磁界センサーと電流センサー
【構成】磁界センサーは、磁界検知セル(10)と、エアギャップ(20)で分離され、その凹部(11)内に配置された磁界検知セルを取り囲む、少なくとも2つの部分(12a、12b)からなる磁気遮蔽体(9)とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気誘導(磁束密度)を計測する磁界センサーに関する。および、本発明は、導電体が発生する磁界を検知することにより、その導電体内を流れる電流を測定する電流センサーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電流センサーの多くが、その内部にホール素子センサーなどの磁界センサーが配置されたエアギャップをもつ磁性材コアで構成された磁気回路を備える。また、測定する電流が流れる「一次側導電体」である導電体が、その磁気回路を1回または複数回貫通するよう配備されている。そのようなセンサーは、比較的に大容量の電流を測定する場合や、直流絶縁が必要である理由、または、測定する電流に直流成分が存在する理由から、分流器や変圧器などの単純な装置が利用できない場合などに、汎用的に適用できる。
【0003】
前記のタイプの電流センサーは、閉ループ式センサー、開ループ式センサー、高周波の変圧器効果を利用する改良開ループ式センサーの、3つのグループに分類できる。
【0004】
その閉ループ式センサーは、磁気回路のエアギャップ内に設けられた磁界センサーにより制御される回路により駆動される二次側コイルにより誘導された測定電流が流れる一次側導電体が発生する電流リンクの補正に、大きく影響される。その結果、磁気回路のエアギャップの磁気誘導が、測定誤差を無視できるくらい小さな値に維持するよう調整される。
【0005】
また、開ループ式センサーは、一次導電体を取り巻く磁気回路のエアギャップ内の磁気誘導の測定値に影響される。エアギャップ内の磁気誘導は、磁気回路の透磁率がエアギャップ内の空気より、または、空気の透磁率(ほぼ1)に近似する透磁率をもつ物質よりも高い場合には、測定する電流値に比例する。なお、上記の開ループ式センサーの動作では電流測定用分流器に接続された二次側線で高周波電流を計測するが、変圧器効果をもつ改良開ループ式センサーでは、それと同じ方法で低周波電流を測定できる。変圧器効果により一次側電流の高周波成分が二次側線へ遷移するため、エアギャップ磁気誘導を計測する装置の信号へ、シャント信号が付加されるのである。これにより、非改良の開ループ式センサーでは、磁気コア内の渦電流影響や、磁界センサーに共通の帯域制限のせいで、高周波数のスパイク波状の電流を捕捉できないけれども、改良式ループ式センサーでは、有効周波数域を広くすることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ただし、開ループ式センサーは、一般的に構造が複雑ではなく、閉ループ式センサーよりも値段が安いが、線形性や安定性が低いため、測定誤差が高くなるという欠点をもつ。
【0007】
ホール効果センサーなどの磁界センサーは、機械ストレスに影響を受けやすいという欠点に加えて、温度変動につれて、オフセットやゲインドリフトが大きくなる。
【0008】
そのような問題の結果として、例えば、センサーが取り付けられている部品の相対的な熱拡張のせいで、比較的高温下での、あるいは、機械ストレスに影響されやすい適用例におけるホール効果センサーの利用が制限されてしまう。特に、「DCB(直接銅接合)」と呼ばれるセラミック基板上に半導体電力チップを実装した集積電力モジュール(IPM)で、その問題が発生する。IPMの動作には、温度幅が120℃になるのが普通であり、その温度幅が、ホールセル動作のオフセットドリフトのない安定した線形動作に対して課題となる。
【0009】
フラックスゲート式センサーや磁気インピデンス式センサーなどのその他の周知の磁界センサーでは、ホール効果センサーに比べて、動作がより安定しており、オフセットやゲインドリフトが低い。しかしながら、磁気誘導の測定値が、数ミリテスラ(mT)単位の範囲に制限されており、いっぽう、開ループ式の電流センサーのエアギャップでの磁気誘導率は、100mTを下回らないのが普通である。
【0010】
電流測定に関する適用例に加えて、その他の適用例も存在し、その場合、温度および/または物理的ストレス状況が悪い中での磁気誘導測定が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記で説明した欠点を鑑みて、本発明の目的は、広い動作範囲での安定性や線形性が高く、オフセットやゲインドリフトが低い電流センサーを提供することである。その電流センサーは、経済的かつ小型であるという長所を備える。
【0012】
本発明の別の目的は、オフセットやゲインドリフトが低く、かつ、大きな磁気誘導率まで測定できる磁界センサーを提供することである。その磁界センサーは、構造が堅固であり、かつ、大きな温度変動幅においても精度の高い動作が可能である長所をもつ。
【0013】
前記の本発明の目的は、発明の請求項1に記載の磁界センサー、および、請求項8に記載の電流センサーにて実現できる。
