説明

硬化性樹脂組成物および光学部材

【課題】硬化物の光学的透明性が高く、耐熱性、実装信頼性に優れる硬化性樹脂組成物、およびそれを用いた光学部材を提供する。
【解決手段】(A)ウレタンオリゴマーと、(B)不飽和二重結合を少なくとも1個有する重合性化合物と、(C)ラジカル重合開始剤と、(D)ヒンダードアミン系光安定剤と、を含有してなる硬化性樹脂組成物であって、(A)ウレタンオリゴマーが、(a)ジイソシアネート化合物と、(b)ポリカプロラクトンジオールまたはポリカーボネートジオールと、(c)水酸基含有(メタ)アクリレートまたはカプロラクトン変性(メタ)アクリレートと、を反応させてなるウレタンオリゴマーであり、(b)成分および(c)成分中の水酸基に対する、(a)成分中のイソシアネート基の当量比が0.8〜1.2である硬化性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その硬化物の光学的透明性が高く、耐熱性、実装信頼性に優れる硬化性樹脂組成物、およびそれを用いた透明基板、レンズ、接着剤、光導波路や発光ダイオード(LED)、フォトトランジスタ、フォトダイオード、固体撮像素子等の光半導体素子用途の光学部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光学部材用樹脂には透明性や耐光性に優れるアクリル系樹脂、例えばPMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)などが一般に多用されてきた。しかしPMMAは、硬化収縮が大きい、熱可塑性樹脂であるため耐熱性が不十分という問題がある。
【0003】
一方、光・電子機器分野に利用される光学部材用樹脂には、電子基板等への実装プロセスや高温動作下での耐熱性や機械特性が求められ、エポキシ系樹脂がよく用いられていた。しかし、近年、光・電子機器分野でも高強度のレーザ光や青色光や近紫外光の利用が広がり、従来以上に透明性、耐熱性、耐光性に優れた樹脂が求められている。
【0004】
一般にエポキシ樹脂は可視域での透明性は高いが、紫外から近紫外域では十分な透明性が得られない。中でも脂環式ビスフェノールAジグリシジルエーテル等を用いたエポキシ樹脂は比較的透明性が高いが、熱や光によって着色し易い等の問題点がある。
【0005】
これに対して、特許文献1,2には、脂環式ビスフェノールAジグリシジルエーテルに含まれる着色原因の一つである不純物の低減方法が開示されている。
【0006】
また近年、光学部材用途に透明性、着色性に優れるシリコーン樹脂を用いるもの、例えば特許文献3に記載のものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−171439号公報
【特許文献2】特開2004−75894号公報
【特許文献3】特開2004−2810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1,2等に記載の方法で不純物が低減されたエポキシ樹脂についても、耐熱性、実装信頼性等について改善の余地がある。また、特許文献3に記載のシリコーン樹脂については、一般に、取り扱い難い、線膨張係数が大きい、接着性が小さい等といった問題が懸念されている。
【0009】
そこで本発明は、その硬化物の光学的透明性が高く、かつ耐熱性、実装信頼性に優れる硬化性樹脂組成物、およびこれを用いた光学部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、(A)ウレタンオリゴマーと、(B)不飽和二重結合を少なくとも1個有する重合性化合物と、(C)ラジカル重合開始剤と、(D)ヒンダードアミン系光安定剤と、を含有してなる硬化性樹脂組成物であって、(A)ウレタンオリゴマーが、(a)ジイソシアネート化合物と、(b)下記一般式(1)で表されるポリカプロラクトンジオールまたは下記一般式(2)で表されるポリカーボネートジオールと、(c)一般式(3)で表される水酸基含有(メタ)アクリレートまたは一般式(4)で表されるカプロラクトン変性(メタ)アクリレートと、を反応させてなるウレタンオリゴマーであり、(b)成分および(c)成分中の水酸基(OH)に対する、(a)成分中のイソシアネート基(NCO)の当量比(NCO/OH)が0.8〜1.2である硬化性樹脂組成物を提供する。
【化1】


(式中、Rは、炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖の炭化水素基であり、m,nは、1〜50の整数である。)
【化2】


(式中、RまたはRは、炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖の炭化水素基であり、nは、1〜50の整数である。)
【化3】


(式中、Rは、水素またはメチル基であり、Rは、炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖の炭化水素基である。)
【化4】


