説明

神経因性疼痛の治療ためのAMPA受容体アンタゴニストとアセチルコリンエステラーゼ阻害剤との併用

本発明は、神経因性疼痛を治療および/または予防することを必要とする患者に、治療的有効量のAMPA受容体アンタゴニスト;ならびにコリンエステラーゼ阻害剤および/または抗神経因性疼痛剤を投与することによって、神経因性疼痛を治療および/または予防する方法を提供する。神経因性疼痛は、有痛性糖尿病性神経障害であり得る。本発明はまた、治療的有効量のAMPA受容体アンタゴニスト;ならびにコリンエステラーゼ阻害剤および/または抗神経因性疼痛剤を含むキットおよび医薬組成物も提供する。AMPA受容体アンタゴニストは、例えば、3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オンであり得る。コリンエステラーゼ阻害剤は、例えば、1-ベンジル-4-((5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル)メチルピペリジン(ドネペジル)であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、米国特許法第119条のもと2007年7月13日に出願されたUS仮出願第60/929,812号の優先権を主張する。上記仮出願の開示は、その全体が本明細書において参考として組み込まれる。
【0002】
[発明の分野]
本発明は、AMPA受容体アンタゴニストを含む医薬組成物、ならびにAMPA受容体アンタゴニストを使用して多様な疾患および障害を治療するための方法に関する。AMPA受容体アンタゴニストは、多様な疾患および障害を治療するために、コリンエステラーゼ阻害剤および/または抗神経因性疼痛剤等の他の薬剤と任意に併用できる。
【背景技術】
【0003】
[発明の背景]
様々な中枢神経および末梢神経の損傷または機能障害に起因する神経因性疼痛は、その重症度、慢性化、および通常の鎮痛剤に対する耐性のために問題になっている。抗鬱薬(三環系抗鬱薬およびデュロキセチン)、抗癲癇薬(カルバマゼピン、オキサカルバゼピン、ガバペンチン、プレガバリン等)、オピオイド、ならびにNMDAアンタゴニストは神経因性疼痛の治療のためによく使われるが、これらの化合物は有効性および寛容性において問題がある(Finnerup NBら, Pain 118 (2005)289-305)。
【0004】
AMPA受容体アンタゴニストは、1,2-ジヒドロピリジン化合物を含む。1,2-ジヒドロピリジン化合物の一例がペランパネル[3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン]であり、米国特許第6,949,571号に記載されている。疾患を治療する方法、およびこれらの化合物をコリンエステラーゼ阻害剤と併用して投与する方法はWO2006/107859およびWO2006/107860に記載されている。
【0005】
コリンエステラーゼ阻害剤は、アルツハイマー病およびアルツハイマー型老年認知症等の認知症を治療するために従来から使用されている。特に、塩酸ドネペジルは、アルツハイマー型老年認知症を治療するための薬剤として広く使用される。ドネペジルは、米国特許第4,895,841号に記載されている。
【0006】
新規の医薬組成物または組合せを用いて神経因性疼痛を治療することが当該分野で必要とされている。本発明は、上記およびその他の重要な目標を目指す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[発明の要旨]
本発明は、治療的有効量の少なくとも1つのAMPA受容体アンタゴニスト(例えば、1,2-ジヒドロピリジン化合物)と、任意に治療的有効量の:(i)少なくとも1つのコリンエステラーゼ阻害剤、(ii)少なくとも1つの抗神経因性疼痛剤、または(iii)少なくとも1つのコリンエステラーゼ阻害剤および少なくとも1つの抗神経因性疼痛剤とを投与することによって、神経因性疼痛を治療および/または予防することを必要とする患者の神経因性疼痛を治療および/または予防する方法を提供する。一実施形態において、AMPA受容体アンタゴニストは3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オンである。一実施形態において、コリンエステラーゼ阻害剤はドネペジルである。AMPA受容体アンタゴニストと、コリンエステラーゼ阻害剤および/または抗神経因性疼痛剤との組合せは、神経因性疼痛の治療および/または予防において予想外の相乗効果を生み出す。
【0008】
別の実施形態において、本発明は、治療的有効量の少なくとも1つのAMPA受容体アンタゴニスト(例えば、3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン)を含む医薬組成物を提供する。本発明は、治療的有効量の:(i)少なくとも1つのコリンエステラーゼ阻害剤(例えば、ドネペジル)、および(ii)少なくとも1つのAMPA受容体アンタゴニスト(例えば、3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン)を含む医薬組成物を提供する。本発明はまた、治療的有効量の:(i)少なくとも1つの抗神経因性疼痛剤、および(ii)少なくとも1つのAMPA受容体アンタゴニスト(例えば、3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン)を含む医薬組成物を提供する。本発明は、治療的有効量の:(i)少なくとも1つのコリンエステラーゼ阻害剤(例えば、ドネペジル)、(ii)少なくとも1つのAMPA受容体アンタゴニスト(例えば、3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン)、および(iii)少なくとも1つの抗神経因性疼痛剤を含む医薬組成物を提供する。
【0009】
本発明は以下に関する:
(1)(A)AMPA受容体アンタゴニスト、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物;
(B)コリンエステラーゼ阻害剤もしくはその医薬的に許容可能な塩;抗神経因性疼痛剤;またはそれらの混合物もしくは組合せ;および
(C)1つ以上の医薬的に許容可能な担体、を含む医薬組成物。
(2)前記AMPA受容体アンタゴニスト、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物が、式(III)の化合物、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物であり、該式(III)の化合物は:
【化1】


(式中、X1、X2およびX3は、それぞれ独立して、単結合、必要により置換されたC1-6アルキレン、必要により置換されたC2-6アルケニレン、必要により置換されたC2-6アルキニレン、-O-、-S-、-CO-、-SO-、-SO2-、-N(R6)-、-N(R7)-CO-、-CO-N(R8)-、-N(R9)-CH2-、-CH2-N(R10)-、-CH2-CO-、-CO-CH2-、-N(R11)-S(O)m-、-S(O)n-N(R12)-、-CH2-S(O)p-、-S(O)q-CH2-、-CH2-O-、-O-CH2-、-N(R13)-CO-N(R14)-または-N(R15)-CS-N(R16)であり;R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキルまたはC1-6アルコキシであり;m、n、pおよびqは、それぞれ独立して0、1または2の整数であり;A1、A2およびA3は、それぞれ独立して、必要により置換されたC3-8シクロアルキル、必要により置換されたC3-8シクロアルケニル、必要により置換された5〜14員の非芳香族ヘテロ環式環、必要により置換されたC6-14芳香族炭化水素環式環、または必要により置換された5〜14員の芳香族ヘテロ環式環であり;ならびに R17およびR18は、それぞれ独立して、水素、ハロゲンまたはC1-6アルキルである)である、(1)に記載の医薬組成物。
(3)前記AMPA受容体アンタゴニスト、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物が、3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物である、(1)に記載の医薬組成物。
(4)前記コリンエステラーゼ阻害剤またはその医薬的に許容可能な塩が、ドネペジルまたはその医薬的に許容可能な塩;リバスティグミンまたはその医薬的に許容可能な塩;およびガランタミンまたはその医薬的に許容可能な塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である、(1)に記載の医薬組成物。
(5)前記抗神経因性疼痛剤が、ガバペンチン、プレガバリン、デュロキセチン、メキシレチン、リドカイン、アミトリプチリン、イミプラミン、クロミプラミン、デシプラミン、ノルトリプチリン、マプロチリン、パロキセチン、フルオキセチン、シタロプラム、ベンラファキシン、ブプロピオン、カルバマゼピン、オクスカルバゼピン(oxcabazepine)、フェニトイン、ラモトリギン、バルプロ酸塩(valproate)、トピラメート、レベチラセタム、チアガビン、ラコサミド、ブリバラセタム、トラマドール、オキシコドン、モルヒネ、フェンタニル、メタドン、デキストロメトルファン、メマンチン、ケタミン、リルゾール、ドロナビノール、THC、カプサイシン、クロニジン、バクロフェン、チザニジン、AVP-923、コハク酸デスベンラファキシン、ビシファジン、OPC-14523、NGX4010、ラルフィナミド、XP-13512、KDS-2000、CNS-5161、V-3381、GW-493838、GW-353162、CCI-1008、SS-RBX、カンナビジオール、RGH-896、SAB-378、TV-1901、ABT-894、TAK-583、およびAGN-203818からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である、(1)に記載の医薬組成物。
(6)神経因性疼痛を治療するために使用される、(1)に記載の医薬組成物。
(7)(A)AMPA受容体アンタゴニスト、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物;および
(B)コリンエステラーゼ阻害剤もしくはその医薬的に許容可能な塩;抗神経因性疼痛剤;またはそれらの混合物もしくは組合せ、を含む組合せ。
(8)前記AMPA受容体アンタゴニスト、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物が、式(III)の化合物、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物であり、該式(III)の化合物は:
【化2】


(式中、X1、X2およびX3は、それぞれ独立して、単結合、必要により置換されたC1-6アルキレン、必要により置換されたC2-6アルケニレン、必要により置換されたC2-6アルキニレン、-O-、-S-、-CO-、-SO-、-SO2-、-N(R6)-、-N(R7)-CO-、-CO-N(R8)-、-N(R9)-CH2-、-CH2-N(R10)-、-CH2-CO-、-CO-CH2-、-N(R11)-S(O)m-、-S(O)n-N(R12)-、-CH2-S(O)p-、-S(O)q-CH2-、-CH2-O-、-O-CH2-、-N(R13)-CO-N(R14)-または-N(R15)-CS-N(R16)であり;R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキルまたはC1-6アルコキシであり;m、n、pおよびqは、それぞれ独立して0、1または2の整数であり;A1、A2およびA3は、それぞれ独立して、必要により置換されたC3-8シクロアルキル、必要により置換されたC3-8シクロアルケニル、必要により置換された5〜14員の非芳香族ヘテロ環式環、必要により置換されたC6-14芳香族炭化水素環式環、または必要により置換された5〜14員の芳香族ヘテロ環式環であり;ならびにR17およびR18は、それぞれ独立して、水素、ハロゲンまたはC1-6アルキルである)である、(7)に記載の組合せ。
(9)前記AMPA受容体アンタゴニスト、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物が、3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物である、(7)に記載の組合せ。
(10)前記コリンエステラーゼ阻害剤またはその医薬的に許容可能な塩が、ドネペジルまたはその医薬的に許容可能な塩;リバスティグミンまたはその医薬的に許容可能な塩;およびガランタミンまたはその医薬的に許容可能な塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である、(7)に記載の組合せ。
(11)前記抗神経因性疼痛剤が、ガバペンチン、プレガバリン、デュロキセチン、メキシレチン、リドカイン、アミトリプチリン、イミプラミン、クロミプラミン、デシプラミン、ノルトリプチリン、マプロチリン、パロキセチン、フルオキセチン、シタロプラム、ベンラファキシン、ブプロピオン、カルバマゼピン、オクスカルバゼピン、フェニトイン、ラモトリギン、バルプロ酸塩、トピラメート、レベチラセタム、チアガビン、ラコサミド、ブリバラセタム、トラマドール、オキシコドン、モルヒネ、フェンタニル、メタドン、デキストロメトルファン、メマンチン、ケタミン、リルゾール、ドロナビノール、THC、カプサイシン、クロニジン、バクロフェン、チザニジン、AVP-923、コハク酸デスベンラファキシン、ビシファジン、OPC-14523、NGX4010、ラルフィナミド、XP-13512、KDS-2000、CNS-5161、V-3381、GW-493838、GW-353162、CCI-1008、SS-RBX、カンナビジオール、RGH-896、SAB-378、TV-1901、ABT-894、TAK-583、およびAGN-203818からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である、(7)に記載の組合せ。
(12)前記(A)および(B)は、別々に患者に投与されるか、または医薬組成物の形態で患者に投与される、(7)に記載の組合せ。
(13)神経因性疼痛を治療するために使用される、(7)に記載の組合せ。
(14)神経因性疼痛の治療のための医薬組成物を製造するための化合物(A)および(B)の使用であって、該(A)および(B) は:
(A)AMPA受容体アンタゴニスト、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物;および
(B)コリンエステラーゼ阻害剤もしくはその医薬的に許容可能な塩;抗神経因性疼痛剤;またはそれらの混合物もしくは組合せ、である使用。
(15)前記AMPA受容体アンタゴニスト、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物が、式(III)の化合物、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物であり、該式(III)の化合物は:
【化3】


