説明

磁粉探傷装置の電極部

【課題】鋼片の端面に付与したラベルに電極部を接触させることなく、端面と電極部とを当接させる。
【解決手段】鋼片10の表面欠陥を検査する磁粉探傷装置は、鋼片10を挟んだ一対の電極部40,40間に通電して鋼片10を磁化すると共に、磁粉液を鋼片10に散布するよう構成される。電極部40は、鋼片10の端面10aに予め付与されたラベル14を対応的に避けて切欠部44を形成してある。また、鋼片10の端面10aに相対する電極面42は、該端面10aと平行に形成され、端面10aにおけるラベル14から露出した部分に電極面42を面接触して通電される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被検査材の表面の欠陥を磁粉探傷法により検査する際に、被検査材に通電して磁化する磁粉探傷装置の電極部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、鋼材等の被検査材について、表面に生じた傷等の欠陥を検査する方法の一つとして、磁粉探傷法が知られている。この磁粉探傷法は、磁粉探傷装置において、被検査材を挟んだ一対の電極間に通電して被検査材を磁化すると共に、蛍光磁粉を含有した検査液(磁粉液)を被検査材の表面に散布して磁粉を付着させることで、表面に生じた磁粉模様により欠陥の有無を検出するものである。例えば被検査材として、長尺な四角柱状の鋼片を検査する場合には、鋼片の長手方向の両端面に一対の電極を夫々当接させて両電極間に低電圧大電流を通電することで、鋼片を磁化する軸通電法が一般的に用いられている。図7または図8に示すように、磁粉探傷装置の電極12は、銅等の良導体からなる塊状金属片を平板状に形成したものであって、鋼片10の端面10aに対し、その当接面12aを平行に配置すると共に、図示しない進退機構により対応する端面10aに接離可能となっている。そして、各電極12は、通電時に充分な導通を確保し得るように、鋼片10の端面10aに当接した際に面接触となるよう構成される。
【0003】
ところで鋼片10には、製品管理の効率化を図るため、整理番号や規格等の情報を記載した金属やシール等のラベル14が、その一方または両方の端面10aに付与されることがある。このラベル14は、金属製であっても、表面保護のため樹脂等の導電性の低い絶縁材料でコーティングしてあり、電極12から鋼片10に電気を伝える導体として作用しない上、当接面12aがラベル14に阻まれて端面10aに直接接触できない場合がある(図7右部分参照)。また鋼片10は、磁粉液を表面全体に行き渡らせるために、端面10aが菱形姿勢となるように配置されるから、電極12を鋼片10に当接した際に、ラベル14の厚みにより傾くと端面10aの上部角部に点接触してしまう(図7左部分参照)。このような場合、両電極12,12間に通電すると、電極12と対応の端面10aとの間でスパークが発生し、電極12自体に溶損等のダメージを与え、電極12の寿命を低下してしまう問題が指摘される。しかも、電極12が鋼片10の端面10aに点接触すると、接触部分で局所的に摩耗が進行し、これも電極12の寿命低下の原因となる。更に、スパークによりラベル14を損ってしまうと、後工程において製品管理上の不都合がある。
【0004】
そこで、特許文献1の如く、鋼片への当接部分となる電極部を導電線の集合体で形成した電極盤が提案されている。この電極盤は、金属片からなる前述した電極と比較して電極部が撓み性を有するため、端面に対するなじみ性が良好であるので、通電時のスパークを抑制し得るものである。
【特許文献1】特開平7−5153号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の電極盤は、電極部を形成するに際し、導電線を多数本揃えた帯体を多数用いて、各帯体を互いに上下となるように交差して織り込んだ後、プレス加工すると云う、多くの工程を必要とするから、電極盤自体のコストが高くなる難点がある。また電極部は、導電線の集合体であるため、鋼片との摩擦等の機械的接触に対する強度が不足し、充分な寿命を確保できない。
【0006】
すなわち本発明は、従来の技術に係る磁粉探傷装置の電極部に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、被検査材の端面に付与したラベルに接触しないよう構成することで、寿命を向上し得る磁粉探傷装置の電極部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1の発明に係る磁粉探傷装置の電極部は、
