説明

石炭ガス化複合発電設備

【課題】プラント全体の効率を向上させるおよび/または経済性向上させること。
【解決手段】石炭乾燥・微粉炭化設備5と、空気吹ガス化炉6と、ガス精製設備7と、ガスタービン8と、排熱回収ボイラ9と、蒸気タービン10とを備えた空気吹き石炭ガス化複合発電設備2と、石炭乾燥・微粉炭化設備5と、酸素吹ガス化炉15と、ガス精製設備7と、化学物質製造設備16とを備えた酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備3とを具備しており、前記空気吹き石炭ガス化複合発電設備2の前記ガス精製設備7で処理された合成ガスを、前記酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備3の前記化学物質製造設備16に、あるいは前記酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備3の前記ガス精製設備7で処理された合成ガスを、前記空気吹き石炭ガス化複合発電設備2の前記ガスタービン8に導く第1の配管17を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石炭をガス化して気体燃料としてガスタービンを駆動させ、さらにその排熱で蒸気を発生させて蒸気タービンを駆動する石炭ガス化複合発電設備、及びガス化した石炭を使用した化学物質製造設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
石炭をガス化して気体燃料としてガスタービンを駆動させ、さらにその排熱で蒸気を発生させて蒸気タービンを駆動する石炭ガス化複合発電設備としては、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−111032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような石炭ガス化複合発電設備や化学物質製造設備では、プラント全体のさらなる高効率化および/または経済性向上が求められており、本発明はこのようなニーズに応えるため、発明者らの新規な知見に基づいて石炭ガス化複合発電設備の高効率化および/または経済性向上および/または運用性および/または制御性の向上を図らんとするものである。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、プラント全体の効率を向上させるおよび/または経済性向上させるおよび/または運用性および/または制御性の向上ことができる石炭ガス化複合発電設備及び化学物質製造設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明に係る石炭ガス化複合発電設備は、石炭乾燥・微粉炭化設備と、空気吹ガス化炉と、ガス精製設備と、ガスタービンと、排熱回収ボイラと、蒸気タービンとを備えた空気吹き石炭ガス化複合発電設備と、石炭乾燥・微粉炭化設備と、酸素吹ガス化炉と、ガス精製設備と、化学物質製造設備とを備えた酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備とを具備しており、前記空気吹き石炭ガス化複合発電設備の前記ガス精製設備で処理された合成ガスを、前記酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備の前記化学物質製造設備に、あるいは前記酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備の前記ガス精製設備で処理された合成ガスを、前記空気吹き石炭ガス化複合発電設備の前記ガスタービンに導く第1の配管を備えている。
【0007】
本発明に係る石炭ガス化複合発電設備によれば、第1の配管を介して余剰の合成ガスが、空気吹き石炭ガス化複合発電設備のガス精製設備から酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備の化学物質製造設備に、あるいは酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備のガス精製設備から空気吹き石炭ガス化複合発電設備のガスタービンに供給され、化学物質を製造する原料として、あるいはガスタービンの燃料として利用(使用)される。
一般に発電プラントとしての効率は空気吹き石炭ガス化炉を具備した石炭ガス化複合発電設備が優位であり、一方で酸素吹きガス化炉を具備した石炭ガス化複合発電設備は酸素消費量が多いことによりASU(Air Separation Unit:空気分離装置)の動力が大きく発電効率面では不利であるとされている。そこで空気吹き石炭ガス化複合発電設備により発電し、化学物質製造設備への適用範囲が広い酸素吹き石炭ガス化炉を組み合わせることで、プラント全体の効率を向上させるおよび/または経済性向上させることができる。
このとき、発電効率の高い空気吹き石炭ガス化複合発電設備用の空気吹きガス化炉容量を大きくし、酸素吹き石炭ガス化炉下流側の設備に余剰合成ガスを供給することで、酸素吹きガス化炉の容量を小さくして、ASUの動力を下げる(酸素消費量を減らす)ことも考えられる。