(式中、X1、X2およびX3は、それぞれ独立して、単結合、必要により置換されたC1-6アルキレン、必要により置換されたC2-6アルケニレン、必要により置換されたC2-6アルキニレン、-O-、-S-、-CO-、-SO-、-SO2-、-N(R6)-、-N(R7)-CO-、-CO-N(R8)-、-N(R9)-CH2-、-CH2-N(R10)-、-CH2-CO-、-CO-CH2-、-N(R11)-S(O)m-、-S(O)n-N(R12)-、-CH2-S(O)p-、-S(O)q-CH2-、-CH2-O-、-O-CH2-、-N(R13)-CO-N(R14)-または-N(R15)-CS-N(R16)であり;R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキルまたはC1-6アルコキシであり;m、n、pおよびqは、それぞれ独立して0、1または2の整数であり;A1、A2およびA3は、それぞれ独立して、必要により置換されたC3-8シクロアルキル、必要により置換されたC3-8シクロアルケニル、必要により置換された5〜14員の非芳香族ヘテロ環式環、必要により置換されたC6-14芳香族炭化水素環式環、または必要により置換された5〜14員の芳香族ヘテロ環式環であり;ならびにR17およびR18は、それぞれ独立して、水素、ハロゲンまたはC1-6アルキルである)である、(14)に記載の使用。
(16)前記AMPA受容体アンタゴニスト、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物が、3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物である、(14)に記載の使用。
(17)前記コリンエステラーゼ阻害剤またはその医薬的に許容可能な塩が、ドネペジルまたはその医薬的に許容可能な塩;リバスティグミンまたはその医薬的に許容可能な塩;およびガランタミンまたはその医薬的に許容可能な塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である、(14)に記載の使用。
(18)前記抗神経因性疼痛剤が、ガバペンチン、プレガバリン、デュロキセチン、メキシレチン、リドカイン、アミトリプチリン、イミプラミン、クロミプラミン、デシプラミン、ノルトリプチリン、マプロチリン、パロキセチン、フルオキセチン、シタロプラム、ベンラファキシン、ブプロピオン、カルバマゼピン、オクスカルバゼピン、フェニトイン、ラモトリギン、バルプロ酸塩、トピラメート、レベチラセタム、チアガビン、ラコサミド、ブリバラセタム、トラマドール、オキシコドン、モルヒネ、フェンタニル、メタドン、デキストロメトルファン、メマンチン、ケタミン、リルゾール、ドロナビノール、THC、カプサイシン、クロニジン、バクロフェン、チザニジン、AVP-923、コハク酸デスベンラファキシン、ビシファジン、OPC-14523、NGX4010、ラルフィナミド、XP-13512、KDS-2000、CNS-5161、V-3381、GW-493838、GW-353162、CCI-1008、SS-RBX、カンナビジオール、RGH-896、SAB-378、TV-1901、ABT-894、TAK-583、およびAGN-203818からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である、(14)に記載の使用。
(19)前記(A)および(B)は、別々に患者に投与されるか、または医薬組成物の形態で患者に投与される、(14)に記載の使用。
(20)神経因性疼痛の治療に使用するための化合物(A)および(B)であって、該(A)および(B)は:
(A)AMPA受容体アンタゴニスト、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物;および
(B)コリンエステラーゼ阻害剤もしくはその医薬的に許容可能な塩;抗神経因性疼痛剤;またはそれらの混合物もしくは組合せ、である化合物(A)および(B)。
(21)(1)〜(6)のいずれか一項に記載の医薬組成物、または(7)〜(13)のいずれか一項に記載の組合せを含む、キット。
(22)神経因性疼痛を治療することを必要とする患者に、治療的有効量の(1)〜(6)のいずれか一項に記載の医薬組成物、または治療的有効量の(7)〜(13)のいずれか一項に記載の組合せを投与する工程を含む、神経因性疼痛を治療するための方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[発明の詳細な説明]
「患者」とは、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトをいう。用語「患者」には、男性および女性が含まれ、成人、小児および乳幼児を含む。一実施形態において、患者は、犬または猫等のペットであってもよい。
【0011】
「活性成分」とは、疾患または障害の治療および/または予防に関与するAMPA受容体アンタゴニスト、コリンエステラーゼ阻害剤、抗神経因性疼痛剤、および本明細書に記載するその他の化合物を指す。上記活性成分は、既知の作用メカニズムを有するものでも、未知の作用メカニズムを有するものでもよく、この活性成分は、1つ以上の作用メカニズムを有することができる。活性成分は、置換基の型に応じて不斉炭素を有してもよく、立体異性体(例えば、幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー等)を有してもよい。活性成分またはその立体異性体は、医薬的に許容可能な塩を形成することができる。活性成分、その医薬的に許容可能な塩、その立体異性体、またはその立体異性体の医薬的に許容可能な塩は、無水物である場合があり、そして溶媒和物を形成する場合もある。活性成分、その医薬的に許容可能な塩、その立体異性体、その立体異性体の医薬的に許容可能な塩またはその溶媒和物は、結晶であっても非晶質のものであってもよい。活性成分、その医薬的に許容可能な塩、その立体異性体、その立体異性体の医薬的に許容可能な塩またはその溶媒和物中には結晶多型が存在してもよいが、これに限定されることなく、任意の型の結晶が単独または組合せで存在してもよく、これらは本発明の範囲内にある。
【0012】
「治療(処置)(treatment)」および「治療する(処置する)(treating)」とは、所望の薬理的効果および/または生理的効果を獲得することをいう。これらの効果は、疾患および/または症状を完全もしくは部分的に妨げるという観点からは予防的であり、そして疾患および/または疾患によって引き起こされる有害事象を完全もしくは部分的に治癒するという観点からは治療的である。「治療」および「治療する」とは、患者の疾患の全ての治療を含み、これらの治療としては、例えば、(a)ある疾患または症状に罹患しやすい疑いがあるが、まだ罹患したとは診断されていない患者において疾患または症状を防ぐこと;(b)疾患の症状を抑制すること、すなわち、症状の進行を抑制または遅らせること;および(c)疾患の症状を軽減すること、すなわち、疾患の症状を後退(reverse)もしくは消去すること;または症状の進行を後退することが挙げられる。
【0013】
本明細書に記載される疾患および障害の治療および/または予防および/または発症を遅らせるために2つ以上の化合物を投与することに関して、「別々に投与される」とは、例えば、任意の順番での化合物の連続投与または化合物の同時投与が挙げられる。化合物の同時投与とは、投与様式に応じて、それらの化合物が実質的に同時にまたは厳密に同時に患者に投与されることを意味する。化合物の連続投与は任意の順番で行ってもよいし、化合物の投与の間の時間は任意で行ってもよい。連続投与は、どの化合物が最初に投与されるべきか、どの化合物が二番目に投与されるべきか、そして化合物の投与の間にどのくらいの時間の中断をとるべきかに影響する因子に基づいて行うことができる。例えば、2つ以上の化合物が別々かつ連続的に投与される場合、いつ患者に化合物を投与するかということに影響する因子としては、例えば、(a)投与する化合物について最良の効能が提供される時間、(b)投与する化合物について副作用が最小限になる時間、(c)化合物の投薬量、(d)化合物の投与経路、(e)治療される疾患または障害、(f)治療される患者、(g)投与される化合物と当該分野で公知の他の因子とのインビボでの関係が挙げられる。連続投与のための時間間隔は、活性成分を組合せて使用する際に治療される疾患または障害に対する効果が、活性成分の一方のみを使用して得られる効果と比較して、相加的なレベルを超えるように選択されることが好ましい。
【0014】
「組合せ(combination)」とは、AMPA受容体アンタゴニストおよび第2の活性成分(例えば、コリンエステラーゼ阻害剤または抗神経因性疼痛剤)が、異なる医薬組成物または製薬(例えば、AMPA受容体アンタゴニストを含む第1の医薬組成物、およびコリンエステラーゼ阻害剤または抗神経因性疼痛剤を含む第2の医薬組成物)として別々に投与されることを指す。別の実施形態では、「組合せ」とは、AMPA受容体アンタゴニスト、第2の活性成分(例えば、コリンエステラーゼ阻害剤)、および第3の活性成分(例えば、抗神経因性疼痛剤)が、異なる医薬組成物または製薬(例えば、AMPA受容体アンタゴニストを含む第1の医薬組成物、コリンエステラーゼ阻害剤を含む第2の医薬組成物、および抗神経因性疼痛剤を含む第3の医薬組成物)として別々に投与されることを指す。医薬組成物または製剤は、投与様式が同じであっても異なっていてもよい。
【0015】
「単剤療法」は、疾患または障害の治療および/または予防のために、1種の活性成分のみを使用する治療である。
【0016】
「併用療法」は、疾患の治療および/または予防のために、2種以上の活性成分が別々に投与される、あるいは医薬組成物の形態で投与される治療である。
【0017】
「治療的有効量」とは、疾患を治療および/または予防するために必要な活性成分の量をいう。2種以上の活性成分が併用療法のために投与される場合、用語「治療的有効量」とは、疾患を治療および/または予防するために必要な活性成分の量をいい、例えば、以下の(a)〜(d)が挙げられる:(a)治療的有効量の第1の活性成分と治療的有効量の第2の活性成分(すなわち、疾患を治療および/または予防するための単剤療法に使用される各活性成分の量が、併用療法のために使用される);(b)治療的有効量の第1の活性成分と治療的有効量より少ない第2の活性成分、これらは組み合せることにより疾患の治療および/または予防を有効に提供する(例えば、治療的有効量よりも少ない第2の活性成分が併用療法において使用されて、第2の活性成分が単剤療法で使用される場合に達成される結果と等しい結果またはそれを超える結果を達成することができる);(c)治療的有効量よりも少ない第1の活性成分と治療的有効量の第2の活性成分、これらは組み合せることにより疾患の治療および/または予防を有効に提供する(例えば、治療的有効量よりも少ない第1の活性成分が併用療法において使用されて、第1の活性成分が単剤療法で使用される場合に達成される結果と等しい結果またはそれを超える結果を達成することができる);ならびに(d)治療的有効量よりも少ない第1の活性成分と治療的有効量よりも少ない第2の活性成分、これらは併用療法において疾患もしくは障害の治療および/または予防を提供する(例えば、治療的有効量よりも少ない第1の活性成分を併用療法において使用して、第1の活性成分が単剤療法で使用される場合に達成される結果と等しい結果またはそれを超える結果を達成することが可能であり、かつ、治療的有効量よりも少ない第2の活性成分を併用療法において使用して、第2の活性成分が単剤療法で使用される場合に達成される結果と等しい結果またはそれを超える結果を達成することが可能である)。3つ以上の活性成分を併用療法に使用する場合は、同様の「治療的有効量/治療的有効量よりも少ない量」で使用できる。例えば、(a)3つ全ての活性成分が治療的有効量である場合があり;(b)2つの活性成分が治療的有効量で、第3の活性成分が治療的有効量よりも少ない量である場合があり;(c)1つの活性成分が治療的有効量で、他の2つの活性成分が治療的有効量よりも少ない量である場合があり;または(d)3つ全ての活性成分が治療的有効量よりも少ない量である場合もある。
【0018】
「キット」は、「市販パッケージ(commercial package)」とも呼ばれ、以下の組合せを含むことができる:(i)AMPA受容体アンタゴニストを含む第1の医薬組成物または製剤;(ii)第2の活性成分(例えば、コリンエステラーゼ阻害剤または抗神経因性疼痛剤)を含む第2の医薬組成物または製剤;(iii)疾患を治療もしくは予防するため、または疾患の発症を遅らせるために医薬組成物または製剤を使用することについての指示書;および(iv)任意に、医薬組成物もしくは製剤を投与するため(例えば、シリンジ、希釈剤、医療用グローブ、手の殺菌剤等)、身体中の薬物レベルをモニタリングするため、薬剤の服用に関して患者のコンプライアンスをサポートするため、または疾患の状態をモニタリングするためのその他の材料。上記キットは、数日間、数週間または数ヶ月間におよび十分な薬剤および材料を供給することができる。別の実施形態において、「キット」は以下を含むことができる:(i)AMPA受容体アンタゴニストと第2の活性成分(例えば、コリンエステラーゼ阻害剤または抗神経因性疼痛剤)との両方を含む医薬組成物または製剤;(ii)疾患を治療もしくは予防するため、または疾患の発症を遅らせるために医薬組成物または製剤を使用するための指示書;および(iii)任意に、医薬組成物もしくは製剤を投与するため(例えば、シリンジ、希釈剤、医療用グローブ、手の殺菌剤等)、身体中の薬物レベルをモニタリングするため、薬剤の服用に関して患者のコンプライアンスをサポートするため、または疾患の状態をモニタリングするためのその他の材料。上記キットは、数日間、数週間または数ヶ月間におよび十分な薬剤および材料を供給することができる。さらに、「キット」は以下の組合せを含むことができる:(i)AMPA受容体アンタゴニストを含む第1の医薬組成物または製剤;(ii)第2の活性成分(例えば、コリンエステラーゼ阻害剤)を含む第2の医薬組成物または製剤;(iii)第3の活性成分(例えば、抗神経因性疼痛剤)を含む第3の医薬組成物または製剤;(iv) 疾患を治療もしくは予防するため、または疾患の発症を遅らせるために医薬組成物または製剤を使用するための指示書;および(v)任意に、医薬組成物もしくは製剤を投与するため(例えば、シリンジ、希釈剤、医療用グローブ、手の殺菌剤等)、身体中の薬物レベルをモニタリングするため、薬剤の服用に関して患者のコンプライアンスをサポートするため、または疾患の状態をモニタリングするためのその他の材料。上記キットは、数日間、数週間または数ヶ月間におよび十分な薬剤および材料を供給することができる。別の実施形態では、「キット」は以下を含むことができる:(i)AMPA受容体アンタゴニスト、第2の活性成分(例えば、コリンエステラーゼ阻害剤)、および第3の活性成分(例えば、抗神経因性疼痛剤)の全てを含む医薬組成物または製剤;(ii)疾患を治療もしくは予防するため、または疾患の発症を遅らせるために医薬組成物または製剤を使用するための指示書;ならびに(iii)任意に、医薬組成物もしくは製剤を投与するため(例えば、シリンジ、希釈剤、医療用グローブ、手の殺菌剤等)、身体中の薬物レベルをモニタリングするため、薬剤の服用に関して患者のコンプライアンスをサポートするため、または疾患の状態をモニタリングするためのその他の材料。上記キットは、数日間、数週間または数ヶ月間におよび十分な薬剤および材料を供給することができる。
【0019】
「溶媒和物」は当該分野で周知である。溶媒和物は、医薬的に許容可能な溶媒和物であることが好ましい。医薬的に許容可能な溶媒和物は、水和物または非水和物のいずれであってもよいが、好ましくは水和物である。水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の溶媒を使用することができる。
【0020】
「水和物」は、結晶の水分子を含む化合物をいう。結晶の水分子は、1個以上(例えば、1〜10個)の整数値をとってもよいし、0よりも大きい任意の分数でも1〜10の整数の分数でもよい。例えば、水和物は、化合物・1/4 H2O;化合物・1/2 H2O;化合物・3/4 H2O;化合物・2H2O;化合物・5 1/2 H2O;化合物・6H2O等として表すことができる。「化合物」は、3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン等、本明細書に記載のいずれのものであってもよい。
【0021】
「医薬的に許容可能な塩」は当該分野で周知であり、これらとしては、無機酸の塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩およびリン酸塩)、ならびに有機酸の塩(例えば、ギ酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩およびトルエンスルホン酸塩)が挙げられる。特定の置換基が選択される場合、本発明の化合物は、例えば、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩またはマグネシウム塩)、有機アミン塩(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、ジシクロヘキシルアミンまたはN,N’-ジベンジルエチレンジアミンとの塩)を形成することができる。当業者は、本発明の化合物を他の任意の医薬的に許容可能な塩の形態として作製することができることを認識するであろう。
【0022】
「神経因性疼痛」とは、通常は組織の損傷に伴う複合的な慢性の痛みの状態をいう。神経因性疼痛の場合、神経線維自体が傷ついている場合もあるし、機能不全になっている場合もあるし、損傷を受けている場合もある。これらの損傷を受けた神経線維は、他の痛み中枢に間違ったシグナルを送る。神経線維損傷の影響は、損傷部位と損傷の周辺領域との両方における神経機能の変化を含む。神経因性疼痛の症状としては、うずくような痛み及び焼けるような痛み(shooting and burning pain)ならびに/または刺痛および痺れを挙げることができる。神経因性疼痛は、当該分野で公知の任意の神経因性疼痛の疾患または障害であり得る。神経因性疼痛の一例は、幻影肢症候群と呼ばれる。これは、病気または損傷のために腕または脚が切断されているのに、失われた肢から本来インパルスを伝える神経からの痛みメッセージを脳が依然として受け取る場合に起こる。これらの神経は、意図された効果をあげず、痛みを引き起こす。神経因性疼痛には、はっきりとした原因がないようである場合が多いが、神経因性疼痛の原因の例としては、アルコール症;切断;背中、脚および腰の問題;化学療法;糖尿病;顔面神経の問題;HIV感染;AIDS;多発性硬化症;帯状ヘルペス;脊柱の手術などが挙げられる。
【0023】
神経因性疼痛の例としては以下が挙げられる:1)エントラップメントニューロパシー、有痛性瘢痕、部分的または完全な切断(transsection)、開胸術後(post-tharacotomy)、灼熱痛(causalgia)、および断端痛を含む外傷性単神経障害により引き起こされる疼痛;2)糖尿病性単神経障害、神経痛性筋萎縮症、糖尿病性筋萎縮症、悪性神経/神経叢侵襲(malignant nerve/plexus invasion)、ヘルペス後神経因性疼痛、放射性神経叢障害(radiation plexopathy)、三叉神経因性疼痛、結合組織疾患、および舌咽神経因性疼痛を含む他の単神経障害および多発性単神経障害により引き起こされる疼痛;3)(a)糖尿病、アルコール依存症、ペラグラ、アミロイド、脚気、ストラチャン病(Strachan’s)(ジャマイカ神経障害)、キューバ神経障害、タンザニア神経障害、および灼熱足症候群(burning feet syndrome)を含む代謝/栄養異常により生じるもの、(b)イソニアジド、シスプラチン、ビンクリスチン、ニトロフラントイン、およびジスルフィラムを含む1つ以上の薬剤により生じるもの、(c)タリウム、ヒ素、およびクリオキノールを含む1つ以上の毒性物質により生じるもの、(d)ファブリー病および優先遺伝性感覚神経障害を含む遺伝性神経障害、(e)骨髄腫および癌を含む悪性腫瘍により生じるもの、(f)急性突発性多発性神経障害(ギラン・バレー)および突発性神経障害を含むその他により生じるものを含む多発性神経障害により引き起こされる疼痛;4)脳および脊髄における血管病変、外傷性脊髄傷害、脊髄空洞症および延髄空洞症、腫瘍、膿瘍、脱髄、ならびに幻肢痛によって引き起こされる中心性疼痛。
【0024】
神経因性疼痛の診断は、患者の病歴、および物理的試験からの結果に基づいて行う。
【0025】
一実施形態において、本明細書に記載する方法および組成物で使用するAMPA受容体アンタゴニストは、当該分野で公知のいずれのものであってもよい。AMPA受容体アンタゴニストの例(全て活性成分)としては、1,2-ジヒドロピリジン化合物、キノキサリンジオンアミノアルキルホスホン酸塩等が挙げられる。
【0026】
別の実施形態において、AMPA受容体アンタゴニストは、ベカンパネル、EGIS 8332(7-アセチル-5-(4-アミノフェニル)-8,9-ジヒドロ-8-メチル-7H-1,3-ジオキソロ[4,5-h][2,3]ベンゾジアゼピン-8-カルボニトリル);GYKI 47261(4-(7-クロロ-2-メチル-4H-3,10,10a-トリアザ-ベンゾ[f]アズレン-9-イル)フェニルアミン));イラムパネル(irampanel)(N,N-ジメチル-2-[2-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)フェノキシ]エタンアミン);KRP 199((7-[4-[[[[4-カルボキシフェニル)-アミノ]カルボニル]オキシ]メチル]-1H-イミダゾール-1-イル]-3,4-ジヒドロ-3-オキソ-6-(トリフルオロメチル)-2-キノキサリンカルボン酸);NS 1209(2-[[[5-[4-[(ジメチルアミノ)-スルホニル]フェニル]-1,2,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-8-メチル-2-オキソ- 3H-ピロロ[3,2-h]イソキノリン-3-イリデン]アミノ]オキシ]-4-ヒドロキシブタン酸モノナトリウム塩);トピラメート(topiramate)(TOPAMAX(登録商標));タランパネル(LY-300164、(R)-7-アセチル-5-(4-アミノフェニル)-8,9-ジヒドロ(dibydro)-8 メチル-7H-1,3-ジオキソロ[4,5-h][2,3]ベンゾ-ジアゼピン;YM9OK(6-イミダゾール-1-イル-7-ニトロ-1,4-ジヒドロ(dibydro)-キノキサリン-2,3-ジオン);S-34730(7-クロロ-6-スルファモイル-2-(1H)-キノリノン-3-ホスホン酸);ゾナンパネル(Zonampanel)(YM-872;(7-イミダゾール-1-イル-6-ニトロ-2,3-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-キノキサリン-1-イル)-酢酸);GYKI 52466 (4-(8-メチル-9H-1,3-ジオキサ-6,7-ジアザ-シクロヘプタ[f]インデン-5-イル)-フェニルアミン);ZK 200775(MPQX、(7-モルホリン-4-イル-2,3-ジオキソ-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノキサリン-1-イルメチル)-ホスホン酸);CP-465022(3-(2-クロロフェニル)-2-[2-(6-ジエチルアミノメチル-ピリジン-2-イル)-ビニル]-6-フルオロ-3H-キナゾリン-4-オン);SYM-2189(4-(4-アミノ-フェニル)-6-メトキシ-1-メチル-1H-フタラジン-2-カルボン酸プロピルアミド);SYM-2206(8-(4-アミノ-フェニル)-5-メチル-5H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]フタラジン-6-カルボン酸プロピルアミド);RPR-117824((4-オキソ-2-ホスホノ-5,10-ジヒドロ-4H-イミダゾ[1,2-a]インデノ[1,2-e]ピラジン-9-イル)-酢酸);またはLY-293558(6-[2-(1H-テトラゾール-5-イル)-エチル]-デカヒドロ-イソキノリン-3-カルボン酸)であり得る。
【0027】
別の実施形態において、AMPA受容体アンタゴニストは、1,2-ジヒドロピリジン化合物である。本明細書に記載の方法および組成物において使用される1,2-ジヒドロピリジン化合物は、当該分野で公知のいずれのものであってもよい。「1,2-ジヒドロピリジン化合物」という用語には、1,2-ジヒドロピリジン化合物、1,2-ジヒドロピリジン化合物の医薬的に許容可能な塩、1,2-ジヒドロピリジン化合物の立体異性体、1,2-ジヒドロピリジン化合物の立体異性体の医薬的に許容可能な塩、1,2-ジヒドロピリジン化合物の水和物、1,2-ジヒドロピリジン化合物の医薬的に許容可能な塩の水和物、1,2-ジヒドロピリジン化合物の水和物の立体異性体、および1,2-ジヒドロピリジン化合物の医薬的に許容可能な塩の水和物の立体異性体が含まれる。
【0028】
本明細書に記載する方法および組成物に使用する1,2-ジヒドロピリジン化合物は、式(I)の化合物であり得る:
【化4】


