説明

短いアニーリングサイクル時間を有するポリヒドロキシアルカノエートコポリマー組成物を含む成形又は押出成形物品

短いアニーリングサイクル時間を有する、ポリヒドロキシアルカノエートC4C6コポリマー組成物を含む、環境により分解可能な成形又は押出成形物品が提供される。こうした短いアニーリングサイクル時間は、2〜8%のC6単位の百分率を有する組成物により達成される。望ましいアニーリングサイクル時間が、成形又は押出成形物品、特にタンポンアプリケータについて得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば使い捨て物品、特にタンポンアプリケータのような成形又は押出成形物品を製造するための、短いアニーリングサイクル時間を有するポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(PHA)組成物に関する。こうした成形又は押出成形物品は、容易に環境分解性である。
【背景技術】
【0002】
ポリヒドロキシアルカノエート(PHAs)は、特にそれらの生分解性のために、成形又は押出成形物品に用いるのに望ましい熱可塑性ポリマーである。しかしながら、既存のPHAコポリマー組成物は結晶化するのが遅く、及びそれから成形又は押出成形物品を製造することは、商業的に存立できないものである。製造方法を経済的に実現可能にするためには、組成物ができるだけ短いサイクル時間で金型の中で固化することが必要である。
【0003】
米国特許第5,498,692号(ノダ(Noda)、1996年3月12日発行)、及び米国特許第5,502,116号(ノダ(Noda)、1996年3月26日発行)は、PHAsを含む成形物品に関する。こうしたPHAsからの成形物品は、それらが溶融から冷却された後、実質的に粘着性が残っており、十分な結晶化度になるまでそのようなままであり、特にPHAコポリマーの濃度が10重量%を超える場合にそうである。粘着が残っていると、典型的には材料がそれ自体と、又は加工装置と、又はその両方とくっ付くという結果をもたらす可能性があり、そのためポリマー製品が製造される速度を制限する、又は適した品質形態で製品が収集されるのを妨げる可能性がある。名称バイオポール(BIOPOL)(登録商標)として市販されるポリ(3−ヒドロキシブチラート−コ−3−ヒドロキシバレレート)製品は、硬度、脆性について、及び非常に遅い結晶化速度を有する欠点がある。同様に、米国特許第5,292,860号(シオタニ(Shiotani))は、成形又は押出成形物品の製造方法において短いサイクル時間を有する組成物に関しての教示が欠けている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
結果として、成形又は押出成形物品に用いるための、経済的に存立できるアニーリングサイクル時間を有するPHAsの溶融加工可能な組成物への要求が存在する。その上、この組成物は従来の加工処理装置に用いるのに適しているべきであり、環境において分解性であるべきであり、並びに平滑度、可撓性、減少したべたつき、安定性などについてのそれらの構造の一体性及び審美的特性について消費者の受容性に適合するべきである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の成形又は押出成形物品は、少なくとも2つのランダムに繰り返すモノマー単位(RRMUs)を有するPHAコポリマーを含み、
第1のモノマー単位は構造(I)を有し、
【0006】
【化1】

