運転条件については特に制限はないが、粉砕メディア(水溶性無機塩)による磨砕を効果的に進行させるため、装置がニーダーの場合の運転条件は、装置内のブレードの回転数は、10rpm〜200rpmが好ましく、また2軸の回転比が相対的に大きいほうが、摩砕効果が大きく好ましい。また、運転時間は、乾式粉砕時間と併せて1時間〜8時間が好ましく、装置の内温は50℃〜150℃が好ましい。また、粉砕メディアである水溶性無機塩は粉砕粒度が5μm〜50μmで粒子径の分布がシャープで、且つ、球形が好ましい。
上記のような摩砕後の混合物を、80℃の温水と混合することで、水溶性有機溶剤と水溶性無機塩類とを溶解させ、その後、ろ過、水洗し、オーブンで乾燥して、微細な有機顔料を得ることができる。
【0058】
また、上記の有機顔料の微細化の際、液状組成物中に、水溶性有機溶剤に少なくとも一部可溶な樹脂を併用することにより、微細で、且つ、表面が樹脂により被覆された、乾燥時の顔料の凝集が少ない加工顔料が得られる。
本発明の着色硬化性組成物には、この加工顔料を用いてもよい。
ここで、加工顔料を得る際に用いられる、水溶性有機溶剤に少なくとも一部可溶な樹脂としては、顔料分散剤として用いられている公知の樹脂を用いることができる。
【0059】
−染料−
本発明において、着色剤として染料を用いる場合には、組成物中に均一に溶解して硬化性組成物を得ることができる。
本発明の着色硬化性組成物に含有される着色剤として使用できる染料は、特に制限はなく、従来カラーフィルタ用として公知の染料が使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報等に開示されている色素が使用できる。
【0060】
化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサテン系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の染料が使用できる。
【0061】
また、水又はアルカリ現像を行うレジスト系の場合、現像により光未照射部のバインダーポリマー及び/又は染料を完全に除去するという観点では、酸性染料及び/又はその誘導体が好適に使用できる場合がある。
その他、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、アゾイック染料、分散染料、油溶染料、食品染料、及び/又は、これらの誘導体等も有用に使用することができる。
【0062】
酸性染料は、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有するものであれば特に限定されないが、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩基性化合物との塩形成性、吸光度、組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とされる性能の全てを考慮して選択される。
以下に酸性染料の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
例えば、acid alizarin violet N;acid black 1,2,24,48;acid blue 1,7,9,15,18,23,25,27,29,40,45,62,70,74,80,83,86,87,90,92,103,112,113,120,129,138,147,158,171,182,192,243,324:1;acid chrome violet K;acid Fuchsin;acid green 1,3,5,9,16,25,27,50;acid orange 6,7,8,10,12,50,51,52,56,63,74,95;acid red 1,4,8,14,17,18,26,27,29,31,34,35,37,42,44,50,51,52,57,66,73,80,87,88,91,92,94,97,103,111,114,129,133,134,138,143,145,150,151,158,176,183,198,211,215,216,217,249,252,257,260,266,274;acid violet 6B,7,9,17,19;acid yellow 1,3,7,9,11,17,23,25,29,34,36,42,54,72,73,76,79,98,99,111,112,114,116,184,243;Food Yellow 3;及びこれらの染料の誘導体が挙げられる。
【0063】
この中でも酸性染料としては、acid black 24;acid blue 23,25,29,62,80,86,87,92,138,158,182,243,324:1;acid orange 8,51,56,63,74;acid red 1,4,8,34,37,42,52,57,80,97,114,143,145,151,183,217;acid violet 7;acid yellow 17,25,29,34,42,72,76,99,111,112,114,116,184,243;acidgreen 25等の染料及びこれらの染料の誘導体が好ましい。
また、上記以外の、アゾ系、キサンテン系、フタロシアニン系の酸性染料も好ましく、C.I.Solvent Blue 44、38;C.I.Solvent orange 45;Rhodamine B、Rhodamine 110等の酸性染料及びこれらの染料の誘導体も好ましく用いられる。
【0064】
中でも、着色剤としては、トリアリルメタン系、アントラキノン系、アゾメチン系、ベンジリデン系、オキソノール系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、アンスラピリドン系から選ばれる着色剤であることが好ましい。
【0065】
本発明において使用しうる着色剤は、染料、若しくは、平均粒径r(単位nm)が、5≦r≦250、好ましくは10≦r≦200、特に好ましくは15≦r≦150を満たす顔料が望ましい。このような平均粒径rの顔料を用いることにより、高コントラスト比であり、かつ、高光透過率の着色画素を得ることができる。ここでいう「平均粒径」とは、顔料の一次粒子(単微結晶)が集合した二次粒子についての平均粒径を意味する。
また、本発明において使用しうる顔料の二次粒子の粒径分布(以下、単に「粒径分布」という。)は、(平均粒径±100)nmに入る二次粒子が全体の70質量%以上、好ましくは80質量%以上であることが望ましい。
【0066】
前記した平均粒径及び粒径分布を有する顔料は、市販の顔料を、場合により使用される他の顔料(平均粒径は、通常、300nmを越える。)と共に、好ましくは分散剤及び溶媒と混合した顔料混合液として、例えば、ビーズミル、ロールミル等の粉砕機を用いて、粉砕しつつ混合・分散することにより調製することができる。このようにして得られる顔料は、通常、顔料分散液の形態をとる。
【0067】
−顔料分散液−
上記の顔料を含む顔料分散液は、(c)着色剤としての顔料を、分散剤や顔料誘導体と共に、溶剤中に分散してなるものである。
ここで用いられる分散剤としては、顔料の分散性を向上させるために用いられるものであり、例えば、公知の顔料分散剤や界面活性剤を適宜選択して用いることができる。
【0068】
分散剤として、具体的には、多くの種類の化合物を使用可能であり、例えば、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学工業(株)製)、W001(裕商(株)社製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商(株)社製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(いずれもチバ・スペシャルテイケミカル社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(いずれもサンノプコ社製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(日本ルーブリゾール(株)社製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77,P84,F87、P94,L101,P103,F108、L121、P−123(旭電化(株)製)及びイソネットS−20(三洋化成(株)製)、Disperbyk 101,103,106,108,109,111,112,116,130,140,142,162,163,164,166,167,170,171,174,176,180,182,2000,2001,2050,2150(ビックケミー(株)社製)が挙げられる。その他、アクリル系共重合体など、分子末端若しくは側鎖に極性基を有するオリゴマー若しくはポリマーが挙げられる。
【0069】
分散剤の顔料分散液中における含有量としては、既述の顔料の質量に対して、1質量%〜100質量%が好ましく、3質量%〜70質量%がより好ましい。
【0070】
また、本発明における顔料分散液は、必要に応じて、顔料誘導体が添加される。
本発明においては、分散剤と親和性のある部分、或いは、極性基を導入した顔料誘導体を顔料表面に吸着させ、これを分散剤の吸着点として用いることで、顔料を微細な粒子として顔料分散液中に分散させることができ、また、その再凝集をも防止することができる。つまり、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
【0071】
本発明に用いられる顔料誘導体は、具体的には、有機顔料を母体骨格とし、側鎖に酸性基や塩基性基、芳香族基を置換基として導入した化合物である。母体骨格となる有機顔料は、具体的には、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノリン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ベンゾイミダゾロン顔料等が挙げられる。一般に、色素と呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系、トリアジン系、キノリン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。
【0072】
顔料誘導体としては、特開平11−49974号公報、特開平11−189732号公報、特開平10−245501号公報、特開2006−265528号公報、特開平8−295810号公報、特開平11−199796号公報、特開2005−234478号公報、特開2003−240938号公報、特開2001−356210号公報等に記載されているものを使用できる。
【0073】
本発明に係る顔料誘導体の顔料分散液中における含有量としては、顔料の質量に対して、1質量%〜30質量%が好ましく、3質量%〜20質量%がより好ましい。該含有量が前記範囲内であると、粘度を低く抑えながら、分散を良好に行なえると共に分散後の分散安定性を向上させることができ、透過率が高く優れた色特性が得られ、カラーフィルタを作製するときには良好な色特性を有する高コントラストに構成することができる。
【0074】
本発明における顔料分散液を構成する溶剤としては、後述の(e)溶剤と同様のものが挙げられる。
顔料分散液中の顔料濃度は、30質量%〜90質量%が好ましく、40質量%〜80質量%がより好ましい。
【0075】
本発明における顔料分散液は、各種の混合機、分散機を使用して混合分散する混合分散工程を経ることによって、調製することができる。
なお、混合分散工程は、混練分散とそれに続けて行なう微分散処理からなるのが好ましいが、混練分散を省略することも可能である。
【0076】
具体的には、例えば、顔料と必要に応じて分散剤とを予め混合し、更に、ホモジナイザー等で予め分散しておいたものを、ジルコニアビーズ等を用いたビーズ分散機(例えば、GETZMANN社製のディスパーマット)等を用いて微分散させることによって、顔料分散液を調製することができる。
分散時間としては、3〜6時間程度が好適である。
また、ビーズによる微分散処理は、主として、縦型若しくは横型のサンドグラインダー、ピンミル、スリットミル、超音波分散機等、及び、0.01〜1mmの粒径のガラス、ジルコニア等でできたビーズを用いることができる。
なお、混練、分散についての詳細は、T.C.Patton著”Paint Flow and Pigment Dispersion”(1964年 John Wiley and Sons社刊)等に記載されている。
【0077】
また(c)着色剤の含有量(顔料濃度)は、着色硬化性組成物の全固形分に対して、30質量%〜60質量%であることを要し、好ましくは、35質量%〜60質量%であり、更に好ましくは、40質量%〜60質量%である。
着色剤の濃度が上記範囲であると、色濃度が充分で優れた色特性を確保するのに有効である。
なお、本発明において、顔料誘導体を用いる場合は、本発明における着色硬化性組成物の顔料濃度とは、顔料と顔料誘導体との総質量を、着色硬化性組成物の総固形分で除した値を用いる。
【0078】
〔(d)バインダーポリマー〕
本発明の着色硬化性組成物は、(d)バインダーポリマーを含有することが好ましい。
バインダーポリマーとしては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。このうち、更に好ましくは、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものである。
【0079】
アルカリ可溶性樹脂の製造には、例えば、公知のラジカル重合法による方法を適用することができる。ラジカル重合法でアルカリ可溶性樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類及びその量、溶媒の種類等々の重合条件は、当業者において容易に設定可能であり、実験的に条件を定めるようにすることもできる。
【0080】
上記の線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマーが好ましい。例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等であり、更に側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する高分子重合体も好ましいものとして挙げられる。
【0081】
これらの中では特に、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好適である。
この他、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを共重合したもの等も有用なものとして挙げられる。該ポリマーは任意の量で混合して用いることができる。
【0082】
上記以外に、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクレート/メタクリル酸共重合体などが挙げられる。
【0083】
アルカリ可溶性樹脂の具体的な構成単位については、特に(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体が好適である。
【0084】
前記(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。ここで、アルキル基及びアリール基の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。
前記アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジルアクリレート、トリルアクリレート、ナフチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート等を挙げることができる。
【0085】
また、前記ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、CH=CR、CH=C(R)(COOR)〔ここで、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素数6〜10の芳香族炭化水素環を表し、Rは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜12のアラルキル基を表す。〕等を挙げることができる。
【0086】
これら共重合可能な他の単量体は、1種単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましい共重合可能な他の単量体は、CH=CR、CH=C(R)(COOR)、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート及びスチレンから選択される少なくとも1種であり、特に好ましくは、CH=CR及び/又はCH=C(R)(COOR)である。
【0087】
バインダーポリマーであるアルカリ可溶性樹脂の着色硬化性組成物中における含有量としては、該組成物の総固形分に対して、1〜15質量%が好ましく、より好ましくは、2〜12質量%であり、特に好ましくは、3〜10質量%である。
【0088】
〔(e)溶剤〕
本発明の着色硬化性組成物は、一般に上記成分と共に、必要に応じて、(e)溶剤を用いて好適に調製することができる。
溶剤としては、エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;エーテル類、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;ケトン類、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
【0089】
これらのうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が好適である。
溶剤は、単独で用いる以外に2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0090】
〔その他の成分〕
本発明の着色硬化性組成物には、必要に応じて、増感色素、水素供与性化合物、フッ素系有機化合物、熱重合開始剤、熱重合成分、熱重合防止剤、その他、充填剤、上述のアルカリ可溶性樹脂(バインダーポリマー)以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤などの各種添加物を含有することができる。
【0091】
−増感色素−
本発明の着色硬化性組成物は、必要に応じて増感色素を添加してもよい。増感色素は、この増感色素が吸収しうる波長の露光により上記光重合開始剤のラジカル発生反応等や、それによる前記光重合性化合物の重合反応が促進させることができる。
このような増感色素としては、公知の分光増感色素又は染料、又は光を吸収して光重合開始剤と相互作用する染料又は顔料が挙げられる。
【0092】
(分光増感色素又は染料)
本発明に用いられる増感色素として好ましい分光増感色素又は染料は、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、フタロシアニン類(例えば、フタロシアニン、メタルフタロシアニン)、ポルフィリン類(例えば、テトラフェニルポルフィリン、中心金属置換ポルフィリン)、クロロフィル類(例えば、クロロフィル、クロロフィリン、中心金属置換クロロフィル)、金属錯体(例えば、下記化合物)、アントラキノン類、(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)等が挙げられる。
【0093】
【化4】

