説明

磁性体コア−セラミックシェルナノ結晶及びその製造方法

【課題】本発明は、磁性体コア−セラミックシェルナノ結晶及びこれを製造する方法、詳しくは、高結晶化度、均一なサイズ、高化学的安全性を有する磁性体コア−セラミックシェル(例えば、マグネタイト(Fe)コア−リン酸カルシウム(Ca(PO)シェル)ナノ結晶及びこれを製造する方法を提供する。
【解決手段】コア−シェル構造は、マグネタイト前駆体を還元してコアに該当するマグネタイトシードを形成した後、連続的にCa(PO前駆体を還元してマグネタイト上にCa(POをコーティングする過程により合成し、それにより多機能複合磁性体コア−セラミックシェルを得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁性体コア−セラミックシェルナノ結晶及びその製造方法に関し、詳しくは、高結晶化度、均一なサイズ、高化学的安全性を有する磁性体コア−セラミックシェル(例えば、マグネタイト(Fe)コア−リン酸カルシウム(Ca(PO)シェル)ナノ結晶及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁性ナノ結晶は、化学的合成が可能になるにつれ、高密度の磁気記録、センサー、触媒など多様な分野に応用される可能性がある。特に、マグネタイト(Fe)ナノ結晶は、それが有する独特の物理化学的特性のため、磁性材料の中でも重要な位置を占めている。
【0003】
また、最近では、生命科学に対する研究が活発になり、マグネタイトの優れた生体適合性を利用した生物学的応用可能性の研究が幅広く進行している。また、磁場によって位置を制御することができる磁性ナノ結晶に、特定の機能を付与することができる材料をコーティングしてコアシェル構造とする研究が盛んに行われている。
【0004】
一方、Ca(POは、骨を構成する基本的なミネラル成分の一つであって、優れた生体適合性を有しているセラミック材料である。現在、それは、骨欠損が生じている骨を補う治療(bone defect filling)と、口腔手術(oral surgery)など、整形外科と歯科の治療に主に使われており、最近では、骨セメント(self−setting cements)としても多くの研究が行われている。さらに、生理活性的の特性のため、DNAトランスフェクションと薬物伝達などにも応用しようとする試みがなされている。
【0005】
よって、マグネタイトとリン酸カルシウムをコアシェル構造に合成したナノ結晶は、それぞれの材料が有している磁気的、生理活性的の性質をいずれも備えた新しいナノ材料であり、既存の個別材料のナノ構造が有していた単一機能の限界を越え、複合機能性と、向上した性能とを有することができるようになる。
【0006】
本発明では、生理活性的で、磁場による位置移動が可能で、DNAトランスフェクション、薬物伝達、生体分離、生体操作、生体分析、特定物質の検出などに応用することができる磁性体−セラミックのコア−シェル複合機能のナノ結晶及びそれを製造する製造方法を提供しようとする。特に、そのために、Fe−Ca(POコア−シェルナノ結晶及びその製造方法が求められる。
【0007】
また、応用可能性を高めるために、高結晶化度、均一なサイズ、高化学的安全性を有し、磁性的な性質とセラミック的な性質とを兼備する磁性体−セラミックのコア−シェル複合機能のナノ結晶及びその製造方法が求められる。
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0129608号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0281884号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、磁性的な性質とセラミック的な性質とを兼備する磁性体−セラミックのコア−シェル複合機能のナノ結晶及びその製造方法を提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、高結晶化度、均一なサイズ、高化学的安全性を有する磁性体−セラミックのコア−シェル複合機能ナノ結晶及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような本発明の目的を果たすために、本発明の方法は、磁性体コア物質の前駆体と前記磁性体コア物質の前駆体の還元剤を混合するステップと、前記磁性体コア物質の前駆体と前記還元剤の溶媒を混合して第1の混合溶液を形成するステップと、前記第1の混合溶液を第1の温度まで加熱して、第1の時間保持するステップと、前記第1の混合溶液を室温まで冷却して前記磁性体コア物質を形成するステップと、前記磁性体コア物質に、セラミックシェル物質の前駆体と前記セラミックシェル物質の前駆体の還元剤を混合するステップと、前記セラミックシェル物質の前駆体と前記還元剤の溶媒を混合して第2の混合溶液を形成するステップと、前記第2の混合溶液を第2の温度まで加熱して、第2の時間保持するステップと、前記第2の混合溶液を室温まで冷却して前記磁性体コア物質に前記セラミックシェル物質をコーティングするステップと、を含む、複合機能磁性体コア−セラミックシェルナノ結晶の製造方法であることを特徴とする。