この場合、R1はCH3であり、及びnは1であり、並びに
第2のモノマー単位は構造(II)を有し、
【0007】
【化2】

この場合、R2はCH2CH2CH3である。
【0008】
こうしたPHAは、本明細書ではC4C6 PHAコポリマーとして参照される。本発明については、2〜8%のランダムに繰り返すモノマー単位が、第2のモノマー単位の構造、C6単位を有する。更にこうした組成物はアニーリングサイクル時間を提供するが、このアニーリングサイクル時間は、少なくとも2つのランダムに繰り返すモノマー単位を有し、8%以上のランダムに繰り返すモノマー単位が第2のモノマー単位の構造を有する成形又は押出成形物品を形成するためのアニーリングサイクル時間より、少なくとも10秒間短いことが本明細書において示される。本発明の特定の実施形態では、こうしたアニーリングサイクル時間は、少なくとも2つのランダムに繰り返すモノマー単位を有し、8%以上のランダムに繰り返すモノマー単位が第2のモノマー単位の構造を有する成形又は押出成形物品を形成するためのアニーリングサイクル時間より、少なくとも15、20、25、30、35、40、45、又は50秒間短い。成形又は押出成形物品を形成する方法は、本明細書に記載されるようなC4C6 PHAコポリマーを溶融状態まで加熱すること、該溶融されたブレンドをアニールさせること、及び物品を成形又は押出成形することを含み、この方法はアニーリングサイクル時間を有するが、このアニーリングサイクル時間は、少なくとも2つのランダムに繰り返すモノマー単位を有し、8%以上のランダムに繰り返すモノマー単位が第2のモノマー単位の構造を有する成形又は押出成形物品を形成するためのアニーリングサイクル時間より、少なくとも10秒間短い。
【0009】
本発明はまた、こうしたPHA組成物を含む水に流すことのできるタンポンアプリケータを提供し、このアプリケータは、嫌気条件下で28日以内に50%を超えて分解される。
【0010】
これと同日付の出願日であるのは本発明者のUSSN , であって、環境において分解性のポリマーとのブレンド中のPHA組成物に関し、それから製造される成形又は押出成形物品はまた、商業的に実現可能なアニーリングサイクル時間を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本明細書で使用する時、「成形又は押出成形物品」とは、成形又は押出成形技術、例えば射出成形、吹込み成形、圧縮成形、又はパイプ、チューブ、異形、ケーブル、若しくはフィルムの押し出しを用いて、本明細書に記載されるPHAコポリマーから形成される物体である。成形又は押出成形物品は、例えば玩具のような中空でない物体、又は例えば瓶、容器、タンポンアプリケータ、薬剤の身体開口部への挿入用アプリケータ、使い捨ての医療機器、手術用機器、若しくは同様なもののような中空の物体であってもよい。
【0012】
アニーリングサイクル時間は、本明細書では、保持時間と冷却時間を加算したものとして定義される。特定の成形用に実質的に最適化された加工条件と共に、アニーリングサイクル時間は、コポリマー組成物の関数である。実質的に最適化された加工条件は、ゾーン、ノズル、及び成形装置の金型の温度設定、ショットサイズ、射出圧力、及び保持圧力である。本明細書で提供されるアニーリングサイクル時間は、少なくとも2つのランダムに繰り返すモノマー単位を有し、8%以上のランダムに繰り返すモノマー単位が第2のモノマー単位の構造を有する成形又は押出成形物品を形成するためのアニーリングサイクル時間より、少なくとも10秒間短い。本発明の特定の実施形態では、成形又は押出成形物品のアニーリングサイクル時間は、少なくとも2つのランダムに繰り返すモノマー単位を有し、8%以上のランダムに繰り返すモノマー単位が第2のモノマー単位の構造を有する成形又は押出成形物品を形成するためのアニーリングサイクル時間より、少なくとも15、20、25、30、35、40、45、又は50秒間短い。本明細書に提供されるような、エンゲル・ティーバーレス(Engel Tiebarless)ES60TL射出成形機を用いて製造される1/2インチ長さ(L)(12.7mm)×1/8インチ幅(W)(3.175mm)×1/16インチ高さ(H)(1.5875mm)の寸法を有するドッグボーン張力試験片(dogbone tensile bar)は、本明細書でアニーリングサイクル時間を測定するための成形又は押出成形物品を代表するものとしての基準物品を提供する。
【0013】
保持時間は、初期材料射出後に保持圧力下で成形品が保持される時間の長さである。結果は、気泡及び/又はひけマーク、好ましくは両方が、外部表面上に、好ましくは外部及び内部表面(可能であれば)の両方に、(20−20の視力を有し及び視覚異常のない人の)裸眼により、成形又は押出成形物品の表面から約20cmの距離から視覚的に観察されないことである。これは、その成形品の精度及び表面的な質を確実にすることである。しかしながら、収縮は金型の設計により考慮されており、約1.5%〜5%、約1.0%〜2.5%、又は1.2%〜2.0%の収縮は起きてもよい。より短い保持時間は、成形品が上記の目視試験に合格しなくなるまで、金型の形状及び質感に適合しなくなるまで、完全に充填しなくなるまで、又は過剰の収縮を示すまで保持時間を短くすることにより決定される。その結果、こうした事象が起きる前までの時間の長さを、より短い保持時間として記録する。
【0014】
冷却時間は、成形品が金型の中で固化し及び金型から容易に取り出される時間として定義される。金型は、少なくとも2つの部分を包含し、その結果成形物品は容易に取り出される。取り出すために、金型は2部分の分割線で開けられる。完成した成形品は、開けられた金型から手で取り出すことができるか、又はそれは、金型が開けられる時に、人手の介入なしに排出装置により自動的に押し出され得る。成形品の形状に依存して、こうした排出装置は金型の中に埋め込まれたピン又はリングから成ってもよく、それは金型が開けられる時に前方に押し出され得る。例えば金型は、標準的ダイアル型又は成形品の排出を機械的に援助するための機械的ロッド型排出ピンを含有できる。適した大きさのロッド型排出ピンは、1/8インチ(3.175mm)、及び同様なものである。より短い冷却時間は、成形品が金型上にとらえられて及び容易に飛び出せなくなるまでの冷却時間を減少することにより決定される。その結果、成形品がとらえられる前までの時間の長さを、より短い冷却時間として記録する。
【0015】
ポリマー材料の熱分解を避けるために十分低いが、成形のために材料の自由流を可能にするために十分高く設定された加工温度が用いられる。PHAコポリマーは、熱分解を最小にするために約180℃未満、より典型的には約160℃未満の溶融温度で溶融加工される。一般にポリマーは、溶融後に分解温度を越える温度に長期間暴露されると熱分解する可能性がある。本開示の見地から当業者に理解されるように、熱分解を起こすために必要な特定の時間は、特定材料、溶融温度(Tm)を超える時間の長さ、及びTmを超える温度数に依存する。温度は、熱分解の危険を最小にするためにポリマー溶融物の自由流を可能にするために、合理的に可能なだけ低いことができる。押出成形中は、押出成形機中の高剪断力が、押出成形機中の温度を設定温度より高く上昇させる。そのため、設定温度は材料の溶融温度より低くてもよい。低い加工温度はまたサイクル時間を減らすのを助ける。例えば、制限するわけではないが、射出成形機のノズル及びバレル構成要素の設定温度は、ポリマー材料の溶融加工温度、及び用いられる金型の種類に従って変わることができ、並びにTmより約20℃低い温度からTmより約30℃高い温度までであることができるが、典型的には次の範囲である。ノズル、120〜170℃、前部ゾーン、100〜160℃、中央ゾーン、100〜160℃、後部ゾーン、60〜160℃。射出成形機の設定型温はまた、ポリマー材料の種類及び用いられる金型の種類に依存する。より高い型温は、ポリマーがより速く結晶化するのを助け、及びサイクル時間を減らす。しかしながら、型温が高過ぎると、成形品は、金型から変形して出てくるという結果になる場合がある。型温は、5〜60℃である。典型的には型温は25〜50℃である。
【0016】
成形射出速度は、組成物の流速に依存する。流速が速ければ速いほど、粘度は低くなり、より遅い速度が射出成形には必要である。射出速度は、約5cm/秒〜20cm/秒の範囲であり得、一つの実施形態では、射出速度は10cm/秒である。粘度が高い場合は、押出成形機の圧力が溶融材料を金型の中に押し込んで金型を充填するように射出速度が増加される。射出成形圧力は、加工温度及びショットサイズに依存する。自由流は、約14Mpa以下の射出圧力の読みに依存する。
