砥石台金、取外し治具、研削盤及び砥石台金の取外し方法
【課題】取付け部から簡便に取外し可能な砥石台金、取付け部から簡便に砥石台金を取外し可能な取外し治具、取付け部から簡便に取外し可能な砥石台金を備える研削盤、及び取付け部から砥石台金を簡便に取外すための取外し方法を提供する。
【解決手段】研削盤100において、砥石台金38の座ぐり孔50aの内周面には、雌ネジ部50Fが形成されている。また、治具200において、挿通部212は、砥石台金38の挿通孔50bよりも長く、ボス軸部221の外周面には、座ぐり孔50aの雌ネジ部50Fに螺合される雄ねじ部221Mが形成されている。
【解決手段】研削盤100において、砥石台金38の座ぐり孔50aの内周面には、雌ネジ部50Fが形成されている。また、治具200において、挿通部212は、砥石台金38の挿通孔50bよりも長く、ボス軸部221の外周面には、座ぐり孔50aの雌ネジ部50Fに螺合される雄ねじ部221Mが形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、砥石台金、取外し治具、研削盤及び砥石台金の取外し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウェハ(以下、「ワーク」という。)を研削する手法の一つとして、ワークと砥石台金の両方を回転させることによって、ワークの研削面を砥石によって連続的に切り込むインフィード研削法が広く知られている(例えば、特許文献1参照)。なお、砥石台金は、台座と砥石とによって構成されている。台座は、ワークと対向する第1面と、第1面の反対に設けられる第2面とを有しており、砥石は、台座の第1面上において環状に形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−125678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の研削盤において、砥石台金は、所定軸を中心として回転する取付け部の取付け面に固定ボルトによって固定されている。このような研削盤では、ワークの研削精度の向上を目的として、取付け部の取付け面および台座の第2面それぞれの面粗度は極めて低くされている。そのため、砥石台金と取付け部とが互いに密着しているので、砥石台金を交換する場合には、固定ボルトを取り外した後に砥石台金を取付け部から引き剥がす必要がある。
そこで、固定ボルトよりも長尺のボルトを、砥石台金に形成された固定ボルト用のボルト孔にねじ込み、長尺のボルトの先端で取付け面を押すことによって、砥石台金を取付け部から引き剥がす手法が考えられる。しかしながら、本手法では、長尺のボルトの先端が押圧されることによって取付け面に凹凸が形成されてしまうので、砥石台金と取付け部との密着性を維持することが困難である。従って、本手法を上記特許文献1に記載の研削盤に採用することは適切ではない。
【0005】
一方で、誘導発熱ローラ装置において、ローラシェルに固定ボルトで固定されたジャーナルをローラシェルから取り外す場合に、固定ボルトに代えてジャーナルにねじ込まれる押しボルトによってローラシェルをジャーナルから押し離す手法が提案されている(特開2001−210449号公報)。しかしながら、本手法では、固定ボルトの軸部が挿通される挿通孔の内周面に、押しボルトの雄ネジ部に螺合される雌ネジ部が形成されている。そのため、挿通孔の内周面に形成された雌ネジ部が、固定ボルトの軸部との干渉によって損傷するおそれがある。従って、本手法を上記特許文献1に記載の研削盤に採用することも適切ではない。
【0006】
本発明は、上述の状況に鑑みてなされたものであり、取付け部から簡便に取外し可能な砥石台金、取付け部から簡便に砥石台金を取外し可能な取外し治具、取付け部から簡便に取外し可能な砥石台金を備える研削盤、及び取付け部から砥石台金を簡便に取外すための取外し方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様に係る砥石台金は、固定ボルトによって取付け部に固定される砥石台金であって、第1面と、第1面の反対に設けられる第2面と、第1面から第2面まで貫通する貫通孔と、を含む台座と、台座の第1面上において環状に形成される砥石と、を備える。貫通孔は、第1面に開口し第1内径を有する座ぐり孔と、座ぐり孔に連なり第1内径よりも小さい第2内径を有する挿通孔と、を有する。座ぐり孔は、内周面に形成される雌ネジ部を有する。
【0008】
第2の態様に係る砥石台金は、第1の態様に係り、貫通孔と同じ構成をそれぞれ有する複数の貫通孔を備える。複数の貫通穴は、第1面の平面視において、台座の回転中心を基準として点対称に配置されている。
【0009】
第3の態様に係る治具は、固定ボルトによって取付け部に固定された砥石台金を取付け部から取り外すために用いられる治具であって、支持部材と、ボス部材と、を備える。支持部材は、雄ネジ部を有する円柱状の支持軸部と、支持軸部に連なり、固定ボルトの軸部を挿通するために砥石台金に設けられる挿通孔よりも長い円柱状の挿通部と、挿通部の端面から突出する円柱状のシャフト部と、を有する。ボス部材は、固定ボルトの頭部を収容するために砥石台金に設けられる座ぐり孔の内周面に形成された雌ネジ部に対応する雄ネジ部を有するボス軸部と、ボス軸部の軸心に沿って形成されるシャフト孔と、を有する。
【0010】
第4の態様に係る研削盤は、砥石台金と、取付け部と、を備える。砥石台金は、第1面と、第1面の反対に設けられる第2面と、第1面から第2面まで貫通する貫通孔と、を含む台座と、台座の第1面上において環状に形成される砥石と、を有する。取付け部は、第2面に当接される取付け面と、第2面に開口し貫通孔に連なるネジ穴と、を有する。貫通孔は、第1面に開口し第1内径を有する座ぐり孔と、座ぐり孔に連なり第1内径よりも小さい第2内径を有する挿通孔と、を有する。座ぐり孔は、内周面に形成される雌ネジ部を有する。
【0011】
第5の態様に係る研削盤は、支持部材と、ボス部材と、を有する治具をさらに備える。支持部材は、雄ネジ部を有する円柱状の支持軸部と、支持軸部に連なり挿通孔よりも長い円柱状の挿通部と、挿通部の端面から突出する円柱状のシャフト部と、を有する。ボス部材は、座ぐり孔の雌ネジ部に対応する雄ネジ部を有するボス軸部と、ボス軸部の軸心に沿って形成されるシャフト孔と、を有する。
【0012】
第6の態様に係る取り外し方法は、固定ボルトによって取付け部に固定された砥石台金を取付け部から取り外すための取外し方法であって、砥石台金に設けられた挿通孔に挿通されるとともに取付け部のネジ穴にねじ込まれた固定ボルトを抜き取る工程と、雄ネジ部を有する円柱状の支持軸部と、支持軸部に連なり挿通孔よりも長い円柱状の挿通部と、挿通部の端面から突出する円柱状のシャフト部と、を有する支持部材を準備する工程と、砥石台金の挿通孔に支持軸部を挿通させた後に、取付け部のネジ穴に支持軸部をねじ込む工程と、砥石台金に設けられた座ぐり孔の内周面に形成される雌ネジ部に対応する雄ネジ部を有するボス軸部と、ボス軸部の軸心に沿って形成されるシャフト孔と、を有するボス部材を準備する工程と、ボス部材のシャフト孔に支持部材のシャフト部を挿入する工程と、座ぐり孔の雌ネジ部にボス軸部の雄ネジ部をねじ込む工程と、を備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、取付け部から簡便に取外し可能な砥石台金、取付け部から簡便に砥石台金を取外し可能な取外し治具、取付け部から簡便に取外し可能な砥石台金を備える研削盤、及び取付け部から砥石台金を簡便に取外すための取外し方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】研削盤100の構成を示す側面図である。