また、空気吹きガス化炉においては、負荷変化などの応答性が高いガスタービンからの抽気空気を主としてガス化剤として用いており、応答性の低いASUからの酸素を主としてガス化剤として用いている酸素吹きガス化炉のみの運用よりも、運用性・制御性が高くなる。また、後述するように、空気吹きガス化炉と酸素吹きガス化炉という2種類のガス化炉からの合成ガスを混合させることにより、上記の成分、熱量、圧力の調整範囲が広く取ることができるため、運用性・制御性が向上する。
【0008】
本発明に係る石炭ガス化複合発電設備は、石炭乾燥・微粉炭化設備と、空気吹ガス化炉と、ガス精製設備と、ガスタービンと、排熱回収ボイラと、蒸気タービンとを備えた空気吹き石炭ガス化複合発電設備と、石炭乾燥・微粉炭化設備と、酸素吹ガス化炉と、ガス精製設備とを備えた酸素吹き石炭ガス化複合発電設備とを具備しており、前記酸素吹き石炭ガス化複合発電設備の前記ガス精製設備で処理された合成ガスを、前記空気吹き石炭ガス化複合発電設備の前記ガスタービンに導く第1の配管を備えている。
【0009】
本発明に係る石炭ガス化複合発電設備によれば、第1の配管を介して余剰の合成ガスが、酸素吹き石炭ガス化複合発電設備のガス精製設備から空気吹き石炭ガス化複合発電設備のガスタービンに供給され、ガスタービンの燃料として利用(使用)される。
これにより、プラント全体の効率を向上させるおよび/または経済性を向上させることができる。
【0010】
上記石炭ガス化複合発電設備において、前記空気吹きおよび/または酸素吹き石炭ガス化炉の下流側の前記ガス精製設備の下流側に化学物質製造設備が設けられており、前記空気吹き石炭ガス化複合発電設備の前記ガス精製設備で処理された合成ガス、および/または前記酸素吹き石炭ガス化複合発電設備の前記ガス精製設備で処理された合成ガスが、前記化学物質製造設備に導かれるように構成されているとさらに好適である。
【0011】
このような石炭ガス化複合発電設備によれば、余剰の合成ガスが、空気吹き石炭ガス化複合発電設備のガス精製設備、および/または酸素吹き石炭ガス化複合発電設備のガス精製設備から化学物質製造設備に供給され、化学物質を製造する原料として利用(使用)される。
これにより、さらにプラント全体の効率を向上させるおよび/または経済性を向上させることができる。
【0012】
上記石炭ガス化複合発電設備において、前記空気吹き石炭ガス化炉下流側の前記ガスタービンから前記排熱回収ボイラに導かれた排ガスの一部を、前記空気吹き石炭ガス化複合発電設備の石炭乾燥・微粉炭化設備、および前記酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備の石炭乾燥・微粉炭化設備に導く第2の配管を備えているとさらに好適である。
【0013】
このような石炭ガス化複合発電設備によれば、石炭乾燥・微粉炭化設備において石炭に含まれる水分の低減が図られ、乾燥した微粉炭が空気吹ガス化炉および酸素吹ガス化炉に投入されることになる。
これにより、さらにプラント全体の効率を向上させるおよび/または経済性を向上させることができる。
【0014】
上記石炭ガス化複合発電設備において、前記空気吹き石炭ガス化複合発電設備の前記ガスタービン、前記酸素吹き石炭ガス化複合発電設備の前記ガスタービン、前記化学物質製造設備に導かれる合成ガスの割合が、前記ガスタービンに供給される合成ガスの成分、熱量および圧力と、前記化学物質製造設備に供給される合成ガスの成分、熱量および圧力とに基づいて決定されるように構成されているとさらに好適である。
【0015】
このような石炭ガス化複合発電設備によれば、空気吹き石炭ガス化複合発電設備のガスタービン、酸素吹き石炭ガス化複合発電設備のガスタービン、化学物質製造設備に、プラント全体の効率及び経済性を最も高めることのできる合成ガスがそれぞれ供給される。
これにより、さらにプラント全体の効率を向上させるおよび/または経済性を向上させることができる。特に、空気吹きガス化炉と酸素吹きガス化炉という2種類のガス化炉を組み合わせることにより、上記の成分、熱量、圧力の調整範囲を広く取ることができるため、運用性・制御性が向上する。
【0016】
本発明に係る石炭ガス化複合発電設備は、石炭乾燥・微粉炭化設備と、空気吹ガス化炉と、ガス精製設備と、ガスタービンと、排熱回収ボイラと、蒸気タービンとを備えた空気吹き石炭ガス化複合発電設備と、石炭乾燥・微粉炭化設備と、酸素吹ガス化炉と、ガス精製設備と、化学物質製造設備と、空気分離装置とを備えた酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備とを具備しており具備しており、前記空気分離装置を運転するのに必要な電力が、前記ガスタービンおよび前記蒸気タービンによって駆動される発電機によって発電された所内電力から供給されるように構成されている。
【0017】
本発明に係る石炭ガス化複合発電設備によれば、ガスタービンおよび蒸気タービンによって駆動される発電機から供給された電力により空気分離装置が運転される。
これにより、プラント全体の効率を向上させるおよび/または経済性を向上させることができる。
【0018】
本発明に係る石炭ガス化複合発電設備は、石炭乾燥・微粉炭化設備と、空気吹ガス化炉と、ガス精製設備と、ガスタービンと、排熱回収ボイラと、蒸気タービンとを備えた空気吹き石炭ガス化複合発電設備と、石炭乾燥・微粉炭化設備と、酸素吹ガス化炉と、ガス精製設備と、空気分離装置とを備えた酸素吹き石炭ガス化複合発電設備とを具備しており具備しており、前記空気分離装置を運転するのに必要な電力が、前記ガスタービンおよび前記蒸気タービンによって駆動される発電機から供給されるように構成されている。
