説明

破損し易い膜を組み込んだ分子的及び組織的診断のための組織容器

分子診断検査及び/又は組織的検査のための生体サンプルを格納する容器が提供される。容器は、サンプルホルダーを受け入れるための第1のチャンバー、第2のチャンバー、及び容器を囲う閉鎖体を含む。突き刺し可能な箔のような破損し易い膜が容器内に延在し、2つのチャンバーに分離している。破損し易い膜が破損されたとき、流体は第1及び第2のチャンバー間で通過可能である。膜は、押し下げ可能な部材又は回転可能なキャリヤーのような、サンプルホルダーに膜の破損を生じさせる、閉鎖体のアクチベータによって破損される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2007年10月23日に出願され、「破損し易い膜を組み込んだ分子的及び組織的診断のための組織容器」という名称の米国仮特許出願第60/982,057号の優先権を主張し、その全開示内容がここに参照により取り込まれている。
【0002】
本発明は、組織サンプル容器に関する。より詳しくは、本発明は、分子診断検査及び/又は組織的検査のための生体組織試料を格納するサンプル容器に関する。
【背景技術】
【0003】
生体サンプルは、ある疾病の存在を見つけ出し、そして当該疾病のための適切な治療法を決定する診断評価のために、研究者や臨床医によって、多くの場合、取得される。組織(細胞)サンプルは、多数の疾病の治療法の研究において普通となっている分子的診断及び核酸分析、特に、RNA及びDNA分析のために、しばしば、患者から取得される。正確なRNA及びDNA分析のために必要不可欠な要件は、高品質で損傷を受けていないRNA及びDNAが生体サンプル内に存在することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7,147,826号明細書
【特許文献2】米国特許第4,220,252号明細書
【特許文献3】米国特許第4,034,884号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多くの場合、組織的な又は細胞学的な分析は、保管中に起こり得る分子変化を回避するために、患者又は取得源からサンプルが取り出された直後に行われるであろう。遺伝子転写のようなこれらの変化は、未処理のサンプルがある環境ストレスに露出することによって引き起こされる、サンプル内での核酸の分解に由来する。しかしながら、サンプルが収集された直後にサンプルを分析することは、多くの場合不可能であり、すなわち、現実的でない。それ故に、サンプルの構造的及び分子的完全性を維持しつつ、サンプルを、ある期間、管理された状態の下で保存するためのシステムを提供することが必要である。
【0006】
伝統的に、この保存を達成する1つの方法は、サンプルを単一の定着性試薬内に沈水させることによっている。典型的な定着性の試薬は、10パーセント(%)のホルマリンであるが、水、混和性アルコール、エタノール/アセトン混合物、及びエタノール/酢酸の混合物を含んでもよい。かかる保存のために用いられる容器は、特定の生体組織サンプルを処理するために有効な量の試薬を収容できる、単一で一体のキャビティから一般に構成されている。生体組織サンプルは、試薬とともに容器内に置かれ、容器が閉じられ、そして、サンプルは、その後、定着剤によって保存されつつ保管され且つ輸送される。かかる容器の一例は、Haywood et alへの特許文献1に見ることができる。かかる容器は、業界でいくらか成功したが、ある制限に制約されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態によれば、生体サンプルの保管用の容器は、第1の開いた端部と容器内部を画成する第2の端部との間に延在するハウジングを含む。当該容器は、第1の開いた端部を囲うための取外し可能な閉鎖体、及び当該容器内部を少なくとも第1のチャンバーと第2のチャンバーとに分離する少なくとも1つの破損し易い膜を含んでいる。当該第2のチャンバーは、第1のチャンバーがハウジングの第1の開いた端部に整列され、そしてサンプルホルダーを受け入れるように適合された状態で、当該第1のチャンバーから流体的に隔離されている。当該破損し易い膜は、破れ易くて、第1のチャンバーと第2のチャンバーとの間に流体的連通を確立させる。
【0008】
当該サンプルホルダーは、当該容器内部の第1のチャンバーへの挿入のために、閉鎖体に取り外し可能に連結される。当該閉鎖体は、ハウジングにねじ込み結合されてもよい。一形態において、当該閉鎖体がハウジングに係合している間に、サンプルホルダーを第1のチャンバー内で実質的に静止位置に維持するために、当該サンプルホルダーは閉鎖体に対して回転可能であってもよい。選択肢として、当該容器は、当該閉鎖体に取付けられたプラットフォームを含み、そして容器内部の第1のチャンバーへの挿入のために、当該サンプルホルダーを受け入れるべく適合されてもよい。さらなる形態では、当該閉鎖体がハウジングにねじ込み結合され、及び当該閉鎖体がハウジングに係合している間に、サンプルホルダーを第1のチャンバー内で静止位置に維持するために、プラットフォームが当該閉鎖体に対して回転可能であってもよい。
【0009】
当該サンプルホルダーは、生体サンプルを保持する内部キャビティを規定する閉鎖可能なハウジングを含んでもよい。当該ハウジングは、第1のチャンバー及び第2のチャンバーの少なくとも1つ内に含有されている流体が当該内部キャビティに通過するのを許容するように適合された複数の流体開口部を有している。一形態では、当該サンプルホルダーは組織学カセットである。選択肢として、第1の流体が第2の流体と異なった状態で、第1流体が第1のチャンバー内に配置され、及び第2の流体が第2のチャンバー内に配置されてもよい。
【0010】
少なくとも1つの破損し易い膜は、穿孔可能な箔であってもよい。さらなる形態では、ハウジングは長手方向軸線を有し、及び当該破損し易い膜が長手方向軸線を横断して容器内部の少なくとも一部分に亘って延在し、これにより第1及び第2のチャンバーを確立させてもよい。代わりに、当該ハウジングは長手方向軸線を有し、及び当該破損し易い膜が長手方向軸線に平行に容器内部の少なくとも一部分に亘って延在し、これにより第1及び第2のチャンバーを確立させてもよい。当該容器は、破損し易い膜から離間され、長手方向軸線に平行に容器内部の少なくとも一部分に亘って延在する第2の破損し易い膜をさらに含んでもよく、第1のチャンバーは破損し易い膜と当該第2の破損し易い膜との間に確立される。
【0011】
当該容器はまた、容器内部から容器の外部に延出する可動構造物を含んでもよい。当該可動構造物の動きが破損し易い膜を破り、これにより、第1及び第2のチャンバー間の流体の連通を生じさせる。可動構造物は押し下げ可能なエレメントを含み、そして当該サンプルホルダーは、押し下げ可能なエレメントの押し下げがサンプルホルダーの少なくとも一部分に破損し易い膜を破ることを生じさせるように、押し下げ可能なエレメントに連結されてもよい。当該押し下げ可能なエレメントは可撓性エラストマーのボタンであってもよい。取外し可能なカバーが、押し下げ可能なエレメントの上に、押し下げ可能なエレメントの動きを防止するために配置されてもよい。代わりに、可動構造物は回転可能なキャリヤーを含み、回転可能なキャリヤーの回転がサンプルホルダーの少なくとも一部分に破損し易い膜を破ることを生じさせるように、当該サンプルホルダーが回転可能なキャリヤーに連結されてもよい。
【0012】
本発明のもう1つの実施形態によれば、生体サンプルの保管用の容器は、第1の開いた端部、第2の端部を有し、及び容器内部を画成するハウジングを含んでいる。当該ハウジングは、長手方向軸線を有している。容器はまた、長手方向軸線を横断して容器内部に亘って延在し、当該容器内部を少なくとも第1のチャンバー及び第2のチャンバーに分離する破損し易い膜を含んでいる。当該破損し易い膜は、第1のチャンバーと第2のチャンバーとの間の流体の連通を確立すべく破損可能である。第1のチャンバーはハウジングの第1の開いた端部に整合され、且つそこにサンプルホルダーを受け入れるべく適合されている。当該容器はまた、第1の開いた端部を囲うための取外し可能な閉鎖体を含んでいる。当該取外し可能な閉鎖体は、押し下げ可能なエレメントを含み、サンプルホルダーは、押し下げ可能なエレメントの押し下げがサンプルホルダーの少なくとも一部分に破損し易い膜を破ることを生じさせるように、押し下げ可能なエレメントに連結されている。