【0094】
より好ましい分光増感色素又は染料の例を以下に例示する。
特公平37−13034号公報に記載のスチリル系色素;特開昭62−143044号公報に記載の陽イオン染料;特公昭59−24147号公報記載のキノキサリニウム塩;特開昭64−33104号公報記載の新メチレンブルー化合物;特開昭64−56767号公報記載のアントラキノン類;特開平2−1714号公報記載のベンゾキサンテン染料;特開平2−226148号公報及び特開平2−226149号公報記載のアクリジン類;特公昭40−28499号公報記載のピリリウム塩類;特公昭46−42363号公報記載のシアニン類;特開平2−63053号記載のベンゾフラン色素;特開平2−85858号公報、特開平2−216154号公報の共役ケトン色素;特開昭57−10605号公報記載の色素;特公平2−30321号公報記載のアゾシンナミリデン誘導体;特開平1−287105号公報記載のシアニン系色素;特開昭62−31844号公報、特開昭62−31848号公報、特開昭62−143043号公報記載のキサンテン系色素;特公昭59−28325号公報記載のアミノスチリルケトン;特開平2−179643号公報記載の色素;特開平2−244050号公報記載のメロシアニン色素;特公昭59−28326号公報記載のメロシアニン色素;特開昭59−89303号公報記載のメロシアニン色素;特開平8−129257号公報記載のメロシアニン色素;特開平8−334897号公報記載のベンゾピラン系色素が挙げられる。
【0095】
(350〜450nmに極大吸収波長を有する色素)
増感色素の他の好ましい態様として、以下の化合物群に属しており、且つ、350〜450nmに極大吸収波長を有する色素が挙げられる。
例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)が挙げられる。
【0096】
更に好ましい増感色素の例としては、下記一般式(XIV)〜(XVIII)で表される化合物が挙げられる。
【0097】
【化5】