【0014】
本発明のその他の目的や長所は、下記の説明、請求項、付随図面から明白になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図から判るように、一次側導電体1の一次側電流Ipを測定するための電流センサー2は、磁気回路3と、磁界センサー4(104、204、304、404)とを備える。磁気回路3は、磁界センサーが配置された両端面27aと27bとのあいだのエアギャップ6を有する、透磁材料でできた磁気コア5を備えている。磁気コア5は、図示のように、中央開孔7をもつほぼ環状形であって、その中央を一次側導電体1が伸長配備されている。磁気回路は、別の形状でも可能であり、本発明の範囲を逸脱することなく、長方形、多角形、螺旋形、その他の形状で形成できる。さらに、一次側導電体1は、図では磁気回路を貫通しているが、磁気回路コア5を取り巻いて、開孔7を貫通する導電体や複数の巻線で構成しても構わない。磁気コア5の磁性材料は、同形式の周知の電流センサーの材料と同じ特性であり、渦電流を低減できる積層構造であるのが望ましい。
【0016】
図4と図5から判るように、磁気コア5の両端面27a、27bには、それぞれ、エアギャップの幅を狭めるようコア外側部に凸部28a、28bが備わっている。両凸部により、電流センサー外部で発生する磁界による干渉を抑制でき、磁界センサー4(104、204、304、404)を、磁気コアの外側面の磁束の影響から防止できる。対称性を維持するため、磁気コア5の内側部にも凸部29a、29bを設けても構わない。
【0017】
前記の電流センサーは、普通の開ループ式電流センサーの特性をもち、閉ループ式センサーと違い、一次導電体が発生させるアンペア回数を補正する二次側のコイルや導電体が存在しない。しかしながら、図4に示すように、変圧器効果による高周波電流を検知するため、磁気コア5の周囲に二次側巻線8を装備することは可能である。
【0018】
前記の磁界センサー4(104、204、304、404)には、さらに、軟磁性材の磁気遮蔽体9(109、209、309、409)と、および、その磁気遮蔽体の凹部11内に配置された検知セル10(310)とが備わっている。磁気遮蔽体9は、狭いエアギャップ20で分離された、少なくとも2つの外枠部12(112、212)からなる。磁気遮蔽体9は、図1に示す実施例では、ほぼ軸対称形状つまり筒形状であり、筒形状の中央軸が、電流センサーのエアギャップ6を横切る磁束線とほぼ並列となるよう設定してある。なお、磁気遮蔽体は軸対称形状でなくてもよく、例えば、断面が長方形(図8、9、12を参照)、多角形、または、楕円形でも構わない。さらに、図6に示す実施例のように、縦断面が非プリズム形状をもつ磁気遮蔽体9で構成することも可能である。
【0019】
図8と図9に示す実施例では、磁気遮蔽体109、209が、金属シート材から全体または部分的にプレス成形されており、成形後にアニール処理して、高透磁率や低保磁力などの均等で最適な磁気特性をもたせてある。プレス成形の磁気遮蔽体は、多量に作成できるため、機械加工に比べて特に経済的である。
【0020】
また、前記の磁気遮蔽体の外枠部412は、図12に示すように、透磁性材から機械加工で形成しても構わない。
【0021】
前記のエアギャップ20を、透磁率の低い物質(言い換えれば、非磁性物質)で充填することも可能である。対になった外枠部12(112、212、412)を接合できるよう、ハンダまたは接着剤などの物質でエアギャップ20を埋めるのが、好ましい。さらに、軟磁性遮蔽体における渦電流を低減できるよう、磁界センサーの軸にほぼ平行にのびる縦方向スロット孔13(113、213、413)を磁気遮蔽体9(109、209、309、409)に設けてある。スロット孔は、導電部材14(214、414)を検知セル10(310)に接続するための、磁気遮蔽体9内の通路の役目もする。図8に示す実施例では、スロット孔213が、導電部材214の基板の両表面にそれぞれ載置される第1部分212aと第2部分212bとに前記の磁気遮蔽体を分割することにより形成されている。それゆえ、基板の厚さにより、縦方向スロット孔213の幅が決定される。
【0022】
さらに、図12の実施例における縦方向スロット孔413は、機械加工により外枠部412に設けられており、組立工程にて、そのスロット孔に基板414を挿入する。
【0023】
前記の導電部材14(414)は、センサー信号を処理するため処理回路22(図7と図12を参照)を磁界検知セル10(310)へ接続する導電パターン15を備えたフレキシブルプリント配線基盤として構成することも可能である。図9に示すように、プリント配線基盤に、それに磁気遮蔽体の部分2121aと2121bをハンダ接合するための金属部分15aを設けても構わない。さらに、接着剤を使ったり、あるいは、金属手段による固定により、磁気遮蔽体の部分を導電体に接合することもできる。
【0024】