【図2】取付け部37および砥石台金38をワーク支持装置20側から見た平面図である。
【図3】図2の折れ線III−IIIにおける断面図である。
【図4】図3から固定ボルト39を省略した図である。
【図5】治具200の構成を示す断面図である。
【図6】取付け部37から砥石台金38を取り外す方法を説明するための断面図である。
【図7】取付け部37から砥石台金38を取り外す方法を説明するための断面図である。
【図8】取付け部37から砥石台金38を取り外す方法を説明するための断面図である。
【図9】取付け部37から砥石台金38を取り外す方法を説明するための断面図である。
【図10】取付け部37から砥石台金38を取り外す方法を説明するための断面図である。
【図11】治具200の支持部材210の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なっている場合がある。従って、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0016】
(研削盤100の全体構成)
実施形態に係る研削盤100の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係る研削盤100の構成を示す側面図である。
研削盤100は、機台10と、ワーク支持装置20と、研削加工装置30と、を備える。
【0017】
機台10は、ワーク支持装置20と研削加工装置30を支持するテーブルである。
ワーク支持装置20は、ワーク台21と、スピンドル22と、駆動モータ23と、チャック24と、を有する。
ワーク台21は、機台10上に固定される。スピンドル22は、ワーク回転中心22Aを中心として回転可能にワーク台21に支持される。駆動モータ23は、ワーク回転中心22Aを中心としてスピンドル22を回転させる。チャック24は、ワークW(例えば、半導体ウェハなど)を保持する。チャック24は、スピンドル22に固定されており、スピンドル22とともにワーク回転中心22Aを中心として回転する。
【0018】
研削加工装置30は、固定台31と、送り台32と、送り駆動部33と、支持台34と、スピンドル35と、駆動モータ36と、取付け部37と、砥石台金38と、を有する。
固定台31は、機台10上に固定される。送り台32は、固定台31上において送り方向Xに沿って移動可能に支持される。送り駆動部33は、送り方向Xに沿って送り台32を移動させる。支持台34は、送り台32上に固定される。スピンドル35は、砥石回転中心35Aを中心として回転可能に支持台34に支持される。駆動モータ36は、砥石回転中心35Aを中心としてスピンドル35を回転させる。
【0019】
取付け部37は、砥石台金38を保持する。取付け部37は、スピンドル35に固定されており、スピンドル35とともに砥石回転中心35Aを中心として回転する。砥石台金38は、取付け部37に取付けられる。砥石台金38は、スピンドル35及び取付け部37とともに砥石回転中心35Aを中心として回転する。回転する砥石台金38(具体的には、後述する砥石382)がワークWに押し付けられることによって、ワークWが研削される。
【0020】
(取付け部37、砥石台金38の構成)
次に、取付け部37および砥石台金38の構成について、図面を参照しながら説明する。図2は、取付け部37および砥石台金38をワーク支持装置20側から見た平面図である。図3は、図2の折れ線III−IIIにおける断面図である。
図2および図3に示すように、砥石台金38は、6本の固定ボルト39によって取付け部37に固定される。6本の固定ボルト39は、軸部39aと頭部39bとによって構成される。軸部39aは、外周面に形成される雄ネジ部を含んでおり、外径e1を有する。頭部39bは、軸部39aの端部に連なっており、外径e1より大きい外径e2を有する。
【0021】
1.取付け部37
取付け部37は、取付け面37Sと、凸部37Tと、6つのネジ穴40と、を有する。
取付け面37Sは、砥石回転中心35Aを中心とする円環状に形成されており、砥石台金38を支持する。取付け面37Sは、極めて低い面粗度を有する。凸部37Tは、砥石回転中心35Aを中心とする円板状に形成されている。6つのネジ穴40は、取付け面37Sに形成される。図示しないが、6つのネジ穴40は、取付け面37Sの平面視において、砥石回転中心35Aを基準として点対称に配置されている。各ネジ穴40には、固定ボルト39の軸部39aの先端がねじ込まれる。ネジ穴40の構成については後述する。
【0022】
2.砥石台金38
砥石台金38は、台座381と、砥石382と、を有する。
台座381は、取付け部37の取付け面37S上に配置される。台座381は、砥石回転中心35Aを中心とする円環状に形成された板状部材である。台座381は、取付け部37の凸部37Tの外周に嵌め込まれる。台座381は、第1面S1と、第2面S2と、2つの第1貫通孔50(「複数の貫通孔」の一例)と、4つの第2貫通孔60と、を有する。
【0023】
第1面S1は、ワークW(図1参照)と対向する。第2面S2は、第1面S1の反対に設けられており、取付け部37の取付け面37Sに当接される。第2面S2は、取付け面37Sと同様に極めて低い面粗度を有しているので、固定ボルト39によって取付け部37に押しつけられることにより取付け面37Sに密着する。そのため、固定ボルト39を抜き取っても、砥石台金38を取付け部37から引き離すことは容易ではない。砥石台金38を取付け部37から取外すために用いられる治具、及び砥石台金38を取付け部37から取外す方法については後述する。
【0024】
2つの第1貫通孔50それぞれは、第1面S1から第2面S2まで台座381を貫通する。2つの第1貫通孔50は、図2に示すように、第1面S1の平面視において、砥石回転中心35Aを基準として点対称、かつ、砥石回転中心35Aを通る一直線上に配置されている。4つの第2貫通孔60それぞれは、第1面S1から第2面S2まで台座381を貫通する。4つの第2貫通孔60は、図2に示すように、第1面S1の平面視において、砥石回転中心35Aを基準として点対称に配置されている。第1貫通孔50および第2貫通孔60の構成については後述する。
【0025】
砥石382は、台座381の第1面S1上に配置される。砥石382は、砥石回転中心35Aを中心とする環状に形成されている。砥石382は、図2に示すように、第1面S1の外縁と2つの第1貫通孔50及び4つの第2貫通孔60との間に配置される。砥石382のサイズは適宜設定できるが、例えば高さ約5mm、幅約3mm程度に設定することができる。
【0026】
(ネジ穴40、第1貫通孔50、第2貫通孔60の構成)
次に、図面を参照しながら、第1貫通孔50、第2貫通孔60およびネジ穴40の詳細な構成について説明する。図4は、図3から固定ボルト39を省略した図である。
1.ネジ穴40
図4に示すように、ネジ穴40は、固定ボルト39の軸部39aをねじ込むために取付け面37Sに開口する孔である。ネジ穴40の内周面には、軸部39aの雄ネジ部に螺合される雌ネジ部40Fが形成されている。ネジ穴40は、軸部39aの外径e1にほぼ等しいネジ谷径f1を有する。
