説明

移動体、監視システムおよび制御プログラム

【課題】障害物に接触した場合であっても、運用効率の低下を防ぎつつ安全に走行を再開することのできる移動体を提供する。
【解決手段】自律移動可能な移動体20であって、センサ200により検知された障害物の接触の程度にしたがい、移動体20の動作状態として、移動停止中でありかつ移動体20による復旧動作により動作再開が可能な状態である一時停止状態と、移動停止中でありかつ運用者による復旧操作により動作再開が可能な状態である非常停止状態のうちいずれかの状態を設定する状態管理手段222と、状態管理手段222が一時停止状態または非常停止状態に設定した場合に、移動体20の移動を停止する移動制御手段210と、状態管理手段222が非常停止状態に設定した場合のみ、移動体20を監視する監視装置10に対し、復旧操作を依頼する依頼情報を送信する送信手段202とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律移動可能な移動体、この移動体を監視する監視システムおよび移動体の制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、警備領域内を巡回する自律型移動体や、例えばデパートなどにおいて、訪れた人を楽しませる目的で巡回する自律型移動体などが知られている。これらの自律型移動体のバンパには障害物等の接触物を検知するバンパセンサが設けられている。そして、バンパセンサが障害物の接触を検知した場合には、自律型移動体の移動を停止することにより、安全対策を行っている。
【0003】
例えば、特許文献1には、障害物に接触した際に停止する無人搬送車が開示されている。この無人搬送車は、走行速度に応じてバンパの突出長さを調整することにより、安全性を向上させるものである。
【0004】
【特許文献1】特開昭62−293322号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば障害物に接触した場合に自律型移動体の移動を停止し、運用者が安全確認と復旧操作を行った後に走行再開を可能とすることとした場合には、バンパセンサへの軽微な接触の度に運用者による復旧操作が必要となり運用効率が低下するという問題があった。特にデパート等を巡回する自律型移動体においては、子供やベビーカー、ショッピングカートなどとの接触が多発することが予想され、運用効率の低下が特に問題となる。
【0006】
一方、障害物に接触した場合には、自律型移動体の移動を一旦は停止するものの、その後一定時間内に接触がないなど安全が確認できた場合には、運用者によらず、自律移動体自身が自動的に走行を再開することも可能である。しかしながら、例えばバンパセンサの不良や誤差の蓄積による自己位置の誤認識により、巡回経路を外れて障害物に接触した場合には、自動復旧しても正常に巡回経路を再度走行することができない。このため、自動的に走行を再開するのは問題がある。また、人を車輪に巻き込んだ状態で走行を再開することも考えられ安全面で問題が残る。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、障害物に接触した場合であっても、運用効率の低下を防ぎつつ安全に走行を再開することのできる移動体、監視システムおよび制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、自律移動可能な移動体であって、当該移動体に障害物が接触したことを検知するセンサと、前記センサにより検知された前記障害物の接触の程度にしたがい、当該移動体の動作状態として、移動停止中でありかつ当該移動体による復旧動作により動作再開が可能な状態である一時停止状態と、移動停止中でありかつ当該移動体による動作再開が不可能な状態である非常停止状態のうちいずれかの状態を設定する状態管理手段と、前記状態管理手段が前記一時停止状態または前記非常停止状態に設定した場合に、当該移動体の移動を停止する移動制御手段と、前記状態管理手段が前記非常停止状態に設定した場合のみ、当該移動体を監視する監視装置に対し、復旧操作を依頼する依頼情報を送信する送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の移動体であって、前記状態管理手段は、前記センサによる前記障害物の一定時間内における接触回数が予め設定された第1閾値以上である場合に、前記動作状態として前記非常停止状態を設定することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3にかかる発明は、請求項2に記載の移動体であって、前記状態管理手段は、前記センサによる前記障害物の一定時間内における接触回数が予め設定された閾値であって、前記第1閾値よりも小さい値である第2閾値以上であって前記第1閾値未満である場合に、前記動作状態として前記一時停止状態を設定することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4にかかる発明は、請求項1に記載の移動体であって、前記状態管理手段は、前記センサによる前記障害物の接触時間が予め設定された第3閾値以上である場合に、前記動作状態として前記非常停止状態を設定することを特徴とする。