前記の磁界検知セル10(310)は、コイル16と、軟磁性可飽和コア17(317)とで構成される。コイル16は、その内部に軟磁性コア17(317)が設けられた溝19または凹部319を有するボビン18上に取り付けられている。図示の実施例では、コイル16が絶縁被覆線で形成されており、接続パッド16cに接合された端子16aと16bを経由して、導電部材14(214)のそれぞれ対応する導電パターン15に電気的に接続している。前記のコイルとボビンは、そのコイルを保護するだけでなく、磁気遮蔽体の凹部内の検知セルの位置決めをするキャスト体30と共に、一部として金型形成することも可能である。
【0025】
前記の軟磁性コア17(117、217)は、厚さが0.1mm未満の薄いリボン状の軟磁性材からできている。リボン状コア17(117、217)は、磁気誘導率が容量に対してほぼ一定となるよう、図3a〜3cに異なる形状で図示されているように、長さに対して異なる断面形状を有することができ、コアを急激に飽和状態にして、関連回路にて簡単に検出できるフラックスゲート飽和の電流閾値にすることも可能である。
【0026】
図10と図11に示す実施例における軟磁性コア317は、軟磁性材の複数のワイヤー線からなり、互いに束ねる、あるいは、接合してほぼ筒形状にし、ボビン318の凹部319内に配備されている。ワイヤ線は、発生する渦電流を最小限にするため誘電材で束ねた、例えば、直径が10〜50ミクロン程度、特に30ミクロンの非常に細い線であるのが好ましい。これにより、検知セル310を、線形特性を失うことなく、高周波域で動作させることができる。
【0027】
前記の磁界検知セル10(310)は、周知のフラックスゲート式センサーと同じ方法で動作する。磁気誘導率を計測するため、フラックスゲート式センサーを電子回路で制御する周知の方法はいくつもあるが、それらの方法は、本発明における磁界検知セルを制御するのにも適用可能である。
【0028】
普通、フラックスゲート式センサーは、動作が安定し正確であって、オフセットドリフトやオフセットゲインも低い。しかし、フラックスゲート式センサーの短所は、磁気誘導範囲が狭くて、一般的は数ミリテスラ程度であり、大きな磁界における電流センサーとして利用されていない。
【0029】
本発明においては、この問題を、磁界検知セル10(310)を、誘導分割体として作用するエアギャップ20を備えた磁気遮蔽体9(109、209)内に配置することにより解決している。磁気遮蔽体9(109、209)は、両外枠部12(112、212、412)間のエアギャップ20の幅に比例して、磁束の大部分を制御できる。磁気遮蔽体内の磁気誘導は、その軟磁性材の磁気誘導率に比例するが、その数値はごくわずかである。
【0030】
一例として、磁気遮蔽体の透磁率をμr=105、外枠部12(112、212、412)間のエアギャップの幅を10ミクロン、電流センサーのエアギャップ6内の磁気誘導率を60mTとすると、検知セル10(310)のコア17(317)内部の磁気誘導率は2mT未満である。
【0031】
それゆえ、磁界センサー4(104、204、304、)の磁気誘導率は、100〜200mTの大きな数値の測定に利用でき、かつ、フラックスゲート式センサーのオフセットドリフトやオフセットゲインを発生させることなく、精度や安定性も確保できる。
【0032】
フラックスゲート式検知セルの代わりに、温度に関わるオフセットドリフトやオフセットゲインが低い別の形式の磁界検知セルを採用することも可能である。本発明において利用できる形式の磁界検知セルとして、例えば、大型の磁気インピーダンスセンサーや磁気抵抗センサーなどが挙げられる。
【0033】
また、本発明による磁界センサーは、電流センサーのエアギャップ内の磁気誘導率の計測だけでなく、その他の適用例の磁気誘導率、例えば、位置センサー、近接スイッチ、エンコーダなどの変換器や磁気システム内で発生する磁気誘導率の計測にも利用可能であることに注意してほしい。
【0034】
図7には、集積電力モジュール(IPM)内で使用本発明の電流センサーの事例が図示されている。その電流センサーは、導電パターンが設けられたセラミック基板などの回路基板22上に実装されている。磁気回路3は、前記の回路基板22に直接に固定されており、それを貫通して配置された一次側導電バー1を取り囲んでいる。磁界センサーも、前出の実施例のどのセンサー構成でもよいし、磁界センサーをその入力信号や出力信号を処理するASIC23に接続するための導電パターンに、フレキシブル回路14を電気的に接続することができるよう、プリント回路基板に直接に接合させても構わない。また、外部からの回路基板22への接続を、回路基板上のコネクタ24経由で、補助ケーブルコネクタ25にプラグ接続可能に接続することもできる。
【0035】
本実施例の二次側巻線8は、複数のU字形状のワイヤ線26を磁気コア5の一部分の上方に配置して、回路基板22の回路配線に接続して構成している。二次側コイル回路線が磁気コア5の下側に配置されているため、前記のU字形状のワイヤ線26と共に、磁気コア5を取り囲む構造となっている。
【0036】
ゆえに、動作温度が高い小型の抵抗式電流センサーを、提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明による磁界センサーの第1の実施例の斜視分解図である。
【図2a】本発明による磁界センサーの検知セルの部分断面斜視図である。