【0013】
本発明のもう1つの実施形態によれば、生体サンプルの保管用の容器は、第1の開いた端部、第2の端部、及び両端部間に延在する側壁を有し、容器内部を画成するハウジングを含んでいる。当該ハウジングは長手方向軸線を有す。当該容器はまた、長手方向軸線に平行に当該容器内部に亘り延在する第1の破損し易い膜、及び第1の破損し易い膜から離間され長手方向軸線に平行に当該容器内部に亘り延在する第2の破損し易い膜を含んでいる。第1のチャンバーは、第1の破損し易い膜及び第2の破損し易い膜の間に確立され、及び第2のチャンバーはハウジング壁部と第1の破損し易い膜及び第2の破損し易い膜の少なくとも1つとの間に確立されている。当該第1のチャンバーは、ハウジングの第1の開いた端部に整合され、及びそこにサンプルホルダーを受け入れるべく適合されている。第1の破損し易い膜及び第2の破損し易い膜の少なくとも1つは、第1及び第2のチャンバー間に流体の連通を確立すべく、破られ得る。当該容器はさらに、第1の開いた端部を囲うための取外し可能な閉鎖体を含んでいる。当該取外し可能な閉鎖体は、回転可能なキャリヤーを含み、サンプルホルダーがこれに連結され、回転可能なキャリヤーの回転がサンプルホルダーの一部分に第1及び第2の破損し易い膜の少なくとも1つを破ることを生じさせる。
【0014】
本発明のさらにもう1つの実施形態によれば、生体サンプルを少なくとも1つの液体内に保存する方法は、第1の開いた端部及び第2の端部の間に延在し、及び容器内部を画成するハウジングを有する容器を提供するステップを含む。当該容器は、当該容器内部を少なくとも第1のチャンバーと第2のチャンバーとに分離する少なくとも1つの破損し易い膜を含んでいる。第1のチャンバーは、ハウジングの第1の開いた端部に整合され、及びそこにサンプルホルダーを受け入れるべく適合されている。少なくとも第2のチャンバーはそこに液体を格納し、及び当該破損し易い膜によって第1のチャンバーから隔離されている。当該方法はさらに、生体サンプルを包含しているサンプルホルダーを容器のハウジングの第1のチャンバーに挿入するステップを含む。当該方法はまた、当該第2のチャンバーに含有されている液体が第1のチャンバー内の生体サンプルに接触するように、第1のチャンバーと第2のチャンバーとの間の流体の連通を確立すべく当該破損し易い膜を破るステップを含んでいる。
【0015】
選択肢として、当該容器は、サンプルホルダーが閉鎖体に移動可能に連結された状態で、ハウジングの第1の開いた端部をカバーする取外し可能な閉鎖体を含んでいる。破損し易い膜を破るステップはさらに、当該破損し易い膜を破るべくサンプルホルダーの少なくとも一部分を当該閉鎖体に対して移動させることを含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態による生体サンプル保管用の容器の斜視図である。
【図2】図1の容器の分解斜視図である。
【図3A】本発明の実施形態において図1の容器のサンプルホルダーの斜視図である。
【図3B】図3Aのサンプルホルダーが開いた位置で示される斜視図である。
【図4A】本発明の実施形態において図.1の容器の閉鎖体の上部斜視図である。
【図4B】一体にサンプルホルダーを含む、図4Aの閉鎖体の底部斜視図である。
【図4C】別体に示されたサンプルホルダーを含む、図4Aの閉鎖体の底部斜視図である。
【図5】本発明の実施形態において図1の容器の容器ハウジングの上部斜視図である。
【図6A】サンプルホルダーが第1のチャンバー内に包含されている、図1の6−6線に沿って採った容器の断面図である。
【図6B】破損し易い膜が破られた後の、図6Aに示された容器の断面図である。
【図6C】カバー28を横切って延在する破損し易い膜を備える代わりの実施形態で示される容器の断面図である。
【図7】本発明のさらなる実施形態による生体サンプル保管用容器システムの斜視図である。
【図8】図7の容器のハウジングの分解斜視図である。
【図9】図7の容器の分解斜視図である。
【図10】本発明の実施形態における図7の容器の閉鎖体及びハウジングの上部斜視図であり、サンプルホルダーを含んでいる。
【図11】図7の11−11線に沿って採った容器の断面図である。
【図12】
【図13A】図7の13−13線に沿って採った容器の断面図であり、膜が損傷されていない状態で示されている。
【図13B】図7の13−13線に沿って採った容器の断面図であり、膜が損傷された状態で示されている。
【図14A】本発明に関連して用いるプラットフォームの代替実施形態の斜視図である。
【図14B】図14Aのプラットフォームの正面図である。
【図14C】図14Bの14A−14A線に沿って採ったプラットフォームの側断面図である。
【図14D】図14Aのプラットフォームの側面図である。
【図14E】図14Aのプラットフォームの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の説明の目的のために、空間的に方向付ける用語は、仮に用いられたとき、添付図面の図において参照された実施形態が向けられているまま、さもなければ、以下の詳細な説明で説明される実施形態に関するものとする。しかしながら、以下に説明される実施形態は、多くの代替の変形例及び実施形態を取り得ることが理解されるべきである。また、添付図面の図に示され且つここに説明される特定のディバイスは単なる例示であり、限定とみなされるべきではないことも理解されるべきである。
【0018】
本発明の容器は、分子的及び組織的診断、及び特に組織病理学的検査のための組織サンプルのような生体サンプルの保存(保管)を可能にする。特に、当該容器は、容器内部を互いから流体的に隔離された第1のチャンバー及び第2のチャンバーに分離する破損し易い膜を備えて、開口端部及び閉鎖端部を含んでいる。したがって、液体媒体(培地)が第2のチャンバーのような少なくとも1つのチャンバー内に含有され得る。このようにして、例えば、第1のチャンバーに含有されている組織サンプルが、組織を第2のチャンバー内の溶液に接触させる前に操作又は処理され得る。ここで、より詳細に説明されるように、本発明の一実施形態では、第1のチャンバーは空で保存(保管)チャンバーを表わし、そして第2のチャンバーは組織病理学的診断のためのサンプルを定着させる組織定着性溶液の形での試薬のような液体媒体を含んでいる。このようにして、組織サンプルが第1のチャンバー内に置かれ、そして、所望のとき、組織サンプルを第2のチャンバー内の溶液に流体的に接触させる状態に置くべく、第1及び第2のチャンバーを分離している膜が破られ得る。
【0019】
本発明のさらなる実施形態では、組織サンプルが第1の流体に流体的に接触して、所望の時間だけ第1のチャンバー内に置かれ、その後に、組織サンプルをまた第2のチャンバー内の溶液に流体的に接触させる状態に置くべく、第2のチャンバーから第1のチャンバーを分離している膜が破られるように、第1のチャンバーが組織定着性溶液のような第1の流体を包含し、第2のチャンバーが核酸安定溶液の形での試薬のような第2の流体を包含し得る。ここに説明された実施形態は、これらの方法のいずれかで用いられ得る容器の代表的なものである。
【0020】
幾つかの図を通して同一参照符号が同一部品を意味する図面を参照するに、図1乃至6は本発明の一実施形態による容器10を図解している。一般に、容器10は、ハウジング12、第1のチャンバー20、第2のチャンバー26、破損し易い膜32、閉鎖体50、及びサンプルホルダー40を含んでいる。容器10の個々の構成部品は、ガラス及び/又はプラスティックのような、液体及び/又は気体を通さない(不浸透性)適切な材料から作られてもよい。1つの実施形態において、ハウジング12は、以下の代表的材料、すなわち、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ガラス、又はそれらの組合せの1つ又は複数から作られ得る。
【0021】