被検査材の両端面に夫々当接させて通電することで、該被検査材を磁化するようにした磁粉探傷装置の電極部において、
前記被検査材の端面に付与したラベルを対応的に避けた切欠部を形成することで、該端面の露出部分に電極面が面接触するよう構成したことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、電極部の電極面を、切欠部によりラベルに接触することなく、被検査材の端面における露出部分に面接触できるので、通電時のスパークを抑制し得ると共に、電極部の局所的な摩耗を抑制し得る。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の磁粉探傷装置の電極部において、前記電極面は、前記被検査材の端面に対し平行に形成される。
請求項2に係る発明によれば、電極面を被検査材の端面と平行に形成することで、両者の当接に際し、より簡単に面接触状態とすることができる。
【0009】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項3の発明に係る磁粉探傷装置の電極部は、
被検査材の両端面に夫々当接させて通電することで、該被検査材を磁化するようにした磁粉探傷装置の電極部において、
前記被検査材の端面に付与したラベルを対応的に避けて、該端面を輪郭付ける複数の辺の少なくとも一辺に亘って電極面が線接触するよう構成したことを特徴とする。
請求項3に係る発明によれば、電極部の電極面を、ラベルに接触することなく、被検査材の端面を輪郭付ける一辺に亘って線接触できるので、通電時のスパークを抑制し得ると共に、電極部の局所的な摩耗を抑制し得る。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の磁粉探傷装置の電極部において、前記電極面は、前記被検査材の端面に対し傾斜するように形成される。
請求項4に係る発明によれば、電極部の電極面を、被検査材の端面に対して傾斜するように形成することで、被検査材の端面における一辺との線接触状態を好適に作り出すことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る磁粉探傷装置の電極部によれば、被検査材の端面にラベルが付与されていても、ラベルを避けて最低限の接触面積を確保し得るから、通電不良、スパークや局所的な接触を抑制して寿命を向上し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明に係る磁粉探傷装置の電極部につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、説明の便宜上、図7または図8に示した電極の構成要素と同一の要素については、同一の符号を使用して詳細な説明は省略する。また実施例では、被検査材として、圧延工程を経て得られた長尺な棒状の鋼片であって、断面形状が略正四角形に形成されたものを検査する場合を例に挙げて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、実施例1に係る電極部40,40が好適に用いられる磁粉探傷装置20を示す概略図である。この磁粉探傷装置20は、一対の電極部40,40の間に鋼片10を挟持した状態で、これらの電極部40,40間に通電することで鋼片10を磁化する軸通電法により鋼片10の表面傷の有無を検査するものである。また鋼片10における少なくとも一方の端面10aには、製品情報等を記載したラベル14が予め前工程で付与され、製品管理の効率化が図られている(図2参照)。このラベル14は、鋼片10の端面10aより小寸に形成した例えば矩形状の金属板であって、該端面10aの略中央部に溶接等により貼着されている。すなわちラベル14は、鋼片10の端面10a全面を覆うものでなく、この端面10aにおけるラベル14の回りの露出している面(露出部分)が、対応の電極部40との当接部分となる。
【0014】