(式中、Rは、水素またはメチル基であり、nは、1〜50の整数である。)
【0011】
かかる硬化性樹脂組成物によれば、その硬化物の光学的透明性が高く、かつ耐熱性、実装信頼性に優れる。本発明の硬化性樹脂組成物により、このような効果が得られる理由は必ずしも明らかでないが、本発明者らは、(A)ウレタンオリゴマーを用いることにより、硬化収縮が低減されるとともに、ウレタン結合により強靭性が向上する点、(A)ウレタンオリゴマーの原料としてポリカプロラクトンジオールまたはポリカーボネートジオールを用いることにより耐熱性が向上する点、および(D)ヒンダードアミン系光安定剤を用いることにより耐熱性、耐光性が向上する点等に起因するものと考えている。
【0012】
上記(A)ウレタンオリゴマーの平均重量分子量Mwは、2,000〜20,000であることが好ましい。
上記(A)ウレタンオリゴマーと上記(B)不飽和二重結合を少なくとも1個有する重合性化合物との質量比は1:9〜9:1であることが好ましい。
上記(C)ラジカル重合開始剤の含有量は、上記(A)ウレタンオリゴマーと上記(B)不飽和二重結合を少なくとも1個有する重合性化合物との合計量100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましい。
【0013】
上記(D)ヒンダードアミン系光安定剤の含有量は、上記(A)ウレタンオリゴマーと上記(B)不飽和二重結合を少なくとも1個有する重合性化合物との合計量100質量部に対して0.001〜5質量部であることが好ましい。
上記(B)不飽和二重結合を少なくとも1個有する重合性化合物は、2−ヒドロキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレートおよびラウリルアクリレートからなる群から選択される一種または二種類以上の重合性化合物であることが好ましい。
【0014】
本発明はまた、上記本発明の硬化性樹脂組成物を硬化してなる光学部材を提供する。かかる光学部材によれば、本発明の硬化性樹脂組成物を用いているので、光学的透明性が高く、かつ耐熱性、実装信頼性に優れる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、その硬化物の光学的透明性が高く、耐熱性、実装信頼性に優れる硬化性樹脂組成物、およびこれを用いた光学部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の硬化性樹脂組成物を用いた表面実装型LEDパッケージの具体例を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書中、(メタ)アクリル共重合体とはアクリル共重合体およびそれに対応するメタクリル共重合体を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレートおよびそれに対応するメタクリレートを意味する。
【0018】
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)ウレタンオリゴマーと、(B)不飽和二重結合を少なくとも1個有する重合性化合物と、(C)ラジカル重合開始剤と、(D)ヒンダードアミン系光安定剤と、を含有してなる。
ここで、(A)ウレタンオリゴマーは、(a)ジイソシアネート化合物と、(b)下記一般式(1)で表されるポリカプロラクトンジオールまたは下記一般式(2)で表されるポリカーボネートジオールと、(c)下記一般式(3)で表される水酸基含有(メタ)アクリレートまたは下記一般式(4)で表されるカプロラクトン変性(メタ)アクリレートと、を反応させてなるウレタンオリゴマーである。
【0019】
【化5】


(式中、Rは、炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖の炭化水素基であり、m,nは、1〜50の整数である。)
【0020】
【化6】


(式中、RまたはRは、炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖の炭化水素基であり、nは、1〜50の整数である。)
【0021】
【化7】


(式中、Rは、水素またはメチル基であり、Rは、炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖の炭化水素基である。)
【0022】
【化8】