【0019】
本発明に係る石炭ガス化複合発電設備によれば、ガスタービンおよび蒸気タービンによって駆動される発電機から供給された電力により空気分離装置が運転される。
これにより、プラント全体の効率を向上させるおよび/または経済性を向上させることができる。
【0020】
上記石炭ガス化複合発電設備において、前記ガスタービンから前記排熱回収ボイラに導かれた排ガスの一部を、前記空気吹き石炭ガス化複合発電設備の石炭乾燥・微粉炭化設備に導く配管を備えているとさらに好適である。
【0021】
このような石炭ガス化複合発電設備によれば、石炭乾燥・微粉炭化設備において石炭に含まれる水分の低減が図られ、乾燥した微粉炭が空気吹ガス化炉に投入されることになる。
これにより、プラント全体の効率をさらに向上させるおよび/または経済性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る石炭ガス化複合発電設備によれば、プラント全体の効率を向上させるおよび/または経済性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備の概略全体構成図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備の概略全体構成図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備の概略全体構成図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備の概略全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の第1実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備ついて、図1を参照しながら説明する。図1は本実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備の概略全体構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備1は、空気吹き石炭ガス化複合発電設備2と、酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備3とを備えている。
【0025】
空気吹き石炭ガス化複合発電設備2は、石炭乾燥・微粉炭化設備5と、空気吹ガス化炉6と、ガス精製設備7と、ガスタービン8と、排熱回収ボイラ9と、蒸気タービン10と、ASU(空気分離装置)11と、CO(二酸化炭素)圧縮機12と、空気圧縮機13と、煙突14とを備えている。
このように構成された空気吹き石炭ガス化複合発電設備2では、石炭乾燥・微粉炭化設備5で微粉炭化され、かつ、乾燥された石炭が加圧された搬送ガスとともに空気吹ガス化炉6に投入され、空気吹ガス化炉6内でCO(一酸化炭素)およびH(水素)を主たる可燃性成分とするガス(以下、「生成ガス」という。)に変換される。生成ガス中に含まれるチャーは、ガス精製設備7を構成するチャー回収装置(図示せず)および集塵装置(図示せず)で捕集され、図示しない配管(戻り管)を通って空気吹ガス化炉6に再投入される。また、生成ガス中に含まれるCOは、ガス精製設備7を構成するシフト反応器(図示せず)でCOとHに転換され、ガス精製設備7を構成するCO分離回収器(図示せず)でCOが回収される。COが除去された生成ガスは、集塵装置の下流側に位置してガス精製設備7を構成する脱硫装置(図示せず)にて硫黄化合物(HS)が除去され、ガスタービン8に導かれる。
なお、空気吹ガス化炉6に投入される空気は、ガスタービン8によって駆動される空気圧縮機13から供給される。
【0026】
酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備3は、石炭乾燥・微粉炭化設備5と、酸素吹ガス化炉15と、ガス精製設備7と、化学物質製造設備16と、ASU(空気分離装置)11と、CO(二酸化炭素)圧縮機12とを備えている。
このように構成された酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備3では、石炭乾燥・微粉炭化設備5で微粉炭化され、かつ、乾燥された石炭が加圧された搬送ガスとともに酸素吹ガス化炉15に投入され、酸素吹ガス化炉15内でCO(一酸化炭素)およびH(水素)を主たる可燃性成分とするガス(以下、「生成ガス」という。)に変換される。生成ガス中に含まれるチャーは、ガス精製設備7を構成するチャー回収装置(図示せず)および集塵装置(図示せず)で捕集され、図示しない配管(戻り管)を通って酸素吹ガス化炉15に再投入される。また、生成ガス中に含まれるCOは、ガス精製設備7を構成するシフト反応器(図示せず)でCOとHに転換され、ガス精製設備7を構成するCO分離回収器(図示せず)でCOが回収される。COが除去された生成ガスは、集塵装置の下流側に位置してガス精製設備7を構成する脱硫装置(図示せず)にて硫黄化合物(HS)が除去され、化学物質製造設備16に導かれる。化学物質製造設備16では、CTL(Coal to Liquid:石炭液化)が行われたり、SNG(subsutitute