式中、QはNH、OまたはSであり;
R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1-6アルキル、または-X-Aであり;
Xは、単結合、必要により置換されたC1-6アルキレン、必要により置換されたC2-6アルケニレン、必要により置換されたC2-6アルキニレン、-O-、-S-、-CO-、-SO-、-SO2-、-N(R6)- 、-N(R7)-CO-、-CO-N(R8)-、-N(R9)-CH2-、-CH2-N(R10)-、-CH2-CO-、-CO-CH2-、-N(R11)-S(O)m-、-S(O)n-N(R12)-、-CH2-S(O)p-、-S(O)q-CH2-、-CH2-O-、-O-CH2-、-N(R13)-CO-N(R14)-または-N(R15)-CS-N(R16)であり;
R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキルまたはC1-6アルコキシであり;
m、n、pおよびqは、それぞれ独立して0、1または2の整数であり;
Aは、必要により置換されたC3-8シクロアルキル、必要により置換されたC3-8シクロアルケニル、必要により置換された5〜14員の非芳香族ヘテロ環式環、必要により置換されたC6-14芳香族炭化水素環式環、または必要により置換された5〜14員の芳香族ヘテロ環式環である;ただし、R1、R2、R3、R4およびR5のうち3つの基は-X-Aであり、R1、R2、R3、R4およびR5のうち残った2つの基は、独立して、水素、ハロゲンまたはC1-6アルキルである。
【0029】
一実施形態において、以下の化合物は、式(I)の化合物の範囲から除外される:(1)QがOであり;R1およびR5が水素であり;ならびにR2、R3およびR4がフェニルである場合;(2)QがOであり;R1およびR4が水素であり;ならびにR2、R3およびR5がフェニルである場合;そして(3)QがOであり;R1およびR2が水素であり;ならびにR3、R4およびR5がフェニルである場合。
【0030】
別の実施形態において、本明細書に記載する方法および組成物で使用する1,2-ジヒドロピリジン化合物は、式(II)の化合物である:
【化5】


式中、QはNH、OまたはSであり;
X1、X2およびX3は、それぞれ独立して、単結合、必要により置換されたC1-6アルキレン、必要により置換されたC2-6アルケニレン、必要により置換されたC2-6アルキニレン、-O-、-S-、-CO-、-SO-、-SO2-、-N(R6)- 、-N(R7)-CO-、-CO-N(R8)-、-N(R9)-CH2-、-CH2-N(R10)-、-CH2-CO-、-CO-CH2-、-N(R11)-S(O)m-、-S(O)n-N(R12)-、-CH2-S(O)p-、-S(O)q-CH2-、-CH2-O-、-O-CH2-、-N(R13)-CO-N(R14)-または-N(R15)-CS-N(R16)であり;
R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキルまたはC1-6アルコキシであり;
m、n、pおよびqは、それぞれ独立して0、1または2の整数であり;
A1、A2およびA3は、それぞれ独立して、必要により置換されたC3-8シクロアルキル、必要により置換されたC3-8シクロアルケニル、必要により置換された5〜14員の非芳香族ヘテロ環式環、必要により置換されたC6-14芳香族炭化水素環式環、または必要により置換された5〜14員の芳香族ヘテロ環式環であり;そして
R17およびR18は、それぞれ独立して、水素、ハロゲンまたはC1-6アルキルである。
【0031】
別の実施形態において、本発明は、式(II)の化合物(式中、X1、X2およびX3は、それぞれ独立して、単結合、必要により置換されたC1-6アルキレン、必要により置換されたC2-6アルケニレンまたは必要により置換されたC2-6 アルキニレンである)を提供する。置換基は、-O-、-S-、-CO-、-SO-、-SO2-、-N(R6)-、-N(R7)-CO-、-CO-N(R8)-、-N(R9)-CH2-、-CH2-N(R10)-、-CH2-CO-、-CO-CH2-、-N(R11)-S(O)m-、-S(O)n-N(R12)-、-CH2-S(O)p-、-S(O)q-CH2-、-CH2-O-、-O-CH2-、-N(R13)-CO-N(R14)-および-N(R15)-CS-N(R16)-の1つ以上であってよく;
R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキルまたはC1-6アルコキシであり;
m、n、pおよびqは、それぞれ独立して0、1または2の整数であり;
A1、A2およびA3は、それぞれ独立して、必要により置換されたC3-8シクロアルキル、必要により置換されたC3-8シクロアルケニル、必要により置換された5〜14員の非芳香族ヘテロ環式環、必要により置換されたC6-14芳香族炭化水素環式環、または必要により置換された5〜14員の芳香族ヘテロ環式環である。
【0032】
本発明の1,2-ジヒドロピリジン化合物のための置換基は、以下のもののうちの1つ以上であってよい:ヒドロキシ;ハロゲン;ニトリル;ニトロ;C1-6アルキル;C2-6アルケニル;C2-6アルキニル[ここで、アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、独立して、かつ必要により、ヒドロキシ、ニトリル、ハロゲン、C1-6アルキルアミノ、ジ(C1-6アルキル)アミノ、C2-6アルケニルアミノ、ジ(C2-6アルケニル)アミノ、C2-6アルキニルアミノ、ジ(C2-6アルキニル)アミノ、N-C1-6アルキル-N-C2-6アルケニルアミノ、N-C1-6アルキル-N-C2-6アルキニルアミノ、N-C2-6アルケニル-N-C2-6アルキニルアミノ、アラルキルオキシ、TBDMSオキシ、C1-6アルキルスルホニルアミノ、C1-6アルキルカルボニルオキシ、C2-6 アルケニルカルボニルオキシ、C2-6アルキニルカルボニルオキシ、N-C1-6アルキルカルバモイル、N-C2-6アルケニルカルバモイルおよびN-C1-6アルキニルカルバモイルから選択される1つ以上の基で置換され得る];C1-6アルコキシ;C2-6アルケニルオキシ;C2-6アルキニルオキシ[ここで、アルコキシ、アルケニルオキシおよびアルキニルオキシは、独立して、かつ必要により、C1-6アルキルアミノ、アラルキルオキシおよびヒドロキシから選択される1つ以上の基で置換され得る];C1-6アルキルチオ;C2-6アルケニルチオ;C2-6アルキニルチオ[ここで、アルキルチオ、アルケニルチオおよびアルキニルチオは、独立して、かつ必要により、ヒドロキシ、ニトリル、ハロゲン、C1-6アルキルアミノ、アラルキルオキシ、TBDMSオキシ、C1-6アルキルスルホニルアミノ、C1-6アルキルカルボニルオキシおよびC1-6アルキルカルバモイルから選択される1つ以上の基によって置換され得る];必要により置換されたカルボニル[これは、C1-6アルコキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、ジ(C1-6アルキル)アミノ、C2-6アルケニルアミノ、ジ(C2-6アルケニル)アミノ、C2-6アルキニルアミノ、ジ(C2-6アルキニル)アミノ、N-C1-6アルキル-N-C2-6アルケニルアミノ、N-C1-6アルキル-N-C2-6アルキニルアミノおよびN-C2-6アルケニル-N-C2-6アルキニルアミノによって置換され得る];必要により置換されたアミノ[これは、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルキルスルホニル、C2-6アルケニルスルホニル、C2-6アルキニルスルホニル、C1-6アルキルカルボニル、C2-6アルケニルカルボニルおよびC2-6アルキニルカルボニルから選択される1つまたは2つの基で置換され得る];C1-6アルキルスルホニル;C2-6アルケニルスルホニル;C2-6アルキニルスルホニル;C1-6アルキルスルフィニル;C2-6アルケニルスルフィニル;C2-6 アルキニルスルフィニル;ホルミル;必要により置換されたC3-8シクロアルキル;必要により置換されたC3-8シクロアルケニル[ここで、シクロアルキル基および/またはシクロアルケニル基は、独立して、かつ必要により、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトリル、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシ、C1-6アルキルオキシC1-6アルキルおよびアラルキルから選択される1つ以上の基によって置換され得る];5〜14員の非芳香族ヘテロ環式環[これは、必要により、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトリル、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシ、C1-6アルキルオキシC1-6アルキルおよびアラルキルから選択される1つ以上の基によって置換され得る];C6-14芳香族炭化水素環式環[これは、必要により、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトリル、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシ、C1-6 アルキルオキシC1-6アルキルおよびアラルキルから選択される1つ以上の基によって置換され得る];ならびに5〜14員の芳香族ヘテロ環式環[これは、必要により、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトリル、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシ、C1-6アルキルオキシC1-6アルキルおよびアラルキルから選択される1つ以上の基によって置換され得る]。
【0033】
別の実施形態において、本発明は、式(II)の化合物(式中、A1、A2およびA3は、それぞれ独立して、必要により置換されたC3-8シクロアルキル、必要により置換されたC3-8シクロアルケニルまたは必要により置換された5〜14員の非芳香族へテロ環である)を提供する。別の実施形態において、本発明は、式(II)の化合物(式中、A1、A2およびA3は、それぞれ独立して、必要により置換されたC6-14 芳香族炭化水素環または必要により置換された5〜14員の芳香族へテロ環である)を提供する。別の実施形態において、本発明は、式(II)の化合物(式中、A1、A2およびA3は、それぞれ独立して、フェニル、ピロリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、チアゾリル、フリル、ナフチル、キノリル、iso-キノリル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾピリジル、カルバゾリル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、ジオキシニル、アダマンチル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリル(morpholyl)であり;これらはいずれも、必要により置換基を有していてもよい)を提供する。別の実施形態において、本発明は、式(II)の化合物(式中、A1、A2およびA3は、それぞれ独立して:
【化6】