【0012】
また、請求項5にかかる発明は、請求項4に記載の移動体であって、前記状態管理手段は、前記センサによる前記障害物の接触時間が予め設定された閾値であって、前記第3閾値よりも小さい値である第4閾値以上であって前記第3閾値未満である場合に、前記動作状態として前記一時停止状態を設定することを特徴とする。
【0013】
また、請求項6にかかる発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の移動体であって、前記障害物の接触の程度に関する接触条件と、前記動作状態とを対応付けて保持する条件保持手段をさらに備え、前記状態管理手段は、前記センサが前記障害物との接触を検知した場合に、前記条件保持手段において、前記センサが検知した接触の程度を満たす前記接触条件に対応付けられている前記動作状態を特定することを特徴とする。
【0014】
また、請求項7にかかる発明は、請求項6に記載の移動体であって、前記条件保持手段は、前記接触条件と、前記動作状態と、日時に関する日時条件とを対応付けて保持し、前記状態管理手段は、前記センサが前記障害物との接触を検知した場合に、前記条件保持手段において、前記センサが検知した接触の程度を満たす前記接触条件と、現在の日時を満たす前記日時条件とに対応付けられている前記動作状態を特定することを特徴とする。
【0015】
また、請求項8にかかる発明は、請求項6に記載の移動体であって、前記条件保持手段は、前記接触条件と、前記動作状態と、当該移動体の移動場所に関する移動場所条件とを対応付けて保持し、管理者から前記移動体の移動場所の指示を受け付ける指示受付手段をさらに備え、前記状態管理手段は、前記センサが障害物との接触を検知した場合に、前記条件保持手段において、前記センサが検知した接触の程度を満たす前記接触条件と、前記指示受付手段が指示を受け付けた前記移動場所を満たす前記移動場所条件とに対応付けられている前記動作状態を特定することを特徴とする。
【0016】
また、請求項9にかかる発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載の移動体であって、前記センサは、前記障害物との接触強度をさらに検知し、前記状態管理手段は、前記センサによる前記障害物との接触強度が予め設定された第5閾値以上である場合に、前記動作状態として前記非常停止状態を設定することを特徴とする。
【0017】
また、請求項10にかかる発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載の移動体であって、前記センサは、前記障害物との接触強度をさらに検知し、前記状態管理手段は、前記センサによる前記障害物との接触強度が予め設定された第5閾値未満であり、かつ前記センサによる前記障害物の一定時間内における接触回数が前記第1閾値以上である場合に、前記動作状態として前記非常停止状態を設定することを特徴とする。
【0018】
また、請求項11にかかる発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載の移動体であって、前記センサは、前記障害物との接触強度をさらに検知し、前記状態管理手段は、前記センサによる前記障害物との接触強度が予め設定された第5閾値未満であり、かつ障害物の接触時間が前記第3閾値以上である場合に、前記動作状態として前記非常停止状態を設定することを特徴とする。
【0019】
また、請求項12にかかる発明は、請求項1から11のいずれか一項に記載の移動体であって、前記センサにより検知された前記障害物の接触の程度と、接触に関するメッセージとを対応付けて保持するメッセージ保持手段と、前記センサにより前記障害物が検知された場合に、前記メッセージ保持手段において、前記センサにより検知された接触の程度に対応付けられている前記メッセージを出力するメッセージ出力手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0020】