【0017】
ポリ(3−ヒドロキシブチラート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)コポリマー(C4C6 PHAs)
本発明の成形又は押出成形物品を製造するためのアニーリングサイクル時間を得るために、2〜8モル%のPHAコポリマーは、構造(II)の第2のRRMUの構造を有するRRMUsを含む。適しては、コポリマー中の第1のRRMUと第2のRRMUのモル比は、98:2〜92:8の範囲である。更なる実施形態では、モル比は、約97.5:2.5〜約92.5:7.5、97:3〜約93:7、96.5:3.5〜約93.5:6.5、又は約96:4〜約94:6の範囲である。加えて、ポリヒドロキシアルカノエートコポリマーは、適しては約50,000g/モルを超える、150,000g/モルを超える、又は更なる実施形態では、250,000g/モルを超える数平均分子量を有する。
【0018】
本明細書に記載されるC4C6ポリヒドロキシアルカノエートコポリマーは、例えば米国特許第5,990,271号(ノダ(Noda))、米国特許第5,942,597号(ノダ(Noda)ら)(両方が本明細書に参考として組み込まれる)、フクイ,T.(Fukui,T.)及びドイ,Y.(Doi,Y.)の応用微生物バイオテクノロジー(Appl.Microbiol.Biotechnol)、49:333〜336(1998年)、並びにキシセ,T.(Kichise,T.)らの生体高分子の国際誌(Int'l.J.of Biological Macromolecules)、25:69〜77(1999年)に開示されるように化学的又は生物学的方法により合成することができる。最終製品中のC6の量は、ドイ,Y.(Doi,Y.)らの高分子(Macromolecules)28、4822(1995年)及びフクイ,T.(Fukui,T.)らの生体高分子(Biomacromolecules)3、618(2002年)に記載されるように、NMR又はGC MS法のような標準方法によって決定される。
【0019】
本発明の成形又は押出成形物品において、2%〜8%のC6を有するC4C6 PHAsは、成形又は押出成形物品の30重量%〜100重量%、40重量%〜90重量%、又は本発明の更なる実施形態では、50重量%〜85重量%を構成する。
【0020】
(任意成分)
加工性を変更するため、及び/又は最終製品の弾性、引張り強度、及び弾性率のような物理的特性を変更するために、任意物質を加工助剤として用いてもよい。他の利益には、酸化安定性を包含する安定性、明るさ、色、可撓性、弾力性、作業性、加工助剤、粘度調節剤、及び抑臭が挙げられるが、これらに限定されない。これらの任意成分は、組成物の約70重量%未満、約0.1重量%〜約50重量%、約0.1重量%〜約40重量%、又は別の実施形態では、約0.1重量%〜約20重量の量で存在してもよい。
【0021】
この組成物から形成される製品の機械的特性を変更するために、可塑剤を組成物中に用いてもよい。一般に可塑剤は、弾性率及び引張り強度を低下させ、並びにポリマー製品の最終的な引っ張り伸び、衝撃強度、及び引き裂き強度を増加させる傾向がある。可塑剤はまた、組成物の融点を低下させ、それによって溶融加工をより低い温度で可能にするために、並びにエネルギー必要条件及び熱分解を最小にするために用いられてもよい。これらの可塑剤は、典型的には、上述の特性の有利な組み合わせを得るために必要ではない。
【0022】
可塑剤の非限定例には、ヒドロキシル可塑剤、糖アルコール、多価アルコール、尿素及び尿素誘導体を包含するヒドロキシル基を持たない水素結合形成有機化合物、糖アルコール無水物、動物タンパク質、植物タンパク質、生分解性の有機酸エステル、脂肪酸、又は同様なものが挙げられる。適した可塑剤は、グリセロールトリアセテート、メチルリシノレート、セバシン酸ジメチル、フタル酸ジヘキシル、カプロラクトンジオール、カプロラクトントリオール、及び上記で参照した米国特許第3,182,036号及び第5,231,148号に記載されるもののような他のものにより例示される。
【0023】
更なる実施形態では、可塑剤は、セバシン酸ジメチル、グリセリン、トリアセチン、グリセロール、モノステアレート、ソルビトール、エリスリトール、グルシドール(glucidol)、マンニトール、スクロース、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールカプレート−カプリレート、ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、アジピン酸ジイソブチル、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、パルミチン酸アミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、メチルピロリドン、テトラメチレンスルホン、オキサ一価酸(oxa monoacids)、オキサ二価酸、ポリオキサ二価酸、ジグリコール酸、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリ−n−ブチル、アセチルクエン酸トリ−n−ブチル、アセチルアセチルクエン酸トリ−n−ヘキシル、乳酸アルキル、フタル酸ポリエステル、アジピン酸ポリエステル、グルテートポリエステル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジヘキシル、アジピン酸アルキルアリルエーテル(alkyl alylether)ジエステル、アジピン酸ジブトキシエトキシエチル、及びこれらの混合物から成る群から選択される。適した分子量は、約20,000g/モル未満、約5,000g/モル未満、又は更なる実施形態では、約1,000g/モル未満である。存在する場合、最終成形又は押出成形物品組成物中の可塑剤の量は、約0.1%〜約70%、約0.5%〜約50%、又は更なる実施形態では、約1%〜約30%である。
【0024】
核生成剤は一般に、結晶化速度を増加するため、結晶の大きさを減少するため、及び透明性を改善するために用いられる。核生成剤はまた、熱可塑性ポリエステルのような部分的結晶性プラスチック材料のメルトフロー及び離型行動を改善することができる。PCT国際公開特許WO02/055581及びPCT国際公開特許WO02/50156(オートラン(Autran)ら、各々2001年12月20日出願)に開示されているように、ポリヒドロキシブチラートのような第2のポリヒドロキシアルカノエートは、第1のポリヒドロキシアルカノエートに対して核生成剤として作用することができ、及びそれによって第1のポリヒドロキシアルカノエートの結晶化速度を改善することができる。更なる核生成剤には、タルク、窒化ホウ素、酸化チタン、微小雲母(micromica)、チョーク、塩、ソルビトールアセタール、粘土、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、リン酸カルシウム、両方共クラリアント・コーポレーション(Clariant Corporation)(ロードアイランド州コベントリ)から市販される、リコモント(LICOMONT)(登録商標)CaV102及びリコモント(LICOMONT)(登録商標)NaV101(モンタン酸、即ち長鎖(C28〜C32)直鎖カルボン酸のそれぞれカルシウム及びナトリウム塩)、及びミリケン・ケミカル(Milliken Chemical)(サウスカロライナ州インマン)から市販される、ミルアド(MILLAD)(登録商標)3988(1,2,3,4−ビス−(3,4−ジメチルベンジリデンソルビトール))が挙げられる。核生成剤は、用いられる場合、成形又は押出成形物品の通常、約0.01重量%〜約5重量%を構成する。
【0025】
更なる任意成分には、塩、スリップ剤、結晶化促進剤又は遅延剤、臭気マスキング剤、架橋剤、乳化剤、界面活性剤、シクロデキストリン、潤滑剤、その他の加工助剤、光学的光沢剤、酸化防止剤、難燃剤、染料、顔料、充填剤、タンパク質及びそのアルカリ塩、ワックス、粘着付与樹脂、増量剤、キチン、キトサン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0026】