【図2b】図2aに示す検知セルの下側面の斜視図である。
【図3】本発明による検知セルの軟磁性コアの変更例の斜視図である。
【図4】本発明による電流センサーの実施例の斜視図である。
【図5】磁束線Bで示す磁気回路のエアギャップ内に磁気遮蔽体を配置した、本発明による電流センサーの磁気回路の実施例の平面図である。
【図6】図5の実施例の磁気遮蔽体の詳細断面図である。
【図7】本発明によるパッケージ形電流センサーの実施例の斜視図である。
【図8】本発明による磁界センサーの第2の実施例の斜視分解図である。
【図9】本発明による磁界センサーの第3の実施例の斜視分解図である。
【図10】本発明の別の実施例の磁界センサー部分断面図である。
【図11】図10の磁界センサーの、磁気遮蔽体の上側半分を取り去った、X方向からの矢視図である。
【図12】本発明によるパッケージ形電流センサーの分解斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気誘導(磁束密度)を計測する磁界センサーに関する。および、本発明は、導電体が発生する磁界を検知することにより、その導電体内を流れる電流を測定する電流センサーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電流センサーの多くが、その内部にホール素子センサーなどの磁界センサーが配置されたエアギャップをもつ磁性材コアで構成された磁気回路を備える。また、測定する電流が流れる「一次側導電体」である導電体が、その磁気回路を1回または複数回貫通するよう配備されている。そのようなセンサーは、比較的に大容量の電流を測定する場合や、直流絶縁が必要である理由、または、測定する電流に直流成分が存在する理由から、分流器や変圧器などの単純な装置が利用できない場合などに、汎用的に適用できる。
【0003】
前記のタイプの電流センサーは、閉ループ式センサー、開ループ式センサー、高周波の変圧器効果を利用する改良開ループ式センサーの、3つのグループに分類できる。
【0004】
その閉ループ式センサーは、磁気回路のエアギャップ内に設けられた磁界センサーにより制御される回路により駆動される二次側コイルにより誘導された測定電流が流れる一次側導電体が発生する電流リンクの補正に、大きく影響される。その結果、磁気回路のエアギャップの磁気誘導が、測定誤差を無視できるくらい小さな値に維持するよう調整される。
【0005】
また、開ループ式センサーは、一次導電体を取り巻く磁気回路のエアギャップ内の磁気誘導の測定値に影響される。エアギャップ内の磁気誘導は、磁気回路の透磁率がエアギャップ内の空気より、または、空気の透磁率(ほぼ1)に近似する透磁率をもつ物質よりも高い場合には、測定する電流値に比例する。なお、上記の開ループ式センサーの動作では電流測定用分流器に接続された二次側線で高周波電流を計測するが、変圧器効果をもつ改良開ループ式センサーでは、それと同じ方法で低周波電流を測定できる。変圧器効果により一次側電流の高周波成分が二次側線へ遷移するため、エアギャップ磁気誘導を計測する装置の信号へ、シャント信号が付加されるのである。これにより、非改良の開ループ式センサーでは、磁気コア内の渦電流影響や、磁界センサーに共通の帯域制限のせいで、高周波数のスパイク波状の電流を捕捉できないけれども、改良式ループ式センサーでは、有効周波数域を広くすることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ただし、開ループ式センサーは、一般的に構造が複雑ではなく、閉ループ式センサーよりも値段が安いが、線形性や安定性が低いため、測定誤差が高くなるという欠点をもつ。
【0007】
ホール効果センサーなどの磁界センサーは、機械ストレスに影響を受けやすいという欠点に加えて、温度変動につれて、オフセットやゲインドリフトが大きくなる。
【0008】
そのような問題の結果として、例えば、センサーが取り付けられている部品の相対的な熱拡張のせいで、比較的高温下での、あるいは、機械ストレスに影響されやすい適用例におけるホール効果センサーの利用が制限されてしまう。特に、「DCB(直接銅接合)」と呼ばれるセラミック基板上に半導体電力チップを実装した集積電力モジュール(IPM)で、その問題が発生する。IPMの動作には、温度幅が120℃になるのが普通であり、その温度幅が、ホールセル動作のオフセットドリフトのない安定した線形動作に対して課題となる。
【0009】
フラックスゲート式センサーや磁気インピデンス式センサーなどのその他の周知の磁界センサーでは、ホール効果センサーに比べて、動作がより安定しており、オフセットやゲインドリフトが低い。しかしながら、磁気誘導の測定値が、数ミリテスラ(mT)単位の範囲に制限されており、いっぽう、開ループ式の電流センサーのエアギャップでの磁気誘導率は、100mTを下回らないのが普通である。
【0010】