また、請求項13にかかる発明は、請求項12に記載の移動体であって、前記メッセージ保持手段は、前記接触の程度と、前記メッセージと、当該メッセージの出力先とを対応付けて保持し、前記メッセージ出力手段は、前記センサにより前記障害物が検知された場合に、前記メッセージ保持手段において、前記センサにより検知された接触の程度に対応付けられ、かつ当該メッセージ出力手段を前記出力先とする前記メッセージを出力し、前記送信手段は、前記センサにより前記障害物が検知された場合に、前記メッセージ保持手段において、前記センサにより検知された障害物の程度に対応付けられ、かつ前記監視装置を前記出力先とする前記メッセージを前記監視装置に送信することを特徴とする。
【0021】
また、請求項14にかかる発明は、請求項1から11のいずれか一項に記載の移動体であって、前記センサにより検知された前記障害物の接触の程度と、接触に関するメッセージとを対応付けて保持するメッセージ保持手段をさらに備え、前記送信手段は、前記センサにより前記障害物が検知された場合に、前記メッセージ保持手段において、前記センサにより検知された前記障害物の接触の程度に対応付けられている前記メッセージを前記管理装置に送信することを特徴とする。
【0022】
また、請求項15にかかる発明は、自律移動可能な移動体と、当該移動体を監視する監視装置とを備えた監視システムであって、前記移動体は、当該移動体に障害物が接触したことを検知するセンサと、前記センサにより検知された前記障害物の接触の程度にしたがい、当該移動体の動作状態として、移動停止中でありかつ当該移動体による復旧動作により動作再開が可能な状態である一時停止状態と、移動停止中でありかつ当該移動体による動作再開が不可能な状態である非常停止状態のうちいずれかの状態を設定する状態管理手段と、前記状態管理手段が前記一時停止状態または前記非常停止状態に設定した場合に、当該移動体の移動を停止する移動制御手段と、前記状態管理手段が前記非常停止状態に設定した場合のみ、前記監視装置に対し、復旧操作を依頼する依頼情報を送信する送信手段とを有し、前記監視装置は、前記依頼情報を受信する受信手段と、前記受信手段が前記依頼情報を受信した場合に、当該依頼情報を受信した旨を出力する出力手段とを有することを特徴とする。
【0023】
また、請求項16にかかる発明は、自律移動可能な移動体を制御する制御処理をコンピュータに実行させる制御プログラムであって、前記移動体のセンサが障害物に接触した場合に、前記センサにより検知された前記障害物の接触の程度にしたがい、当該移動体の動作状態として、移動停止中でありかつ当該移動体による復旧動作により動作再開が可能な状態である一時停止状態と、移動停止中でありかつ当該移動体による動作再開が不可能な状態である非常停止状態のうちいずれかの状態を設定する状態管理ステップと、前記状態管理ステップにおいて前記一時停止状態または前記非常停止状態に設定した場合に、当該移動体の移動を停止する移動制御ステップと、前記状態管理ステップにおいて前記非常停止状態に設定した場合のみ、当該移動体を監視する監視装置に対し、復旧操作を依頼する依頼情報を送信する送信ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、障害物に接触し停止する場合において、障害物の接触の程度にしたがい、一時停止または非常停止のいずれかの状態に設定し、非常停止の場合にのみ警備員に通知することとしたので、移動体の運用効率の低下を防ぎつつ安全に走行を再開することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる移動体、監視システムおよび制御プログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0026】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる監視システム1の全体構成を示す図である。監視システム1は、監視装置10と、移動ロボット20とを備えている。監視装置10は、監視センタ内に設置されている。監視装置10と移動ロボット20とは例えば無線LAN(Local Area Network)などのネットワークを介して接続されている。監視装置10は、移動ロボット20と情報の送受信を行うことにより移動ロボット20を制御する。
【0027】
移動ロボット20は、自律移動可能な移動体であって、デパートやオフィスなど所定の領域内を巡回する。移動ロボット20は、障害物との接触を検知するバンパセンサ200を備えている。バンパセンサ200は、移動ロボット20のバンパ部分に設けられている。移動ロボット20は、バンパセンサ200のほか測距センサなど各種センサも備えている。
【0028】