(式中、Rは、水素またはメチル基であり、nは、1〜50の整数である。)
【0023】
上記(a)ジイソシアネート化合物は、1分子中にイソシアネート基を2個有する化合物であり、その具体例としては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素添加されたトリレンジイソシアネート、水素添加されたキシリレンジイソシアネート、水素添加されたジフェニルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。これらは単独でまたは混合して用いることができる。これらの中では、得られるウレタンオリゴマーの黄色度、ハンドリング性が良好なことから、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素添加されたキシリレンジイソシアネート、水素添加されたジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
【0024】
上記一般式(1)で表されるポリカプロラクトンジオールとしては、例えば、平均重量分子量が530のポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学社製 商品名プラクセル 205)、平均重量分子量が830のポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学社製 商品名プラクセル 208)、平均重量分子量が1,000のポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学社製 商品名プラクセル 210)、平均重量分子量が2,000のポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学社製 商品名プラクセル 220)、平均重量分子量が3,000のポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学社製 商品名プラクセル 230)、平均重量分子量が4,000のポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学社製 商品名プラクセル 240)などが挙げられる。これらは単独でまたは混合して用いることができる。これらの中では、得られるウレタンオリゴマーのハンドリング性が良好なことから、平均重量分子量が530のポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学社製 商品名プラクセル 205)、平均重量分子量が830のポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学社製 商品名プラクセル 208)、平均重量分子量が1,000のポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学社製 商品名プラクセル 210)が好ましい。
【0025】
上記一般式(2)で表されるポリカーボネートジオールとしては、例えば、平均重量分子量が500のポリカーボネートジオール(ダイセル化学社製 商品名プラクセルCD CD205)、平均重量分子量が1,000のポリカーボネートジオール(ダイセル化学社製 商品名プラクセルCD CD210)、平均重量分子量が2,000のポリカーボネートジオール(ダイセル化学社製 商品名プラクセルCD CD220)などが挙げられる。これらは単独でまたは混合して用いることができる。これらの中では、得られるウレタンオリゴマーのハンドリング性が良好なことから、平均重量分子量が500のポリカーボネートジオール(ダイセル化学社製 商品名プラクセルCD CD205)、平均重量分子量が1,000のポリカーボネートジオール(ダイセル化学社製 商品名プラクセルCD CD210)が好ましい。
【0026】
上記一般式(3)で表される水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは単独でまたは混合して用いることができる。
【0027】
上記一般式(4)で表されるカプロラクトン変性(メタ)アクリレート化合物は、ポリカプロラクトンオリゴマーにラジカル重合性を有する(メタ)アクリル二重結合を1つ導入した不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾ε−カプロラクトンであり、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート1mol付加品、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート2mol付加品、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート3mol付加品、ヒドロキシメエル(メタ)アクリレート5mol付加品、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート10mol付加品等が挙げられる。これらは単独でまたは混合して用いることができる。これらの中では、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート2mol付加品、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート3mol付加品がより好ましい。また、ポリカプロラクトンに付加する(メタ)アクリレートとして、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等も使用することができる。
【0028】
上記(b)成分および上記(c)成分中の水酸基に対する、上記(a)ジイソシアネート化合物中のイソシアネート基の当量比は、0.8〜1.2である。
【0029】
また、(A)ウレタンオリゴマーを合成する際には、上記原料成分の他に、公知の重合禁止剤や触媒を添加することもできる。
【0030】
上記(A)ウレタンオリゴマーの平均重量分子量Mwは、2,000〜20,000の範囲であることが好ましく、4,000〜18,000の範囲であることがより好ましく、6,000〜16,000の範囲であることが特に好ましい。平均重量分子量が2,000より小さいと充分な強靭性が得られにくくなる傾向があり、20,000より大きくなると、(B)不飽和二重結合を少なくとも1個有する重合性化合物との相溶性が悪くなる傾向がある。なお、本明細書中、「平均重量分子量」は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー法(GPC)により、標準ポリスチレンによる検量線を用いて測定したものであり、測定条件は次のとおりである。
〈GPC条件〉
使用機器:日立L−6000型〔株式会社日立製作所〕
カラム :ゲルパックGL−R420+ゲルパックGL−R430+ゲルパックGL−R440(計3本)〔いずれも日立化成工業株式会社製商品名〕
溶離液 :テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量 :1.75ml/min.
検出器 :L−3300RI〔株式会社日立製作所〕
【0031】
上記(A)ウレタンオリゴマーの合成方法の一例を以下に示す。まず攪拌機、温度計、冷却管および空気ガス導入管を三口フラスコに取り付け、空気ガスを導入する。その後、上記(b)ポリカプロラクトンジオールまたはポリカーボネートジオール、(c)水酸基含有(メタ)アクリレートまたはカプロラクトン変性(メタ)アクリレート、および任意で重合禁止剤、触媒を適量入れ、70℃に昇温後、70〜75℃で攪拌しつつ(a)ジイソシアネート化合物を均一滴下し、反応を行う。滴下終了後、IR測定により、イソシアネートが消失したことを確認して反応を終了し、(A)ウレタンオリゴマーを得る。
【0032】
重合禁止剤としては、公知の重合禁止剤が使用でき、例えば、p−メトキシキノン、p−メトキシフェノール、p−t−ブチルカテコール等が挙げられる。また、触媒としては、ウレタンオリゴマー合成に用いる公知の触媒が使用でき、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、トリエチレンジアミン等が挙げられる。
【0033】
また、上記(A)ウレタンオリゴマー合成の際に、分子量調整剤として、メルカプタン系化合物、チオグリコール、四塩化炭素、α−メチルスチレンダイマー等を必要に応じて添加することができる。
【0034】
上記(B)不飽和二重結合を少なくとも1個有する重合性化合物は、熱または光照射により硬化可能な単量体であり、耐熱性の観点からエーテル構造を有さないもの、また耐光性の観点から芳香環を2つ以上含まないものが好ましい。その具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、3、4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエトキシ(メタ)アクリレート、2−エトキシエトキシ(メタ)アクリレート、ピレノキシド付加物(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルモノ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンを有するモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−エタンジオールジ(メタ)クリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、亜鉛ジ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、カプロラクトン変性トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート、片末端(メタ)アクリル変性シリコーンオイル、両末端(メタ)アクリル変性シリコーンオイルなどが挙げられ、これらは単独でまたは二種類以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、2−ヒドロキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ラウリルアクリレートが好ましい。
【0035】
(C)ラジカル重合開始剤としては、ラジカル熱重合開始剤または光重合開始剤を用いることができる。
ラジカル熱重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等、通常のラジカル重合に使用できるものはいずれも使用することができる。アゾ系開始剤としては例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサノン−1−カルボニトリル、アゾジベンゾイル等が挙げられる。過酸化物系開始剤としては例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ヘキシルパーオキシド等が挙げられる。
【0036】
また光重合開始剤としては、工業的UV照射装置の紫外線を効率良く吸収して活性化し、硬化樹脂を黄変させないものであれば特に特定されるものではない。その具体例としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノンとトリプロピレングリコールジアクリレートとの混合物、およびオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−(2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ)−エチルエステルとオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−エチルエステルとの混合物等が挙げられる。
【0037】