【0098】
(一般式(XIV)中、Aは硫黄原子又は−NR60−を表し、R60はアルキル基又はアリール基を表し、L01は隣接するA及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R61、R62はそれぞれ独立に水素原子又は1価の非金属原子団を表し、R61、R62は互いに結合して、色素の酸性核を形成してもよい。Wは酸素原子又は硫黄原子を表す。)
以下に、一般式(XIV)で表される化合物の好ましい具体例〔(F−1)〜(F−5)〕を示す。
【0099】
【化6】

【0100】
【化7】

【0101】
(一般式(XV)中、Ar及びArはそれぞれ独立にアリール基を表し、−L02−による結合を介して連結している。ここで−L02−は−O−又は−S−を表す。また、Wは一般式(XIV)に示したものと同義である。)
一般式(XV)で表される化合物の好ましい例としては、以下のもの〔(F−6)〜(F−8)〕が挙げられる。
【0102】
【化8】

【0103】
【化9】

【0104】
(一般式(XVI)中、Aは硫黄原子又は−NR69−を表し、L03は隣接するA及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R63、R64、R65、R66、R67及びR68はそれぞれ独立に1価の非金属原子団の基を表し、R69はアルキル基又はアリール基を表す。)
一般式(XVI)で表される化合物の好ましい例としては、以下のもの〔(F−9)〜(F−11)〕が挙げられる。
【0105】
【化10】

【0106】
【化11】

【0107】
(一般式(XVII)中、A、Aはそれぞれ独立に−S−、又は−NR73−を表し、R73は置換若しくは非置換のアルキル基、又は置換若しくは非置換のアリール基を表し、L04、L05はそれぞれ独立に、隣接するA、A及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R71、R72はそれぞれ独立に1価の非金属原子団であり、互いに結合して脂肪族性又は芳香族性の環を形成することもできる。)
一般式(XVII)で表される化合物の好ましい例としては、以下のもの〔(F−12)〜(F−15)〕が挙げられる。
【0108】
【化12】

