磁気選別機装置
有害な、すなわち、腐食性、可燃性、毒性又はかかる有害な要因を組合せて有する可能性のある、液体、蒸気及び気体の存在下で、微粉固体を選別するのに有用である磁気選別機装置、並びにクロロシランの製造方法におけるかかる装置の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願で開示し特許請求するのは、有害な、すなわち腐食性、可燃性、毒性又はかかる有害な要因を組合せて有する可能性のある微粉固体、液体、蒸気及び気体を選別する上で有用である磁気選別機装置、並びにクロロシランの製造におけるかかる装置の使用である。本願は、2003年6月9日付けの仮特許出願第60/476,978号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
磁気選別は、文献の中で詳しく記述されている。Jan Svobodaは「Magnetic Methods for the Treatment of Materials(鉱物の処理のための磁気的方法)」、Developments in Meneral Processing−8,ISBNO−44−42811−9,Elsevier, New York, 1987中で、磁選技術の状況を概説した。その他の一般的参考文献としては、「Magnetic Separation(磁選)」、Perry's Chemical Engineers' Handbook, McGraw-Hill, ニューヨーク、第7版、1998,p19−49及びJohn Oberteuffer 及びIonal Wechsler、「Magnetic Separation(磁選)」、Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、1978,John Wiley & Sons, New York, 第5巻、p708〜732が挙げられる。
【0003】
振動マトリクス選別機を扱ったいくつかの特許が発行されている。すなわち1937年3月16日に発行された米国特許第2,074,085号明細書においてFrantzは、微粉末のための磁気選別機について記述している。Frantzは、プーリー、ローター又はベルトの使用に基づく選別機が、微粉末の供給を受けた場合に効率の良い選別を行なうことができないということを開示した。Frantzの磁気選別機は、電磁ソレノイド、ケーシング容器及びマトリクスとしてのアトラクタスクリーンで構成されている。該発明の一実施形態においては、マトリクスは、モーターにより回転されている垂直シャフトに固定された偏心おもりを用いて振動させられる。
【0004】
機械的手段は、マトリクスを振動させる唯一の方法ではない。それは電磁手段によっても可能である。Kolmは、1971年3月2日に発行された米国特許第3,567,026号明細書及び1972年7月11日に発行された米国特許第3,676,337号明細書中で、交流コイルを用いた直流ソレノイド選別機内の細かいスチールウールマトリクスの振動について開示している。Kolmの特許は両方共、1つの直流コイルと3つの交流コイルを含む磁気選別機を記述している。直流コイルは、主たる選別を実施するためにスチールウールマトリクスを磁化する背景磁界を提供する。第1の交流コイルは、直流コイルからの残留磁化を除去するための減磁コイルである。その他の2つの交流コイルは、緩く保持されたコンポーネントを振とうさせるべくスチールウールマトリクスを振動させるための渦電流を作り出す。直流磁界をオフに切換え交流磁界を適用してマトリクスから外へ磁気微粉を出す方法が特許請求されている。強磁性ウールに加えて、振動を強くするために銅ウールが必要に応じて添加される。渦電流は、1秒あたり約18000〜20,000サイクル以上の上部音波範囲内にある。フロー分配のために、必要に応じて有孔板を使用することもできる。
【0005】
Kolmの特許は主として湿潤スラリーに関わるものであるが、発電所からの煤煙中に含まれているフライアッシュなどのストリーム由来の乾燥粒子の除去も考えられる。
【0006】
1978年5月2日に発行された米国特許第4,087,358号中でOderは、作業のフラッシュ工程中に不純物を取り除くべく粘土スラリー磁気選別機のマトリクスを振動させるための方法及び装置について記述している。振動ハンマリング、補助交流コイルによるマトリクスの振とう、及び高強度音波の使用が、マトリクスに対し補助的機械力を適用する手段として示唆されているものである。
【0007】
1945年3月20日に発行された米国特許第2,372,665号明細書中でWulffは、炭化物粒子がそのキュリー温度より高い温度にあり従って磁界にひきつけられないような形で混合供給物を215℃まで加熱することにより白鋳鉄粉末をパーライト含有量が高い画分及び炭化物含有量が高い画分へと選別する方法について記述している。
【0008】
1976年12月28日に発行された米国特許第4,000,060号明細書内でCollinは、高温粉末混合物のための磁気選別機について記述している。該選別機は、水冷された永久磁石を伴うドラムロール選別機から成る。非磁気ローラーは、温度制御された流動床の中にセットされる。供給粉末は、窒素などの不活性ガスで流動化される。
【0009】
1989年6月6日に発行された米国特許第4,836,914号明細書内でInoueは、石油から鉄粒子を除去するために磁気選別機を使用する方法について記述している。好ましい作業温度は、最高400℃までである。この方法は、水酸化物処理などの処理代替法に比べ利点を有する。これは、高粘度油に特に有利である。
【0010】
時として、サイクル間の清浄を補助するためにマトリクスを加熱することが望まれる。Dijkuisは、1982年10月5日に発行された米国特許第4,353,730号明細書の中で、磁性微粉を排出するべくマトリクス材料のキュリー温度より高い温度まで清浄用流体を加熱することによって磁気選別機マトリクスを清浄にするための方法について記述している。
【0011】
ケイ素の機械加工プロセス中に使用された切削液から、のこぎりの刃又はラップ板由来の粒子を磁気的に選別することができる半導体材料の機械加工に由来する不純物を除去する方法を教示しているWiesnerに対する2001年7月24日に発行された米国特許第6,262,843号明細書中で、研磨性の粒子が関与する磁選の例が開示されている。
【0012】
有害な粉末とは、腐食性、可燃性、毒性又はかかる有害な要因の組合せを有する微粉固体である。本来的に有害である粉末は、きわめて信頼性の高い漏洩防止設計をもつ磁気選別機装置の内部に完全に収容されなくてはならない。時として、有害な乾燥粉末は、有害な気体、蒸気又は液体と同時に処理される。有害な流体も同様に、かかる粉末に対して磁気選別機を作動させることをさらに困難にしている。
【0013】
かかる材料を選別機の内部に封じ込めることが極めて重要である。腐食性材料のわずかな漏出でも、格納容器の腐食欠陥を結果としてもたらす可能性があり、これが大量の、さらには壊滅的な漏出を導く。腐食性及び毒性材料は、従業員に被害を加える可能性がある。可燃性材料は、格納された不活性環境から大気へと漏出した場合に火災及び爆発をひき起こす可能性がある。かくして、格納システムの保全性及び信頼性が非常に重要である。
【0014】
選別が周囲温度よりも高い温度、周囲圧力よりも高い圧力で行なわれた場合又は固体が特に研磨性である場合に、さらなる問題がもたらされる。高温運転は、低温運転で利用可能な数多くの重合体又はエラストマ材料を使用することを不可能にする。これらの材料は、耐腐食性又は耐磨耗性については好適な製造材料であるかもしれない。高温では、数多くの重合体及びエラストマが著しく弱化し、かくして運転中に機能しなくなる。
【0015】
圧力格納又は封止のためにかかる製造材料が使用された場合に、圧力がこの問題に追加される。周囲圧力より高い圧力で運転中に封じ込めが破れると、選別機から大気へ加工材料を急速に漏出させることになり、かくして、火災又は爆発といったような危険な出来事が発生する。封じ込めが破れると空気が装置内にひき込まれるように真空にて選別機が作動している場合に、選別機の内部で類似の危険が生じる可能性がある。封じ込めの破れに対する危険な影響に加えて、質的な問題をプロセスに対してもたらす可能性もある。その一例としては、酸素が汚染物質であり磁気選別機を真空下で動作させるプロセスがある。
【0016】
装置の製造材料の摩滅も同様に問題である。格納容器は、侵食される可能性がある。侵食は、封じ込めの破れをもたらす。シールは特に封じ込めの破れをもたらしやすく、そのため、回転する機械的シール面又は設計上類似の特長を回避することがきわめて重要である。故障の検出も同様に強く望まれる。
【0017】
今日業界では数多くのタイプの磁気選別機が存在している。本願発明者にとっては、いくつかのタイプでの高勾配磁気選別機が既知のものである。1つは、テキサス州ヒューストンにあるMerrichem Company製のMagnaCat(登録商標)選別機等の、封入型ベルト選別機である。
【0018】
米国特許第4,406,773号明細書の中で、Hettinger et al.は、水と混合された触媒の試料を選別するためのSala高勾配カルーセル型磁気選別機の使用について記述している。スラリーのこの選別はほぼ周囲温度で行なわれるものと推定される。米国特許第5,147,527号明細書においては、Hettingerは、ベルトローラー磁気選別機、特に静電気伝導性ベルトが備わったEriez磁性希土類ロール永久磁気選別機の使用について記述している。選別はEriez高勾配磁気選別機と好対照をなしているが、高勾配磁気選別機の処理能力には制限がある。米国特許第5,190,635号明細書では、加工条件によって触媒の磁化率及びキュリー温度が制御される好適なプロセスが記述されている。米国特許第5,985,134号明細書においては、最高260℃までの好ましい選別温度が記されている。米国特許第5,972,208号明細書及び第6,059,959号明細書では、約700℃の好適な再生器温度から38℃〜260℃の冷却済み温度まで触媒温度を低下させるべく、触媒冷却器を必要に応じて使用することが記述されている。欧州特許第0951940A2号明細書中でGoolsky及びKowalczykは、「大型冷却機器無しで」最高232℃(450°F)までの効率の良い運転を可能にするための好適なサマリウム/コバルト磁石を開示している。
【0019】
触媒選別機のもう1つの近代的なバージョンは、日本石油により開発されてきた。Ushio及び共同研究者らは、1982年11月16日付けの米国特許第4,359,379号明細書中で、強磁性マトリクスと共にSale高勾配磁気選別機を使用する触媒の磁選について記述している。そこで記されている通り、発明者は、ドラムタイプの磁気選別機が鉄塵を除去できるものの、金属被着した触媒の選別には「無用」であることに注目している。一部の例では、高勾配磁気選別機内でキャリア流体として空気が使用される。そこには、選別が高温で行なわれたという記載は全くなく、一つの例は室温での運転を示している。Ino及び共同研究者らは、1996年5月28日付けの米国特許第5,520,797号明細書中で、強磁性マトリクス及びガスキャリヤを伴うSala高勾配磁気選別機を同じく使用していた。これらの装置は、危険な乾燥粉末を磁選するためのそれらの有効性及び有用性を制限する問題点を有している。
【0020】
ベルト選別機装置は、耐圧(又はほぼ耐圧)格納容器内に封入することができる。かかる装置は、Hettinger, Goolsky及び共同研究者に対する米国特許中で記述されている。かかる装置は現在、流動触媒分解装置触媒を選別するべくMagnaCatという商標名で市販されている。ベルト選別機にはいくつかの欠点がある。供給粉末は選別処理中ベルト上に存在することから、粒子同士の引力は磁気引力と干渉する。従って、粒子の凝集力及び静電気が磁性及び非磁性粒子を互いにくっつかせる可能性がある。このようなことが発生した場合、粒子を磁性及び非磁性流へと選別することは困難である。かかる装置に付随するもう1つの問題はベルトの磨耗である。ベルトが劣化、腐食、磨滅又は伸縮に起因して摩耗した場合、それを交換しなくてはならない。プロセスが危険なものである場合、これは特にむずかしい。さらに、自然の粒子引力に加えて、ベルトは実際には粒子間の力を増大させることができる。特にベルトが非導電性エラストマである場合、回転するベルト装置上に静電気が蓄積し得る。以上で示されているように、ベルト選別機は格納容器内に封入することができる。
【0021】
もう1つのタイプの選別機は、マトリクス/キャニスタ高勾配磁気選別機である。そのマトリクス構成に起因して、この選別機は、選別を改善する強力な局所的磁気勾配を有する。装置を振動させることにより粒子間の相互作用は最小限におさえられる。装置を振動させるのに用いられる1つの方法は、キャニスタをその全直径のまわりでフレキシブルゴムブーツと連結させることにある。しかし、このようなゴムブーツは、腐食性材料及び高温加圧下での処理条件の場合に問題が多い。周囲圧力より高い圧力での装置の運転も又、フレキシブルブーツが内部圧に起因して拡張する傾向にあることから、困難である。このタイプのブーツは同様に、キャニスタの直径と同じ位大きいことから、信頼性の高いものにするのが困難である。12インチのキャニスタの場合に、このブーツは、直径が最低12インチなくてはならない。高勾配磁気選別機全体を、耐圧性コンテナ内に設置することもできるが、これは機器の資本経費を増大させ、メンテナンス作業をさらに複雑にする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本明細書に開示される発明の装置は、振動マトリクス高勾配磁気選別機である。これは、腐食性、可燃性又は毒性をもつ粉末、蒸気、液体及び気体を処理することができる。本発明の装置は、周囲温度より高い温度及び周囲圧力より高い圧力での運転を可能にする。本発明の装置は、きわめて研磨性の高い微粉末に特に適している。本発明の装置は同様にプロセス有害物の安全な格納を提供する。
【0023】
本明細書に記す方法は、クロロシランの製造方法である。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本願で開示し特許請求するのは、振動コンポーネントと静止コンポーネントを有する振動磁気選別機であって、当該選別機の内側に処理済み材料を封止するべく振動磁気選別機がフレキシブルベローズを含む振動磁気選別機である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
さらに具体的に言うと、電磁石;入口と出口を有し、電磁石が圧力容器の一部分を実質的に取り囲むように電磁石内に取付けられた圧力容器;強磁性マトリクス;垂直方向にマトリクスを移動させる、強磁性マトリクスを振動させるための振動器;及び磁気選別機の静止コンポーネントを磁気選別機の振動コンポーネントに連結し封止するベローズ、を組合せて含んで成る振動磁気選別機である。
【0026】
本願で開示し特許請求する発明の一実施形態は、上半分、下半分及び下半分終端を有する圧力容器を組み合わせて含む磁気選別機装置である。圧力容器の上には、フタフランジが配置されており、また、圧力容器は垂直壁を有する。圧力容器フタフランジは、それを貫通し中心に位置する開口部を有し、その開口部内にシャフト及びシャフトシールが配置される。
【0027】
圧力容器コンテナに材料を供給するために圧力容器コンテナ上に取付けられた少なくとも1つの供給ノズルが存在し、又、圧力容器コンテナの下半分の中に配置されたマトリクスが存在する。このマトリクスは、シャフトによって圧力容器コンテナ内に支持されている。選別すべき材料にいくぶん応じて、2つ以上の供給ノズルが存在し得る。
【0028】
圧力容器コンテナの壁の外側で及びマトリクスのある場所において圧力容器コンテナをとり囲む電磁装置が存在する。さらに圧力容器コンテナを断熱するため、電磁装置と圧力容器コンテナ壁の間に配置された断熱層が存在する。
【0029】
振動器取付け枠を支持することを目的として圧力容器フタフランジ上に第1の支持機構が取付けられており、振動器取付け枠は、それを貫通し中心に位置する開口部をもつ。少なくとも一つの下部制御バネを支持することを目的として振動器取付け枠上に載置された第2の支持機構が存在する。第2の支持機構は、振動器を収納する磁石振動器ケーシングをも支持する。振動器及び振動器ケーシングにはそれらを貫通し中心に位置する開口部が備わっていて、以下で記述する単一構造の可動垂直シャフトを収容している。
【0030】
振動器ケーシング上に配置されるのは、第3の支持機構であり、この第3の支持機構上に取付けられるのは支持プレートであり、その上に配置されるのは第4の支持機構である。第4の支持機構の上には、上部表面をもつ少なくとも1つの上部制御バネが配置される。
【0031】