上記(D)ヒンダートアミン系光安定剤としては、これは別名HALSとも称されるが、例えば、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート(ADEKA社製、商品名アデカスタブ LA−52)、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタン−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート(ADEKA社製、商品名アデカスタブ LA−57)、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル、およびトリデシル−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート(ADEKA社製、商品名アデカスタブ LA−62)、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジノールとトリデシルアルコールと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸との縮合物(ADEKA社製、商品名アデカスタブ LA−67)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β,β−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)−ジエタノールとの縮合物(ADEKA社製、商品名アデカスタブ LA−68LD)、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(ADEKA社製、商品名アデカスタブ LA−77Y)、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート(ADEKA社製、商品名アデカスタブ LA−82)、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート(ADEKA社製、商品名アデカスタブ LA−87)、高分子量ヒンダードアミン系光安定剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名CHIMASSORB 119FL、CHIMASSORB 2020FDL、)、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名CHIMASSORB 944FDL)、高分子立体障害型アミン誘導体(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名TINUVIN 622LD)、(ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名TINUVIN144)、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名TINUVIN 765)などが挙げられ、これらは単独でまたは二種類以上を組み合わせて使用することができる。これらのうち、耐熱、耐光性を著しく向上させるものとして、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート(ADEKA社製、商品名アデカスタブ LA−52)、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(ADEKA社製、商品名アデカスタブ LA−77Y)、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名TINUVIN 765)が好ましい。
【0038】
上記硬化性樹脂組成物における上記(A)成分と(B)成分との質量比は、1:9〜9:1の範囲であることが好ましく、2:8〜8:2の範囲であることがより好ましい。(B)成分の配合比が、(A)成分90質量部に対し、10質量部より小さいと、硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎ、扱い難くなる傾向があり、一方、(A)成分10質量部に対し、90質量部より大きいと、実装信頼性が低下する傾向がある。
【0039】
上記硬化性樹脂組成物における(C)成分の含有量は、(A)成分および(B)成分の総量100質量部に対して0.01〜5質量部とすることが好ましく、0.1〜1質量部とすることが特に好ましい。この含有量が5質量部を超えると硬化物が熱や近紫外線によって着色し易くなり、0.01質量部より少ないと硬化し難くなる傾向がある。半減期温度の異なる複数の熱ラジカル重合開始剤を用いた場合においては、合計の含有量が上記の範囲になる。
【0040】
上記硬化性樹脂組成物における(D)成分の含有量は、(A)成分および(B)成分の総量100質量部に対して0.001〜5質量部とすることが好ましく、0.01〜1質量部とすることがより好ましく、0.1〜1質量部とすることが特に好ましい。この含有量が5質量部を超えると硬化物が着色し易くなり、0.001質量部より少ないと着色を抑える効果が小さくなる傾向がある。
【0041】
上記硬化性樹脂組成物には、上述の成分以外に、フェノール系やリン系の酸化防止剤、紫外線吸収剤、無機充填剤、有機充填剤、カップリング剤、重合禁止剤、等を添加することができる。また、成形性の観点から離型剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤等を添加してもよい。
【0042】
本硬化性樹脂組成物を用いた光学部材の製造方法は、樹脂溶液を所望の部分に注型、ポッティング、または金型へ流し込み、加熱によって硬化する。また、硬化阻害や着色防止のため、予め窒素バブリングによって硬化性樹脂組成物中の酸素濃度を低減することが望ましい。熱硬化の場合の硬化条件は、最終的に硬化が完結する温度、時間が望ましい。(B)成分の種類、組み合わせ、添加量によるが、60〜150℃で1〜5時間程度が望ましい。また、急激な硬化反応により発生する内部応力を低減するために、硬化温度を段階的に昇温することが望ましい。
【0043】
本硬化性樹脂組成物を表面実装型LEDパッケージの透明封止樹脂に適用した場合のパッケージ成形体としては、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂を適用することができる。熱可塑性樹脂としては、液晶ポリマー、ポリフタルアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート等、従来から知られているあらゆる熱可塑性樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、シアネート樹脂等種々のものを用いることができる。特に、エポキシ樹脂は透明封止樹脂に対する接着性が優れるため好ましい。熱可塑性樹脂を用いた場合、成形は射出成形で行い、熱硬化性樹脂を用いた場合、成形はトランスファー成形で行う。
【0044】
以上、説明した本実施形態の硬化性樹脂組成物は、その硬化物の光学的透明性が高く、耐熱性、実装信頼性に優れる硬化性樹脂組成物であり、その硬化物を用いた透明基板、レンズ、接着剤、光導波路や発光ダイオード(LED)、フォトトランジスタ、フォトダイオード、固体撮像素子等の光半導体素子用途の光学部材として使用することができる。
【0045】
図1は、本発明の硬化性樹脂組成物を用いた表面実装型LEDパッケージの具体例を示す模式断面図である。図1に示す表面実装型LEDパッケージ200は、半導体発光素子102と、本発明の硬化性樹脂組成物を硬化した硬化物からなる封止体(透明封止樹脂)104と、樹脂成形体100とを有する。
樹脂成形体100は、リードフレームから成形した一対のリード105、106を熱硬化性樹脂からなる樹脂部103によりモールドした構造を有する。
樹脂部103には開口部101が形成されており、その中に半導体発光素子102が載置されている。そして、半導体発光素子102を包含するように封止体104により封止されている。半導体発光素子102は、リード106の上にマウントされている。
そして、半導体発光素子102上の電極102aとリード105とが、ワイア107により接続されている。2本のリード105、106を通して半導体発光素子102に電力を供給すると発光が生じ、その発光が封止体104を通して光取り出し面108から取り出される。
【実施例】
【0046】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲を限定するものではない。
【0047】
(製造例1)
攪拌機、温度計、冷却管および空気ガス導入管を2Lの三口フラスコに取り付け、空気ガスを導入した後、平均重量分子量が530のポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学社製 商品名プラクセル 205)795.0g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(共栄社株式会社製 商品名ライトエステルHOA)69.6g、重合禁止剤としてp−メトキシキノン(和光純薬工業株式会社製)0.5g、触媒としてジブチルチ錫ジラウレート(東京ファインケミカル株式会社製、商品名L101)0.3gを入れ、70℃に昇温後、70〜75℃で攪拌しつつイソホロンジイソシアネート(住化バイエルウレタン株式会社製 商品名デスモジュールI)270.0gを2時間かけて均一滴下し、反応を行った。滴下終了後、約5時間反応させたところで、IR測定の結果、イソシアネートが消失したことを確認して反応を終了し、重量平均分子量が7,100のウレタンオリゴマー1(UA1)を得た。
【0048】
(製造例2)
平均重量分子量が530のポリカプロラクトンジオールを795.0g、不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾ε−カプロラクトン(ダイセル化学工業株式会社製 商品名FA2D)を180.0g、イソホロンジイソシアネートを270.0gとした以外は、上記製造例1と同様にしてウレタンオリゴマー2(UA2)を合成した。その重量平均分子量は7,000であった。
【0049】
(製造例3)
平均重量分子量が500のポリカーボネートジオール(ダイセル化学社製 商品名プラクセルCD CD205)を750.0g、不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾ε−カプロラクトンを180.0g、イソホロンジイソシアネートを270.0gとした以外は、上記製造例1と同様にしてウレタンオリゴマー3(UA3)を合成した。その重量平均分子量は6,100であった。
【0050】
(製造例4)
平均重量分子量が500のポリカーボネートジオールを500.0g、不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾ε−カプロラクトンを120.0g、ノルボルナンジイソシアネート(三井化学ポリウレタン社製 商品名COSMONATE NBDI)を247.0gとした以外は、上記製造例1と同様にしてウレタンオリゴマー4(UA4)を合成した。その重量平均分子量は7,000であった。
【0051】
(製造例5)
平均重量分子量が500のポリカーボネートジオールを575.0g、不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾ε−カプロラクトンを138.0g、水素添加されたキシリレンジイソシアネート(三井化学ポリウレタン社製 商品名TAKENATE 600)を268.0gとした以外は、上記製造例1と同様にしてウレタンオリゴマー5(UA5)を合成した。その重量平均分子量は7,100であった。
【0052】
(製造例6)
平均重量分子量が1,000のポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学社製 商品名プラクセル 210)を780.0g、2−ヒドロキシエチルアクリレートを30.0g、イソホロンジイソシアネートを137.0gとした以外は、上記製造例1と同様にしてウレタンオリゴマー6(UA6)を合成した。その重量平均分子量は8,900であった。
【0053】
(製造例7)
ポリカプロラクトンジオールまたはポリカーボネートジオールを0g、不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾ε−カプロラクトンを600.0g、イソホロンジイソシアネートを150.0gとした以外は、上記製造例1と同様にしてウレタンオリゴマー7(UA7)を合成した。その重量平均分子量は700であった。
【0054】
(実施例1〜10および比較例1〜2)
表1に示す成分を常温(25℃)にて混合して、実施例1〜10および比較例1〜2の各樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物を、断面が図1の構造であり、寸法が20mm×20mm×1mmの型、および外形寸法が3.2mm×2.6mm×1.8mm、キャビティ内径がΦ2.4mmのポリフタルアミド製表面実装型LEDパッケージのキャビティ部(開口部)にピペッターで流し込み、酸素濃度500ppm以下の窒素雰囲気下オーブン中で、60℃で3時間、120℃で1時間加熱し、表面実装型LEDパッケージを得た。また、1mm厚のシリコーン製のスペーサーをガラス板で挟んだ型の中に流し入れ、オーブン中、60℃で3時間、120℃で1時間加熱し、1mm厚の硬化物を得た。
【0055】
【表1】


