説明

磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体検出装置

【課題】 磁性粉付着媒体や磁性膜付着媒体を検出する場合に、微細な磁性層パターンの検出を可能として高分解能を実現し、かつ、製造容易として低コスト化を図る。
【解決手段】 少なくとも一対のスピンバルブ型磁気抵抗効果素子R1,R2と、スピンバルブ型磁気抵抗効果素子R1,R2にバイアス磁界を加える磁界発生手段としての永久磁石10とを備える。また、一対のスピンバルブ型磁気抵抗効果素子R1,R2は、検出対象である磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体の相対移動方向に対し略垂直に配置されている。また、スピンバルブ型磁気抵抗効果素子R1,R2に対し、前記磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体の相対移動方向に略垂直なバイアス磁界が与えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁性粉等からなる磁性層パターン(磁性粉又は磁性膜によるパターン)が付着した媒体の検出に関し、特に、磁気インクを用いた紙幣やカード、その他磁気インクで印刷された磁性層のパターンの読取りに好適な、磁気抵抗効果素子を用いた磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気インクで磁性層パターンを形成した検出媒体を検出する従来例の装置としては、図4(A)に示されるように、永久磁石20の磁極面に対向する位置(図4(A)では磁極面の上側の位置)に、一対の強度検知型磁気抵抗効果素子21A,21Bを検出媒体1の移動方向に対して平行に配置した装置が知られている。検出媒体1は例えば紙、プラスチックのフイルムやカード等に磁気インク等で磁性層パターン2を形成した磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体である。
【0003】
図4(B)のように、一対の強度検知型磁気抵抗効果素子21A,21Bは、直列に接続されており、この直列接続の一方の側は直流定圧電源Vccに、他方の側はグランドラインに、それぞれ接続されている。そして、一対の磁気抵抗効果素子21A,21B同士の直列接続部25から検出出力信号Voutを取り出す構成である。
【0004】
この従来例の装置は検出媒体1の移動方向に沿って設置される。永久磁石20のバイアス磁界は、検出媒体1が磁気抵抗効果素子21Aの上側を通過するときは磁気抵抗効果素子21Aを集中して通過するため磁気抵抗効果素子21Aの抵抗値が大きく変化し、検出媒体1が磁気抵抗効果素子21Bの上側を通過するときは磁気抵抗効果素子21Bを集中して通過するため磁気抵抗効果素子21Bの抵抗値が大きく変化する。したがって、一対の磁気抵抗効果素子21A,21Bの直列接続部25から、検出媒体1の通過に伴う検出出力信号Voutが得られる。
【0005】
しかし、図4の従来例の構成の場合、検出媒体1が一方の強度検知型磁気抵抗効果素子の上を通過する際に、他方の強度検知型磁気抵抗効果素子に印加されている磁界に変動を生じる(クロストークを生じる)という問題がある。
【0006】
そこで、下記特許文献1では、クロストークを生じる問題を解決するために、図4の従来例の装置において、永久磁石の磁極面に、一対の強度検知型磁気抵抗効果素子の中間部分に対向した凹部を設けるとともに、永久磁石の磁極面と対向するヨークを設けて前記一対の強度検知型磁気抵抗効果素子を挟み込むようにしたものを開示している。
【0007】
【特許文献1】特開平6−111251号公報
【0008】
このようにすることで、一対の強度検知型磁気抵抗効果素子の間には磁気障壁が作り出され、各バイアス磁界が完全に分離されて独立した磁気回路となるため、クロストークを生じることを防止することができる。
【0009】
図5の説明図において、その従来例の欄に、図4や特許文献1で用いる強度検知型磁気抵抗効果素子の磁気特性曲線及び動作範囲の例、感磁方向等について記載した。強度検知型磁気抵抗効果素子の場合、感磁面に対して垂直方向の磁界強度変化を検出する。
【0010】
図6(A)は検出媒体1の磁性層パターンであり、配列間隔が広い場合、やや狭い場合、極めて狭い場合の3通りを示し、同図(B)は図4や特許文献1の装置のように強度検知型磁気抵抗効果素子を用いたときの図6(A)の磁性層パターンに対応した出力波形{図4(B)の検出出力信号Voutの波形}を示す。
【0011】
図4の従来例装置や特許文献1の装置では、一対の強度検知型磁気抵抗効果素子が検出媒体の移動方向に平行に配置されているため、図4(A)の素子間ピッチPに比べて検出媒体1の磁性層パターン間隔が充分大きければ(図6(A)の広い磁性層パターンの場合)、正常な出力波形(図6(B)の左側の波形)が得られるが、素子間ピッチPに比べて検出媒体1の磁性層パターンがやや狭くなったり、極めて狭くなると(図6(A)のやや狭い磁性層パターンや極めて狭い磁性層パターンの場合)、図6(B)の中央の波形又は右側の波形のように波形が乱れるか若しくは極めて狭い磁性層パターンを1つの磁性層パターンと誤認した波形となってしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
図6で説明したように、図4の従来例や特許文献1の場合、一対の磁気抵抗効果素子21A,21Bを検出媒体の移動方向に対して平行に配置しているため、微細な磁性層パターンの検出が不可能、つまり分解能が低いという問題があった。また、クロストークを生じることを防止するために、特許文献1に示されるような構成とする場合、磁気抵抗効果素子にバイアス磁界を印加する永久磁石に凹部を設けるための加工が必要で工程が煩雑となり、また、対向ヨークを設けるなど追加部品を必要とするため高コストになるという問題があった。
