説明

磁石発電機用回転子及びこの回転子を用いた磁石発電機

【課題】小形軽量化を図り、慣性モーメントを小さくすることができる磁石発電機用回転子を提供する。
【解決手段】フライホイールの軸線方向に対向させた磁気伝達コア301,302の間に永久磁石300を配置して磁石界磁構成体3を構成する。この磁石界磁構成体3をバランスウェイトと共にフライホイールに鋳込んで磁石発電機用回転子を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関に取り付けるのに好適な磁石発電機用回転子、及びこの回転子を用いた磁石発電機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内燃機関に取り付ける磁石発電機として、外周部に3極の磁石界磁を有する回転子と、この回転子と協働する固定子とを備えた磁石発電機が多く用いられている。この種の磁石発電機は、例えば特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1に示された磁石発電機の構造を図4、図5及び図6(A),(B)に示した。図4及び図5において、1′は回転子、2は固定子である。回転子1′は、磁石界磁構成体3′と、バランスウエイト4′とを非磁性材料からなるフライホイール5′内に鋳込んだ構造を有している。磁石界磁構成体3′は、図6(A),(B)に示したように、永久磁石300′と、永久磁石300′の一対の磁極にそれぞれ磁気結合された一対の磁気伝達コア301′,302′とにより構成されている。磁気伝達コア301′,302′は所定の形状に打ち抜かれたケイ素鋼板の積層体からなっていて、その先端の積層面が円筒面状の外周面を有する磁極部301a′,302a′となっている。磁気伝達コア301′,302′は、それぞれの鋼板積層方向をフライホイールの軸線と平行な方向に一致させた状態で、フライホイール5′の回転方向に間隔をあけて配置され、両磁気伝達コアの対向する積層面301b′,302b′が永久磁石300′の異なる磁極面に当接されている。
【0004】
フライホイール5′は、通常アルミニウムの射出成形品からなっていて、磁石界磁構成体3′は、磁気伝達コア301′,302′の磁極部301a′,302a′の外周面をフライホイール5′の外周面に露呈させた状態でフライホイール5′に鋳込まれている。
【0005】
バランスウエイト4′は、磁石界磁構成体3の質量に等しい質量を有する鋼板の積層体からなっていて、回転子1′の質量バランスをとるように磁石界磁構成体3′とほぼ対称な位置に配置されている。
【0006】
フライホイール5′の軸心部には、テーパ孔501′を有するボス部502′が形成され、このボス部を図示しない機関のクランク軸に嵌着することにより回転子が機関のクランク軸に取り付けられる。
【0007】
固定子2は、磁極部を両端に有する固定子鉄心201と該固定子鉄心に巻回された発電コイル202と、発電コイル202を被覆する樹脂モールド部203とからなっている。図示の発電コイルは内燃機関を点火する点火装置を構成する点火コイルで、一次コイル及び二次コイルからなり、回転子の回転に伴ってその一次コイルに誘起する電圧が点火用の電源電圧として用いられる。通常モールド部203内には、点火コイルの一次電流を制御する点火回路の構成部品が埋設されていて、該点火回路と点火コイルとにより点火装置が構成される。6は点火コイルの二次コイルに誘起する点火用の高電圧を機関の点火プラグに印加するためにモールド部203から導出された高圧コードである。
【特許文献1】特開平8−65930号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のような磁石発電機においては、点火装置から十分な点火エネルギーを得ることができるようにするために、磁気伝達コア301′,302′と永久磁石300′の磁極面との接触面積を十分に確保する必要がある。そのため、一対の磁気伝達コア301′,302′をフライホイールの回転方向に対向させていた従来の回転子では、磁石300′の厚み寸法(磁気伝達コアの積層方向に測った寸法)が厚くなる上に磁気伝達コア301′,302′の鋼板積層厚が厚くなるのを避けられなかった。
【0009】