(これらのうちのいずれも、必要により置換され得る)から選択される)を提供する。別の実施形態において、本発明は、式(II)の化合物(式中、A1、A2およびA3は、それぞれ独立して、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノまたはニトリルで置換される)を提供する。別の実施形態において、本発明は、式(II)の化合物(式中、A1、A2およびA3は、それぞれ独立して、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、ニトリルまたはニトロである)を提供する。別の実施形態において、本発明は、式(II)の化合物(式中、Qは酸素である)を提供する。
【0034】
別の実施形態において、本発明は、式(I)または(II)の化合物(式中、X1、X2およびX3は、それぞれ独立して、単結合、-CH2-、-CH(OH)-、-CH2-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-O-または-CO-である)を提供する。別の実施形態において、本発明は、式(I)または(II)の化合物(式中、X1、X2およびX3は、それぞれ単結合である)を提供する。別の実施形態において、本発明は、式(I)または(II)の化合物(式中、R17およびR18は、それぞれ独立して、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル、エチル、n-プロピルまたはiso-プロピルである)を提供する。別の実施形態において、本発明は、式(I)または(II)の化合物(式中、R17およびR18は、それぞれ水素である)を提供する。
【0035】
本発明の1,2-ジヒドロピリジン化合物に関して、ハロゲン原子とは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等を示し、好ましい原子としては、フッ素、塩素および臭素が挙げられる。
【0036】
本発明の1,2-ジヒドロピリジン化合物に関して、C1-6アルキルとは、1〜6個の炭素を有するアルキル基をいい、例としては、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、2-エチルプロピル、n-ヘキシル、1-メチル-1-エチルプロピル、1-エチル-2-メチルプロピル、1,1,2-トリメチルプロピル、1-プロピルプロピル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル等の直鎖または分岐鎖のアルキル基が挙げられる。
【0037】
本発明の1,2-ジヒドロピリジン化合物に関して、C2-6アルケニルとは、2〜6個の炭素を有するアルケニル基をいい、例としては、ビニル、アリル、1-プロペニル、2-プロペニル、iso-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、3-メチル-1-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、3-メチル-2-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-ペンテニル、1-ヘキセニル、1,3-ヘキサジエニル、1,6-ヘキサジエニル等が挙げられる。
【0038】
本発明の1,2-ジヒドロピリジン化合物に関して、C2-6アルキニルとは、2〜6個の炭素を有するアルキニル基をいい、例としては、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、3-メチル-1-プロピニル、1-エチニル-2-プロピニル、2-メチル-3-プロピニル、1-ペンチニル、1-ヘキシニル、1,3-ヘキサジイニル(hexadiynyl)、1,6-ヘキサジイニル等が挙げられる。
【0039】
本発明の1,2-ジヒドロピリジン化合物に関して、C1-6アルコキシとは、1〜6個の炭素を有するアルコキシ基をいい、例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、iso-プロポキシ、sec-プロポキシ、n-ブトキシ、iso-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、iso-ペンチルオキシ、sec-ペンチルオキシ、n-ヘキシオキシ、iso-ヘキシオキシ、1,1-ジメチルプロポキシ、1,2-ジメチルプロポキシ、2,2-ジメチルプロポキシ、2-エチルプロポキシ、1-メチル-2-エチルプロポキシ、1-エチル-2-メチルプロポキシ、1,1,2-トリメチルプロポキシ、1,1,2-トリメチルプロポキシ、1,1-ジメチルブトキシ、1,2-ジメチルブトキシ、2,2-ジメチルブトキシ、2,3-ジメチルブトキシ、1,3-ジメチルブトキシ、2-エチルブトキシ、1,3-ジメチルブトキシ、2-メチルペントキシ、3-メチルペントキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。
【0040】
本発明の1,2-ジヒドロピリジン化合物に関して、C2-6アルキニルオキシとは、2〜6個の炭素原子を有するアルキニルオキシ基をいい、例としては、エチニルオキシ、1-プロピニルオキシ、2-プロピニルオキシ、1-ブチニルオキシ、2-ブチニルオキシ、3-ブチニルオキシ、1-メチル-2-プロピニルオキシ、1-エチル-2-プロピニルオキシ、1-エチニル-2-プロピニルオキシ、1-ペンチニルオキシ、1-ヘキシニルオキシ、1,3-ヘキサジニルオキシ、1,6-ヘキサジニルオキシ等が挙げられる。
【0041】
本発明の1,2-ジヒドロピリジン化合物に関して、C2-6アルケニルオキシとは、2〜6個の炭素を有するアルケニルオキシ基をいい、例としては、ビニルオキシ、2-プロペニルオキシ、1-プロペニルオキシ、2-プロペニルオキシ、iso-プロペニルオキシ、2-メチル-1-プロペニルオキシ、3-メチル-1-プロペニルオキシ、2-メチル-2-プロペニルオキシ、3-メチル-2-プロペニルオキシ、1-ブテニルオキシ、2-ブテニルオキシ、3-ブテニルオキシ、1-ペンテニルオキシ、1-ヘキセニルオキシ、1,3-ヘキサジエニルオキシ、1,6-ヘキサジエニルオキシ等が挙げられる。
【0042】
本発明の1,2-ジヒドロピリジン化合物に関して、C3-8シクロアルキルとは、3〜8個の炭素原子で構成されるシクロアルキル基をいい、例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられる。
【0043】
本発明の1,2-ジヒドロピリジン化合物に関して、C3-8シクロアルケニルとは、3〜8個の炭素原子で構成されるシクロアルケニル基をいい、例としては、シクロプロペン-1-イル、シクロプロペン-3-イル、シクロブテン-1-イル、シクロブテン-3-イル、1,3-シクロブタジエン-1-イル、シクロペンテン-1-イル、シクロペンテン-3-イル、シクロペンテン-4-イル、1,3-シクロペンタジエン-1-イル、1,3-シクロペンタジエン-2-イル、1,3-シクロペンタジエン-5-イル、シクロヘキセン-1-イル、シクロヘキセン-3-イル、シクロヘキセン-4-イル、1,3-シクロヘキサジエン-1-イル、1,3-シクロヘキサジエン-2-イル、1,3-シクロヘキサジエン-5-イル、1,4-シクロヘキサジエン-3-イル、1,4-シクロヘキサジエン-1-イル、シクロヘプテン-1-イル、シクロヘプテン-3-イル、シクロヘプテン-4-イル、シクロヘプテン-5-イル、1,3-シクロヘプテン-2-イル、1,3-シクロヘプテン-1-イル、1,3-シクロヘプタジエン-5-イル、1,3-シクロヘプタジエン-6-イル、1,4-シクロヘプタジエン-3-イル、1,4-シクロヘプタジエン-2-イル、1,4-シクロヘプタジエン-1-イル、1,4-シクロヘプタジエン-6-イル、1,3,5-シクロヘプタトリエン-3-イル、1,3,5-シクロヘプタトリエン-2-イル、1,3,5-シクロヘプタトリエン-1-イル、1,3,5-シクロヘプタトリエン-7-イル、シクロオクテン-1-イル、シクロオクテン-3-イル、シクロオクテン-4-イル、シクロオクテン-5-イル、1,3-シクロオクタジエン-2-イル、1,3-シクロオクタジエン-1-イル、1,3-シクロオクタジエン-5-イル、1,3-シクロオクタジエン-6-イル、1,4-シクロオクタジエン-3-イル、1,4-シクロオクタジエン-2-イル、1,4-シクロオクタジエン-1-イル、1,4-シクロオクタジエン-6-イル、1,4-シクロオクタジエン-7-イル、1,5-シクロオクタジエン-3-イル、1,5-シクロオクタジエン-2-イル、1,3,5-シクロオクタトリエン-3-イル、1,3,5-シクロオクタトリエン-2-イル、1,3,5-シクロオクタトリエン-1-イル、1,3,5-シクロオクタトリエン-7-イル、1,3,6-シクロオクタトリエン-2-イル、1,3,6-シクロオクタトリエン-1-イル、1,3,6-シクロオクタトリエン-5-イル、1,3,6-シクロオクタトリエン-6-イル基等が挙げられる。
【0044】
本発明の1,2-ジヒドロピリジン化合物に関して、5〜14員の非芳香族ヘテロ環式環とは、窒素、硫黄および酸素から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む、単環式、二環式または三環式の5〜14員の非芳香族ヘテロ環式環をいう。具体的な例としては、ピロリジニル、ピロリル、ピペリジニル、ピペラジニル、イミダゾリル、ピラゾリジル、イミダゾリジル、モルホリル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、ピロリニル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラニル、イミダゾリニル、オキサゾリニル等が挙げられる。さらに、ピリドン環および非芳香族縮合環に由来する基(例えば、フタルイミド環、スクシンイミド環等に由来する基)もまた、非芳香族へテロ環式環に含まれる。
【0045】
本発明の1,2-ジヒドロピリジン化合物に関して、C6-14芳香族炭化水素環式環およびアリール(C6-14aromatic hydrocarbocyclic ring and the aryl)とは、6〜14個の炭素原子から構成される芳香族炭化水素環式環、単環式環、および縮合した二環式環、三環式環等を意味する。具体的な例としては、フェニル、インデニル、1-ナフチル、2-ナフチル、アズレニル、ヘプタレニル、ビフェニル、インデニル(indathenyl)、アセナフチル、フルオレニル、フェナレニル、フェナントレニル、アントラセニル、シクロペンタシクロオクテニル、ベンゾシクロオクテニル等が挙げられる。
【0046】
本発明の1,2-ジヒドロピリジン化合物に関して、5〜14員の芳香族ヘテロ環式環およびヘテロアリール環とは、窒素、硫黄および酸素から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む単環式、二環式または三環式の5〜14員の芳香族ヘテロ環式環を意味する。具体的な例としては、(1)ピロリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリル、iso-インドリル、インドリジニル、プレニル、インダゾリル、キノリル、iso-キノリル、キノリジニル(quinoliziyl)、フタラジル、ナフチルイジニル(naphthylidinyl)、キノキサリル(quinoxalyl)、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、イミダゾトリアジニル、ピラジノピリダジニル、アクリジニル、フェナントリジニル、カルバゾリル、カルバゾリニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル(phenacinyl)、イミダゾピリジニル、イミダゾピリミジニル、ピラゾロピリジニルまたはピラゾロピリジニル等の窒素を含有する芳香族ヘテロ環式環;(2)チエニルまたはベンゾチエニル等の硫黄を含有する芳香族ヘテロ環式環;(3)フリル、ピラニル、シクロペンタピラニル、ベンゾフリルまたはiso-ベンゾフリル等の酸素を含有する芳香族ヘテロ環式環;および(4)チアゾリル、iso-チアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、フェノチアジニル、イソオキサゾリル、フラザニル、フェノキサジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、オキサジアゾリル、ピラゾロオキサジアゾリル(pyrazoloxadiazolyl)、イミダゾチアゾリル、チエノフラニル、フロピロリルまたはピリドキサジニル(pyridoxadinyl)等の2つ以上の異なるヘテロ原子を含有する芳香族ヘテロ環式環が挙げられる。
【0047】
別の実施形態において、本明細書に記載の方法および組成物において使用される1,2-ジヒドロピリジン化合物は、式(III)の化合物である:
【化7】


(式中、X1、X2、X3、A1、A2、A3、R17およびR18は、上記の式(II)の化合物において定義された意味と同じ意味を有する)。
【0048】
別の実施形態において、本発明は、式(III)の化合物(式中、A1、A2およびA3は、それぞれ独立して、必要により置換されたC6-14芳香族炭化水素環または5〜14員の芳香族へテロ環である)を提供する。別の実施形態において、本発明は、式(III)の化合物(式中、A1、A2およびA3は、それぞれ独立して、フェニル、ピロリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、チアゾリル、フリル、ナフチル、キノリル、iso-キノリル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾピリジル、カルバゾリル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、ジオキシニル、アダマンチル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリル(morpholyl)であり;ここで各々は、必要により置換され得る)を提供する。別の実施形態において、本発明は、式(III)の化合物(式中、A1、A2およびA3は、それぞれ独立して:
【化8】


(これらの各々は、必要により置換され得る)から選択される)を提供する。別の実施形態において、本発明は、式(III)の化合物(式中、A1、A2およびA3における置換基の結合部位は、それぞれ、基X1、X2およびX3に結合する炭素原子のα位にある)を提供する。別の実施形態において、本発明は、式(III)の化合物(式中、X1、X2およびX3は単結合である)を提供する。別の実施形態において、本発明は、式(III)の化合物(式中、R7およびR18は水素である)を提供する。
【0049】
一実施形態において、本明細書に記載の方法および組成物において使用される1,2-ジヒドロピリジン化合物は、化合物Aであることが好ましい:
【化9】


