説明

睡眠/覚醒状態評価方法及びシステム

不眠症は、一般集団における一般的な睡眠障害である。睡眠問題の性質及びひどさを評価するための標準の診断方法として、いわゆる睡眠ログ又は睡眠日記、すなわち通常紙上の質問表、が多くの場合使用される。この診断ツールの主な欠点は、その正確さが患者の主観的なバイアスに影響されるということであり、例えば夜間の睡眠及び覚醒期間を正しく覚えておくことは多くの場合患者にとって困難である。本発明は、夜間の睡眠及び覚醒期間を評価するための入力信号として、身体バイタルサインを使用する自動睡眠ログを提案する。客観的なデータを使用することにより、診断がより正確である。更に、このシステムは、不眠症を治療するための非薬理学的方法である睡眠制限療法に使用されることもできる。更に、このアプリケーションにおいて、システムは、この方法を正しく適用し、従って、より良好な医学的結果をもたらすことによって、患者に貢献しうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者信号のマルチパラメータ解析の分野に関し、特に、睡眠及び覚醒ステージ検出、並びに総就床時間に対する総睡眠時間の比率である睡眠効率の評価に関する。
【背景技術】
【0002】
睡眠障害は一般的である。人口の少なくとも10%は、臨床的に深刻で、公衆衛生上の重要性をもつ睡眠障害に苦しむ。不眠症は、睡眠障害の非常に一般的によくある型である。
【0003】
大部分の不眠症の定義は、関連付けられる日中の病状を伴う睡眠特有の症状の説明を含む。睡眠症状は、概して、睡眠を開始する困難さ、睡眠を維持する困難さ、望むよりもずっと早く起こる最終的な覚醒又は体力の回復がみられない若しくは概して不十分な質の睡眠を含む。覚醒症状は、疲労、眠気、気分障害、認知の困難さ及び社会的な又は職業的な障害に関連する日中の病状に関連付けられる。
【0004】
一般集団の独立した不眠症症状の保有率は、約30乃至50%であり、約9乃至5%は、慢性の不眠症問題の結果として重大な日中障害を報告している。患者集団の大多数において、不眠症は、投薬によって治療される。睡眠制限療法のような他の形の治療は、それらが薬剤治療単独よりもかなり長い期間効果的であることを証拠が示しているにもかかわらず、あまり普及していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
睡眠問題の性質及びひどさを評価するための標準の診断方法として、いわゆる睡眠ログ又は睡眠日記、すなわち通常は紙面上の質問表が、多くの場合使用されている。アクティグラフもまた、睡眠ログに代わるものとして使用されることができる。
【0006】
この睡眠ログの主な欠点は、その正確さが患者の主観的なバイアスによって影響を受けることであり、例えば、患者にとって、夜間の睡眠及び覚醒期間を正確に覚えておくことは多くの場合困難である。
【0007】
睡眠及び覚醒ステージの自動検出は、身体バイタルサインの測定を必要とするが、残念なことに、多くの既存のソリューションは、接着性の電極に依存し、これは、例えば頭部にEEG用の電極を装着するために、接着性の電極を患者の皮膚に貼り付け又は接着することによって行われる。それらの電極は、それらのセンサに接続されるケーブル及び記録装置により、睡眠中の患者にとって邪魔なものである。加えて、休息中、ケーブル又は電極は接続をゆるめることがあり、その結果、受信信号の品質を低下させるという問題がある。
【0008】
フル装備の睡眠検査室における自動睡眠ログによる不眠症の診断は高価であり、キャパシティ及び場所は、長い時間期間にわたって利用可能ではなく、従って、不眠症患者の診断の能力は制限されている。
【0009】
更に、患者に沿った付加的なセンサ及びケーブルは、患者の睡眠を妨げることがあり、従って、夜間の睡眠及び覚醒ステージの評価に影響を与え、このことは、睡眠記録に影響を及ぼし、誤診に至ることがある。
【0010】
米国特許出願公開第2004/0225179号明細書は、覚醒/睡眠状態を決定する受動的な手段を使用する、不眠症を治療するための自動化行動方法及び装置を開示している。
【0011】
本発明の目的は、睡眠/覚醒を評価するための、信号のマルチパラメータ解析に基づく方法及びシステムであって、信頼性が高く、取り扱いが容易であり、特に患者にとって邪魔にならない方法及びシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、被検体の睡眠及び覚醒状態を識別するための装置であって、被検体の睡眠環境に組み込まれ、被検体に関連する信号を生成するセンサと、センサ信号を受信し、これらのセンサ信号から少なくとも1つのフィーチャを抽出し、抽出されたフィーチャを分類し、被検体が覚醒しているか又は睡眠しているかの見込みの標示を提供する計算手段と、を有する装置を使用することにより達成される。
【0013】