磁石300′の厚み寸法及び磁気伝達コア301′,302′の鋼板積層厚が大きくなると、磁石界磁構成体3′の質量が大きくなり、それに伴ってバランスウエイト4′の質量も大きくなる上に、フライホイール5′の軸線方向寸法が大きくなって、回転子の質量が大きくなるため、回転子の慣性モーメントを小さくすることが必要とされたときに、その要請に応えることができないという問題が生じる。また回転子の軸線方向寸法が大きくなるため、発電機が必要以上に大型になるという問題も生じる。
【0010】
また従来の回転子では、磁気伝達コアの積層厚が大きくなるため、フライホイールの軸線方向に測った回転子の磁極301a′、302a′の幅寸法が固定子2の磁極の幅寸法よりも大きくなるため、漏洩磁束の量が多くなって、発電性能が低下するという問題があった。
【0011】
本発明の目的は、従来よりも発電性能を高めることができる上に、小形軽量化を図ることができるようにした磁石発電機用の回転子及びこの回転子を用いた磁石発電機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、永久磁石と、鋼板の積層体からなっていて永久磁石の一対の磁極にそれぞれ磁気結合された一対の磁気伝達コアとからなる磁石界磁構成体と、該磁石界磁構成体との質量バランスをとるためのバランスウエイトとを非磁性体からなるフライホイール内に鋳込んでなる磁石発電機用回転子に適用される。
【0013】
前述のように、従来のこの種の回転子では、一対の磁気伝達コアをフライホイールの回転方向に対向させていたが、本発明においては、両磁気伝達コアをフライホイールの軸線方向に対向させる。
【0014】
本発明において用いる磁気伝達コアは、先端が磁極部となっている磁極構成部と鋼板の積層厚が該磁極構成部よりも小さく設定されて該磁極構成部の鋼板の積層方向の一端寄りに片寄せた状態で該磁極構成部から側方に鋼板の積層方向と直角な方向に沿って突出した磁石結合部とを一体に有していて、磁極構成部の積層方向の他端側に向いた磁石結合部の鋼板積層方向の端面が磁石当接面として用いられる。一対の磁気伝達コアは、それぞれの磁極構成部の磁極面をフライホイールの外周側に位置させ、かつそれぞれの磁石当接面をフライホイールの軸線方向に対向させた状態で配置される。永久磁石はその一対の磁極面をフライホイールの軸線と直交させた状態で一対の磁気伝達コアの磁石当接面の間に配置されて該永久磁石の一対の磁極面が一対の磁気伝達コアの磁石当接面にそれぞれ当接されている。
【0015】
上記のように、一対の磁気伝達コアをフライホイールの軸線方向に対向させて両磁気伝達コアの間に永久磁石を配置するようにすると、磁気伝達コアの鋼板積層厚を厚くしなくても、磁気伝達コアと永久磁石との対向面積を十分に確保して、永久磁石から磁気伝達コアに十分な磁気エネルギを伝達することができる。そのため、従来と同じ発電出力を得るのであれば、磁気伝達コアの鋼板積層厚を薄くして、フライホイールの軸線方向に測った磁石界磁構成体の寸法を縮小することができ、これにより、磁石界磁構成体、バランスウェイト及びフライホイールの質量の軽減を図って回転子の慣性モーメントを小さくすることができる。
【0016】
また、フライホイールの軸線方向に測った磁石界磁構成体の幅寸法を、固定子の磁極の幅寸法(積層方向寸法)と同等の大きさまで縮小することができるため、磁石界磁からの漏洩磁束の量を減少させて、発電性能を向上させることができる。
【0017】
本発明の好ましい態様では、一対の磁気伝達コアのそれぞれの磁極構成部の鋼板の積層厚が等しく設定されるとともに、該一対の磁気伝達コアのそれぞれの磁石結合部の鋼板の積層厚が等しく設定され、一対の磁気伝達コアは、それぞれの磁極構成部の鋼板積層方向の両端の端面を同一の平面上に位置させた状態で配置される。
【0018】
上記の回転子を用いて磁石発電機を構成する場合、固定子としては、磁極部を両端に有する固定子鉄心と該固定子鉄心に巻回された発電コイルとを有して固定子鉄心の両端の磁極部が回転子の磁極に対向させられるものを用いることができる。
【0019】
固定子鉄心の鋼板積層厚は、磁極構成部の鋼板の積層厚に等しく設定するのが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明においては、一対の磁気伝達コアをフライホイールの軸線方向に対向させて両磁気伝達コアの間に永久磁石を配置するようにしたので、磁気伝達コアの鋼板積層厚を厚くしなくても、磁気伝達コアと永久磁石との対向面積を十分に確保して、永久磁石から磁気伝達コアに十分な磁気エネルギを伝達することができる。従って、本発明によれば、従来と同じ発電出力を得るのであれば、磁気伝達コアの鋼板積層厚を薄くして、フライホイールの軸線方向に測った磁石界磁構成体の寸法を縮小することができ、これにより、磁石界磁構成体、バランスウェイト及びフライホイールの質量の軽減を図って回転子の慣性モーメントを小さくすることができる。また発電機の体格を従来と同程度まで大きくすることが許容される場合には、従来よりも大きな発電出力を得ることができる。