【0027】
なお、6つのネジ穴40のうち4つのネジ穴40それぞれは、第1貫通孔50に連なっており、6つのネジ穴40のうち2つのねじ穴それぞれは、第2貫通孔60に連なっている。
【0028】
2.第1貫通孔50
図4に示すように、第1貫通孔50は、座ぐり孔50aと、座ぐり孔50aに繋がる挿通孔50bとによって構成されている。
座ぐり孔50aは、固定ボルト39の頭部39bを収容するために第1面S1に開口する凹部である。従って、座ぐり孔50aは、固定ボルト39の頭部39bの外径e2よりも大きな内径f2を有する。また、本実施形態において、座ぐり孔50aの内周面には、後述するボス部材に螺合される雌ネジ部50Fが形成されている。座ぐり孔50aは、内径f2よりも大きなネジ谷径f3を有する。また、座ぐり孔50aは、砥石回転中心35Aに沿って延びており、長さd1を有する。なお、雌ネジ部50Fは、固定ボルト39との関係においては何ら機能を発揮しない。
【0029】
挿通孔50bは、固定ボルト39の軸部39aを挿通させるために座ぐり孔50aから第2面S2まで形成された孔である。従って、挿通孔50bは、第2面S2に開口しており、固定ボルト39の軸部39aの外径e1よりも大きな内径f4を有する。また、挿通孔50bは、砥石回転中心35Aに沿って延びており、長さh1を有する。なお、挿通孔50bの内周面には、雌ネジ部は形成されていない。
【0030】
3.第2貫通孔60
図4に示すように、第2貫通孔60は、座ぐり孔60aと、座ぐり孔60aに繋がる挿通孔60bとによって構成されている。座ぐり孔60aは、内周面に雌ネジ部が形成されていない点を除いて、第1貫通孔50の座ぐり孔50aと同じ構成を有する。また、挿通孔60bは、挿通孔50bと同じ構成を有する。
【0031】
(治具200の構成)
次に、砥石台金38を取付け部37から取り外すために用いられる治具200の構成について、図面を参照しながら説明する。図5は、治具200の構成を示す断面図である。図5に示すように、治具200は、支持部材210と、ボス部材220と、を備える。
【0032】
1.支持部材210
支持部材210は、支持軸部211と、挿通部212と、シャフト部213と、を有する。
支持軸部211は、取付け部37のネジ穴40にねじ込まれる円柱状の部材である。支持軸部211の外周面には、ネジ穴40の雌ネジ部40Fに螺合される雄ねじ部211Mが形成されている。支持軸部211は、固定ボルト39の軸部39aの外径e1にほぼ等しい外径g1を有する。
挿通部212は、支持軸部211に連なる円柱状の部材である。挿通部212は、砥石台金38の第1貫通孔50のうち挿通孔50bに挿通される。挿通部212は、挿通孔50bの内径f4よりも小さく、かつ、ネジ穴40のネジ谷径f1よりも大きな外径g2を有する。また、挿通部212は、治具200の中心軸200Aに沿って延びており、挿通孔50bの長さh1よりも大きな長さh2を有する。また、挿通部212は、ボス部材220が当接される端面212Sを有する。
【0033】
シャフト部213は、挿通部212の端面212Sから突出するように形成される円柱状の部材である。シャフト部213は、挿通部212の外径g2よりも小さい外径g3を有する。シャフト部213は、挿通部212の端面212Sの中心に立設されている。シャフト部213の端部には、例えばマイナスドライバーなどを噛み合わせるための溝213aが形成されている。
【0034】
2.ボス部材220
ボス部材220は、ボス軸部221と、ボス頭部222と、シャフト孔223と、を有する。
ボス軸部221は、砥石台金38の座ぐり孔50aにねじ込まれる円柱状の部材である。ボス軸部221の外周面には、座ぐり孔50aの雌ネジ部50Fに螺合される雄ねじ部221Mが形成されている。ボス軸部221は、座ぐり孔50aのネジ谷径f3にほぼ等しい外径g4を有する。また、ボス軸部221は、治具200の中心軸200Aに沿って延びており、座ぐり孔50aの長さd1にほぼ等しい長さd2を有する。また、ボス軸部221は、挿通部212の端面212Sと対向する対向面221Sを有する。対向面221Sにはシャフト孔223が形成されている。なお、ボス軸部221の軸心は、治具200の中心軸200Aと一致する。
【0035】
ボス頭部222は、ボス軸部221と一体的に形成されている。ボス頭部222は、工具を用いてボス部材220を回転させる際に、工具に嵌め合わされる。従って、ボス頭部222は、使用される工具に対応する形状を有していればよい。
シャフト孔223は、支持部材210のシャフト部213を挿入するための孔である。シャフト孔223は、ボス軸部221の対向面221Sに開口している。シャフト孔223は、ボス軸部221の軸心に沿って形成されている。シャフト孔223は、挿通部212の外径g2よりも小さく、かつ、シャフト部213の外径g3よりも大きい外径g5を有する。
【0036】
(取付け部37から砥石台金38を取り外す方法)
次に、取付け部37から砥石台金38を取り外す方法について、図面を参照しながら説明する。図6〜図10は、取付け部37から砥石台金38を取り外す方法を説明するための断面図である。
まず、図6に示すように、砥石台金38に設けられた挿通孔50bに挿通されるとともに取付け部37のネジ穴40にねじ込まれた固定ボルト39を抜き取る。
【0037】
次に、図7に示すように、上述の支持部材210を準備して、砥石台金38の挿通孔50bに支持軸部211を挿通させた後に、取付け部37のネジ穴40に支持軸部211をねじ込む。具体的には、例えばマイナスドライバーをシャフト部213の溝213aに噛み合わせてシャフト部213を治具200の中心軸200A周りに回転させることによって、支持軸部211の雄ねじ部211Mをネジ穴40の雌ネジ部40Fに螺合させる。この場合、挿通部212の長さh2が挿通孔50bの長さh1よりも大きいので、挿通部212の肩部212aが、挿通孔50bから座ぐり孔50a内にはみ出る。そのため、挿通部212の端面212Sは、座ぐり孔50aの底面から第1面S1側に突出する。また、挿通部212の外径g2が挿通孔50bの内径f4よりも小さいので、挿通部212は、挿通孔50bの内周面から離間する。
次に、図8に示すように、上述のボス部材220を準備して、ボス部材220のシャフト孔223に支持部材210のシャフト部213を挿入する。
【0038】
次に、図9に示すように、座ぐり孔50aにボス部材220をねじ込む。具体的には、工具(不図示)をボス頭部222の外周に嵌め合わせてボス頭部222を治具200の中心軸200A周りに回転させることによって、ボス軸部221の雄ねじ部221Mを座ぐり孔50aの雌ネジ部50Fに螺合させる。この場合、ボス頭部222の回転を進めるうちにボス軸部221は挿通部212の肩部212aに当接する。すなわち、ボス軸部221の対向面221Sは、挿通部212の端面212Sと接触する。そして、ボス軸部221を挿通部212の肩部212aに当接させた状態(すなわち、取付け部37に対するボス部材200の位置を固定した状態)でボス頭部222をさらに回転せると、ボス頭部222の回転に伴って砥石台金38がボス部材220に引き寄せられる。その結果、図10に示すように、砥石台金38が取付け部37から引き離される。
なお、本実施形態では、挿通部212の長さh2が挿通孔50bの長さh1よりも大きく、かつ、ボス軸部221の長さd2が座ぐり孔50aの長さd1にほぼ等しいので、ボス軸部221が座ぐり孔50aに完全に嵌まり込んでしまうことはない。