充填剤は更に、粘土、シリカ、雲母、珪灰石、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、カオリン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、タルク、二酸化チタン、木粉、クルミ殻粉、αセルロース綿状塊、セルロース繊維、キチン、キトサン粉末、有機シリコーン粉末、ナイロン粉末、ポリエステル粉末、ポリプロピレン粉末、デンプン、及びこれらの混合物から成る群から選択されてもよい。存在する場合、充填剤の量は、成形又は押出成形物品の0.1重量%〜60重量%である。
【0027】
潤滑剤は、例えば、金属石鹸、炭化水素ワックス、脂肪酸、長鎖アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、シリコーン、フルオロケミカル、アクリル、及びこれらの混合物から成る群から選択されてもよい。存在する場合、潤滑剤の量は、成形又は押出成形物品の0.1重量%〜20重量%である。
【0028】
その他のポリマー、例えば非分解性ポリマーもまた、成形又は押出成形物品の最終用途、加工、及び必要な分解又は水洗可能性に依存して本発明に用いられてもよい。通常用いられる熱可塑性ポリマーには、ポリプロピレン及びそのコポリマー、ポリエチレン及びそのコポリマー、ポリアミド及びそのコポリマー、ポリエステル及びそのコポリマー、並びにこれらの混合物が挙げられる。存在する場合、非分解性ポリマーの量は、成形又は押出成形物品の約0.1重量%〜約40重量%である。
【0029】
天然ポリマーもまた本発明に用いられてもよい。デンプン又はタンパク質系ポリマーを用いることができる。適したデンプンには、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、サツマイモデンプン、小麦デンプン、サゴパームデンプン、タピオカデンプン、米デンプン、大豆デンプン、クズウコンデンプン、ワラビデンプン、ハスデンプン、キャッサバデンプン、ワクシートウモロコシデンプン、高アミロースコーンスターチ、及び市販のアミロース粉末が挙げられる。デンプンのブレンドもまた用いられてもよい。デンプンは破壊されるべきである。適したタンパク質系ポリマーには、大豆タンパク質、ゼインタンパク質、及びこれらの組み合わせが挙げられる。天然ポリマーは、約0.1%〜約80%、又は更なる実施形態では、約1%〜約60%の量で存在してもよい。
【0030】
(押出成形及び成形)
成形及び押出成形技術、例えば射出成形、吹込み成形、圧縮成形、又はパイプ、チューブ、異形、ケーブル、若しくはフィルムの押し出しを本発明の組成物について用いて成形又は押出成形物品を形成してもよい。
【0031】
熱可塑性樹脂の射出成形は、多段階プロセスであり、これにより本発明の組成物は溶融されるまで加熱され、次にそれが成形される密閉金型中に押し込まれ、及び最後に冷却されることにより固化される。PHAコポリマー及びいずれかの任意成分が、不必要な熱分解を最小にするために約180℃未満、より典型的には約160℃未満の溶融温度で溶融加工される。射出成形に用いられる機械の3つの一般型は、ラム、射出部分付きスクリュー・プラスティケーター、及び往復スクリュー装置である(高分子科学工学百科事典(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)8巻、102〜138ページ、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)、ニューヨーク、1987年(「EPSE−3」)を参照のこと)。ラム射出成形機は、シリンダー、スプレッダー、及びプランジャから構成される。プランジャは、溶融物を金型の中に押し込む。第2段階の射出部分付きスクリュー・プラスティケーターは、プラスティケーター、一方通行弁、スプレッダーなしのシリンダー、及びラムから構成される。スクリューによる可塑化後、ラムは溶融物を金型の中に押し込む。往復スクリュー射出機は、バレル及びスクリューから構成される。スクリューは回転して材料を溶融及び混合し、次いで前方に移動して溶融物を金型の中に押し込む。
【0032】
適した射出成形機の例は、金型、ノズル、及びバレルを有し、このバレルがゾーンに分割され、各ゾーンが熱電対及び温度制御装置を装備するエンゲル・ティーバーレス(Engel Tiebarless)ES60TL装置である。射出成形機のゾーンは、前部、中央、及び後部ゾーンとして記載することができ、それによってペレットは制御された温度下で前部ゾーンの中に導入される。射出成形機のノズル、金型、及びバレル構成要素の温度は、ペレットの溶融加工温度及び用いられる金型に従って変化し得るが、典型的には次の範囲である。ノズル、120〜170℃、前部ゾーン、100〜160℃、中央ゾーン、100〜160℃、後部ゾーン、60〜150℃、及び金型5〜50℃。その他の典型的な加工条件には、約2100kPa〜約13,790kPaの射出圧力、約2800kPa〜約11,030kPaの保持圧力、約2秒〜約15秒の保持時間、及び約2cm/秒〜約20cm/秒の射出速度が挙げられる。その他の適した射出成形機の例には、ファンドルンモデル(Van Dorn Model)150−RS−8F、バッテンフェルドモデル(Battenfeld Model)1600、及びエンゲルモデル(Engel Model)ES80が挙げられる。
【0033】
熱可塑性樹脂の圧縮成形は、多量の本発明の組成物を開いたダイの下部半分に入れることから成る。ダイの上部及び下部の半分を圧力下で接合すると、次いで溶融された組成物はダイの形状に適合する。次に金型を冷却してプラスチックを硬化する(EPSE−3を参照のこと)。
【0034】
吹込み成形は、瓶及びその他の中空の物体を製造するために用いられる(EPSE−3を参照のこと)。この方法では、パリソンとして既知の溶融組成物のチューブが、中空の密閉金型の中に押し出される。パリソンは次にガスにより膨張され、組成物を金型の壁に対して強く押す。その後の冷却によりプラスチックを硬化する。次に金型が開けられ、及び物品が取り出される。
【0035】
吹込み成形は、射出成形に対して幾つかの利点を有する。用いられる圧力は、射出成形よりはるかに低い。吹込み成形は、典型的には、約170kPa〜約690kPaのプラスチックと金型表面との間の圧力で達成され得る。比較すると、射出成形圧力は、約69,000kPa〜約137,900kPaに達し得る(EPSE−3を参照のこと)。組成物が、容易な貫流金型(flow through molds)には高過ぎる分子量を有する場合には、吹込み成形が選択される技術である。高分子量ポリマー(又はコポリマー)は、低分子量ポリマーより、多くの場合良好な特性を有し、例えば高分子量材料は環境による応力亀裂に対してより大きな抵抗力を有する(EPSE−3を参照のこと)。吹込み成形により、製品内に非常に薄い壁を製造することが可能である。これは、より少ない組成物が用いられ、及び固化時間がより短く、結果として材料保存がより安価で、及びより高い処理量をもたらすことを意味する。吹込み成形の別の重要な特徴は、それが雌型の金型のみを用いるため、パリソンのノズルにおける押出成形条件の僅かな変更で壁の厚さを変えられることである(EPSE−3を参照のこと)。これは、必要な壁の厚さを前もって予想できない構造に関しては利点である。幾つかの厚さの物品の評価を行うことができ、そして仕様を満たす最も薄い、したがって最も軽く及び最も安価な物品を用いることができる。
【0036】
パイプ、チューブ、ロッド、ケーブル、又は異形のような押出成形物品を形成するために押出成形が用いられる。組成物が加熱室に供給され、及び連続回転スクリューによりこの室を通過させられる。プラスチック押出成形には、1軸押出成形機又は2軸押出成形機が通常用いられる。組成物が可塑化され、及びパイプダイヘッドを通って運ばれる。引取機が、補正ダイ(calibration die)、真空タンク補正装置、及び冷却装置を有する補正及び冷却部分を通して、パイプを引き抜く。硬質パイプは長さごとに切断されるが、可撓性パイプは巻かれる。異形押し出しは、一段階プロセスで実行されてもよい。押出成形手順は、ヘンセン,F.(Hensen,F.)のプラスチック押出成形技術(Plastic Extrusion Technology)、43〜100ページに更に記載されている。
【0037】
本発明の水に流すことのできるタンポンアプリケータは、外側のチューブ状部材及び内側のチューブ状部材又はプランジャを具備する熱可塑性アプリケータを提供するために、多様な成形又は押出成形技術を用いて、所望の形状又は構成に成形又は押出成形される。別の実施形態では、外側のチューブ状部材及びプランジャは、異なる成形又は押出成形技術により製造されてもよく、及び更なる実施形態では、外側の部材が、本発明の組成物から成形又は押出成形され、及びプランジャは環境において分解性の別の物質から製造される。