従って、このような被検体の睡眠及び覚醒状態を識別するための装置は、患者の身体に直接適用される必要がない少なくとも1つのセンサを使用することによって、患者にとって邪魔にならないものである。かかるセンサは、布地又は患者のベッド若しくはベッドスラットのような睡眠環境に組み込まれる。従って、患者は、睡眠前又は睡眠中の任意の特別な処置を必要とせず、パジャマを着てベッドで毛布をかけていつものように寝ればよい。このようなセンサがより多く使用されほど、患者にとって調査がより快適になり、測定結果が、「自然な患者の睡眠現実」により良く関連する。
【0014】
従来技術において、睡眠及び覚醒状態の検出の一般の方法は、EEG信号を利用するが、驚くことに、ECG信号、又はベッドフォイルセンサによって生成される呼吸及び身体運動信号、又はそれらの組み合わせのような他の信号が、睡眠及び覚醒状態の適切な評価を提供することが分かった。驚くことに、両方の前記信号に基づく評価は、非接着性の電極であって、家庭内の睡眠環境のように被検体の睡眠環境内のセンサを有する電極を利用することによって、適切な結果を示した。
【0015】
「身体運動」という語は、物理的活動(例えば、ベッドで向きを変える、腕又は足を動かす)、呼吸活動(胸部の運動)及びバリストカルジオグラフィ(機械的な心臓活動から生じる小さい運動)を含む身体の任意の運動について使用される。
【0016】
「睡眠環境」という語は、センサが、患者の頭部又は皮膚上に直接接着される自己接着電極又はゲル化電極の形で、患者の身体に直接接着して設けられるのではなく、センサが、邪魔にならない非接着性の直接の皮膚接触によって、又は患者に接触せずに設けられ、すなわちベッド布地又はパジャマ、睡眠スーツ等に設けられる電極でありうる、被検体又は患者の環境として規定される。
【0017】
加えて、センサは、その上に患者が横たわる又は横たえられる足マット又は身体マットとして設けられることができ、又は付加的に、カメラ、運動センサ、誘導コイル等の他の任意の検知装置が、使用されることができる。
【0018】
更に、被検体の睡眠及び覚醒状態の識別のための装置は、ECG信号、例えば心拍数、呼吸及び身体運動又はそれらの組み合わせを測定するための患者胸部の下に配置されるフェロエレクトレットフォイル、スラットセンサ、誘導/ピエゾ抵抗バンド又はそれらの組み合わせのような、ベッドに組み込まれる邪魔でないセンサから供給される身体運動に関連する信号、又は人体の運動を検知するために適応される任意の他のセンサ信号、を検知することを含むことができる。ECG信号を測定するセンサに関連する患者の信号抽出は、パルス状態、時間ドメインからの統計的な心拍変動性パラメータ、心拍変動性スペクトルからのパラメータ、マルチスケールサンプルエントロピー及び段階的にトレンド除去される揺らぎ解析を含む。身体運動を測定する患者に関連するセンサ信号の信号抽出は、呼吸フィーチャ、例えば平均呼吸レート、活動インデックス、心臓フィーチャ及び時間及び周波数ドメインの心拍変動性パラメータを含む。
【0019】
装置は、睡眠環境における邪魔にならないセンサからのECGセンサ信号及びベッドフォイル信号の組み合わせを一緒に又は単独で利用することができ、驚くことに、通常は睡眠検査室内で邪魔なEEC接着性のセンサを用いて得られる被検体の睡眠及び覚醒状態について適切な見込み評価を得る。
【0020】
従って、本発明は、容易で、邪魔にならず、同時に信頼性のある装置を達成して、在宅又は病院環境において可動ベッドにいる被検体の睡眠及び覚醒状態に関する見込み情報であって、従来は睡眠検査室の固定ベッドでのみ入手可能であった見込み情報を得る。
【0021】
更に、装置は、洗練された信号処理を使用することにより信頼性のあるものにされ、これは、例えば質問表を付加的に使用する必要なく、患者の睡眠及び覚醒状態を信頼性をもって識別することを可能にする。
【0022】
例えば質問表に記入することによって能動的に患者を関与させないが、ECG信号、及びTシャツ、パジャマ、毛布、ベッド布地又はベッドスラットに配されて実現されるセンサの助けを借りて記録される身体運動信号、を邪魔にならないように検知することによって、患者は監視を認識せず、これは、患者が、患者の通常の家庭環境において夜間に自然に及び便利に睡眠することを可能にする。これは、不眠症患者と同様に健康な人々の睡眠及び休息の長い期間にわたるリアルタイムの監視を容易にする。本発明は、従来はフル装備された睡眠検査室においてしか達成されることができなかったマルチパラメータ睡眠/覚醒評価に基づく自動睡眠ログを提供する。
【0023】
これは、更に、不眠症患者、又は夜間に中断無く長い時間睡眠することができない不眠に苦しむ任意の患者に対する処置を提供する。
【0024】