natural gas:代替天然ガスまたはsynthetic natural gas:合成天然ガス)や尿素(urea)等が製造される。
ここで、「シフト反応」とは、COに水蒸気を添加し、触媒反応でCOとHとに転換する反応のことである。
なお、CO分離回収器で回収されたCOは、CO圧縮機12に導かれて昇圧された後、貯蔵容器(図示せず)に貯留される。
また、酸素吹ガス化炉15に投入されるOは、空気からOを分離するASU11を介して供給され、化学物質製造設備16に投入されるNは、空気からNを分離するASU11を介して供給される。
【0027】
さて、本実施形態では、ガス精製設備7で処理された(を通過した)合成ガス(syngas)を、配管(第1の配管)17を介して空気吹き石炭ガス化複合発電設備2から酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備3に(より詳しくは、空気吹き石炭ガス化複合発電設備2のガス精製設備7を構成するCO分離回収器から化学物質製造設備16に)、あるいは配管17を介して酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備3から空気吹き石炭ガス化複合発電設備2に(より詳しくは、酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備3のガス精製設備7を構成するCO分離回収器からガスタービン8に)供給し得るように構成されている。
なお、空気吹き石炭ガス化複合発電設備2から酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備3に供給される合成ガスの割合、あるいは酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備3から空気吹き石炭ガス化複合発電設備2に供給される合成ガスの割合(すなわち、合成ガスの分配比率)は、ガスタービン8に供給される合成ガスの成分、熱量および圧力と、化学物質製造設備16に供給される合成ガスの成分、熱量および圧力とに基づいて例えば混合後の合成ガスの燃料発熱量が一定となるように決定される。
また、ガスタービン8に供給される合成ガスの成分、熱量および圧力はそれぞれ、ガスタービン8の上流近傍に設けられた成分計(図示せず)、熱量計(図示せず)および圧力計(図示せず)によって計測され、化学物質製造設備16に供給される合成ガスの成分、熱量および圧力はそれぞれ、化学物質製造設備16の上流近傍に設けられた成分計(図示せず)、熱量計(図示せず)および圧力計(図示せず)によって計測される。
【0028】
一方、ガスタービン8から排熱回収ボイラ9に導かれた排ガスの一部は、配管(第2の配管)18を介して空気吹き石炭ガス化複合発電設備2の石炭乾燥・微粉炭化設備5および酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備3の石炭乾燥・微粉炭化設備5に供給され、石炭を乾燥させる乾燥用ガス(Coal Drying gas)として利用(使用)される。
また、石炭ガス化複合発電設備1を運転するのに必要な電力は、ガスタービン8および蒸気タービン10によって駆動される発電機(図示せず)から供給される。
【0029】
本実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備1によれば、配管17を介して余剰の合成ガスが、空気吹き石炭ガス化複合発電設備2のガス精製設備7から酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備3の化学物質製造設備16に、あるいは酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備3のガス精製設備7から空気吹き石炭ガス化複合発電設備2のガスタービン8に供給され、化学物質を製造する原料として、あるいはガスタービン8の燃料として利用(使用)される。
これにより、プラント全体の効率を向上させるおよび/または経済性を向上させることができる。
【0030】
また、本実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備1によれば、ガスタービン8から排熱回収ボイラ9に導かれた排ガスの一部が、空気吹き石炭ガス化複合発電設備2の石炭乾燥・微粉炭化設備5、および酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備3の石炭乾燥・微粉炭化設備5に導く配管18を備えており、石炭乾燥・微粉炭化設備5において石炭に含まれる水分の低減が図られ、乾燥した微粉炭が空気吹ガス化炉6および酸素吹ガス化炉15に投入されることになる。
これにより、さらにプラント全体の効率を向上させるおよび/または経済性を向上させることができる。
【0031】