【0109】
また、そのほかに、本発明に用いられる好適な増感色素として、下記式(XVIII)で表されるものが挙げられる。
【0110】
【化13】

【0111】
(一般式(XVIII)中、Aは置換基を有してもよい、芳香族環又はヘテロ環を表し、Xは酸素原子、硫黄原子、又は−N(R74)−を表し、Yは酸素原子、硫黄原子、又は=N(R74)を表す。R74、R75、R76は、それぞれ独立に、水素原子、又は1価の非金属原子団を表し、AとR74、R75、R76とは、それぞれ互いに結合して、脂肪族性又は芳香族性の環を形成することができる。)
【0112】
ここで、R74、R75、R76が1価の非金属原子団を表すとき、好ましくは、置換若しくは無置換の、アルキル基又はアリール基を表す。
次に、R74、R75、R76の好ましい例について具体的に述べる。好ましいアルキル基の例としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、及び環状のアルキル基を挙げることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、並びに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
【0113】
置換アルキル基の置換基としては、水素を除く1価の非金属原子団の基が用いられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルオキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N−アルキルウレイド基、N,N−ジアルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N,N−ジアリールウレイド基、N−アルキル−N−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N−アルキル−N−アルキルウレイド基、N−アルキル−N−アリールウレイド基、N,N−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N,N−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N−アリール−N−アルキルウレイド基、N−アリール−N−アリールウレイド基、N,N−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N,N−ジアリール−N−アリールウレイド基、N−アルキル−N−アリール−N−アルキルウレイド基、N−アルキル−N−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SOH)及びその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基(−PO)及びその共役塩基基(以下、ホスホナト基と称す)、ジアルキルホスホノ基(−PO(alkyl))、ジアリールホスホノ基(−PO(aryl))、アルキルアリールホスホノ基(−PO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−POH(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスホナト基と称す)、モノアリールホスホノ基(−POH(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスホナト基と称す)、ホスホノオキシ基(−OPO)及びその共役塩基基(以後、ホスホナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPO(alkyl))、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO(aryl))、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPOH(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスホナトオキシ基と称す)、モノアリールホスホノオキシ基(−OPOH(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基、シリル基が挙げられる。
これらの置換基における、アルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、これらは更に置換基を有していてもよい。
【0114】
また、アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、フェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基等を挙げることができる。
【0115】
ヘテロアリール基としては、窒素、酸素、硫黄原子の少なくとも一つを含有する単環、又は多環芳香族環から誘導される基が用いられ、特に好ましいヘテロアリール基中のヘテロアリール環の例としては、例えば、チオフェン、チアスレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサジン、ピロール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドリジン、インドイール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キナゾリン、シノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナンスリン、アクリジン、ペリミジン、フェナンスロリン、フタラジン、フェナルザジン、フェノキサジン、フラザン、フェノキサジン等が挙げられ、これらは、更にベンゾ縮環してもよく、また置換基を有していてもよい。
【0116】
また、アルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基、等が挙げられ、アルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。アシル基(GCO−)におけるGとしては、水素、並びに上記のアルキル基、アリール基を挙げることができる。これら置換基のうち、更により好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリールホスフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、アルキルホスホナト基、モノアリールホスフォノ基、アリールホスホナト基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基、アリール基、アルケニル基、アルキリデン基(メチレン基等)が挙げられる。
【0117】
一方、置換アルキル基におけるアルキレン基としては前述の炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基としたものを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状並びに炭素原子数5から10までの環状のアルキレン基を挙げることができる。
【0118】
上記置換基とアルキレン基を組み合わせることにより得られるR74、R75、又はR76として好ましい置換アルキル基の具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホブチル基、スルホナトプロピル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスホノブチル基、ホスホナトヘキシル基、ジエチルホスホノブチル基、ジフェニルホスホノプロピル基、メチルホスホノブチル基、メチルホスホナトブチル基、トリルホスホノヘキシル基、トリルホスホナトヘキシル基、ホスホノオキシプロピル基、ホスホナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、等を挙げることができる。
【0119】
74、R75、又はR76として好ましいアリール基の具体例としては、1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、を挙げることができ、これらのなかでは、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
【0120】
74、R75、又はR76として好ましい置換アリール基の具体例としては、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、(水素原子以外の)1価の非金属原子団の基を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、並びに、先に置換アルキル基における置換基として示したものを挙げることができる。このような、置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基、ジエチルホスホノフェニル基、ジフェニルホスホノフェニル基、メチルホスホノフェニル基、メチルホスホナトフェニル基、トリルホスホノフェニル基、トリルホスホナトフェニル基、アリルフェニル基、1−プロペニルメチルフェニル基、2−ブテニルフェニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフェニル基、等を挙げることができる。
【0121】
なお、R75、及びR76の更に好ましい例としては、置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられる。また、R74の更に好ましい例としては、置換若しくは無置換のアリール基が挙げられる。その理由は定かではないが、このような置換基を有することで、光吸収により生じる電子励起状態と開始剤化合物との相互作用が特に大きくなり、開始剤化合物のラジカル、酸又は塩基を発生させる効率が向上するためと推定される。
【0122】
次に、一般式(XVIII)におけるAについて説明する。Aは置換基を有してもよい、芳香族環又はヘテロ環を表し、置換基を有してもよい、芳香族環又はヘテロ環の具体例としては、一般式(XVIII)におけるR74、R75、又はR76についての前述の説明において例示したものと同様のものが挙げられる。
中でも、好ましいAとしては、アルコキシ基、チオアルキル基、アミノ基を有するアリール基が挙げられ、特に好ましいAとしてはアミノ基を有するアリール基が挙げられる。
【0123】
次に、本発明に用いられる一般式(XVIII)で表される化合物の好ましい態様である、一般式(XVIII−1)で表される化合物について説明する。
【0124】
【化14】

【0125】
上記一般式(XVIII−1)中、Aは置換基を有してもよい、芳香族環又はヘテロ環を表し、Xは酸素原子、硫黄原子、又は−N(R74)−を表す。R74、R77、R78は、それぞれ独立に、水素原子又は、1価の非金属原子団であり、AとR74、R77、R78は、それぞれ互いに、脂肪族性又は芳香族性の環を形成するために結合することができる。Arは、置換基を有する、芳香族環又はヘテロ環を表す。但し、Ar骨格上の置換基は、そのハメット値の総和が0より大きいことを要する。ここでハメット値の総和が0より大きいとは、1つの置換基を有し、その置換基のハメット値が0より大きいものであってもよく、複数の置換基を有し、それらの置換基におけるハメット値の総和が0より大きいものであってもよい。
【0126】
一般式(XVIII−1)中、A及びR74は一般式(XVIII)におけるものと同義であり、R77は一般式(XVIII)におけるR75と、R78は一般式(XVIII)におけるR76と同義である。また、Arは、置換基を有する、芳香族環又はヘテロ環を表し、一般式(XVIII)におけるAと同義である。
ただし、一般式(XVIII−1)におけるArに導入可能な置換基としては、ハメット値の総和が0以上であることが必須であり、そのような置換基の例としては、トリフルオロメチル基、カルボニル基、エステル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、スルホキシド基、アミド基、カルボキシル基等を挙げることができる。これら置換基のハメット値を以下に示す。トリフルオロメチル基(−CF、m:0.43、p:0.54)、カルボニル基(例えば−COHm:0.36、p:0.43)、エステル基(−COOCH、m:0.37、p:0.45)、ハロゲン原子(例えばCl、m:0.37、p:0.23)、シアノ基(−CN、m:0.56、p:0.66)、スルホキシド基(例えば−SOCH、m:0.52、p:0.45)、アミド基(例えば−NHCOCH、m:0.21、p:0.00)、カルボキシル基(−COOH、m:0.37、p:0.45)等が挙げられる。かっこ内は、その置換基のアリール骨格における導入位置と、そのハメット値を表し、(m:0.50)とは、当該置換基がメタ位に導入された時のハメット値が0.50であることを示す。このうち、Arの好ましい例としては置換基を有するフェニル基を挙げることができ、Ar骨格上の好ましい置換基としてはエステル基、シアノ基が挙げられる。置換の位置としてはAr骨格上のオルト位に位置していることが特に好ましい。
【0127】
以下に、本発明に係る一般式(XVIII)で表される増感色素の好ましい具体例〔例示化合物(F1)〜例示化合物(F56)〕を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、以下の具体例において、「Me」はメチル基を、「Et」はエチル基を、「Bu」はブチル基を、「Ph」はフェニル基を示す。
【0128】
【化15】