【0011】
また、このような本発明の目的を果たすために、本発明の結晶は、磁性体コア物質の前駆体と前記磁性体コア物質の前駆体の還元剤を混合し、前記コア物質の前駆体と前記還元剤の溶媒を混合して第1の混合溶液を形成し、加熱した後、冷却して、前記磁性体コア物質を形成するステップと、前記磁性体コア物質を形成する同一の場所でセラミックシェル物質の前駆体と前記セラミックシェル物質の前駆体の還元剤を混合し、前記セラミックシェル物質の前駆体と前記還元剤の溶媒を混合して第2の混合溶液を形成し、加熱した後、冷却して、前記磁性体コア物質に前記セラミックシェル物質をコーティングするステップと、を含む、連続工程で製造した複合機能磁性体コア−セラミックシェルナノ結晶であることを特徴とする。
【0012】
さらに、その他の実施例、または構成要素の変更、追加などによる他の実施例の提供が可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、ポリオール製造法によってマグネタイトコア−リン酸カルシウムシェルナノ結晶を製造することができる。本発明の方法は、マグネタイト前駆体を還元してコアに該当するマグネタイトシードを形成した後、連続的にCa(PO前駆体を還元してマグネタイト上にCa(POをコーティングする過程により合成することである。形成された磁性体コア−シェル構造は、高結晶化度、均一なサイズ、高化学的安全性を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、磁性体コア−セラミックシェルナノ結晶を製造する方法に関し、詳しくは、マグネタイト(Fe)コア−リン酸カルシウム(Ca(PO)シェルナノ結晶及びそれを製造する方法に関する。
【0015】
以下では、磁性体のマグネタイトコアに高効率の生理活性的セラミック材料のリン酸カルシウムシェルをコーティングしたFe−Ca(PO複合機能コア−シェルナノ結晶を例として説明する。
【0016】
Fe−Ca(PO、Fe/Ca(PO、Fe@Ca(POは、いずれもコア−シェルの表示方法である。
【0017】
本発明の磁性体コア−セラミックシェルナノ構造は、ポリオール製造法を用いてマグネタイトコアを製作し、Ca(POの還元によりマグネタイトコア上にCa(POをコーティングする連続的な2過程により製造する。
【0018】
すなわち、高分子界面活性剤が添加された溶液に、適当な前駆体の還元反応によって、コアはマグネタイト(Fe)、シェルはCa(POで構成された磁性体/セラミックコアシェルナノ結晶を連続的な製造方法により製造する。
【0019】
以下において具体的な製造方法を、本発明によるFe−Ca(POナノ結晶合成過程によって説明する。
【0020】
図1Aに示されたように、先ず、酸化鉄ナノ結晶の製造のために、250mlのフラスコ101に、注入部111を介して鉄の前駆体[FeIII(acac)(acac=アセチルアセトナート(acetylacetonate)、0.5mmol)](0.1766gまたは0.5mmol)を、1,2−ヘキサデカンジオール(1,2−hexadecanediol、0.6468gまたは2.5mmol)などの還元剤とともに入れる。高分子界面活性剤(ポリエチレンオキシド‐ポリプロピレンオキシド‐ポリエチレンオキシド(polyethylene oxide−co−polypropylene oxide−co−polyethylene oxide,PEO−PPO−PEO) 0.7529g)が溶解されたジオクチルエーテル(10〜20ml)溶液で鉄前駆体FeIII(acac)(acac=アセチルアセトナート(acetylacetonate)、0.5mmol)をヘキサデカンジオール(0.6468g)によって還元してFeナノ結晶を製造する。
【0021】
還元過程は、前記混合溶液を1時間で120〜130℃まで徐々に加熱し、その温度で1〜2時間循環させる。その後、15分間300℃まで素早く加熱し、300℃で1〜2時間循環させる。このように高温で製造する理由は、還流のためである。次に、混合溶液を室温まで冷却して前記磁性体コア物質を形成する。合成過程において、反応混合物を加熱手段103により加熱し、ガス注入部107を介して不活性ガスのアルゴンガスを注入することもあり、排出部109を介して合成過程で生ずるガスを排出する。