【0038】
一般に、本発明の水に流すことのできるタンポンアプリケータを製造する方法は、本発明の組成物を配合機中に入れることを伴い、及びこの組成物は溶融ブレンドされ及びペレットに加工される。次にペレットは、射出成形装置を用いて水に流すことのできるタンポンアプリケータに構築される。射出成形プロセスは典型的には、制御された温度、時間、及び速度の下で実行され、及び溶融加工ペレット又は熱可塑性組成物を伴い、溶融された熱可塑性組成物は、金型の中に射出され、冷却され、及び所望のプラスチック物体に成形される。あるいは組成物を射出成形装置の中に直接入れることもでき、及び溶融物が所望の水に流すことのできるタンポンアプリケータに成形される。
【0039】
本発明の水に流すことのできるタンポンアプリケータを製造する手順の1つの例は、組成物を溶融温度を超える温度で押し出してロッドを形成し、ロッドをペレットに切断し、及びペレットを所望の水に流すことのできるタンポンアプリケータの形態に射出成形することを伴う。
【0040】
熱可塑性組成物を溶融ブレンドするために通常用いられる配合機は、一般に1軸押出成形機、2軸押出成形機、及び混練押出成形機である。本明細書に用いるのに適した市販の押出成形機の例には、ブラック−クラウソン(Black-Clawson)1軸押出成形機、ワーナー・アンド・プフライデラー(Werner and Pfleiderer)同方向回転2軸押出成形機、ハッケ(HAAKE)(登録商標)ポリラブシステム(Polylab System)異方向回転2軸押出成形機、及びバス(Buss)混練押出成形機が挙げられる。ポリマーの配合及び押出成形の総括論議は、高分子科学工学百科事典(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)、6巻、571〜631ページ、1986年、及び11巻、262〜285ページ、1988年、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)、ニューヨークに開示されている。
【0041】
本発明の水に流すことのできるタンポンアプリケータは、その包装が耐汚染性であり及び乾いた廃棄物と共に使い捨て可能であることを条件として、いずれかの適した包装の中に包装され得る。その処分について環境への懸念が最小であるか又は全く生じない生分解性材料から製造された包装が、包装の実施形態である。しかしながら、本発明のタンポンアプリケータは、紙、不織布、セルロース、熱可塑性樹脂、若しくはその他のいずれかの適した水に流すことのできる材料、又はこれらの材料の組み合わせから製造された水に流すことのできる包装中に包装できることが企図される。
【0042】
(環境分解性及び水洗可能性)
本発明で製造される成形又は押出成形物品は、環境分解性である。「環境分解性」とは、生分解性、分解性、分散性、若しくは堆肥化可能性、又はこれらの組み合わせであることとして定義される。本明細書で使用する時、「水に流すことのできる」とは、既存の下水基盤設備に有害な結果を与えずに、物品を安全に下水道に流せることを意味する。結果として、本発明の成形又は押出成形物品は、固形廃棄物堆肥化又は下水収集及び処理施設で、容易に及び安全に処分することができる。本発明の成形又は押出成形物品の環境における分解性は、こうした材料の、それらの使用後の環境への蓄積という問題に解決策を提供する。タンポンアプリケータのような使い捨て製品に用いられた場合の本発明の成形又は押出成形物品の水に流すことのできる性能は、消費者に追加の簡便さ及び個別性を提供する。生分解性、分解性、分散性、堆肥化可能性、及び水に流すことのできる性能はすべて異なる基準を有し、及び異なる試験を通じて測定されるが、一般に、本発明の成形又は押出成形物品は、1を超えるこれらの基準を満たす。
【0043】
生分解性は、有機物質が好気性条件に暴露された時、物質が二酸化炭素及び水のような単純化合物に分解するか、又は嫌気性条件下で、天然起源の微生物の作用により、物質が二酸化炭素、水、及びメタンのような単純化合物に分解することとして定義される。生分解性は、成形又は押出成形物品の有機構成要素が、生物活性を介して分解を受けるが、そこには持続する代謝産物が存在しないことを意味する。
【0044】
生分解性についての多様な異なる標準化方法が、様々な組織により及び異なる国々で確立されてきた。例えば、好気性の生分解性について、米国材料試験協会(American Society for Testing and Materials)(ASTM)は、地方自治体の固形廃棄物堆肥化についてのASTM D5338(制御された堆肥化条件下でのプラスチック材料の好気性生分解を判定するための標準試験方法(Standard Test Method for the Determining Aerobic Biodegradation of Plastic Materials Under Controlled Composting Conditions))、及び地方自治体の下水処理についてのASTM D5271(活性汚泥下水処理システムにおけるプラスチック材料の好気性生分解を評価するための標準試験方法(Standard Test Method for Assessing the Aerobic Biodegradation of Plastic Materials in an Activated Sludge Wastewater Treatment System))を構築した。これらの試験は、関心のある基質の微生物による同化の結果として放出される二酸化炭素の量をモニターすることにより、時間の関数として鉱化する試験物質の百分率を測定する。これらの試験における二酸化炭素の生成は、典型的には電気分解酸素消費量測定を介して測定される。経済協力開発機構(Organization for Economic Cooperation and Development)(OECD)の301Bのようなその他の標準的手順もまた、物質の好気性生分解性を評価するために用いられてもよい。酸素が存在しない場合の標準的な生分解試験は、ASTM D5511(高固体嫌気性消化条件下でのプラスチック材料の嫌気性生分解を判定するための標準試験方法(Standard Test Method for Determining the Anaerobic Biodegradation of Plastic Materials Under High Solids Anaerobic Digestion Conditions))、又はASTM D5526(加速された埋立ゴミ処理条件下でのプラスチック材料の嫌気性生分解を判定するための標準試験方法(Standard Test Method for Determining Anaerobic Biodegradation of Plastic Materials Under Accelerated Landfill Conditions))のような様々な手順に記載されている。これらの試験は、汚水浄化槽、嫌気性消化、又は埋立ゴミ処理場の物質の生分解性を評価するために用いられる。
【0045】
分解は、成形又は押出成形物品が、より小さい部分に、物理的、化学的、又は生物学的手段で壊れる能力を有する場合である。分解は、具体的な環境条件下での物質の重量喪失を判定することにより評価される。好気分解試験及び嫌気分解試験の両方が用いられる。これらの試験では、重量損失は、典型的には、活性又は消化汚泥に曝露した後、1ミリメートルの開口部を有する18メッシュのふるい上に保持されない試験物質の量によって決定される。初期試料とふるい上に回収された試料との重さの差を用いて、分解の速度及び程度を決定する。生分解性及び分解についての試験は、本質的に同じ環境が試験に用いられるために、類似している。主な違いは、分解については、残った物質の重さが測定されるが、一方、生分解については、発生した気体が測定されることである。
【0046】
本発明の成形又は押出成形物品は、嫌気性条件下で28日以内に50%を超える分解を有し、更なる実施形態では、こうした条件下で28日以内に60%を超える、又は80%を超える分解を有する。
【実施例】
【0047】
様々な百分率のC6を有するPHA C4C6コポリマーを含む成形試験試料
次の組成物が配合され及び試験試料に成形される。様々な組成物は、次のような表記を有する。
【0048】
【表1】

