説明

硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンの調製方法

ジチオカルバミン酸モリブデンなどの、高度に硫化したジチオカルバミン酸金属を製造するための方法が提供される。金属供給源、水、および試薬アミンを、二硫化炭素と共に加圧下で加熱する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高度に硫化したジチオカルバミン酸モリブデンの調製方法に関する。従来の硫化ジチオカルバミン酸モリブデンは、潤滑配合物に使用されることで知られており、現在は、減摩性および耐摩耗性ならびに極圧性および抗酸化性を与えるための、潤滑油の添加剤として使用されている。これらの化合物は、一般構造[RN−CS−S]Mo4−x(式中、x=2.35〜3)を有し、したがって高度に硫化されていない。
【背景技術】
【0002】
この構造[RN−CS−S]Mo4−x(式中、x=0.75から2.1であり、RおよびRは、同じかまたは異なっており、1から24個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基である)では、硫黄と酸素との比が上昇することでも知られている。そのような硫黄分の高い組成物は、米国特許第4098705号に教示されているように、硫化水素アルカリ金属、硫化水素アンモニウム、硫化アルカリ金属、硫化アンモニウム、およびこれらの混合物などの、硫化化合物から調製される。
【0003】
【特許文献1】米国特許第4098705号
【0004】
【特許文献2】米国特許第5494608号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
より高い硫黄分を有する(より高度に硫化された)ジチオカルバメートが求められている。硫黄が抗酸化剤である場合、これらの化合物は、高い硫黄分によってもたらされたより良好な抗酸化安定性を有する。非常に高い硫黄レベルでは、銅の腐食が生ずることがわかったが、構造[RN−CS−S]Mo4−x(式中、x≧1.0)のモリブデンの核においては、最大約3個の硫黄原子のレベルが許容される。高硫黄分(硫黄が酸素に取って代わる)では、分子レベルで内部に抗酸化性が生じ、それによって高い安定性が分子に与えられるが、これは、その適用例において、改善された減摩保持特性をもたらすと考えられる。高度硫化ジチオカルバミン酸モリブデンに関して知られている調製方法では、酸素が結合しているモリブデンを硫黄が結合しているモリブデンに換えるため、調製中に硫化水素またはその他の硫化物を使用する。この方法の欠点は、硫化水素またはその供給源、例えば硫化アルカリ金属、硫化アンモニウム、および硫化水素アルカリ金属を使用することであり、これらの毒性の高い材料を取り扱うことが危険で難しいことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、硫化供給源として、硫化水素(またはその供給源、例えば硫化ナトリウム)の代わりに追加の二硫化炭素を使用することによって、高硫化ジチオカルバミン酸モリブデン組成物を調製するための、改善された方法である。意外なことに、ある特定の条件下では、二硫化炭素が、ジチオカルバミン酸モリブデンを硫化する試薬として機能することができ、モリブデンに結合している酸素を硫黄に換えるための供給源として作用し、そのときに、副産物として二酸化硫黄が生成されることが発見された。この方法は、タングステンやクロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケルなど、価数が+3以上である遷移金属の、高硫化ジチオカルバメートを調製することも予測される。本発明の方法は、従来技術の方法に優るいくつかの重要な利点をもたらす:即ち、HSまたはその供給源を使用する必要のない、簡単で安全な方法;HSまたはその供給源の代わりに安価なCSを使用することによる、より経済的な方法;および以下に実証されるように、少なくとも液体MoDTCに関して、より短い全プロセス時間が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
ジチオカルバミン酸モリブデンは、無機の核とジチオカルバミン酸との錯体である。架橋(「複核」)または単一モリブデン(「単核」)の核は、理論化されている。さらに、モリブデン核上の配位空間を、遊離アミンまたはその他の配位部分で満たしてもよい。本発明は、既存のジチオカルバメート技法の、より高度に硫化されたタイプを調製するための、今まで知られていなかった方法に関する。得られる化合物の正確な構造は、わかっていない。しかし、本発明の組成物は、下記の一般構造を有するジチオカルバミン酸モリブデンであると考えられる