【0129】
【化16】

【0130】
【化17】

【0131】
【化18】

【0132】
【化19】

【0133】
【化20】

【0134】
【化21】

【0135】
【化22】

【0136】
本発明に適用可能な前記増感色素の中でも、一般式(XVIII)で表される化合物が、深部硬化性の観点から好ましい。
【0137】
上記の増感色素に関しては、本発明の着色硬化性組成物の特性を改良する目的で、以下のような種々の化学修飾を行うことが可能である。例えば、増感色素と、付加重合性化合物構造(例えば、アクリロイル基やメタクリロイル基)とを、共有結合、イオン結合、水素結合等の方法により結合させることで、架橋硬化膜の高強度化や、架橋硬化膜からの色素の不要な析出抑制効果向上を得ることができる。
【0138】
増感色素の含有量は、着色硬化性組成物の全固形分に対し、0.01〜20質量%が好ましく、より好ましくは、0.01〜10質量%であり、更に好ましくは0.1〜5質量%である。
増感色素の含有量がこの範囲であることで、超高圧水銀灯の露光波長に対して高感度であり、膜深部硬化性が得られると共に、現像マージン、パターン形成性の点で好ましい。
【0139】
−水素供与性化合物−
本発明の着色硬化性組成物は水素供与性化合物を含有することが好ましい。本発明において水素供与性化合物は、増感色素や光重合開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、或いは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
このような水素供与性化合物の例としては、アミン類、例えば、M.R.Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
【0140】
水素供与性化合物の別の例としては、チオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
【0141】
また、水素供与性化合物の更に別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)等が挙げられる。
【0142】
これら水素供与性化合物の含有量は、重合成長速度と連鎖移動のバランスによる硬化速度の向上の観点から、着色硬化性組成物の全固形分の質量に対し、0.1〜30質量%の範囲が好ましく、1〜25質量%の範囲がより好ましく、0.5〜20質量%の範囲が更に好ましい。
【0143】
−フッ素系有機化合物−
本発明の着色硬化性組成物は、フッ素系有機化合物を含有することもできる。
このフッ素系有機化合物を含有することで、本発明の着色硬化性組成物を塗布液としたときの液特性(特に流動性)を改善することができ、塗布厚の均一性や省液性を改善することができる。すなわち、被塗布面と塗布液との界面張力が低下することで、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上するので、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成が可能である点で有効である。
【0144】
フッ素系有機化合物中のフッ素含有率は3〜40質量%が好適であり、より好ましくは5〜30質量%であり、特に好ましくは7〜25質量%である。フッ素含有率が前記範囲内であると、塗布厚均一性や省液性の点で効果的であり、組成物中への溶解性も良好である。
【0145】
フッ素系有機化合物としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)等が挙げられる。
【0146】
フッ素系有機化合物は、前述のように、特に、塗布膜を薄くしたときの塗布ムラや厚みムラの防止に効果的である。また、更には、液切れを起こしやすいスリット塗布に適用する際においても効果的である。
【0147】
フッ素系有機化合物の添加量は、着色硬化性組成物の全質量に対して、0.001〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.005〜1.0質量%である。
【0148】
−熱重合開始剤−
本発明の着色硬化性組成物には、熱重合開始剤を含有させることも有効である。熱重合開始剤としては、例えば、各種のアゾ系化合物、過酸化物系化合物が挙げられ、前記アゾ系化合物としては、アゾビス系化合物を挙げることができ、前記過酸化物系化合物としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートなどを挙げることができる。
【0149】
−界面活性剤−
本発明の着色硬化性組成物には、塗布性を改良する観点から、各種の界面活性剤を用いて構成することが好ましく、ノニオン系、カチオン系、アニオン系の各種界面活性剤を使用できる。中でも、ノニオン系界面活性剤でパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤が好ましい。
フッ素系界面活性剤の具体例としては、大日本インキ化学工業(株)製のメガファック(登録商標)シリーズ、3M社製のフロラード(登録商標)シリーズなどが挙げられる。
【0150】
また、フタロシアニン誘導体(市販品EFKA−745(森下産業社製));オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業社製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社油脂化学工業社製)、W001(裕商社製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル(BASF社製 プルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2、テトロニック304、701、704、901、904、150R1等のノニオン系界面活性剤、W004、W005、W017(裕商社製)等のアニオン系界面活性剤なども用いることができる。
【0151】
−熱重合成分−
本発明の着色硬化性組成物には、皮膜の強度を上げるために、熱重合成分を含有させることも有効である。熱重合成分としては、エポキシ化合物が好ましい。
エポキシ化合物は、ビスフェノールA型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、脂環式エポキシ化合物などのエポキシ環を分子中に2個以上有する化合物である。
例えば、ビスフェノールA型としては、エポトートYD−115、YD−118T、YD−127、YD−128、YD−134、YD−8125、YD−7011R、ZX−1059、YDF−8170、YDF−170など(以上、東都化成製)、デナコールEX−1101、EX−1102、EX−1103など(以上、ナガセ化成製)、プラクセルGL−61、GL−62、G101、G102(以上、ダイセル化学製)の他に、これらの類似のビスフェノールF型、ビスフェノールS型も挙げることができる。また、Ebecryl3700、3701、600(以上、ダイセルユーシービー製)などのエポキシアクリレートも使用可能である。
【0152】
クレゾールノボラック型としては、エポトートYDPN−638、YDPN−701、YDPN−702、YDPN−703、YDPN−704など(以上、東都化成製)、デナコールEM−125など(以上、ナガセ化成製)、ビフェニル型としては、3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’ジグリシジルビフェニルなど、脂環式エポキシ化合物としては、セロキサイド2021、2081、2083、2085、エポリードGT−301、GT−302、GT−401、GT−403、EHPE−3150(以上、ダイセル化学製)、サントートST−3000、ST−4000、ST−5080、ST−5100など(以上、東都化成製)などを挙げることができる。また、1,1,2,2−テトラキス(p−グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(p−グリシジルオキシフェニル)メタン、トリグリシジルトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、o−フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、他に、アミン型エポキシ樹脂であるエポトートYH−434、YH−434L、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の骨格中にダイマー酸を変性したグリシジルエステル等も使用できる。
【0153】
−その他の添加物−
上記以外に、添加物の具体例として、ガラス、アルミナ等の充填剤;イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの、アルコール可溶性ナイロン、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとから形成されたフェノキシ樹脂などのアルカリ可溶の樹脂;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(以上、森下産業社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ社製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(以上、ゼネカ社製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77,P84,F87、P94,L101,P103,F108、L121、P−123(以上、旭電化社製)、及びイソネットS−20(以上、三洋化成社製);2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;及びポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤を挙げることができる。
【0154】
また、未硬化部のアルカリ溶解性を促進し、着色硬化性組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、着色硬化性組成物に、有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加を行なうことが好ましい。
有機カルボン酸としては、具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
【0155】
−熱重合防止剤−
本発明の着色硬化性組成物には、以上のほかに、更に、熱重合防止剤を添加することもできる。
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が有用である。
【0156】
〔着色硬化性組成物の調製〕