1ポリヒドロキシアルカノエートコポリマー、この場合単位はC4C6であり、この場合C4は、−O−CH(CH3)−CH2−C(O)−であり、及びC6は、−O−CH(C3H7)−CH2−C(O)−であり、及びC6の量は全重量の10〜12%(11.3%C6)である
2ポリヒドロキシブチラート、粒径30μm、グッドフェロー・ケンブリッジ・リミテッド(Goodfellow Cambridge Limited)英国から入手可能
3セバシン酸ジメチル、サイエンティフィック・ポリマー・プロダクツ(Scientific Polymer Products)から入手可能
4二酸化チタン、デュポン白色顔料及び鉱物製品(DuPont White Pigment & Mineral Products)から入手可能
5ユーラカミド(Euracamide)、クロンプトン・コーポレーション(Crompton Corporation)からケマミドEウルトラ(Kemamide E Ultra)として入手可能
11ポリヒドロキシアルカノエートコポリマー、この場合単位はC4C6であり、この場合C4は、−O−CH(CH3)−CH2−C(O)−であり、及びC6は、−O−CH(C3H7)−CH2−C(O)−であり、及びC6の量は全重量の15〜17%(16.5%C6)である
12ポリヒドロキシアルカノエートコポリマー、この場合単位はC4C6であり、この場合C4は、−O−CH(CH3)−CH2−C(O)−であり、及びC6は、−O−CH(C3H7)−CH2−C(O)−であり、及びC6の量は全重量の5〜6%(5.7%/5.9% C6=50/50、約5.8%)である
14ポリヒドロキシアルカノエートコポリマー、この場合単位はC4C6であり、この場合C4は、−O−CH(CH3)−CH2−C(O)−であり、及びC6は、−O−CH(C3H7)−CH2−C(O)−であり、及びC6の量は全重量の4〜5%(4.5%C6)である
15ポリヒドロキシアルカノエートコポリマー、この場合単位はC4C6であり、この場合C4は、−O−CH(CH3)−CH2−C(O)−であり、及びC6は、−O−CH(C3H7)−CH2−C(O)−であり、及びC6の量は全重量の3〜4%(3.2%C6)である
配合:成分が秤量され、重量百分率に基づいて共に乾燥ブレンドされ、及び30mmのスクリュー直径、6加熱ゾーン、及び4穴ダイプレートを有するワーナー・プフライデラー(Werner Pfleider)ZSK−30同方向回転2軸押出成形機の中に供給される。溶融混合物が、押出成形機末端部にダイに押し出され4つのロッドを形成する。ロッドはコンベヤーで運ばれ、空冷され、及び射出成形のためにペレタイザーを用いてペレット化される。
【0049】
あるいは、組成物はハッケ(HAAKE)(登録商標)ポリラブシステム(Polylab System)異方向回転2軸押出成形機の中に供給される。押出成形機は、乾燥混合物を溶融プラスチックの単一ストランドに配合するための単一穴ダイプレートを装備しており、この溶融プラスチックの単一ストランドは空冷され、次に射出成形のためにペレタイザーを用いてペレット化される。
【0050】
射出成形。エンゲル・ティーバーレス(Engel Tiebarless)ES200TL射出成形機又はES60TL射出成形機を用いて、タンポンアプリケータ又は「ドッグボーン(dogbone)」と称される標準化された張力試験片が、配合された材料を用いてそれぞれ製造される。射出成形プロセスは、25mmのスクリュー、並びに温度、時間、速度、及び圧力の制御された加工条件を用い、ペレットは溶融加工され、金型の中に射出され、冷却され、次いで所望のタンポンアプリケータ又はドッグボーン張力試験片(dogbone tensile bar)に成形される。
【0051】
成形に影響する通常の射出成形手順及びパラメータは、次のようである。射出成形機が始動され、並びに温度が、油圧オイルについて(機械については、通常約30C)、材料について(4加熱ゾーンについては表2、3、及び4を参照のこと)、及び金型について(35C〜60C)設定される。送り速度を押出成形機について設定する。
【0052】
組成物が射出押出成形機のホッパー中に供給される。スクリューは、溶融材料を供給ホッパーから直接取り込み、それをスクリュー先端に運ぶ。スクリューの運搬作用は、その先端の前に圧力を構築する。この圧力がスクリューを押し返す。1回分の射出について十分な溶融物が空間に供給されると同時に、スクリューの回転は停止する。ノズルが金型のスプルーブッシングを押した時、金型が型締めされ、次に油圧シリンダー中の突発的な制御圧力の上昇が、スクリューを前方に押して、溶融物を金型の空洞中に送り込む。手順のこの部分は初期充填サイクルを表し、この場合金型は容積測定で約95%充填され、及び射出機の油圧は最大に達する。
【0053】
手動設定パラメータには、射出速度(材料を金型に押し出すほど十分に高いが、多くのはみ出しを与えるほど高過ぎず、通常10cm/秒であり、その範囲は5cm/秒〜20cm/秒である)、及びショットサイズ(小さ過ぎると成形品を充填しないが、大き過ぎると多くのはみ出しを有する)が挙げられ、射出又は充填サイクルは、射出速度、油圧オイル、溶融材料、及び金型の温度、並びに材料の粘度により影響され、スクリュー駆動部の圧力依存状態は、粘度、分子の分解、結晶化度、及び成形品表面の分子の配向、成形品、及び表面の品質により影響される。
【0054】
保持サイクルは、油圧が保持圧力に変えられた時に始まる。材料の残り(約5%の体積)が、金型の空洞の中に詰められる。金型は、圧力下で、金型のゲート(溶融材料は成形品までゲートを通過する)が凍結される(即ち、更なる溶融物が成形品に入ったり又は出たりできない)まで保持される。このサイクルの時間が保持時間である。次に油圧はゼロまで低下する。
【0055】
設定パラメータには、保持圧力(高過ぎるとはみ出しが多く、低過ぎると空隙及びひけマークを避けるために残りの5%の材料を成形品の中に押し込めない)、保持時間(更なる材料が成形品に入ったり又は出たりせず、成形品の品質を保証するようにゲートが凍結されるまでに十分なほど長く、さもなければ、成形品は不規則な寸法、空隙、又はひけマークを有する)が挙げられ、及び保持サイクルは、保持圧力への切り替え、圧力保存効果の制御、空洞壁の温度、金型の変形、型締め装置の安定性、及び型締め力の効果の大きさにより影響される。
【0056】
成形品が十分に固化され及び冷却された時、型締め装置が開く。成形品は、可動圧盤上に設置された金型の中に半分ある。排出装置が、静止した圧盤から調節できる距離で成形品を排出する。冷却時間は、自動排出を生じるのに十分なほど長い。
【0057】
物理的特性。本発明の材料の破断時の引張り強度、破断時の伸長百分率、及びヤング率は、当該技術分野において既知の方法、例えば、「薄いプラスチックシートの引っ張り特性についての標準試験方法(Standard Test Method for Tensile Properties of Thin Plastic Sheeting)」159〜167ページに記載されるASTM D882−95a試験方法に従って決定される。本明細書に記載される組成物は、射出成形されて、1/2インチ長さ(L)(12.7mm)×1/8インチ幅(W)(3.175mm)×1/16インチ高さ(H)(1.5875mm)の寸法を有する「ドッグボーン形状」の試験試料を形成する。こうした試験試料は、破断時の引張り強度、破断時の伸長百分率、及び弾性率について、インストロン引張り試験機(50ポンド(22.67962kg)ロードセル、グリップ距離2.54cm、ゲージ長12.7mm、つかみ具の隔たり5mm、及びクロスヘッド速度5.08cm/分を装備したモデル(Model)1122(カントン所在インストロン・コーポレーション(Instron Corporation)から))を用いて評価される。各分析について、「ドッグボーン形状」の試験試料は、破断が起きるまで引っ張られ、及び破断時の引張り強度、破断時の伸長百分率、及び弾性率の特性を決定するために、荷重対伸長のプロットが生成される。破断時の引張り強度は、試験試料の断面積で割り算された破断時の荷重であり、及びメガパスカル又はMPa(ニュートン/平方メートル)の単位で定義される。破断時の伸長百分率は、破裂する時点での伸長の長さをゲージ長で割り算し、次に100を掛けることにより決定される。ヤング率は、荷重−伸長曲線の初めの直線部分の傾きであり、及びMPaの単位で定義される。
【0058】
硬度特性は、「ゴム特性−デュロメーター硬度についての標準試験方法(Standard Test Method for Rubber Property-Durometer Hardness)」、388〜391ページに記載されるASTM D2240−97試験方法に従って決定される。本明細書に記載される組成物は、「ドッグボーン形状」の試験試料に射出成形されるが、これは1スタック当たり3つのドッグボーンの群に積み重ねられ、各ドッグボーンのスタックは、3/16インチ(4.7625mm)の合計の厚さを有する。硬度の値は、PTCインスツルメンツ(PTC Instruments)からのモデル307LショアDデュロメーター(Model 307 L Shore D Durometer)のような硬度計を用いて、ドッグボーンスタックの様々な点で測定され、及び平均の硬度測定値が決定される。
【0059】
表1は、組成物1.、2.、12.、及び14.〜18.の成形試験試料の物理的特性を提供する。
【0060】
【表2】