【0039】
(作用及び効果)
実施形態に係る研削盤100において、砥石台金38の座ぐり孔50aの内周面には、雌ネジ部50Fが形成されている。また、治具200において、挿通部212は、砥石台金38の挿通孔50bよりも長く、ボス軸部221の外周面には、座ぐり孔50aの雌ネジ部50Fに螺合される雄ねじ部221Mが形成されている。
【0040】
そのため、ボス軸部221を挿通部212に当接させた状態で座ぐり孔50aの雌ネジ部50Fにボス軸部221の雄ねじ部221Mを螺合させることによって、砥石台金38を取付け部37から引き離すことができる。従って、砥石台金38を取付け部37から簡便に取り外すことができる。
また、支持部材210において、支持軸部211が取付け部37のネジ穴40にねじ込まれることによって取付け部37に支持される。そのため、支持部材210が取付け部37の取り付け面37Sと擦れることによって取り付け面37Sが傷つくことを抑制することができる。
さらに、挿通孔50bの内周面には雌ネジ部が形成されていないので、固定ボルト39が挿通孔50bの内周面と擦れることによって挿通孔50bの内周面が傷つくことを抑制することができる。
【0041】
(その他の実施形態)
本発明は上記の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
(A)上記実施形態において、治具200の支持部材210において、挿通部212は、支持軸部211の外径g1よりも大きい外径g2を有することとしたが、これに限られるものではない。図11に示すように、挿通部212の外径g2は、支持軸部211の外径g1にほぼ等しくてもよい。
【0042】
(B)上記実施形態において、砥石台金38の台座381は、2つの第1貫通孔50と4つの第2貫通孔60とを有することとしたが、これに限られるものではない。台座381は、1つ又は3つ以上の第1貫通孔50を有していてもよい。また、台座381は、第2貫通孔60に代えて第1貫通孔50を有していてもよい。これによって、台座381が複数の第1貫通孔50を有する場合には、複数の冶具200を用いることによってバランスよく砥石台金38を取り外すことができる。さらに、第1貫通孔50の数が少ないほど砥石台金38を取り外す際の作業性を向上させることができる。
【0043】
(C)上記実施形態において、第2貫通孔60は、雌ねじ部50Fを有していない点以外は第1貫通孔50と同じ構成を有することとしたが、これに限られるものではない。第2貫通孔60は、第1貫通孔50と全く異なる構成を有していてもよい。この場合、第2貫通孔60には、固定ボルト39とは異なる固定具が取り付けられてもよい。
【0044】
(D)上記実施形態において、各部材の寸法について説明したが、以下の大小関係を満たす限りにおいて、各部材の寸法は変更することができる。
(i)ネジ穴40のネジ谷径f1≒軸部39aの外径e1≒支持軸部211の外径g1
(ii)座ぐり孔50aの内径f2>頭部39bの外径e2
(iii)座ぐり孔50aのネジ谷径f3≒ボス軸部221の外径g4
(iv)挿通孔50bの内径f4>挿通部212の外径g2
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0045】
100…研削盤、10…機台、20…ワーク支持装置、21…ワーク台、22…スピンドル、23…駆動モータ、24…チャック、30…研削加工装置、31…固定台、32…送り台、33…送り駆動部、34…支持台、35…スピンドル、36…駆動モータ、37…取付け部、37S…取付け面、37T…凸部、38…砥石台金、381…台座、S1…第1面、S2…第2面、382…砥石、39…固定ボルト、39a…軸部、39b…頭部、40…ネジ穴、50…第1貫通孔、50a…座ぐり孔、50F…雌ネジ部、50b…挿通孔、60…第2貫通孔、200…治具、210…支持部材、211…支持軸部、212…挿通部、213…シャフト部、220…ボス部材、221…ボス軸部、221M…雄ねじ部、222…ボス頭部、223…シャフト孔、W…ワーク、35A…砥石回転中心
【技術分野】
【0001】
本発明は、砥石台金、取外し治具、研削盤及び砥石台金の取外し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウェハ(以下、「ワーク」という。)を研削する手法の一つとして、ワークと砥石台金の両方を回転させることによって、ワークの研削面を砥石によって連続的に切り込むインフィード研削法が広く知られている(例えば、特許文献1参照)。なお、砥石台金は、台座と砥石とによって構成されている。台座は、ワークと対向する第1面と、第1面の反対に設けられる第2面とを有しており、砥石は、台座の第1面上において環状に形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−125678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の研削盤において、砥石台金は、所定軸を中心として回転する取付け部の取付け面に固定ボルトによって固定されている。このような研削盤では、ワークの研削精度の向上を目的として、取付け部の取付け面および台座の第2面それぞれの面粗度は極めて低くされている。そのため、砥石台金と取付け部とが互いに密着しているので、砥石台金を交換する場合には、固定ボルトを取り外した後に砥石台金を取付け部から引き剥がす必要がある。
そこで、固定ボルトよりも長尺のボルトを、砥石台金に形成された固定ボルト用のボルト孔にねじ込み、長尺のボルトの先端で取付け面を押すことによって、砥石台金を取付け部から引き剥がす手法が考えられる。しかしながら、本手法では、長尺のボルトの先端が押圧されることによって取付け面に凹凸が形成されてしまうので、砥石台金と取付け部との密着性を維持することが困難である。従って、本手法を上記特許文献1に記載の研削盤に採用することは適切ではない。
【0005】
一方で、誘導発熱ローラ装置において、ローラシェルに固定ボルトで固定されたジャーナルをローラシェルから取り外す場合に、固定ボルトに代えてジャーナルにねじ込まれる押しボルトによってローラシェルをジャーナルから押し離す手法が提案されている(特開2001−210449号公報)。しかしながら、本手法では、固定ボルトの軸部が挿通される挿通孔の内周面に、押しボルトの雄ネジ部に螺合される雌ネジ部が形成されている。そのため、挿通孔の内周面に形成された雌ネジ部が、固定ボルトの軸部との干渉によって損傷するおそれがある。従って、本手法を上記特許文献1に記載の研削盤に採用することも適切ではない。
【0006】
本発明は、上述の状況に鑑みてなされたものであり、取付け部から簡便に取外し可能な砥石台金、取付け部から簡便に砥石台金を取外し可能な取外し治具、取付け部から簡便に取外し可能な砥石台金を備える研削盤、及び取付け部から砥石台金を簡便に取外すための取外し方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様に係る砥石台金は、固定ボルトによって取付け部に固定される砥石台金であって、第1面と、第1面の反対に設けられる第2面と、第1面から第2面まで貫通する貫通孔と、を含む台座と、台座の第1面上において環状に形成される砥石と、を備える。貫通孔は、第1面に開口し第1内径を有する座ぐり孔と、座ぐり孔に連なり第1内径よりも小さい第2内径を有する挿通孔と、を有する。座ぐり孔は、内周面に形成される雌ネジ部を有する。