移動ロボット20は、バンパセンサ200が障害物との接触を検知した場合には、その接触の程度に応じて、移動を継続、または停止する。さらに、警備員による安全確認が必要な場合には移動の停止に加え、監視装置10に対し復旧操作の依頼を行う。監視装置10が復旧操作の依頼を受信すると、警備センタ内の警備員により監視装置10を介して、移動ロボット20の復旧操作が行われる。また警備員は必要に応じて移動ロボット20の停止位置に向かい、移動ロボット20の復旧操作を行う。
【0029】
図2は、移動ロボット20の主な機能構成を示すブロック図である。移動ロボット20は、バンパセンサ200の他、通信部202と、指示受付部204と、表示部206と、スピーカ208と、移動制御部210と、条件テーブル保持部220と、動作状態管理部222と、メッセージ特定部224とを備えている。
【0030】
通信部202は、監視装置10と各種情報の送受信を行う。具体的には、監視装置10から巡回経路の巡回の開始、停止などの指示を受信する。また、各種センサにより異常が検知された場合に、その旨を監視装置10に通知する。
【0031】
指示受付部204は、例えばマウスやキーボードなどのユーザインタフェースであり、管理者や警備員からの入力を受け付ける。具体的には、移動ロボット20の巡回を開始する際に、これから巡回する巡回経路の選択や、現在の日時などの入力を受け付ける。なお他の例としては、これらの情報は、通信部202を介して監視装置10から受信してもよい。
【0032】
表示部206は、移動ロボット20の周囲の人に通知すべき内容など各種情報を表示する。スピーカ208は、表示部206同様に、周囲の人に通知すべき内容など各種情報を音声出力する。移動制御部210は、移動ロボット20の移動を制御する。具体的には、移動ロボット20の車輪モータを駆動するモータドライバである。
【0033】
条件テーブル保持部220は、動作状態と、接触条件とを対応付けた接触条件テーブルを保持している。ここで、動作状態とは、移動ロボット20の動作状態であり、走行継続状態、一時停止状態および非常停止状態がある。走行継続状態とは、監視装置10からの指示通り走行を行う状態である。一時停止状態とは、監視装置10から走行が指示されている場合であっても、走行を停止し、予め定められた時間経過した後に、移動ロボット20自身による復旧動作により走行再開が可能な状態である。非常停止状態とは、監視装置10から走行が指示されている場合であっても走行を停止した状態であり、移動ロボット20自身による復旧動作による走行再開は不可能であるが、警備員等による復旧操作により走行再開が可能な状態である。
【0034】
条件テーブル保持部220は、巡回場所および巡回時間帯ごとに異なる接触条件テーブルを保持している。図3は、複合施設を巡回場所とする4つの接触条件テーブルのデータ構成を模式的に示す図である。複合施設の接触条件テーブルとしては、平日の開店中、平日の閉店中、祝祭日の開店中および祝祭日の閉店中の4つの時間帯に対するものがある。図4は、オフィスを巡回場所とする4つの接触条件テーブルのデータ構成を模式的に示す図である。オフィスの接触条件テーブルとしては、平日の就業時間内、平日の就業時間外、祝祭日の昼間および祝祭日の夜間の4つの時間帯に対するものがある。なお、祝祭日の昼間および夜間はそれぞれ、平日の就業時間内および就業時間外の時間帯に対応する。
【0035】
このように、移動ロボット20の巡回場所が複数箇所ある場合には、条件テーブル保持部220は、場所毎の接触条件テーブルを保持する。さらに、巡回時間帯により接触条件が異なる場合には、条件テーブル保持部220は、巡回時間帯毎の接触条件テーブルを保持する。
【0036】
各接触条件テーブルは、移動ロボット20の動作状態と、接触条件とを対応付けて保持している。接触条件とは、バンパセンサ200により検知された接触の程度に関する条件である。例えば、「3秒未満の接触から、30秒以内に3秒未満の接触2回以下」など、接触条件は、接触時間や接触回数に関する条件である。さらに、直前の接触と今回の接触との関係に関する条件である。
【0037】
例えば、複合施設の開店中には人の往来があるため、人との接触が想定される。このような場合にすべての接触を異常とみなし停止したのでは、停止処理が多発し巡回動作に支障を来たす恐れがある。そこで、図3に示すように、人の往来のない閉店中に比べて、一時停止や非常停止を行うための接触条件を緩く設定してもよい。
【0038】
また、複合施設では祝祭日には、平日に比べて人の往来が増えることが予想される。そこで、図3に示すように、祝祭日の開店中には平日の開店中に比べて一時停止や非常停止を行うための接触条件をさらに緩く設定してもよい。
【0039】