本発明の着色硬化性組成物は、前述の(a)〜(c)を含有し、更に、必要に応じて、溶剤や、界面活性剤等の添加剤を混合することにより、調製することができる。
なお、(c)着色剤が顔料である場合、まず、前述のようにして顔料分散液を調製した後、この顔料分散液を用いて本発明の着色硬化性組成物を得てもよい。
本発明の着色硬化性組成物の調製に顔料分散液を使用する場合、その含有量は、着色硬化性組成物の全固形分(質量)に対して、顔料の含有量が30質量%以上60質量%以下の範囲となる量が好ましく、顔料の含有量が35質量%以上60質量%以下の範囲となる量がより好ましく、顔料の含有量が40質量%以上60質量%以下の範囲となる量が更に好ましい。
顔料分散液の含有量がこの範囲内であると、色濃度が充分で優れた色特性を確保するのに有効である。
【0157】
<カラーフィルタ、及びその製造方法>
本発明のカラーフィルタは、基板上に、前述の本発明の着色硬化性組成物により形成された着色パターンを有することを特徴とする。
また、本発明のカラーフィルタの製造方法は、基板上に、前述の本発明の着色硬化性組成物を用い、塗布、露光、現像、及び後加熱処理を繰り返すことによって任意の着色パターンを形成することを特徴とする。
以下、本発明のカラーフィルタについて、その製造方法(本発明のカラーフィルタの製造方法)を通じて詳述する。
【0158】
本発明のカラーフィルタの製造方法は、前述のように、塗布、露光、現像、及び後加熱処理の各工程を有する。これらの工程を経ることで、各色(3色或いは4色)の画素からなる着色パターンが形成され、カラーフィルタを得ることができる。
このような方法により、液晶表示素子や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタをプロセス上の困難性が少なく、高品質で、かつ、低コストに作製することができる。
以下、各工程について詳細に説明する。
【0159】
〔塗布工程〕
まず、塗布工程で用いられる基板について説明する。
本発明のカラーフィルタに用いられる基板としては、例えば、液晶表示素子等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えば、シリコーン基板や、プラスチック基板が挙げられる。
これらの基板上には、各画素を隔離するブラックマトリクスが形成されていたり、密着促進等のために透明樹脂層が設けられたりしていてもよい。
また、プラスチック基板は、その表面に、ガスバリヤー層及び/又は耐溶剤性層を有していることが好ましい。
【0160】
この他に、薄膜トランジスター(TFT)方式カラー液晶表示装置の薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板(以下、「TFT方式液晶駆動用基板」という。)を用い、この駆動用基板上にも、本発明の着色硬化性組成物を用いてなる着色パターンを形成し、カラーフィルタを作製することができる。
TFT方式液晶駆動用基板における基板としては、例えば、ガラス、シリコーン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。例えば、TFT方式液晶駆動用基板の表面に、窒化ケイ素膜等のパッシベーション膜を形成した基板を用いることができる。
【0161】
塗布工程において、本発明の着色硬化性組成物を基板に塗布する方法としては、特に限定されるものではないが、スリット・アンド・スピン法、スピンレス塗布法等のスリットノズルを用いる方法(以下、スリットノズル塗布法という)が好ましい。
スリットノズル塗布法において、スリット・アンド・スピン塗布法とスピンレス塗布法は、塗布基板の大きさによって条件は異なるが、例えば、スピンレス塗布法により第五世代のガラス基板(1100mm×1250mm)を塗布する場合、スリットノズルからの着色硬化性組成物の吐出量は、通常、500〜2000マイクロリットル/秒、好ましくは800〜1500マイクロリットル/秒であり、また、塗工速度は、通常、50〜300mm/秒、好ましくは100〜200mm/秒である。
また、塗布工程で用いられる着色硬化性組成物の固形分としては、通常、10〜20%、好ましくは13〜18%である。
【0162】
基板上に本発明の着色硬化性組成物による塗膜を形成する場合、該塗膜の厚み(プリベーク処理後)としては、一般に0.3〜5.0μmであり、望ましくは0.5〜4.0μm、最も望ましくは0.5〜3.0μmである。
また、固体撮像素子用のカラーフィルタの場合であれば、塗膜の厚み(プリベーク処理後)は、0.5〜5.0μmの範囲が好ましい。
【0163】
塗布工程において、通常は、塗布後にプリベーク処理を施す。必要によっては、プリベーク前に真空処理を施すこともできる。
真空乾燥の条件は、真空度が、通常、0.1〜1.0torr、好ましくは0.2〜0.5torr程度である。
また、プリベーク処理は、ホットプレート、オーブン等を用いて50〜140℃の温度範囲で、好ましくは70〜110℃程度であり、10〜300秒の条件にて行なうことができる。なお、プリベーク処理には、高周波処理などを併用してもよい。高周波処理は単独でも使用可能である。
【0164】
〔露光工程〕
露光工程では、前述のようにして形成された着色硬化性組成物からなる塗膜に対し、所定のマスクパターンを介して露光を行う。
露光の際に使用される放射線としては、特に、g線、h線、i線、j線等の紫外線が好ましい。
なお、液晶表示装置用のカラーフィルタを製造する際には、プロキシミテイ露光機、ミラープロジェクション露光機により、主として、h線、i線を使用した露光が好ましく用いられる。
また、固体撮像素子用のカラーフィルタを製造する際には、ステッパー露光機にて、主として、i線を使用することが好ましい。
なお、TFT方式液晶駆動用基板を用いてカラーフィルタを製造する際には、用いられるフォトマスクは、画素(着色パターン)を形成するためのパターンの他、スルーホール或いはコの字型の窪みを形成するためのパターンが設けられているものが使用される。
【0165】
〔現像工程〕
現像工程では、露光後の塗膜の未硬化部を現像液に溶出させ、硬化分のみを基板上に残存させる。
現像温度としては、通常20〜30℃であり、現像時間としては20〜90秒である。
現像液としては、未硬化部における着色硬化性組成物の塗膜を溶解する一方、硬化部を溶解しないものであれば、いずれのものも用いることができる。
具体的には、種々の有機溶剤の組合せやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
【0166】
現像に用いられる有機溶剤としては、本発明の着色硬化性組成物を調製する際に使用できる既述の溶剤が挙げられる。
また、アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように溶解したアルカリ性水溶液が挙げられる。
アルカリ性水溶液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。
【0167】
現像方式は、デイップ方式、シャワー方式、スプレー方式などいずれでもよく、これにスウィング方式、スピン方式、超音波方式などを組み合わせてもよい。現像液に触れる前に、被現像面を予め水等で湿しておいて、現像むらを防ぐこともできる。また、基板を傾斜させて現像することもできる。
また、固体撮像素子用のカラーフィルタを製造する場合にはパドル現像も用いられる。
【0168】
現像処理後は、余剰の現像液を洗浄除去するリンス処理を経て、乾燥を施す。
リンス工処理は通常は純水で行うが、省液のために、最終洗浄で純水を用い、洗浄初期は使用済の純水を使用したり、また、基板を傾斜させて洗浄したり、超音波照射を併用したりする方法を用いてもよい。
【0169】
前述のような乾燥後には、通常、100℃〜250℃の後加熱処理が行われる。
この後加熱処理(ポストベーク)は、現像後の塗膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式或いはバッチ式で行なうことができる。
このようなポストベークは、硬化を完全なものとする目的と、現像後のパターン形状を熱変形により順テーパー化させる目的のための工程であり、200℃〜250℃の加熱(ハードベーク)を行なうことが一般的である。
【0170】
本発明の着色硬化性組成物は、(a)〜(c)成分を含有していることで、加熱工程において、現像後のパターン形状を熱変形により順テーパー化させ、その後、熱硬化させることができ、その結果、微細で、且つ、良好な断面形状を有し、更に、硬度の高い着色パターンを形成することができる。また、オーバーコート層を設けることなく、良好なITO(Indium Tin Oxide)スパッタ適性を得ることができる。
【0171】
以上の各工程を、所望の色相数に合わせて各色毎に順次繰り返し行なうことにより、複数色の着色された硬化膜(着色パターン)が形成されてなるカラーフィルタを作製することができる。
【0172】
本発明の着色硬化性組成物の用途としては、主に、カラーフィルタの着色パターンへの用途を中心に説明したが、カラーフィルタを構成する着色パターン(画素)を隔離するブラックマトリックスの形成にも適用することができる。
基板上のブラックマトリックスは、カーボンブラック、チタンブラックなどの黒色顔料の加工顔料を含有する着色硬化性組成物を用い、塗布、露光、及び現像の各工程を経て、その後、必要に応じて、ポストベークすることにより形成することができる。
【0173】
<液晶表示装置>
本発明の液晶表示素子は、本発明のカラーフィルタを備えてなるものである。
より具体的には、本発明のカラーフィルタの内面側に配向膜を形成し、電極基板と対向させ、間隙部に液晶を満たして密封することにより、本発明の液晶表示装置であるパネルが得られる。
【実施例】
【0174】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
【0175】
(合成例1)
イソシアヌル酸トリグリシジル(東京化成(株)製、エポキシ当量99)1000部を80℃で攪拌しながらp−メトキシフェノール2部及びトリエチルアミン5部を溶解した。アクリル酸600部を加え、前記温度を維持したまま6時間、空気を送りこみながら攪拌して反応させた。こうして66モル%がアクリル化した前記例示化合物(a−2)を得た。
【0176】
(合成例2)
EPICLON HP−4700(大日本インキ化学(株)製、エポキシ当量139)1000部を80℃で攪拌しながらp−メトキシフェノール2部及びトリエチルアミン5部を溶解したアクリル酸400部を加え、前記温度を維持したまま8時間、空気を送りこみながら攪拌して反応させた。こうして50モル%がアクリル化した前記例示化合物(a−3)を得た。
【0177】
(合成例3)
下記化合物(エポキシ当量160)1000部を80℃で攪拌しながらp−メトキシフェノール2部及びトリエチルアミン5部を溶解した。アクリル酸600部を加え、前記温度を維持したまま6時間、空気を送りこみながら攪拌して反応させた。こうして66モル%がアクリル化した前記例示化合物(a−8)を得た。
【0178】
【化23】