【0008】
【化1】

【0009】
ここで、式中、R、R、R、およびRは独立に、直鎖または分枝鎖状の飽和または不飽和の、1から40個の炭素原子を有するアルキル基、6から40個の炭素原子を有するシクロアルキル基、7から40個の炭素原子を有するアルキルシクロアルキル基、6から40個の炭素原子を有するアリール基、7から40個の炭素原子を有するアリールアルキル基であって、このアルキル基がヘテロ原子またはその他のヘテロ原子含有基で置換できるものから選択され、xは、約0.75から約2.1までの数である。高硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンを調製するための新規な方法は、モリブデン供給源、水、任意選択の不活性有機溶媒、二硫化炭素、および1つまたは複数の対称または非対称ジアルキルアミンを使用し、但しRおよびR(さらに2つの異なるアミンを使用する場合はRおよびR)は、同一または異なっており、あるいはこれらの混合物である。R、R、R、およびRは独立に、直鎖または分枝鎖状の飽和または不飽和の、1から40個の炭素原子を有するアルキル基、6から40個の炭素原子を有するシクロアルキル基、7から40個の炭素原子を有するアルキルシクロアルキル基、6から40個の炭素原子を有するアリール基、7から40個の炭素原子を有するアリールアルキル基であって、このアルキルおよびアリール基がヘテロ原子またはその他のヘテロ原子含有基で置換できるものから選択され、好ましくは、分枝鎖または直鎖状の飽和または不飽和の、2から24個の炭素原子を含有するアルキルまたはヘテロ原子含有アルキル基から選択され、より好ましくは、3から19個の炭素原子を含有するものから選択される。液体MoDTCの場合、4個のR基R、R、R、Rの少なくとも2個は、より高い油溶性効果を実現するために、C8からC19および分枝鎖であることが好ましい。
【0010】
硫化供給源としてCSを使用する場合、反応中に圧力を使用すると、CSの低沸点が原因で、大気圧で得ることが可能と考えられるよりもさらに高い反応温度が可能になる、即ちより速い反応がもたらされる。より低い温度では、CSは、非現実的であるような低速で作用する。この沸点よりも十分に高い温度、典型的には約93C(200F)よりも高い温度でしか、適切な速度で作用しない。
【0011】
したがって、固体または液体生成物を生成するための方法は、求められる特定の生成物タイプ(液体または固体)に最適な結果をもたらすために最も良く調整されることが見出された。したがって、それぞれの方法の詳細は、同じ化学変換であるが、所望の生成物の物理的性質(以下、「液体」または「固体」MoDTCと呼ぶ)に合わせて生成が行われるように最適化され、これらの方法について個別に記述する。
【0012】
反応物としてHSが回避されることに加え、本発明の方法の重要な利点とは、液体MoDTCの商用規模でのプロセス時間が短縮されることである。特定の液体MoDTCに関する商用のHSプロセスでは、1893リットル(500ガロン)規模のHSを添加するのに少なくとも10時間を必要とし、8328リットル(2200ガロン)規模では推定16時間以上を必要とする。本発明の方法は、一般に、液体MoDTCに関して6〜10時間の硫化還元または加熱時間を有するが、この時間は、規模の増大と共に長くならない。したがって本発明の方法は、液体MoDTCが8328リットル(2200ガロン)では、HSプロセスよりも少なくとも6〜10時間短縮される。節約されるプロセス時間は、プロセス・スケールが増大すると共に大きくなる。
【0013】
工場規模の反応器を使用する、液体MoDTCのプロセスの詳細を、以下に示す。
【0014】
水、試薬アミン、およびモリブデン供給源(三酸化モリブデン、モリブデン酸、またはモリブデン酸アンモニウムなど、および/または米国特許第5494608号に教示されているもの)を、自動圧力逃がし弁(自動圧力制御弁としても知られる)を備えた圧力反応器に入れる。モリブデン酸アンモニウムは、三酸化モリブデンまたはモリブデン酸とアンモニア水との反応によって、その場で調製することができる。事前に作製されまたはその場で作製されたモリブデン酸アンモニウムで開始すると、MoOの消化が必要ではなくなるので、プロセスがいくらか短縮される。試薬アミン:モリブデンのモル比は、所望の生成物に応じて、1.0〜2.1:1.0の範囲内であるが、典型的には約1.0〜1.1:1.0である。水の量は、当業者に知られるであろう。三酸化モリブデンを使用する場合、例えば水の量は、三酸化モリブデンとほぼ同じ重量にすることができるが、いくらか多くても少なくても、結果に影響を与えることはない。これらの試薬は、モリブデン酸アンモニウムをモリブデン供給源として使用しない限り、二硫化炭素を添加する前にモリブデン供給源が消化されるよう、一緒に加熱することが好ましい。典型的な消化温度範囲は、還流温度(約99〜104C)[約210〜220F]である。最も好ましい消化時間は、全ての固形分が溶解したときである(典型的には、約99〜104C[210〜220F]の温度で約2〜4時間)。