【0021】
更に本発明によれば、フライホイールの軸線方向に測った磁石界磁構成体の幅寸法を、固定子の磁極の幅寸法(積層方向寸法)と同等の大きさまで縮小することができるため、磁石界磁からの漏洩磁束の量を減少させて、発電性能を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1及び図2は本発明の実施形態に係わる磁石発電機の全体的な構成を示した正面図及び縦断面図で、この発電機は、内燃機関を点火する点火装置を構成するために機関に取り付けられるものである。図1及び図2において、1は回転子、2は固定子であり、回転子1は、磁石界磁構成体3と、バランスウエイト4とをアルミニウム等の非磁性材料の射出成形品からなるフライホイール5内に鋳込んだ構造を有している。
【0023】
磁石界磁構成体3は、図3(A),(B)に示したように、永久磁石300と、永久磁石300の一対の磁極にそれぞれ磁気結合された一対の磁気伝達コア301及び302とにより構成されている。磁気伝達コア301は、先端が磁極部301aとなっている磁極構成部301Aと、鋼板の積層厚が磁極構成部301Aよりも小さく設定されて該磁極構成部の鋼板の積層方向の一端寄りに片寄せた状態で該磁極構成部から側方に鋼板の積層方向と直角な方向に沿って突出した磁石結合部301Bとを一体に有していて、磁極構成部301Aの積層方向の他端側に向いた磁石結合部301Bの鋼板積層方向の端面が磁石当接面301bとして用いられる。
【0024】
同様に、磁気伝達コア302は、先端が磁極部302aとなっている磁極構成部302Aと、鋼板の積層厚が磁極構成部302Aよりも小さく設定されて該磁極構成部302Aの鋼板の積層方向の一端寄りに片寄せた状態で該磁極構成部から側方に鋼板の積層方向と直角な方向に沿って突出した磁石結合部302Bとを一体に有していて、磁極構成部302Aの積層方向の他端側に向いた磁石結合部302Bの鋼板積層方向の端面が磁石当接面302bとして用いられる。
【0025】
一対の磁気伝達コア301,302は、それぞれの磁極構成部301A,302Aの磁極部301a,302aをフライホイール5の外周側に位置させ、かつそれぞれの磁石当接面301b,302bをフライホイール5の軸線方向に対向させた状態で配置されている。また磁石界磁構成体3の幅寸法(フライホイールの軸線方向に測った寸法)をフライホイールの周方向に沿って均一にするようにするため、一対の磁気伝達コア301,302のそれぞれの磁極構成部301A,302Aの鋼板の積層厚が等しく設定されるとともに、該一対の磁気伝達コア301,302のそれぞれの磁石結合部301B,302Bの鋼板の積層厚が等しく設定されていて、一対の磁気伝達コア301,302が、それぞれの磁極構成部の鋼板積層方向の両端の端面を同一の平面上に位置させた状態で配置されている。
【0026】
永久磁石300はその一対の磁極面をフライホイール5の軸線と直交させた状態で一対の磁気伝達コア301,302の磁石当接面301b,302bの間に配置されて、その一対の磁極面が一対の磁気伝達コアの磁石当接面301b,302bにそれぞれ当接されている。永久磁石300が磁気的に短絡されるのを防ぐため、磁気伝達コア301の磁極構成部301Aの磁石側積層面301cと永久磁石300との間、磁気伝達コア302の磁極構成部302Aの磁石側積層面302cと永久磁石300との間、磁気伝達コア301の磁石結合部301Bの先端の積層面と磁気伝達コア302の磁極構成部302Aの磁石側積層面302cとの間、及び磁気伝達コア302の磁石結合部302Bの先端の積層面と磁気伝達コア301の磁極構成部301Aの磁石側積層面301cとの間にそれぞれ所定の隙間を形成するようにしておく。
【0027】
図示のフライホイール5は、アルミニウムの射出成形品からなっていて、その軸心部にはテーパ孔501を有する回転軸取付用のボス部502が設けられ、ボス部502が機関のクランク軸に嵌着される。フライホイール5の一方の軸線方向端面には、内燃機関に冷却風を吹き付けるための送風羽根503が形成されている。磁石界磁構成体3は、磁気伝達コア301,302の磁極部301a,302aの外周面をフライホイール5の外周面に露呈させ、磁気伝達コア301,302の磁石当接面301b,302bを磁石300を介してフライホイールの軸線方向に対向させた状態でフライホイール5に鋳込まれている。バランスウェイト4は鋼板の積層体からなっていて、回転子の質量バランスをとるように、磁石界磁構成体3と対称な位置に位置させた状態でフライホイール内に鋳込まれている。