容器10は、一般に、第1の開いた端部16と第2の端部18の間に延在するハウジング壁部14を有するハウジング12を含む。ハウジング壁部14は、容器内部と共に、中心、すなわち、長手方向の軸線としての目的のために指定された、容器の軸線Xを規定している。ここでより詳しく論ぜられるように、破損し易い膜32が、ハウジング12の内部の軸線を横切って延在し、ハウジング12を第1のチャンバー20と第2のチャンバー26とに分離している。
【0022】
特に、ハウジング壁部14は、第1の開いた端部16が第1のチャンバー20内に延びる状態で、第1のチャンバー20を画成している。第1のチャンバー20は第1の意図された充填容積を定め、そしてより詳細に論じられるように、サンプルホルダー40を受け入れて収容するような大きさにされ得るキャビティを含んでもよい。例えば、第1のチャンバー20は、破損し易い膜32によって規定された底壁面を含み得る。破損し易い膜32はハウジング12の内部を全体的に横切って延在し、これにより、全内周囲、すなわち、ハウジング壁部14の表面の周りに延在し得る。代わりに、壁表面22は、下方に延在する側壁24a、24b、24c、及び24dと破損し易い膜32によって規定された底壁面とで、サンプルホルダー40の寸法及び形状に概ね対応する略矩形状のキャビティを画成させる状態で、ハウジング12の内部を横切って、ハウジング壁部14の内側の部分から半径方向内方に延在してもよい。
【0023】
ハウジング壁部14は、破損し易い膜32の下に、望ましくは第1のチャンバー20の第1の意図された充填容積とは異なる第2の意図された充填容積を規定する第2のチャンバー26をさらに画成している。第2のチャンバー26は、ハウジング12の底、すなわち、第2の端部18に近接して位置されてもよい。第2の端部18は、第2のチャンバー26内に延びる開いた端部であってもよい。このような配列では、容器10はさらに、第2の端部18を覆ってハウジング12に結合するカバー28を含み、第2のチャンバー26への閉鎖可能なアクセスを提供する。カバー28は、摩擦嵌合、スナップ嵌合、ねじ係合、連動構造係合、又は他の方法のような、液密なシールをもたらす如何なる方法でもハウジング12に結合し得る。例えば、対応するねじが、カバー28の外表面の周囲、及びハウジング12のハウジング壁部14の第2の端部18における内表面の周囲に設けられるか、又はカバー28の内表面の周囲内、及びハウジング12のハウジング壁部14の第2の端部18における外表面の周囲に設けられる。
【0024】
図6Cに示される代替の実施形態では、破損し易い膜32が表面24a、24b、24c、及び24d間に延在するのと対照的に、カバー28に亘って延在している。このようにして、第2のチャンバー26が、上述のようにハウジング12に結合され得るカバー28でもっての別構造として、破損し易い膜32aの下に形成されている。
【0025】
サンプルホルダー40は、容器10とともに用いられるべくさらに提供され、及びハウジング12の第1のチャンバー20内に受け入れられるように適合されている。サンプルホルダー40は、容器10の一部を形成するか、又は容器10とともに用いられるべく別に提供されてもよい。サンプルホルダー40は、診断検査のためのサンプルを用意する際に生体組織サンプルを保管するために当該技術分野で周知のような、従来の組織学カセット(「ヒストカセット」)の形態でもよい。かかるサンプルホルダー、すなわち、ヒストカセットは、後の分析のために試料を準備すべく流体で処理する間に、生物学的試料を包含するためのものと知られている。典型的には、かかるサンプルホルダー、すなわち、ヒストカセットは、概ね矩形で内部キャビティを有する平坦なハウジング構造であり、ハウジングを通る流体の流れをもたらすべく、壁を貫通する複数の開口を備えている。多くの場合、ハウジング構造体にドアのようなカバーをもたらすために、ハウジング構造体の一端部に位置されたヒンジを介してのような、取外し可能又は開成可能なカバーが構造体を囲っている。また、多くの場合、かかるサンプルホルダー、すなわち、ヒストカセットには、ラベル貼り又は書き込み用の表面として作用する、傾斜されてもよいが、平坦な表面が設けられている。かかるサンプルホルダーの寸法は、例えば、高さ約7.62mm±2.54mm(0.3インチ±0.1インチ)、長さ約43.9mm±2.54mm(1.73インチ±0.1インチ)、及び幅約23.4mm±2.54mm(1.12インチ±0.1インチ)を含み得る。ここで有効に用いられるサンプルホルダーの例は、特許文献2及び特許文献3に示されており、両者はここに参照により取り込まれている。
【0026】
例えば、図3A及び3Bに示されるように、サンプルホルダー40は、生体組織サンプルを内部に保持する内部キャビティ44を規定する対向壁を有している概ね矩形の平坦なハウジング42を含んでいる。ハウジング42の壁の少なくとも1つは、傾斜壁45のように傾斜され、サンプルホルダー40内に含有されているサンプルの識別のためのメカニズムをもたらすように、必要に応じて、ラベルを貼る又は書き込みのための表面を提供してもよい。サンプルホルダー40のハウジング42は閉鎖可能な構造体であり、ハウジング42に取付けられたヒンジ付ドアのような構造体46を含み、これによって、組織サンプル保管用の内部キャビティ44へのアクセス、及び内部キャビティ44からの組織サンプルの取り出しを可能にしている。当該ドアのような構造体46は、ハウジング42に対してドア46を旋回させる機構をもたらす蓋状のものを介して、ハウジング42に連結されたドア46を有する単一の構造体を提供するように、ハウジング42に一体的に形成されてもよく、又は、ドア46は、内部キャビティ44へのアクセスのために、ハウジング42の一方側からドア46を開くためのヒンジとして作用する回転中心点43のようなものを介して、ハウジング42に連結されてもよい。サンプルホルダー40のハウジング42は、流体が通過するのを許容すべく適合されている少なくとも1つ、及び好ましくは複数の流体開口部48を含む。このようにして、ハウジング42が第1のチャンバー20に位置されたとき、第1のチャンバー20内の流体は開口部48を通って流れ、そして内部キャビティ44内に含有されている生体組織サンプルに接触することができる。
【0027】
容器10はさらに、ハウジング12の第1の開いた端部16を囲う閉鎖体50を含む。閉鎖体50は、液密なシールをもたらす、摩擦嵌合、スナップ嵌合、ねじ係合、連動構造係合、又はその他の方法のような如何なる方法によっても、第1の開いた端部16においてハウジング12に結合可能である。望ましくは、閉鎖体50及びハウジング12は、両者間に液密なシールをもたらすべく閉鎖体50がハウジング12にねじ込まれ得るように、対応するねじを含んでいる。例えば、かかる対応するねじは、閉鎖体50の外表面の周囲、及びハウジング12のハウジング壁部14の内表面の第1の端部16における周囲内に設けられるか、又は閉鎖体50の内表面の周囲内、及びハウジング12のハウジング壁部14の外表面の第1の端部16における周囲に設けられてもよい。
【0028】
上述のように、サンプルホルダー40は第1のチャンバー20内で用いられるには別体のエレメントとして提供されるか、又は容器10の一部に相互に連結されてもよい。望ましくは、サンプルホルダー40は閉鎖体50に連結される。かかる連結は、閉鎖体50に連結された、すなわち、共に形成された一体部品としてサンプルホルダー40を提供することにより達成される。又は、サンプルホルダー40は閉鎖体50に取り外し可能に連結、すなわち、着脱自在に連結される別体の構造体であってもよい。図4Cに示されるように、閉鎖体50はサンプルホルダー40を収容するために閉鎖体50の底面から延びているプラットフォーム52を含む。プラットフォーム52は、図4Bに示されるように閉鎖体50に取付けられたサンプルホルダー40を保持する、スナップ嵌合による係合のような、構造体を含み、そしてサンプルホルダー40はプラットフォーム52から取り外し可能である。特に、プラットフォーム52は、サンプルホルダー40の一般的な寸法及び形状を収容する矩形状の凹部を規定する概ね矩形状の構造体であってもよい。プラットフォーム52は、サンプルホルダー40に係合するためにそれから延びる1つ以上のフィンガー62を含み、これにより、プラットフォーム52によって規定された凹部内にサンプルホルダー40を保持する。かかるフィンガー62は、サンプルホルダー40の傾斜壁45に近接する縁部がプラットフォーム52の対応するフィンガー、すなわち、突起65に対して正しく保持され、そしてサンプルホルダー40がプラットフォーム52の凹部内に押し込まれたとき、フィンガー62がサンプルホルダー40の壁部から離れて撓み、その後、ホルダー40のこぶ64に対してその初期位置に戻り、これによって、サンプルホルダー40を適所にスナップ止めするように、撓み得る。フィンガー62は、サンプルホルダー40をプラットフォーム52及び閉鎖体50に対して適所に恒久的にロックしてもよく、又は必要に応じてプラットフォーム52からサンプルホルダー40を取り外し得るように、撓んでもよい。