【0015】
消化が終了した後、蒸留によって、反応器から水を除去することが好ましい。試薬アミンが水に対して低い溶解度を有する場合、水と共に留出する全てのアミンを、反応器のデカンターを介して水から分離することができ、反応器に戻すことができる。
【0016】
水を除去した後、反応器を冷却し(典型的には93C[200F]よりも低い)、改善された撹拌が行われるように粘度を低下させるため、必要に応じていくらかのプロセス・オイルを添加してもよい。次いで反応器を密閉し、54C(130F)よりも低く冷却し、排気する。次いで二硫化炭素を導入する。二硫化炭素:モリブデンのモル比は約2.1〜3.5:1.0であり、好ましくは約2.2〜3.0:1.0、最も好ましくは約2.3〜2.5:1.0である。反応器の圧力は、最初にCS蒸気圧から上昇し、次いでこの圧力は、約107〜135C(225〜275F)の還流温度を実現するのに十分なレベルで維持される。所望の還流温度を実現するのに(即ち、硫化を実現するのに)十分な反応器の圧力は、約13790〜275792Pa(N/m)[2〜40psiまたはpsig]になり、好ましくは約34474〜172370Pa(N/m)[5〜25psig]、最も好ましくは約48264〜103422Pa(N/m)[7〜15psig]になる。典型的には、高硫化生成物への変換は、約6〜10時間の還流時間で実現される。しかし、上記にて示されたものより高い圧力および温度を使用すると、硫化速度が上昇し、より短い還流または加熱時間の使用が可能になる。硫化中のCOの発生は、反応器の圧力上昇を引き起こすことになり、自動圧力逃がし弁(自動圧力制御弁としても知られる)を介して苛性スクラバーに過剰な圧力を放出する必要がある。
【0017】
還元時間が終了したら、全ての未反応の二硫化炭素を、依然として圧力下の状態でまたは圧力を放出した後に、除去する。この二硫化炭素を回収し、今後のバッチ処理に再生利用する。
【0018】
次いで反応器を真空にし、生成物を約141〜157C(285〜315F)に加熱して、残されている微量の二硫化炭素および水を全て除去する。
【0019】
典型的には、審美的な理由から褐色の生成物が求められる。したがって、適切な色が実現されるまで加熱することにより、この色の変化を実現するために任意選択のステップを加えてもよく、したがって生成物は、所望の褐色が実現されるまで(通常は2〜4時間)、真空中で141〜157C(285〜315F)に加熱される。次に、より容易な生成物の取扱いが行われるように粘度を低下させるため、必要に応じて追加のプロセス・オイルを添加することができる。
【0020】
固体MoDTCのプロセスの詳細を、以下に示す。
【0021】
水、試薬アミン、モリブデン供給源(三酸化モリブデン、モリブデン酸、またはモリブデン酸アンモニウムなど)、および任意選択の不活性有機溶媒を、自動圧力逃がし弁(自動圧力制御弁としても知られる)を備えた圧力反応器に入れる。モリブデン酸アンモニウムは、三酸化モリブデンまたはモリブデン酸とアンモニア水との反応によって、その場で調製することができる。任意選択の溶媒の使用は、生成物の濾過および溶媒系の再生利用を可能にする、固体MoDTCに関する方法であり、固体生成物の取扱いの改善をもたらすことができる。任意選択の有機溶媒は、過剰な試薬アミン、非反応性アミン、または様々な高沸点溶媒、例えばセロソルブ、カルビトール、ジグライム、キシレンなどでよい。試薬アミン:モリブデンのモル比は、所望の生成物に応じて1.0〜2.1:1.0の範囲内であるが、典型的には約1.0〜1.1:1.0である。
【0022】
これらの試薬は、モリブデン酸アンモニウムをモリブデン供給源として使用しない限り、二硫化炭素を添加する前にモリブデン供給源を消化するために、一緒に加熱することが好ましい。最も好ましい消化時間は1/2から1時間であり、または全ての固形分が溶解するまでである。好ましい温度は54〜82C(130〜180F)である。
【0023】