なお、図3および図4に示す8つの接触条件テーブルは一例であり、条件テーブル保持部220が保持する接触条件テーブルは、移動ロボット20を巡回させる場所や時間に応じて管理者等が自由に設定することができる。
【0040】
図3および図4に示す接触条件以外にも例えば、接触時間が予め設定された第1閾値以上という接触条件と非常停止の動作状態とが対応付けられていてもよい。さらに、接触時間が第1閾値未満であって第1閾値よりも小さい第2閾値以上であるという接触条件と一時停止の動作状態とが対応づけられていてもよい。ここで、例えば第1閾値は、3秒であり、第2閾値は0.5秒とする。
【0041】
また、接触回数に応じて接触条件を定めてもよい。例えば、接触回数が予め設定された第3閾値以上という接触条件と非常停止の動作状態とが対応付けられていてもよい。さらに、接触時間が第3閾値未満であって第3閾値よりも小さい第4閾値以上であるという接触条件と一時停止の動作状態とが対応づけられていてもよい。ここで、例えば第3閾値は、5回であり、第2閾値は1回とする。
【0042】
条件テーブル保持部220は、さらに巡回場所および巡回時間帯毎に異なるメッセージテーブルを保持している。図5は、複合施設の平日および祝祭日の開店中におけるメッセージテーブルのデータ構成を模式的に示す図である。メッセージテーブルは、停止条件と、出力先と、メッセージとを対応付けて保持している。停止条件とは、例えば、一時停止、非常停止など動作状態に関する条件である。また、一時停止が頻発しているなど直前までの一時停止の発生回数に関する条件や、直前の一時停止からの経過時間に関する条件などがある。
【0043】
出力先としては、監視センタと、周囲とがある。監視センタに対応付けられているメッセージは、通信部202を介して監視装置10に送信されるものである。これにより、メッセージを警備員に通知することができる。すなわち、監視センタを出力先とするメッセージは、警備員向けのメッセージである。また、周囲に対応付けられているメッセージは、表示部206またはスピーカ208に出力されるものである。これにより、メッセージを周囲を往来する人などに通知することができる。すなわち、周囲を出力先とするメッセージは、周囲の人向けのメッセージである。
【0044】
例えば、一時停止が頻発している場合には、監視センタには、「子供やベビーカーに取り囲まれて巡回が続行できなくなる可能性があります。」というメッセージを送信する。これにより、警備員は、必要に応じて移動ロボット20の停止する場所に向かい対処することができる。さらに、周囲には「巡回中ですので、進路を空けてください。」というメッセージを出力する。これにより、周囲の人に移動ロボット20との接触を避けるよう促すことができる。このように、接触の程度に応じたメッセージを対応付けておくことにより、監視センタや周囲の人に適切なメッセージを通知することができる。
【0045】
複合施設の平日および祝祭日の開店中におけるメッセージテーブルについて説明したが、条件テーブル保持部220は、これ以外の巡回場所、巡回時間帯に対するメッセージテーブルも同様に保持している。
【0046】
図2の動作状態管理部222は、指示受付部204が受け付けた巡回場所および巡回時間帯に対応する接触条件テーブルを条件テーブル保持部220から選択する。そして、バンパセンサ200により障害物との接触が検知されると、選択された接触条件テーブルを参照し、検知された接触の程度が当てはまる接触条件に対応付けられている動作状態を特定する。動作状態管理部222は、特定した動作状態にしたがい、移動制御部210に移動の継続または停止を指示する。
【0047】
メッセージ特定部224は、指示受付部204が受け付けた巡回場所および巡回時間帯に対応するメッセージテーブルを条件テーブル保持部220から選択する。そして、バンパセンサ200により障害物との接触状態が検知されると、選択されたメッセージテーブルを参照し、検知された接触の程度と、動作状態管理部222により設定された動作状態に対応するメッセージと出力先とを特定する。メッセージ特定部224は、さらに特定した出力先にしたがい通信部202、表示部206またはスピーカ208に、特定したメッセージの出力を指示する。
【0048】
図6は、移動ロボット20の処理を示すフローチャートである。まず、移動ロボット20による巡回開始前に、指示受付部204は、警備員等による巡回場所および巡回時間帯の入力を受け付ける。動作状態管理部222は、指示受付部204が受け付けた内容にしたがい、条件テーブル保持部220から、巡回場所および巡回時間帯に対応する接触条件テーブルおよびメッセージテーブルを選択する(ステップS100)。次に、移動ロボット20は、巡回経路の巡回を開始する。すなわち、走行を開始し(ステップS102)、巡回経路の最終地点まで走行を継続する(ステップS104,No)。