さらに、本実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備1によれば、空気吹き石炭ガス化複合発電設備2のガスタービン8、酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備3の化学物質製造設備16に導かれる合成ガスの割合が、ガスタービン8に供給される合成ガスの成分、熱量および圧力と、化学物質製造設備16に供給される合成ガスの成分、熱量および圧力とに基づいて例えば混合後の合成ガスの燃料発熱量が一定となるように構成されており、空気吹き石炭ガス化複合発電設備2のガスタービン8、酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備3の化学物質製造設備16に、プラント全体の効率および/または経済性を最も高めることのできる合成ガスがそれぞれ供給される。
これにより、さらにプラント全体の効率を向上させるおよび/または経済性を向上させることができる。
【0032】
さらにまた、本実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備1によれば、ASU11を運転するのに必要な電力が、ガスタービン8および蒸気タービン10によって駆動される発電機から供給され、ASU11が運転される。
これにより、経済性を向上させることができる。
【0033】
本発明に係る石炭ガス化複合発電設備の第2実施形態を図2に基づいて説明する。図2は本実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備の概略全体構成図である。
本実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備21は、配管17が省略され、配管18の代わりに配管22,23が設けられているという点で上述した第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については上述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
【0034】
図2に示すように、配管22は、ガスタービン8から排熱回収ボイラ9に導かれた排ガスの一部を、空気吹き石炭ガス化複合発電設備2の石炭乾燥・微粉炭化設備5に供給して、石炭を乾燥させる乾燥用ガス供給管である。
配管23は、空気とNとの混合ガスを、酸素吹き石炭ガス化化学物質製造3の石炭乾燥・微粉炭化設備5に供給して、石炭を乾燥させる乾燥用ガス供給管である。また、配管23の途中には、例えば、蒸気によって酸素吹き石炭ガス化化学物質製造3の石炭乾燥・微粉炭化設備5に供給される混合ガスを加熱する熱交換器24が設けられている。
なお、石炭ガス化複合発電設備21を運転するのに必要な電力は、第1実施形態のものと同様、ガスタービン8および蒸気タービン10によって駆動される発電機(図示せず)から供給される。
【0035】
本実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備21によれば、ASU11を運転するのに必要な電力が、ガスタービン8および蒸気タービン10によって駆動される発電機から供給され、ASU11が運転される。
これにより、プラント全体の効率を向上させるおよび/または経済性を向上させることができる。
【0036】
また、本実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備21によれば、ガスタービン8から排熱回収ボイラ9に導かれた排ガスの一部が、空気吹き石炭ガス化複合発電設備2の石炭乾燥・微粉炭化設備5に導く配管22を備えており、石炭乾燥・微粉炭化設備5において石炭に含まれる水分の低減が図られ、乾燥した微粉炭が空気吹ガス化炉6に投入されることになる。
これにより、さらにプラント全体の効率を向上させるおよび/または経済性を向上させることができる。
【0037】
本発明に係る石炭ガス化複合発電設備の第3実施形態を図3に基づいて説明する。図3は本実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備の概略全体構成図である。
図3に示すように、本実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備31は、空気吹き石炭ガス化複合発電設備2と、酸素吹き石炭ガス化複合発電設備32と、化学物質製造設備16とを備えている。
【0038】
空気吹き石炭ガス化複合発電設備2は、石炭乾燥・微粉炭化設備5と、空気吹ガス化炉6と、ガス精製設備7と、ガスタービン8と、排熱回収ボイラ9と、蒸気タービン10と、ASU(空気分離装置)11と、CO(二酸化炭素)圧縮機12と、空気圧縮機13と、煙突14とを備えている。
このように構成された空気吹き石炭ガス化複合発電設備2では、石炭乾燥・微粉炭化設備5で微粉炭化され、かつ、乾燥された石炭が加圧された搬送ガスとともに空気吹ガス化炉6に投入され、空気吹ガス化炉6内でCO(一酸化炭素)およびH(水素)を主たる可燃性成分とするガス(以下、「生成ガス」という。)に変換される。生成ガス中に含まれるチャーは、ガス精製設備7を構成するチャー回収装置(図示せず)および集塵装置(図示せず)で捕集され、図示しない配管(戻り管)を通って空気吹ガス化炉6に再投入される。また、生成ガス中に含まれるCOは、ガス精製設備7を構成するシフト反応器(図示せず)でCOとHに転換され、ガス精製設備7を構成するCO分離回収器(図示せず)でCOが回収される。COが除去された生成ガスは、集塵装置の下流側に位置してガス精製設備7を構成する脱硫装置(図示せず)にて硫黄化合物(HS)が除去され、ガスタービン8に導かれる。