反応器を38C(100F)よりも低く冷却し、密閉する。次いで二硫化炭素を、密閉した反応器に導入する。二硫化炭素:モリブデンのモル比は約2.1〜3.5:1.0であり、好ましくは約2.2〜3.0:1.0、最も好ましくは約2.3〜2.5:1.0である。次いで圧力逃がし弁を、最大の所望の反応器圧力に設定した状態で、反応器の温度を約2時間にわたりゆっくりと上昇させる。反応混合物を、13789〜206844Pa(N/m)[20〜30psiまたはpsig]の圧力下、約121〜138C[250〜280F]または還流温度に加熱する。典型的には、高硫化固体生成物への変換は、8〜13時間の過熱時間によって実現される。必要に応じて、206844Pa(N/m)[30psig]よりも高い圧力を使用して、より高い温度を得ることができ、したがって硫化速度が上昇し、より短い加熱時間の使用が可能になる。プロピルセロソルブや過剰な試薬アミンなどの高沸点有機溶媒の使用により、反応温度も上昇し、硫化速度も上昇することになる。高沸点溶媒の使用によって、還流を行うことなく必要な硫化温度を実現することが可能になる。加熱時間が終了したら、まず反応器システム上の圧力を放出し、次いで約66C(150F)まで、二硫化炭素を大気の作用によって除去することにより、未反応の二硫化炭素を全て除去することができる。この二硫化炭素を回収し、今後のバッチ処理に再生利用することができる。生成物スラリーを濾過し、次いでフィルター・ケークを洗浄し、乾燥する。
【実施例】
【0024】
液体生成物の実施例:
8つのバッチに関する結果を、下記の表に示す。バッチ8は、縮小生成バッチである。8つのバッチ全ては、「ジトリデシルアミン」としてBASF Corporationから入手可能なビス(C11〜C14分枝状および直鎖状アルキル)アミンを使用して作製した。
【0025】
【表1】

【0026】
【表2】

【0027】
固体生成物の実施例:
圧力無しで調製された市販の固体MoDTC(Molyvan(登録商標)A、R.T.Vanderbilt Company,Inc.から入手可能)は、下記の表に示されるように、低硫化MoDTC化合物を多量に含有する。低硫化MoTDC化合物は、HPLCピーク#1であり、高硫化MoDTC化合物はピーク#2である。本発明の方法によって作製された実験室バッチ9〜14は、下記の表に示されるように、高硫化MoDTCを多量に含有する。
【0028】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
二硫化炭素の通常の沸点よりも高い温度で、圧力の下、金属供給源、水、少なくとも1種の試薬アミン、および二硫化炭素を反応させるステップ
を含む、高度に硫化したジチオカルバミン酸金属を調製するための方法。
【請求項2】
金属が、+3以上の価数を有する遷移金属である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
金属がモリブデンである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも、全ての固形分が溶解する時間まで、モリブデン供給源、水、および試薬アミンを反応器内で一緒に加熱するステップと、
反応器に二硫化炭素を導入するステップと
を順に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
固形分が溶解した後、および二硫化炭素を導入する前に、反応器から水を除去するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
二硫化炭素を導入する前に、反応器の内容物を冷却するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
液体ジチオカルバミン酸金属を生成するために、二硫化炭素を導入する前に、反応器を密閉するステップと、反応器の内容物を54C(130F)よりも低く冷却するステップと、反応器を排気するステップとをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
固体ジチオカルバミン酸金属を生成するために、二硫化炭素を導入する前に、反応器を密閉するステップと、反応器の内容物を37.8C(100F)よりも低く冷却するステップとをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
密閉するステップの前に、反応器の内容物を93.3C(200F)よりも低く冷却するステップと、粘度を低下させるのに十分なプロセス・オイルを添加するステップとをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