【0049】
移動ロボット20の巡回中にバンパセンサ200が障害物の接触を検知すると(ステップS106,Yes)、動作状態管理部222は、ステップS100において選択した接触条件テーブルにおいて、バンパセンサ200が検知した接触の程度に対応付けられている動作状態を特定する(ステップS108)。移動制御部210は、特定された動作状態にしたがい移動を制御する。
【0050】
具体的には、特定した動作状態が走行継続である場合には(ステップS110,走行継続)、ステップS104に戻り、接触を検知するまで走行を継続する。特定した動作状態が非常停止である場合には(ステップS110,非常停止)、動作状態管理部222は、動作状態を非常停止に設定し(ステップS130)、移動制御部210に移動の停止を指示する。これにより、移動ロボット20は停止する。特定した動作状態が一時停止である場合には(ステップS110,一時停止)、動作状態管理部222は、動作状態を一時停止に設定し(ステップS120)、移動制御部210に移動の停止を指示する。
【0051】
動作状態が一時停止に設定された場合(ステップS120)、動作状態管理部222は、これまでの一時停止の回数をカウントする(ステップS122)。具体的には、現在時刻までの過去30秒の間の一時停止の回数をカウントする。なお、一時停止および非常停止の履歴は動作状態管理部222が保持しているものとする。
【0052】
カウントした回数が予め設定された基準値以上である場合には(ステップS124,Yes)、動作状態管理部222は、動作状態を非常停止に設定する(ステップS130)。ここで、基準値とは、例えば3回など予め定められた回数である。
【0053】
次に、メッセージ特定部224は、ステップS100において選択されたメッセージテーブル中の停止条件のうち、現在の状況が満たす停止条件を特定する(ステップS132)。そして、特定した停止条件に対応付けられているメッセージを対応付けられている出力先に出力する(ステップS134)。具体的には、出力先が監視センタである場合には、メッセージ特定部224は、通信部202に対しメッセージの監視装置10への送信を指示する。また、出力先が周囲である場合には、メッセージ特定部224は、表示部206およびスピーカ208のいずれか一方または両方に対しメッセージの出力を指示する。
【0054】
移動ロボット20は、警備員による復旧操作が行われ、指示受付部204を介して再開指示を受け付けるまで停止する(ステップS136,No)。そして、再開指示を受け付けると(ステップS136,Yes)、走行を再開し(ステップS138)、ステップS104に戻る。また、他の例としては、警備員が監視装置10を介して復旧操作を行った場合には、通信部202を介して再開指示を受信して(ステップS136,Yes)、走行を再開する。
【0055】
例えば、複合施設の開店中の巡回において、ステップS130において、非常停止と設定され、この非常停止の直前30秒の間に一時停止がなかった場合には、メッセージ特定部224は、図5に示すメッセージテーブルを参照し、通信部202に「イベントワゴンや陳列物に衝突した可能性があります。確認して下さい。」というメッセージの送信を指示する。監視センタにいる警備員は、このメッセージにより非常停止したことを知り、適切な復旧操作を行うことができる。そして、復旧操作の終了後、監視装置10からまたは移動ロボット20に対して直接再開指示を与えることにより(ステップS136,Yes)、移動ロボット20による巡回が再開される。
【0056】
一方、ステップS124において、一時停止回数が予め定められた基準値未満である場合には(ステップS124,No)、メッセージ特定部224は、メッセージを特定し(ステップS140)、通信部202、表示部206またはスピーカ208は、特定されたメッセージを出力する(ステップS142)。さらに、一時停止から予め定められた一定時間停止し続け(ステップS144,No)、一定時間が経過すると(ステップS144,Yes)、移動制御部210は移動ロボット20の走行を再開させ(ステップS138)、ステップS104に戻る。
【0057】
例えば、複合施設の開店中の巡回において、ステップS120において一時停止と設定されると、図5に示すメッセージテーブルが選択される。さらに、図5に示すメッセージテーブルの一時停止の頻発の停止状態が当てはまる場合には、メッセージ特定部224は、対応付けられているメッセージと出力先を特定する(ステップS140)。そして、「子供やベビーカーに取り囲まれて巡回が続行できなくなる可能性があります。」というメッセージを通信部202を介して監視装置10に送信し、かつ「巡回中ですので、進路を空けてください。」というメッセージを表示部206およびスピーカ208のうちいずれか一方または両方に出力させる(ステップS142)。