なお、空気吹ガス化炉6に投入される空気は、ガスタービン8によって駆動される空気圧縮機13から供給される。
【0039】
酸素吹き石炭ガス化複合発電設備32は、石炭乾燥・微粉炭化設備5と、酸素吹ガス化炉15と、ガス精製設備7と、ガスタービン33と、排熱回収ボイラ34と、蒸気タービン35と、ASU(空気分離装置)11と、CO(二酸化炭素)圧縮機12と、煙突36とを備えている。
このように構成された酸素吹き石炭ガス化複合発電設備32では、石炭乾燥・微粉炭化設備5で微粉炭化され、かつ、乾燥された石炭が加圧された搬送ガスとともに酸素吹ガス化炉15に投入され、酸素吹ガス化炉15内でCO(一酸化炭素)およびH(水素)を主たる可燃性成分とするガス(以下、「生成ガス」という。)に変換される。生成ガス中に含まれるチャーは、ガス精製設備7を構成するチャー回収装置(図示せず)および集塵装置(図示せず)で捕集され、図示しない配管(戻り管)を通って酸素吹ガス化炉15に再投入される。また、生成ガス中に含まれるCOは、ガス精製設備7を構成するシフト反応器(図示せず)でCOとHに転換され、ガス精製設備7を構成するCO分離回収器(図示せず)でCOが回収される。COが除去された生成ガスは、集塵装置の下流側に位置してガス精製設備7を構成する脱硫装置(図示せず)にて硫黄化合物(HS)が除去され、ガスタービン33に導かれる。
【0040】
化学物質製造設備16には、ASU11からNが供給され、配管17を介して空気吹き石炭ガス化複合発電設備2のガス精製設備7を構成するCO分離回収器から、および/または酸素吹き石炭ガス化複合発電設備32のガス精製設備7を構成するCO分離回収器から合成ガスが供給される。そして、化学物質製造設備16では、CTL(Coal to Liquid:石炭液化)が行われたり、SNG(subsutitute
natural gas:代替天然ガスまたはsynthetic natural gas:合成天然ガス)や尿素(urea)等が製造される。
【0041】
さて、本実施形態では、空気吹き石炭ガス化複合発電設備2のガス精製設備7で処理された(を通過した)合成ガス(syngas)を、配管37を介して酸素吹き石炭ガス化複合発電設備32のガスタービン33に供給し得るように構成されている。
また、酸素吹き石炭ガス化複合発電設備32のガスタービン33には、補助燃料(天然ガスや軽油等)を必要に応じて供給し得るように構成されている。
なお、空気吹き石炭ガス化複合発電設備2から酸素吹き石炭ガス化複合発電設備32に供給される合成ガスの割合、あるいは酸素吹き石炭ガス化複合発電設備32から空気吹き石炭ガス化複合発電設備2に供給される合成ガスの割合(すなわち、合成ガスの分配比率)およびガスタービン33に投入される補助燃料の流量は、ガスタービン8,33に供給される合成ガスの成分、熱量および圧力と、化学物質製造設備16に供給される合成ガスの成分、熱量および圧力とに基づいて決定される。
また、ガスタービン8,33に供給される合成ガスの成分、熱量および圧力はそれぞれ、ガスタービン8,33の上流近傍に設けられた成分計(図示せず)、熱量計(図示せず)および圧力計(図示せず)によって計測され、化学物質製造設備16に供給される合成ガスの成分、熱量および圧力はそれぞれ、化学物質製造設備16の上流近傍に設けられた成分計(図示せず)、熱量計(図示せず)および圧力計(図示せず)によって計測される。
【0042】
一方、ガスタービン8から排熱回収ボイラ9に導かれた排ガスの一部は、配管18を介して空気吹き石炭ガス化複合発電設備2の石炭乾燥・微粉炭化設備5および酸素吹き石炭ガス化複合発電設備32の石炭乾燥・微粉炭化設備5に供給され、石炭を乾燥させる乾燥用ガス(Coal Drying gas)として利用(使用)される。
また、石炭ガス化複合発電設備31を運転するのに必要な電力は、ガスタービン8および蒸気タービン10によって駆動される発電機(図示せず)から供給される。
【0043】
本実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備31によれば、配管17を介して余剰の合成ガスが、空気吹き石炭ガス化複合発電設備2のガス精製設備7から酸素吹き石炭ガス化複合発電設備32のガスタービン33に、あるいは酸素吹き石炭ガス化複合発電設備32のガス精製設備7から空気吹き石炭ガス化複合発電設備2のガスタービン8に供給され、ガスタービン8,33の燃料として利用(使用)される。
これにより、プラント全体の効率を向上させるおよび/または経済性を向上させることができる。
【0044】
また、本実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備31によれば、ガス精製設備7の下流側に化学物質製造設備16が設けられており、空気吹き石炭ガス化複合発電設備2のガス精製設備7で処理された合成ガス、および/または酸素吹き石炭ガス化複合発電設備32のガス精製設備7で処理された合成ガスが、化学物質製造設備16に導かれ、余剰の合成ガスが、空気吹き石炭ガス化複合発電設備2のガス精製設備7、および/または酸素吹き石炭ガス化複合発電設備32のガス精製設備7から化学物質製造設備16に供給され、化学物質を製造する原料として利用(使用)される。