【0008】
第2の態様に係る砥石台金は、第1の態様に係り、貫通孔と同じ構成をそれぞれ有する複数の貫通孔を備える。複数の貫通穴は、第1面の平面視において、台座の回転中心を基準として点対称に配置されている。
【0009】
第3の態様に係る治具は、固定ボルトによって取付け部に固定された砥石台金を取付け部から取り外すために用いられる治具であって、支持部材と、ボス部材と、を備える。支持部材は、雄ネジ部を有する円柱状の支持軸部と、支持軸部に連なり、固定ボルトの軸部を挿通するために砥石台金に設けられる挿通孔よりも長い円柱状の挿通部と、挿通部の端面から突出する円柱状のシャフト部と、を有する。ボス部材は、固定ボルトの頭部を収容するために砥石台金に設けられる座ぐり孔の内周面に形成された雌ネジ部に対応する雄ネジ部を有するボス軸部と、ボス軸部の軸心に沿って形成されるシャフト孔と、を有する。
【0010】
第4の態様に係る研削盤は、砥石台金と、取付け部と、を備える。砥石台金は、第1面と、第1面の反対に設けられる第2面と、第1面から第2面まで貫通する貫通孔と、を含む台座と、台座の第1面上において環状に形成される砥石と、を有する。取付け部は、第2面に当接される取付け面と、第2面に開口し貫通孔に連なるネジ穴と、を有する。貫通孔は、第1面に開口し第1内径を有する座ぐり孔と、座ぐり孔に連なり第1内径よりも小さい第2内径を有する挿通孔と、を有する。座ぐり孔は、内周面に形成される雌ネジ部を有する。
【0011】
第5の態様に係る研削盤は、支持部材と、ボス部材と、を有する治具をさらに備える。支持部材は、雄ネジ部を有する円柱状の支持軸部と、支持軸部に連なり挿通孔よりも長い円柱状の挿通部と、挿通部の端面から突出する円柱状のシャフト部と、を有する。ボス部材は、座ぐり孔の雌ネジ部に対応する雄ネジ部を有するボス軸部と、ボス軸部の軸心に沿って形成されるシャフト孔と、を有する。
【0012】
第6の態様に係る取り外し方法は、固定ボルトによって取付け部に固定された砥石台金を取付け部から取り外すための取外し方法であって、砥石台金に設けられた挿通孔に挿通されるとともに取付け部のネジ穴にねじ込まれた固定ボルトを抜き取る工程と、雄ネジ部を有する円柱状の支持軸部と、支持軸部に連なり挿通孔よりも長い円柱状の挿通部と、挿通部の端面から突出する円柱状のシャフト部と、を有する支持部材を準備する工程と、砥石台金の挿通孔に支持軸部を挿通させた後に、取付け部のネジ穴に支持軸部をねじ込む工程と、砥石台金に設けられた座ぐり孔の内周面に形成される雌ネジ部に対応する雄ネジ部を有するボス軸部と、ボス軸部の軸心に沿って形成されるシャフト孔と、を有するボス部材を準備する工程と、ボス部材のシャフト孔に支持部材のシャフト部を挿入する工程と、座ぐり孔の雌ネジ部にボス軸部の雄ネジ部をねじ込む工程と、を備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、取付け部から簡便に取外し可能な砥石台金、取付け部から簡便に砥石台金を取外し可能な取外し治具、取付け部から簡便に取外し可能な砥石台金を備える研削盤、及び取付け部から砥石台金を簡便に取外すための取外し方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】研削盤100の構成を示す側面図である。
【図2】取付け部37および砥石台金38をワーク支持装置20側から見た平面図である。
【図3】図2の折れ線III−IIIにおける断面図である。
【図4】図3から固定ボルト39を省略した図である。
【図5】治具200の構成を示す断面図である。
【図6】取付け部37から砥石台金38を取り外す方法を説明するための断面図である。
【図7】取付け部37から砥石台金38を取り外す方法を説明するための断面図である。
【図8】取付け部37から砥石台金38を取り外す方法を説明するための断面図である。
【図9】取付け部37から砥石台金38を取り外す方法を説明するための断面図である。
【図10】取付け部37から砥石台金38を取り外す方法を説明するための断面図である。
【図11】治具200の支持部材210の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なっている場合がある。従って、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0016】
(研削盤100の全体構成)
実施形態に係る研削盤100の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係る研削盤100の構成を示す側面図である。
研削盤100は、機台10と、ワーク支持装置20と、研削加工装置30と、を備える。
【0017】
機台10は、ワーク支持装置20と研削加工装置30を支持するテーブルである。
ワーク支持装置20は、ワーク台21と、スピンドル22と、駆動モータ23と、チャック24と、を有する。
ワーク台21は、機台10上に固定される。スピンドル22は、ワーク回転中心22Aを中心として回転可能にワーク台21に支持される。駆動モータ23は、ワーク回転中心22Aを中心としてスピンドル22を回転させる。チャック24は、ワークW(例えば、半導体ウェハなど)を保持する。チャック24は、スピンドル22に固定されており、スピンドル22とともにワーク回転中心22Aを中心として回転する。
【0018】
研削加工装置30は、固定台31と、送り台32と、送り駆動部33と、支持台34と、スピンドル35と、駆動モータ36と、取付け部37と、砥石台金38と、を有する。
固定台31は、機台10上に固定される。送り台32は、固定台31上において送り方向Xに沿って移動可能に支持される。送り駆動部33は、送り方向Xに沿って送り台32を移動させる。支持台34は、送り台32上に固定される。スピンドル35は、砥石回転中心35Aを中心として回転可能に支持台34に支持される。駆動モータ36は、砥石回転中心35Aを中心としてスピンドル35を回転させる。
【0019】
取付け部37は、砥石台金38を保持する。取付け部37は、スピンドル35に固定されており、スピンドル35とともに砥石回転中心35Aを中心として回転する。砥石台金38は、取付け部37に取付けられる。砥石台金38は、スピンドル35及び取付け部37とともに砥石回転中心35Aを中心として回転する。回転する砥石台金38(具体的には、後述する砥石382)がワークWに押し付けられることによって、ワークWが研削される。
【0020】
(取付け部37、砥石台金38の構成)
次に、取付け部37および砥石台金38の構成について、図面を参照しながら説明する。図2は、取付け部37および砥石台金38をワーク支持装置20側から見た平面図である。図3は、図2の折れ線III−IIIにおける断面図である。
図2および図3に示すように、砥石台金38は、6本の固定ボルト39によって取付け部37に固定される。6本の固定ボルト39は、軸部39aと頭部39bとによって構成される。軸部39aは、外周面に形成される雄ネジ部を含んでおり、外径e1を有する。頭部39bは、軸部39aの端部に連なっており、外径e1より大きい外径e2を有する。
【0021】
1.取付け部37
取付け部37は、取付け面37Sと、凸部37Tと、6つのネジ穴40と、を有する。