下端部と上端部を有する単一構造の可動垂直シャフトが存在し、この単一構造の可動垂直シャフトはその下端部でマトリクスに連結されている。単一構造の可動垂直シャフトはシャフトシール及び圧力容器フタフランジの中心に位置する開口部を通って上向きに延び、ベローズの中心を通って上向きに延び、振動器取付け枠の中心に位置する開口部を通って上向きに延び続け、下部制御バネを通り、振動器の中心に位置する開口部を通って上向きに延び続け、その後上部制御バネを通って上向きに延び、上部制御バネの上部表面より上かつエンドプレートの下で終結する。
【0032】
圧力容器フタフランジ上に配置された封じ込めベローズが存在し、このベローズは、単一構造の可動垂直シャフトの一部を成すフランジに取り付けられている。
【0033】
床としてのシャフトシール、側面としての圧力容器フタフランジ及び上面としての封じ込めベローズによって形成されたパージ空間に開放する圧力容器フタフランジ内に位置する清浄ガスパージ入口を含む清浄ガスパージ装置が存在する。清浄ガスパージは、ベローズの回旋の間に塵埃が収集されるのを防ぐ。清浄ガスパージは、また、蒸気が存在する場合にベローズ内に凝縮性液体が集まるのを防ぐ。かくして、清浄ガスパージは、ベローズの自由な動きの妨害を防止する。清浄ガスは、塵埃を含まないいかなる気体であってもよい。これは、窒素などの不活性ガスであり得る。シャフトシールが単一構造の垂直シャフトに当接した場合、不活性ガスは、低い流速で圧力容器コンテナ内に漏出し、かくして粒子がシール及びベローズ内に進入するのを防ぐ。
【0034】
圧力容器は、下半分の終端に取付けられた排出コーンを有する。この排出コーンは、下端部を有し、この下端部には排出ノズルが取付けられている。
本発明のもう1つの実施形態は、バランスベローズである第2のベローズを含む磁気選別機器具である。この実施形態の磁気選別機は、バランスベローズ及び振動機構並びに上部及び下部制御バネの設置以外、上述の第1の実施形態と非常に類似している。
【0035】
かくして、上半分、下半分及び下半分終端を有する圧力容器コンテナが存在する。この圧力容器コンテナには、第1の実施形態の場合と同様に、上に圧力容器フタフランジが配置されており、圧力容器コンテナは垂直壁を有する。圧力容器フタフランジは、貫通し中心に位置する開口部を有し、その中心に位置する開口部内にシャフトシールが配置される。
【0036】
圧力容器コンテナに材料を供給するために圧力容器コンテナ上に取付けられた少なくとも1つの供給ノズルが存在し、選別されるべき材料にいくぶん応じて2本以上のこのような供給ノズルが存在し得る。
【0037】
第1の実施形態の場合と同じように、圧力容器コンテナの下半分に配置されたマトリクスが存在する。このマトリクスは、シャフトに固定されたカートリッジとして圧力容器コンテナ内で支持されている。圧力容器コンテナ壁の外側に、及びマトリクスが基本的には圧力容器コンテナ内に支持されているためにマトリクスの場所に、圧力容器コンテナをとり囲む電磁装置が存在している。この電磁装置と圧力容器コンテナ壁の間に配置された断熱層が存在する。
【0038】
圧力容器フタフランジは、少なくとも1つの下部制御バネ支持機構及びその上の下部制御バネを支持するためその上に取付けられた第1の支持機構を有する。同様に、下部制御バネ支持機構上に配置された第2の支持機構が存在し、ここで第2の支持機構は、磁石振動器を収納する磁石振動器ケーシングを支持している。
【0039】
磁石振動器及び磁石振動器ケーシングは、それを貫通し中心に位置する開口部を有し、磁石振動器ケーシング上に配置された第3の支持機構が存在する。第3の支持機構上に取付けられた少なくとも1つの上部制御バネ支持機構及び少なくとも1つの上部制御バネが存在する。
【0040】
第1の実施形態の場合と同様に、以下で記述する単一構造の可動垂直シャフトをとり囲む上部支持機構により支持されている圧力容器フタフランジ上に配置された封じ込めベローズが存在する。
【0041】
上部制御バネ支持機構上に配置された第4の支持機構の上には上面支持プレートが配置され、ここで上面支持プレートは、以上で回避されたバランスベローズを支持する。このバランスベローズは、単一構造の可動垂直シャフトの一部を成すフランジ上でシャフトに取り付けられている。
【0042】
単一構造の可動垂直シャフトは、下端部及び上端部を有し、単一構造の可動垂直シャフトはその下端部でマトリクスプレートにより保持されている。さらに、単一構造の可動垂直シャフトは、圧力容器フタフランジの中心に位置する開口部及びこの圧力容器フタフランジ内に配置されたシャフトシールを通って上向きに延び、封じ込めベローズの中心を通って上向きに延び、下部制御バネ及び下部制御バネ支持機構を通って上向きに延び、磁石振動器の中心に位置する開口部を通って上向きに延び、上部制御バネ支持機構及び上部制御バネを通って上向きに延び、バランスベローズを通って上向きに延び、上部支持プレートの下部表面より下で終結する。
【0043】
圧力容器フタフランジの中に配置されるのは、床としてのシャフトシール、側面としての圧力容器フタフランジ及び上面としての下部封じ込めベローズによって形成されたパージ空間に通じている不活性ガスパージ装置であり、不活性ガスが圧力容器コンテナ内に流入できるように、シャフトシールが単一構造の垂直シャフトと当接する部分に小さな開口部が存在している。この実施形態においては、第1の実施形態とは異なり、下部封じ込めベローズから上部バランスベローズに至る圧力バランス管が存在している。
【0044】
さらに、圧力容器は、下部半終端上に取付けられた状態で排出コーンを有し、この排出コーンは下端部を有し、排出コーンの下端部上には排出ノズルが取付けられている。
【0045】
本発明のさらなる実施形態は、クロロシランを生産するための反応装置内で使用される含ケイ素固体材料の処理方法にある。この方法は、含ケイ素固体材料中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別するため、反応装置内で使用された含ケイ素材料を本明細書で上述した通りの磁気選別機装置に付すことを含む。
【0046】
本発明のさらにもう1つの実施形態は、含ケイ素固体材料を処理する方法にある。この方法は、流動床反応装置の流動床から含ケイ素固体材料を取出し、含ケイ素固体材料中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別するべく、本明細書で上述した通りの磁気選別機装置に含ケイ素固体材料を付し、そしてその後、流動床反応装置の流動床に含ケイ素固体材料の非磁性部分を戻すことを含む。
【0047】
本発明の一実施形態は、クロロシランの製造方法にもある。この方法は、含ケイ素固体材料を本明細書で上述した通りの磁気選別機装置に付して含ケイ素固体材料中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別することによって、クロロシランの製造のために用いられる反応装置内で使用された含ケイ素固体材料を処理し、その後、反応装置から含ケイ素固体材料の磁性部分を取出すことを含む。
【0048】
本発明のさらにもう1つの実施形態は、クロロシランの調製方法にある。この方法は、流動床反応装置を用意し、流動床反応装置に粉砕したケイ素、直接法反応のための少なくとも1つの触媒、及び直接法反応のための少なくとも1つの助触媒を投入することを含む。
【0049】
その後、塩化アルキルを流動床反応装置に提供して反応装置内に流動床を形成し、粉砕ケイ素、触媒、プロモーター及び塩化アルキルを相互作用させ反応させて所望の比率及び所望の速度でアルキルクロロシランを生成させる。
【0050】
その後、所望の比率が一定の増加を示した時点又は所望の反応速度が一定の低下を示した時点で、流動床内容物中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別するべく本明細書で上述した通りの磁気選別機装置に流動床内容物を付すことによって流動床内容物を処理することを含むプロセスに流動床の内容物を付し、流動床内容物の磁性部分を上記プロセスから取出す。
【0051】
さらにもう1つの本発明の実施形態について、クロロシランの製造方法において、流動床反応装置を用意し、流動床反応装置に粉砕したケイ素、直接法反応のための少なくとも1つの触媒、及び直接法反応のための少なくとも1つの助触媒を投入することを含む方法が存在する。
【0052】
その後、塩化アルキルを流動床反応装置に供給して反応装置内に流動床を形成し、粉砕ケイ素、触媒、助触媒及び塩化アルキルを相互作用させ反応させて所望の比率及び所望の速度でアルキルクロロシランを生成させ、その後、所望の比率が一定の増加を示した時点又は所望の反応速度が一定の低下を示した時点で、内部の固体の平均粒度を減少させるべく流動床内容物を粉砕した後に流動床内容物中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別するべく本明細書で上述した通りの磁気選別機装置に粉末にした流動床内容物を付すことによって流動床内容物を処理することを含むプロセスに流動床の内容物を付し、その後流動床内容物の磁性部分を上記プロセスから取出し、直接法を続行する。
【0053】
さらに、流動床反応装置を用意し、流動床反応装置に粉砕したケイ素、直接法反応のための少なくとも1つの触媒、及び直接法反応のための少なくとも1つの助触媒を投入し、その後、塩化アルキルを流動床反応装置に供給して反応装置内に流動床を形成することを含む本発明の一実施形態が存在する。
【0054】
その後、粉砕ケイ素、触媒、助触媒及び塩化アルキルを相互作用させ反応させて所望の比率及び所望の速度でアルキルクロロシランを生成させ、その後、所望の比率が一定の増加を示した時点又は所望の反応速度が一定の低下を示した時点で、空力的遠心分級方法を用いるサイズ分級方法に流動床内容物を付すことによって流動床内容物の固体部分から不純物を低減及び除去し、その後流動床内容物中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別するべ本書で上述した通りの磁気選別機装置に精製済みの流動床内容物を付すことによって流動床内容物を処理することを含むプロセスに流動床の内容物を付し、流動床内容物の磁性部分を流動床反応装置から取出し直接法を続行する。
【0055】
さらにもう1つの本発明の実施形態について、クロロシランの製造方法において、流動床反応装置を用意し、流動床反応装置に粉砕したケイ素、直接法反応のための少なくとも1つの触媒、及び直接法反応のための少なくとも1つの助触媒を投入し、そしてその後、塩化アルキルを流動床反応装置に供給して反応装置内に流動床を形成することを含む方法が存在する。
【0056】
その後、粉砕ケイ素、触媒、助触媒及び塩化アルキルを相互作用させ反応させて所望の比率及び所望の速度でアルキルクロロシランを生成させ、その後、所望の比率が一定の増加を示した時点又は所望の反応速度が一定の低下を示した時点で、流動床内容物を粉砕して内部の固体の平均粒度を低減させ、空力的遠心分級方法を用いるサイズ分級方法に流動床内容物を付すことによって流動床内容物の粉末になった固体部分から不純物を低減及び除去し、次に流動床内容物中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別するべく本書で上述した通りの磁気選別機装置に精製済みの流動床内容物を付すことによって流動床内容物を処理することを含むプロセスに流動床の内容物を付し、次に流動床内容物の磁性部分を流動床反応装置の流動床から取出し直接法を続行する。
【0057】
そして最後に、クロロシランの製造方法において、流動床反応装置を用意し、流動床反応装置に粉砕したケイ素、直接法反応のための少なくとも1つの触媒、及び直接法反応のための少なくとも1つの助触媒を投入することを含むプロセスが存在する本発明の一実施形態が存在する。
【0058】
その後、塩化アルキルを流動床反応装置に供給して反応装置内に流動床を形成し、粉砕ケイ素、触媒、助触媒及び塩化アルキルを相互作用させ反応させて所望の比率及び所望の速度でアルキルクロロシランを生成させ、その後、所望の比率が一定の増加を示した時点又は所望の反応速度が一定の低下を示した時点で、流動床内容物粒子の表面から不純物を除去するべく流動床内容物を摩擦し、その後流動床内容物中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別するべく本書で上述した通りの磁気選別機装置に摩擦した流動床内容物を付すことによって流動床内容物を処理することを含むプロセスに流動床の内容物を付し、その後流動床内容物の磁性部分を上記プロセスから取出し直接法を続行する。
発明の詳細な説明
【0059】
より具体的に言うと、本願で開示し特許請求する発明は、有害である液体、蒸気及び気体の中に懸濁しているか又はそれらと接触している微粉固体を選別する上で有用である磁気選別機装置である。
【0060】
ここで図1を参照すると、ここには金属支持スタンド72の上に取付けられた本発明の磁気選別機装置が示されており、圧力容器フタフランジ5が上に配置された圧力容器コンテナ2も同様に示されている。圧力容器フタフランジ5上に取付けられているのは、4本の脚部を有するものの2本の脚部39しか図示されていない第1の支持機構14である。
【0061】
第1の支持機構14はその上部に配置されたプレート40を有する。このプレートは、下部バネ18を支持するための機構の一部である。プレート40の上に支持されているのは、同じく4本の脚部を有するものの2本の脚41としてしか例示されていない第2の支持機構17であり、この支持機構17上に取付けられているのは磁石振動器15(図2にも示されている)である。
【0062】
脚部41上に配置されているのは、24として指定されている上部バネの第2の組をもつプレートである。圧力容器フタフランジ5のすぐ上の箇所には、圧力容器フタフランジ5の上面43上に取付けられているベローズ28が示されている。本発明では、ベローズ28は真の圧力保持ベローズであり、これはすなわち、カバーとして使用される単なるブーツではないということを意味している。
【0063】
類似の番号が類似のコンポーネントを表わしている、支持スタンド72の無い図1のラインA−Aに沿った全体的断面図である図2を参照すると、圧力容器コンテナ2、そして圧力容器コンテナ2の上半分3と共に圧力容器コンテナ2の下半分4が示されている。上半分3内には、圧力容器コンテナ2に対して材料を供給するのに使用される供給ノズル9が示されている。
【0064】
圧力容器コンテナ2の下半分4には、マトリクスカートリッジとして圧力容器コンテナ2の内部に支持されているマトリクスが配置される。マトリクス10とほぼ同じ場所で圧力容器2をとり囲んでいるのは、高温圧力容器コンテナ2からハウジングを遮へいすることにより電磁装置ハウジング45の温度制御を補助する断熱層13である。同じく電磁装置ハウジング45内部には電磁装置12がある。
【0065】
図2においてラインG−Gとして示されている垂直線に沿って延びているのは、単一構造の垂直シャフト25である。シャフト25は、マトリクスカートリッジを通って上向きに延びており、次に圧力容器コンテナ2の中心を通って上向きに延び、圧力容器フタフランジ5の中心に位置する開口部7の中に配置されたシャフトシール8を通って、そして次にベローズ28の中心を通って上向きに、そして次にプレート40の中心に位置する開口部47を通って上向きに延び、次に下部制御バネ18に取り付けられており、振動器15の可動部分に対する取付部分まで、そして最終的に次に上部制御バネ24に対する取付部分まで延び、その後エンドプレート52から短かい距離だけ下方のところで終結する。シャフト25は上下に移動して、プレート11及び84によりシャフトに連結されているマトリクス10を振動させる。
【0066】
図3Aは、シャフトシール8の詳細を示す図2上にBとして指定されている領域の拡大詳細図である。ここには、所定の場所にシャフトシール8を保持するボルト16で所定の場所に保持されている保持プレート6が示されている。この箇所でシャフト25の外側表面上に示されているのは、研磨された表面をもつ硬質コート表面21である。同様に示されているのは、シャフト25の周囲で圧縮状態にシャフトシール8を保持している円周方向コイルバネ22である。さらに、シャフトシール8上に配置された垂直コイルバネ23が存在する。
【0067】
図3Bはシャフトシールの周囲における円周方向コイルバネ22の配置を示す図3Aの領域Cの拡大斜視図である。シャフトシール8は好ましくは炭素製のセグメント化されたブッシングであり、図3Bでは26という番号でセグメントラインが観察できる。
【0068】
ここで、拡大概略側面図すなわち図1のラインH−Hを通る本発明の振動器15の詳細図である図4を見てみると、振動器15を駆動するためのエネルギーを供給するリード線30を伴う可変パルスDC電源20を有する従来の振動器が示されている。この場合4つの振動器機構31から成る振動器15を示す、振動器15の概略上面図である図5も参照されたい。機構31の各々が類似の形で構成され、各々が図4の20に示されている通りの電源を通してのエネルギー入力端を有しているという点に留意すべきである。