【0013】
本発明は、上記の点に鑑み、微細な磁性層パターンの検出が可能な高分解能で、かつ、製造容易で低コストの、磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体検出装置を提供することを目的とする。
【0014】
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明に係る磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体検出装置は、少なくとも一対の方向検知型磁気抵抗効果素子と、該方向検知型磁気抵抗効果素子にバイアス磁界を加える磁界発生手段と、を備える構成において、
前記一対の方向検知型磁気抵抗効果素子は、検出対象である磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体の相対移動方向に対し略垂直に配置されていることを特徴としている。
【0016】
前記磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体検出装置において、前記磁界発生手段は、前記一対の方向検知型磁気抵抗効果素子に対し、前記磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体の相対移動方向に略垂直なバイアス磁界を加えるものであるとよい。
【0017】
前記磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体検出装置において、前記磁界発生手段は、永久磁石と該永久磁石の磁極面に配置されたヨークとで構成されており、前記一対の方向検知型磁気抵抗効果素子は、前記ヨークへの対向位置に配置されているとよい。
【0018】
前記磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体検出装置において、前記バイアス磁界により前記方向検知型磁気抵抗効果素子は非飽和領域で動作する構成であるとよい。
【0019】
前記磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体検出装置において、前記方向検知型磁気抵抗効果素子はスピンバルブ型磁気抵抗効果素子であり、対をなしたスピンバルブ型磁気抵抗効果素子の一方のピン層磁化方向と他方のピン層磁化方向とは、互いに逆向きでかつ前記磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体の相対移動方向に略平行であるとよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体検出装置によれば、一対の方向検知型磁気抵抗効果素子は、検出対象である磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体の相対移動方向に対し略垂直に配置されているため、磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体の微細な磁性層パターンの検出が可能であり、またクロストーク対策で永久磁石の磁極面に凹溝を形成したり、対向ヨーク等の追加部品を必要しないため、構造の簡素化、コスト低減が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態として、磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体検出装置の実施の形態を図面に従って説明する。
【0022】
図1(A),(B)は本発明の実施の形態1を示す。図1(A)に示すように、磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体検出装置は磁界発生手段としての永久磁石10と一対の方向検知型磁気抵抗効果素子としての一対のスピンバルブ型磁気抵抗効果素子(以下、SV−GMR素子)R1,R2とを備えている。SV−GMR素子R1,R2は、永久磁石10の磁極面(図では上面のN極面)に対向する位置(図1では磁極面の上側の位置)に、検出対象である検出媒体(磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体)1の移動方向(図1では水平方向)に対して略垂直(図1では奥行き方向)に並んで配置されている。一対のSV−GMR素子R1,R2のピン層磁化方向は、検出媒体1の移動方向に対して略平行でかつ互いに逆向き(図1では水平方向右向き及び左向き)である。また、永久磁石10は検出媒体1の移動方向に略垂直にSV−GMR素子R1,R2を磁気バイアスするものであり、つまりSV−GMR素子R1,R2の感磁面に対して略垂直な一定のバイアス磁界を印加している。
【0023】
図5の説明図において、その本発明の欄に、本実施の形態で用いるSV−GMR素子の磁気特性曲線及び動作範囲の例、感磁方向等について記載した。本実施の形態では、検出媒体1に形成された磁性粉付着等による磁性層パターン2の有無に起因する微弱な磁界変化を高感度で検出するために、SV−GMR素子R1,R2へのバイアス磁界は図5の磁気特性曲線及び動作範囲から明らかなようにSV−GMR素子の非飽和領域で動作する強さに設定する。また、検出媒体1の移動方向に対してSV−GMR素子のピン層磁化方向が略平行であり、検出媒体1の移動に伴う磁界の変化方向はピン層磁化方向に対して略平行となるように設定している。SV−GMR素子は外部磁界の向きとピン層磁化方向とが一致するときに低抵抗となり、外部磁界の向きとピン層磁化方向とが反対向きのときに高抵抗となる。