加えて、これは、遠隔医療施設によって、看護ハウス又は在宅の高齢者の睡眠及び覚醒状態を認識して、夜間及び日中のケアの最中により良好な及び経済的なケアを提供することを可能にする。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、ECGセンサによって提供されるECG信号は、前処理を受け、前処理は、Rピーク検出、異所性拍動除去、線形補間及び予め規定された周波数、好適には4Hz、でのリサンプリングを含み、その結果、RRピーク間隔シリーズを生じさせる。更に、ベッドフォイルセンサ、スラットセンサ又は患者の身体運動を検知するために使用される任意のセンサによって供給される呼吸信号は、ノイズ低減を含む前処理を受ける。ローパスフィルタリングの使用は、呼吸信号を生じさせる。この信号上のピーク識別は、呼吸間隔シリーズを得ることを可能にし、呼吸間隔シリーズは更に、線形補間され、予め規定された周波数、好適には4Hz、でリサンプリングされる。
【0026】
代替の実施形態において、RRピーク間隔シリーズは、周波数及び時間ドメインにおいて心拍変動性標準に対して評価される。
【0027】
パワースペクトル計算が、関心のある第2の持続時間エポックを中心とする予め規定された第1の持続時間エポック、すなわち好適には5分、にわたって計算される実施形態において、パワースペクトルは、進歩的なトレンド除去による自動回帰モデルを使用して計算される。パワースペクトルの計算が得られ、更に、パワースペクトルは、好適には0.04―0.15Hzの間にある低周波数帯域と、好適には0.15―0.4Hzの間にあるより高い周波数帯域とに分割され、パワースペクトルは正規化される。非線形パラメータの抽出は、段階的にトレンド除去される揺らぎ解析及びマルチスケールサンプルエントロピーの計算によって提供される。加えて、更にRRピーク間隔及び呼吸間隔シリーズは、第2の持続時間エポックを中心とする予め規定された第1の持続時間エポックにわたって、すなわち好適には1分間わたって、二乗コヒーレンス関数を評価することによって組み合わせられる。
【0028】
本発明は更に、被検体の睡眠及び覚醒状態を識別するための方法であって、睡眠環境に組み込まれ、被検体関連の信号を生成するセンサを配置するステップと、センサ信号を受信するステップと、これらのセンサ信号から少なくとも1つのフィーチャを抽出するステップと、抽出されたフィーチャを分類するステップと、被検体が覚醒しているか又は睡眠しているかの見込みの標示を提供するステップと、を含む。
【0029】
更に、請求項12は、睡眠環境においてセンサ信号を得ることに関し、これは、ECGセンサ信号、ベッドフォイルセンサ信号又は前記信号の組み合わせを得ることによって、又は他の任意のセンサが請求項11に記載の前記方法を使用する際に被検者の心肺状態を検知することによってのみ、被検体が覚醒しているか又は睡眠しているかの信頼性の見込み標示を達成することを可能にする。
【0030】
本発明の方法は、処理のいくつかのステップを提供する。検知ステップ及び受信、抽出及び分類を含む計算ステップは、自動的にランすることができるとともに、反復的に、並行に又は連続的にスケジュールされることもできる。
【0031】
更に、本発明は、コンピュータプログラムがコンピュータ上でランするとき、請求項11に記載の方法によるプログラムコードを有するコンピュータプログラムにおいて具体化されることができ、コンピュータプログラムは、請求項11に記載の方法を実施するためのプログラムコードを有するデータ担体上に記憶され、コンピュータプログラムがコンピュータ上でランするとき、データ担体からランされることができることが言及されるべきである。
【0032】
「ベッドフォイルセンサ」は、スラットセンサ、誘導/ピエゾ抵抗バンド、後者の組み合わせ又は運動を検知するのに適している他の任意のセンサと置き換えられることもできる。
【0033】
「睡眠/覚醒分類」という語は、それぞれのクラスに属する見込みに起因する「覚醒」又は「睡眠」としての関心のあるエポックの分類をさす。「真の」又は「偽の」という分類は、クラシファイアの出力として与えられるが、更に、ユーザインタフェース又は任意の装置におけるクラシファイア結果の表示をもさす。
【0034】
更に「pNN50」という語は、50msより大きい隣接するNN間隔の間隔差の数のパーセンテージさし、「SDNN」という語は、すべてのNN間隔の標準偏差をさし、「SDSD」という語は、隣接する間隔の間の距離間の標準偏差をさし、「RR_mean」という語は、RR間隔の平均持続時間をさし、「HR_mean」という語は、平均心拍数をさし、「LF」という語は、心拍変動性標準によって規定される低周波数レンジをさし、「HF」という語は、心拍変動性標準によって規定される高周波数レンジをさし、「RMSSD」という語は、二乗平均平方根の連続する差をさし、「HRV」という語は、心拍変動性をさす。
【0035】
当業者は、本発明の範囲内の多くの変形例及び変更例を認めるであろう。この方法及びシステムは、ホテル内の若しくは在宅の患者のために、又は病院環境における移動患者のために使用され、同様に、入院患者のために利用できるアプリケーションもある。更に、健康な人々又は動物さえも対象とする装置が、本発明を使用することもできる。