【0069】
ここで図6を見てみると、バランスベローズ63から封じ込めベローズ28までの圧力バランス管65を伴って、所定の位置にある封じ込めベローズ28とバランスベローズ63の両方を示し、図1及び図2と同じコンポーネントを同じ呼称が表わしている、選別機100である本発明のもう1つの実施形態の全体的前面図が示されている。
【0070】
供給ノズル9を除去した図6のラインE−Eを通る図6の選別機100の断面側面図である図7を参照すると、バランスベローズ63からの出入口33及びバランス管65(図6には示されているが図7には図示せず)を通って2つのベローズの間の均圧化を可能にする封じ込めバランス28からの出入口34が示されている。
【0071】
同様に図示されているのは、気体入口35である。シャフト25のまわりには小さな空隙又は開口部61が存在し、これがパージされた空間内及びそれから外への気体の流れを可能にしているという点に留意すべきである。
【0072】
上側のバランスベローズ63において、下側のベローズ28からの圧力推力がバランスされている。一次ベローズは下側の封じ込めベローズ28である。ベローズ63はベローズ28と類似の形で構成されており、下で使用される支持機構に類似した支持機構を用いて上部制御バネ24より上に配置されている。
【0073】
圧力バランス管65は、バランスベローズ63と封じ込めベローズ28の間の開放気体流を提供する。封じ込めベローズ28が圧縮された時点で、バランスベローズ63は拡張され、その逆も成り立つ。
【0074】
図1の振動する磁気選別機1の場合のように、この選別機の中には、圧力容器2、供給ノズル9が上に取付けられている垂直壁53を示す該圧力容器2の上半分3及び下半分4、圧力容器フタフランジ5、圧力容器フタフランジ5内の中心に位置する開口部7、中心に位置する開口部7内のシャフトシール8、マトリクス10、マトリクス支持プレート11、電磁装置12、それに伴う周囲断熱層13及び第1の支持機構14が示されている。
【0075】
フランジ5の上面は、封じ込めベローズ28を支持するフランジ5の一体部分として示されているプラットフォーム75で構成されている。プラットフォーム75は、そこを通してシャフト25が通過できるようにする中心に位置する開口部77をその中に有している。封じ込めベローズ28の上端部はシャフト25上の一体形フランジ73に取り付けられている。
【0076】
必要に応じて、選別機100は、シャフト25用の線形軸受81が中にある中心に位置する開口部80を有する支持機構14の上に支持されたプレート79を含み得る。プレート79のすぐ上には、支持体66により所定の場所に保持された下部制御バネ18がある。下部制御バネ18はフランジ82においてシャフト25に取り付けられている。この様式で、下部制御バネ18はシャフト25の垂直運動を制御し、シャフト25の側方運動を防止する。
【0077】
下部制御バネ18のすぐ上にあるのは、支持機構17によって支持されている振動器15である。シャフト25は、それを選別機内で上下に振動させることができるようにするべくシャフト25に振動器15を連結できるようにフランジ83をこの箇所に収納している。振動器15のすぐ上には、上部制御バネ24が配置されている。シャフト25は、この箇所に拡張部分85を有し、上部制御バネ24がシャフト25を制御できるようにしている。上部制御バネ24のすぐ上には、選別機100の上端があり、この中には、シャフト25内でフランジ55によって支持されているバランスベローズ63が配置されている。以上で記されているように、ベローズ63が上向きに移動するのを防ぐベローズ63用の盲フランジクロージャー86が存在する。バランスベローズ63の上端部には、出入口33が配置されている。その後、上面で選別機100のコンポーネント部分を結合させるための上部プレート74が存在する。
【0078】
単一構造の可動垂直シャフト25は下端部54及び上端部55を有する。マトリクスカートリッジはシャフトの下端部にはめ込まれる。単一構造の可動垂直シャフト25は、圧力容器フタフランジ5、中心に位置する開口部7及び圧力容器フタフランジ5の中に配置されたシャフトシール8を通って上向きに延びる。シャフト25は次に、封じ込めベローズ28の中心を通って上向きに延び、さらに上向きに延び、ここで下部制御バネ18及び下部制御バネ支持機構に取り付けられており、振動器の中心に位置する開口部16を通って上向きに延び、上部制御バネ支持機構71を通って上向きに延び、ここで上部制御バネ24に取り付けられており、バランスベローズ28を通って上向きに延びて盲フランジクロージャー86の下で終結する。
【0079】
圧力容器フタフランジ5内に配置された清浄ガスパージ入口35を含む清浄ガスパージ器具77が存在し、このパージは、床としてのシャフトシール8、側面としての圧力容器フタフランジ5及び上面としての封じ込めベローズ28によって形成されたパージ空間62内へと通じており、シャフトシール8が単一構造の垂直シャフト25と当接している部分に不活性ガスが圧力容器コンテナ2内に流入できるようにする小さな開口部61が存在している。
【0080】
2つのベローズの間の圧力を釣合わせる目的で、封じ込めベローズ28からバランスベローズ63まで開放的に連結されている圧力バランス管65が存在する。
【0081】
選別機100の底面では、圧力格納容器2は、その下半分終端上に取付けられた状態で排出コーン36を有し、この排出コーン36は下端部37を有し、下端部37上には排出ノズル38が固定されている。
【0082】
運転中、本発明の第1の実施形態を参照すると、磁気選別機1は、圧力容器コンテナ2の内側で振動するマトリクス10で構成されている。マトリクス10は、それをとり囲む電磁装置12を用いて断続的に磁化及び消磁される。マトリクス10は可動垂直シャフト25を用いて振動させられる。選別機1が周囲温度及び圧力より高い温度で作動できるようにするため、ベローズ28は好ましくは薄い可とう性金属で構成されている。
【0083】
図8は、図7の領域Dの図であり、図9は図7の領域Eの図である。
【0084】
図10は、バランスベローズ63の一部分である図8の領域Fの拡大図と詳細である。この図は、シャフト25の一部分、ベローズの最も外側のプライ59及び最も内側のプライ58を示している。又以下でその動作を記すベローズの上部フランジ44及び下部フランジ46が示されている。同様に示されているのは、圧力計器39、圧力測定用チャンバ57、及び真空バルブ60である。封じ込めベローズ28も類似の様式で構成されているが、図9からわかるように、圧力計器39、圧力測定用チャンバ57及び真空バルブ60はベローズの下側に示されている。
【0085】
選別機の動作を例示し明確にするため、2つのベローズ上のフランジには異なる名称を与えた。バランスベローズ63内では、上部フランジは44で示し、これは静止フランジであり、一方、下部フランジは46で示し、これはベローズが拡張及び収縮した時点で移動するフランジである。
【0086】
同様にして図9では、封じ込めベローズは図7の領域Eに示されている通りに例示され、ここで上部フランジは70という番号で示され可動フランジであるのに対し、底部フランジは71という番号で示され静止型フランジであり、バランスベローズ28と同じように動作する。
【0087】
多重プライ金属ベローズはより高いレベルの構造的保全性を可能にすることから、好適である。多重プライ金属ベローズ28は同様に、不具合がないかベローズ28の保全性を連続的にテストすることができる。「多重プライ」というのは、少なくとも2つの壁を意味する。ベローズ28は好ましくは各図に示されているように波形管設計である。多重プライベローズ28の壁は同心的である。図10に示されている通りの感圧チャンバ57が、ベローズの最も内側及び最も外側のプライ58及び59の間に作り上げられている。このチャンバは、真空ポンプ(図示せず)に連結されたバルブ60を用いて排気することができる。チャンバ57内の圧力はこのとき、圧力計器39から直接読取ることができる。この圧力計器39は、本書で例示されているように、局所的に取付けられた圧力ゲージであり得るが、好ましくは、ベローズのいずれかが故障した場合に直ちにオペレータに警告するための警報を伴うプログラミング可能な論理コントローラ又は分配型制御システムといった制御システムに接続された電子圧力センサーである。感圧チャンバ57は加圧されるか又は排気され得るが、圧力は外部周囲圧力又は圧力容器2内部の圧力のいずれとも異なるものでなくてはならない。周囲圧力により高い圧力で作動する磁気選別機の場合、チャンバ57は、感知チャンバ57内の圧力が予め定められた真空警報点より高く上昇した時点でベローズの外側プライ59又は内側プライ58内の漏洩又は亀裂、故障が検出されるように、選択的に排気されている。圧力容器2が真空下で作動している場合には、プライ間感圧チャンバ57を加圧することが望ましい可能性がある。この場合、プライ間の圧力に起因するベローズ内の付加的な剛性が、ベローズを設計する上で考慮されなくてはならない。
【0088】
第2のベローズすなわちバランスベローズ63が図6に示されているように用いられている本発明の第2の実施形態に関しては、2つのベローズの間で圧力推力が均等化される。封じ込めベローズ28はバランスベローズ63とバランスされる。封じ込めベローズ28が圧縮された時点で、バランスベローズ63が拡張され、その逆も成り立つ。第1の実施形態では、圧力容器2内の高圧が封じ込めベローズ28に作用して、上向きの力を作り出す。圧力が高い場合、結果としての力は多大なものであり得る。圧力容器2の圧力は同様に垂直可動シャフト25の横断部域にも作用する。小さな圧力がシャフトシール上の清浄ガスのパージから結果としてもたらされる可能性がある。第2の実施形態では、圧力バランス管65が、等しい下向きの力と共にバランスベローズ63上に等しい圧力を作り出す。封じ込めベローズ28の上向きの力及びバランスベローズ63の下向きの力は互いに相殺する。こうして、振動器15及びバネ18及び24上の負荷が減少する。バランスされたベローズの設計は、圧力容器2内の可変的圧力に特に適している。
【0089】
振動するアセンブリそのものは、基本的に垂直可動シャフト25及びマトリクス10から成る。垂直可動シャフト25は、複数のバネ18及び24上に懸垂されている。コイルバネを使用することもできるが、側方の偏向を制限するためには、これらのバネは、側方の偏向を制御してベローズの寿命を延長できるように、好ましくは重ね板バネである。換言すると、側方偏向は、可能なかぎり制限されるべきである。重ね板バネは、開口部を通してのシャフトの偏向制御及び心合せを改善する。例えばバネ18、24は、鋼又はガラス強化プラスチックといったような適切なあらゆる材料で作ることができる。スタック内の上面及び底面の両方の場所に多数のバネを使用することができる。側方の偏向を最小限におさえるため、重ね板バネのスタックの方向性を90度回転させることができる。ボルト留めされた及びボルト留めされフランジが付いたコンポーネントをアライメント溝又はアライメントマークと自己整合させることが好ましい。
【0090】
垂直可動シャフト25は、線形「E型枠」振動器15を用いて垂直方向に振動させられる。E型枠振動器15は、AC又はパルスDC電源の周波数に応じて揺動垂直振動を作り出すAC又はパルスDC電源に接続されている。
【0091】
不活性であってもなくてもよいパージを必要に応じて適用して、研磨性粉末に由来する侵食損傷に起因する薄壁ベローズの早すぎる故障のリスクを低減させることができる。侵食に加えて、ベローズ領域内の固体がベローズに充満して、それが固体で一杯になり可とう性が失われる可能性がある。パージは同様に、圧力容器内でその沸点よりも高い温度で取扱かわれる蒸気の凝縮を妨げることもできる。この場合、清浄ガス又は幾つかの他の適切な流体は、パージパイプ入口35を通って圧力容器2より上のパージ空間62内に流入する。ベローズ28の上部フランジ70はパージ空間62の上部を取り囲む。パージ空間62の下端部は、シャフトシール8が単一構造の垂直シャフト25と当接する部分にある小さな開口部61を通して圧力容器2に部分的に通じている。パージ空間62は、圧力容器フタフランジ5内に機械加工され、この空間には、圧力容器フタフランジ5内にはめ込まれたシャフトシール8がはめ込まれている。シャフトシール8は座金のような形状を有する。これは、1つのコンポーネントがもう一方のものよりも優先的に磨耗し交換されるように、垂直シャフト25より際立って硬い又は軟かい構造の材料で作られている。シャフトシール8は、モノブロックの座金又はセグメント化されたブッシングであり得る。好ましい設計は、グラファイトのシャフトシール及び合金シャフトである。炭化ケイ素又はそれに類するセラミクスで作られたより高い硬度のシャフトシール8も同じく可能である。シャフトシール8は細かい研磨性粒子の進入を妨げる。また、シャフトシール8は、圧力容器フタフランジ5及びシャフト25のさらに困難な修理の代りに安価なシャフトシール8を交換できるように、優先的摩耗箇所を提供する。シャフトシール8は図示されている通りに下からはめ込むこともできるが、代わりに、上からはめ込むことも可能である。
【0092】
マトリクス10は、垂直可動シャフト25にクランプ締めされるそれぞれ上部及び下部プレート11及び84を用いて、マトリクス担体内に組立てられ振動シャフト25に固定される。スクリーン、有孔プレート、エキスパンテッドメタルメッシュ又はさらにはスチールウールなどの数多くのタイプのマトリクス10が可能である。好ましいマトリクス10は、エキスパンデッドメタルメッシュなどの部分的に開放したディスクである。マトリクス10は、例えば430ステンレス鋼又は410ステンレス鋼などの磁気的に軟質の鋼から作られている。
【0093】
マトリクス10は、ソレノイドなどの外部電磁器具12により、交互に磁化及び消磁される。ソレノイドはハウジング45内に収納される。ハウジング45には、図示されておらず特許請求対象の発明の一部を成していない循環及び体積膨張システムを用いて外的に冷却される油87(図2)が充てんされる。
【0094】
圧力容器2が周囲温度よりかなり高い温度で作動することになっている場合には、ユニットに断熱13を備えることが望ましい。これにより、ハウジング45が過熱してソレノイド12の抵抗が増加し磁界強度の低下をひき起こすことが妨げられる。圧力容器2及び垂直可動シャフト25のための好ましい製造材料は、304及び316ステンレス鋼などの鋼である。これらの鋼は、ソレノイド12により著しく磁化されない。摩耗を改善するために、格納容器2、シャフト25及びその他のコンポーネントに対して非磁性硬質コーティング21を塗布することができる。
【0095】
粉末含有磁気粒子が供給ノズル9を通して供給される。容器の異なる側面への流れを均等化するために、複数のノズルを備えてもよい。供給粉末が特に研磨性である場合、圧力容器に対し多大な修理を行なうことなくパイプを交換できるように、ノズルを通して供給パイプを挿入することが望ましい。圧力容器2が大きな直径の容器である場合、下流側収集及び移送配管のサイズを制限するために急勾配の排出コーン36を具備することが望ましいであろう。
【0096】
供給粉末バッチを処理するためには、まず最初にソレノイド12に電圧を印加してマトリクス10を磁化する。次に一定体積の粉末を、供給ノズル9を通してマトリクス10の上に供給する。供給粉末は、振動器15に補助されるマトリクスプレート10を通って流れる。磁性粒子は、マトリクス10に引きつけられる。非磁性粒子はマトリクス10を通過し、排出ノズル38を通って排出される。
【0097】
非磁性粒子が選別機から除去された後、選別機の下の誘導弁(図示せず)が切換えられて、流れを異なる配管経路に誘導する。その後、ソレノイド12への電圧の印加を止める。振動器15がなおも作動している状態で、磁性微粉がマトリクス10から排出され、排出ノズル38から出る。
【0098】
金属ベローズ28及び63のための適切な製造材料は、316ステンレス鋼などのオーステナイト系ステンレス鋼又はインコネル625又はヘイステロイC22などの高ニッケル合金である。好適な材料はヘイステロイC22である。内側プライベローズ58のための製造材料は、磁気選別機の内容物と適合性のあるものでなくてはならない。ベローズ28及び63の外側プライ59のための製造材料は、選別機が屋外にある場合、外部の環境及び気候と適合性のあるものでなくてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】支持スタンド上に載置された本発明の選別機の一実施形態の全体的前面図である。
【図2】支持スタンドをとり除いた、図1の選別機のラインA−Aに沿った断面図である。
【図3A】図2でBで示した領域の拡大詳細図である。