【0024】
図1(B)のように、一対のSV−GMR素子R1,R2は、直列に接続されており、この直列接続の一方の側は直流定圧電源Vccに、他方の側はグランドラインに、それぞれ接続されている。そして、一対のSV−GMR素子R1,R2同士の直列接続部5から検出出力信号Voutを取り出す構成である。
【0025】
検出媒体1は、紙、プラスチックのフイルムやカード等に磁気インク等で磁性粉を付着させて磁性層パターン2を形成した磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体(例えば紙幣やカード)である。前記永久磁石10及び一対のSV−GMR素子R1,R2は、この検出媒体1の移動経路に沿って配置され、検出媒体1は図示しない移動手段によりSV−GMR素子R1,R2に近接対向した状態で図1(A)の矢印方向(水平方向右向き)に走行可能となっている。
【0026】
この磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体検出装置の動作を図6を参照して説明する。
【0027】
図6(A)は検出媒体1の磁性層パターンであり、配列間隔が広い場合、やや狭い場合、極めて狭い場合の3通りを示し、同図(C)は本実施の形態のようにSV−GMR素子を用いたときの図6(A)の磁性層パターンに対応した出力波形(図1(B)の検出出力信号Voutの波形)を示す。例えば配列間隔が広い磁性層パターンの場合で説明すると、図1(A)の1本の磁性層パターン2がSV−GMR素子R1,R2の真上の手前側(左側)に近接すると、永久磁石10によるバイアス磁界は磁性層パターン2の影響で左上向きとなり、SV−GMR素子R1のピン層磁化方向に一致する磁界成分が発生し、SV−GMR素子R1は低抵抗、SV−GMR素子R2は高抵抗となり、図1(B)の検出出力信号Voutには図6(C)の出力波形において、前側の正のピーク電圧が得られる。そして、図1(A)の1本の磁性層パターン2がSV−GMR素子R1,R2の真上を通過して右側に位置すると、永久磁石10によるバイアス磁界は磁性層パターン2の影響で右上向きとなり、SV−GMR素子R2のピン層磁化方向に一致する磁界成分が発生し、SV−GMR素子R1は高抵抗、SV−GMR素子R2は低抵抗となり、図1(B)の検出出力信号Voutには図6(C)の出力波形において後側の負のピーク電圧が得られる。
【0028】
このとき、SV−GMR素子R1,R2へのバイアス磁界は図5の本発明の欄における磁気特性曲線及び動作範囲から明らかなようにSV−GMR素子の急峻な非飽和領域で動作する強さに設定されているため、前記正、負のピーク電圧は十分大きく、高感度の検出ができる。図5に強度検知型磁気抵抗効果素子を用いた従来例の感度比率とSV−GMR素子を用いた本発明(本実施の形態)の感度比率を対比しており、本発明の感度比率を1.00としたとき、従来例の感度比率は0.2〜0.4程度であり、本発明の方が高感度検出が可能なことが示される。
【0029】
一対のSV−GMR素子R1,R2は、検出対象である検出媒体1の移動方向に対し略垂直に配置されているため、動作原理上、図6(A)の磁性層パターンの配列間隔による影響は受けずに極めて狭い間隔の磁性層パターンの検出も高精度で可能となる。
【0030】
この実施の形態1によれば、次の通りの効果を得ることができる。
【0031】
(1) 一対のSV−GMR素子R1,R2は、検出対象である磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体1の移動方向に対し略垂直に配置されているため、従来不可能であった検出媒体1の微細な磁性層パターン2の検出が可能である。
【0032】
(2) 一対のSV−GMR素子R1,R2は、検出対象である磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体1の移動方向に対し略垂直に配置されているため、クロストーク対策で永久磁石の磁極面に凹溝を形成したり、対向ヨーク等の追加部品を必要しないため、構造の簡素化、コスト低減が可能である。
【0033】
(3) 永久磁石10によるバイアス磁界は、SV−GMR素子R1,R2を急峻な特性の非飽和領域で動作させるように設定されており、つまり外部磁界変化に対する抵抗変化が大きい動作領域を利用するため、高感度検出が可能である。
【0034】
(4) 一方のSV−GMR素子R1のピン層磁化方向と他方のSV−GMR素子R2のピン層磁化方向とは、互いに平行かつ逆向きであり、これらのSV−GMR素子R1,R2を図1(B)のように直列接続して接続点より検出出力信号Voutを取り出すことにより、十分な大きさの検出出力値が得られる。
【0035】
図2は本発明の実施の形態2を示す。この場合、磁界発生手段は永久磁石10とその磁極面(図2ではN極)に配置されたヨーク11(軟磁性体)とで構成されている。そして、一対のSV−GMR素子R1,R2は、ヨーク11への対向位置(磁極面にも対向する位置)に並べて配置されている。なお、その他の構成は前述した実施の形態1と同様であり、同一又は相当部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0036】
この実施の形態2では、永久磁石10の磁極面にヨーク11を配置することによ、永久磁石10の磁極面の小さな磁束の乱れがヨーク11の表面には現れないため、SV−GMR素子R1,R2に対面するヨーク11の対向面での磁束を一様にすることができ、検出媒体1の移動方向に略垂直(SV−GMR素子の感磁面に略垂直)な一様なバイアス磁界を発生して、いっそう信頼性の高い高精度の磁性層パターン検出が可能である。その他の作用効果は前述した実施の形態1と同様である。