【0036】
このコンテクストにおいて「患者」又は「被検体」という語は、人間のみでなく、動物にも当てはまりうることに留意するべきである。更に、「患者」という語は、それぞれの人/動物が疾患をもっていることを意味するわけではなく、健康な人々もまた「患者」と呼ばれる。
【0037】
本発明のこれらの又は他の見地は、以下に記述される実施形態から明らかであり、それらを参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一般原理を概略的に示す図。
【図2】本発明の第1の好適な実施形態のフィーチャ抽出方法の概略フローチャート。
【図3】本発明の第1の好適な実施形態の睡眠/覚醒分類方法の概略フローチャート。
【図4】本発明の方法に基づく睡眠制限アルゴリズムを示す図。
【図5】フェロエレクトレットフォイルセンサの一般原理を概略的に示す図。
【図6】ECGセンサを組み込んだ枕及びフットマップの実際的な例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1から分かるように、本発明の好適な実施形態による睡眠/覚醒分類のためのシステム100は、ECGからの心臓活動の身体バイタルサインを監視するための、及び/又は以下に記述されるようにベッドフォイルセンサ等からの身体運動を監視するための、邪魔にならないベッド内センサ101を有する。更なるステップは、信号の準備中のフィルタリング及びアーチファクト除去のための前処理ユニット102、特にECG及び/又は身体運動信号からのフィーチャを単独で又は組み合わせで抽出するフィーチャ抽出ユニット103、すべての入力フィーチャに従って睡眠/覚醒状態を分類するための睡眠/覚醒クラシファイアユニット104、患者睡眠制限アルゴリズムのための入力として使用される、就床時間と比較される睡眠時間を計算する睡眠効率計算ユニット105、及び例えばより健康的な睡眠のルールを患者に提供する装置106である。
【0040】
睡眠/覚醒分類104、睡眠効率計算105及び睡眠制限アルゴリズム装置106の出力は、患者107又は医療専門家にフィードバックを提供するために使用されることができ、医療専門家は更に、主観的なパラメータ109に関する睡眠ログ質問のような付加的なソースからの情報を得ることができる。
【0041】
提案されるシステムのセンサ部に関して、以下の実施形態が可能である:
【0042】
センサは、心拍数、呼吸及び身体運動を測定するために患者胸部の下に配置されるフェロエレクトレットフォイルである。
【0043】
代替として、他の好適な実施形態において、患者胸部領域のマットレスの下のスラットに接着されるピエゾ抵抗歪み計が、心拍数、呼吸及び身体運動を測定するために使用されることができる。
【0044】
他の好適な実施形態において、ECGのみが使用され、好適には、布地ECGが、ベッド内の枕及びフットマット電極として組み込まれる。
【0045】
ECGセンサは、フェロエレクトレットフォイル又は歪み計に代わって、胸部及び/又は腹部のまわりの標準(誘導又はピエゾ抵抗)のバンドにより正確に測定される呼吸信号と組み合わせられることができる。この種のセンサは、それをより邪魔でないものにするために、布地(例えばTシャツ)に組み込まれることもできる。
【0046】
代替として、別の実施形態において、ECGセンサは、フェロエレクトレットフォイル又は歪み計に代わって、加速度計信号と組み合わせられることができる。装置は、手首に装着される装置でありうるが、好適には、2D又は3D加速度計が、身体運動を測定するために患者胴体に配置される。更に、この種のセンサは、それをより邪魔でないものにするために、布地(例えばTシャツ)に組み込まれることもできる。
【0047】
処理ユニットは、図1において分かるように、いくつかのステップを含む。これらは、生データ、フィーチャ抽出及び睡眠/覚醒分類の前処理である。以下の段落に、これらのステップの各々のそれぞれ異なる代替例が、更に詳しく記述される。
【0048】
図1の信号前処理装置102は、連続的に、並行に又は反復的に通過されることができる以下のステップの1又は複数を含む:
−(複数の)信号の適当なフィルタリング;
−アーチファクト除去;
−ECG信号の場合、異所性拍動の除去が必要でありうる;
−信号内に間隙がある場合、補間が必要でありうる。
【0049】
フィーチャ抽出装置103は、ECG及び呼吸信号からのフィーチャの抽出を含む:
ECGから、以下のフィーチャが、引き出される:
−時間ドメインからの統計的な心拍変動性パラメータ(例えば、平均心拍数、SDNN、RMSSD等);
−心拍変動性(HRV)スペクトルからのパラメータ(例えばLF、HF);
−マルチスケールサンプルエントロピー;
−段階的なトレンド除去される揺らぎ解析。
【0050】
フェロエレクトレットフォイル、スラットセンサ又は誘導/ピエゾ抵抗バンドによって測定される呼吸信号から、スペクトルが計算され、LF及びHFパワーが、フィーチャとして抽出される。加えて、平均呼吸レートが決定される。