【0029】
プラットフォーム52には、そこに含有されているサンプルホルダー40のハウジング42を維持しつつ、サンプルホルダー40のドア46の開成を可能にし、それによって、サンプルホルダー40がプラットフォーム52内及び閉鎖体50に対して適所に保持されつつ、サンプルホルダー40の内部キャビティ44へのアクセスをもたらすように、一般的な形状が与えられてもよい。例えば、プラットフォーム52の壁面は、ドア46のハンドル状突出部47を収容するための切欠部57を有し、及びプラットフォーム52の全体寸法及び壁部の高さは、ハンドル47の接触、及びプラットフォーム52に亘るドア46の干渉なしでの旋回によって、ドア46の手動の開成をもたらすように、設計されている。プラットフォーム52の壁部はさらに、破損し易い膜32に向かう方向に向けられ、破損し易い膜32に対向するプラットフォーム52に圧力を加えるなどで、穿孔点80が破損し易い膜32に接触されたときに、後述するように、破損し易い膜32に孔を開け又は破るように設計されている、穿孔点80の形態の穿刺エレメントを含んでいる。
【0030】
閉鎖体50はさらに、ハウジング12の第1のチャンバー20の内部に閉鎖体50から下方に撓み得る、押し下げ可能なボタン54のような押し下げ可能なエレメントを含んでもよい。ボタン54は、プラットフォーム52などを介してサンプルホルダー40に相互に連結されている。特に、ボタン54は、プラットフォーム52の延長フィンガー58を収容するために、その内側に凹部56を含み得、それによって、プラットフォーム52をボタン54に対して、及び閉鎖体50に対して保持する。ボタン54は、プラットフォームが第1のチャンバー20の内部へ撓むことを生じさせるべく適合された可撓性又は弾性ポリマーのような適切な材料から構成されてもよい。
【0031】
上述のように、第1のチャンバー20は、そこにサンプルホルダー40を受け入れ及び収容するような大きさにされている。このような配列では、サンプルホルダー40が閉鎖体50に連結され、及び閉鎖体50がねじ係合などでハウジング12に回転可能に係合されるとき、サンプルホルダー40は閉鎖体50に対して回転するように設けられてもよい。これは、閉鎖体50のボタン54の凹部56内に延在している、プラットフォーム52のフィンガー58によってもたらされている回転可能な連結などにより、例えば、閉鎖体50に対して回転可能な構造体としてプラットフォーム52を提供することによって、及びサンプルホルダー40をプラットフォーム52内に設けることによって達成し得る。このようにして、サンプルホルダー40が第1のチャンバー20内に置かれ、そして閉鎖体50がハウジング12に回転して係合されたとき、プラットフォーム52及び/又はサンプルホルダー40の一方又は両方が、閉鎖体50の回転時に、側壁面24a、24b、24c及び24dの1つ以上に接触し、これにより、容器10のハウジング12の第1のチャンバー20内の適所にサンプルホルダー40を保持する。
【0032】
破損し易い膜32は、ハウジング12に、第1のチャンバー20及び第2のチャンバー26が互いと流体の連通状態に選択的に置かれるような、構造的な特徴部をもたらす。例えば、破損し易い膜32がハウジング12を横切って延在する状態では、第1のチャンバー20及び/又は第2のチャンバー26に含有されている如何なる流体も他のチャンバーから隔離されるように、第1のチャンバー20及び第2のチャンバー26は流体的に隔離される。第1のチャンバー20及び第2のチャンバー26の間に流体の連通をもたらすためには、当該破損し易い膜32が破損されねばならない。望ましくは、破損し易い膜32は、それに圧力を加えることによって、容易に破裂又は破開可能な材料から構成される。例えば、破損し易い膜32はポリマー材料でもよく、及び望ましくは、包装産業で普通に用いられているような穿孔可能な箔である。
【0033】
容器10は、溶液又は試薬のような液体媒体が、製造の時点で第1のチャンバー20及び/又は第2のチャンバー26内に保管された状態で、組立及び提供されてもよい。代わりに、かかる液体媒体が、組織サンプルをサンプルホルダー40に注入する直前のような使用前の何時でも第1のチャンバー20及び/又は第2のチャンバー26内に充填されてもよい。
【0034】
上述のように、容器10は、一試薬システムとともに用いられるべく提供されてもよい。このように、ホルマリンのような組織定着性の単一の試薬溶液が第2のチャンバー26内に設けられてもよい。かかる定着性の溶液は、分子診断検査を行うために組織サンプル内のRNAを安定させる。代わりに、容器10は、二溶液すなわち二試薬システムとともに用いられるべく提供されてもよい。例えば、第1のチャンバー20内の第1の試薬定着剤を希釈するために、第2のチャンバー26に洗浄溶液が設けられてもよい。各チャンバーが同じ試薬を格納することも可能である。ある期間が経過した後に、同じ試薬をリフレッシュさせることは有利であるからである。又は、ホルマリンなどの組織定着剤のような第1試薬溶液が第1のチャンバー20内で用いられ、及び核酸安定試薬の形での安定剤のような第2試薬溶液が、組織サンプルの形態の安定化のために、第2のチャンバー26内に設けられてもよい。
【0035】
本発明の容器とともに如何なる試薬が用いられてもよい。例えば、定着剤は、ホルマリン、エタノール溶液、カルノアの溶液I(エタノール及び酢酸)、カルノアの溶液II(エタノール、クロロホルム及び酢酸)、メサカーン(メタノール、クロロホルム及び酢酸)、クラーク固定液、Boonfixなどであってもよい。商業的に入手可能な定着剤の限定されないリストは、これらに限定されないが、以下を含んでいる。すなわち、MIRSKY'S FIXATIVE(ジョージア州、アトランタのNational Diagnostic, Inc.から入手可能); GLYOFIX(ペンシルベニア州、ピッツバーグのShandon Lipshaw Inc.から入手可能); HISTOCHOICE(Amrescoから入手可能); HISTOFIX(ミネソタ州、ニューブライトンのTrend Scientificから入手可能); KRYOFIX(Merckから入手可能); MICROFIX(コネティカット州、イーストグランベリのEnergy Beam Sciences Inc.から入手可能); NEOFIX(Merckから入手可能); NOTOX(ニュージャージー州、ベルメッドのEarth Safe Industries, Inc.から入手可能);OMNIFIX II及びOMNIFIX2000(ニューヨーク州、メルビルのAnCon Genetics, Inc.から入手可能); PREFER(ミシガン州、バトルクリークのAnatech Ltd. から入手可能); PRESERVE(コネティカット州、イーストグランベリのEnergy Beam Sciences Inc.から入手可能); SAFEFIX II(Thermo Fischer Scientific Inc.から入手可能); STATFIX(テキサス州、レイスビルのStatLab Medical Products, Inc.から入手可能); STF(Streck Tissue Fixative, ネブラスカ州、オマハのStreck Laboratories,から入手可能); UMFIX(カルフォニア州、テランスのSakura Finetec USA, Inc. から入手可能); 及びFINEFIX(コネティカット州、シェルトンのMilestone Medicalから入手可能)。商業的に入手可能な安定剤は、これらに限定されないが、RNALATER (テキサス州、オースチンのAmbion Inc. から入手可能)、及びRNEASY(カルフォニア州、ヴァレンシアのQiagen, Inc. から入手可能)を含んでいる。定着剤及び/又は安定剤として用いられる、既知の又は今後発見される他の全ての試薬は本発明に有用なものとして意図される。