【0037】
図3は本発明の実施の形態3を示す。この場合、一対のSV−GMR素子R1,R2は検出対象である検出媒体1の移動方向に対し略垂直で、かつ永久磁石10の磁極面及びヨーク11の対向面(図3では上面)に垂直な方向に重ねた配置となっている。なお、その他の構成及び検出動作は前述した実施の形態2と同様であり、同一又は相当部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0038】
なお、上記各実施の形態では検出媒体である磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体が移動するものとして説明したが、磁界発生手段及び一対のSV−GMR素子が磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体に対して移動してもよい。つまり、磁界発生手段及び一対のSV−GMR素子に対して磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体が相対的に移動すればよい。
【0039】
また、各実施の形態において、複数対のSV−GMR素子を用いてもよい。
【0040】
検出対象となる媒体は紙葉状磁性媒体等、様々ある。磁性粉付着媒体としては、例えば、紙幣、プラスチックフイルム、カード等の磁性粉を含有する磁気インクによる印刷等で磁性層パターンを媒体に形成したものが使用可能であり、その他に、磁性膜付着媒体として、全面に磁性金属箔や磁性金属膜を有する媒体をエッチング等で加工して磁性層パターンを媒体表面に形成したものも使用可能である。
【0041】
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体検出装置の実施の形態1であって、(A)は構成を示す斜視図、(B)は一対のSV−GMR素子の電気結線を示す回路図である。
【図2】本発明の実施の形態2を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態3を示す斜視図である。
【図4】磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体検出装置の従来例であって、(A)は構成を示す斜視図、(B)は一対の強度検知型磁気抵抗効果素子の電気結線を示す回路図である。
【図5】本発明と従来例の磁気感度比較の説明図である。
【図6】本発明の従来例の出力波形比較であり、(A)は間隔の異なる磁性層パターンの平面図、(B)は各磁性層パターンに対応する従来例の出力波形図、(C)は各磁性層パターンに対応する本発明の出力波形図である。
【符号の説明】
【0043】
1 検出媒体
2 磁性層パターン
10 永久磁石
11 ヨーク
R1,R2 SV−GMR素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一対の方向検知型磁気抵抗効果素子と、該方向検知型磁気抵抗効果素子にバイアス磁界を加える磁界発生手段と、を備える磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体検出装置において、
前記一対の方向検知型磁気抵抗効果素子は、検出対象である磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体の相対移動方向に対し略垂直に配置されていることを特徴とする磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体検出装置。
【請求項2】
前記磁界発生手段は、前記一対の方向検知型磁気抵抗効果素子に対し、前記磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体の相対移動方向に略垂直なバイアス磁界を加える請求項1記載の磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体検出装置。
【請求項3】
前記磁界発生手段は、永久磁石と該永久磁石の磁極面に配置されたヨークとで構成されており、前記一対の方向検知型磁気抵抗効果素子は、前記ヨークへの対向位置に配置されている請求項1又は2記載の磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体検出装置。
【請求項4】
前記バイアス磁界により前記方向検知型磁気抵抗効果素子は非飽和領域で動作する請求項1,2又は3記載の磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体検出装置。
【請求項5】
前記方向検知型磁気抵抗効果素子はスピンバルブ型磁気抵抗効果素子であり、対をなしたスピンバルブ型磁気抵抗効果素子の一方のピン層磁化方向と他方のピン層磁化方向とは、互いに逆向きでかつ前記磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体の相対移動方向に略平行である請求項1,2,3又は4記載の磁性粉付着媒体又は磁性膜付着媒体検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−266862(P2006−266862A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−85228(P2005−85228)
【出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】