【0022】
ここに、カルシウムアセテート(3mmol、474.5mg)とアンモニウムフォスフェート(2mmol、292.1mg)が溶解されたトリオクチルホスフィン(TOP、99%;〜3ml)を添加した後、磁気撹拌機(magnetic stirring)にて混ぜた後、2〜3時間保持する。さらに均一な混合溶液を製造するために、反応混合物を、加熱手段103にて80℃まで昇温し、30分間混ぜる。温度は、温度計105で測定する。
【0023】
引き続き、混合溶液を加熱して130℃〜160℃の範囲で1〜2時間保持すると、Ca(POが形成される。合成過程において、ガス注入部107を介して不活性ガスのアルゴンガスを注入することもあり、排出部109を介して合成過程で生ずるガスは排出される。
【0024】
反応後、Fe−Ca(POコアシェルナノ結晶は、無水エタノールによって析出され、通常、遠心分離により、またはヘキサンによる再分散過程を通じて析出を促進することができる。溶媒分子と他のナノ結晶残余物とを除去するためにこの過程を2回ほど繰り返す。
【0025】
このようにして製造されたコアシェルナノ結晶は、溶液で長時間変質なしに保存され、これは、コア部分のナノ結晶の表面に異種の物質が緻密にコーティングされていることを意味する。
【0026】
ここでは、一般的な溶媒として使用するフェニルエチルよりもジオクチルエーテルを使用した。このジオクチルエーテルは、単にマグネタイト(Fe)のみを製造するのではなく、FeO(ほぼFeであり、FeとFeの混合物である。)結晶を形成する。また、界面活性剤は、低分子界面活性剤でなく、3つの高分子ブロック(poly(ethylene oxide)−poly(propylene oxide)−poly(ethylene oxide)からなる高分子共重合体(トリブロックコポリマー)を使用する。
【0027】
図1Bに示されたように、120過程は、マグネタイトコアを生成する図で、130過程は、マグネタイトコアにCa(POをコーティングする図で、140過程は、エタノール/ヘキサンで洗浄するステップを示す。
【0028】
図2Aは、本発明のコアのFeナノ結晶のX線回折パターンを示すグラフである。ここで、ピークは、Feが逆スピネル構造を有していることを意味する。
【0029】
図2Bは、本発明によって合成したFe−Ca(POコアシェルナノ結晶のX線回折パターンを示すグラフである。ここで、高結晶化度を有するCa(POが稠密六方晶系(hcp)構造で存在することが分かる。
【0030】
図3の(a)は、本発明のコアであるFeナノ結晶の透過型電子顕微鏡(TEM)写真であり、図3の(b)は、本発明によって合成したFe−Ca(POコアシェルナノ結晶のTEM写真であり、図3の(c)は、本発明によって合成したFe−Ca(POコアシェルナノ結晶の高倍率のTEM写真である。
【0031】
すなわち、図3の(a)は、コア結晶のFeナノ結晶の高結晶性と均一度を示すTEM写真である。図3の(b)及び図3の(c)は、本発明によって合成したFe−Ca(POコアシェルナノ結晶体のTEM写真の高分解能TEM写真であり、図3の(c)の内部の円は、Feコアを示し、外部の円は、Ca(POシェルを示す。
【0032】
図4は、本発明のコアのFeと本発明によって合成したFe−Ca(POコアシェルナノ結晶の常温での磁気履歴曲線である。縦軸は、磁化値を示し、横軸は、印加した磁場の強さを示す。Feと本発明によって合成したFe−Ca(POコアシェルナノ結晶は、常温で保磁力値が0である超常磁性(superparamagnetism)挙動を示し、Fe−Ca(POコアシェルナノ結晶がFeナノ結晶に比べてさらに大きい磁化率を有する。
【0033】
図5の(a)は、本発明においてコアに該当するFeナノ結晶が分散した溶液に外部磁場を印加する前の写真で、図5の(b)は、本発明においてコアに該当するFeナノ結晶が分散した溶液に外部磁場を印加した場合の写真である。図5の(c)は、本発明によって合成したFe−Ca(POコアシェルナノ結晶が分散した溶液に外部磁場を印加する前の写真で、図5の(d)は、本発明によって合成したFe−Ca(POコアシェルナノ結晶が分散した溶液に外部磁場を印加した場合の写真である。
【0034】
すなわち、Feナノ結晶に比べて、Fe−Ca(POコアシェルナノ結晶が外部磁場にさらに敏感に反応することを示しており、これは、図4の磁気履歴曲線で示す磁化率値の結果とも一致する。
【0035】
【表1】

【0036】
表1は、本発明によって合成したFe−Ca(POコアシェルのX線のデータから測定した格子面間の距離と、稠密六方晶系の構造を理論的に計算した格子面間の距離とを比較したデータである。この表により、本発明によって合成したFe−Ca(POコアシェルが稠密六方晶系の構造を有することが分かる。