【0036】
容器10を組み立てるためには、第2のチャンバー26が所望の液体媒体で充填される。第2の端部18が閉鎖端部である実施形態では、かかる液体媒体が、ポートないしは開口部を通して第2のチャンバー26に供給されてもよい。代わりに、ハウジング12に開放した第2の端部18が設けられ、第2のチャンバー26内に液体媒体を包含させるべく第2のチャンバー26に充填した後、カバー28が第2の端部18を覆って置かれ、そしてそこに結合される。その後、第1のチャンバー20が異なる液体媒体(例えば、二試薬システムを含む実施形態において)で第1の開いた端部16を通して充填される。延在するサンプルホルダー40を備える又は備えない閉鎖体50がその後、ハウジング12の第1の開いた端部16を覆って置かれ、そこにねじ込まれて結合される。このようにして組みたれられた容器10は、必要に応じて別の包装容器に包装され、使用のために保管される。
【0037】
使用時、分子的又は組織的診断検査のために患者から抽出された組織サンプルのような生体サンプルは、ヒンジ付のドア46などを介して、サンプルホルダー40のキャビティ44内に置かれる、サンプルホルダー40が別のエレメントとして提供されている実施形態では、閉鎖体50がハウジング12から取り外され、そしてサンプルホルダー40が閉鎖体50のプラットフォーム52に挿入され得る。代わりに、サンプルホルダー40に閉鎖体50が設けられているなら、閉鎖体50がハウジング12から取り外された後に、サンプルホルダー40が連結されている状態のままか、又はサンプルホルダー40を取外しそして再度取付けることのいずれかによって、組織サンプルがサンプルホルダー40内に置かれてもよい。
【0038】
組織サンプルを包含しているサンプルホルダー40を備える閉鎖体50は、その後、サンプルホルダー40が第1のチャンバー20内に整合され及び置かれた状態で、ハウジング12の第1の開いた端部16を覆って置かれる。閉鎖体50は、閉鎖体50及び/又はハウジング12を互いに対して回転させることによって、ハウジング12にねじ係合される。このようなそれぞれの回転の間に、第1のチャンバー20が、上述のように、特定の形状のサンプルホルダー40を収容するような大きさ及び/又は向きにされている実施形態では、サンプルホルダー40が第1のチャンバー20内でその向きを維持することができる。
【0039】
上述のような一試薬システムを含む実施形態では、この時点における組織サンプルは、第2のチャンバー26内の試薬から隔離されて、サンプルホルダー40内で第1のチャンバー20内に含有されている。組織サンプルを試薬に接触させることが望まれるときは、ボタン54が押し下げられ、これにより、それに連結されているサンプルホルダー40が下方に動き、そして破損し易い膜32への接触を生じさせる。かかる圧力が(図6Bに示されるように)破損し易い膜32の破損を生じせしめ第1のチャンバー20及び第2のチャンバー26間の流体の連通を確立する。望ましくは、プラットフォーム52が、ボタン54が押し下げられたときに破損し易い膜32の破損を生じせしめる、プラットフォーム52上の穿孔点80のような突き刺しエレメントを含んでもよい。さらなる実施形態では、閉鎖体50又はハウジング12のような容器10の一部分を通り抜けて延在し、破損し易い膜32の破損を生じさせるように操作される別のエレメントが設けられ得る。
【0040】
破損し易い膜32が破損された後に、容器10は、第2のチャンバー26内の試薬が破れた膜32の障害点を越えて第1のチャンバー20へ流れるのを生じさせ、これにより、サンプルホルダー40の流体開口部を通って流れキャビティ44内に含有されている組織サンプルに接触するように、逆さにされ、振られ、又は動かされる。このように、第2のチャンバー26内に含有されている試薬から組織サンプルを分離して維持することにより、サンプルと試薬との接触が所望の時間まで正確に調整され、そして組織サンプル及び試薬の接触時間の長さが正確に調整且つ監視される。
【0041】
一試薬システムが用いられ得ることがさらに企図されている。ここでは、試薬は第1のチャンバー20内に置かれ、及び組織サンプルが第1のチャンバー20内に置かれたとき試薬に直ちに接触され、そして、所望の時間の接触の後に、試薬を第1のチャンバー20から第2のチャンバー26へドレーンし、これによって組織サンプルを試薬とのさらなる接触から隔離するように、破損し易い膜32が破損される。
【0042】
上述したような二試薬システムを含む実施形態においては、サンプルホルダー40が第1のチャンバー20内に置かれたとき、試薬がサンプルホルダー40の流体開口部48を通って流れ、これにより、内部キャビティ44内に含有されている組織サンプルに接触させることで、組織サンプルは第1のチャンバー20内に含有されている第1の試薬に接触して置かれる。組織サンプルは第1のチャンバー20内の試薬に特定の時間接触して維持され、この時間の後に、第1のチャンバー20及び第2のチャンバー26の間での流体の流れを生じさせるために、破損し易い膜32が破損され得る。かくて、第2のチャンバー26内に保持されていた第2の試薬が第1のチャンバー20に流れ、これによりそこに含有されている組織サンプルに接触する。さらに、第1のチャンバー20内の第1の試薬が第2のチャンバー26に同様に流れ、これにより、第2の試薬に混合することが企図されている。したがって、第1及び第2の試薬の濃度は、組織サンプルに接触されたとき、2つの試薬の混合が試薬の意図された機能に有害な作用を有さないことを保証すべく、特別に適合される。第2の試薬が第1のチャンバー20に移され、そして所望の時間組織サンプルに接触された後、所望の診断検査のために組織サンプルをサンプルホルダー40取り出すべく、閉鎖体50が取り除かれてもよい。
【0043】
サンプルホルダー40は閉鎖体50に連結されているので、サンプルホルダー40内に含有されている組織サンプルへのアクセスは、閉鎖体50を容器10から取外し、逆さまにしてその外面をカウンター上に置き、これにより、サンプルホルダー40を露出させることによって達成される。サンプルホルダー40内に含有されている全ての流体は閉鎖体50の底又は内表面内で下方に滴り、及び閉鎖体50を囲っているリムによって捕らえられることができ、これにより、カウンター表面への漏洩すなわちこぼれが防止される。サンプルホルダー40のヒンジで連結されたドア46は、当該サンプルホルダー40が当該閉鎖体50に連結された状態で開けることができ、これにより、そこに含有されている組織サンプルへの簡単なアクセスをもたらすと共に、サンプルにアクセスする間に適所に保持するのに当該サンプルホルダーのどの部分にも物理的に接触する必要なしにサンプルホルダー40を適所に保持するための適切な支持体をもたらし、これにより、使用者による接触に基づくサンプルの汚染の可能性を防いでいる。
【0044】
その後、当該容器10は洗浄され、且つ再使用され得、より好ましくは、他のサンプルとの交差汚染を防止するために廃棄される。
【0045】
図7乃至13Bに示されたさらなる実施形態においては、容器110が図1乃至6の実施形態に関連して上に説明された容器10と同様の構成部品を含むが、しかし、破損し易い膜132を破損させるための押し下げ可能な部材と対照的に、閉鎖体に一体的な回転可能な部材を含んでいる。特に、容器110は、ハウジング112、第1のチャンバー120、第2のチャンバー126、少なくとも1つ、及び望ましくは一対の破損し易い膜132及び133、サンプルホルダー140を備える閉鎖体150、及び回転可能な部材160を含んでいる。上に説明された実施形態と同じように、容器110の個々の構成部品は、ガラス及び/又はプラスティックのような液体及び/又は気体を通さない(不浸透性)適切な材料から作られてもよい。一実施形態では、ハウジング112が以下の代表的材料である、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ガラス又はこれらの組合せのうちの1つ又は1つ以上から作られ得る。