【0058】
このように、一時停止または非常停止をした場合には、停止した状況に応じたメッセージを適宜防災センタの警備員に通知することができる。これにより、警備員は、迅速に適切な対処を施すことができる。さらに、周囲の人に対してもメッセージを通知することができるので、安全が確保できない場合に、注意喚起を行うことができる。
【0059】
図7は、実施の形態にかかる移動ロボット20のハードウェア構成を示す図である。移動ロボット20は、ハードウェア構成として、移動ロボット20における制御処理を実行する制御プログラムなどが格納されているROM52と、ROM52内のプログラムに従って移動ロボット20の各部を制御するCPU51と、移動ロボット20の制御に必要な種々のデータを記憶するRAM53と、ネットワークに接続して通信を行う通信I/F57と、各部を接続するバス62とを備えている。移動制御部210、条件テーブル保持部220、動作状態管理部222およびメッセージ特定部224は、これらのハードウェアの協働により実現される。
【0060】
移動ロボット20の制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0061】
この場合には、制御プログラムは、移動ロボット20において上記記録媒体から読み出して実行することにより主記憶装置上にロードされ、上記ソフトウェア構成で説明した各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0062】
また、本実施の形態の制御ログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。
【0063】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができる。
【0064】
そうした変更例としては、本実施の形態においては、一時停止または非常停止をした場合には、監視装置10が停止した状況に応じたメッセージを出力することとしたが、メッセージの出力にかえて、非常停止の際には、警備員に通知するための警報等を出力することとしてもよい。
【0065】
(第2の実施の形態)
図8は、第2の実施の形態にかかる移動ロボット20のバンパセンサ200の構成を示す図である。バンパセンサ200は、比較的浅い接触を検知する第1センサ310と、比較的深い接触を検知する第2センサ320を有している。
【0066】
バンパ400は、移動ロボット20のロボット本体410とバネ420で接続されており、バンパ400には、第1突起部401と、第2突起部402とが設けられている。
【0067】
第1センサ310は、第1突起部401の接触の有無によりオンオフが切り替るスイッチ312と、回路の接触および断線を検出する検出回路314とを有している。検出回路314は回路の断線を検出すると、移動制御部210としてのモータドライバに対し移動停止を指示する。これにより、移動ロボット20の移動が停止する。
【0068】
第2センサ320は、第1センサ310と同様、第2突起部402の接触の有無によりオンオフが切り替るスイッチ322と、回路の接触および断線を検出する検出回路324とを有している。検出回路324は、回路の断線を検出すると、移動制御部210への電源230からの電源供給を停止させる。これにより、移動ロボット20の移動が停止する。
【0069】
第2突起部402は、第1突起部401に比べて短い突起である。したがって、第2センサ320は、第1センサ310に比べて強い接触のみを検知する。すなわち、接触強度が所定の閾値以上である場合にのみ第2センサ320は接触を検知する。このように、第2の実施の形態にかかる移動ロボット20は、第1センサ310および第2センサ320による検知結果に基づいて、接触の有無だけでなく接触の程度を検知することができる。
【0070】
第2の実施の形態にかかる移動ロボット20の動作状態管理部222は、第1センサ310のみが接触を検知した場合には、動作状態を一時停止に設定する。第2センサ320が接触を検知した場合、すなわち第1センサ310および第2センサ320がともに接触を検知した場合には、動作状態を非常停止に設定する。第2の実施の形態にかかる移動ロボット20は、このように、接触の強度にしたがい動作状態を特定するので、条件テーブル保持部220は、接触条件テーブルを保持しなくともよい。
【0071】