【図3B】シャフトシールのまわりの円周コイルバネの位置づけを示す図3Aの領域Cの拡大斜視図である。
【図4】振動器の概略図である。
【図5】図4の振動器の概略的上面図である。
【図6】バランスベローズから封じ込めベローズに至る供給管を伴う、封じ込めベローズとバランスベローズの両方を所定の位置にある状態で示している、選別機である本発明の別の実施形態の全体的前面図である。
【図7】図6のラインE−Eに沿った図6の断面図である。
【図8】図7、領域Dのバランスベローズの全体図である。
【図9】図7、領域Eの封じ込めベローズの全体図である。
【図10】図8の領域F中のバランスベローズの約1/2の拡大図である。
【技術分野】
【0001】
本願で開示し特許請求するのは、有害な、すなわち腐食性、可燃性、毒性又はかかる有害な要因を組合せて有する可能性のある微粉固体、液体、蒸気及び気体を選別する上で有用である磁気選別機装置、並びにクロロシランの製造におけるかかる装置の使用である。本願は、2003年6月9日付けの仮特許出願第60/476,978号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
磁気選別は、文献の中で詳しく記述されている。Jan Svobodaは「Magnetic Methods for the Treatment of Materials(鉱物の処理のための磁気的方法)」、Developments in Meneral Processing−8,ISBNO−44−42811−9,Elsevier, New York, 1987中で、磁選技術の状況を概説した。その他の一般的参考文献としては、「Magnetic Separation(磁選)」、Perry's Chemical Engineers' Handbook, McGraw-Hill, ニューヨーク、第7版、1998,p19−49及びJohn Oberteuffer 及びIonal Wechsler、「Magnetic Separation(磁選)」、Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、1978,John Wiley & Sons, New York, 第5巻、p708〜732が挙げられる。
【0003】
振動マトリクス選別機を扱ったいくつかの特許が発行されている。すなわち1937年3月16日に発行された米国特許第2,074,085号明細書においてFrantzは、微粉末のための磁気選別機について記述している。Frantzは、プーリー、ローター又はベルトの使用に基づく選別機が、微粉末の供給を受けた場合に効率の良い選別を行なうことができないということを開示した。Frantzの磁気選別機は、電磁ソレノイド、ケーシング容器及びマトリクスとしてのアトラクタスクリーンで構成されている。該発明の一実施形態においては、マトリクスは、モーターにより回転されている垂直シャフトに固定された偏心おもりを用いて振動させられる。
【0004】
機械的手段は、マトリクスを振動させる唯一の方法ではない。それは電磁手段によっても可能である。Kolmは、1971年3月2日に発行された米国特許第3,567,026号明細書及び1972年7月11日に発行された米国特許第3,676,337号明細書中で、交流コイルを用いた直流ソレノイド選別機内の細かいスチールウールマトリクスの振動について開示している。Kolmの特許は両方共、1つの直流コイルと3つの交流コイルを含む磁気選別機を記述している。直流コイルは、主たる選別を実施するためにスチールウールマトリクスを磁化する背景磁界を提供する。第1の交流コイルは、直流コイルからの残留磁化を除去するための減磁コイルである。その他の2つの交流コイルは、緩く保持されたコンポーネントを振とうさせるべくスチールウールマトリクスを振動させるための渦電流を作り出す。直流磁界をオフに切換え交流磁界を適用してマトリクスから外へ磁気微粉を出す方法が特許請求されている。強磁性ウールに加えて、振動を強くするために銅ウールが必要に応じて添加される。渦電流は、1秒あたり約18000〜20,000サイクル以上の上部音波範囲内にある。フロー分配のために、必要に応じて有孔板を使用することもできる。
【0005】
Kolmの特許は主として湿潤スラリーに関わるものであるが、発電所からの煤煙中に含まれているフライアッシュなどのストリーム由来の乾燥粒子の除去も考えられる。
【0006】
1978年5月2日に発行された米国特許第4,087,358号中でOderは、作業のフラッシュ工程中に不純物を取り除くべく粘土スラリー磁気選別機のマトリクスを振動させるための方法及び装置について記述している。振動ハンマリング、補助交流コイルによるマトリクスの振とう、及び高強度音波の使用が、マトリクスに対し補助的機械力を適用する手段として示唆されているものである。
【0007】
1945年3月20日に発行された米国特許第2,372,665号明細書中でWulffは、炭化物粒子がそのキュリー温度より高い温度にあり従って磁界にひきつけられないような形で混合供給物を215℃まで加熱することにより白鋳鉄粉末をパーライト含有量が高い画分及び炭化物含有量が高い画分へと選別する方法について記述している。
【0008】
1976年12月28日に発行された米国特許第4,000,060号明細書内でCollinは、高温粉末混合物のための磁気選別機について記述している。該選別機は、水冷された永久磁石を伴うドラムロール選別機から成る。非磁気ローラーは、温度制御された流動床の中にセットされる。供給粉末は、窒素などの不活性ガスで流動化される。
【0009】
1989年6月6日に発行された米国特許第4,836,914号明細書内でInoueは、石油から鉄粒子を除去するために磁気選別機を使用する方法について記述している。好ましい作業温度は、最高400℃までである。この方法は、水酸化物処理などの処理代替法に比べ利点を有する。これは、高粘度油に特に有利である。
【0010】
時として、サイクル間の清浄を補助するためにマトリクスを加熱することが望まれる。Dijkuisは、1982年10月5日に発行された米国特許第4,353,730号明細書の中で、磁性微粉を排出するべくマトリクス材料のキュリー温度より高い温度まで清浄用流体を加熱することによって磁気選別機マトリクスを清浄にするための方法について記述している。
【0011】
ケイ素の機械加工プロセス中に使用された切削液から、のこぎりの刃又はラップ板由来の粒子を磁気的に選別することができる半導体材料の機械加工に由来する不純物を除去する方法を教示しているWiesnerに対する2001年7月24日に発行された米国特許第6,262,843号明細書中で、研磨性の粒子が関与する磁選の例が開示されている。
【0012】
有害な粉末とは、腐食性、可燃性、毒性又はかかる有害な要因の組合せを有する微粉固体である。本来的に有害である粉末は、きわめて信頼性の高い漏洩防止設計をもつ磁気選別機装置の内部に完全に収容されなくてはならない。時として、有害な乾燥粉末は、有害な気体、蒸気又は液体と同時に処理される。有害な流体も同様に、かかる粉末に対して磁気選別機を作動させることをさらに困難にしている。
【0013】
かかる材料を選別機の内部に封じ込めることが極めて重要である。腐食性材料のわずかな漏出でも、格納容器の腐食欠陥を結果としてもたらす可能性があり、これが大量の、さらには壊滅的な漏出を導く。腐食性及び毒性材料は、従業員に被害を加える可能性がある。可燃性材料は、格納された不活性環境から大気へと漏出した場合に火災及び爆発をひき起こす可能性がある。かくして、格納システムの保全性及び信頼性が非常に重要である。
【0014】
選別が周囲温度よりも高い温度、周囲圧力よりも高い圧力で行なわれた場合又は固体が特に研磨性である場合に、さらなる問題がもたらされる。高温運転は、低温運転で利用可能な数多くの重合体又はエラストマ材料を使用することを不可能にする。これらの材料は、耐腐食性又は耐磨耗性については好適な製造材料であるかもしれない。高温では、数多くの重合体及びエラストマが著しく弱化し、かくして運転中に機能しなくなる。
【0015】
圧力格納又は封止のためにかかる製造材料が使用された場合に、圧力がこの問題に追加される。周囲圧力より高い圧力で運転中に封じ込めが破れると、選別機から大気へ加工材料を急速に漏出させることになり、かくして、火災又は爆発といったような危険な出来事が発生する。封じ込めが破れると空気が装置内にひき込まれるように真空にて選別機が作動している場合に、選別機の内部で類似の危険が生じる可能性がある。封じ込めの破れに対する危険な影響に加えて、質的な問題をプロセスに対してもたらす可能性もある。その一例としては、酸素が汚染物質であり磁気選別機を真空下で動作させるプロセスがある。
【0016】
装置の製造材料の摩滅も同様に問題である。格納容器は、侵食される可能性がある。侵食は、封じ込めの破れをもたらす。シールは特に封じ込めの破れをもたらしやすく、そのため、回転する機械的シール面又は設計上類似の特長を回避することがきわめて重要である。故障の検出も同様に強く望まれる。
【0017】
今日業界では数多くのタイプの磁気選別機が存在している。本願発明者にとっては、いくつかのタイプでの高勾配磁気選別機が既知のものである。1つは、テキサス州ヒューストンにあるMerrichem Company製のMagnaCat(登録商標)選別機等の、封入型ベルト選別機である。
【0018】
米国特許第4,406,773号明細書の中で、Hettinger et al.は、水と混合された触媒の試料を選別するためのSala高勾配カルーセル型磁気選別機の使用について記述している。スラリーのこの選別はほぼ周囲温度で行なわれるものと推定される。米国特許第5,147,527号明細書においては、Hettingerは、ベルトローラー磁気選別機、特に静電気伝導性ベルトが備わったEriez磁性希土類ロール永久磁気選別機の使用について記述している。選別はEriez高勾配磁気選別機と好対照をなしているが、高勾配磁気選別機の処理能力には制限がある。米国特許第5,190,635号明細書では、加工条件によって触媒の磁化率及びキュリー温度が制御される好適なプロセスが記述されている。米国特許第5,985,134号明細書においては、最高260℃までの好ましい選別温度が記されている。米国特許第5,972,208号明細書及び第6,059,959号明細書では、約700℃の好適な再生器温度から38℃〜260℃の冷却済み温度まで触媒温度を低下させるべく、触媒冷却器を必要に応じて使用することが記述されている。欧州特許第0951940A2号明細書中でGoolsky及びKowalczykは、「大型冷却機器無しで」最高232℃(450°F)までの効率の良い運転を可能にするための好適なサマリウム/コバルト磁石を開示している。
【0019】
触媒選別機のもう1つの近代的なバージョンは、日本石油により開発されてきた。Ushio及び共同研究者らは、1982年11月16日付けの米国特許第4,359,379号明細書中で、強磁性マトリクスと共にSale高勾配磁気選別機を使用する触媒の磁選について記述している。そこで記されている通り、発明者は、ドラムタイプの磁気選別機が鉄塵を除去できるものの、金属被着した触媒の選別には「無用」であることに注目している。一部の例では、高勾配磁気選別機内でキャリア流体として空気が使用される。そこには、選別が高温で行なわれたという記載は全くなく、一つの例は室温での運転を示している。Ino及び共同研究者らは、1996年5月28日付けの米国特許第5,520,797号明細書中で、強磁性マトリクス及びガスキャリヤを伴うSala高勾配磁気選別機を同じく使用していた。これらの装置は、危険な乾燥粉末を磁選するためのそれらの有効性及び有用性を制限する問題点を有している。
【0020】
ベルト選別機装置は、耐圧(又はほぼ耐圧)格納容器内に封入することができる。かかる装置は、Hettinger, Goolsky及び共同研究者に対する米国特許中で記述されている。かかる装置は現在、流動触媒分解装置触媒を選別するべくMagnaCatという商標名で市販されている。ベルト選別機にはいくつかの欠点がある。供給粉末は選別処理中ベルト上に存在することから、粒子同士の引力は磁気引力と干渉する。従って、粒子の凝集力及び静電気が磁性及び非磁性粒子を互いにくっつかせる可能性がある。このようなことが発生した場合、粒子を磁性及び非磁性流へと選別することは困難である。かかる装置に付随するもう1つの問題はベルトの磨耗である。ベルトが劣化、腐食、磨滅又は伸縮に起因して摩耗した場合、それを交換しなくてはならない。プロセスが危険なものである場合、これは特にむずかしい。さらに、自然の粒子引力に加えて、ベルトは実際には粒子間の力を増大させることができる。特にベルトが非導電性エラストマである場合、回転するベルト装置上に静電気が蓄積し得る。以上で示されているように、ベルト選別機は格納容器内に封入することができる。
【0021】
もう1つのタイプの選別機は、マトリクス/キャニスタ高勾配磁気選別機である。そのマトリクス構成に起因して、この選別機は、選別を改善する強力な局所的磁気勾配を有する。装置を振動させることにより粒子間の相互作用は最小限におさえられる。装置を振動させるのに用いられる1つの方法は、キャニスタをその全直径のまわりでフレキシブルゴムブーツと連結させることにある。しかし、このようなゴムブーツは、腐食性材料及び高温加圧下での処理条件の場合に問題が多い。周囲圧力より高い圧力での装置の運転も又、フレキシブルブーツが内部圧に起因して拡張する傾向にあることから、困難である。このタイプのブーツは同様に、キャニスタの直径と同じ位大きいことから、信頼性の高いものにするのが困難である。12インチのキャニスタの場合に、このブーツは、直径が最低12インチなくてはならない。高勾配磁気選別機全体を、耐圧性コンテナ内に設置することもできるが、これは機器の資本経費を増大させ、メンテナンス作業をさらに複雑にする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本明細書に開示される発明の装置は、振動マトリクス高勾配磁気選別機である。これは、腐食性、可燃性又は毒性をもつ粉末、蒸気、液体及び気体を処理することができる。本発明の装置は、周囲温度より高い温度及び周囲圧力より高い圧力での運転を可能にする。本発明の装置は、きわめて研磨性の高い微粉末に特に適している。本発明の装置は同様にプロセス有害物の安全な格納を提供する。
【0023】
本明細書に記す方法は、クロロシランの製造方法である。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本願で開示し特許請求するのは、振動コンポーネントと静止コンポーネントを有する振動磁気選別機であって、当該選別機の内側に処理済み材料を封止するべく振動磁気選別機がフレキシブルベローズを含む振動磁気選別機である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
さらに具体的に言うと、電磁石;入口と出口を有し、電磁石が圧力容器の一部分を実質的に取り囲むように電磁石内に取付けられた圧力容器;強磁性マトリクス;垂直方向にマトリクスを移動させる、強磁性マトリクスを振動させるための振動器;及び磁気選別機の静止コンポーネントを磁気選別機の振動コンポーネントに連結し封止するベローズ、を組合せて含んで成る振動磁気選別機である。
【0026】
本願で開示し特許請求する発明の一実施形態は、上半分、下半分及び下半分終端を有する圧力容器を組み合わせて含む磁気選別機装置である。圧力容器の上には、フタフランジが配置されており、また、圧力容器は垂直壁を有する。圧力容器フタフランジは、それを貫通し中心に位置する開口部を有し、その開口部内にシャフト及びシャフトシールが配置される。
【0027】
圧力容器コンテナに材料を供給するために圧力容器コンテナ上に取付けられた少なくとも1つの供給ノズルが存在し、又、圧力容器コンテナの下半分の中に配置されたマトリクスが存在する。このマトリクスは、シャフトによって圧力容器コンテナ内に支持されている。選別すべき材料にいくぶん応じて、2つ以上の供給ノズルが存在し得る。
【0028】
圧力容器コンテナの壁の外側で及びマトリクスのある場所において圧力容器コンテナをとり囲む電磁装置が存在する。さらに圧力容器コンテナを断熱するため、電磁装置と圧力容器コンテナ壁の間に配置された断熱層が存在する。
【0029】
振動器取付け枠を支持することを目的として圧力容器フタフランジ上に第1の支持機構が取付けられており、振動器取付け枠は、それを貫通し中心に位置する開口部をもつ。少なくとも一つの下部制御バネを支持することを目的として振動器取付け枠上に載置された第2の支持機構が存在する。第2の支持機構は、振動器を収納する磁石振動器ケーシングをも支持する。振動器及び振動器ケーシングにはそれらを貫通し中心に位置する開口部が備わっていて、以下で記述する単一構造の可動垂直シャフトを収容している。
【0030】