【0037】
上述した本発明の好ましい実施形態は、例示の目的のために開示されたものであり、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な置換、変形、及び変更が可能であり、このような置換、変更などは、特許請求の範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1A】本発明によって磁性体コア−セラミックシェルナノ結晶の合成に使用する装置を示す図である。
【図1B】本発明による磁性体コア−セラミックシェルナノ結晶の合成過程を示す図である。
【図2A】本発明のコアのFeナノ結晶のX線回折パターンを示すグラフである。
【図2B】本発明によって合成したFe−Ca(POコアシェルナノ結晶のX線回折パターンを示すグラフである。
【図3】(a)は、本発明のコアのFeナノ結晶の透過型電子顕微鏡(TEM)写真、(b)は、本発明によって合成したFe−Ca(POコアシェルナノ結晶の透過型電子顕微鏡(TEM)写真、(c)は、本発明によって合成したFe−Ca(POコアシェルナノ結晶の高倍率の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。
【図4】本発明のコアのFeと本発明によって合成したFe−Ca(POコアシェルナノ結晶の常温での磁気履歴曲線である。
【図5】(a)は、本発明においてコアに該当するFeナノ結晶が分散した溶液に外部磁場を印加する前の写真、(b)は、本発明においてコアに該当するFeナノ結晶が分散した溶液に外部磁場を印加した場合の写真、(c)は、本発明によって合成したFe−Ca(POコアシェルナノ結晶が分散した溶液に外部磁場を印加する前の写真、(d)は、本発明によって合成したFe−Ca(POコアシェルナノ結晶が分散した溶液に外部磁場を印加した場合の写真である。
【符号の説明】
【0039】
101 フラスコ
103 加熱手段
105 温度計
107 ガス注入部
109 排出部
111 注入部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続工程で複合機能磁性体コア−セラミックシェルナノ結晶を製造する方法において、
磁性体コア物質の前駆体と前記磁性体コア物質の前駆体の還元剤を混合するステップと、
前記磁性体コア物質の前駆体と前記還元剤の溶媒を混合して第1の混合溶液を形成するステップと、
前記第1の混合溶液を第1の温度まで加熱して、第1の時間保持するステップと、
前記第1の混合溶液を室温まで冷却して前記磁性体コア物質を形成するステップと、
前記磁性体コア物質に、セラミックシェル物質の前駆体と前記セラミックシェル物質の前駆体の還元剤を混合するステップと、
前記セラミックシェル物質の前駆体と前記還元剤の溶媒を混合して第2の混合溶液を形成するステップと、
前記第2の混合溶液を第2の温度まで加熱して、第2の時間保持するステップと、
前記第2の混合溶液を室温まで冷却して前記磁性体コア物質に前記セラミックシェル物質をコーティングするステップと、
を含む複合機能磁性体コア−セラミックシェルナノ結晶の製造方法。
【請求項2】
エタノールを添加して前記複合機能ナノ結晶を析出し、遠心分離機を利用して分離するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の複合機能磁性体コア−セラミックシェルナノ結晶の製造方法。
【請求項3】
前記第1の混合溶液を形成するステップは、界面活性剤を添加するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の複合機能磁性体コア−セラミックシェルナノ結晶の製造方法。
【請求項4】
前記第2の混合溶液を形成するステップは、界面活性剤を添加するステップをさらに含まないことを特徴とする、請求項1に記載の複合機能磁性体コア−セラミックシェルナノ結晶の製造方法。
【請求項5】
前記コアは、Feであり、前記シェルは、Ca(POであることを特徴とする、請求項1に記載の磁性体コア−セラミックシェルナノ結晶の製造方法。
【請求項6】
前記第1の混合溶液を前記第1の温度で一定の時間保持した後、前記第1の温度よりも高い第3温度まで加熱して第3時間保持するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のコア−シェルナノ結晶の製造方法。
【請求項7】
前記第2の混合溶液を前記第2の温度で一定の時間保持した後、前記第2の温度よりも高い第4温度まで加熱して第4時間保持するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のコア−シェルナノ結晶の製造方法。
【請求項8】