化合物AについてのIUPAC名称は、2-(2-オキソ-1-フェニル-5-ピリジン-2-イル-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)ベンゾニトリルである。化合物Aは、3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オンと呼ばれる場合もある。化合物Aは、ペランパネル(perampanel)としても公知である。
【0050】
本明細書を通して、用語「化合物A」、「2-(2-オキソ-1-フェニル-5-ピリジン-2-イル-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)ベンゾニトリル」、「3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン」および「ペランパネル」は、それらの医薬的に許容可能な塩、それらの立体異性体、それらの立体異性体の医薬的に許容可能な塩、それらの水和物、それらの医薬的に許容可能な塩の水和物、それらの水和物の立体異性体、およびそれらの医薬的に許容可能な塩の水和物の立体異性体を含むことが意図される。別の実施形態において、用語「化合物A」、「2-(2-オキソ-1-フェニル-5-ピリジン-2-イル-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)ベンゾニトリル」、「3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン」および「ペランパネル」は、それらの医薬的に許容可能な塩、それらの水和物およびそれらの医薬的に許容可能な塩の水和物を含むことが意図される。
【0051】
他の実施形態において、本発明の方法および組成物において有用な1,2-ジヒドロピリジン化合物は、以下のものである:3-(2-シアノフェニル)-5-(2-メチルスルホニルアミノフェニル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-クロロ-3-ピリジル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン; 3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-ニトロフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-アミノフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-メチルスルホニルアミノフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-メチルアミノフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-ジメチルアミノフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-[3-(5-メトキシメチル-2-オキサゾリジノン-3-イル)-フェニル]-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-メトキシカルボニルフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-メチルアミノカルボニルフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノ-3-ピリジル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-クロロフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(4-ヒドロキシフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-クロロフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(4-ジメチルアミノエトキシフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-ホルミルフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-ヒドロキシメチルフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-シアノメチルフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-アセチルアミノメチルフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-メチルスルホニルアミノメチルフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-アセトキシメチルフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(4-メチルチオフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ホルミルチオフェン-3-イル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ジエチルアミノメチルチオフェン-3-イル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ヒドロキシメチルチオフェン-3-イル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-ベンジル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-フェニル-(2-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-1,5-ジフェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-メトキシフェニル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(3,4-ジメトキシフェニル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(チオフェン-3-イル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-フルオロフェニル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(チオフェン-2-イル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(3-フルフリル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-フルフリル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-クロロフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-メトキシカルボニルフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-フェニル-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-フルオロフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-クロロフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-メトキシフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-フルオロ-3-ピリジル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(4-メトキシ-3-ピリジル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-フルオロ-3-ピリジル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-メトキシフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-フルオロ-3-ピリジル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-フルオロフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(4-フルオロフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-フルオロフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(4-メトキシフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-メトキシ-フェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-フェニル-5-(2-ピリジル)-1-(3-フルオロフェニル-)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-クロロフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(4-フルオロフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(4-ホルミルフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(2-ホルミルフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-クロロフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-トリル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(チオフェン-3-イル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-フルフリル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(4-トリル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(4-トリフルオロメチルフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(2-メトキシピリジン-5-イル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(ピリミジン-5-イル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-ベンジルオキシメチルピリジン-5-イル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(2-エチルチオピリジン-5-イル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(4-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-メトキシピリジン-5-イル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(2-クロロピリジン-5-イル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(2-フルオロピリジン-5-イル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(2-メトキシフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-フェニル-5-(2-ピリジル)-1-(3-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-クロロフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(チオフェン-3-イル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2,6-ジメチルフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノチオフェン-3-イル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-フルオロ-3-ピリジル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-クロロフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-ヒドロキシフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-クロロフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-ジメチルアミノエトキシフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-クロロフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(3-ジメチルアミノプロポキシフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(2-ヒドロキシメチルフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(4-シアノメチルフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(2-シアノメチルフェニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(6-ジエチルアミノメチル-2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-1-フェニル-5-(2-ピリミジニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-ヒドロキシピリジン-6-イル)-1-フェニル-5-(2-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;1-(2-アミノベンゾチアゾール-6-イル)-3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(1-ベンジル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-5-イル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-[2-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)フェニル]-1-フェニル-5-(2-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(6-メチルピリジン-2-イル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(5-メチルピリジン-2-イル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(3-ヒドロキシピリジン-2-イル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-1-フェニル-5-(2-チアゾリル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-メトキシピリジン-6-イル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;1-(4-アミノフェニル)-3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;1-(3-アミノフェニル)-3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリミジニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(2-アミノトルエン-4-イル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-1-[3-(ジメチルアミノエトキシ)フェニル]-5-(2-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-1-[3-(ピペリジノエトキシ)フェニル]-5-(2-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-1-[3-(ピロリジノエトキシ)フェニル]-5-(2-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-1-[3-(ジイソプロピルアミノエトキシ(diisoproylaminoethoxy))フェニル]-5-(-2-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-1-[3-(4-ピペリジノブチル-1-オキシ)フェニル]-5-(2-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-1-(4-ニトロフェニル)-5-(2-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;1-フェニル-5-(2-ピリジル)-3-(2-チアゾリル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-1-(3-ピリジル)-5-(2-ピリミジニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-フルオロピリジン-3-イル)-1-フェニル-5-(2-ピリミジニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノピリジン-3-イル)-1-フェニル-5-(2-ピリミジニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-1-(3-ニトロフェニル)-5-(2-ピリミジニル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-ニトロフェニル)-1-フェニル-5-(2-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-ホルミルチオフェン-3-イル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(2-ナフチル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(1-ナフチル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;5-(2-アミノピリジン-6-イル)-3-(2-シアノフェニル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;5-(2-ブロモピリジン-6-イル)-3-(2-シアノフェニル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-モルホリノピリジン-6-イル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロ
ピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-1-(3-ヒドロキシフェニル)-5-(2-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-1-[3-(4-ピペリジルオキシ)]フェニル-5-(2-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;1-[3-(N-アセチルピペリジン-4-イル-オキシ)フェニル]-3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-1-{3-[1-(メタンスルホニル)ピペリジン-4-イル-オキシ]フェニル}-5-(2-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;1-[3-(N-メチルピペリジン-4-イル-オキシ)フェニル]-3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(6-クロロ-1H-ベンズイミダゾール-2-イル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-(2-ニトロトルエン-4-イル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-(2-シアノチオフェン-3-イル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-[2-(5-オキサゾリル)フェニル]-1-フェニル-5-(2-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;3-[2-(5-オキサゾリル)チオフェン-3-イル]-1-フェニル-5-(2-ピリジル)-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;および3-(2-エトキシカルボニルビニルチオフェン-3-イル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン。
【0052】
上記1,2-ジヒドロピリジン化合物および上記1,2-ジヒドロピリジン化合物を作製するための方法は、米国特許第6,949,571号、米国公開公報2004/0023973号、ならびにPCT国際公開公報WO 03/047577、WO 04/009553、WO 06/004100、WO 06/004107、WO07/072868、およびWO07/072869に記載されており、これらの開示は、その全体が本明細書に参考として組み込まれる。
【0053】
キノキサリンジオンアミノアルキルホスホネート等の他のAMPA受容体アンタゴニストの投与方法、用量およびその作製方法は、例えば、WO 2005/094797およびWO 98/17672に記載されている。
【0054】
一実施形態において、本明細書に記載されている方法および組成物に使用する化合物はコリンエステラーゼ阻害剤である。コリンエステラーゼ阻害剤は、当該分野で公知のいずれのものであってもよい。「コリンエステラーゼ阻害剤」という用語は、コリンエステラーゼ阻害剤、コリンエステラーゼ阻害剤の医薬的に許容可能な塩、コリンエステラーゼ阻害剤の立体異性体、およびコリンエステラーゼ阻害剤の立体異性体の医薬的に許容可能な塩を含む。コリンエステラーゼ阻害剤の例としては、ドネペジル、タクリン、フィゾスチグミン、ピリドスチグミン、ネオスチグミン、リバスチグミン、ガランタミン、シチコリン、ベルナクリン、ヒューペルジン(例えば、ヒューペルジン A)、メトリホナート、ヘプタスチグミン(heptastigmine)、エドロホニウム(edrophonium)、フェンセリン、トルセリン、フェネチルノルシムセリン、キロスチグミン、ガンスチグミン、エプタスチグミン(epastigmine)、アプレアジン(upreazine)、3-[1-(フェニルメチル)-4-ピペリジニル]-1-(2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1-ベンザゼピン-8-イル)-1-プロパノン、(2-[2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)エチル]-2,3-ジヒドロ-9-メトキシ-1H-ピロロ[3,4-b]キノリン-1-オン)等が挙げられる。一実施形態において、コリンエステラーゼ阻害剤またはその医薬的に許容可能な塩は、ドネペジルまたはその医薬的に許容可能な塩;リバスチグミンまたはその医薬的に許容可能な塩;およびガランタミンまたはその医薬的に許容可能な塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である。一実施形態において、コリンエステラーゼ阻害剤は、ドネペジル、タクリン、ガランタミン、またはリバスチグミンである。
【0055】
一実施形態において、本明細書に記載する方法および組成物に使用するコリンエステラーゼ阻害剤は、式(IV)の化合物である:
【化10】


式中、Jは、(a)(i)フェニル、(ii)ピリジル、(iii)ピラジル、(iv)キノリル、(v)シクロヘキシル、(vi)キノキサリルおよび(vii)フリルから選択される置換基もしくは非置換基;(b)一価もしくは二価の基であって、その基においてフェニルは、(i)インダニル、(ii)インダノニル、(iii)インデニル、(iv)インデノニル、(v)インダンジオニル、(vi)テトラロニル、(vii)ベンゾスベロニル、(viii)インダノリルおよび(ix)C6H5-CO-CH(CH3)-から選択される1つ以上の置換基を有し得る、一価もしくは二価の基;(c)環状アミド化合物から誘導される一価の基;(d)低級アルキル;または(e)R21-CH=CH-(式中、R21は水素もしくは低級アルコキシカルボニルである)であり;Bは、-(CHR22)r-、-CO-(CHR22)r-、-NR4-(CHR22)r-、-CO-NR5-(CHR22)r-、-CH=CH-(CHR22)r-、-OCOO-(CHR22)r-、-OOC-NH-(CHR22)r-、-NH-CO-(CHR22)r-、-CH2-CO-NH-(CHR22)r-、-(CH2)2-NH-(CHR22)r-、-CH(OH)-(CHR22)r-、=(CH-CH=CH)b-、=CH-(CH2)c-、=(CH-CH)d=、-CO-CH=CH-CH2-、-CO-CH2-CH(OH)-CH2-、-CH(CH3)-CO-NH-CH2-、-CH=CH=CO-NH-(CH2)2-、-NH-、-O-、-S-、ジアルキルアミノアルキル-カルボニルまたは低級アルコキシカルボニルであり;R4は、水素、低級アルキル、アシル、低級アルキルスルホニル、フェニル、置換フェニル、ベンジルまたは置換ベンジルであり;R5は、水素、低級アルキルまたはフェニルであり;rは、0または1〜10の整数であり;R22は、水素またはメチルであり、その結果、1つのアルキレン基はメチル分岐を有さないか、または1つ以上のメチル分岐を有することができ;bは、1〜3の整数であり;cは、0または1〜9の整数であり;dは、0または1〜5の整数であり;Tは、窒素または炭素であり;Qは、窒素、炭素または
【化11】


であり;
qは、1〜3の整数であり;Kは、水素、フェニル、置換フェニル、フェニルが置換基を有し得るアリールアルキル、シンナミル、低級アルキル、ピリジルメチル、シクロアルキルアルキル、アダマンタンメチル、フリルメチル、シクロアルキル、低級アルコキシカルボニルまたはアシルであり;ならびに
【化12】


は、単結合または二重結合である。
【0056】
式(IV)の化合物において、Jは好ましくは(a)または(b)であり、より好ましくは(b)である。(b)の定義において、一価の基(2)、(3)および(5)、ならびに二価の基(2)が好ましい。基(b)は、以下に示される式を含むことが好ましい:
【化13】


(式中、tは1〜4の整数であり;かつ、Sはそれぞれ独立して水素または置換基(例えば、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルまたは1〜6個の炭素原子を有する低級アルコキシ)である)。置換基のなかでも、メトキシが最も好ましい。フェニルは、該フェニル上に1〜3個のメトキシを有するものが最も好ましい。(S)tは、フェニルの2つの隣接する炭素上でメチレンジオキシまたはエチレンジオキシを形成することができる。上記の基のなかでも、フェニル上に必要により置換基を有するインダノニル、インダンジオニルおよびインデニルが最も好ましい。
【0057】
Bの定義において、-(CHR22)r-、-CO-(CHR22)r-、=(CH-CH=CH)b-、=CH-(CH2)c-および=(CH-CH)d= が好ましい。基-(CHR22)r-(式中、R22は水素であり、rは1〜3の整数である)および基 =CH-(CH2)c- が最も好ましい。Bの好ましい基は、Jの(b)(特に(b)(2))と結合することができる。式(I)においてTおよびQを含む環は、5員であっても6員であっても7員であってもよい。Qは窒素であり、Tは炭素または窒素であり、かつqは2であるか;Qは窒素であり、Tは炭素であり、かつqは1もしくは3であるか;またはQは炭素であり、Tは窒素であり、かつqは2であることが好ましい。Kは、フェニル、アリールアルキル、シンナミル、フェニルアルキルまたはフェニル上に置換基を有するフェニルアルキルであることが好ましい。
【0058】
一実施形態において、本明細書に記載する方法および組成物で使用するコリンエステラーゼ阻害剤は、式(V)の化合物である:
【化14】


(式中、R1は、(1)置換または非置換のフェニル;(2)置換または非置換のピリジル;(3)置換または非置換のピラジル;(4)置換または非置換のキノリル;(5)置換または非置換のインダニル;(6)置換または非置換のシクロヘキシル;(7)置換または非置換のキノキサリル;(8)置換または非置換のフリル;(9)置換または非置換のフェニルを有するインダノンから誘導される一価または二価の基;(10)環状アミド化合物から誘導される一価の基;(11)低級アルキル;あるいは(12)式R3-CH=C-の基(式中、R3は、水素原子または低級アルコキシカルボニルである)であり;Xは、-(CH2)n-、-C(O)-(CH2)n-、-N(R4)-(CH2)n-、-C(O)-N(R5)-(CH2)n-、-CH=CH-(CH2)n-、-O-C(O)-O-(CH2)n-、-O-C(O)-NH-(CH2)n-、-CH=CH-CH=CO-、-NH-C(O)-(CH2)n-、-CH2-C(O)-NH-(CH2)n-、-(CH2)2-C(O)-NH-(CH2)n-、-CH(OH)-(CH2)n-、-C(O)-CH=CH-CH2-、-C(O)-CH2-CH(OH)-CH2-、-CH(CH3)-C(O)-NH-CH2-、-CH=CH-C(O)-NH-(CH2)2-、ジアルキルアミノアルキルカルボニル、低級アルコキシカルボニルであり; nは0〜6の整数であり;R4は、水素、低級アルキル、アシル、低級アルキルスルホニル、置換もしくは非置換のフェニル、または置換もしくは非置換のベンジルであり;かつR5は、水素、低級アルキルまたはフェニルであり;R2は、置換もしくは非置換のフェニル;置換もしくは非置換のアリールアルキル;シンナミル;低級アルキル;ピリジルメチル;シクロアルキルアルキル;アダマンタンメチル;またはフロイルメチル (furoylmethyl)であり;および
【化15】


は、単結合または二重結合である)。
【0059】
本明細書に記載するコリンエステラーゼ阻害剤に関して、用語「低級アルキル」とは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキルを意味する。「低級アルキル」基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル(アミル)、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、1,2-ジメチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1-メチルペンチル、2-メチル-ペンチル、3-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチル-ブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、1-エチル-2-メチルプロピル等が挙げられる。低級アルキルは、好ましくは、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルであり、より好ましくはメチルである。
【0060】
本明細書に記載するコリンエステラーゼ阻害剤に関して、R1の定義中の置換または非置換のフェニル、ピリジル、ピラジル、キノリル、インダニル、シクロヘキシル、キノキサリルおよびフリルについての置換基の具体的な例としては、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル基、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチルおよびtert-ブチル基;上記の低級アルキルに対応する低級アルコキシ、例えば、メトキシおよびエトキシ基;ニトロ;ハロゲン、例えば、塩素、フッ素および臭素;カルボキシル;上記の低級アルコキシに対応する低級アルコキシカルボニル、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、およびn-ブチルオキシカルボニル基;アミノ;低級モノアルキルアミノ;低級ジアルキルアミノ;カルバモイル;1〜6個の炭素原子を有する脂肪族飽和モノカルボン酸から誘導されるアシルアミノ、例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、イソブチリルアミノ、バレリルアミノおよびピバロイルアミノ;シクロアルキルオキシカルボニル、例えば、シクロヘキシルオキシカルボニル;低級アルキルアミノカルボニル、例えば、メチルアミノカルボニルおよびエチルアミノカルボニル;上記定義された低級アルキルに対応する低級アルキルカルボニルオキシ、例えば、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシおよびn-プロピルカルボニルオキシ;ハロゲン化低級アルキル、例えば、トリフルオロメチル;ヒドロキシル;ホルミル;ならびに低級アルコキシ低級アルキル、例えば、エトキシメチル、メトキシメチルおよびメトキシエチルが挙げられる。置換基の上記定義における「低級アルキル」および「低級アルコキシ」は、上記言及された基から誘導される全ての基を含む。置換基は1、2または3個であってよく、同じであっても異なっていてもよい。
【0061】
本明細書に記載するコリンエステラーゼ阻害剤に関して、置換基がフェニルである場合、以下は置換フェニルの範囲内にある:
【化16】