※表中の配合量数値単位は全て質量部
UA1、UA2、UA3、UA4、UA5、UA6、UA7:ウレタンオリゴマー1、2、3、4、5、6、7
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート(共栄社株式会社製 商品名ライトエステルHOA)
THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート(共栄社株式会社製 商品名ライトアクリレートTHF−A)
LA:ラウリルアクリレート(共栄社株式会社製 商品名ライトアクリレートL−A)
MMA:メチルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)
開始剤:過酸化ラウロイル(日本油脂株式会社製 商品名パーロイルL)
光安定剤:メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名TINUVIN 765)
【0056】
上記実施例、比較例で得られた表面実装型LEDパッケージの実装信頼性および硬化物の光学特性を以下の方法により測定した。
表面実装型LEDパッケージの実装信頼性は、冷熱温度サイクル下(1サイクルを−40℃/30min−85℃/30minとし、0サイクル(初期)および100サイクルで評価)でパッケージ内の各樹脂組成物のひび割れ(クラック)、および透明封止樹脂とパッケージ成形体の間の剥離(不良)の有無を評価した。所定のサイクル数での不良品率(=不良の数/試験に用いたパッケージ数*100(%))を計算し、実装信頼性とした。
硬化体の透過率は、硬化後(初期)、および耐熱変色性の評価として150℃で24時間高温放置した後に測定した。測定は分光光度計を用い、1mm厚の試験片で測定した。
上記実施例、比較例の表面実装型LEDパッケージの実装信頼性、および硬化体の光学特性、すなわち硬化後(初期)と高温放置後での波長500nmの光の透過率を表2に示す。
【0057】
【表2】