【0179】
(実施例1)
<着色硬化性組成物1の調製>
下記組成の成分を混合し、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で3時間撹拌して混合し、顔料を含む混合溶液を調製した。
〔組成〕
・Pigment Green 36(平均一次粒子径25nm) 70部
・Pigment Yellow 150(平均一次粒子径25nm) 30部
・フタロシアニン誘導体 10部
(ソルスパース3000、アビシア(株)社製)
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=70/30[モル比])共重合体(Mw5,000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分40%)
75部
・分散剤(BYK−161、BYK社製) 35部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 495部
【0180】
続いて、上記より得られた混合溶液を、更に0.3mmφジルコニアビーズを用いたビーズ分散機ディスパーマット(GETZMANN社製)にて6時間分散処理を行ない、その後更に、減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製)を用いて、2000kg/cmの圧力下で流量500g/minとして分散処理を行なった。この分散処理を10回繰り返し、緑色顔料分散組成物を得た。
得られた緑色顔料分散組成物に更に下記組成の成分を添加し、撹拌混合して、本発明の着色硬化性組成物1(カラーレジスト液)を調製した。
【0181】
〔組成〕
・前記例示化合物(a−2) 30部
・2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体 10部
(光重合開始剤)
・4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(増感色素) 5部
・2−メルカプトベンゾチアゾール(水素供与性化合物) 5部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 230部
【0182】
(実施例2)
実施例1において、30部の前記例示化合物(a−2)を、30部の前記例示化合物(a−3)に変更したこと以外実施例1と同様にして、本発明の着色硬化性組成物2(カラーレジスト液)を調製した。
【0183】
(実施例3)
実施例1において、30部の前記例示化合物(a−2)を、30部の前記例示化合物(a−1) (ジアリルモノグリシジルイソシアヌル酸(四国化成(株)製))に変更したこと以外実施例1と同様にして、本発明の着色硬化性組成物3(カラーレジスト液)を調製した。
【0184】
(実施例4)
実施例1において、30部の前記例示化合物(a−2)を、30部の前記例示化合物(a−8)に変更したこと以外実施例1と同様にして、本発明の着色硬化性組成物4(カラーレジスト液)を調製した。
【0185】
(実施例5)
実施例1において、30部の前記例示化合物(a−2)を、21部の前記例示化合物(a−2)、及び9部の下記DPHA(日本化薬(株)製)に変更したこと以外実施例1と同様にして、本発明の着色硬化性組成物5(カラーレジスト液)を調製した。尚、下記DPHAは、AとCとの比率(A/C(モル比))が7/3である。
【0186】
【化24】