振動器ケーシング上に配置されるのは、第3の支持機構であり、この第3の支持機構上に取付けられるのは支持プレートであり、その上に配置されるのは第4の支持機構である。第4の支持機構の上には、上部表面をもつ少なくとも1つの上部制御バネが配置される。
【0031】
下端部と上端部を有する単一構造の可動垂直シャフトが存在し、この単一構造の可動垂直シャフトはその下端部でマトリクスに連結されている。単一構造の可動垂直シャフトはシャフトシール及び圧力容器フタフランジの中心に位置する開口部を通って上向きに延び、ベローズの中心を通って上向きに延び、振動器取付け枠の中心に位置する開口部を通って上向きに延び続け、下部制御バネを通り、振動器の中心に位置する開口部を通って上向きに延び続け、その後上部制御バネを通って上向きに延び、上部制御バネの上部表面より上かつエンドプレートの下で終結する。
【0032】
圧力容器フタフランジ上に配置された封じ込めベローズが存在し、このベローズは、単一構造の可動垂直シャフトの一部を成すフランジに取り付けられている。
【0033】
床としてのシャフトシール、側面としての圧力容器フタフランジ及び上面としての封じ込めベローズによって形成されたパージ空間に開放する圧力容器フタフランジ内に位置する清浄ガスパージ入口を含む清浄ガスパージ装置が存在する。清浄ガスパージは、ベローズの回旋の間に塵埃が収集されるのを防ぐ。清浄ガスパージは、また、蒸気が存在する場合にベローズ内に凝縮性液体が集まるのを防ぐ。かくして、清浄ガスパージは、ベローズの自由な動きの妨害を防止する。清浄ガスは、塵埃を含まないいかなる気体であってもよい。これは、窒素などの不活性ガスであり得る。シャフトシールが単一構造の垂直シャフトに当接した場合、不活性ガスは、低い流速で圧力容器コンテナ内に漏出し、かくして粒子がシール及びベローズ内に進入するのを防ぐ。
【0034】
圧力容器は、下半分の終端に取付けられた排出コーンを有する。この排出コーンは、下端部を有し、この下端部には排出ノズルが取付けられている。
本発明のもう1つの実施形態は、バランスベローズである第2のベローズを含む磁気選別機器具である。この実施形態の磁気選別機は、バランスベローズ及び振動機構並びに上部及び下部制御バネの設置以外、上述の第1の実施形態と非常に類似している。
【0035】
かくして、上半分、下半分及び下半分終端を有する圧力容器コンテナが存在する。この圧力容器コンテナには、第1の実施形態の場合と同様に、上に圧力容器フタフランジが配置されており、圧力容器コンテナは垂直壁を有する。圧力容器フタフランジは、貫通し中心に位置する開口部を有し、その中心に位置する開口部内にシャフトシールが配置される。
【0036】
圧力容器コンテナに材料を供給するために圧力容器コンテナ上に取付けられた少なくとも1つの供給ノズルが存在し、選別されるべき材料にいくぶん応じて2本以上のこのような供給ノズルが存在し得る。
【0037】
第1の実施形態の場合と同じように、圧力容器コンテナの下半分に配置されたマトリクスが存在する。このマトリクスは、シャフトに固定されたカートリッジとして圧力容器コンテナ内で支持されている。圧力容器コンテナ壁の外側に、及びマトリクスが基本的には圧力容器コンテナ内に支持されているためにマトリクスの場所に、圧力容器コンテナをとり囲む電磁装置が存在している。この電磁装置と圧力容器コンテナ壁の間に配置された断熱層が存在する。
【0038】
圧力容器フタフランジは、少なくとも1つの下部制御バネ支持機構及びその上の下部制御バネを支持するためその上に取付けられた第1の支持機構を有する。同様に、下部制御バネ支持機構上に配置された第2の支持機構が存在し、ここで第2の支持機構は、磁石振動器を収納する磁石振動器ケーシングを支持している。
【0039】
磁石振動器及び磁石振動器ケーシングは、それを貫通し中心に位置する開口部を有し、磁石振動器ケーシング上に配置された第3の支持機構が存在する。第3の支持機構上に取付けられた少なくとも1つの上部制御バネ支持機構及び少なくとも1つの上部制御バネが存在する。
【0040】
第1の実施形態の場合と同様に、以下で記述する単一構造の可動垂直シャフトをとり囲む上部支持機構により支持されている圧力容器フタフランジ上に配置された封じ込めベローズが存在する。
【0041】
上部制御バネ支持機構上に配置された第4の支持機構の上には上面支持プレートが配置され、ここで上面支持プレートは、以上で回避されたバランスベローズを支持する。このバランスベローズは、単一構造の可動垂直シャフトの一部を成すフランジ上でシャフトに取り付けられている。
【0042】
単一構造の可動垂直シャフトは、下端部及び上端部を有し、単一構造の可動垂直シャフトはその下端部でマトリクスプレートにより保持されている。さらに、単一構造の可動垂直シャフトは、圧力容器フタフランジの中心に位置する開口部及びこの圧力容器フタフランジ内に配置されたシャフトシールを通って上向きに延び、封じ込めベローズの中心を通って上向きに延び、下部制御バネ及び下部制御バネ支持機構を通って上向きに延び、磁石振動器の中心に位置する開口部を通って上向きに延び、上部制御バネ支持機構及び上部制御バネを通って上向きに延び、バランスベローズを通って上向きに延び、上部支持プレートの下部表面より下で終結する。
【0043】
圧力容器フタフランジの中に配置されるのは、床としてのシャフトシール、側面としての圧力容器フタフランジ及び上面としての下部封じ込めベローズによって形成されたパージ空間に通じている不活性ガスパージ装置であり、不活性ガスが圧力容器コンテナ内に流入できるように、シャフトシールが単一構造の垂直シャフトと当接する部分に小さな開口部が存在している。この実施形態においては、第1の実施形態とは異なり、下部封じ込めベローズから上部バランスベローズに至る圧力バランス管が存在している。
【0044】
さらに、圧力容器は、下部半終端上に取付けられた状態で排出コーンを有し、この排出コーンは下端部を有し、排出コーンの下端部上には排出ノズルが取付けられている。
【0045】
本発明のさらなる実施形態は、クロロシランを生産するための反応装置内で使用される含ケイ素固体材料の処理方法にある。この方法は、含ケイ素固体材料中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別するため、反応装置内で使用された含ケイ素材料を本明細書で上述した通りの磁気選別機装置に付すことを含む。
【0046】
本発明のさらにもう1つの実施形態は、含ケイ素固体材料を処理する方法にある。この方法は、流動床反応装置の流動床から含ケイ素固体材料を取出し、含ケイ素固体材料中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別するべく、本明細書で上述した通りの磁気選別機装置に含ケイ素固体材料を付し、そしてその後、流動床反応装置の流動床に含ケイ素固体材料の非磁性部分を戻すことを含む。
【0047】
本発明の一実施形態は、クロロシランの製造方法にもある。この方法は、含ケイ素固体材料を本明細書で上述した通りの磁気選別機装置に付して含ケイ素固体材料中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別することによって、クロロシランの製造のために用いられる反応装置内で使用された含ケイ素固体材料を処理し、その後、反応装置から含ケイ素固体材料の磁性部分を取出すことを含む。
【0048】
本発明のさらにもう1つの実施形態は、クロロシランの調製方法にある。この方法は、流動床反応装置を用意し、流動床反応装置に粉砕したケイ素、直接法反応のための少なくとも1つの触媒、及び直接法反応のための少なくとも1つの助触媒を投入することを含む。
【0049】
その後、塩化アルキルを流動床反応装置に提供して反応装置内に流動床を形成し、粉砕ケイ素、触媒、プロモーター及び塩化アルキルを相互作用させ反応させて所望の比率及び所望の速度でアルキルクロロシランを生成させる。
【0050】
その後、所望の比率が一定の増加を示した時点又は所望の反応速度が一定の低下を示した時点で、流動床内容物中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別するべく本明細書で上述した通りの磁気選別機装置に流動床内容物を付すことによって流動床内容物を処理することを含むプロセスに流動床の内容物を付し、流動床内容物の磁性部分を上記プロセスから取出す。
【0051】
さらにもう1つの本発明の実施形態について、クロロシランの製造方法において、流動床反応装置を用意し、流動床反応装置に粉砕したケイ素、直接法反応のための少なくとも1つの触媒、及び直接法反応のための少なくとも1つの助触媒を投入することを含む方法が存在する。
【0052】
その後、塩化アルキルを流動床反応装置に供給して反応装置内に流動床を形成し、粉砕ケイ素、触媒、助触媒及び塩化アルキルを相互作用させ反応させて所望の比率及び所望の速度でアルキルクロロシランを生成させ、その後、所望の比率が一定の増加を示した時点又は所望の反応速度が一定の低下を示した時点で、内部の固体の平均粒度を減少させるべく流動床内容物を粉砕した後に流動床内容物中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別するべく本明細書で上述した通りの磁気選別機装置に粉末にした流動床内容物を付すことによって流動床内容物を処理することを含むプロセスに流動床の内容物を付し、その後流動床内容物の磁性部分を上記プロセスから取出し、直接法を続行する。
【0053】
さらに、流動床反応装置を用意し、流動床反応装置に粉砕したケイ素、直接法反応のための少なくとも1つの触媒、及び直接法反応のための少なくとも1つの助触媒を投入し、その後、塩化アルキルを流動床反応装置に供給して反応装置内に流動床を形成することを含む本発明の一実施形態が存在する。
【0054】
その後、粉砕ケイ素、触媒、助触媒及び塩化アルキルを相互作用させ反応させて所望の比率及び所望の速度でアルキルクロロシランを生成させ、その後、所望の比率が一定の増加を示した時点又は所望の反応速度が一定の低下を示した時点で、空力的遠心分級方法を用いるサイズ分級方法に流動床内容物を付すことによって流動床内容物の固体部分から不純物を低減及び除去し、その後流動床内容物中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別するべ本書で上述した通りの磁気選別機装置に精製済みの流動床内容物を付すことによって流動床内容物を処理することを含むプロセスに流動床の内容物を付し、流動床内容物の磁性部分を流動床反応装置から取出し直接法を続行する。
【0055】
さらにもう1つの本発明の実施形態について、クロロシランの製造方法において、流動床反応装置を用意し、流動床反応装置に粉砕したケイ素、直接法反応のための少なくとも1つの触媒、及び直接法反応のための少なくとも1つの助触媒を投入し、そしてその後、塩化アルキルを流動床反応装置に供給して反応装置内に流動床を形成することを含む方法が存在する。
【0056】
その後、粉砕ケイ素、触媒、助触媒及び塩化アルキルを相互作用させ反応させて所望の比率及び所望の速度でアルキルクロロシランを生成させ、その後、所望の比率が一定の増加を示した時点又は所望の反応速度が一定の低下を示した時点で、流動床内容物を粉砕して内部の固体の平均粒度を低減させ、空力的遠心分級方法を用いるサイズ分級方法に流動床内容物を付すことによって流動床内容物の粉末になった固体部分から不純物を低減及び除去し、次に流動床内容物中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別するべく本書で上述した通りの磁気選別機装置に精製済みの流動床内容物を付すことによって流動床内容物を処理することを含むプロセスに流動床の内容物を付し、次に流動床内容物の磁性部分を流動床反応装置の流動床から取出し直接法を続行する。
【0057】
そして最後に、クロロシランの製造方法において、流動床反応装置を用意し、流動床反応装置に粉砕したケイ素、直接法反応のための少なくとも1つの触媒、及び直接法反応のための少なくとも1つの助触媒を投入することを含むプロセスが存在する本発明の一実施形態が存在する。
【0058】
その後、塩化アルキルを流動床反応装置に供給して反応装置内に流動床を形成し、粉砕ケイ素、触媒、助触媒及び塩化アルキルを相互作用させ反応させて所望の比率及び所望の速度でアルキルクロロシランを生成させ、その後、所望の比率が一定の増加を示した時点又は所望の反応速度が一定の低下を示した時点で、流動床内容物粒子の表面から不純物を除去するべく流動床内容物を摩擦し、その後流動床内容物中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別するべく本書で上述した通りの磁気選別機装置に摩擦した流動床内容物を付すことによって流動床内容物を処理することを含むプロセスに流動床の内容物を付し、その後流動床内容物の磁性部分を上記プロセスから取出し直接法を続行する。
発明の詳細な説明
【0059】
より具体的に言うと、本願で開示し特許請求する発明は、有害である液体、蒸気及び気体の中に懸濁しているか又はそれらと接触している微粉固体を選別する上で有用である磁気選別機装置である。
【0060】
ここで図1を参照すると、ここには金属支持スタンド72の上に取付けられた本発明の磁気選別機装置が示されており、圧力容器フタフランジ5が上に配置された圧力容器コンテナ2も同様に示されている。圧力容器フタフランジ5上に取付けられているのは、4本の脚部を有するものの2本の脚部39しか図示されていない第1の支持機構14である。
【0061】
第1の支持機構14はその上部に配置されたプレート40を有する。このプレートは、下部バネ18を支持するための機構の一部である。プレート40の上に支持されているのは、同じく4本の脚部を有するものの2本の脚41としてしか例示されていない第2の支持機構17であり、この支持機構17上に取付けられているのは磁石振動器15(図2にも示されている)である。
【0062】
脚部41上に配置されているのは、24として指定されている上部バネの第2の組をもつプレートである。圧力容器フタフランジ5のすぐ上の箇所には、圧力容器フタフランジ5の上面43上に取付けられているベローズ28が示されている。本発明では、ベローズ28は真の圧力保持ベローズであり、これはすなわち、カバーとして使用される単なるブーツではないということを意味している。
【0063】
類似の番号が類似のコンポーネントを表わしている、支持スタンド72の無い図1のラインA−Aに沿った全体的断面図である図2を参照すると、圧力容器コンテナ2、そして圧力容器コンテナ2の上半分3と共に圧力容器コンテナ2の下半分4が示されている。上半分3内には、圧力容器コンテナ2に対して材料を供給するのに使用される供給ノズル9が示されている。
【0064】
圧力容器コンテナ2の下半分4には、マトリクスカートリッジとして圧力容器コンテナ2の内部に支持されているマトリクスが配置される。マトリクス10とほぼ同じ場所で圧力容器2をとり囲んでいるのは、高温圧力容器コンテナ2からハウジングを遮へいすることにより電磁装置ハウジング45の温度制御を補助する断熱層13である。同じく電磁装置ハウジング45内部には電磁装置12がある。
【0065】
図2においてラインG−Gとして示されている垂直線に沿って延びているのは、単一構造の垂直シャフト25である。シャフト25は、マトリクスカートリッジを通って上向きに延びており、次に圧力容器コンテナ2の中心を通って上向きに延び、圧力容器フタフランジ5の中心に位置する開口部7の中に配置されたシャフトシール8を通って、そして次にベローズ28の中心を通って上向きに、そして次にプレート40の中心に位置する開口部47を通って上向きに延び、次に下部制御バネ18に取り付けられており、振動器15の可動部分に対する取付部分まで、そして最終的に次に上部制御バネ24に対する取付部分まで延び、その後エンドプレート52から短かい距離だけ下方のところで終結する。シャフト25は上下に移動して、プレート11及び84によりシャフトに連結されているマトリクス10を振動させる。
【0066】
図3Aは、シャフトシール8の詳細を示す図2上にBとして指定されている領域の拡大詳細図である。ここには、所定の場所にシャフトシール8を保持するボルト16で所定の場所に保持されている保持プレート6が示されている。この箇所でシャフト25の外側表面上に示されているのは、研磨された表面をもつ硬質コート表面21である。同様に示されているのは、シャフト25の周囲で圧縮状態にシャフトシール8を保持している円周方向コイルバネ22である。さらに、シャフトシール8上に配置された垂直コイルバネ23が存在する。
【0067】
図3Bはシャフトシールの周囲における円周方向コイルバネ22の配置を示す図3Aの領域Cの拡大斜視図である。シャフトシール8は好ましくは炭素製のセグメント化されたブッシングであり、図3Bでは26という番号でセグメントラインが観察できる。