前記磁粉探傷装置20は、磁粉液を鋼片10に一様に散布する複数の散布ノズル32を有する磁粉液供給手段30と、散布ノズル32の下方位置(散布位置)に鋼片10を配置する載置台22と、鋼片10を通電磁化する一対の電極部40,40を有する磁化手段34とを備えている。載置台22は、略V字状の溝部22aを備え、上流側に接続された搬入コンベア16から鋼片10を受取り、一列に並んだ複数の散布ノズル32の下方の散布位置に移送するように構成される。この際、鋼片10は、その長手(軸線)方向に沿って延在する一の稜角が溝部22aに嵌り込んで、端面10aにおける一方の対角線が上下方向に延在する姿勢(端面10aが菱形をなす姿勢)をなし、複数の散布ノズル32の整列方向と鋼片10の長手方向とが整列した状態となっている。そして、散布位置に到来した鋼片10に対して、複数の散布ノズル32から磁粉液が散布された後、載置台22は下流側に接続された搬出コンベア18に鋼片10を受渡し、暗室等において目視またはカメラ等による傷等の欠陥の有無が検査される。
【0015】
磁化手段34は、散布位置に到来した鋼片10の各端面10aに夫々相対する位置に配置された一対の電極部40,40と、各電極部40を鋼片10の対応する端面10aに対して接離可能に進退移動させる流体圧シリンダ等の進退機構36とを備えている。各電極部40と進退機構36との間には、弾力性を有するゴム等の弾性部材38が介挿され、各電極部40が端面10aにおける凹凸等の表面状態にある程度追随して傾動し得るようになっている。各電極部40は、鋼片10が散布位置に到来した際に、対応する端面10aに近接する方向へ進退機構36により移動され、該端面10aに夫々当接させた状態で図示しない電源装置により両電極部40,40間に通電するよう構成される。そして、磁粉液供給手段30による磁粉液の散布を停止した後、磁化手段34は両電極部40,40間への通電を停止すると共に、各電極部40を対応する端面10aから離間する方向へ進退機構36により移動し、鋼片10から離間した位置で待機するよう構成される。
【0016】
前記各電極部40は、銅等の導電性に優れた材料からなる金属片であって、略鉛直に延在する鋼片10の端面10aと平行に相対する電極面42と、端面10aに付与されたラベル14を避けるように対応的に形成された切欠部44とを備えている。図3に示すように、各電極部40は、散布位置に到来した鋼片10の端面10aの形状および姿勢に対応した略相似形に基本的に形成されると共に、端面10aにおけるラベル14の貼着位置に対応して切欠部44が形成される。また各電極部40は、鋼片10の端面10a全体に亘って相対するのではなく、鋼片10の軸線に直交する方向(実施例では上方)に偏倚して対向するように配置され、電極面42の下部領域が端面10aの上部領域に相対するように設定されている。そして、進退機構36は、電極部40における鋼片10の端面10aから上方に外れた部位である上部に接続され、電極部40の上部を支持するよう構成される。
【0017】
より具体的には、各電極部40は、散布位置において、略菱形姿勢で載置台22に載置した鋼片10の端面10aに対応した略菱形の平板について、端面10aの略中央に貼着したラベル14の位置および各辺が端面10aの各辺と平行になるよう貼着したラベル14の姿勢に対応して、菱形の下方の頂角に対応する部位を下方に向けて開放する略V字状に切欠部44を切欠いた形状に形成されている。また電極部40は、前述した如く鋼片10の端面10aに正対するのではなく、鋼片10の軸線と直交する上側にずれているので、電極面42はラベル14の上方における端面10aが露出した領域(露出部分)に面接触するようになっている。なお、切欠部44の厚み方向の形状は、対応する鋼片10の端面10aから離間するにつれて、下方傾斜するように形成されている(図2右側参照)。ここで切欠部44は、鋼片10の端面10aに電極部40の電極面42が当接した際に充分な接触面積を確保し得ると共に、ラベル14の貼着位置のある程度のずれを許容し得るように余裕をもって電極部40に設けられる。
【0018】
〔実施例1の作用〕
次に、実施例1に係る磁粉探傷装置の電極部の作用について説明する。端面10aに予めラベル14を貼着した鋼片10が、前工程から搬入コンベア16で搬入され、載置台22に受渡され、載置台22により当該装置20における複数の散布ノズル32の下方である散布位置に配置される。散布位置に到来した鋼片10に対して、各電極部40が対応する端面10aに向けて進退機構36で近接する方向へ移動され、各電極部40の電極面42を各端面10aに夫々当接させる。そして、一対の電極部40,40間に通電することで、鋼片10を磁化すると共に、複数の散布ノズル32から磁粉液が鋼片10に散布される。
【0019】