(式中、Gは、-C(O)-、-O-C(O)-、-O-、-CH2-NH-C(O)-、-CH2-O-、-CH2-SO2-、-CH(OH)-または-CH2-S((R)O)-であり;Eは炭素または窒素であり;そしてDは置換基である)。
【0062】
本明細書に記載するコリンエステラーゼ阻害剤に関して、フェニルについての置換基(すなわち、「D」)の好ましい例としては、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、ハロゲン化低級アルキル、低級アルコキシカルボニル、ホルミル、ヒドロキシル、および低級アルコキシ低級アルキル、ハロゲン、ならびにベンゾイル(benzyol)およびベンジルスルホニルが挙げられる。置換基は2つ以上であってよく、同じであっても異なっていてもよい。ピリジルについての置換基の好ましい例としては、低級アルキルおよびアミノおよびハロゲンが挙げられる。ピラジルについての置換基の好ましい例としては、低級アルコキシカルボニル、カルボキシル、アシルアミノ、カルバモイルおよびシクロアルキルオキシカルボニルが挙げられる。
【0063】
本明細書に記載するコリンエステラーゼ阻害剤に関して、R1については、ピリジルは、2-ピリジル、3-ピリジルまたは4-ピリジルであることが好ましく;ピラジルは、2-ピラジニルであることが好ましく;キノリルは、2-キノリルまたは3-キノリルであることが好ましく;キノキサリニルは、2-キノキサリニルまたは3-キノキサリニルであることが好ましく;そしてフリルは、2-フリルであることが好ましい。
【0064】
本明細書に記載するコリンエステラーゼ阻害剤に関して、非置換もしくは置換のフェニルを有するインダノンから誘導される一価または二価の基の具体的な例としては、式(A)または(B)が挙げられる:
【化17】


(式中、mは1〜4の整数であり、Aはそれぞれ、独立して、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、ハロゲン、カルボキシル、低級アルコキシカルボニル、アミノ、低級モノアルキルアミノ、低級ジアルキルアミノ、カルバモイル、1〜6個の炭素原子を有する脂肪族飽和モノカルボン酸から誘導されるアシルアミノ、シクロアルキルオキシカルボニル、低級アルキルアミノカルボニル、低級アルキルカルボニルオキシ、ハロゲン化低級アルキル、ヒドロキシル、ホルミル、または低級アルコキシ低級アルキルであり;好ましくは、水素、低級アルキルまたは低級アルコキシであり;最も好ましくは、インダノンは、非置換であるか、または1〜3個のメトキシで置換されている)。
【0065】
本明細書に記載するコリンエステラーゼ阻害剤に関して、環状アミド化合物から誘導される一価の基の例としては、キナゾロン、テトラヒドロイソキノリノン、テトラヒドロベンゾジアゼピノンおよびヘキサヒドロベンズアゾシノン(hexahydrobenzazocinone)が挙げられる。一価の基は、その構造式中に環状アミドを有するいずれのものであってもよく、上記の具体例に限定されるものではない。環状アミドは、単環式環または縮合へテロ環式環から誘導されるいずれのものでもよい。縮合へテロ環式環は、フェニルとの縮合によって形成されるものが好ましい。その場合、フェニルは、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル基(好ましくは、メチル)または1〜6個の炭素原子を有する低級アルコキシ(好ましくは、メトキシ)で置換することができる。
【0066】
本明細書に記載するコリンエステラーゼ阻害剤に関して、一価の基の例としては、以下のものを挙げることができる:
【化18】


上記の式において、Yは、水素または低級アルキルであり;VおよびUは、各々、水素または低級アルコキシ(好ましくは、ジメトキシ)であり;W1およびW2は、各々、水素、低級アルキルまたは低級アルコキシであり;そしてW3は、水素または低級アルキルである。式(j)および(l)の右側の環は7員環であり、式(k)の右側の環は8員環である。
【0067】
本明細書に記載するコリンエステラーゼ阻害剤に関して、R1の最も好ましい例としては、非置換または置換のフェニル基を有するインダノンから誘導される一価の基、および環状アミド化合物から誘導される一価の基が挙げられる。本明細書に記載するコリンエステラーゼ阻害剤に関して、Xの最も好ましい例としては、-(CH2)n-、アミドまたは上記の式によって表される基(式中、nは2である)が挙げられる。従って、式
【化19】


によって表される基の任意の位置にカルボニルまたはアミドを有することが最も好ましい。
【0068】
本明細書に記載するコリンエステラーゼ阻害剤に関して、R2の上記定義において、「置換または非置換のフェニル」および「置換または非置換のアリールアルキル」という表現に関わる置換基は、R1の定義においてフェニル、ピリジル、ピラジル、キノリル、インダニル、シクロヘキシル、キノキサリルまたはフリルの上記の定義で記載された置換基と同じである。用語「アリールアルキル」は、非置換のベンジルまたはフェネチル等を意味することが意図される。ピリジルメチルの具体的な例としては、2-ピリジルメチル、3-ピリジルメチルおよび4-ピリジルメチルが挙げられる。R2の好ましい例としては、ベンジルおよびフェネチルが挙げられる。記号:
【化20】


は、二重結合または単結合を意味する。R1が非置換または置換のフェニル環を有するインダノンから誘導される二価の基(B)である場合のみ結合は二重結合であり、その他の場合には単結合である。
【0069】
一実施形態において、本明細書に記載する方法および組成物で使用するコリンエステラーゼ阻害剤は、式(VI)の化合物である:
【化21】


(式中、rは1〜10の整数であり;R22はそれぞれ独立して水素またはメチルであり;Kは、フェナルキル(phenalkyl)またはフェニル上に置換基を有するフェナルキルであり;Sはそれぞれ独立して水素、C1-6低級アルキルまたはC1-6低級アルコキシであり;tは、1〜4の整数であり;qは、1〜3の整数であり;ただし、(S)tは、フェニルの2つの隣接する炭素原子に結合したメチレンジオキシまたはエチレンジオキシであってよい)。
【0070】
他の実施形態において、式(VI)の化合物は、1-ベンジル-4-((5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル)メチルピペリジン;1-ベンジル-4-((5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イリンデニル(ylindenyl))メチルピペリジン;1-ベンジル-4-((5-メトキシ-1-インダノン)-2-イル)メチルピペリジン;1-ベンジル-4-((5,6-ジエトキシ-1-インダノン)-2-イル)メチルピペリジン;1-ベンジル-4-((5,6-メチレンジオキシ-1-インダノン)-2-イル)メチルピペリジン;1-(m-ニトロベンジル)-4-((5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル)メチルピペリジン;1-シクロヘキシルメチル-4-((5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル)メチルピペリジン;1-(m-フルオロベンジル)-4-((5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル)メチルピペリジン;1-ベンジル-4-((5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル)プロピルピペリジン;1-ベンジル-4-((5-イソプロポキシ-6-メトキシ-1-インダノン)-2-イル)メチルピペリジン;1-ベンジル-4-((5,6-ジメトキシ-1-オキソインダノン)-2-イル)プロペニルピペリジン;それらのうちの1つ以上の医薬的に許容可能な塩;それらのうちの1つ以上の立体異性体;またはそれらの1つ以上の立体異性体の医薬的に許容可能な塩である。
【0071】
他の実施形態において、本明細書に記載する方法および組成物で使用する式(VI)の化合物は、式(B)により表される1-ベンジル-4-((5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル)メチルピペリジンである:
【化22】

【0072】
ドネペジルとして知られる式(B)の化合物は、多型または結晶多型(polymorphic crystal)の形態で存在し得る。例えば、ドネペジルは、多型(II)、(III)、(IV)または(V);好ましくは多型(III)の形態で存在し得る。ドネペジルは、結晶多型(A)、(B)または(C)の形態で存在し得る。多型、結晶多型、ならびに多型および結晶多型の製造方法は、米国特許第5,985,864号、同第6,140,321号、および同第6,245,911号に記載されている(これらの開示は、その全体が本明細書において参考として組み込まれる)。
【0073】
さらに別の実施形態において、式(III)の化合物は、塩酸ドネペジルとしても知られる1-ベンジル-4-((5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル)塩酸メチルピペリジンであり、式(B1)により表される:
【化23】

【0074】
本発明の化合物は、置換基に応じて不斉炭素原子、および立体異性体を有してもよく、これらは本発明の範囲内にある。例えば、ドネペジルまたはそれらの医薬的に許容可能な塩は、特開平4-187674および特開平4-21670(これらの開示は、その全体が本明細書において参考として組み込まれる)に記載されている形態で存在し得る。
【0075】
特開平4-187674は、式(B2)の化合物(塩酸塩等の医薬的に許容可能な塩の形態で存在してもよい)を記載している:
【化24】