電流測定に関する適用例に加えて、その他の適用例も存在し、その場合、温度および/または物理的ストレス状況が悪い中での磁気誘導測定が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記で説明した欠点を鑑みて、本発明の目的は、広い動作範囲での安定性や線形性が高く、オフセットやゲインドリフトが低い電流センサーを提供することである。その電流センサーは、経済的かつ小型であるという長所を備える。
【0012】
本発明の別の目的は、オフセットやゲインドリフトが低く、かつ、大きな磁気誘導率まで測定できる磁界センサーを提供することである。その磁界センサーは、構造が堅固であり、かつ、大きな温度変動幅においても精度の高い動作が可能である長所をもつ。
【0013】
前記の本発明の目的は、発明の請求項1に記載の磁界センサー、および、請求項8に記載の電流センサーにて実現できる。
【0014】
本発明のその他の目的や長所は、下記の説明、請求項、付随図面から明白になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図から判るように、一次側導電体1の一次側電流Ipを測定するための電流センサー2は、磁気回路3と、磁界センサー4(104、204、304、404)とを備える。磁気回路3は、磁界センサーが配置された両端面27aと27bとのあいだのエアギャップ6を有する、透磁材料でできた磁気コア5を備えている。磁気コア5は、図示のように、中央開孔7をもつほぼ環状形であって、その中央を一次側導電体1が伸長配備されている。磁気回路は、別の形状でも可能であり、本発明の範囲を逸脱することなく、長方形、多角形、螺旋形、その他の形状で形成できる。さらに、一次側導電体1は、図では磁気回路を貫通しているが、磁気回路コア5を取り巻いて、開孔7を貫通する導電体や複数の巻線で構成しても構わない。磁気コア5の磁性材料は、同形式の周知の電流センサーの材料と同じ特性であり、渦電流を低減できる積層構造であるのが望ましい。
【0016】
図4と図5から判るように、磁気コア5の両端面27a、27bには、それぞれ、エアギャップの幅を狭めるようコア外側部に凸部28a、28bが備わっている。両凸部により、電流センサー外部で発生する磁界による干渉を抑制でき、磁界センサー4(104、204、304、404)を、磁気コアの外側面の磁束の影響から防止できる。対称性を維持するため、磁気コア5の内側部にも凸部29a、29bを設けても構わない。
【0017】
前記の電流センサーは、普通の開ループ式電流センサーの特性をもち、閉ループ式センサーと違い、一次導電体が発生させるアンペア回数を補正する二次側のコイルや導電体が存在しない。しかしながら、図4に示すように、変圧器効果による高周波電流を検知するため、磁気コア5の周囲に二次側巻線8を装備することは可能である。
【0018】
前記の磁界センサー4(104、204、304、404)には、さらに、軟磁性材の磁気遮蔽体9(109、209、309、409)と、および、その磁気遮蔽体の凹部11内に配置された検知セル10(310)とが備わっている。磁気遮蔽体9は、狭いエアギャップ20で分離された、少なくとも2つの外枠部12(112、212)からなる。磁気遮蔽体9は、図1に示す実施例では、ほぼ軸対称形状つまり筒形状であり、筒形状の中央軸が、電流センサーのエアギャップ6を横切る磁束線とほぼ並列となるよう設定してある。なお、磁気遮蔽体は軸対称形状でなくてもよく、例えば、断面が長方形(図8、9、12を参照)、多角形、または、楕円形でも構わない。さらに、図6に示す実施例のように、縦断面が非プリズム形状をもつ磁気遮蔽体9で構成することも可能である。
【0019】
図8と図9に示す実施例では、磁気遮蔽体109、209が、金属シート材から全体または部分的にプレス成形されており、成形後にアニール処理して、高透磁率や低保磁力などの均等で最適な磁気特性をもたせてある。プレス成形の磁気遮蔽体は、多量に作成できるため、機械加工に比べて特に経済的である。
【0020】
また、前記の磁気遮蔽体の外枠部412は、図12に示すように、透磁性材から機械加工で形成しても構わない。
【0021】
前記のエアギャップ20を、透磁率の低い物質(言い換えれば、非磁性物質)で充填することも可能である。対になった外枠部12(112、212、412)を接合できるよう、ハンダまたは接着剤などの物質でエアギャップ20を埋めるのが、好ましい。さらに、軟磁性遮蔽体における渦電流を低減できるよう、磁界センサーの軸にほぼ平行にのびる縦方向スロット孔13(113、213、413)を磁気遮蔽体9(109、209、309、409)に設けてある。スロット孔は、導電部材14(214、414)を検知セル10(310)に接続するための、磁気遮蔽体9内の通路の役目もする。図8に示す実施例では、スロット孔213が、導電部材214の基板の両表面にそれぞれ載置される第1部分212aと第2部分212bとに前記の磁気遮蔽体を分割することにより形成されている。それゆえ、基板の厚さにより、縦方向スロット孔213の幅が決定される。
【0022】
さらに、図12の実施例における縦方向スロット孔413は、機械加工により外枠部412に設けられており、組立工程にて、そのスロット孔に基板414を挿入する。
【0023】