ここで、各電極部40には、鋼片10aの端面10aに貼着したラベル14を避ける切欠部44を形成してあり、電極面42が端面10aの露出部分に当接するに際して、各電極部40の電極面42はラベル14に接触することはない。このため、電極部40の電極面42が、ラベル14に阻まれて鋼片10の端面10aに当接できないことや、ラベル14の厚みにより電極部40が傾くことで電極面42が端面10aに対して点接触することはなく、電極部40がラベル14に接触することで起こる様々な弊害を回避し得る。また、鋼片10の端面10aに相対する電極部40の電極面42は、該端面10aと平行に形成してあるから、両者の当接状態において簡単に面接触状態を作り出すことができる。すなわち、各電極部40の電極面42は、鋼片10の端面10aに対して面で当接し、鋼片10の各端面10aと各電極部40との間で充分な通電に必要な接触面積を確保し得るから、鋼片10への通電に際して、両者の間においてスパークの発生を回避し得る。従って、スパークによる電極部40の溶損や、鋼片10の端面10aとの局所的な接触に起因する電極部40の部分的な摩耗を抑制し得るので、電極部40の寿命を向上することができる。しかも、スパークの発生を抑制し得るから、ラベル14を損うことはなく、後工程において鋼片10の管理上の不都合が生じることはない。
【0020】
そして、鋼片10全体に散布ノズル32から磁粉液をまんべんなく散布した後、磁粉液の散布を停止すると共に、一対の電極部40,40間への通電を停止して鋼片10の磁化状態を解除する。そして、一対の電極部40,40を進退機構36により互いに離間する方向に移動させて各端面10aから夫々離間させた後、鋼片10は載置台22から搬出コンベア18に受渡され、目視またはカメラ等により鋼片10の表面欠陥を検査する検査工程に供される。
【実施例2】
【0021】
前述した如く実施例1の電極部40は、該電極部40におけるラベル14と干渉する部位を溝状に切欠いた切欠部44を形成する構成である。これに対し、図4〜図6に示すように、実施例2の電極部50は、鋼片10の端面10aに相対する電極面52を斜めに形成することで、ラベル14との干渉を回避する構成である。なお、磁粉探傷装置20および電極部の支持構造は、実施例1で説明した構成と同様なので、電極部50の異なる部分のみ説明する。
【0022】
実施例2の電極部50は、鋼片10における対応の端面10aに対し、該端面10aに付与されたラベル14を対応的に避けて、該端面10aを輪郭付ける複数の辺の少なくとも一辺に亘って電極面52が線接触するよう構成されている。図4に示すように、各電極部50は、散布位置に到来した鋼片10の端面10aの形状および姿勢に対応した略相似形であって、略菱形の平板状に形成されている。また各電極部50は、鋼片10の端面10a全体に亘って相対するのではなく、軸線に直交する上方に偏倚して対向するように配置され、電極面52の下部領域が端面10aの上部領域に相対するように設定されている。また電極部50は、鋼片10の端面10aから外れた部位である上部を進退機構36で支持され、図5に示すように、電極面52は、進退機構36で支持された上部側からラベル14に相対する下部側に向かうにつれて、対応の端面10aから離間するように傾斜形成されている。また電極面52は、上下方向に沿って傾斜するのではなく、端面10aを輪郭付ける辺に沿う方向に傾斜される(図6参照)。より具体的には、電極部50における下方に指向する一方(実施例では左側)の辺からこの辺に平行に対向する上側の辺(実施例では右上側)に向かうにつれて、電極面52は端面10a側に傾くように設定されている。なお、電極面52の傾斜角度は、鋼片10の端面10aに貼着したラベル14の厚さおよび貼着位置を勘案して設定され、電極面52が端面10aの一辺に線接触した際に、ラベル14に対向する部位が該ラベル14に接触しない程度になっている。
【0023】
〔実施例2の作用〕
次に、実施例2に係る磁粉探傷装置の電極部の作用について説明する。実施例2の電極部50も、鋼片10への通電に際して、端面10aに貼着したラベル14との接触を回避し得るので、実施例1と同様の作用効果を示す。ところで、鋼片10は、シャーや溶断等で所定長さに切断した端面10aは、軸線に対して必ずしも垂直でなく、凹凸やバリ等が発生して平滑ではない場合がある。そこで、電極部50を端面10aに圧接することで、電極部50と進退機構36との間に介挿した弾性部材38の弾力性を利用して端面10aの形状に追随させることがなされている。このとき、従来例で説明した電極12では、その上部を進退機構36で支持しているので、鋼片10の端面10aにおける上側角部に当接して傾くから、電極12と上部角部とが点接触してしまう不都合がある。