【0076】
特開平4-21670は、式(B3)の化合物(塩酸塩等の医薬的に許容可能な塩の形態で存在してもよい):
【化25】


式(B4)の化合物(塩酸塩等の医薬的に許容可能な塩の形態で存在してもよい):
【化26】


および、式(B5)の化合物:
【化27】


を記載している。
【0077】
本明細書全体にわたり、「ドネペジル」および「1-ベンジル-4-((5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル)メチルピペリジン)」という用語は、以下のうちの1つ以上(例えば、これらの2つ以上の組合せ)を含むことを意図する:医薬的に許容可能な塩;立体異性体;多型;および結晶多型。
【0078】
本発明のコリンエステラーゼ阻害剤は、市販されているか、または当該分野で公知の方法により調製でき、例えば、米国特許第4,895,841号、同第5,985,864号、同第6,140,321号および同第6,245,911号;WO98/39000、ならびに特開平4-187674号および特開平4-21670等に記載されている(これらの開示は、その全体が本明細書において参考として組み込まれる)。
【0079】
本発明の方法および組成物において使用する抗神経因性疼痛剤は、当該分野で公知のいずれであってもよい。抗神経因性疼痛剤としては、例えば、ナトリウムチャネル遮断薬、カルシウムチャネル阻害剤/モジュレーター、抗鬱薬、抗痙攣剤、抗不整脈剤、グルタミン酸アンタゴニスト、筋弛緩剤、抗癇癪剤、NMDAアンタゴニスト、カンナビノイド受容体アゴニスト、オピオイド、アセチルコリン受容体アゴニスト、α2アドレナリンアゴニスト、CGRPアンタゴニスト、およびTRPV1リガンドが挙げられる。抗神経因性疼痛剤のその他の例としては、ガバペンチン、プレガバリン、デュロキセチン、メキシレチン、リドカイン、アミトリプチリン、イミプラミン、クロミプラミン、デシプラミン、ノルトリプチリン、マプロチリン、パロキセチン、フルオキセチン、シタロプラム、ベンラファキシン、ブプロピオン、カルバマゼピン、オクスカルバゼピン、フェニトイン、ラモトリギン、バルプロ酸塩、トピラメート、レベチラセタム、チアガビン、ラコサミド、ブリバラセタム、トラマドール、オキシコドン、モルヒネ、フェンタニル、メタドン、デキストロメトルファン、メマンチン、ケタミン、リルゾール、ドロナビノール、THC、カプサイシン、クロニジン、バクロフェン、チザニジン、AVP-923、コハク酸デスベンラファキシン、ビシファジン、OPC-14523、NGX4010、ラルフィナミド、XP-13512、KDS-2000、CNS-5161、V-3381、GW-493838、GW-353162、CCI-1008、SS-RBX、カンナビジオール、RGH-896、SAB-378、TV-1901、ABT-894、TAK-583、およびAGN-203818が挙げられる。一実施形態において、抗神経因性疼痛剤は、ガバペンチン、プレガバリン、デュロキセチン、メキシレチン、リドカイン、アミトリプチリン、イミプラミン、クロミプラミン、デシプラミン、ノルトリプチリン、マプロチリン、パロキセチン、フルオキセチン、シタロプラム、ベンラファキシン、ブプロピオン、カルバマゼピン、オクスカルバゼピン、フェニトイン、ラモトリギン、バルプロ酸塩、トピラメート、レベチラセタム、チアガビン、ラコサミド、ブリバラセタム、トラマドール、オキシコドン、モルヒネ、フェンタニル、メタドン、デキストロメトルファン、メマンチン、ケタミン、リルゾール、ドロナビノール、THC、カプサイシン、クロニジン、バクロフェン、チザニジン、AVP-923、コハク酸デスベンラファキシン、ビシファジン、OPC-14523、NGX4010、ラルフィナミド、XP-13512、KDS-2000、CNS-5161、V-3381、GW-493838、GW-353162、CCI-1008、SS-RBX、カンナビジオール、RGH-896、SAB-378、TV-1901、ABT-894、TAK-583、およびAGN-203818からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である。抗神経因性疼痛剤は、市販されているか、または文献で周知の方法により調製することができる。
【0080】
別の実施形態において、本発明は、治療的有効量の:(i)少なくとも1つのAMPA受容体アンタゴニスト、(ii)少なくとも1つのコリンエステラーゼ阻害剤、および(iii)少なくとも1つの医薬的に許容可能な賦形剤、を含む医薬組成物を提供する。本発明はまた、治療的有効量の:(i)少なくとも1つのAMPA受容体アンタゴニスト;および(ii)少なくとも1つのコリンエステラーゼ阻害剤を含む組合せであって、該化合物は、本明細書に記載する疾患または障害を治療するために患者に別々に(例えば、同時に、連続して)投与することができる、組合せも提供する。本発明は、治療的有効量の:(i)少なくとも1つのAMPA受容体アンタゴニスト、(ii)少なくとも1つのコリンエステラーゼ阻害剤、ならびに(iii)本明細書に記載する疾患および障害の治療における(i)および(ii)の同時、別々、または連続した使用のための指示書、を含むキット(例えば、市販パッケージ)を提供する。AMPA受容体アンタゴニストは、本明細書に記載のいずれのものであってもよい。例えば、1,2-ジヒドロピリジン化合物は、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、または化合物Aであり得る。コリンエステラーゼ阻害剤は、本明細書に記載するいずれのものであってもよい。例えば、コリンエステラーゼ阻害剤は、式(IV)の化合物、式(V)の化合物、式(VI)の化合物、式(B)の化合物、式(B1)の化合物、式(B2)の化合物、式(B3)の化合物、式(B4)の化合物、または式(B5)の化合物であり得る。別の実施形態において、コリンエステラーゼ阻害剤は、タクリン、フィゾスチグミン、ピリドスチグミン、ネオスチグミン、リバスチグミン、ガランタミン、シチコリン、ベルナクリン、ヒューペルジン(例えば、ヒューペルジン A)、メトリホナート、ヘプタスチグミン、エドロホニウム、フェンセリン、トルセリン、フェネチルノルシムセリン、キロスチグミン、ガンスチグミン、エプタスチグミン、アプレアジン、3-[1-(フェニルメチル)-4-ピペリジニル]-1-(2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1-ベンザゼピン-8-イル)-1-プロパノン、または(2-[2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)エチル]-2,3-ジヒドロ-9-メトキシ-1H-ピロロ[3,4-b]キノリン-1-オン)であり得る。一実施形態において、本発明は、治療的有効量の:(i)ドネペジル;(ii) 3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;および(iii)少なくとも1つの医薬的に許容可能な賦形剤、を含む医薬組成物を提供する。医薬組成物、組合せ、およびキットは、任意に、少なくとも1つの抗神経因性疼痛剤をさらに含んでもよい。
【0081】
本発明は、治療的有効量の:(i)少なくとも1つのAMPA受容体アンタゴニスト、(ii)少なくとも1つの抗神経因性疼痛剤、および(iii)少なくとも1つの医薬的に許容可能な賦形剤、を含む医薬組成物を提供する。本発明はまた、治療的有効量の:(i)少なくとも1つのAMPA受容体アンタゴニスト、および(ii)少なくとも1つの抗神経因性疼痛剤を含む組合せであって、該化合物は、本明細書に記載する疾患または障害を治療するために、患者に別々に(例えば、同時に、連続して)投与することができる、組合せも提供する。本発明は、治療的有効量の:(i)少なくとも1つのAMPA受容体アンタゴニスト、(ii)少なくとも1つの抗神経因性疼痛剤、ならびに(iii)本明細書に記載する疾患および障害の治療における(i)および(ii)の同時、別々、または連続した使用のための指示書、を含むキット(例えば、市販パッケージ)を提供する。AMPA受容体アンタゴニストは、本明細書に記載のいずれのものであってもよい。例えば、1,2-ジヒドロピリジン化合物は、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、または式(A)の化合物であり得る。抗神経因性疼痛剤は、本明細書に記載するいずれのものであってもよい。例えば、抗神経因性疼痛剤は、ガバペンチン、プレガバリン、デュロキセチン、アミトリプチリン、またはデキストロメトルファンであってもよい。医薬組成物、組合せ、およびキットは、任意に、少なくとも1つのコリンエステラーゼ阻害剤をさらに含んでもよい。
【0082】
別の実施形態において、本発明は、治療的有効量の:(i)少なくとも1つのAMPA受容体アンタゴニスト、(ii)少なくとも1つのコリンエステラーゼ阻害剤、(iii)少なくとも1つの抗神経因性疼痛剤、および(iv)少なくとも1つの医薬的に許容可能な賦形剤、を含む医薬組成物を提供する。本発明はまた、治療的有効量の:(i)少なくとも1つのAMPA受容体アンタゴニスト、(ii)少なくとも1つのコリンエステラーゼ阻害剤、および(iii)少なくとも1つの抗神経因性疼痛剤を含む組合せであって、該化合物は、本明細書に記載する疾患または障害を治療するために患者に別々に(例えば、同時に、連続して)投与することができる、組合せも提供する。本発明は、治療的有効量の:(i)少なくとも1つのAMPA受容体アンタゴニスト、(ii)少なくとも1つのコリンエステラーゼ阻害剤、(iii)少なくとも1つの抗神経因性疼痛剤、ならびに(iv)本明細書に記載する疾患および障害の治療における(i)〜(iii)の同時、別々、または連続した使用のための指示書、を含むキット(例えば、市販パッケージ)を提供する。AMPA受容体アンタゴニストは、本明細書に記載のいずれのものであってもよい。例えば、1,2-ジヒドロピリジン化合物は、式(I)の化合物、式(II)の化合物、式(III)の化合物、または化合物Aであり得る。コリンエステラーゼ阻害剤は、本明細書に記載するいずれのものであってもよい。例えば、コリンエステラーゼ阻害剤は、式(IV)の化合物、式(V)の化合物、式(VI)の化合物、式(B)の化合物、式(B1)の化合物、式(B2)の化合物、式(B3)の化合物、式(B4)の化合物、または式(B5)の化合物であり得る。別の実施形態において、コリンエステラーゼ阻害剤は、タクリン、フィゾスチグミン、ピリドスチグミン、ネオスチグミン、リバスチグミン、ガランタミン、シチコリン、ベルナクリン、ヒューペルジン(例えば、ヒューペルジン A)、メトリホナート、ヘプタスチグミン、エドロホニウム、フェンセリン、トルセリン、フェネチルノルシムセリン、キロスチグミン、ガンスチグミン、エプタスチグミン、アプレアジン、3-[1-(フェニルメチル)-4-ピペリジニル]-1-(2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1-ベンザゼピン-8-イル)-1-プロパノン、または(2-[2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)エチル]-2,3-ジヒドロ-9-メトキシ-1H-ピロロ[3,4-b]キノリン-1-オン)であり得る。抗神経因性疼痛剤は、本明細書に記載するいずれのものであってもよい。例えば、抗神経因性疼痛剤は、ガバペンチン、プレガバリン、デュロキセチン、アミトリプチリン、またはデキストロメトルファンであってもよい。一実施形態において、本発明は、治療的有効量の:(i)ドネペジル;(ii) 3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;(iii)少なくとも1つの抗神経因性疼痛剤、および(iv)少なくとも1つの医薬的に許容可能な賦形剤、を含む医薬組成物を提供する。
【0083】
本発明は、治療的有効量の:(a)少なくとも1つのAMPA受容体アンタゴニスト、および(b)を投与することにより神経因性疼痛の治療および/または予防を必要とする患者における神経因性疼痛を治療および/または予防する方法であって、(b)は治療的有効量の(i)少なくとも1つのコリンエステラーゼ阻害剤;(ii)少なくとも1つの抗神経因性疼痛剤;または(iii)少なくとも1つのコリンエステラーゼ阻害剤および少なくとも1つの抗神経因性疼痛剤である、方法を提供する。神経因性疼痛の治療方法は、(i)神経因性疼痛の頻度を減らす方法、(ii)神経因性疼痛の重症度を低くする方法、(iii)神経因性疼痛の継続時間を短くする方法、(iv)神経因性疼痛の頻度を減らし、重症度を低くする方法、(v)神経因性疼痛の頻度を減らし、継続時間を短くする方法、(vi)神経因性疼痛の重症度を低くし、継続時間を短くする方法、ならびに(vii)神経因性疼痛の頻度を減らし、重症度を低くし、継続時間を短くする方法を含む。神経因性疼痛の治療方法は、神経因性疼痛に起因する1つ以上の症状を治療する方法を含む。AMPA受容体アンタゴニスト、ならびにコリンエステラーゼ阻害剤および/または抗神経因性疼痛剤は、患者に別々に投与してもよいし、医薬組成物の形態で投与されてもよい。
【0084】
本発明は、治療的有効量の:(a)少なくとも1つのAMPA受容体アンタゴニスト、および(b)を投与することにより患者の糖尿病性神経障害を治療および/または予防する方法であって、(b)は治療的有効量の:(i)少なくとも1つのコリンエステラーゼ阻害剤;(ii)少なくとも1つの抗神経因性疼痛剤;または(iii)少なくとも1つのコリンエステラーゼ阻害剤および少なくとも1つの抗神経因性疼痛剤である、方法を提供する。糖尿病性神経障害の治療方法は、(i)糖尿病性神経障害の頻度を減らす方法、(ii)糖尿病性神経障害の重症度を低くする方法、(iii)糖尿病性神経障害の継続時間を短くする方法、(iv)糖尿病性神経障害の頻度を減らし、重症度を低くする方法、(v)糖尿病性神経障害の頻度を減らし、継続時間を短くする方法、(vi)糖尿病性神経障害の重症度を低くし、継続時間を短くする方法、ならびに(vii)糖尿病性神経障害の頻度を減らし、重症度を低くし、継続時間を短くする方法を含む。糖尿病性神経障害の治療方法は、糖尿病性神経障害に起因する1つ以上の症状を治療する方法を含む。糖尿病性神経障害はまた、有痛性糖尿病性神経障害または糖尿病性神経因性疼痛とも呼ばれる場合がある。糖尿病性神経障害は、糖尿病のよくある合併症であり、患者に自律神経および感覚の問題を引き起こす。糖尿病性神経因性疼痛は、糖尿病人口の約10%にみとめられる。糖尿病性神経因性疼痛は、自然発生によってもまたは刺激によっても引き起こされ、重度または難治性であり得る。糖尿病性神経因性疼痛は、焼けるような痛み(burning)、しびれてピリピリする感覚(pins and needles)、うずくような痛み(shooting)、ズキズキ(aching)、突き刺すような痛み(jabbing)、鋭痛(sharpe)、痙攣、刺痛、冷たい、または異痛と説明される場合がある。
【0085】
本発明の組合せ、キットおよび/または医薬組成物に含まれる製剤の剤形(投薬形態)は、特に限定されない。本発明の組合せ、キットおよび/または医薬組成物は、神経因性疼痛を治療するため;神経因性疼痛を予防するため;ならびに神経因性疼痛の発症を遅らせるための組合せ、キットおよび/または医薬組成物として有用である。
【0086】
本発明の組合せ、キットおよび/または医薬組成物は、神経因性疼痛を治療するため;神経因性疼痛を予防するため;ならびに神経因性疼痛の発症を遅らせるための薬剤として使用することができる。
【0087】
本発明の組合せ、キットおよび/または医薬組成物は、患者に投与することができる。
【0088】
本発明の組合せ、キットおよび/または医薬組成物は、経口投与または非経口投与によって使用することができる。本発明の組合せ、キットおよび/または医薬組成物が使用される場合、本発明の化合物の投与される用量は、患者の症状の程度、年齢、性別、体重および感受性の差、投与の様式、投与期間、投与間隔、医薬製剤の性質、処方およびタイプ、ならびに活性成分のタイプに応じて異なる。
【0089】
本発明の医薬組成物は、種々の形態(例えば、経口用固形製剤、注射用溶液等)にすることができる。
【0090】
本発明のAMPA受容体アンタゴニストおよびその他の化合物(例えば、コリンエステラーゼ阻害剤、抗神経因性疼痛剤)は、従来の医薬的に許容可能な非毒性担体、アジュバント、およびビヒクルを所望に応じて含む投薬単位製剤として、経口的、局所的、非経口的、吸引(経鼻もしくは経口)、または経直腸的に投与することができる。非経口という用語には、皮下、静脈内、筋内、髄腔内、胸骨内への注射または注入技術が含まれる。
【0091】
経口投与の場合、本発明のAMPA受容体アンタゴニスト(例えば、3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン)の一日の用量は、通常、30μg/日〜10 g/日;100μg/日〜5 g/日;または100μg/日〜100 mg/日である。注射による投与の場合、一日の用量は、通常、30μg/日〜1 g/日;100μg/日〜500 mg/日;または100μg/日〜30 mg/日である。化合物は、一日に一回、または一日に数回に分けて投与される。投薬量に関連して使用する場合、重量数値は、塩、対イオン、水和物等を除いた1,2-ジヒドロピリジンの重量を指す。従って、500 mgの3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オンの等量を得るためには、医薬的に許容可能な塩および/または水和物の追加重量があるために、化合物の医薬的に許容可能な塩および/または水和物を500 mgを超える量で使用する必要がある。
【0092】
本発明のコリンエステラーゼ阻害剤(例えば、ドネペジル)の一日の用量は、通常、0.1 mg/日〜100 mg/日;1 mg/日〜50 mg/日;または3 mg/日〜25 mg/日である。別の実施形態では、一日の用量は、10 mg/日〜20 mg/日;または3 mg/日〜10 mg/日である。化合物は、一日に一回、または一日に数回に分けて投与される。投薬量に関連して使用する場合、重量数値は、塩、対イオン等を除いた本発明のコリンエステラーゼ阻害剤の重量を指す。従って、10 mgのドネペジルの等量を得るためには、塩酸塩の追加重量があるために、塩酸ドネペジルを10 mgを超える量で使用する必要がある。
【0093】
本発明の抗神経因性疼痛剤(例えば、デュロキセチン、アミトリプチリン等の抗鬱薬、ガバペンチン、プレガバリン、カルバマゼピン等の抗痙攣薬、リドカイン、メキシレチン等の抗不整脈剤、ケタミン、メマンチン等のグルタミン酸アンタゴニスト、バクロフェン、チザニジン等の筋弛緩剤、またはモルヒネ、フェンタニル等のオピオイド)の一日の用量は、通常、抗鬱薬については1 mg/日〜300 mg/日、抗痙攣薬については0.5 mg/日〜4000 mg/日、抗不整脈剤については50 mg/日〜1000 mg/日、グルタミン酸アンタゴニストについては5 mg/日〜200 mg/日、筋弛緩剤については1 mg/日〜200 mg/日、またはオピオイドについては0.5 mg/日〜300 mg/日である。化合物は、一日に一回、一日に数回に分けて、または連続して投与される。投薬量に関連して使用する場合、重量数値は、塩、対イオン等を除いた本発明の抗神経因性疼痛剤の重量を指す。従って、抗神経因性疼痛剤の等量を得るためには、塩の追加重量があるために、上記薬剤を記載した重量を超える量で使用する必要がある。
【0094】
子供に投与する場合、用量は場合によって成人のものよりも少なくてもよい。実際の投与方法は、大きく変動し、本明細書に記載する好適な方法から逸脱してもよい。
【0095】
本明細書に記載の他の化合物(例えば、抗神経因性疼痛剤)は、例えば、化合物の用量を記載しているThe Physician’s Desk Reference、および化合物の用量を記載している論文を参照して、当該分野で周知の用量で患者に投与することができる。
【0096】
一実施形態において、投与の様式は、皮下注射、筋肉内注射、静脈内注射または動脈内注射等の注射によるものである。適切な分散剤または湿潤剤、懸濁剤(例えば、メチルセルロース、Polysorbate 80、ヒドロキシエチルセルロース、アカシア、粉末トラガカント、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリオキシエチレン(polyoxytehylene)ソルビタンモノラウレート等)、pH調整剤、緩衝剤、可溶化剤(例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、Polysorbate 80、ニコチンアミド、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、マクロゴール、ヒマシ油脂肪酸のエチルエステル等)、安定剤(例えば、亜硫酸ナトリウムおよびピロ亜硫酸ナトリウム(metasulfite);保存剤の例としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、ソルビン酸、フェノール、クレゾール、クロロクレゾール等)、等張化剤および保存剤を使用して、当該分野に従って注射用調製物(例えば、注射用滅菌水溶液または油性懸濁液)を処方することができる。注射用滅菌調製物は、例えば、非毒性の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒(例えば、1,3-ブタンジオール溶液)に入った注射用滅菌溶液または懸濁液としてもよい。使用することができる許容可能なビヒクルおよび溶媒には、水、リンガー溶液および等張性の塩化ナトリウム溶液がある。さらに、溶媒または懸濁媒質として滅菌固定油が慣用的に使用される。この目的にために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の刺激の少ない固定油を使用することができ、さらに、オレイン酸等の脂肪酸も、注射用調製物において使用することができる。このような調製物は、当該分野で公知の方法によって、凍結乾燥することができる。
【0097】
固体の経口製剤を調製するためには、賦形剤、および必要により、結合剤、崩壊剤、滑剤、着色剤、矯味矯臭剤等を主薬に添加し、次いで、慣用的な方法に従って錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、細粒剤、分散剤、カプセル剤等に成形する。
【0098】
賦形剤としては、例えば、ラクトース、コーンスターチ、スクロース、グルコース、ソルビトール(sorbit)、結晶セルロール、二酸化ケイ素等を使用することができ;結合剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、メチルセルロース、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等を使用することができ;滑剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ等を使用することができ;着色剤としては、薬剤に添加することができるものを使用することができ;矯味矯臭剤としては、例えば、ココアパウダー、メントール、芳香族酸、ペパーミント油、樟脳油、シナモンパウダー等を使用することができる。もちろん、必要な場合には、これらの錠剤および顆粒剤は、糖コーティング、ゼラチンコーティング等により適宜被覆されていてもよい。
【0099】
経口投与のための固体投薬形態としては、チューインガム、カプセル剤、錠剤、舌下剤、粉剤、顆粒剤およびゲルを挙げることができる。このような固体投薬形態において、活性化合物は、ラクトースまたはデンプン等の1つ以上の不活性な希釈剤と混合することができる。慣行として、そのような投薬形態は、他の物質(ステアリン酸マグネシウム等の滑剤が挙げられる)も含むことができる。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、上記投薬形態は、緩衝剤を含むこともできる。錠剤は、腸溶性コーティングまたはフィルムコーティング等(好ましくはフィルムコーティング)で調製することもできる。
【0100】
錠剤を作製するために、ビヒクル(例えば、ラクトース、白砂糖、マンニトール、グルコース、デンプン、炭酸カルシウム、結晶セルロース、ケイ酸等)、結合剤(例えば、水、エタノール、ミラノール(myranol)、グルコース溶液、デンプン溶液、ゼラチン溶液、 ポリビニルピロリドン等)、分解剤(例えば、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、ラクトース等)、吸収促進剤(例えば、第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等)、湿潤剤(例えば、グリセリン、デンプン等)、滑剤(例えば、ステアリン酸、ポリエチレングリコール等)、および矯味矯臭剤(例えば、甘味料)等の当該分野で公知の医薬的に許容可能な担体と化合物とを混合することができる。錠剤は、従来の錠剤、成形剤、カシェ剤等の形態にすることができる。
【0101】
舌下投与とは、口の中での投与(例えば、舌の下、頬と歯肉との間、舌と口蓋との間)をいう。口の中の血管の多い粘膜内層は、化合物を身体に投与するのに好都合な位置である。
【0102】
他の実施形態において、固体投薬形態は、医薬的に許容可能な担体に入れられた、顆粒剤または粉剤としてパッケージされていてもよく、顆粒剤または粉剤は、パッケージから取り出して食物に振りかけられるか、または水もしくはジュース等の液体と混合されるか、あるいは、顆粒剤は、カプセルに封入される。この実施形態において、本明細書に記載の化合物は、矯味矯臭剤または甘味剤と混合することができる。パッケージする材料は、プラスチックでもコーティング紙でもよいし、顆粒剤および/または粉剤に水もしくは湿気が到達することを防ぐ任意の材料でもよい。
【0103】
経口投与のための液体投薬形態としては、当該分野で一般的に使用される不活性な希釈剤(例えば、水)を含む、医薬的に許容可能な乳剤、溶液、舌下用溶液、懸濁液およびシロップを挙げることができる。このような組成物は、アジュバント、例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、ならびに甘味剤、矯味矯臭剤および香料も含むことができる。舌下用溶液を作製するために、化合物は、種々の担体、賦形剤、pH調整剤等(例えば、水、砂糖、乳酸、酢酸、フルクトース、グルコース、サッカリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、アルコール、ベントナイト、トラガカント、ゼラチン、アルギン酸塩、アスパルテーム、ソルビトール、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、人工の矯味矯臭剤および着色剤)と混合することができる。
【0104】
本明細書において引用される特許、特許出願および公報の各々は、その全体が本明細書において参考として組み込まれる。
当業者であれば、添付の特許請求の範囲の趣旨または範囲から逸脱することなく、本発明に対して種々の改変がなされ得ることを理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)AMPA受容体アンタゴニスト、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物;
(B)コリンエステラーゼ阻害剤もしくはその医薬的に許容可能な塩;抗神経因性疼痛剤;またはそれらの混合物もしくは組合せ;および
(C)1つ以上の医薬的に許容可能な担体、を含む医薬組成物。
【請求項2】
前記AMPA受容体アンタゴニスト、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物が、式(III)の化合物、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物であり、該式(III)の化合物は:
【化28】