組成物1.は、「べたつき」の特性を示し、及び金型から容易にはずれない。組成物2.、12.、及び14.〜18.は、多様な成形物品について許容できる物理的特性を示し、及び表1は、特定用途のための特定組成物の選択のし方の一つを当業者に教示する。例えば、より柔らかい物品には、より小さい硬度数及びより低いヤング率を有する組成物が選択される。より大きい破断伸長は、より少ない脆性を有するより弾性の組成物を示唆する。より高い破断応力は、より強い一体性及びより高い耐久性を示唆する。
【0061】
表2は、組成物2.、12.、及び14.〜18.について2軸押出成形機を用いた配合条件を提供する。
【0062】
【表3】

アニーリングサイクル時間は、本明細書では、温度、ショットサイズ、射出圧力及び保持圧力の最適加工条件下で、成形物品を形成するための保持時間と冷却時間を加算したものとして定義される。
【0063】
表3は、組成物2.、12.、及び14.についてのタンポンアプリケータの射出成形条件及びアニーリングサイクル時間を提供する。30秒を超える時間については5秒間隔が用いられる。30秒未満については、1秒間隔が用いられる。
【0064】
【表4】

表3のデータは、タンポンアプリケータのアニーリングサイクル時間が、C6単位の百分率が11.3%C6より少ない時には、より短いことを示している。約5.8モル%のC6単位を有する組成物12.は、15秒のアニーリングサイクル時間を有するが、約11.3%のC6単位を有する組成物2.は、140秒のアニーリングサイクル時間を有する。そのため11.3%より低いC6の百分率を有する材料を用いると、アニーリングの時間は125秒間短くなった。データはまた、C6単位の百分率が11.3%のC6を超える時には、アニーリングサイクル時間がより長いことを示している。約16.5モル%のC6単位を有する組成物14.は、200秒のアニーリングサイクル時間を有するが、約11.3%のC6単位を有する組成物2.は、140秒のアニーリングサイクル時間を有する。そのため11.3%を超えるC6の百分率を有する材料を用いると、アニーリングの時間は60秒間長くなった。
【0065】
表4は、組成物2.、12.、及び14.〜18.についての標準化された成形試料(ドッグボーン)の射出成形条件及びアニーリングサイクル時間を提供する。アプリケータ及びドッグボーンの金型の設計は、ドッグボーン金型は、ランナーに接続したスプルーを有する従来のランナーシステムであり、及び材料は4つのゲートに送られるという点で異なる。各ゲートは、材料の物理試験のために用いられる成形品の異なる形状の成形に対して開けられる。ドッグボーン張力試験片(Dogbone tensile bars)は、ドッグボーン成形ゲートが開いており、及びその他の3つのゲートが閉まっている時にのみ製造される。ドッグボーン張力試験片(Dogbone tensile bars)は、標準化された成形物品を表す。
【0066】
【表5】

表4のデータは、C6の量が3.2モル%である(組成物16.及び18.)、4.5モル%である(組成物15.及び17.)、又は約5.8モル%である(組成物12.)、C4C6単位を含むドッグボーン物品により代表されるような標準化試験成形物品のアニーリングサイクル時間は、C6の量が11.3モル%である(組成物2.)C4C6単位を有する物品のアニーリングサイクル時間より48秒間短いことを示している。更に、こうした標準化物品のアニーリングサイクル時間は、C6の量が16.5モル%である場合(組成物14.)、11.3%のC6の対照量(組成物2.)と比べた時に30秒長い。
【0067】
C6のより低い百分率を有するC4C6 PHAsは、物理的特性においてより高い溶融温度、より短い伸長、及びより高い弾性率を有する。本発明者は、C6の百分率が約2%未満に低下される時には、こうした材料のより高い溶融温度は、より狭い加工枠(溶融温度と分解温度との差)をもたらす場合があり、及び材料が、より短い伸長及びより高い弾性率のために、硬過ぎる及び脆過ぎる場合があるという点で、加工の際に困難をもたらす場合があると予想する。
【0068】
本発明者は、C6の百分率が5.8モル%から11.3モル%に増加する時、アニーリングサイクル時間は増加し、及びC6の百分率が増加するにしたがって、材料は加工中に増加する粘着性を有すると予想する。本発明者は、本明細書に記載されるアニーリング時間のサイクルは、約8モル%までのC6を有するC4C6 PHAsを用いて達成できると予想する。
【0069】
嫌気分解。この試験の目的は、嫌気性条件下での水に流すことのできる製品の生物学的分解を評価することである。高速度の分解は、製品が汚水浄化槽内の汚物中又は嫌気性消化汚泥中に認識できないという証拠を提供する。製品を秤量し、及び1.5Lの嫌気性消化汚泥を含有する2Lの琥珀色ガラス瓶に加える。発生気体の放出を可能にするために1穴のストッパーで瓶に蓋をする。ふるいわけ水準では、試験中の各製品について、3つの複製瓶をインキュベーターに35℃で設置する。確証試験では、3つの瓶を各時点で用意する。試験は、静的条件下で行う。定期的(7日、14日、及び28日)に、瓶を取りだし及び内容物を1mのふるいに通す。1mmのふるい上に保持された物質を乾燥し及び秤量し、並びに生成物の重量損失の百分率を決定する。表5は、組成物2.、12.、及び14の成形されたアプリケータのこうしたデータを提供する。
【0070】
【表6】

表5のデータは、C4C6単位を有するポリヒドロキシアルカノエートコポリマーを含む組成物が、特に望ましい嫌気分解の結果を提供することを示している。
【0071】
好気分解。この試験の目的は、好気性の現場及び地方自治体の活性汚泥下水処理場での水に流すことのできる製品の最終結果を評価することである。高い分解速度は、材料の生物学的分解が起きていることを示唆する。試験方法は、下水管用(down-the-drain)化学薬品のために開発された、他の連続流活性汚泥試験に類似している。この試験は、その終点が、システムを通る特定化学物質の損失の代わりに、システム中の材料の質量の損失であるという点で、他の試験と異なっている。試験装置は、多孔質のステンレス鋼の濾過器を有する6Lガラス反応器から成る。ステンレス鋼の濾過器は、活性汚泥固体を反応器中に保持するために用いられる。未処理下水を、およそ15mL/分の速度で反応器中に連続的に供給する。これは、約7時間の水力滞留時間(HRT)に相当する。活性汚泥浮遊物(MLSS)及び廃棄された固形物部分を週基準で定期的に測定し、MLSSを2500〜4500mg/Lに維持する。この試験では、予め秤量した材料をメッシュの袋(1.6mmのふるい開口部を有するガラス繊維スクリーニング)の中に設置し、次いで多孔質の深い反応器中に懸濁する。指定された時点で、興味のある材料を有するメッシュの袋の1つを反応器から取り出し、及びその内容物を1mmのふるいを通して洗い流す。1mmのふるい上に残る材料の量を次に乾燥し及び秤量する。材料の質量損失を時間と共に決定する。
【0072】
【表7】