【0046】
容器110は、第1の開いた端部116と第2の端部118との間に延在するハウジング壁114を有し、容器内部とともに、一般に当該容器の中心ないしは長手方向の軸線と称される、当該容器の軸線Yを規定するハウジング112を、一般に、含んでいる。ここに、より詳細に論じられるように、少なくとも1つ、及び望ましくは、一対の破損し易い膜132、133が当該容器のハウジング112の軸線Yに平行に延在し、当該容器内部を少なくとも第1のチャンバー120及び第2のチャンバー126に分離している。
【0047】
特に、ハウジング壁部114は、第1の開いた端部116が第1のチャンバー120内に延びる状態で、第1のチャンバー120を画成している。第1のチャンバー120は第1の意図された充填容積を規定し、及び内部にサンプルホルダー140を受け入れて収容するような大きさのキャビティを含んでいる。第1のチャンバー120及び第2のチャンバー126は、容器112の内部に亘って、対向するハウジング壁部114の間に直接に延在する破損し易い膜132、133でもって確立されてもよい。図8に示された1つの特定の実施形態では、ハウジング112が、ハウジング壁部114によって形成されたハウジング内部の中にハウジング挿入体113を配列することによって構成されている。かかるハウジング挿入体は、底壁面122のみならず頂板125から延びる側壁面124a及び124bを含み得る。破損し易い膜132、133は、底壁面122及び側壁面124a、124bの間に延在し、それにより、サンプルホルダー140の寸法及び形状に概ね対応する概ね角胴形のキャビティとして、当該容器内部の中に第1のチャンバー120を規定する。このようにして、破損し易い膜132、133は側壁面124a、124b及び底壁面122とともに、第2のチャンバー126が第1のチャンバー120を囲うように、ハウジング112内に懸架された第1のチャンバー120を形成している。ハウジング112は、ハウジング壁部114の対向部位に亘って延在し、頂板125が着座するための支持構造体を提供する支持壁部115をさらに含んでもよい。さらに、支持壁部115はハウジング112の内部容積をさらに規定し、それにより、ハウジング114の特定の外径を維持しつつ、第2のチャンバー126に所望の充填容積を与えている。
【0048】
特に、ハウジング壁部114は、第1のチャンバー120に近接して、破損し易い膜132、133を介してそれから分離且つ隔離された第2のチャンバー126をさらに規定している。第2のチャンバー126は、第1のチャンバー120の第1の意図された充填容積とは異なり得る第2の意図された充填容積をさらに規定している。第2のチャンバー126は、ハウジング112の底、すなわち、第2の端部118まで延在してもよい。第2の端部118は、第2のチャンバー126に延びる開口端部であって、容器110が、第2の端部118を覆ってハウジング112に結合して第2のチャンバー126への閉鎖可能アクセスをもたらす別体のカバー(不図示)をさらに含んでもよく、又は第2の端部118は容器ハウジング112の閉鎖端部であって、第2のチャンバー126の内部への充填のためにアクセスポート(不図示)が設けられてもよい。
【0049】
サンプルホルダー140はさらに、使用のために容器110に設けられ、ハウジング112の第1のチャンバー120内に受け入れられるべく適合されている。サンプルホルダー140には、上に説明されたのと同一部品には同一番号が付されている。前に説明されたように、サンプルホルダー140は容器110の一部を形成するか、又は容器110とともに使用するために別に提供されてもよい。望ましくは、サンプルホルダー140は生体組織サンプルを保持するための内部キャビティ144を規定する閉鎖可能なハウジング142を含み、内部キャビティ144へのアクセスのためのヒンジ付ドア構造体146、及び流体が通過するのを許容すべく適合された流体開口部148を備えている。
【0050】
容器110は、ハウジング112の第1の開いた端部116を囲う閉鎖体150をさらに含む。閉鎖体150は第1の端部116においてハウジング112に如何なる方法で連結されてもよいが、望ましくは、上に説明されたように、両者間に液密なシールをもたらすべくハウジング112にねじ込み係合される。さらに、サンプルホルダー140は、サンプルホルダー140を閉鎖体150に連結又は形成された一体部品として提供すること、又は閉鎖体150に取り外し可能に結合、又は着脱自在に連結される、サンプルホルダー140を収容すべく閉鎖体150の底面から延在するプラットフォーム152によるような、別の構造体として提供することなどにより、閉鎖体150に結合されてもよい。例えば、プラットフォーム152は、図10に示されるように、スナップ嵌合による係合で閉鎖体150に取付けられてサンプルホルダー140を保持する構造体を含み、及びサンプルホルダー140はプラットフォーム152から取り外し可能である。
【0051】
上述のように、第1のチャンバー120はサンプルホルダー140を受け入れ、及び収容する大きさにされている。このような配列ではサンプルホルダー140が閉鎖体150に結合され、及び閉鎖体150がねじ込み係合などによりハウジング112に回転して係合されたとき、サンプルホルダー140に、閉鎖体150に対する回転が与えられてもよい。これは、例えば、プラットフォーム152に、閉鎖体150、ブッシュ160などを通って延在し外部ハンドルに連結されたプラットフォーム152のアーム158との間に確立された旋回連結のような閉鎖体150に対して回転可能な構造体を設けること、及びサンプルホルダー140をプラットフォーム152内に提供することによって達成され得る。このようにして、whEnサンプルホルダー140が第1のチャンバー120内に置かれ、及び閉鎖体150が回されてハウジング112に係合されたとき、プラットフォーム152及びサンプルホルダー140は閉鎖体150に対して回り、それにより、容器110のハウジング112の第1のチャンバー120内の適所にサンプルホルダー140を保持する。
【0052】
閉鎖体150は、プラットフォーム152及びサンプルホルダー140の閉鎖体150に対する回転を手動で生じさせるメカニズムをさらに含んでいる。特に、ハンドル162は、閉鎖体150及びブッシュ160を通って延び、及びプラットフォーム152及び/又はサンプルホルダー140に連結している。そのようにして、ハンドル162及びプラットフォーム152は閉鎖体150に対して回る。望ましくは、容器110から外方に延在しているハンドル162の部分がフィンガー係合表面を含み、及び容器110内でのサンプルホルダー140の向きを規定する構造体を含んでもよい。さらに、ハンドル162は、所望のときまでロックハウジング112に対してのハンドル162の回転を防止するためのロックを含んでもよい。かかるロックは、閾値が克服されるまで破損し易い膜132、133の破裂を生じさせる位置へのプラットフォーム152の回転を防止する、プラットフォーム152とハウジング112の一部分との間の干渉(締まり)係合の形態であってもよい。
【0053】
破損し易い膜132、133は、ハウジング112に第1のチャンバー120及び第2のチャンバー126が互いに流体の連通状態に選択的に置かれ得るという構造的な特徴を提供する。例えば、破損し易い膜132、133がハウジング112の第1及び第2の端部によって規定された軸線に平行にハウジング挿入体113の底壁面122と側壁面124a及び124bとの間に延在する状態では、第1のチャンバー120及び第2のチャンバー126は、第1のチャンバー120及び/又は第2のチャンバー126内に含有されている全ての流体が他のチャンバーから隔離されている、流体隔離の状態である。第1のチャンバー120及び第2のチャンバー126の間に流体の連通をもたらすためには、当該破損し易い膜132、133の一方又は両方が破損されねばならない。望ましくは、破損し易い膜132、133は、上述のように突き刺し可能な箔のような、圧力を加えたとき容易に破裂可能又は破損される材料から構成される。また、プラットフォーム152は、接触したときに箔のかかる破裂又は引き裂きを生じさせる穿孔点180を含んでもよい。