【0051】
更に、ECG信号及び呼吸信号が両方とも利用できる場合、フィーチャ抽出装置103は、付加的なフィーチャとして両方のスペクトルのコヒーレントなパワーを計算することができる。更に、心拍数及び呼吸レートの比率が、付加的なフィーチャとして得られることができる。
【0052】
更に、フェロエレクトレットフォイル又はスラットセンサ信号から、活動インデックスが、大きな身体運動に基づいて得られる。
【0053】
本発明の好適な実施形態は更に、次のステップである睡眠/覚醒分類104について、心臓及び/又は呼吸状態に関する活動インデックス及び少なくとも1つの付加的なフィーチャが、分類プロセスのための入力としての好適な組み合わせであることを示す。
【0054】
少なくとも1つのフィーチャ及び好適には上述のフィーチャの全て又は少なくともサブセットのベクトルが、例えば各1分のデータセグメントのような関心のある各エポックごとに生成される。
【0055】
更に、このベクトルは、図3に後述されるように、教師あり学習による標準パターン認識アプローチに基づく睡眠/覚醒クラシファイア104に供給される。クラシファイアのために、以下のアプローチが、好適に使用されることができる:
−ベイズの線形又は二次判別クラシファイア
−サポートベクトルマシン
−k最近傍(k-Nearest-Neighbour、kNN)方法
−ニューラルネットワーク
−ヒドンマルコフモデル
クラシファイアのパラメータは、代表データの大きいデータベース上で訓練される。
【0056】
睡眠ログの主観的な質問に関する患者入力を受け取り、患者にフィードバックを与えるために、入力装置及び表示ユニットが、1つのユーザインタフェース装置107において、本発明の好適な実施形態において、好適に組み合わせられる。この装置は、通常のラップトップPC、タッチスクリーンを有するタブレットPC、PDA又は携帯電話のようなハンドヘルド装置でありうる。この装置の処理パワーに依存して、処理ユニットは、この装置の一部でもありうる。患者へのフィードバックは、就床時間、総睡眠時間、総覚醒時間、睡眠効率、入眠潜時、覚醒の回数及び持続時間、簡略化されたヒプノグラムのパラメータの1又は複数を含むことができる。
【0057】
医療専門家へのフィードバックは、同じユーザインタフェース108を介して与えられることができる。別の実施形態において、(例えばUSBケーブル、ブルートゥース、ジグビー又は任意の他の通信標準又は装置を介して)患者ユーザインタフェースから医師PCへ患者データを伝送するためのダウンロードプロシージャがある。更に別の実施形態において、患者データは、インターネット、GSM、UMTS、EDGE、GPRS、又は任意の他のインターネット又は携帯電話標準若しくはシステムを介して、医師に(自動的に)送信されることができる。
【0058】
医療専門家へのフィードバックは、上述のパラメータの全てを含むべきである。更に、フィードバックは、主観的な睡眠ログ質問に対する患者の答えも含むべきであり、従って、医療専門家は、主観的及び客観的データを比較することができ、それによって、適当な治療アプローチに関する重要な情報を医療専門家に与える。これは、例えば、睡眠状態誤認、すなわち客観的な睡眠データは正常な睡眠パターンを反映するが、患者自身は自分が眠ったとは認識しない不眠症のタイプの場合に特に重要である。
【0059】
図2に見られるように、ECGセンサ200によって提供されるECG信号は、前処理201を受ける。前処理は、Rピーク検出、異所性拍動除去、線形補間、及び予め規定された周波数、好適には4Hz、でのリサンプリングを含む。結果として得られるRR間隔シリーズが考察され、心拍変動性パラメータが、標準に従って、周波数及び時間ドメインにおいて評価される。まず、関心のある1分エポックを中心とする第1の予め規定された時間期間、好適には時間シリーズの5分セグメント、にわたるパワースペクトル計算202が、好適には進歩的なトレンド除去による自動回帰モデルを使用して計算される。代替として、フーリエ解析、時間周波数分布、時間変化する自動回帰モデリングに基づく他の方法が、利用可能である。最後の2つのケースにおいて、パワースペクトル評価は、より短い時間スケール、例えばECGのあらゆる新しく検出されるRピーク、において更新される。
【0060】
好適には0.04―0.15Hzの低周波数帯域LF及び好適には0.15―0.4Hzの高周波数帯域HFのパワースペクトルが、203においてスペクトルフィーチャを規定するために使用される:パワーは、LF_norm=LF/(LF+HF)に従って正規化され、LF/HF比が計算される。更に、204における予め規定された時間、好適には5分セグメント、にわたるRR間隔シリーズ時間統計は、例えばpNN50(50msより大きい隣接するNN間隔の間隔差の数のパーセンテージ)、SDNN(すべてのNN間隔の標準偏差)、SDSD(隣接する間隔の間の連続する差の標準偏差)、RMSSD(二乗平均平方根の連続する差)、RR_mean(RR間隔の平均持続時間)及びHR_mean(瞬間的な心拍数の平均値)のような205において結果として得られる時間ドメインフィーチャを供給する。