【0187】
(実施例6)
実施例1において、30部の前記例示化合物(a−2)を、9部の前記例示化合物(a−3)、及び21部の前記DPHAに変更したこと以外実施例1と同様にして、本発明の着色硬化性組成物6(カラーレジスト液)を調製した。
【0188】
(比較例1)
実施例1において、30部の前記例示化合物(a−2)を、30部の前記DPHAに変更したこと以外実施例1と同様にして、比較の着色硬化性組成物7(カラーレジスト液)を調製した。
【0189】
(比較例2)
実施例1において、30部の前記例示化合物(a−2)を、30部の下記M−305(東亜合成(株)製)に変更したこと以外実施例1と同様にして、比較の着色硬化性組成物8(カラーレジスト液)を調製した。尚、下記M−305は、AとBとの比率(A/B(モル比))が6/4である。
【0190】
【化25】

【0191】
(比較例3)
実施例1において、30部の前記例示化合物(a−2)を、30部の下記M−215(東亜合成(株)製)に変更したこと以外実施例1と同様にして、比較の着色硬化性組成物9(カラーレジスト液)を調製した。
【0192】
【化26】

【0193】
(比較例4)
下記エポキシ化合物(エポキシ当量102)1000部を80℃で攪拌しながらp−メトキシフェノール2部及びトリエチルアミン5部を溶解したアクリル酸400部を加え、前記温度を維持したまま8時間、空気を送りこみながら攪拌して反応させた。こうして50モル%がアクリル化した化合物(b−1)を得た。
【0194】
【化27】

【0195】
実施例1において、30部の前記例示化合物(a−2)を、30部の前記化合物(b−1)に変更したこと以外実施例1と同様にして、比較の着色硬化性組成物10(カラーレジスト液)を調製した。
【0196】
<着色硬化性組成物層の形成>
−塗布−
上記により得られたそれぞれの着色硬化性組成物を、550mm×650mmのガラス基板に下記条件でスリット塗布した。その後、真空乾燥とプリベーク(100℃80秒)を施して着色硬化性組成物層を形成した。
【0197】
(スリット塗布条件)
塗布ヘッド先端の開口部の間隙:50μm
塗布速度:100mm/秒
基板と塗布ヘッドとのクリヤランス:150μm
塗布厚(乾燥膜厚):2.0μm
塗布温度:23℃
【0198】
−露光、現像−
その後、20mW/cmのエネルギーの超高圧水銀灯を光源とし、マスク(幅20um)を介して、露光量50mJ/cmを、着色硬化性組成物層に対しパターン状に照射し、露光後、着色硬化性組成物層の全面をKOH系現像液(商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1.0%水溶液でシャワー現像し、純水で洗浄した。
【0199】
現像処理を施した着色硬化性組成物層を、230℃のオーブンにて0.5時間加熱した(ポストベーク)。これにより、ガラス基板上に着色パターンを形成して、カラーフィルタをそれぞれ得た。
【0200】
−評価−
作製したそれぞれのカラーフィルタについて、露光感度、着色パターンの断面形状を評価したその結果を表1に示す。
【0201】
<露光感度>
露光工程において光が照射された領域の現像後の膜厚が、露光前の膜厚100%に対して95%以上であった最小の露光量を露光感度として評価し、以下の基準で評価した。
○:露光感度が50mJ/cm以下であった。
×:露光感度が50mJ/cmを超えた。
【0202】
<着色パターンの断面形状>
形成された着色パターンの断面形状を、電界放出形走査電子顕微鏡S−4800(HITACHI社製)によって観察し、評価を行った。
○:テーパー角度が30以上85度以下の範囲であった(順テーパー)。
×:テーパー角度が85度を越えた(矩形若しくは逆テーパー)。
【0203】
−ITOからなる透明電極の形成−
得られたカラーフィルタ上にITO透明電極のスパッタリングを行った(ULVAC社製、SIH−3030、スパッタ温度200℃)。
【0204】
ITOからなる透明電極を形成したカラーフィルタについて、ITOの断線、ITOスパッタによるレチキュレーションを評価した。その結果を表1に示す。
【0205】
<ITOの断線>
スパッタリング済みのカラーフィルタについてITO透明電極の抵抗値を調べ、異常箇所の有無確認を行った。
○:抵抗値異常箇所が無かった。
×:抵抗値異常箇所が確認されたため、カラーフィルタ上にオーバーコート層を被覆後に ITO透明電極のスパッタリングを行い、液晶表示装置の製造を行った。
【0206】
<ITOスパッタによるレチキュレーション>
ITOスパッタリング済みのカラーフィルタについて光学顕微鏡(500倍)を用いて、カラーフィルタとITO透明電極界面の状態観察を行った。
○:レチキュレーションの発生が無かった。
×:レチキュレーションが発生した。
【0207】
【表1】

【0208】
表1の結果からわかるように、実施例1〜6は、高感度で、断面形状も順テーパーであり、かつITOの断線及びITOスパッタによるレチキュレーションも発生しなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)分子内に、1つ以上の重合性基を有しない環構造、2つ以上のラジカル重合性基、及び1つ以上の脂環式開環重合性基を有する化合物、(b)光重合開始剤、及び(c)着色剤を含むことを特徴とする着色硬化性組成物。
【請求項2】
基板上に、請求項1に記載の着色硬化性組成物を用いて形成された着色パターンを有することを特徴とするカラーフィルタ。
【請求項3】
基板上に、請求項1に記載の着色硬化性組成物を用い、塗布、露光、現像、及び後加熱処理を繰り返すことによって任意の着色パターンを形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
【請求項4】
請求項2に記載のカラーフィルタを搭載することを特徴とする液晶表示装置。

【公開番号】特開2010−20018(P2010−20018A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−179473(P2008−179473)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】