【0028】
固定子2は、従来のものと同様に、磁極部201a,201bを両端に有するU字形の固定子鉄心201と、固定子鉄心201に巻回された発電コイル202と、発電コイル202を被覆する樹脂モールド部203とからなっている。図4及び図5に示した従来例と同様に、発電コイル202は内燃機関を点火する点火装置を構成する点火コイルである。発電コイル202は、その一次電流を制御する点火回路の構成部品と共に樹脂モールド部203により被覆されている。6は発電コイル(点火コイル)202の二次コイルに誘起する点火用の高電圧を機関の点火プラグに印加するためにモールド部203から導出された高圧コードである。
【0029】
上記のように、一対の磁気伝達コア301,302をフライホイール5の軸線方向に対向させて、両磁気伝達コアの間に永久磁石300を配置するようにすると、所定の磁極幅W2を有する磁石300の磁極面を当接させることができるように、磁気伝達コア301,302の磁石当接部301B,302Bの寸法を設定しておくことにより、磁気伝達コア301,302の鋼板積層厚を厚くしなくても、磁気伝達コア301,302と永久磁石300の磁極との接触面積を十分に確保して、永久磁石から磁気伝達コアに十分な磁気エネルギを伝達することができる。従って、従来と同じ発電出力を得ればよいのであれば、磁気伝達コア301,302の鋼板積層厚を薄くして、フライホイール5の軸線方向に測った磁石界磁構成体3の寸法を縮小することができる。また磁石界磁構成体3の軸線方向寸法を縮小することができるため、フライホイール5の軸線方向寸法を縮小することができる。
【0030】
更に上記のように構成すると、磁石当接面301b,302bの幅W2を従来の磁石発電機における磁気伝達コアの磁石当接面の幅W1(図6B参照)に対して、大きくとることができるため、磁石当接面301b,302bの長さ(フライホイールの径方向に測った寸法)L2を従来の回転子の磁石当接面の長さL1よりも短くすることができる。従って、本発明によれば、フライホイールの径方向寸法の縮小をも図ることができる。
【0031】
上記のように、本発明によれば、磁石界磁構成体3及びバランスウェイト4の質量の軽減を図ることができ、またフライホイールの軸線方向寸法及び径方向寸法を縮小してその小形軽量化を測ることができるため、回転子の質量の大幅な軽減を図ることができる。また、回転子の径方向寸法の縮小を図ることができるため、その質量の軽減を図ることができることと相俟って回転子の慣性モーメントを小さくすることができる。従って、機関の加速性能を向上させるために回転子の慣性モーメントを小さくすることが必要とされる場合に、その要請に容易に応えることができる。
【0032】
また上記のように構成すると、フライホイール5の軸線方向に測った磁石界磁構成体3の幅寸法を、固定子の磁極の幅寸法(積層方向寸法)と同等の大きさまで縮小することができるため、磁石界磁からの漏洩磁束の量を減少させて、発電性能を向上させることができる。
【0033】
なお永久磁石300としてはフェライト磁石を用いることもできるが、磁石界磁構成体3の鋼板積層方向の厚み寸法を縮小する効果を高めるためには、薄くても大きな磁力を得ることができる希土類磁石を用いるのが好ましい。
【0034】
上記の例では、内燃機関が単気筒機関であることを想定しているため、固定子2が一つだけ設けられているが、磁石発電機を多気筒内燃機関に取り付ける場合には、固定子2が気筒数分設けられて、該気筒数分の固定子が回転子1の周囲に所定の間隔を隔てて配置される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態に係わる磁石発電機の構成を示した正面図である。
【図2】同磁石発電機の縦断面図である。
【図3】(A)は本発明の実施形態で用いる磁石界磁構成体の正面図、(B)は(A)の3B−3B線に沿った断面図である。
【図4】従来の磁石発電機の構成を示した正面図である。
【図5】図4の磁石発電機の縦断面図である。