取付け面37Sは、砥石回転中心35Aを中心とする円環状に形成されており、砥石台金38を支持する。取付け面37Sは、極めて低い面粗度を有する。凸部37Tは、砥石回転中心35Aを中心とする円板状に形成されている。6つのネジ穴40は、取付け面37Sに形成される。図示しないが、6つのネジ穴40は、取付け面37Sの平面視において、砥石回転中心35Aを基準として点対称に配置されている。各ネジ穴40には、固定ボルト39の軸部39aの先端がねじ込まれる。ネジ穴40の構成については後述する。
【0022】
2.砥石台金38
砥石台金38は、台座381と、砥石382と、を有する。
台座381は、取付け部37の取付け面37S上に配置される。台座381は、砥石回転中心35Aを中心とする円環状に形成された板状部材である。台座381は、取付け部37の凸部37Tの外周に嵌め込まれる。台座381は、第1面S1と、第2面S2と、2つの第1貫通孔50(「複数の貫通孔」の一例)と、4つの第2貫通孔60と、を有する。
【0023】
第1面S1は、ワークW(図1参照)と対向する。第2面S2は、第1面S1の反対に設けられており、取付け部37の取付け面37Sに当接される。第2面S2は、取付け面37Sと同様に極めて低い面粗度を有しているので、固定ボルト39によって取付け部37に押しつけられることにより取付け面37Sに密着する。そのため、固定ボルト39を抜き取っても、砥石台金38を取付け部37から引き離すことは容易ではない。砥石台金38を取付け部37から取外すために用いられる治具、及び砥石台金38を取付け部37から取外す方法については後述する。
【0024】
2つの第1貫通孔50それぞれは、第1面S1から第2面S2まで台座381を貫通する。2つの第1貫通孔50は、図2に示すように、第1面S1の平面視において、砥石回転中心35Aを基準として点対称、かつ、砥石回転中心35Aを通る一直線上に配置されている。4つの第2貫通孔60それぞれは、第1面S1から第2面S2まで台座381を貫通する。4つの第2貫通孔60は、図2に示すように、第1面S1の平面視において、砥石回転中心35Aを基準として点対称に配置されている。第1貫通孔50および第2貫通孔60の構成については後述する。
【0025】
砥石382は、台座381の第1面S1上に配置される。砥石382は、砥石回転中心35Aを中心とする環状に形成されている。砥石382は、図2に示すように、第1面S1の外縁と2つの第1貫通孔50及び4つの第2貫通孔60との間に配置される。砥石382のサイズは適宜設定できるが、例えば高さ約5mm、幅約3mm程度に設定することができる。
【0026】
(ネジ穴40、第1貫通孔50、第2貫通孔60の構成)
次に、図面を参照しながら、第1貫通孔50、第2貫通孔60およびネジ穴40の詳細な構成について説明する。図4は、図3から固定ボルト39を省略した図である。
1.ネジ穴40
図4に示すように、ネジ穴40は、固定ボルト39の軸部39aをねじ込むために取付け面37Sに開口する孔である。ネジ穴40の内周面には、軸部39aの雄ネジ部に螺合される雌ネジ部40Fが形成されている。ネジ穴40は、軸部39aの外径e1にほぼ等しいネジ谷径f1を有する。
【0027】
なお、6つのネジ穴40のうち4つのネジ穴40それぞれは、第1貫通孔50に連なっており、6つのネジ穴40のうち2つのねじ穴それぞれは、第2貫通孔60に連なっている。
【0028】
2.第1貫通孔50
図4に示すように、第1貫通孔50は、座ぐり孔50aと、座ぐり孔50aに繋がる挿通孔50bとによって構成されている。
座ぐり孔50aは、固定ボルト39の頭部39bを収容するために第1面S1に開口する凹部である。従って、座ぐり孔50aは、固定ボルト39の頭部39bの外径e2よりも大きな内径f2を有する。また、本実施形態において、座ぐり孔50aの内周面には、後述するボス部材に螺合される雌ネジ部50Fが形成されている。座ぐり孔50aは、内径f2よりも大きなネジ谷径f3を有する。また、座ぐり孔50aは、砥石回転中心35Aに沿って延びており、長さd1を有する。なお、雌ネジ部50Fは、固定ボルト39との関係においては何ら機能を発揮しない。
【0029】
挿通孔50bは、固定ボルト39の軸部39aを挿通させるために座ぐり孔50aから第2面S2まで形成された孔である。従って、挿通孔50bは、第2面S2に開口しており、固定ボルト39の軸部39aの外径e1よりも大きな内径f4を有する。また、挿通孔50bは、砥石回転中心35Aに沿って延びており、長さh1を有する。なお、挿通孔50bの内周面には、雌ネジ部は形成されていない。
【0030】
3.第2貫通孔60
図4に示すように、第2貫通孔60は、座ぐり孔60aと、座ぐり孔60aに繋がる挿通孔60bとによって構成されている。座ぐり孔60aは、内周面に雌ネジ部が形成されていない点を除いて、第1貫通孔50の座ぐり孔50aと同じ構成を有する。また、挿通孔60bは、挿通孔50bと同じ構成を有する。
【0031】
(治具200の構成)
次に、砥石台金38を取付け部37から取り外すために用いられる治具200の構成について、図面を参照しながら説明する。図5は、治具200の構成を示す断面図である。図5に示すように、治具200は、支持部材210と、ボス部材220と、を備える。
【0032】
1.支持部材210
支持部材210は、支持軸部211と、挿通部212と、シャフト部213と、を有する。
支持軸部211は、取付け部37のネジ穴40にねじ込まれる円柱状の部材である。支持軸部211の外周面には、ネジ穴40の雌ネジ部40Fに螺合される雄ねじ部211Mが形成されている。支持軸部211は、固定ボルト39の軸部39aの外径e1にほぼ等しい外径g1を有する。
挿通部212は、支持軸部211に連なる円柱状の部材である。挿通部212は、砥石台金38の第1貫通孔50のうち挿通孔50bに挿通される。挿通部212は、挿通孔50bの内径f4よりも小さく、かつ、ネジ穴40のネジ谷径f1よりも大きな外径g2を有する。また、挿通部212は、治具200の中心軸200Aに沿って延びており、挿通孔50bの長さh1よりも大きな長さh2を有する。また、挿通部212は、ボス部材220が当接される端面212Sを有する。
【0033】
シャフト部213は、挿通部212の端面212Sから突出するように形成される円柱状の部材である。シャフト部213は、挿通部212の外径g2よりも小さい外径g3を有する。シャフト部213は、挿通部212の端面212Sの中心に立設されている。シャフト部213の端部には、例えばマイナスドライバーなどを噛み合わせるための溝213aが形成されている。
【0034】
2.ボス部材220
ボス部材220は、ボス軸部221と、ボス頭部222と、シャフト孔223と、を有する。
ボス軸部221は、砥石台金38の座ぐり孔50aにねじ込まれる円柱状の部材である。ボス軸部221の外周面には、座ぐり孔50aの雌ネジ部50Fに螺合される雄ねじ部221Mが形成されている。ボス軸部221は、座ぐり孔50aのネジ谷径f3にほぼ等しい外径g4を有する。また、ボス軸部221は、治具200の中心軸200Aに沿って延びており、座ぐり孔50aの長さd1にほぼ等しい長さd2を有する。また、ボス軸部221は、挿通部212の端面212Sと対向する対向面221Sを有する。対向面221Sにはシャフト孔223が形成されている。なお、ボス軸部221の軸心は、治具200の中心軸200Aと一致する。
【0035】
ボス頭部222は、ボス軸部221と一体的に形成されている。ボス頭部222は、工具を用いてボス部材220を回転させる際に、工具に嵌め合わされる。従って、ボス頭部222は、使用される工具に対応する形状を有していればよい。
