説明

着色組成物、着色感放射線性組成物、色素多量体の製造方法、インクジェット用インク、カラーフィルタ及びその製造方法、固体撮像素子、並びに表示装置

【課題】現像時の着色剤の溶出、着色剤の染み込みや色移り、及び現像残渣が抑制され、且つザラ(色ムラ)が良好な着色膜が形成される着色組成物及び着色感放射線性組成物を提供する。
【解決手段】色素多量体の合成時に必要な全色素単量体の15質量%以上70質量%以下を仕込み、これに残りを滴下する滴下重合により製造され、一般式(A2)で示される構造単位の含有量(モル%)を(a2)、一般式(A1)で示される構造単位の含有量を(a1)としたとき、両者が式(1)を満たし、且つ、分子内にアルカリ可溶性基を含む色素多量体を含有する着色組成物。式中、XA1、XA2は重合によって形成される連結基を、LA1、LA2は単結合又は2価の連結基を、Dyeは色素化合物から任意の水素原子を1個取り除いた色素残基を、Rは、水素原子、アルキル基等を有する部分構造を含む1価の置換基を表す。
式(1) (a2)/(a1)≧0.3


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(A1)で示される構造単位を形成しうる色素単量体と下記一般式(A2)で示される構造単位を形成しうる単量体とを用いて合成され、色素多量体の合成に必要な全色素単量体のうち、15質量%以上70質量%以下の色素単量体を予め仕込んだ仕込み液を準備し、該仕込み液に残りの色素単量体を滴下する滴下重合を行うことにより製造され、色素多量体を構成する下記一般式(A2)で示される構造単位の含有量(モル%)を(a2)とし、下記一般式(A1)で示される構造単位の含有量を(a1)としたとき、両者の関係が下記式(1)を満たし、且つ、分子内にアルカリ可溶性基を有する色素多量体を含有する着色組成物。
式(1) (a2)/(a1)≧0.3
【化1】


[一般式(A1)中、XA1は重合によって形成される連結基を表し、LA1は単結合又は2価の連結基を表し、Dyeは色素化合物から任意の水素原子を1個取り除いた色素残基を表す。一般式(A2)中、XA2は重合によって形成される連結基を表し、LA2は単結合又は2価の連結基を表し、Rは、水素原子、アルキル基、又は、以下に示すエチレン性不飽和二重結合を有する部分構造を含む1価の置換基を表す。色素多量体の分子内に複数存在するXA1、LA1及びDyeは、それぞれ互いに同じあっても異なっていてもよく、複数存在するXA2、LA2及びRは、それぞれ互いに同じあっても異なっていてもよい。]
【化2】

【請求項2】
前記色素多量体は、分散度〔Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)〕が1.0<Mw/Mn<2.0の範囲であり、且つ、GPC法で測定した重量平均分子量(Mw)が5000以上20000以下の色素多量体である請求項1に記載の着色組成物。

【請求項3】
前記一般式(A1)におけるDyeは、下記一般式(5)で表されるジピロメテン系金属錯体化合物から任意の水素原子が1つ外れた色素残基、又は下記一般式(6)で表されるジピロメテン系金属錯体化合物のR11〜R17、X、Y〜Yのいずれか1つの置換基の水素原子が1つ外れた色素残基を表す請求項1又は請求項2に記載の着色組成物。
【化3】



〔一般式(5)中、R〜Rは各々独立に、水素原子、又は置換基を表し、R10は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子、又は金属化合物を表す。Xは、Maに結合可能な基を表し、Xは、Maの電荷を中和する基を表し、XとXは、互いに結合してMaと共に5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。但し、RとRとが環を形成することはない。〕
【化4】



〔一般式(6)中、R11及びR16は各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基を表す。R12〜R15は各々独立に、水素原子、又は置換基を表す。R17は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子、又は金属化合物を表す。X及びXは、NR(Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。)、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表す。Y及びYは、NR(Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。)、窒素原子、又は炭素原子を表す。R11とYは、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよく、R16とYは、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。XはMaと結合可能な基を表し、aは0、1、又は2を表す。〕
【請求項4】
前記仕込み液における単量体濃度が15質量%以上100質量%以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の着色組成物。
【請求項5】
前記色素多量体は、ラジカル重合により製造された色素多量体である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の着色組成物。
【請求項6】
前記色素多量体は、リビングラジカル重合により製造された色素多量体である請求項5に記載の着色組成物。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の着色組成物、重合性化合物、及び、重合開始剤を含有する着色感放射線性組成物。
【請求項8】
請求項7に記載の着色感放射線性組成物を用いて形成された着色パターンを備えるカラーフィルタ。
【請求項9】
請求項7に記載の着色感放射線性組成物を支持体上に付与して着色感放射線性組成物層を形成する工程と、
形成された着色感放射線性組成物層を、パターン状に露光する工程と、
露光された着色感放射線性組成物層を現像して着色パターンを形成する工程と、
をこの順で有するカラーフィルタの製造方法。
【請求項10】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の着色組成物、及び、重合性化合物を含有するインクジェット用インク。
【請求項11】
請求項10に記載のインクジェット用インクを用いて形成された着色パターンを備えるカラーフィルタ。
【請求項12】
隔壁により区画された凹部を有する基板を準備する工程と、
前記凹部に、インクジェット法によって、請求項10に記載のインクジェット用インクの液滴を付与して、カラーフィルタの着色画素を形成する工程と、を有するカラーフィルタの製造方法。
【請求項13】
請求項8又は請求項11に記載のカラーフィルタを備えた固体撮像素子。
【請求項14】
請求項8又は請求項11に記載のカラーフィルタを備えた表示装置。
【請求項15】
下記一般式(A1)で示される構造単位と、下記一般式(A2)で示される構造単位と、を含む色素多量体の製造方法であって、
下記一般式(A1)で示される構造単位を形成しうる色素単量体を、該色素多量体の合成に必要な全色素単量体の15質量%以上70質量%以下を予め仕込んだ仕込み液を調製し、その後、該仕込み液に残りの色素単量体を滴下する滴下重合を行う色素多量体の製造方法。
【化5】


[一般式(A1)中、XA1は重合によって形成される連結基を表し、LA1は単結合又は2価の連結基を表し、Dyeは色素化合物から任意の水素原子を1個取り除いた色素残基を表す。一般式(A2)中、XA2は重合によって形成される連結基を表し、LA2は単結合又は2価の連結基を表し、Rは、水素原子、アルキル基、又は、以下に示すエチレン性不飽和二重結合を有する部分構造を含む1価の置換基を表す。前記色素多量体の分子内に複数存在するXA1、LA1及びDyeは、それぞれ互いに同じあっても異なっていてもよく、複数存在するXA2、LA2及びRは、それぞれ互いに同じあっても異なっていてもよい。]
【化6】

【請求項16】
前記仕込み液の単量体濃度が15質量%以上100質量%以下である請求項15に記載の色素多量体の製造方法。
【請求項17】
前記滴下重合は、ラジカル重合である請求項15又は請求項16に記載の色素多量体の製造方法。
【請求項18】
前記滴下重合は、リビングラジカル重合である請求項17に記載の色素多量体の製造方法。

【公開番号】特開2012−162677(P2012−162677A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25291(P2011−25291)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】