二硫化炭素の導入後、反応器の内容物を圧力下で加熱して、高度に硫化したジチオカルバミン酸金属が形成される所望の還流温度を実現するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
還流温度が約107〜135C(225〜275F)である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
還流終了後、未反応の二硫化炭素を除去するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
二硫化炭素の導入後、反応器の内容物を加圧下で加熱して、高度に硫化したジチオカルバミン酸金属が形成される所望の還流温度を実現するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
還流温度が約121〜138C(250〜280F)である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
反応器の圧力逃がし弁を最大の所望の圧力に設定した状態で、反応器の内容物の温度を、約2時間にわたって還流温度にゆっくりと上昇させる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
除去後、反応器を真空にし、反応器の内容物を約141〜157C(285〜315F)に上昇させて、残されている二硫化炭素および水の全てを除去するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
還流終了後、未反応の二硫化炭素を除去するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
試薬アミン:モリブデンのモル比が約1.0〜2.1:1.0である、請求項3に記載の方法。
【請求項19】
試薬アミン:モリブデンのモル比が約1.0〜1.1:1.0である、請求項3に記載の方法。
【請求項20】
二硫化炭素:モリブデンのモル比が約2.1〜3.5:1.0である、請求項4に記載の方法。
【請求項21】
二硫化炭素:モリブデンのモル比が約2.2〜3.0:1.0である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
二硫化炭素:モリブデンのモル比が約2.3〜2.5:1.0である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
モリブデン供給源が、三酸化モリブデン、モリブデン酸、およびモリブデン酸アンモニウムの中から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項24】
モリブデン供給源が三酸化モリブデンである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
試薬アミンが、1つまたは複数の対称または非対称ジアルキルアミンから選択され、RおよびRと、2つの異なるアミンが使用される場合のRおよびRとが同一または異なっており、あるいはこれらの混合物でありR、R、RおよびRは独立に、直鎖または分枝鎖状の飽和または不飽和の、1から40個の炭素原子のアルキル基、6から40個の炭素原子のシクロアルキル基、7から40個の炭素原子のアルキルシクロアルキル基、6から40個の炭素原子のアリール基、7から40個の炭素原子のアリールアルキル基であって、これらのアルキルおよびアリール基がヘテロ原子またはその他のヘテロ原子含有基で置換できるものから選択され、好ましくは分枝鎖状または直鎖状の飽和または不飽和の、2から24個の炭素原子を含有するアルキル基またはヘテロ原子含有アルキル基から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
過剰な二硫化炭素が添加される、請求項1に記載の方法。

【公表番号】特表2009−512735(P2009−512735A)
【公表日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538216(P2008−538216)
【出願日】平成19年4月17日(2007.4.17)
【国際出願番号】PCT/US2007/066768
【国際公開番号】WO2007/136949
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(507293620)アール.ティー. ヴァンダービルト カンパニー インコーポレーティッド (11)
【Fターム(参考)】