しかし、実施例2の電極部50は、電極面52を傾斜形成しているから、該電極部50を鋼片10に圧接しても、端面10aの縁辺との線接触状態を維持したまま、電極部50が傾くので、点接触状態に移行することはない。しかも、電極部50は、鋼片10の端面10aから外れた部位で進退機構36により支持されているから、端面10aに電極面52を圧接した際に、電極部50はラベル14に相対する部位が該ラベル14から離間する方向に変位し、ラベル14と接触することはない。すなわち、鋼片10の端面10aにおける表面形状に対応して好適に追随しつつ、電極部50とラベル14との接触を回避すると共に、電極部50と端面10aの接触面積を確保し得るので、電極部50の寿命をより向上することができる。
【0024】
なお本発明では、前述した実施例1または2の電極部に限られるものではなく、種々の変更が可能である。
(1)一対の電極部の両方に、ラベルとの干渉を避ける実施例1および2の構成を適用する必要はなく、ラベルが付与されない端面に相対する電極部について、従来の構成を採用し得る。
(2)実施例2の電極部50は、電極面52を傾斜させることで鋼片10の端面10aにおける一辺に亘って線接触するよう構成したが、電極面に異なる方向の傾斜を形成することで(例えばV字状)、隣り合う2辺に亘って線接触するようにしてもよい。また、電極部の電極面を傾斜形成するのではなく、端面の一辺に対し、電極部自体を予め傾斜した姿勢で配置する構成であってもよい。この場合の電極部は、鋼片の端面における一辺に対して接離可能に構成され、この一辺に亘って電極面が線接触する。
(3)実施例1および2では、被検査材として四角柱状の鋼片を検査する場合を挙げたが、丸棒やその他多角形状またはその他の形状であってもよい。
(4)電極部の形状について、必ずしも被検査材の端面形状の略相似形とする必要はなく、ラベルを避けて端面に当接し得るものであればよい。また電極部の姿勢についても、被検査材の散布位置での端面姿勢に対応させる必要はなく、適宜設定し得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】磁粉探傷装置の一例を示す概略図である。
【図2】実施例1の電極部を示す側面図である。
【図3】実施例1の電極部を示す正面図である。
【図4】実施例2の電極部を示す正面図である。
【図5】実施例2の電極部を示す側面図である。
【図6】図4のA−A線断面図である。
【図7】従来の電極を示す側面図である。
【図8】従来の電極を示す正面図である。
【符号の説明】
【0026】
10 鋼片(被検査材),10a 端面,14 ラベル,44 切欠部,42 電極面,
52 電極面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査材(10)の両端面(10a,10a)に夫々当接させて通電することで、該被検査材(10)を磁化するようにした磁粉探傷装置の電極部において、
前記被検査材(10)の端面(10a)に付与したラベル(14)を対応的に避けた切欠部(44)を形成することで、該端面(10a)の露出部分に電極面(42)が面接触するよう構成した
ことを特徴とする磁粉探傷装置の電極部。
【請求項2】
前記電極面(42)は、前記被検査材(10)の端面(10a)に対し平行に形成されている請求項1記載の磁粉探傷装置の電極部。
【請求項3】
被検査材(10)の両端面(10a,10a)に夫々当接させて通電することで、該被検査材(10)を磁化するようにした磁粉探傷装置の電極部において、
前記被検査材(10)の端面(10a)に付与したラベル(14)を対応的に避けて、該端面(10a)を輪郭付ける複数の辺の少なくとも一辺に亘って電極面(52)が線接触するよう構成した
ことを特徴とする磁粉探傷装置の電極部。
【請求項4】
前記電極面(52)は、前記被検査材(10)の端面(10a)に対し傾斜するように形成されている請求項3記載の磁粉探傷装置の電極部。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−322748(P2006−322748A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−144398(P2005−144398)
【出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【出願人】(000003713)大同特殊鋼株式会社 (916)
【Fターム(参考)】