【0061】
非線形パラメータが更に、206において、2つの方法のアプリケーションによって、RR間隔時間シリーズから抽出される。207において使用される第1の非線形計算方法は、段階的なトレンド除去される揺らぎ解析であり、これは、ウインドウ長64にわたってトレンド除去前の信号を段階的に積分することを可能にする。更に、二乗された信号の部分的な和が考察され、これは、208において結果として得られる微分された時間シリーズを提供する。そのような時間シリーズから、好適には1分エポックであるが任意の予め規定されたエポック持続時間でありうる考察されたエポックにおける最大値として規定される新しいフィーチャ209を抽出することができる。
【0062】
RR間隔シリーズに適用される第2の非線形計算方法は、マルチスケールサンプルエントロピーを提供する。第1に、シリーズは、210においてスケール1及び2の粗粒子状であり、5分セグメントが考察される。サンプルエントロピー(以下、sampenと呼ぶ)が、211において、1から10までの幾つかのレベルで計算される。従って、212において、以下のフィーチャが供給される:k=1乃至10についてsampen_scale1_k及びk=1乃至10についてsampen_scale2_k。
【0063】
図2の下部に見られるように、ベッドフォイルセンサ213によって供給されるベッドフォイル信号は、ノイズ低減及び較正を含む前処理214を受ける。ローパスフィルタリング215の使用は、呼吸信号をもたらす。この信号上のピーク識別は、呼吸間隔シリーズを導き出すことを可能にし、呼吸間隔シリーズは、216において、線形に補間され、好適には4Hzの予め規定されたレートでリサンプリングされる。パワースペクトル217が、好適には進歩的なトレンド除去による自動回帰モデルを使用して、計算される。パワースペクトルは、218において、低周波数帯域LF(0.04―0.15Hz)及び高周波数帯域HF(0.15―0.4Hz)に分割され、正規化される。それらは、スペクトルフィーチャLF_norm_respi及びLF/HF ratio_respiを規定するために使用される。更に、219における小さい及び大きいエネルギーアーチファクトの検出は、1分エポックにおいてヒューリスティックな活動インデックスを規定することを可能にし、これは更に、220においてフィーチャとして使用される。更に、221における帯域通過フィルタリングは、機械的な心臓活動を表現するいわゆる心弾動図を供給する。この信号は、心拍変動性信号を得るためのECG信号の興味深い変形例でありうる。最後に、RR間隔及び呼吸間隔シリーズは、222において、関心のある1分エポックを中心とする5分エポックにおいて二乗されたコヒーレンス関数を評価することによって、組み合わせられる。このコヒーレンス関数は、RR間隔シリーズの自動スペクトルによって乗算され、周波数軸に沿って積分される。223において結果として得られるフィーチャは、コヒーレントなパワーの%の量である。RR間隔/呼吸間隔比率のような心肺結合を評価する他のフィーチャについて考えることも可能である。
【0064】
図2の右の部分に見られるように、好適な実施形態は、図3において更に説明される分類プロセスで使用されるフィーチャベクトルの成分を形成するフィーチャ203、205、209、212、223、218、220を含む。
【0065】
図3は、睡眠/覚醒分類のための方法の好適な実施形態である。ステップ303は、テストデータセットに属する少なくとも1つの要素を有するベクトルを提供するフィーチャ抽出プロセスから到来する情報を表現する。決定は、訓練データセット302によって訓練される教師あり学習クラシファイア301に基づく。クラシファイア304は、ベイズの線形又は二次判別クラシファイア、サポートベクトルマシン又はk最近傍(kNN)クラシファイアに基づいて、訓練データセットに基づく教師あり学習アプローチを用いて、患者が覚醒しているか又は睡眠しているかを決定する。訓練データがより代表的であるほど、分類304の正確さ及び性能はより良好になる。
【0066】
睡眠制限治療は、単独で又は薬理学的治療と組み合わされて、不眠症を治療するために使用されることができる非薬理学的方法である。不十分な睡眠者の間には、より多くの睡眠の機会を提供するための努力において、ベッド中で費やされる時間量を増やそうとする自然な傾向があり、これは、より断片的であり且つ不十分な質の睡眠をもたらしやすい戦略である。
【0067】
睡眠制限療法は、総就床時間を実際の睡眠時間量にまで短縮することを含む。就床時間は、その後、通常は前の週である所与の時間期間中の睡眠効率計算に基づいて調整される。例えば、ある人が、8時間の就床時間のうち1夜につき平均6時間睡眠すると報告する場合、最初に処方される睡眠ウインドウは、6時間である。