これにより、さらにプラント全体の効率を向上させるおよび/または経済性を向上させることができる。
【0045】
さらに、本実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備31によれば、ガスタービン8から排熱回収ボイラ9に導かれた排ガスの一部が、空気吹き石炭ガス化複合発電設備2の石炭乾燥・微粉炭化設備5、および酸素吹き石炭ガス化複合発電設備32の石炭乾燥・微粉炭化設備5に導く配管18を備えており、石炭乾燥・微粉炭化設備5において石炭に含まれる水分の低減が図られ、乾燥した微粉炭が空気吹ガス化炉6および酸素吹ガス化炉15に投入されることになる。
これにより、さらにプラント全体の効率を向上させるおよび/または経済性を向上させることができる。
【0046】
さらにまた、本実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備31によれば、空気吹き石炭ガス化複合発電設備2のガスタービン8、酸素吹き石炭ガス化複合発電設備32のガスタービン33、化学物質製造設備16に導かれる合成ガスの割合が、ガスタービン8,33に供給される合成ガスの成分、熱量および圧力と、化学物質製造設備16に供給される合成ガスの成分、熱量および圧力とに基づいて決定されるように構成されており、空気吹き石炭ガス化複合発電設備2のガスタービン8、酸素吹き石炭ガス化複合発電設備32のガスタービン33、化学物質製造設備16に、プラント全体の効率および/または経済性最も高めることのできる合成ガスがそれぞれ供給される。
これにより、さらにプラント全体の効率を向上させるおよび/または経済性を向上させることができる。
【0047】
さらにまた、本実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備31によれば、ASU11を運転するのに必要な電力が、ガスタービン8および蒸気タービン10によって駆動される発電機から供給され、ASU11が運転される。
これにより、プラント全体の効率を向上させるおよび/または経済性を向上させることができる。
【0048】
本発明に係る石炭ガス化複合発電設備の第4実施形態を図4に基づいて説明する。図4は本実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備の概略全体構成図である。
本実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備41は、配管17,37が省略され、配管18の代わりに配管22,23が設けられているという点で上述した第3実施形態のものと異なる。その他の構成要素については上述した第3実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
【0049】
図4に示すように、配管22は、ガスタービン8から排熱回収ボイラ9に導かれた排ガスの一部を、空気吹き石炭ガス化複合発電設備2の石炭乾燥・微粉炭化設備5に供給して、石炭を乾燥させる乾燥用ガス供給管である。
配管23は、空気とNとの混合ガスを、酸素吹き石炭ガス化複合発電設備32の石炭乾燥・微粉炭化設備5に供給して、石炭を乾燥させる乾燥用ガス供給管である。また、配管23の途中には、例えば、蒸気によって酸素吹き石炭ガス化複合発電設備32の石炭乾燥・微粉炭化設備5に供給される混合ガスを加熱する熱交換器24が設けられている。
なお、石炭ガス化複合発電設備41を運転するのに必要な電力は、第3実施形態のものと同様、ガスタービン8および蒸気タービン10によって駆動される発電機(図示せず)から供給される。
【0050】
本実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備41によれば、ASU11を運転するのに必要な電力が、ガスタービン8および蒸気タービン10によって駆動される発電機から供給され、ASU11が運転される。
これにより、プラント全体の効率を向上させるおよび/または経済性を向上させることができる。
【0051】
また、本実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備41によれば、ガスタービン8から排熱回収ボイラ9に導かれた排ガスの一部が、空気吹き石炭ガス化複合発電設備2の石炭乾燥・微粉炭化設備5に導く配管22を備えており、石炭乾燥・微粉炭化設備5において石炭に含まれる水分の低減が図られ、乾燥した微粉炭が空気吹ガス化炉6に投入されることになる。
これにより、さらにプラント全体の効率を向上させるおよび/または経済性を向上させることができる。
【0052】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種変更・変形が可能である。
また、第3実施形態および第4実施形態において説明したガスタービン33、排熱回収ボイラ34、蒸気タービン35、煙突36は、発電需要の高い時期や時間帯のみ運転させるようにすることもできる。
【符号の説明】
【0053】
1 石炭ガス化複合発電設備
2 空気吹き石炭ガス化複合発電設備
3 酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備
5 石炭乾燥・微粉炭化設備
6 空気吹ガス化炉
7 ガス精製設備
8 ガスタービン
9 排熱回収ボイラ