前記の導電部材14(414)は、センサー信号を処理するため処理回路22(図7と図12を参照)を磁界検知セル10(310)へ接続する導電パターン15を備えたフレキシブルプリント配線基盤として構成することも可能である。図9に示すように、プリント配線基盤に、それに磁気遮蔽体の部分2121aと2121bをハンダ接合するための金属部分15aを設けても構わない。さらに、接着剤を使ったり、あるいは、金属手段による固定により、磁気遮蔽体の部分を導電体に接合することもできる。
【0024】
前記の磁界検知セル10(310)は、コイル16と、軟磁性可飽和コア17(317)とで構成される。コイル16は、その内部に軟磁性コア17(317)が設けられた溝19または凹部319を有するボビン18上に取り付けられている。図示の実施例では、コイル16が絶縁被覆線で形成されており、接続パッド16cに接合された端子16aと16bを経由して、導電部材14(214)のそれぞれ対応する導電パターン15に電気的に接続している。前記のコイルとボビンは、そのコイルを保護するだけでなく、磁気遮蔽体の凹部内の検知セルの位置決めをするキャスト体30と共に、一部として金型形成することも可能である。
【0025】
前記の軟磁性コア17(117、217)は、厚さが0.1mm未満の薄いリボン状の軟磁性材からできている。リボン状コア17(117、217)は、磁気誘導率が容量に対してほぼ一定となるよう、図3a〜3cに異なる形状で図示されているように、長さに対して異なる断面形状を有することができ、コアを急激に飽和状態にして、関連回路にて簡単に検出できるフラックスゲート飽和の電流閾値にすることも可能である。
【0026】
図10と図11に示す実施例における軟磁性コア317は、軟磁性材の複数のワイヤー線からなり、互いに束ねる、あるいは、接合してほぼ筒形状にし、ボビン318の凹部319内に配備されている。ワイヤ線は、発生する渦電流を最小限にするため誘電材で束ねた、例えば、直径が10〜50ミクロン程度、特に30ミクロンの非常に細い線であるのが好ましい。これにより、検知セル310を、線形特性を失うことなく、高周波域で動作させることができる。
【0027】
前記の磁界検知セル10(310)は、周知のフラックスゲート式センサーと同じ方法で動作する。磁気誘導率を計測するため、フラックスゲート式センサーを電子回路で制御する周知の方法はいくつもあるが、それらの方法は、本発明における磁界検知セルを制御するのにも適用可能である。
【0028】
普通、フラックスゲート式センサーは、動作が安定し正確であって、オフセットドリフトやオフセットゲインも低い。しかし、フラックスゲート式センサーの短所は、磁気誘導範囲が狭くて、一般的は数ミリテスラ程度であり、大きな磁界における電流センサーとして利用されていない。
【0029】
本発明においては、この問題を、磁界検知セル10(310)を、誘導分割体として作用するエアギャップ20を備えた磁気遮蔽体9(109、209)内に配置することにより解決している。磁気遮蔽体9(109、209)は、両外枠部12(112、212、412)間のエアギャップ20の幅に比例して、磁束の大部分を制御できる。磁気遮蔽体内の磁気誘導は、その軟磁性材の磁気誘導率に比例するが、その数値はごくわずかである。
【0030】
一例として、磁気遮蔽体の透磁率をμr=105、外枠部12(112、212、412)間のエアギャップの幅を10ミクロン、電流センサーのエアギャップ6内の磁気誘導率を60mTとすると、検知セル10(310)のコア17(317)内部の磁気誘導率は2mT未満である。
【0031】
それゆえ、磁界センサー4(104、204、304、)の磁気誘導率は、100〜200mTの大きな数値の測定に利用でき、かつ、フラックスゲート式センサーのオフセットドリフトやオフセットゲインを発生させることなく、精度や安定性も確保できる。
【0032】
フラックスゲート式検知セルの代わりに、温度に関わるオフセットドリフトやオフセットゲインが低い別の形式の磁界検知セルを採用することも可能である。本発明において利用できる形式の磁界検知セルとして、例えば、大型の磁気インピーダンスセンサーや磁気抵抗センサーなどが挙げられる。
【0033】
また、本発明による磁界センサーは、電流センサーのエアギャップ内の磁気誘導率の計測だけでなく、その他の適用例の磁気誘導率、例えば、位置センサー、近接スイッチ、エンコーダなどの変換器や磁気システム内で発生する磁気誘導率の計測にも利用可能であることに注意してほしい。
【0034】
図7には、集積電力モジュール(IPM)内で使用本発明の電流センサーの事例が図示されている。その電流センサーは、導電パターンが設けられたセラミック基板などの回路基板22上に実装されている。磁気回路3は、前記の回路基板22に直接に固定されており、それを貫通して配置された一次側導電バー1を取り囲んでいる。磁界センサーも、前出の実施例のどのセンサー構成でもよいし、磁界センサーをその入力信号や出力信号を処理するASIC23に接続するための導電パターンに、フレキシブル回路14を電気的に接続することができるよう、プリント回路基板に直接に接合させても構わない。また、外部からの回路基板22への接続を、回路基板上のコネクタ24経由で、補助ケーブルコネクタ25にプラグ接続可能に接続することもできる。