(式中、X1、X2およびX3は、それぞれ独立して、単結合、必要により置換されたC1-6アルキレン、必要により置換されたC2-6アルケニレン、必要により置換されたC2-6アルキニレン、-O-、-S-、-CO-、-SO-、-SO2-、-N(R6)-、-N(R7)-CO-、-CO-N(R8)-、-N(R9)-CH2-、-CH2-N(R10)-、-CH2-CO-、-CO-CH2-、-N(R11)-S(O)m-、-S(O)n-N(R12)-、-CH2-S(O)p-、-S(O)q-CH2-、-CH2-O-、-O-CH2-、-N(R13)-CO-N(R14)-または-N(R15)-CS-N(R16)であり;R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキルまたはC1-6アルコキシであり;m、n、pおよびqは、それぞれ独立して0、1または2の整数であり;A1、A2およびA3は、それぞれ独立して、必要により置換されたC3-8シクロアルキル、必要により置換されたC3-8シクロアルケニル、必要により置換された5〜14員の非芳香族ヘテロ環式環、必要により置換されたC6-14芳香族炭化水素環式環、または必要により置換された5〜14員の芳香族ヘテロ環式環であり;ならびにR17およびR18は、それぞれ独立して、水素、ハロゲンまたはC1-6アルキルである)
である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記AMPA受容体アンタゴニスト、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物が、3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記コリンエステラーゼ阻害剤またはその医薬的に許容可能な塩が、ドネペジルまたはその医薬的に許容可能な塩;リバスティグミンまたはその医薬的に許容可能な塩;およびガランタミンまたはその医薬的に許容可能な塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記抗神経因性疼痛剤が、ガバペンチン、プレガバリン、デュロキセチン、メキシレチン、リドカイン、アミトリプチリン、イミプラミン、クロミプラミン、デシプラミン、ノルトリプチリン、マプロチリン、パロキセチン、フルオキセチン、シタロプラム、ベンラファキシン、ブプロピオン、カルバマゼピン、オクスカルバゼピン(oxcabazepine)、フェニトイン、ラモトリギン、バルプロ酸塩(valproate)、トピラメート、レベチラセタム、チアガビン、ラコサミド、ブリバラセタム、トラマドール、オキシコドン、モルヒネ、フェンタニル、メタドン、デキストロメトルファン、メマンチン、ケタミン、リルゾール、ドロナビノール、THC、カプサイシン、クロニジン、バクロフェン、チザニジン、AVP-923、コハク酸デスベンラファキシン、ビシファジン、OPC-14523、NGX4010、ラルフィナミド、XP-13512、KDS-2000、CNS-5161、V-3381、GW-493838、GW-353162、CCI-1008、SS-RBX、カンナビジオール、RGH-896、SAB-378、TV-1901、ABT-894、TAK-583、およびAGN-203818からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
神経因性疼痛を治療するために使用される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
(A)AMPA受容体アンタゴニスト、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物;および
(B)コリンエステラーゼ阻害剤もしくはその医薬的に許容可能な塩;抗神経因性疼痛剤;またはそれらの混合物もしくは組合せ、を含む組合せ。
【請求項8】
前記AMPA受容体アンタゴニスト、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物が、式(III)の化合物、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物であり、該式(III)の化合物は:
【化29】


(式中、X1、X2およびX3は、それぞれ独立して、単結合、必要により置換されたC1-6アルキレン、必要により置換されたC2-6アルケニレン、必要により置換されたC2-6アルキニレン、-O-、-S-、-CO-、-SO-、-SO2-、-N(R6)-、-N(R7)-CO-、-CO-N(R8)-、-N(R9)-CH2-、-CH2-N(R10)-、-CH2-CO-、-CO-CH2-、-N(R11)-S(O)m-、-S(O)n-N(R12)-、-CH2-S(O)p-、-S(O)q-CH2-、-CH2-O-、-O-CH2-、-N(R13)-CO-N(R14)-または-N(R15)-CS-N(R16)であり;R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキルまたはC1-6アルコキシであり;m、n、pおよびqは、それぞれ独立して0、1または2の整数であり;A1、A2およびA3は、それぞれ独立して、必要により置換されたC3-8シクロアルキル、必要により置換されたC3-8シクロアルケニル、必要により置換された5〜14員の非芳香族ヘテロ環式環、必要により置換されたC6-14芳香族炭化水素環式環、または必要により置換された5〜14員の芳香族ヘテロ環式環であり;ならびにR17およびR18は、それぞれ独立して、水素、ハロゲンまたはC1-6アルキルである)
である、請求項7に記載の組合せ。
【請求項9】
前記AMPA受容体アンタゴニスト、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物が、3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物である、請求項7に記載の組合せ。
【請求項10】
前記コリンエステラーゼ阻害剤またはその医薬的に許容可能な塩が、ドネペジルまたはその医薬的に許容可能な塩;リバスティグミンまたはその医薬的に許容可能な塩;およびガランタミンまたはその医薬的に許容可能な塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である、請求項7に記載の組合せ。
【請求項11】
前記抗神経因性疼痛剤が、ガバペンチン、プレガバリン、デュロキセチン、メキシレチン、リドカイン、アミトリプチリン、イミプラミン、クロミプラミン、デシプラミン、ノルトリプチリン、マプロチリン、パロキセチン、フルオキセチン、シタロプラム、ベンラファキシン、ブプロピオン、カルバマゼピン、オクスカルバゼピン、フェニトイン、ラモトリギン、バルプロ酸塩、トピラメート、レベチラセタム、チアガビン、ラコサミド、ブリバラセタム、トラマドール、オキシコドン、モルヒネ、フェンタニル、メタドン、デキストロメトルファン、メマンチン、ケタミン、リルゾール、ドロナビノール、THC、カプサイシン、クロニジン、バクロフェン、チザニジン、AVP-923、コハク酸デスベンラファキシン、ビシファジン、OPC-14523、NGX4010、ラルフィナミド、XP-13512、KDS-2000、CNS-5161、V-3381、GW-493838、GW-353162、CCI-1008、SS-RBX、カンナビジオール、RGH-896、SAB-378、TV-1901、ABT-894、TAK-583、およびAGN-203818からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である、請求項7に記載の組合せ。
【請求項12】
前記(A)および(B)は、別々に患者に投与されるか、または医薬組成物の形態で患者に投与される、請求項7に記載の組合せ。
【請求項13】
神経因性疼痛を治療するために使用される、請求項7に記載の組合せ。
【請求項14】
神経因性疼痛の治療のための医薬組成物を製造するための化合物(A)および(B)の使用であって、該(A)および(B) は:
(A)AMPA受容体アンタゴニスト、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物;および
(B)コリンエステラーゼ阻害剤もしくはその医薬的に許容可能な塩;抗神経因性疼痛剤;またはそれらの混合物もしくは組合せ、である使用。
【請求項15】
前記AMPA受容体アンタゴニスト、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物が、式(III)の化合物、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物であり、該式(III)の化合物は:
【化30】


(式中、X1、X2およびX3は、それぞれ独立して、単結合、必要により置換されたC1-6アルキレン、必要により置換されたC2-6アルケニレン、必要により置換されたC2-6アルキニレン、-O-、-S-、-CO-、-SO-、-SO2-、-N(R6)-、-N(R7)-CO-、-CO-N(R8)-、-N(R9)-CH2-、-CH2-N(R10)-、-CH2-CO-、-CO-CH2-、-N(R11)-S(O)m-、-S(O)n-N(R12)-、-CH2-S(O)p-、-S(O)q-CH2-、-CH2-O-、-O-CH2-、-N(R13)-CO-N(R14)-または-N(R15)-CS-N(R16)であり;R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキルまたはC1-6アルコキシであり;m、n、pおよびqは、それぞれ独立して0、1または2の整数であり;A1、A2およびA3は、それぞれ独立して、必要により置換されたC3-8シクロアルキル、必要により置換されたC3-8シクロアルケニル、必要により置換された5〜14員の非芳香族ヘテロ環式環、必要により置換されたC6-14芳香族炭化水素環式環、または必要により置換された5〜14員の芳香族ヘテロ環式環であり;ならびにR17およびR18は、それぞれ独立して、水素、ハロゲンまたはC1-6アルキルである)
である、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
前記AMPA受容体アンタゴニスト、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物が、3-(2-シアノフェニル)-5-(2-ピリジル)-1-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物である、請求項14に記載の使用。
【請求項17】
前記コリンエステラーゼ阻害剤またはその医薬的に許容可能な塩が、ドネペジルまたはその医薬的に許容可能な塩;リバスティグミンまたはその医薬的に許容可能な塩;およびガランタミンまたはその医薬的に許容可能な塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である、請求項14に記載の使用。
【請求項18】
前記抗神経因性疼痛剤が、ガバペンチン、プレガバリン、デュロキセチン、メキシレチン、リドカイン、アミトリプチリン、イミプラミン、クロミプラミン、デシプラミン、ノルトリプチリン、マプロチリン、パロキセチン、フルオキセチン、シタロプラム、ベンラファキシン、ブプロピオン、カルバマゼピン、オクスカルバゼピン、フェニトイン、ラモトリギン、バルプロ酸塩、トピラメート、レベチラセタム、チアガビン、ラコサミド、ブリバラセタム、トラマドール、オキシコドン、モルヒネ、フェンタニル、メタドン、デキストロメトルファン、メマンチン、ケタミン、リルゾール、ドロナビノール、THC、カプサイシン、クロニジン、バクロフェン、チザニジン、AVP-923、コハク酸デスベンラファキシン、ビシファジン、OPC-14523、NGX4010、ラルフィナミド、XP-13512、KDS-2000、CNS-5161、V-3381、GW-493838、GW-353162、CCI-1008、SS-RBX、カンナビジオール、RGH-896、SAB-378、TV-1901、ABT-894、TAK-583、およびAGN-203818からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である、請求項14に記載の使用。
【請求項19】
前記(A)および(B)は、別々に患者に投与されるか、または医薬組成物の形態で患者に投与される、請求項14に記載の使用。
【請求項20】
神経因性疼痛の治療に使用するための化合物(A)および(B)であって、該(A)および(B) は:
(A)AMPA受容体アンタゴニスト、その医薬的に許容可能な塩、その水和物、またはその医薬的に許容可能な塩の水和物;および
(B)コリンエステラーゼ阻害剤もしくはその医薬的に許容可能な塩;抗神経因性疼痛剤;またはそれらの混合物もしくは組合せ、である化合物(A)および(B)。
【請求項21】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の医薬組成物、または請求項7〜13のいずれか一項に記載の組合せを含む、キット。
【請求項22】
神経因性疼痛を治療することを必要とする患者に、治療的有効量の請求項1〜6のいずれか一項に記載の医薬組成物、または治療的有効量の請求項7〜13のいずれか一項に記載の組合せを投与する工程を含む、神経因性疼痛を治療するための方法。

【公表番号】特表2010−533126(P2010−533126A)
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−552599(P2009−552599)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【国際出願番号】PCT/JP2008/062976
【国際公開番号】WO2009/011412
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(506137147)エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社 (215)
【Fターム(参考)】