【0058】
実施例1〜10の表面実装型LEDパッケージはいずれも実装信頼性に優れる。更に、硬化体の光学特性についても初期の透過率が高く、高温放置後での透過率の低下が少ないことが分かる。一方、ウレタンオリゴマーの製造の際にポリカプロラクトンジオールまたはポリカーボネートジオールを用いていない比較例1では、冷熱温度サイクル下で剥離が発生した。また、(A)ウレタンオリゴマーを用いない比較例2でも、冷熱温度サイクル下で剥離が発生した。
【0059】
以上より明らかであるように、本発明の硬化性樹脂組成物は、その硬化物の光学的透明性が高く、高温保管後の透過率の低下が少なく、耐熱性、実装信頼性に優れることから、光半導体用封止樹脂等の電子材料用途の光学素子に好適である。本発明の硬化性樹脂組成物を光学部材へ適用すると、耐熱性が良いことから光学素子の寿命や信頼性が向上できる。
【符号の説明】
【0060】
100…樹脂成形体、101…開口部、102…半導体発光素子、103…樹脂部、104…封止体(透明封止樹脂)、105、106…リード、107…ワイア、108…光取り出し面、200…表面実装型LEDパッケージ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ウレタンオリゴマーと、(B)不飽和二重結合を少なくとも1個有する重合性化合物と、(C)ラジカル重合開始剤と、(D)ヒンダードアミン系光安定剤と、を含有してなる硬化性樹脂組成物であって、
前記(A)ウレタンオリゴマーが、(a)ジイソシアネート化合物と、(b)下記一般式(1)で表されるポリカプロラクトンジオールまたは下記一般式(2)で表されるポリカーボネートジオールと、(c)下記一般式(3)で表される水酸基含有(メタ)アクリレートまたは下記一般式(4)で表されるカプロラクトン変性(メタ)アクリレートと、を反応させてなるウレタンオリゴマーであり、
前記(b)成分および前記(c)成分中の水酸基に対する、前記(a)成分中のイソシアネート基の当量比が0.8〜1.2である硬化性樹脂組成物。
【化1】