【0068】
ここで、拡大概略側面図すなわち図1のラインH−Hを通る本発明の振動器15の詳細図である図4を見てみると、振動器15を駆動するためのエネルギーを供給するリード線30を伴う可変パルスDC電源20を有する従来の振動器が示されている。この場合4つの振動器機構31から成る振動器15を示す、振動器15の概略上面図である図5も参照されたい。機構31の各々が類似の形で構成され、各々が図4の20に示されている通りの電源を通してのエネルギー入力端を有しているという点に留意すべきである。
【0069】
ここで図6を見てみると、バランスベローズ63から封じ込めベローズ28までの圧力バランス管65を伴って、所定の位置にある封じ込めベローズ28とバランスベローズ63の両方を示し、図1及び図2と同じコンポーネントを同じ呼称が表わしている、選別機100である本発明のもう1つの実施形態の全体的前面図が示されている。
【0070】
供給ノズル9を除去した図6のラインE−Eを通る図6の選別機100の断面側面図である図7を参照すると、バランスベローズ63からの出入口33及びバランス管65(図6には示されているが図7には図示せず)を通って2つのベローズの間の均圧化を可能にする封じ込めバランス28からの出入口34が示されている。
【0071】
同様に図示されているのは、気体入口35である。シャフト25のまわりには小さな空隙又は開口部61が存在し、これがパージされた空間内及びそれから外への気体の流れを可能にしているという点に留意すべきである。
【0072】
上側のバランスベローズ63において、下側のベローズ28からの圧力推力がバランスされている。一次ベローズは下側の封じ込めベローズ28である。ベローズ63はベローズ28と類似の形で構成されており、下で使用される支持機構に類似した支持機構を用いて上部制御バネ24より上に配置されている。
【0073】
圧力バランス管65は、バランスベローズ63と封じ込めベローズ28の間の開放気体流を提供する。封じ込めベローズ28が圧縮された時点で、バランスベローズ63は拡張され、その逆も成り立つ。
【0074】
図1の振動する磁気選別機1の場合のように、この選別機の中には、圧力容器2、供給ノズル9が上に取付けられている垂直壁53を示す該圧力容器2の上半分3及び下半分4、圧力容器フタフランジ5、圧力容器フタフランジ5内の中心に位置する開口部7、中心に位置する開口部7内のシャフトシール8、マトリクス10、マトリクス支持プレート11、電磁装置12、それに伴う周囲断熱層13及び第1の支持機構14が示されている。
【0075】
フランジ5の上面は、封じ込めベローズ28を支持するフランジ5の一体部分として示されているプラットフォーム75で構成されている。プラットフォーム75は、そこを通してシャフト25が通過できるようにする中心に位置する開口部77をその中に有している。封じ込めベローズ28の上端部はシャフト25上の一体形フランジ73に取り付けられている。
【0076】
必要に応じて、選別機100は、シャフト25用の線形軸受81が中にある中心に位置する開口部80を有する支持機構14の上に支持されたプレート79を含み得る。プレート79のすぐ上には、支持体66により所定の場所に保持された下部制御バネ18がある。下部制御バネ18はフランジ82においてシャフト25に取り付けられている。この様式で、下部制御バネ18はシャフト25の垂直運動を制御し、シャフト25の側方運動を防止する。
【0077】
下部制御バネ18のすぐ上にあるのは、支持機構17によって支持されている振動器15である。シャフト25は、それを選別機内で上下に振動させることができるようにするべくシャフト25に振動器15を連結できるようにフランジ83をこの箇所に収納している。振動器15のすぐ上には、上部制御バネ24が配置されている。シャフト25は、この箇所に拡張部分85を有し、上部制御バネ24がシャフト25を制御できるようにしている。上部制御バネ24のすぐ上には、選別機100の上端があり、この中には、シャフト25内でフランジ55によって支持されているバランスベローズ63が配置されている。以上で記されているように、ベローズ63が上向きに移動するのを防ぐベローズ63用の盲フランジクロージャー86が存在する。バランスベローズ63の上端部には、出入口33が配置されている。その後、上面で選別機100のコンポーネント部分を結合させるための上部プレート74が存在する。
【0078】
単一構造の可動垂直シャフト25は下端部54及び上端部55を有する。マトリクスカートリッジはシャフトの下端部にはめ込まれる。単一構造の可動垂直シャフト25は、圧力容器フタフランジ5、中心に位置する開口部7及び圧力容器フタフランジ5の中に配置されたシャフトシール8を通って上向きに延びる。シャフト25は次に、封じ込めベローズ28の中心を通って上向きに延び、さらに上向きに延び、ここで下部制御バネ18及び下部制御バネ支持機構に取り付けられており、振動器の中心に位置する開口部16を通って上向きに延び、上部制御バネ支持機構71を通って上向きに延び、ここで上部制御バネ24に取り付けられており、バランスベローズ28を通って上向きに延びて盲フランジクロージャー86の下で終結する。
【0079】
圧力容器フタフランジ5内に配置された清浄ガスパージ入口35を含む清浄ガスパージ器具77が存在し、このパージは、床としてのシャフトシール8、側面としての圧力容器フタフランジ5及び上面としての封じ込めベローズ28によって形成されたパージ空間62内へと通じており、シャフトシール8が単一構造の垂直シャフト25と当接している部分に不活性ガスが圧力容器コンテナ2内に流入できるようにする小さな開口部61が存在している。
【0080】
2つのベローズの間の圧力を釣合わせる目的で、封じ込めベローズ28からバランスベローズ63まで開放的に連結されている圧力バランス管65が存在する。
【0081】
選別機100の底面では、圧力格納容器2は、その下半分終端上に取付けられた状態で排出コーン36を有し、この排出コーン36は下端部37を有し、下端部37上には排出ノズル38が固定されている。
【0082】
運転中、本発明の第1の実施形態を参照すると、磁気選別機1は、圧力容器コンテナ2の内側で振動するマトリクス10で構成されている。マトリクス10は、それをとり囲む電磁装置12を用いて断続的に磁化及び消磁される。マトリクス10は可動垂直シャフト25を用いて振動させられる。選別機1が周囲温度及び圧力より高い温度で作動できるようにするため、ベローズ28は好ましくは薄い可とう性金属で構成されている。
【0083】
図8は、図7の領域Dの図であり、図9は図7の領域Eの図である。
【0084】
図10は、バランスベローズ63の一部分である図8の領域Fの拡大図と詳細である。この図は、シャフト25の一部分、ベローズの最も外側のプライ59及び最も内側のプライ58を示している。又以下でその動作を記すベローズの上部フランジ44及び下部フランジ46が示されている。同様に示されているのは、圧力計器39、圧力測定用チャンバ57、及び真空バルブ60である。封じ込めベローズ28も類似の様式で構成されているが、図9からわかるように、圧力計器39、圧力測定用チャンバ57及び真空バルブ60はベローズの下側に示されている。
【0085】
選別機の動作を例示し明確にするため、2つのベローズ上のフランジには異なる名称を与えた。バランスベローズ63内では、上部フランジは44で示し、これは静止フランジであり、一方、下部フランジは46で示し、これはベローズが拡張及び収縮した時点で移動するフランジである。
【0086】
同様にして図9では、封じ込めベローズは図7の領域Eに示されている通りに例示され、ここで上部フランジは70という番号で示され可動フランジであるのに対し、底部フランジは71という番号で示され静止型フランジであり、バランスベローズ28と同じように動作する。
【0087】
多重プライ金属ベローズはより高いレベルの構造的保全性を可能にすることから、好適である。多重プライ金属ベローズ28は同様に、不具合がないかベローズ28の保全性を連続的にテストすることができる。「多重プライ」というのは、少なくとも2つの壁を意味する。ベローズ28は好ましくは各図に示されているように波形管設計である。多重プライベローズ28の壁は同心的である。図10に示されている通りの感圧チャンバ57が、ベローズの最も内側及び最も外側のプライ58及び59の間に作り上げられている。このチャンバは、真空ポンプ(図示せず)に連結されたバルブ60を用いて排気することができる。チャンバ57内の圧力はこのとき、圧力計器39から直接読取ることができる。この圧力計器39は、本書で例示されているように、局所的に取付けられた圧力ゲージであり得るが、好ましくは、ベローズのいずれかが故障した場合に直ちにオペレータに警告するための警報を伴うプログラミング可能な論理コントローラ又は分配型制御システムといった制御システムに接続された電子圧力センサーである。感圧チャンバ57は加圧されるか又は排気され得るが、圧力は外部周囲圧力又は圧力容器2内部の圧力のいずれとも異なるものでなくてはならない。周囲圧力により高い圧力で作動する磁気選別機の場合、チャンバ57は、感知チャンバ57内の圧力が予め定められた真空警報点より高く上昇した時点でベローズの外側プライ59又は内側プライ58内の漏洩又は亀裂、故障が検出されるように、選択的に排気されている。圧力容器2が真空下で作動している場合には、プライ間感圧チャンバ57を加圧することが望ましい可能性がある。この場合、プライ間の圧力に起因するベローズ内の付加的な剛性が、ベローズを設計する上で考慮されなくてはならない。
【0088】
第2のベローズすなわちバランスベローズ63が図6に示されているように用いられている本発明の第2の実施形態に関しては、2つのベローズの間で圧力推力が均等化される。封じ込めベローズ28はバランスベローズ63とバランスされる。封じ込めベローズ28が圧縮された時点で、バランスベローズ63が拡張され、その逆も成り立つ。第1の実施形態では、圧力容器2内の高圧が封じ込めベローズ28に作用して、上向きの力を作り出す。圧力が高い場合、結果としての力は多大なものであり得る。圧力容器2の圧力は同様に垂直可動シャフト25の横断部域にも作用する。小さな圧力がシャフトシール上の清浄ガスのパージから結果としてもたらされる可能性がある。第2の実施形態では、圧力バランス管65が、等しい下向きの力と共にバランスベローズ63上に等しい圧力を作り出す。封じ込めベローズ28の上向きの力及びバランスベローズ63の下向きの力は互いに相殺する。こうして、振動器15及びバネ18及び24上の負荷が減少する。バランスされたベローズの設計は、圧力容器2内の可変的圧力に特に適している。
【0089】
振動するアセンブリそのものは、基本的に垂直可動シャフト25及びマトリクス10から成る。垂直可動シャフト25は、複数のバネ18及び24上に懸垂されている。コイルバネを使用することもできるが、側方の偏向を制限するためには、これらのバネは、側方の偏向を制御してベローズの寿命を延長できるように、好ましくは重ね板バネである。換言すると、側方偏向は、可能なかぎり制限されるべきである。重ね板バネは、開口部を通してのシャフトの偏向制御及び心合せを改善する。例えばバネ18、24は、鋼又はガラス強化プラスチックといったような適切なあらゆる材料で作ることができる。スタック内の上面及び底面の両方の場所に多数のバネを使用することができる。側方の偏向を最小限におさえるため、重ね板バネのスタックの方向性を90度回転させることができる。ボルト留めされた及びボルト留めされフランジが付いたコンポーネントをアライメント溝又はアライメントマークと自己整合させることが好ましい。
【0090】
垂直可動シャフト25は、線形「E型枠」振動器15を用いて垂直方向に振動させられる。E型枠振動器15は、AC又はパルスDC電源の周波数に応じて揺動垂直振動を作り出すAC又はパルスDC電源に接続されている。
【0091】
不活性であってもなくてもよいパージを必要に応じて適用して、研磨性粉末に由来する侵食損傷に起因する薄壁ベローズの早すぎる故障のリスクを低減させることができる。侵食に加えて、ベローズ領域内の固体がベローズに充満して、それが固体で一杯になり可とう性が失われる可能性がある。パージは同様に、圧力容器内でその沸点よりも高い温度で取扱かわれる蒸気の凝縮を妨げることもできる。この場合、清浄ガス又は幾つかの他の適切な流体は、パージパイプ入口35を通って圧力容器2より上のパージ空間62内に流入する。ベローズ28の上部フランジ70はパージ空間62の上部を取り囲む。パージ空間62の下端部は、シャフトシール8が単一構造の垂直シャフト25と当接する部分にある小さな開口部61を通して圧力容器2に部分的に通じている。パージ空間62は、圧力容器フタフランジ5内に機械加工され、この空間には、圧力容器フタフランジ5内にはめ込まれたシャフトシール8がはめ込まれている。シャフトシール8は座金のような形状を有する。これは、1つのコンポーネントがもう一方のものよりも優先的に磨耗し交換されるように、垂直シャフト25より際立って硬い又は軟かい構造の材料で作られている。シャフトシール8は、モノブロックの座金又はセグメント化されたブッシングであり得る。好ましい設計は、グラファイトのシャフトシール及び合金シャフトである。炭化ケイ素又はそれに類するセラミクスで作られたより高い硬度のシャフトシール8も同じく可能である。シャフトシール8は細かい研磨性粒子の進入を妨げる。また、シャフトシール8は、圧力容器フタフランジ5及びシャフト25のさらに困難な修理の代りに安価なシャフトシール8を交換できるように、優先的摩耗箇所を提供する。シャフトシール8は図示されている通りに下からはめ込むこともできるが、代わりに、上からはめ込むことも可能である。
【0092】
マトリクス10は、垂直可動シャフト25にクランプ締めされるそれぞれ上部及び下部プレート11及び84を用いて、マトリクス担体内に組立てられ振動シャフト25に固定される。スクリーン、有孔プレート、エキスパンテッドメタルメッシュ又はさらにはスチールウールなどの数多くのタイプのマトリクス10が可能である。好ましいマトリクス10は、エキスパンデッドメタルメッシュなどの部分的に開放したディスクである。マトリクス10は、例えば430ステンレス鋼又は410ステンレス鋼などの磁気的に軟質の鋼から作られている。
【0093】
マトリクス10は、ソレノイドなどの外部電磁器具12により、交互に磁化及び消磁される。ソレノイドはハウジング45内に収納される。ハウジング45には、図示されておらず特許請求対象の発明の一部を成していない循環及び体積膨張システムを用いて外的に冷却される油87(図2)が充てんされる。
【0094】
圧力容器2が周囲温度よりかなり高い温度で作動することになっている場合には、ユニットに断熱13を備えることが望ましい。これにより、ハウジング45が過熱してソレノイド12の抵抗が増加し磁界強度の低下をひき起こすことが妨げられる。圧力容器2及び垂直可動シャフト25のための好ましい製造材料は、304及び316ステンレス鋼などの鋼である。これらの鋼は、ソレノイド12により著しく磁化されない。摩耗を改善するために、格納容器2、シャフト25及びその他のコンポーネントに対して非磁性硬質コーティング21を塗布することができる。
【0095】
粉末含有磁気粒子が供給ノズル9を通して供給される。容器の異なる側面への流れを均等化するために、複数のノズルを備えてもよい。供給粉末が特に研磨性である場合、圧力容器に対し多大な修理を行なうことなくパイプを交換できるように、ノズルを通して供給パイプを挿入することが望ましい。圧力容器2が大きな直径の容器である場合、下流側収集及び移送配管のサイズを制限するために急勾配の排出コーン36を具備することが望ましいであろう。
【0096】
供給粉末バッチを処理するためには、まず最初にソレノイド12に電圧を印加してマトリクス10を磁化する。次に一定体積の粉末を、供給ノズル9を通してマトリクス10の上に供給する。供給粉末は、振動器15に補助されるマトリクスプレート10を通って流れる。磁性粒子は、マトリクス10に引きつけられる。非磁性粒子はマトリクス10を通過し、排出ノズル38を通って排出される。
【0097】
非磁性粒子が選別機から除去された後、選別機の下の誘導弁(図示せず)が切換えられて、流れを異なる配管経路に誘導する。その後、ソレノイド12への電圧の印加を止める。振動器15がなおも作動している状態で、磁性微粉がマトリクス10から排出され、排出ノズル38から出る。
【0098】
金属ベローズ28及び63のための適切な製造材料は、316ステンレス鋼などのオーステナイト系ステンレス鋼又はインコネル625又はヘイステロイC22などの高ニッケル合金である。好適な材料はヘイステロイC22である。内側プライベローズ58のための製造材料は、磁気選別機の内容物と適合性のあるものでなくてはならない。ベローズ28及び63の外側プライ59のための製造材料は、選別機が屋外にある場合、外部の環境及び気候と適合性のあるものでなくてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】支持スタンド上に載置された本発明の選別機の一実施形態の全体的前面図である。