シャフト孔223は、支持部材210のシャフト部213を挿入するための孔である。シャフト孔223は、ボス軸部221の対向面221Sに開口している。シャフト孔223は、ボス軸部221の軸心に沿って形成されている。シャフト孔223は、挿通部212の外径g2よりも小さく、かつ、シャフト部213の外径g3よりも大きい外径g5を有する。
【0036】
(取付け部37から砥石台金38を取り外す方法)
次に、取付け部37から砥石台金38を取り外す方法について、図面を参照しながら説明する。図6〜図10は、取付け部37から砥石台金38を取り外す方法を説明するための断面図である。
まず、図6に示すように、砥石台金38に設けられた挿通孔50bに挿通されるとともに取付け部37のネジ穴40にねじ込まれた固定ボルト39を抜き取る。
【0037】
次に、図7に示すように、上述の支持部材210を準備して、砥石台金38の挿通孔50bに支持軸部211を挿通させた後に、取付け部37のネジ穴40に支持軸部211をねじ込む。具体的には、例えばマイナスドライバーをシャフト部213の溝213aに噛み合わせてシャフト部213を治具200の中心軸200A周りに回転させることによって、支持軸部211の雄ねじ部211Mをネジ穴40の雌ネジ部40Fに螺合させる。この場合、挿通部212の長さh2が挿通孔50bの長さh1よりも大きいので、挿通部212の肩部212aが、挿通孔50bから座ぐり孔50a内にはみ出る。そのため、挿通部212の端面212Sは、座ぐり孔50aの底面から第1面S1側に突出する。また、挿通部212の外径g2が挿通孔50bの内径f4よりも小さいので、挿通部212は、挿通孔50bの内周面から離間する。
次に、図8に示すように、上述のボス部材220を準備して、ボス部材220のシャフト孔223に支持部材210のシャフト部213を挿入する。
【0038】
次に、図9に示すように、座ぐり孔50aにボス部材220をねじ込む。具体的には、工具(不図示)をボス頭部222の外周に嵌め合わせてボス頭部222を治具200の中心軸200A周りに回転させることによって、ボス軸部221の雄ねじ部221Mを座ぐり孔50aの雌ネジ部50Fに螺合させる。この場合、ボス頭部222の回転を進めるうちにボス軸部221は挿通部212の肩部212aに当接する。すなわち、ボス軸部221の対向面221Sは、挿通部212の端面212Sと接触する。そして、ボス軸部221を挿通部212の肩部212aに当接させた状態(すなわち、取付け部37に対するボス部材200の位置を固定した状態)でボス頭部222をさらに回転せると、ボス頭部222の回転に伴って砥石台金38がボス部材220に引き寄せられる。その結果、図10に示すように、砥石台金38が取付け部37から引き離される。
なお、本実施形態では、挿通部212の長さh2が挿通孔50bの長さh1よりも大きく、かつ、ボス軸部221の長さd2が座ぐり孔50aの長さd1にほぼ等しいので、ボス軸部221が座ぐり孔50aに完全に嵌まり込んでしまうことはない。
【0039】
(作用及び効果)
実施形態に係る研削盤100において、砥石台金38の座ぐり孔50aの内周面には、雌ネジ部50Fが形成されている。また、治具200において、挿通部212は、砥石台金38の挿通孔50bよりも長く、ボス軸部221の外周面には、座ぐり孔50aの雌ネジ部50Fに螺合される雄ねじ部221Mが形成されている。
【0040】
そのため、ボス軸部221を挿通部212に当接させた状態で座ぐり孔50aの雌ネジ部50Fにボス軸部221の雄ねじ部221Mを螺合させることによって、砥石台金38を取付け部37から引き離すことができる。従って、砥石台金38を取付け部37から簡便に取り外すことができる。
また、支持部材210において、支持軸部211が取付け部37のネジ穴40にねじ込まれることによって取付け部37に支持される。そのため、支持部材210が取付け部37の取り付け面37Sと擦れることによって取り付け面37Sが傷つくことを抑制することができる。
さらに、挿通孔50bの内周面には雌ネジ部が形成されていないので、固定ボルト39が挿通孔50bの内周面と擦れることによって挿通孔50bの内周面が傷つくことを抑制することができる。
【0041】
(その他の実施形態)
本発明は上記の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
(A)上記実施形態において、治具200の支持部材210において、挿通部212は、支持軸部211の外径g1よりも大きい外径g2を有することとしたが、これに限られるものではない。図11に示すように、挿通部212の外径g2は、支持軸部211の外径g1にほぼ等しくてもよい。
【0042】
(B)上記実施形態において、砥石台金38の台座381は、2つの第1貫通孔50と4つの第2貫通孔60とを有することとしたが、これに限られるものではない。台座381は、1つ又は3つ以上の第1貫通孔50を有していてもよい。また、台座381は、第2貫通孔60に代えて第1貫通孔50を有していてもよい。これによって、台座381が複数の第1貫通孔50を有する場合には、複数の冶具200を用いることによってバランスよく砥石台金38を取り外すことができる。さらに、第1貫通孔50の数が少ないほど砥石台金38を取り外す際の作業性を向上させることができる。
【0043】
(C)上記実施形態において、第2貫通孔60は、雌ねじ部50Fを有していない点以外は第1貫通孔50と同じ構成を有することとしたが、これに限られるものではない。第2貫通孔60は、第1貫通孔50と全く異なる構成を有していてもよい。この場合、第2貫通孔60には、固定ボルト39とは異なる固定具が取り付けられてもよい。
【0044】
(D)上記実施形態において、各部材の寸法について説明したが、以下の大小関係を満たす限りにおいて、各部材の寸法は変更することができる。
(i)ネジ穴40のネジ谷径f1≒軸部39aの外径e1≒支持軸部211の外径g1
(ii)座ぐり孔50aの内径f2>頭部39bの外径e2
(iii)座ぐり孔50aのネジ谷径f3≒ボス軸部221の外径g4
(iv)挿通孔50bの内径f4>挿通部212の外径g2
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0045】
100…研削盤、10…機台、20…ワーク支持装置、21…ワーク台、22…スピンドル、23…駆動モータ、24…チャック、30…研削加工装置、31…固定台、32…送り台、33…送り駆動部、34…支持台、35…スピンドル、36…駆動モータ、37…取付け部、37S…取付け面、37T…凸部、38…砥石台金、381…台座、S1…第1面、S2…第2面、382…砥石、39…固定ボルト、39a…軸部、39b…頭部、40…ネジ穴、50…第1貫通孔、50a…座ぐり孔、50F…雌ネジ部、50b…挿通孔、60…第2貫通孔、200…治具、210…支持部材、211…支持軸部、212…挿通部、213…シャフト部、220…ボス部材、221…ボス軸部、221M…雄ねじ部、222…ボス頭部、223…シャフト孔、W…ワーク、35A…砥石回転中心
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定ボルトによって取付け部に固定される砥石台金であって、
第1面と、前記第1面の反対に設けられる第2面と、前記第1面から前記第2面まで貫通する貫通孔と、を含む台座と、