(式中、Rは、炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖の炭化水素基であり、m,nは、1〜50の整数である。)
【化2】


(式中、RまたはRは、炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖の炭化水素基であり、nは、1〜50の整数である。)
【化3】


(式中、Rは、水素またはメチル基であり、Rは、炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖の炭化水素基である。)
【化4】


(式中、Rは、水素またはメチル基であり、nは、1〜50の整数である。)
【請求項2】
前記(A)ウレタンオリゴマーの平均重量分子量Mwが、2,000〜20,000である、請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
前記(A)ウレタンオリゴマーと前記(B)不飽和二重結合を少なくとも1個有する重合性化合物との質量比が1:9〜9:1である、請求項1または2記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
前記(C)ラジカル重合開始剤の含有量が、前記(A)ウレタンオリゴマーと前記(B)不飽和二重結合を少なくとも1個有する重合性化合物との合計量100質量部に対して0.01〜5質量部である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
前記(D)ヒンダードアミン系光安定剤の含有量が、前記(A)ウレタンオリゴマーと前記(B)不飽和二重結合を少なくとも1個有する重合性化合物との合計量100質量部に対して0.001〜5質量部である請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
前記(B)不飽和二重結合を少なくとも1個有する重合性化合物が、2−ヒドロキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレートおよびラウリルアクリレートからなる群から選択される一種または二種類以上の重合性化合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる光学部材。

【図1】
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【公開番号】特開2010−121105(P2010−121105A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−36522(P2009−36522)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】