【図2】支持スタンドをとり除いた、図1の選別機のラインA−Aに沿った断面図である。
【図3A】図2でBで示した領域の拡大詳細図である。
【図3B】シャフトシールのまわりの円周コイルバネの位置づけを示す図3Aの領域Cの拡大斜視図である。
【図4】振動器の概略図である。
【図5】図4の振動器の概略的上面図である。
【図6】バランスベローズから封じ込めベローズに至る供給管を伴う、封じ込めベローズとバランスベローズの両方を所定の位置にある状態で示している、選別機である本発明の別の実施形態の全体的前面図である。
【図7】図6のラインE−Eに沿った図6の断面図である。
【図8】図7、領域Dのバランスベローズの全体図である。
【図9】図7、領域Eの封じ込めベローズの全体図である。
【図10】図8の領域F中のバランスベローズの約1/2の拡大図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動コンポーネントと静止コンポーネントを有する振動磁気選別機において、加工内容物が大気に漏出しないように封止し、前記振動磁気選別機が静止コンポーネントから振動コンポーネントを隔離するための圧力保持フレキシブルベローズを含むことを特徴とする振動磁気選別機。
【請求項2】
振動磁気選別機であって、
A.電磁石;
B.入口と出口を有し、前記電磁石内に取付けられた圧力容器;
C.強磁性マトリクス;
D.垂直方向に移動する、前記強磁性マトリクスを振動させるための振動器;及び
E.前記磁気選別機の静止コンポーネントを前記磁気選別機の振動コンポーネントに連結し、加工内容物が大気に漏出しないように封止するベローズ、
を組合せて含んで成る振動磁気選別機。
【請求項3】
前記マトリクスに対して振動を適用する手段が、前記振動器と前記マトリクスを連結する可動シャフトである請求項2に記載の振動磁気選別機。
【請求項4】
フレキシブルベローズが、周囲温度を超える温度及び周囲圧力を超える圧力で有用な金属ベローズである、請求項2に記載の振動磁気選別機。
【請求項5】
前記フレキシブルベローズが少なくとも2つのプライを有する、請求項2に記載の振動磁気選別機。
【請求項6】
前記プライのうちの2つの間に故障検出手段が存在している、請求項2に記載の振動磁気選別機。
【請求項7】
少なくとも1つの線形振動器が存在している、請求項1に記載の振動磁気選別機。
【請求項8】
少なくとも1つの線形振動器が存在している、請求項2に記載の振動磁気選別機。
【請求項9】
a. 上半分、下半分及び下半分終端を有する圧力容器コンテナであって、前記圧力容器コンテナの上には圧力容器のフタフランジが配置されており、前記圧力容器コンテナは垂直壁を有し、前記圧力容器のフタフランジはそれを貫通し中心に位置する開口部を有し、前記中心に位置する開口部の中にシャフトシールが配置されている、圧力容器コンテナ;
b. 前記圧力容器コンテナに材料を供給するために前記圧力容器コンテナ上に取付けられた少なくとも1つの供給ノズル;
c. 前記圧力容器コンテナの下半分の中に配置され、カートリッジとして前記圧力容器内に支持されているマトリクス;
d. 圧力容器コンテナの壁の外側で、かつ、マトリクスのある場所において圧力容器コンテナをとり囲む電磁装置、前記電磁装置と前記圧力容器コンテナの壁の間には断熱層が配置される;
e. 貫通し中心に位置する開口部をもつ振動器取付け枠を支持するために前記圧力容器のフタフランジ上に取付けられた第1の支持機構;
f. 少なくとも一つの下部制御バネ及び下部制御バネ支持機構を支持するために前記振動器取付け枠上に配置された第2の支持機構であって、前記第2の支持機構は磁石振動器を収納する磁石振動器ケーシングをも支持し、前記磁石振動器及び磁石振動器ケーシングはそれぞれそれらを貫通し中心に位置する開口部を有し、前記磁石振動器ケーシングの上には第3の支持機構が配置されており、前記第3の支持機構の上には支持プレートが取付けられており、前記支持プレートの上には第4の支持機構が配置されており、前記第4の支持機構の上に、上部表面を有する少なくとも1つの上部制御バネが支持されている第2の支持機構;
g. 下端部と上端部を有する単一構造の可動垂直シャフトであって、前記単一構造の可動垂直シャフトはその下端部でマトリクスプレートにより保持され、前記圧力容器フタフランジの中心に位置する開口部及び圧力容器フタフランジ内に位置するシャフトシーを通って上向きに延び、ベローズの中心を通って上向きに延び、前記振動器取付け枠の中心に位置する開口部を通って上向きに延び、下部制御バネを通って上向きに延び、磁石振動器の中心に位置する開口部を通って上向きに延び、上部制御バネを通って上向きに延び、上部制御バネの実質的に前記上部表面で終結する単一構造の可動垂直シャフト;
h. 前記圧力容器フタフランジ上に配置され、かつ、前記単一構造の可動垂直シャフトをとり囲むベローズ上部支持機構により支持されている前記ベローズ;
i. 圧力容器フタフランジ内に位置する清浄ガスパージ入口を含む清浄ガスパージ装置であって、パージが、床としてのシャフトシール、側面としての圧力容器フタフランジ及び上面としてのベローズによって形成されたパージ空間に通じており、不活性ガスが圧力容器コンテナに流入できるようにするべく単一構造の垂直シャフトとシャフトシールが当接している部分に小さい開口部が存在する清浄ガスパージ器具;
j. 前記下半分終端に取付けられた排出コーンを有し、前記排出コーンが下端部を有し、前記排出コーンの下端部に取付けられた制御可能な排出ノズルが存在している圧力容器フタフランジ;
を組合わせて含んで成る磁気選別機装置。
【請求項10】
(i) 上半分、下半分及び下半分終端を有する圧力容器コンテナであって、前記圧力容器コンテナの上には圧力容器のフタフランジが配置されており、前記圧力容器コンテナは垂直壁を有し、前記圧力容器のフタフランジはそれを貫通し中心に位置する開口部を有し、前記中心に位置する開口部の中にシャフトシールが配置されている圧力容器コンテナ;
(ii) 前記圧力容器コンテナに材料を供給するために前記圧力容器コンテナ上に取付けられた少なくとも1つの供給ノズル;
(iii) 前記圧力容器コンテナの下半分の中に配置され、マトリックスプレートにより圧力容器内に支持されているマトリクス;
(iv) 圧力容器コンテナの壁の外側で、かつ、基本的にマトリクスのある場所において前記圧力容器コンテナをとり囲む電磁装置;
(v) 前記電磁装置と前記圧力容器コンテナ壁の間に配置された断熱層;
(vi) 少なくとも1つの下部制御バネ支持機構及び下部制御バネを支持するための、前記圧力容器フタフランジ上に取付けられた第1の支持機構;
(vii) 前記下部制御バネ支持機構上に配置された第2の支持機構であって、前記第2の支持機構は、磁石振動器を収納する磁石振動器ケーシングを支持し、前記磁石振動器及び磁石振動器ケーシングはそれぞれそれらを貫通し中心に位置する開口部を有し、前記磁石振動器ケーシングの上には第3の支持機構が配置されており、前記第3の支持機構の上には少なくとも1つの上部制御バネ支持機構及び少なくとも1つの上部制御バネが上に取付けられている第2の支持機構;
(viii)前記圧力容器フタフランジ上に配置された封じ込めベローズであって、単一構造の可動垂直シャフトをとり囲む上部支持機構により支持されている封じ込めベローズ;
(ix)上部制御バネ支持機構上に配置された第4の支持機構であって、前記第4の支持機構の上には上部支持プレートが配置されており、前記上部支持プレートがバランスベローズを支持し、前記バランスベローズが、単一構造の可動垂直シャフトをとり囲む下部支持機構により支持されている第4の支持機構;
(x)下端部と上端部を有する単一構造の可動垂直シャフトであって、その下端部でマトリクスプレートにより保持され、前記圧力容器フタフランジの中心に位置する開口部及び前記圧力容器フタフランジ内にあるシャフトシールを通って上向きに延び、封じ込めベローズの中心を通って上向きに延び、前記下部制御バネ及び下部制御バネ支持機構を通って上向きに延び、前記磁石振動器の中心に位置する開口部を通って上向きに延び、前記上部制御バネ支持機構及び前記上部制御バネを通って上向きに延び、前記バランスベローズを通って上向きに延び、上部支持プレートの実質的に下側表面で終結する単一構造の可動垂直シャフト;
(xii)前記圧力容器フタフランジ内に位置する清浄ガスパージ入口を含む清浄ガスパージ装置であって、パージが、床としてのシャフトシール、側面としての前記圧力容器フタフランジ及び上面としての封じ込めベローズによって形成されたパージ空間に通じており、清浄なガスが圧力容器コンテナに流入できるようにするべく単一構造の垂直シャフトとシャフトシールが当接している部分に小さい開口部が存在する清浄ガスパージ器具;
(xiii)前記封じ込めベローズから前記バランスベローズまで開放的に連結されている圧力バランス管;
(xiv)前記下半分終端に取付けられた排出コーンを有し、前記排出コーンが下端部を有し、前記排出コーンの下端部に取付けられた排出ノズルが存在している圧力容器フタフランジ;
を組合わせて含んで成る磁気選別機装置。
【請求項11】
クロロシランを生産するための反応装置内で使用される含ケイ素固体材料を処理する方法において、前記反応装置内で使用された含ケイ素材料を請求項2に記載の磁気選別機装置に付して、前記含ケイ素固体材料中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別することを含む方法。
【請求項12】
含ケイ素固体材料を処理する方法において、
(I)流動床反応装置の流動床から含ケイ素固体材料を取出し;
(II)前記含ケイ素固体材料を請求項2に記載の磁気選別機装置に付して前記含ケイ素固体材料中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別し;
(III)前記流動床反応装置の流動床に前記含ケイ素固体材料の前記非磁性部分を戻すこと;
を含む方法。
【請求項13】
クロロシランの製造方法において、
(I)含ケイ素固体材料を請求項2に記載の磁気選別機装置に付して前記含ケイ素固体材料中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別することによって、クロロシランの製造のために用いられる反応装置内で使用された前記含ケイ素固体材料を処理し;
(II)前記反応装置から前記含ケイ素固体材料の前記磁性部分を取出すこと、
を含む方法。
【請求項14】
クロロシランの製造方法において、
(I)流動床反応装置を用意し;
(II)前記流動床反応装置に、
(i)粉砕したケイ素;
(ii)直接法反応のための少なくとも1つの触媒;
(iii)直接法反応のための少なくとも1つの助触媒;
を投入し;
(III)その後、塩化アルキルを前記流動床反応装置に供給して前記反応装置内に流動床を形成し;
(IV)粉砕ケイ素、触媒、助触媒及び塩化アルキルを相互作用させ反応させて所望の比率及び所望の速度でアルキルクロロシランを生成させ;
(V)その後、所望の比率が一定の増加を示した時点又は所望の反応速度が一定の低下を示した時点で、前記流動床の内容物中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別するべく請求項2に記載の磁気選別機装置に前記流動床の内容物を付すことによって前記流動床の内容物を処理することを含むプロセスに前記流動床の内容物を付し、次いで前記流動床の内容物の前記磁性部分を前記プロセスから取出すこと、
を含む方法。
【請求項15】
クロロシランの製造方法において、
(I)流動床反応装置を用意し;
(II)前記流動床反応装置に、
(i)粉砕したケイ素;
(ii)直接法反応のための少なくとも1つの触媒;
(iii)直接法反応のための少なくとも1つの助触媒;
を投入し;
(III)その後、塩化アルキルを前記流動床反応装置に供給して前記反応装置内に流動床を形成し;
(IV)粉砕ケイ素、触媒、助触媒及び塩化アルキルを相互作用させ反応させて所望の比率及び所望の速度でアルキルクロロシランを生成させ;
(V)その後、所望の比率が一定の増加を示した時点又は所望の反応速度が一定の低下を示した時点で、内部の固体の平均粒度を減少させるべく前記流動床の内容物を粉砕した後に前記流動床内の容物中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別するべく請求項2に記載の磁気選別機装置に粉末にした前記流動床の内容物を付すことによって前記流動床の内容物を処理することを含むプロセスに前記流動床の内容物を付し、その後、前記流動床の内容物の前記磁性部分を前記プロセスから取出し、直接法を続行すること、
を含む方法。
【請求項16】
クロロシランの製造方法において、
(I)流動床反応装置を用意し;
(II)前記流動床反応装置に、
(i)粉砕したケイ素;
(ii)直接法反応のための少なくとも1つの触媒;
(iii)直接法反応のための少なくとも1つの助触媒;
を投入し;
(III)その後、塩化アルキルを前記流動床反応装置に供給して前記反応装置内に流動床を形成し;
(IV)粉砕ケイ素、触媒、助触媒及び塩化アルキルを相互作用させ反応させて所望の比率及び所望の速度でアルキルクロロシランを生成させ;
(V)その後、所望の比率が一定の増加を示した時点又は所望の反応速度が一定の低下を示した時点で、空力的遠心分級方法を用いるサイズ分級方法に前記流動床の内容物を付すことによって前記流動床の内容物の固体部分から不純物を低減及び除去し、その後、前記流動床内容物中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別するべく請求項1に記載の磁気選別機装置に精製済みの前記流動床の内容物を付すことによって前記流動床の内容物を処理することを含むプロセスに前記流動床の内容物を付し、前記流動床の内容物の前記磁性部分を前記流動床反応装置から取出し、直接法を続行すること、
を含む方法。
【請求項17】
クロロシランの製造方法において、
(I)流動床反応装置を用意し;
(II)前記流動床反応装置に、
(i)粉砕したケイ素;
(ii)直接法反応のための少なくとも1つの触媒;
(iii)直接法反応のための少なくとも1つの助触媒;
を投入し;
(III)その後、塩化アルキルを前記流動床反応装置に供給して前記反応装置内に流動床を形成し;
(IV)粉砕ケイ素、触媒、助触媒及び塩化アルキルを相互作用させ反応させて所望の比率及び所望の速度でアルキルクロロシランを生成させ;
(V)その後、所望の比率が一定の増加を示した時点又は所望の反応速度が一定の低下を示した時点で、前記流動床の内容物を粉砕して内部の固体の平均粒度を低減させ、空力的遠心分級方法を用いるサイズ分級方法に前記流動床の内容物を付すことによって前記流動床の内容物の粉末になった固体部分から不純物を低減及び除去し、次に前記流動床の内容物中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別するべく請求項1に記載の磁気選別機装置に精製済みの前記流動床の内容物を付すことによって前記流動床の内容物を処理することを含むプロセスに前記流動床の内容物を付し、次に前記流動床の内容物の前記磁性部分を前記流動床反応装置の流動床から取出し、直接法を続行すること、
を含む方法。
【請求項18】
クロロシランの製造方法において、
(I)流動床反応装置を用意し;
(II)前記流動床反応装置に、
(i)粉砕したケイ素;
(ii)直接法反応のための少なくとも1つの触媒;
(iii)直接法反応のための少なくとも1つの助触媒;
を投入し;
(III)その後、塩化アルキルを前記流動床反応装置に供給して前記反応装置内に流動床を形成し;
(IV)粉砕ケイ素、触媒、助触媒及び塩化アルキルを相互作用させ反応させて所望の比率及び所望の速度でアルキルクロロシランを生成させ;
(V)その後、所望の比率が一定の増加を示した時点又は所望の反応速度が一定の低下を示した時点で、前記流動床の内容物の粒子の表面から不純物を取出すべく前記流動床の内容物を摩擦し、その後、前記流動床の内容物中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別するべく請求項1に記載の磁気選別機装置に摩擦した前記流動床の内容物を付すことによって前記流動床の内容物を処理することを含むプロセスに前記流動床の内容物を付し、その後、前記流動床の内容物の前記磁性部分を前記プロセスから取出し、直接法を続行すること、
を含む方法。
【請求項1】
振動コンポーネントと静止コンポーネントを有する振動磁気選別機において、加工内容物が大気に漏出しないように封止し、前記振動磁気選別機が静止コンポーネントから振動コンポーネントを隔離するための圧力保持フレキシブルベローズを含むことを特徴とする振動磁気選別機。
【請求項2】
振動磁気選別機であって、