【0035】
本実施例の二次側巻線8は、複数のU字形状のワイヤ線26を磁気コア5の一部分の上方に配置して、回路基板22の回路配線に接続して構成している。二次側コイル回路線が磁気コア5の下側に配置されているため、前記のU字形状のワイヤ線26と共に、磁気コア5を取り囲む構造となっている。
【0036】
ゆえに、動作温度が高い小型の抵抗式電流センサーを、提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明による磁界センサーの第1の実施例の斜視分解図である。
【図2a】本発明による磁界センサーの検知セルの部分断面斜視図である。
【図2b】図2aに示す検知セルの下側面の斜視図である。
【図3】本発明による検知セルの軟磁性コアの変更例の斜視図である。
【図4】本発明による電流センサーの実施例の斜視図である。
【図5】磁束線Bで示す磁気回路のエアギャップ内に磁気遮蔽体を配置した、本発明による電流センサーの磁気回路の実施例の平面図である。
【図6】図5の実施例の磁気遮蔽体の詳細断面図である。
【図7】本発明によるパッケージ形電流センサーの実施例の斜視図である。
【図8】本発明による磁界センサーの第2の実施例の斜視分解図である。
【図9】本発明による磁界センサーの第3の実施例の斜視分解図である。
【図10】本発明の別の実施例の磁界センサー部分断面図である。
【図11】図10の磁界センサーの、磁気遮蔽体の上側半分を取り去った、X方向からの矢視図である。
【図12】本発明によるパッケージ形電流センサーの分解斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁界検知セル(10、310)と、エアギャップ(20)で分離され、その凹部(11)内に配置された磁界検知セルを取り囲む、少なくとも2つの部分(12、112、212、412)からなる磁気遮蔽体(9、109、209、409)とを備える磁界センサー。
【請求項2】
前記の磁界検知セルが、測定する磁気信号の関数である出力信号を作成できるよう、磁界検知セルの電気信号を作成し処理する回路に接続されたコイル(16)が取り囲む軟磁性コア(17、317)を備える、請求項1記載の磁界センサー。
【請求項3】
さらに、前記の磁気遮蔽体のスロット孔(13、113、213)からその内部まで延びており、前記の検知セルのコイル(16)に接続されたフレキシブル回路(14、214)を備える、前出の請求項のいずれか記載の磁界センサー。
【請求項4】
前記の磁界検知セルの軟磁性コアが、単数または複数の軟磁性材のリボンである、請求項2または3記載の磁界センサー。
【請求項5】
前記の磁界検知セルの軟磁性コアが、束にされた軟磁性材の細い複数のワイヤー線である、請求項2または3記載の磁界センサー。
【請求項6】
前記の磁気遮蔽体が、中心軸に対してほぼ軸対称形状をもち、前記の中心軸が磁界の磁束線にほぼ平行となるよう計測すべき磁界内に配置されている、前出の請求項のいずれか記載の磁界センサー。
【請求項7】
前記の磁気遮蔽体のエアギャップが、ほぼ平坦であり、磁束線に垂直である、前出の請求項のいずれか記載の磁界センサー。
【請求項8】
前記の磁気遮蔽体が、その磁気遮蔽体内の渦電流を低減するための縦方向スロット孔(13、113、213、413)を備える、前出の請求項のいずれか記載の磁界センサー。
【請求項9】
前記の磁気遮蔽体が、シート状金属から少なくとも部分的にプレス成形されている、前出の請求項のいずれか記載の磁界センサー。
【請求項10】
一次側導電体(1)内を流れる電流値Ipを測定する電流センサーあって、エアギャップ(6)をもつ磁気回路(3)と、前記のエアギャップ内に配置された、前出の請求項のいずれか記載の磁界センサーとを備える、電流センサー。
【請求項11】
前記の磁気回路が、一次側導電体を取り囲む軟磁性材のコア(5)からなり、前記のコアの両端面(27a、27b)が、磁気コアの外面側のエアギャップの幅を削減するための延長部(28a、28b)を有する、前出の請求項に記載の電流センサー。
【請求項12】
さらに、変圧器効果による高周波電流を測定するための磁気コアの周囲に巻き付けた二次側導電体(8)を備える、前出の2つの請求項のいずれかに記載の電流センサー。
【請求項13】
さらに、その上面に導電パターンを設けたセラミックまたはその他の素材でできた回路基板(22)を備える、前出の3つの請求項のいずれか記載の電流センサー。
【請求項14】
前記の磁界回路(3)が、回路基板上に直接に固定されている、前出の請求項記載の電流センサー。
【請求項15】
前記の磁界センサー(4、104、204、304、404)が、回路基板上に直接に固定されている、前出の請求項記載の電流センサー。
【請求項16】
前記の磁界センサーのフレキシブル回路(14、214、414)が、センサーの入力信号や出力信号を処理するため、回路基板上に載置されたASIC(23)に、その磁界センサーを接続する回路基板上の導電パターンに、電気的に接続されている、前出の請求項記載の電流センサー。
【請求項17】