連続工程で複合機能マグネタイト−リン酸カルシウムのコア−シェルナノ結晶を製造する方法において、
マグネタイト前駆体のFeIII(acac)と前記マグネタイト前駆体の還元剤を混合するステップと、
溶媒のジオクチルエーテルを混合して第1の混合溶液を形成するステップと、
前記第1の混合溶液を300℃まで加熱して、1〜2時間保持するステップと、
前記第1の混合溶液を室温まで冷却して前記マグネタイトコアを形成するステップと、
前記マグネタイトコアに、カルシウムアセテートとアンモニウムフォスフェート及びこれらの還元剤を混合して第2の混合溶液を形成するステップと、
前記第2の混合溶液を80℃まで加熱して、30分間保持するステップと、
前記第2の混合溶液を室温まで冷却して前記マグネタイトコアに前記Ca(POシェルをコーティングするステップと、
を含む複合機能マグネタイト−Ca(POコア−シェルナノ結晶の製造方法。
【請求項9】
エタノールを添加して前記複合機能ナノ結晶を析出し、遠心分離機を利用して分離するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の複合機能マグネタイト−Ca(POコア−シェルナノ結晶の製造方法。
【請求項10】
前記第1の混合溶液を形成するステップは、界面活性剤としてトリブロックコポリマー(PEO−PPO−PEO)を添加するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の複合機能マグネタイト−Ca(POコア−シェルナノ結晶の製造方法。
【請求項11】
前記第2の混合溶液を形成するステップは、界面活性剤を添加するステップを含まないことを特徴とする、請求項8に記載の複合機能マグネタイト−Ca(POコア−シェルナノ結晶の製造方法。
【請求項12】
連続工程で複合機能磁性体コア−セラミックシェルナノ結晶を製造する方法において、
磁性体コア物質の前駆体と前記磁性体コア物質の前駆体の還元剤を混合し、前記コア物質の前駆体と前記還元剤の溶媒を混合して第1の混合溶液を形成し、加熱した後、冷却して前記磁性体コア物質を形成するステップと、
前記磁性体コア物質を形成する同一の場所でセラミックシェル物質の前駆体と前記セラミックシェル物質の前駆体の還元剤を混合し、前記セラミックシェル物質の前駆体と前記還元剤の溶媒を混合して第2の混合溶液を形成し、加熱した後、冷却して、前記磁性体コア物質に前記セラミックシェル物質をコーティングするステップと、
を含む複合機能磁性体コア−セラミックシェルナノ結晶の製造方法。
【請求項13】
マグネタイト前駆体のFeIII(acac)と前記マグネタイト前駆体の還元剤を混合するステップと、
溶媒のジオクチルエーテルを混合して第1の混合溶液を形成するステップと、
前記第1の混合溶液を60〜80℃まで加熱して、1〜2時間保持するステップと、
前記第1の混合溶液を室温まで冷却して前記マグネタイトコアを形成するステップと、
前記マグネタイトコアに、カルシウムアセテートとアンモニウムフォスフェート及びこれらの還元剤を混合して第2の混合溶液を形成するステップと、
前記第2の混合溶液を80℃まで加熱して、30分間保持するステップと、
前記第2の混合溶液を室温まで冷却して前記マグネタイトコアに前記Ca(POシェルをコーティングするステップと、
を含む、連続工程で製造した複合機能マグネタイト−Ca(POコア−シェルナノ結晶。
【請求項14】
磁性体コア物質の前駆体と前記磁性体コア物質の前駆体の還元剤を混合し、前記コア物質の前駆体と前記還元剤の溶媒を混合して第1の混合溶液を形成し、加熱した後、冷却して前記磁性体コア物質を形成するステップと、
前記磁性体コア物質を形成する同一の場所でセラミックシェル物質の前駆体と前記セラミックシェル物質の前駆体の還元剤を混合し、前記セラミックシェル物質の前駆体と前記還元剤の溶媒を混合して第2の混合溶液を形成し、加熱した後、冷却して前記磁性体コア物質に前記セラミックシェル物質をコーティングするステップと、
を含む、連続工程で製造した複合機能磁性体コア−セラミックシェルナノ結晶。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図4】
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【図3】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−162884(P2008−162884A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178(P2008−178)
【出願日】平成20年1月4日(2008.1.4)
【出願人】(508005129)コリア・ユニバーシティ・ファンデーション (1)
【Fターム(参考)】