A.電磁石;
B.入口と出口を有し、前記電磁石内に取付けられた圧力容器;
C.強磁性マトリクス;
D.垂直方向に移動する、前記強磁性マトリクスを振動させるための振動器;及び
E.前記磁気選別機の静止コンポーネントを前記磁気選別機の振動コンポーネントに連結し、加工内容物が大気に漏出しないように封止するベローズ、
を組合せて含んで成る振動磁気選別機。
【請求項3】
前記マトリクスに対して振動を適用する手段が、前記振動器と前記マトリクスを連結する可動シャフトである請求項2に記載の振動磁気選別機。
【請求項4】
フレキシブルベローズが、周囲温度を超える温度及び周囲圧力を超える圧力で有用な金属ベローズである、請求項2に記載の振動磁気選別機。
【請求項5】
前記フレキシブルベローズが少なくとも2つのプライを有する、請求項2に記載の振動磁気選別機。
【請求項6】
前記プライのうちの2つの間に故障検出手段が存在している、請求項2に記載の振動磁気選別機。
【請求項7】
少なくとも1つの線形振動器が存在している、請求項1に記載の振動磁気選別機。
【請求項8】
少なくとも1つの線形振動器が存在している、請求項2に記載の振動磁気選別機。
【請求項9】
a. 上半分、下半分及び下半分終端を有する圧力容器コンテナであって、前記圧力容器コンテナの上には圧力容器のフタフランジが配置されており、前記圧力容器コンテナは垂直壁を有し、前記圧力容器のフタフランジはそれを貫通し中心に位置する開口部を有し、前記中心に位置する開口部の中にシャフトシールが配置されている、圧力容器コンテナ;
b. 前記圧力容器コンテナに材料を供給するために前記圧力容器コンテナ上に取付けられた少なくとも1つの供給ノズル;
c. 前記圧力容器コンテナの下半分の中に配置され、カートリッジとして前記圧力容器内に支持されているマトリクス;
d. 圧力容器コンテナの壁の外側で、かつ、マトリクスのある場所において圧力容器コンテナをとり囲む電磁装置、前記電磁装置と前記圧力容器コンテナの壁の間には断熱層が配置される;
e. 貫通し中心に位置する開口部をもつ振動器取付け枠を支持するために前記圧力容器のフタフランジ上に取付けられた第1の支持機構;
f. 少なくとも一つの下部制御バネ及び下部制御バネ支持機構を支持するために前記振動器取付け枠上に配置された第2の支持機構であって、前記第2の支持機構は磁石振動器を収納する磁石振動器ケーシングをも支持し、前記磁石振動器及び磁石振動器ケーシングはそれぞれそれらを貫通し中心に位置する開口部を有し、前記磁石振動器ケーシングの上には第3の支持機構が配置されており、前記第3の支持機構の上には支持プレートが取付けられており、前記支持プレートの上には第4の支持機構が配置されており、前記第4の支持機構の上に、上部表面を有する少なくとも1つの上部制御バネが支持されている第2の支持機構;
g. 下端部と上端部を有する単一構造の可動垂直シャフトであって、前記単一構造の可動垂直シャフトはその下端部でマトリクスプレートにより保持され、前記圧力容器フタフランジの中心に位置する開口部及び圧力容器フタフランジ内に位置するシャフトシーを通って上向きに延び、ベローズの中心を通って上向きに延び、前記振動器取付け枠の中心に位置する開口部を通って上向きに延び、下部制御バネを通って上向きに延び、磁石振動器の中心に位置する開口部を通って上向きに延び、上部制御バネを通って上向きに延び、上部制御バネの実質的に前記上部表面で終結する単一構造の可動垂直シャフト;
h. 前記圧力容器フタフランジ上に配置され、かつ、前記単一構造の可動垂直シャフトをとり囲むベローズ上部支持機構により支持されている前記ベローズ;
i. 圧力容器フタフランジ内に位置する清浄ガスパージ入口を含む清浄ガスパージ装置であって、パージが、床としてのシャフトシール、側面としての圧力容器フタフランジ及び上面としてのベローズによって形成されたパージ空間に通じており、不活性ガスが圧力容器コンテナに流入できるようにするべく単一構造の垂直シャフトとシャフトシールが当接している部分に小さい開口部が存在する清浄ガスパージ器具;
j. 前記下半分終端に取付けられた排出コーンを有し、前記排出コーンが下端部を有し、前記排出コーンの下端部に取付けられた制御可能な排出ノズルが存在している圧力容器フタフランジ;
を組合わせて含んで成る磁気選別機装置。
【請求項10】
(i) 上半分、下半分及び下半分終端を有する圧力容器コンテナであって、前記圧力容器コンテナの上には圧力容器のフタフランジが配置されており、前記圧力容器コンテナは垂直壁を有し、前記圧力容器のフタフランジはそれを貫通し中心に位置する開口部を有し、前記中心に位置する開口部の中にシャフトシールが配置されている圧力容器コンテナ;
(ii) 前記圧力容器コンテナに材料を供給するために前記圧力容器コンテナ上に取付けられた少なくとも1つの供給ノズル;
(iii) 前記圧力容器コンテナの下半分の中に配置され、マトリックスプレートにより圧力容器内に支持されているマトリクス;
(iv) 圧力容器コンテナの壁の外側で、かつ、基本的にマトリクスのある場所において前記圧力容器コンテナをとり囲む電磁装置;
(v) 前記電磁装置と前記圧力容器コンテナ壁の間に配置された断熱層;
(vi) 少なくとも1つの下部制御バネ支持機構及び下部制御バネを支持するための、前記圧力容器フタフランジ上に取付けられた第1の支持機構;
(vii) 前記下部制御バネ支持機構上に配置された第2の支持機構であって、前記第2の支持機構は、磁石振動器を収納する磁石振動器ケーシングを支持し、前記磁石振動器及び磁石振動器ケーシングはそれぞれそれらを貫通し中心に位置する開口部を有し、前記磁石振動器ケーシングの上には第3の支持機構が配置されており、前記第3の支持機構の上には少なくとも1つの上部制御バネ支持機構及び少なくとも1つの上部制御バネが上に取付けられている第2の支持機構;
(viii)前記圧力容器フタフランジ上に配置された封じ込めベローズであって、単一構造の可動垂直シャフトをとり囲む上部支持機構により支持されている封じ込めベローズ;
(ix)上部制御バネ支持機構上に配置された第4の支持機構であって、前記第4の支持機構の上には上部支持プレートが配置されており、前記上部支持プレートがバランスベローズを支持し、前記バランスベローズが、単一構造の可動垂直シャフトをとり囲む下部支持機構により支持されている第4の支持機構;
(x)下端部と上端部を有する単一構造の可動垂直シャフトであって、その下端部でマトリクスプレートにより保持され、前記圧力容器フタフランジの中心に位置する開口部及び前記圧力容器フタフランジ内にあるシャフトシールを通って上向きに延び、封じ込めベローズの中心を通って上向きに延び、前記下部制御バネ及び下部制御バネ支持機構を通って上向きに延び、前記磁石振動器の中心に位置する開口部を通って上向きに延び、前記上部制御バネ支持機構及び前記上部制御バネを通って上向きに延び、前記バランスベローズを通って上向きに延び、上部支持プレートの実質的に下側表面で終結する単一構造の可動垂直シャフト;
(xii)前記圧力容器フタフランジ内に位置する清浄ガスパージ入口を含む清浄ガスパージ装置であって、パージが、床としてのシャフトシール、側面としての前記圧力容器フタフランジ及び上面としての封じ込めベローズによって形成されたパージ空間に通じており、清浄なガスが圧力容器コンテナに流入できるようにするべく単一構造の垂直シャフトとシャフトシールが当接している部分に小さい開口部が存在する清浄ガスパージ器具;
(xiii)前記封じ込めベローズから前記バランスベローズまで開放的に連結されている圧力バランス管;
(xiv)前記下半分終端に取付けられた排出コーンを有し、前記排出コーンが下端部を有し、前記排出コーンの下端部に取付けられた排出ノズルが存在している圧力容器フタフランジ;
を組合わせて含んで成る磁気選別機装置。
【請求項11】
クロロシランを生産するための反応装置内で使用される含ケイ素固体材料を処理する方法において、前記反応装置内で使用された含ケイ素材料を請求項2に記載の磁気選別機装置に付して、前記含ケイ素固体材料中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別することを含む方法。
【請求項12】
含ケイ素固体材料を処理する方法において、
(I)流動床反応装置の流動床から含ケイ素固体材料を取出し;
(II)前記含ケイ素固体材料を請求項2に記載の磁気選別機装置に付して前記含ケイ素固体材料中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別し;
(III)前記流動床反応装置の流動床に前記含ケイ素固体材料の前記非磁性部分を戻すこと;
を含む方法。
【請求項13】
クロロシランの製造方法において、
(I)含ケイ素固体材料を請求項2に記載の磁気選別機装置に付して前記含ケイ素固体材料中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別することによって、クロロシランの製造のために用いられる反応装置内で使用された前記含ケイ素固体材料を処理し;
(II)前記反応装置から前記含ケイ素固体材料の前記磁性部分を取出すこと、
を含む方法。
【請求項14】
クロロシランの製造方法において、
(I)流動床反応装置を用意し;
(II)前記流動床反応装置に、
(i)粉砕したケイ素;
(ii)直接法反応のための少なくとも1つの触媒;
(iii)直接法反応のための少なくとも1つの助触媒;
を投入し;
(III)その後、塩化アルキルを前記流動床反応装置に供給して前記反応装置内に流動床を形成し;
(IV)粉砕ケイ素、触媒、助触媒及び塩化アルキルを相互作用させ反応させて所望の比率及び所望の速度でアルキルクロロシランを生成させ;
(V)その後、所望の比率が一定の増加を示した時点又は所望の反応速度が一定の低下を示した時点で、前記流動床の内容物中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別するべく請求項2に記載の磁気選別機装置に前記流動床の内容物を付すことによって前記流動床の内容物を処理することを含むプロセスに前記流動床の内容物を付し、次いで前記流動床の内容物の前記磁性部分を前記プロセスから取出すこと、
を含む方法。
【請求項15】
クロロシランの製造方法において、
(I)流動床反応装置を用意し;
(II)前記流動床反応装置に、
(i)粉砕したケイ素;
(ii)直接法反応のための少なくとも1つの触媒;
(iii)直接法反応のための少なくとも1つの助触媒;
を投入し;
(III)その後、塩化アルキルを前記流動床反応装置に供給して前記反応装置内に流動床を形成し;
(IV)粉砕ケイ素、触媒、助触媒及び塩化アルキルを相互作用させ反応させて所望の比率及び所望の速度でアルキルクロロシランを生成させ;
(V)その後、所望の比率が一定の増加を示した時点又は所望の反応速度が一定の低下を示した時点で、内部の固体の平均粒度を減少させるべく前記流動床の内容物を粉砕した後に前記流動床内の容物中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別するべく請求項2に記載の磁気選別機装置に粉末にした前記流動床の内容物を付すことによって前記流動床の内容物を処理することを含むプロセスに前記流動床の内容物を付し、その後、前記流動床の内容物の前記磁性部分を前記プロセスから取出し、直接法を続行すること、
を含む方法。
【請求項16】
クロロシランの製造方法において、
(I)流動床反応装置を用意し;
(II)前記流動床反応装置に、
(i)粉砕したケイ素;
(ii)直接法反応のための少なくとも1つの触媒;
(iii)直接法反応のための少なくとも1つの助触媒;
を投入し;
(III)その後、塩化アルキルを前記流動床反応装置に供給して前記反応装置内に流動床を形成し;
(IV)粉砕ケイ素、触媒、助触媒及び塩化アルキルを相互作用させ反応させて所望の比率及び所望の速度でアルキルクロロシランを生成させ;
(V)その後、所望の比率が一定の増加を示した時点又は所望の反応速度が一定の低下を示した時点で、空力的遠心分級方法を用いるサイズ分級方法に前記流動床の内容物を付すことによって前記流動床の内容物の固体部分から不純物を低減及び除去し、その後、前記流動床内容物中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別するべく請求項1に記載の磁気選別機装置に精製済みの前記流動床の内容物を付すことによって前記流動床の内容物を処理することを含むプロセスに前記流動床の内容物を付し、前記流動床の内容物の前記磁性部分を前記流動床反応装置から取出し、直接法を続行すること、
を含む方法。
【請求項17】
クロロシランの製造方法において、
(I)流動床反応装置を用意し;
(II)前記流動床反応装置に、
(i)粉砕したケイ素;
(ii)直接法反応のための少なくとも1つの触媒;
(iii)直接法反応のための少なくとも1つの助触媒;
を投入し;
(III)その後、塩化アルキルを前記流動床反応装置に供給して前記反応装置内に流動床を形成し;
(IV)粉砕ケイ素、触媒、助触媒及び塩化アルキルを相互作用させ反応させて所望の比率及び所望の速度でアルキルクロロシランを生成させ;
(V)その後、所望の比率が一定の増加を示した時点又は所望の反応速度が一定の低下を示した時点で、前記流動床の内容物を粉砕して内部の固体の平均粒度を低減させ、空力的遠心分級方法を用いるサイズ分級方法に前記流動床の内容物を付すことによって前記流動床の内容物の粉末になった固体部分から不純物を低減及び除去し、次に前記流動床の内容物中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別するべく請求項1に記載の磁気選別機装置に精製済みの前記流動床の内容物を付すことによって前記流動床の内容物を処理することを含むプロセスに前記流動床の内容物を付し、次に前記流動床の内容物の前記磁性部分を前記流動床反応装置の流動床から取出し、直接法を続行すること、
を含む方法。
【請求項18】
クロロシランの製造方法において、
(I)流動床反応装置を用意し;
(II)前記流動床反応装置に、
(i)粉砕したケイ素;
(ii)直接法反応のための少なくとも1つの触媒;
(iii)直接法反応のための少なくとも1つの助触媒;
を投入し;
(III)その後、塩化アルキルを前記流動床反応装置に供給して前記反応装置内に流動床を形成し;
(IV)粉砕ケイ素、触媒、助触媒及び塩化アルキルを相互作用させ反応させて所望の比率及び所望の速度でアルキルクロロシランを生成させ;
(V)その後、所望の比率が一定の増加を示した時点又は所望の反応速度が一定の低下を示した時点で、前記流動床の内容物の粒子の表面から不純物を取出すべく前記流動床の内容物を摩擦し、その後、前記流動床の内容物中の成分を磁性部分と非磁性部分に選別するべく請求項1に記載の磁気選別機装置に摩擦した前記流動床の内容物を付すことによって前記流動床の内容物を処理することを含むプロセスに前記流動床の内容物を付し、その後、前記流動床の内容物の前記磁性部分を前記プロセスから取出し、直接法を続行すること、
を含む方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2007−516069(P2007−516069A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533592(P2006−533592)
【出願日】平成16年6月8日(2004.6.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/018074
【国際公開番号】WO2004/110635
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(502053328)ダウ・コーニング・コーポレイション (12)
【氏名又は名称原語表記】DOW CORNING CORPORATION
【住所又は居所原語表記】2200 West Salzburg Road, Midland, MI 48611ー0994, U.S.A.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月8日(2004.6.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/018074
【国際公開番号】WO2004/110635
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(502053328)ダウ・コーニング・コーポレイション (12)
【氏名又は名称原語表記】DOW CORNING CORPORATION
【住所又は居所原語表記】2200 West Salzburg Road, Midland, MI 48611ー0994, U.S.A.
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]