【図6】(A)は図4の磁石発電機で用いられている磁石界磁構成体の正面図、(B)は(A)の6B−6B線に沿った断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 回転子
2 固定子
3 磁石界磁構成体
300 永久磁石
301,302 磁気伝達コア
301A,302A 磁極構成部
301a,302a 磁極部
301B,302B 磁石結合部
301b,302b 磁石当接面
4 バランスウェイト
5 フライホイール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
永久磁石と、鋼板の積層体からなっていて前記永久磁石の一対の磁極にそれぞれ磁気結合された一対の磁気伝達コアとからなる磁石界磁構成体と、該磁石界磁構成体との質量バランスをとるためのバランスウエイトとを非磁性体からなるフライホイール内に鋳込んでなる磁石発電機用回転子において、
前記磁気伝達コアは、先端が磁極部となっている磁極構成部と鋼板の積層厚が該磁極構成部よりも小さく設定されて該磁極構成部の鋼板の積層方向の一端寄りに片寄せた状態で該磁極構成部から側方に鋼板の積層方向と直角な方向に沿って突出した磁石結合部とを一体に有して、前記磁極構成部の積層方向の他端側に向いた前記磁石結合部の鋼板積層方向の端面が磁石当接面として用いられるように構成され、
前記一対の磁気伝達コアは、それぞれの磁極構成部の磁極部を前記フライホイールの外周側に位置させ、かつそれぞれの磁石当接面を前記フライホイールの軸線方向に対向させた状態で配置され、
前記永久磁石はその一対の磁極面を前記フライホイールの軸線と直交させた状態で前記一対の磁気伝達コアの磁石当接面の間に配置されて該永久磁石の一対の磁極面が前記一対の磁気伝達コアの磁石当接面にそれぞれ当接されていること、
を特徴とする磁石発電機用回転子。
【請求項2】
前記一対の磁気伝達コアのそれぞれの磁極構成部の鋼板の積層厚が等しく設定されるとともに、該一対の磁気伝達コアのそれぞれの磁石結合部の鋼板の積層厚が等しく設定され、前記一対の磁気伝達コアは、それぞれの磁極構成部の鋼板積層方向の両端の端面を同一の平面上に位置させた状態で配置されている請求項1に記載の磁石発電機用回転子。
【請求項3】
永久磁石と鋼板の積層体からなっていて前記永久磁石の一対の磁極にそれぞれ磁気結合された一対の磁気伝達コアとからなる磁石界磁構成体と、該磁石界磁構成体との質量バランスをとるためのバランスウエイトとを非磁性体からなるフライホイール内に鋳込んでなる磁石発電機用回転子と、磁極部を両端に有する固定子鉄心と該固定子鉄心に巻回された発電コイルとを有して前記固定子鉄心の両端の磁極部が前記回転子の磁極に対向させられる固定子とを備えた磁石発電機において、
前記磁気伝達コアは、先端が磁極部となっている磁極構成部と鋼板の積層厚が該磁極構成部よりも小さく設定されて該磁極構成部の鋼板の積層方向の一端寄りに片寄せた状態で該磁極構成部から側方に鋼板の積層方向と直角な方向に沿って突出した磁石結合部とを一体に有して、前記磁極構成部の積層方向の他端側に向いた前記磁石結合部の鋼板積層方向の端面が磁石当接面として用いられるように構成され、
前記一対の磁気伝達コアは、それぞれの磁極構成部の磁極部を前記フライホイールの外周側に位置させ、かつそれぞれの磁石当接面を前記フライホイールの軸線方向に対向させた状態で配置され、
前記永久磁石はその一対の磁極面を前記フライホイールの軸線と直交させた状態で前記一対の磁気伝達コアの磁石当接面の間に配置されて該永久磁石の一対の磁極面が前記一対の磁気伝達コアの磁石当接面にそれぞれ当接されていること、
を特徴とする磁石発電機。
【請求項4】
前記一対の磁気伝達コアのそれぞれの磁極構成部の鋼板の積層厚が等しく設定されるとともに、該一対の磁気伝達コアのそれぞれの磁石結合部の鋼板の積層厚が等しく設定され、
前記一対の磁気伝達コアは、それぞれの磁極構成部の鋼板積層方向の両端の端面を同一平面上に位置させた状態で配置され、
前記固定子鉄心の鋼板積層厚は、前記磁極構成部の鋼板の積層厚に等しく設定されている請求項3に記載の磁石発電機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−20378(P2007−20378A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−201997(P2005−201997)
【出願日】平成17年7月11日(2005.7.11)
【出願人】(000001340)国産電機株式会社 (191)
【Fターム(参考)】