前記台座の前記第1面上において環状に形成される砥石と、
を備え、
前記貫通孔は、前記第1面に開口し第1内径を有する座ぐり孔と、前記座ぐり孔に連なり前記第1内径よりも小さい第2内径を有する挿通孔と、を有し、
前記座ぐり孔は、内周面に形成される雌ネジ部を有する、
砥石台金。
【請求項2】
前記貫通孔と同じ構成をそれぞれ有する複数の貫通孔を備え、
前記複数の貫通穴は、前記第1面の平面視において、前記台座の回転中心を基準として点対称に配置されている、
請求項1に記載の砥石台金。
【請求項3】
固定ボルトによって取付け部に固定された砥石台金を前記取付け部から取り外すために用いられる治具であって、
雄ネジ部を有する円柱状の支持軸部と、前記支持軸部に連なり、前記固定ボルトの軸部を挿通するために前記砥石台金に設けられる挿通孔よりも長い円柱状の挿通部と、前記挿通部の端面から突出する円柱状のシャフト部と、を有する支持部材と、
前記固定ボルトの頭部を収容するために前記砥石台金に設けられる座ぐり孔の内周面に形成された雌ネジ部に対応する雄ネジ部を有するボス軸部と、前記ボス軸部の軸心に沿って形成されるシャフト孔と、を有するボス部材と、
を備える治具。
【請求項4】
第1面と、前記第1面の反対に設けられる第2面と、前記第1面から前記第2面まで貫通する貫通孔と、を含む台座と、前記台座の前記第1面上において環状に形成される砥石と、を有する砥石台金と、
前記第2面に当接される取付け面と、前記第2面に開口し前記貫通孔に連なるネジ穴と、を有する取付け部と、
を備え、
前記貫通孔は、前記第1面に開口し第1内径を有する座ぐり孔と、前記座ぐり孔に連なり前記第1内径よりも小さい第2内径を有する挿通孔と、を有し、
前記座ぐり孔は、内周面に形成される雌ネジ部を有する、
研削盤。
【請求項5】
雄ネジ部を有する円柱状の支持軸部と、前記支持軸部に連なり前記挿通孔よりも長い円柱状の挿通部と、前記挿通部の端面から突出する円柱状のシャフト部と、を有する支持部材と、
前記座ぐり孔の前記雌ネジ部に対応する雄ネジ部を有するボス軸部と、前記ボス軸部の軸心に沿って形成されるシャフト孔と、を有するボス部材と、
を有する治具をさらに備える、
請求項4に記載の研削盤。
【請求項6】
固定ボルトによって取付け部に固定された砥石台金を前記取付け部から取り外すための取外し方法であって、
前記砥石台金に設けられた挿通孔に挿通されるとともに前記取付け部のネジ穴にねじ込まれた前記固定ボルトを抜き取る工程と、
雄ネジ部を有する円柱状の支持軸部と、前記支持軸部に連なり前記挿通孔よりも長い円柱状の挿通部と、前記挿通部の端面から突出する円柱状のシャフト部と、を有する支持部材を準備する工程と、
前記砥石台金の前記挿通孔に前記支持軸部を挿通させた後に、前記取付け部のネジ穴に前記支持軸部をねじ込む工程と、
前記砥石台金に設けられた座ぐり孔の内周面に形成される雌ネジ部に対応する雄ネジ部を有するボス軸部と、前記ボス軸部の軸心に沿って形成されるシャフト孔と、を有するボス部材を準備する工程と、
前記支持部材の前記シャフト部に前記ボス部材の前記シャフト孔を挿入する工程と、
前記座ぐり孔の前記雌ネジ部に前記ボス軸部の前記雄ネジ部をねじ込む工程と、
を備える取外し方法。
【請求項1】
固定ボルトによって取付け部に固定される砥石台金であって、
第1面と、前記第1面の反対に設けられる第2面と、前記第1面から前記第2面まで貫通する貫通孔と、を含む台座と、
前記台座の前記第1面上において環状に形成される砥石と、
を備え、
前記貫通孔は、前記第1面に開口し第1内径を有する座ぐり孔と、前記座ぐり孔に連なり前記第1内径よりも小さい第2内径を有する挿通孔と、を有し、
前記座ぐり孔は、内周面に形成される雌ネジ部を有する、
砥石台金。
【請求項2】
前記貫通孔と同じ構成をそれぞれ有する複数の貫通孔を備え、
前記複数の貫通穴は、前記第1面の平面視において、前記台座の回転中心を基準として点対称に配置されている、
請求項1に記載の砥石台金。
【請求項3】
固定ボルトによって取付け部に固定された砥石台金を前記取付け部から取り外すために用いられる治具であって、
雄ネジ部を有する円柱状の支持軸部と、前記支持軸部に連なり、前記固定ボルトの軸部を挿通するために前記砥石台金に設けられる挿通孔よりも長い円柱状の挿通部と、前記挿通部の端面から突出する円柱状のシャフト部と、を有する支持部材と、
前記固定ボルトの頭部を収容するために前記砥石台金に設けられる座ぐり孔の内周面に形成された雌ネジ部に対応する雄ネジ部を有するボス軸部と、前記ボス軸部の軸心に沿って形成されるシャフト孔と、を有するボス部材と、
を備える治具。
【請求項4】
第1面と、前記第1面の反対に設けられる第2面と、前記第1面から前記第2面まで貫通する貫通孔と、を含む台座と、前記台座の前記第1面上において環状に形成される砥石と、を有する砥石台金と、
前記第2面に当接される取付け面と、前記第2面に開口し前記貫通孔に連なるネジ穴と、を有する取付け部と、
を備え、
前記貫通孔は、前記第1面に開口し第1内径を有する座ぐり孔と、前記座ぐり孔に連なり前記第1内径よりも小さい第2内径を有する挿通孔と、を有し、
前記座ぐり孔は、内周面に形成される雌ネジ部を有する、
研削盤。
【請求項5】
雄ネジ部を有する円柱状の支持軸部と、前記支持軸部に連なり前記挿通孔よりも長い円柱状の挿通部と、前記挿通部の端面から突出する円柱状のシャフト部と、を有する支持部材と、
前記座ぐり孔の前記雌ネジ部に対応する雄ネジ部を有するボス軸部と、前記ボス軸部の軸心に沿って形成されるシャフト孔と、を有するボス部材と、
を有する治具をさらに備える、
請求項4に記載の研削盤。
【請求項6】
固定ボルトによって取付け部に固定された砥石台金を前記取付け部から取り外すための取外し方法であって、
前記砥石台金に設けられた挿通孔に挿通されるとともに前記取付け部のネジ穴にねじ込まれた前記固定ボルトを抜き取る工程と、
雄ネジ部を有する円柱状の支持軸部と、前記支持軸部に連なり前記挿通孔よりも長い円柱状の挿通部と、前記挿通部の端面から突出する円柱状のシャフト部と、を有する支持部材を準備する工程と、
前記砥石台金の前記挿通孔に前記支持軸部を挿通させた後に、前記取付け部のネジ穴に前記支持軸部をねじ込む工程と、
前記砥石台金に設けられた座ぐり孔の内周面に形成される雌ネジ部に対応する雄ネジ部を有するボス軸部と、前記ボス軸部の軸心に沿って形成されるシャフト孔と、を有するボス部材を準備する工程と、
前記支持部材の前記シャフト部に前記ボス部材の前記シャフト孔を挿入する工程と、
前記座ぐり孔の前記雌ネジ部に前記ボス軸部の前記雄ネジ部をねじ込む工程と、
を備える取外し方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−206202(P2012−206202A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−73137(P2011−73137)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000152675)コマツNTC株式会社 (218)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000152675)コマツNTC株式会社 (218)
【Fターム(参考)】
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