10 蒸気タービン
11 ASU(空気分離装置)
15 酸素吹ガス化炉
16 化学物質製造設備
17 配管(第1の配管)
18 配管(第2の配管)
21 石炭ガス化複合発電設備
22 配管
31 石炭ガス化複合発電設備
32 酸素吹き石炭ガス化複合発電設備
33 ガスタービン
41 石炭ガス化複合発電設備

【特許請求の範囲】
【請求項1】
石炭乾燥・微粉炭化設備と、空気吹ガス化炉と、ガス精製設備と、ガスタービンと、排熱回収ボイラと、蒸気タービンとを備えた空気吹き石炭ガス化複合発電設備と、
石炭乾燥・微粉炭化設備と、酸素吹ガス化炉と、ガス精製設備と、化学物質製造設備とを備えた酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備とを具備しており、
前記空気吹き石炭ガス化複合発電設備の前記ガス精製設備で処理された合成ガスを、前記酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備の前記化学物質製造設備に、あるいは前記酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備の前記ガス精製設備で処理された合成ガスを、前記空気吹き石炭ガス化複合発電設備の前記ガスタービンに導く第1の配管を備えていることを特徴とする石炭ガス化複合発電設備。
【請求項2】
石炭乾燥・微粉炭化設備と、空気吹ガス化炉と、ガス精製設備と、ガスタービンと、排熱回収ボイラと、蒸気タービンとを備えた空気吹き石炭ガス化複合発電設備と、
石炭乾燥・微粉炭化設備と、酸素吹ガス化炉と、ガス精製設備とを備えた酸素吹き石炭ガス化複合発電設備とを具備しており、
前記酸素吹き石炭ガス化複合発電設備の前記ガス精製設備で処理された合成ガスを、前記空気吹き石炭ガス化複合発電設備の前記ガスタービンに導く第1の配管を備えていることを特徴とする石炭ガス化複合発電設備。
【請求項3】
前記空気吹きおよび/または酸素吹き石炭ガス化炉の下流側の前記ガス精製設備の下流側に化学物質製造設備が設けられており、前記空気吹き石炭ガス化複合発電設備の前記ガス精製設備で処理された合成ガス、および/または前記酸素吹き石炭ガス化複合発電設備の前記ガス精製設備で処理された合成ガスが、前記化学物質製造設備に導かれるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の石炭ガス化複合発電設備。
【請求項4】
前記空気吹き石炭ガス化炉下流側の前記ガスタービンから前記排熱回収ボイラに導かれた排ガスの一部を、前記空気吹き石炭ガス化複合発電設備の石炭乾燥・微粉炭化設備、および前記酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備の石炭乾燥・微粉炭化設備に導く第2の配管を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の石炭ガス化複合発電設備。
【請求項5】
前記空気吹き石炭ガス化複合発電設備の前記ガスタービン、前記酸素吹き石炭ガス化複合発電設備の前記ガスタービン、前記化学物質製造設備に導かれる合成ガスの割合は、前記ガスタービンに供給される合成ガスの成分、熱量および圧力と、前記化学物質製造設備に供給される合成ガスの成分、熱量および圧力とに基づいて決定されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の石炭ガス化複合発電設備。
【請求項6】
石炭乾燥・微粉炭化設備と、空気吹ガス化炉と、ガス精製設備と、ガスタービンと、排熱回収ボイラと、蒸気タービンとを備えた空気吹き石炭ガス化複合発電設備と、
石炭乾燥・微粉炭化設備と、酸素吹ガス化炉と、ガス精製設備と、化学物質製造設備と、空気分離装置とを備えた酸素吹き石炭ガス化化学物質製造設備とを具備しており具備しており、
前記空気分離装置を運転するのに必要な電力が、前記ガスタービンおよび前記蒸気タービンによって駆動される発電機によって発電された所内電力から供給されるように構成されていることを特徴とする石炭ガス化複合発電設備。
【請求項7】
石炭乾燥・微粉炭化設備と、空気吹ガス化炉と、ガス精製設備と、ガスタービンと、排熱回収ボイラと、蒸気タービンとを備えた空気吹き石炭ガス化複合発電設備と、
石炭乾燥・微粉炭化設備と、酸素吹ガス化炉と、ガス精製設備と空気分離装置とを備えた酸素吹き石炭ガス化複合発電設備とを具備しており、
前記空気分離装置を運転するのに必要な電力が、前記ガスタービンおよび前記蒸気タービンによって駆動される発電機から供給されるように構成されていることを特徴とする石炭ガス化複合発電設備。
【請求項8】
前記ガスタービンから前記排熱回収ボイラに導かれた排ガスの一部を、前記空気吹き石炭ガス化複合発電設備の石炭乾燥・微粉炭化設備に導く配管を備えていることを特徴とする請求項6または7に記載の石炭ガス化複合発電設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−122490(P2011−122490A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−279573(P2009−279573)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】