【0073】
【表8】

表6及び7のデータは、C4C6単位を有するポリヒドロキシアルカノエートコポリマーを含む組成物が、特に望ましい嫌気分解の結果を提供することを示している。分解の速度は物品の厚さに依存する。C4C6 PHAのC6単位の量は、分解速度に影響するようには見えない。
【0074】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれているが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であるとの容認と解釈されるべきではない。
本発明の特定の実施形態を例示し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのランダムに繰り返すモノマー単位を含むポリヒドロキシアルカノエートコポリマーを含む成形又は押出成形物品であって、
第1のモノマー単位が構造(I)を有し
【化1】

この場合、R1がCH3であり、及びnが1であり、並びに
第2のモノマー単位が構造(II)を有し
【化2】

この場合、R2がCH2CH2CH3であり、
2〜8%の該ランダムに繰り返すモノマー単位が、該第2のモノマー単位の該構造を有し、及び
該成形又は押出成形物品を形成するためのアニーリングサイクル時間(annealing cycle time)が、該少なくとも2つのランダムに繰り返すモノマー単位を有し、該ランダムに繰り返すモノマー単位の8%以上が該第2のモノマー単位の該構造を有する成形又は押出成形物品を形成するためのアニーリングサイクル時間より、少なくとも10秒間短いことを特徴とする成形又は押出成形物品。
【請求項2】
少なくとも2つのランダムに繰り返すモノマー単位を含むポリヒドロキシアルカノエートコポリマーを含む成形又は押出成形物品であって、
第1のモノマー単位が構造(I)を有し
【化3】

この場合、R1がCH3であり、及びnが1であり、並びに
第2のモノマー単位が構造(II)を有し
【化4】

この場合、R2がCH2CH2CH3であり、
2〜8%の該ランダムに繰り返すモノマー単位が、該第2のモノマー単位の該構造を有し、前記物品が水に流すことのできる(flushable)タンポンアプリケータであることを特徴とする成形又は押出成形物品。
【請求項3】
該第2のモノマー単位の構造の該ランダムに繰り返すモノマー単位を2〜8%有する成形又は押出成形物品を形成するためのアニーリングサイクル時間が、該少なくとも2つのランダムに繰り返すモノマー単位を有し、8%以上の該ランダムに繰り返すモノマー単位が、該第2のモノマー単位の構造を有する成形又は押出成形物品を形成するためのアニーリングサイクル時間より、少なくとも15、20、25、30、35、40、45、又は50秒間短いことを特徴とする請求項1又は2に記載の成形又は押出成形物品。
【請求項4】
タンポンアプリケータの形態であることを特徴とする請求項1又は3に記載の成形又は押出成形物品。
【請求項5】
3〜7%の該ランダムに繰り返すモノマー単位が、該第2のモノマー単位の該構造を有することを特徴とする請求項1、2、3、又は4に記載の成形又は押出成形物品。
【請求項6】
4〜6%の該ランダムに繰り返すモノマー単位が、該第2のモノマー単位の該構造を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の成形又は押出成形物品。
【請求項7】
加工助剤を更に含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の成形又は押出成形物品。
【請求項8】
該加工助剤が、(a)セバシン酸ジメチル、グリセリン、トリアセチン、グリセロール、モノステアレート、ソルビトール、エリスリトール、グルシドール、マンニトール、スクロース、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールカプレート−カプリレート、ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、アジピン酸ジイソブチル、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、パルミチン酸アミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、メチルピロリドン、テトラメチレンスルホン、オキサ一価酸、オキサ二価酸、ポリオキサ二価酸、ジグリコール酸、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリ−n−ブチル、アセチルクエン酸トリ−n−ブチル、アセチルクエン酸トリ−n−ヘキシル、乳酸アルキル、フタル酸ポリエステル、アジピン酸ポリエステル、グルテートポリエステル(glutate polyester)、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジヘキシル、アジピン酸アルキルアリルエーテルジエステル、アジピン酸ジブトキシエトキシエチル、及びこれらの混合物から成る群から選択される可塑剤、(b)ポリヒドロキシブチラート、ソルビトールアセタール、窒化ホウ素、酸化チタン、タルク、粘土、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、金属リン酸塩、及びこれらの混合物から成る群から選択される核生成剤、(c)粘土、シリカ、雲母、珪灰石、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、カオリン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、タルク、二酸化チタン、木粉、クルミ殻粉、α−セルロース綿状塊、セルロース繊維、キチン、キトサン粉末、有機シリコーン粉末、ナイロン粉末、ポリエステル粉末、ポリプロピレン粉末、デンプン、及びこれらの混合物から成る群から選択される充填剤、若しくは(d)金属石鹸、炭化水素ワックス、脂肪酸、長鎖アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、シリコーン、フルオロケミカル、アクリル、及びこれらの混合物から成る群から選択される潤滑剤、又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項7に記載の成形又は押出成形物品。
【請求項9】
タンポンアプリケータを形成するためのアニーリングサイクル時間が、該少なくとも2つのランダムに繰り返すモノマー単位を有し、8%以上の該ランダムに繰り返すモノマー単位が、該第2のモノマー単位の該構造を有するタンポンアプリケータを形成するためのアニーリングサイクル時間より、少なくとも10秒間短いことを特徴とする請求項2に記載の水に流すことのできるタンポンアプリケータ。
【請求項10】
少なくとも2つのランダムに繰り返すモノマー単位を含むポリヒドロキシアルカノエートコポリマーを含む水に流すことのできるタンポンアプリケータであって、
第1のモノマー単位が構造(I)を有し
【化5】

この場合、R1がCH3であり、及びnが1であり、並びに
第2のモノマー単位が構造(II)を有し
【化6】

この場合、R2がCH2CH2CH3であり、
2〜8%の該ランダムに繰り返すモノマー単位が、該第2のモノマー単位の該構造を有し、及び
該アプリケータが、嫌気性分解条件下で28日以内に50%を超えて分解されることを特徴とする水に流すことのできるタンポンアプリケータ。
【請求項11】
該アプリケータが、嫌気性分解条件下で28日以内に80%を超えて分解されることを特徴とする請求項10に記載の水に流すことのできるタンポンアプリケータ。
【請求項12】
成形又は押出成形物品を形成する方法であって、
少なくとも2つのランダムに繰り返すモノマー単位を含むポリヒドロキシアルカノエートコポリマーを溶融状態まで加熱する工程であって、
第1のモノマー単位が構造(I)を有し
【化7】

この場合、R1がCH3であり、及びnが1であり、並びに
第2のモノマー単位が構造(II)を有し
【化8】

この場合、R2がCH2CH2CH3であり、
2〜8%の該ランダムに繰り返すモノマー単位が、該第2のモノマー単位の該構造を有するものである工程、
該溶融されたブレンドをアニールさせる工程、及び
該物品を成形又は押出成形する工程を含み、
該方法におけるアニーリングサイクル時間が、該少なくとも2つのランダムに繰り返すモノマー単位を有し、8%以上の該ランダムに繰り返すモノマー単位が、該第2のモノマー単位の該構造を有する成形又は押出成形物品を形成するためのアニーリングサイクル時間より、少なくとも10秒間短いことを特徴とする方法。

【公表番号】特表2006−525380(P2006−525380A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501300(P2006−501300)
【出願日】平成16年4月23日(2004.4.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/012800
【国際公開番号】WO2004/101644
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】