【0068】
以降の許容可能な就床時間は、睡眠効率が85%を超える場合は所与の週について約15乃至20分増やされ、睡眠効率が80%未満であるとき同じ時間減らされ、睡眠効率が80乃至85%の間に入る場合、安定な状態に保たれる。最適睡眠持続時間が達成されるまで、調整が、周期的に、例えば毎週行われる。このプロシージャを実現する際のバリエーションは、例えば過去3乃至5日の睡眠効率の移動平均に基づいて就床時間を変化させること、又は睡眠効率の変化に関係なく週ごとに就床時間を変化させることを含みうる。このプロシージャは、穏やかな睡眠遮断による睡眠連続を改善し、睡眠予期不安を低減させる。過剰な日中の眠気を防ぐために、就床時間は、1夜につき5時間より短くされるべきではない。
【0069】
図4に見られるように、本発明によって提供される睡眠効率計算に基づく睡眠制限療法の好適な実施形態がある。
【0070】
第1のステップ401において、医師は、起床時間及び就寝時間を初期化する。ステップ402において、質問表からの情報も含むデータが5日間収集される。
【0071】
ステップ403において、最近の5日間の平均睡眠効率が計算される。ステップ404において、ケース決定が行われ、平均睡眠効率が80%未満か、80乃至90%か、90%を超えるかを決める。
【0072】
平均睡眠効率が、ステップ406において、80%未満である場合、患者は、就床時間を15分短縮するよう求められ、平均睡眠効率が90%より大きい場合、ステップ405において、患者は、就床時間を15分延長するよう求められる。プロセスは、ステップ402において、次の5日間の睡眠情報の収集を再び続ける。平均睡眠効率が80乃至90%の間にある場合、ステップ407において、肯定的なフィードバックが患者に与えられ、ステップ408において、起床時間及び就寝時間が、もう1日分保持され、プロセスはステップ403に続く。
【0073】
図5に見られるように、ベッドフォイルセンサの適切な実施形態としてフェロエレクトレットフォイル503の原理を示す概略図がある。身体運動又は呼吸による力の変化501は、前記運動力に関する負担がシフトする際、フェロエレクトレットフォイル502によって検知される。
【0074】
図6は、患者が通常通り睡眠している間、ECGを検知するための通常のベッドの実際的な実施形態を示す。布地ECGセンサは、心臓の電気的活動を記録する電極として作用する導電材料からなる足マット電極601及び枕602を含む。
【0075】
当業者は、本発明の範囲内に多くの変更例及び変形例を認めるであろう。この方法及びシステムは主に、好適には在宅の不眠症患者のためであるが、在宅又はホテル内の患者のために、更には病院環境、輸送中又は在宅の移動可能な患者のために、使用される。しかしながら、入院患者にとって可能なアプリケーションもある。更に、健康な人々又は動物さえも意図する装置が、本発明を使用することができる。本発明は、図面及び前述の説明において詳しく図示され、説明されているが、このような図示及び説明は、説明的又は例示的であり、制限するものではないと考えられるべきである。本発明は、開示される実施形態に制限されない。
【0076】
開示される実施形態に対する他の変更例は、図面、開示及び添付の請求項の検討に基づいて、請求項に記載の発明を実施する際に当業者によって理解され、達成されることができる。請求項において、「有する、含む」という語は、他の構成要素又はステップを除外せず、不定冠詞「a」又は「an」は、複数性を除外しない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示さない。請求項における任意の参照符号は、本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきでない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の睡眠及び覚醒状態を識別する装置であって、
前記被検体の睡眠環境に組み込まれ、前記被検体に関連する信号を生成する少なくとも1つのセンサと、
前記センサ信号を受信し、これらのセンサ信号から少なくとも1つのフィーチャを抽出し、前記抽出されたフィーチャを分類し、前記被検体が覚醒しているか又は睡眠しているかの見込みの標示を提供する計算手段と、
を有する装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのセンサは、ECGセンサ及び/又は前記被検体の身体運動に関連する信号を検出するベッドフォイルセンサである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