【0054】
容器110は、組み立てられ、そして、溶液又は試薬のような液体媒体が製造時又は使用前のいずれかで第1のチャンバー120及び/又は第2のチャンバー126内に保管された状態で提供される。さらに、容器110は、図1乃至6の実施形態に関連して説明されたように、一試薬システム又は二試薬システムでの使用のために提供されてもよい。
【0055】
容器110を組み立てるには、開口部又はポートを介するか、第2の端部118に別体のカバーでもって開口端部としてもたらすことにより、第2のチャンバー126が所望の液体媒体で充填される。代わりに、ハウジング112が最初に第1の開いた端部116を介して所望の液体媒体で充填され、そして接触している破損し易い膜132、133を含んでいるハウジング挿入体113が開口端部116を介してハウジング112内に挿入され、その中の適切な位置に固定されてもよい。その後、(例えば、二試薬システムを伴う実施形態では)第1のチャンバー120が開口端部を介して異なる液体媒体で充填されてもよい。延在するサンプルホルダー140を備える又は備えない閉鎖体150が、その後、ハウジング112の第1の開いた端部116の上に置かれ、閉鎖体150をハウジング112に対して回すようなことで、ねじ込み結合される。かかる回転中に、ハンドル162は、プラットフォーム152及びサンプルホルダー140の内部での回転を防止し、それにより膜132、133の時期尚早な破損を防ぐように、ブッシュ160を介して閉鎖体150に対して回転する。かくて、組立られた容器110は別の容器に包装され、必要に応じて使用のために保管される。
【0056】
使用時、分子的又は組織的な診断検査のために患者から抽出された組織サンプルのような生体サンプルは、サンプルホルダー140内のキャビティ144内に置かれ、そして組織サンプルをその中に包含しているサンプルホルダー140を備える閉鎖体150がその後サンプルホルダー140が第1のチャンバー120に整合され且つその中に置かれた状態で、ハウジング112の第1の開いた端部116の上に置かれ、そしてその後、閉鎖体150がハウジング112に結合される。組織サンプルを第2のチャンバー126内の試薬に接触させることが望まれるときは、ハンドル162が容器ハウジング112に対して回され、それにより、プラットフォーム152を介して連結されているサンプルホルダー140が容器110の軸線の回りに動き、そして破損し易い膜132、133の一方又は両方との接触を生じさせる。かかる回転は、穿孔点180が接触し、且つ破損し易い膜132、133の一方または両方を引き裂きすなわち破ることを生じさせ、(図13Bに示されるように)第1のチャンバー120及び第2のチャンバー126の間の流体敵な連通を確立させる。容器110は、within第2のチャンバー126内の試薬が破られた膜132、133の障害点を横断して第1のチャンバー120内に流れるのを生じさせ、それにより、サンプルホルダー140内に含有されている組織サンプルに接触させるるべく、逆さにされ、振られ、又は動かされてもよい。
【0057】
上述のように、容器110は、図1乃至6の実施形態に関連して説明された一試薬システム又は二試薬システムに関連して用いられ得る。したがって、上に論じられたようなサンプルの接触の説明は本実施形態にも同様に適用される。
【0058】
1つの実施形態では、プラットフォームが異なる寸法及び形状のヒストカセットないしはサンプルホルダーを収容可能にする構造体を含むことができる。例えば、図14A乃至14Eに図示された代替の実施形態に示されるように、プラットフォーム52aが、種々の寸法のサンプルホルダーの壁面を対抗して支える圧縮可能なエレメントとして作用するフィンガー90a及び92aを含み得る。かかるフィンガー90a及び92aは、プラットフォーム52a内に置かれたサンプルホルダーの壁面に対して偏倚力を加える偏倚エレメントないしはリーフスプリングとして作用し、サンプルホルダーを適所に保持するために、プラットフォーム52aの側壁に対して当該サンプルホルダーを偏倚させる。より詳しくは、対向面91aが中のサンプルホルダーの一端部を保持し、且つフィンガーないしは突起65aが当該サンプルホルダーの別の縁部を保持しつつ、フィンガー90aはプラットフォーム52a内に包含されているサンプルホルダーに対し偏倚力を施す。また、フィンガー92aは、対向する突起65aが当該サンプルホルダーの端部を適所に保持しつつ、当該サンプルホルダーに偏倚力を施す。かかる対向して等しい力が種々の寸法及び形状のサンプルホルダーを適所に保持する助けとなる。さらに、サンプルホルダーのドアのハンドル部分を収容するため、また、上述のように、サンプルホルダーがプラットフォーム内の適所にある間に、必要に応じてドアを開くためハンドル部分へのアクセスをもたらすために、壁の切欠部分57aが設けられてもよい。このようにして、容器10には、容器10とともに用いるために、種々の寸法及び形状のヒストカセットを中に収容することができる単一のプラットフォームが設けられ得る。加えて、プラットフォーム52aは、上述のように、流体が貫流する複数の孔98aを含むことができる。かかる孔98aは、プラットフォームを通りサンプルホルダーに流れる流体がサンプルホルダーの寸法、形状及び/又はジオメトリにかかわらず当該サンプルホルダーに含有されているサンプルに接触するに十分となるような、パターンないしは方向を含み得る。このようなプラットフォーム52aは、図1乃至6又は図7乃至13の実施形態との関連で上に説明されたプラットフォームに代えて用いられてもよい。
【0059】
本発明の実施形態は多くの異なる形で満たされ得るが、本開示は本発明の原理の例示としてみなされ、及び図示された実施形態に本発明を限定することは意図されていないとの理解でもって、本発明の特定の実施形態が図に示され且つ詳細に説明されている。種々の他の実施形態が、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかであり且つ容易になされ得よう。本発明の範囲は、添付の請求の範囲及びそれらの均等物によって測られよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の開いた端部と第2の端部との間に延在し、容器内部を画成するハウジングと、
当該第1の開いた端部を囲む取外し可能な閉鎖体と、
当該容器内部を、少なくとも第1のチャンバーと、当該第1のチャンバーから流体的に隔離した第2のチャンバーとに分離する少なくとも1つの破損し易い膜とを備え、
当該第1のチャンバーは、当該ハウジングの第1の開いた端部に開放されてそこにサンプルホルダーを受け入れるべく適合され、当該破損し易い膜は当該第1のチャンバー及び当該第2のチャンバーの間の流体的な連通を確立すべく破損可能であることを特徴とする生体サンプル保管用の容器。
【請求項2】
当該サンプルホルダーは、当該容器内部の当該第1のチャンバー内への挿入のために当該閉鎖体に取り外し可能に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
当該閉鎖体は、当該ハウジングにねじ込み連結可能であることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項4】
当該サンプルホルダーは、当該閉鎖体の当該ハウジングへの係合中に、当該第1のチャンバー内の実質的に静止位置に当該サンプルホルダーを保持すべく、当該閉鎖体に対して回転可能であることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項5】
当該閉鎖体に取付けられ、当該容器内部の当該第1のチャンバー内への挿入のために当該サンプルホルダーを受け入れるべく適合されたプラットフォームをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項6】