前記の二次側巻線(8)の導電線が、前記の磁気コア(5)の一部分の上方に配置されたU字形状(26)に構成されており、前記の回路基板(22)の回路パターンに接続している、前出の請求項記載の電流センサー。
【請求項1】
磁界検知セル(10、310)と、エアギャップ(20)で分離され、その凹部(11)内に配置された磁界検知セルを取り囲む、少なくとも2つの部分(12、112、212、412)からなる磁気遮蔽体(9、109、209、409)とを備える磁界センサー。
【請求項2】
前記の磁界検知セルが、測定する磁気信号の関数である出力信号を作成できるよう、磁界検知セルの電気信号を作成し処理する回路に接続されたコイル(16)が取り囲む軟磁性コア(17、317)を備える、請求項1記載の磁界センサー。
【請求項3】
さらに、前記の磁気遮蔽体のスロット孔(13、113、213)からその内部まで延びており、前記の検知セルのコイル(16)に接続されたフレキシブル回路(14、214)を備える、前出の請求項のいずれか記載の磁界センサー。
【請求項4】
前記の磁界検知セルの軟磁性コアが、単数または複数の軟磁性材のリボンである、請求項2または3記載の磁界センサー。
【請求項5】
前記の磁界検知セルの軟磁性コアが、束にされた軟磁性材の細い複数のワイヤー線である、請求項2または3記載の磁界センサー。
【請求項6】
前記の磁気遮蔽体が、中心軸に対してほぼ軸対称形状をもち、前記の中心軸が磁界の磁束線にほぼ平行となるよう計測すべき磁界内に配置されている、前出の請求項のいずれか記載の磁界センサー。
【請求項7】
前記の磁気遮蔽体のエアギャップが、ほぼ平坦であり、磁束線に垂直である、前出の請求項のいずれか記載の磁界センサー。
【請求項8】
前記の磁気遮蔽体が、その磁気遮蔽体内の渦電流を低減するための縦方向スロット孔(13、113、213、413)を備える、前出の請求項のいずれか記載の磁界センサー。
【請求項9】
前記の磁気遮蔽体が、シート状金属から少なくとも部分的にプレス成形されている、前出の請求項のいずれか記載の磁界センサー。
【請求項10】
一次側導電体(1)内を流れる電流値Ipを測定する電流センサーあって、エアギャップ(6)をもつ磁気回路(3)と、前記のエアギャップ内に配置された、前出の請求項のいずれか記載の磁界センサーとを備える、電流センサー。
【請求項11】
前記の磁気回路が、一次側導電体を取り囲む軟磁性材のコア(5)からなり、前記のコアの両端面(27a、27b)が、磁気コアの外面側のエアギャップの幅を削減するための延長部(28a、28b)を有する、前出の請求項に記載の電流センサー。
【請求項12】
さらに、変圧器効果による高周波電流を測定するための磁気コアの周囲に巻き付けた二次側導電体(8)を備える、前出の2つの請求項のいずれかに記載の電流センサー。
【請求項13】
さらに、その上面に導電パターンを設けたセラミックまたはその他の素材でできた回路基板(22)を備える、前出の3つの請求項のいずれか記載の電流センサー。
【請求項14】
前記の磁界回路(3)が、回路基板上に直接に固定されている、前出の請求項記載の電流センサー。
【請求項15】
前記の磁界センサー(4、104、204、304、404)が、回路基板上に直接に固定されている、前出の請求項記載の電流センサー。
【請求項16】
前記の磁界センサーのフレキシブル回路(14、214、414)が、センサーの入力信号や出力信号を処理するため、回路基板上に載置されたASIC(23)に、その磁界センサーを接続する回路基板上の導電パターンに、電気的に接続されている、前出の請求項記載の電流センサー。
【請求項17】
前記の二次側巻線(8)の導電線が、前記の磁気コア(5)の一部分の上方に配置されたU字形状(26)に構成されており、前記の回路基板(22)の回路パターンに接続している、前出の請求項記載の電流センサー。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2006−518850(P2006−518850A)
【公表日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502482(P2006−502482)
【出願日】平成16年2月18日(2004.2.18)
【国際出願番号】PCT/IB2004/000580
【国際公開番号】WO2004/074860
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(395021491)リエゾン、エレクトロニク−メカニク、エルウエム、ソシエテ、アノニム (21)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年2月18日(2004.2.18)
【国際出願番号】PCT/IB2004/000580
【国際公開番号】WO2004/074860
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(395021491)リエゾン、エレクトロニク−メカニク、エルウエム、ソシエテ、アノニム (21)
【Fターム(参考)】
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