ECG信号を測定するセンサ及び身体運動を検知するベッドフォイルセンサから得られる少なくとも1つの測定された信号からの前記少なくとも1つのフィーチャの抽出は、心肺状態と、前記ECG信号及びベッドフォイルセンサ呼吸信号の双方から計算されるコヒーレントパワースペクトルと、を含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
ECGセンサによって提供されるECG信号は、前処理を受け、前記前処理は、Rピーク検出、異所性拍動除去、線形補間及び予め規定された周波数でのリサンプリングを含み、その結果、RR間隔シリーズを与える、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記RR間隔シリーズは、周波数及び時間ドメインにおける心拍変動性標準を使用して更に処理される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
パワースペクトルが、トレンド除去モデルを使用して、関心のある予め規定された第2の持続時間エポックを中心とする予め規定された第1の持続時間において計算される、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記パワースペクトルは、低周波数帯域及び高周波数帯域に分割され、前記パワースペクトルは正規化される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記RR間隔及び呼吸間隔シリーズは、予め規定された第2の持続時間エポックを中心とする予め規定された第1の持続時間エポックにおいて二乗されたコヒーレンス関数を評価することによって、組み合わせられる、請求項4乃至7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのフィーチャは、分類のためのフィーチャベクトルの成分を形成する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記フィーチャの分類は、教師あり学習による標準パターン認識アプローチに基づき、前記分類を行うクラシファイアは、ベイズの線形又は二次判別クラシファイア、サポートベクトルマシン、k最近傍法、ニューラルネットワーク及びヒドンマルコフモデルを含み、前記クラシファイアのパラメータは、代表データの大きいデータベースにおいて訓練される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
被検体の睡眠及び覚醒状態を識別する方法であって、
睡眠環境に組み込まれ、前記被検体に関連する信号を生成するセンサを配するステップと、
前記センサ信号を受信するステップと、
これらのセンサ信号から少なくとも1つのフィーチャを抽出するステップと、
前記抽出されたフィーチャを分類するステップと、
前記被検体が覚醒しているか又は睡眠しているかの見込みの標示を提供するステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記睡眠環境における前記少なくとも1つのセンサ信号は、ECGセンサ、ベッドフォイルセンサ、又は前記被検体の心肺状態を検知する任意のセンサから得られる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記分類は、訓練ベクトルデータの組に基づき、前記データは、前記クラシファイアにフィードバックされることができ、加えて、訓練データは、質問表データから又はそれと比較して、提供されることができる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記検知ステップ並びに前記受信、前記抽出及び前記分類を含む計算ステップは、自動的にランすることができ、反復的に、並行に又は連続的にスケジュールされることができる、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータプログラムがコンピュータ上でランするとき、請求項11に記載の方法を実施するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラム。
【請求項16】
コンピュータプログラムがコンピュータ上でランするとき、請求項11に記載の方法を実施するためのプログラムコードを記憶したデータ担体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−517982(P2011−517982A)
【公表日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504581(P2011−504581)
【出願日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際出願番号】PCT/IB2009/051502
【国際公開番号】WO2009/128000
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】