当該閉鎖体は、当該ハウジングにねじ込み連結可能であり、及び当該プラットフォームは、当該閉鎖体の当該ハウジングへの係合中に、当該第1のチャンバー内の静止位置に当該サンプルホルダーを保持すべく、当該閉鎖体に対して回転可能であることを特徴とする請求項5に記載の容器。
【請求項7】
当該サンプルホルダーは、生体サンプルを保持する内部キャビティを規定する閉鎖可能なハウジングを備え、当該ハウジングは、第1のチャンバー及び第2のチャンバーの少なくとも1つ内に含有されている流体が内部キャビティへ通過するのを許容すべく適合された複数の流体開口部を備えることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項8】
当該サンプルホルダーは、組織的カセットであることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項9】
第1のチャンバーに配置された第1の流体と第2のチャンバーに配置された第2の流体とをさらに備え、当該第1の流体は当該第2の流体と異なることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項10】
少なくとも1つの破損し易い膜は、穿孔可能な箔であることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項11】
当該ハウジングは、さらに長手方向軸線備え、当該破損し易い膜は長手方向軸線を横断して当該容器内部の少なくとも一部分を横切って延在し、それにより第1及び第2のチャンバーを確立していることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項12】
当該ハウジングは、さらに長手方向軸線備え、当該破損し易い膜は長手方向軸線に平行して当該容器内部の少なくとも一部分を横切って延在し、それにより第1及び第2のチャンバーを確立していることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項13】
当該破損し易い膜から離間され、そして長手方向軸線に平行して当該容器内部の少なくとも一部分を横切って延在する第2の破損し易い膜をさらに備え、第1のチャンバーが当該破損し易い膜及び当該第2の破損し易い膜の間に確立されていることを特徴とする請求項12に記載の容器。
【請求項14】
当該容器は、容器内部から容器の外部に延びる可動構造物であって、当該可動構造物の動きが破損し易い膜の破損を生じせしめ、それにより、第1及び第2のチャンバー間の流体の連通を確立させる可動構造物をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項15】
当該可動構造物は押し下げ可能なエレメントを備え、及びサンプルホルダーは、押し下げ可能なエレメントの押し下げがサンプルホルダーの少なくとも一部分に当該破損し易い膜の破損を生じせしめるように、当該押し下げ可能なエレメントに連結されていることを特徴とする請求項14に記載の容器。
【請求項16】
押し下げ可能なエレメントは、可撓性エラストマーのボタンであることを特徴とする請求項15に記載の容器。
【請求項17】
押し下げ可能なエレメントを覆って配置され、押し下げ可能なエレメントの動きを妨げる取外し可能なカバーをさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の容器。
【請求項18】
可動構造物はComprisEsA回転可能なキャリヤーを備え、及び当該サンプルホルダーは、回転可能なキャリヤーの回転がサンプルホルダーの少なくとも一部分に当該破損し易い膜の破損を生じせしめるように、回転可能なキャリヤーに連結されていることを特徴とする請求項14に記載の容器。
【請求項19】
第1の開いた端部、第2の端部を有し、及び容器内部を画成するハウジングであって、長手方向軸線を有するハウジングと、
長手方向軸線を横断して容器内部を横切って延在し、それにより当該容器内部を少なくとも第1のチャンバーと第2のチャンバーとに分離し、第1のチャンバーと第2のチャンバーとの間の流体の連通を確立するために破損可能な破損し易い膜であって、第1のチャンバーがハウジングの第1の開いた端部に整合され、その中にサンプルホルダーを受け入れるべく適合されている、破損し易い膜と、
第1の開いた端部を囲う取外し可能な閉鎖体であって、押し下げ可能なエレメントを備え、且つ連結されたサンプルホルダーを有し、押し下げ可能なエレメントの押し下げがサンプルホルダーの少なくとも一部分に破損し易い膜の破損を生じせしめる、取外し可能な閉鎖体と、
を備えることを特徴とする生体サンプル保管用の容器。
【請求項20】
第1の開いた端部、第2の端部、及び両端部間に延在し容器内部を画成する側壁を有するハウジングであって、長手方向軸線を有するハウジングと、
長手方向軸線に平行して容器内部を横切って延在する第1の破損し易い膜と、
当該第1の破損し易い膜から離間され、長手方向軸線に平行して容器内部を横切って延在する第2の破損し易い膜であって、第1のチャンバーが第1の破損し易い膜と第2の破損し易い膜との間に確立され、且つ第2のチャンバーが前記ハウジング壁と第1の破損し易い膜及び第2の破損し易い膜の少なくとも一方との間に確立され、ここで、第1のチャンバーがハウジングの第1の開いた端部に整合され、その中にサンプルホルダーを受け入れるべく適合されており、第1のチャンバーと第2のチャンバーとの間の流体の連通を確立するために第1の破損し易い膜及び第2の破損し易い膜の少なくとも一方が破損可能である、第2の破損し易い膜と、
第1の開いた端部を囲う取外し可能な閉鎖体であって、回転可能なキャリヤーを備え、且つ連結されたサンプルホルダーを有し、回転可能なキャリヤーの回転がサンプルホルダーの少なくとも一部分に第1の破損し易い膜及び第2の破損し易い膜の少なくとも一方の破損を生じせしめる、取外し可能な閉鎖体と、
を備えることを特徴とする生体サンプル保管用の容器。
【請求項21】
少なくとも1つの液体内に生体サンプルを保管する方法であって、
第1の開いた端部と第2の端部との間に延在し容器内部を画成するハウジングを有する容器であって、容器内部を少なくとも第1のチャンバーと第2のチャンバーとに分離する少なくとも1つの破損し易い膜を備え、当該第1のチャンバーはハウジングの第1の開いた端部に整合されてその中にサンプルホルダーを受け入れるべく適合されており、少なくとも当該第2のチャンバーはその中に液体を包含して当該破損し易い膜によって第1のチャンバーから隔離されている、容器を用意し、
生体サンプルを包含しているサンプルホルダーを当該容器のハウジングの第1のチャンバー内に挿入し、及び
当該第2のチャンバー内に含有されている液体が第1のチャンバー内の生体サンプルに接触するように、当該第1のチャンバー及び当該第2のチャンバー間での流体の連通を確立させるべく、当該破損し易い膜を破損させることを特徴とする方法。
【請求項22】
当該容器は、ハウジングの第1の開いた端部を覆い、サンプルホルダーが可動に連結されている取外し可能な閉鎖体をさらに備え、当該破損し易い膜を破損させるステップは、当該破損し易い膜を破損するためにサンプルホルダーの少なくとも一部分を当該閉鎖体に対して移動させることをさらに備えることを特徴とする請求項21に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図14E】
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【公表番号】特表2011−502254(P2011−502254A)
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531252(P2010−531252)
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際出願番号】PCT/US2008/081005
【国際公開番号】WO2009/055605
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】