図9は、第2の実施の形態にかかる移動ロボット20の処理を示すフローチャートである。移動ロボット20が走行を開始した後(ステップS102)、第1センサ310が接触を検知し、かつ第2センサ320が接触を検知した場合、すなわち接触強度が所定の閾値以上であった場合には(ステップS150,Yes、ステップS152,Yes)、動作状態管理部222は、接触条件テーブルによらず非常停止と判断し(ステップS130)、第2センサ320は、リレー制御により移動制御部210への電力供給を停止させることにより移動ロボット20の移動を停止させる。
【0072】
一方、第1センサ310が接触を検知し、かつ第2センサ320が接触を検知しない場合、すなわち接触強度が閾値未満であった場合には(ステップS150,Yes、ステップS152,No)、動作状態管理部222は、接触条件テーブルによらず一時停止と判断し(ステップS120)、第1センサ310は、移動制御部210に移動停止を指示する。移動制御部210は、この指示にしたがい移動ロボット20の移動を停止させる。
【0073】
このように、第2の実施の形態にかかる監視システム1は、機械的な構成により一時停止と非常停止の判断を行うことができる。これにより、ソフトウェアに不具合が生じた場合であっても停止制御を行うことができる。
【0074】
なお、第2の実施の形態にかかる監視システム1のこれ以外の構成および処理は、第1の実施の形態にかかる監視システム1の構成および処理と同様である。
【0075】
(第3の実施の形態)
図10は、第3の実施の形態にかかる移動ロボット20のバンパセンサ200の構成を示す図である。第3の実施の形態にかかるバンパセンサ200は、第2の実施の形態にかかるバンパセンサ200と同様に、第1センサ310と第2センサ320とを有している。
【0076】
なお、第3の実施の形態にかかる第1センサ310の検出回路314は、回路の断線を検出すると、断線が検出された旨を示す信号を動作状態管理部222に入力する。
【0077】
動作状態管理部222は、第1センサ310による接触回数等と接触条件テーブルとに基づいて動作状態を設定する。第3の実施の形態にかかる移動ロボット20は、第1の実施の形態にかかる移動ロボット20と同様に、接触条件テーブルを保持している。
【0078】
第3の実施の形態にかかる移動ロボット20は、第1の実施の形態にかかる移動ロボット20のような接触条件テーブルを利用した動作状態の特定と、第2の実施の形態にかかる移動ロボット20のような接触の強度に応じた動作状態の特定とを併用する。
【0079】
図11は、第3の実施の形態にかかる移動ロボット20の処理を示すフローチャートである。移動ロボット20が走行を開始した後(ステップS102)、第1センサ310が接触を検知し、かつ第2センサ320が接触を検知した場合には(ステップS150,Yes、ステップS152,Yes)、動作状態管理部222は、接触条件テーブルによらず非常停止と判断し(ステップS130)、第2センサ320は、リレー制御により移動制御部210への電力供給を停止させることにより移動ロボット20の移動を停止させる。
【0080】
一方、第1センサ310が接触を検知し、かつ第2センサ320が接触を検知しない場合には(ステップS150,Yes、ステップS152,No)、動作状態管理部222は、第1センサ310の接触回数等と接触条件テーブルとに基づいて動作状態を特定する(ステップS108)。
【0081】
このように、第3の実施の形態にかかる移動ロボット20は、接触強度が大きい場合には、動作状態を非常停止に設定し、第2センサ320のリレー制御により即座に移動を停止しつつ、接触強度が小さい場合には、接触回数等に応じて停止状態を設定することができるので、より柔軟性のある停止制御を行うことができる。
【0082】
なお、第3の実施の形態にかかる監視システム1のこれ以外の構成および処理は、他の実施の形態にかかる監視システム1の構成および処理と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】実施の形態にかかる監視システム1の全体構成を示す図である。
【図2】移動ロボット20の主な機能構成を示すブロック図である。
【図3】複合施設を巡回場所とする4つの接触条件テーブルのデータ構成を模式的に示す図である。
【図4】オフィスを巡回場所とする4つの接触条件テーブルのデータ構成を模式的に示す図である。
【図5】複合施設の平日および祝祭日の開店中におけるメッセージテーブルのデータ構成を模式的に示す図である。
【図6】移動ロボット20の処理を示すフローチャートである。
【図7】移動ロボット20のハードウェア構成を示す図である。
【図8】第2の実施の形態にかかる移動ロボット20のバンパセンサ200の構成を示す図である。
【図9】第2の実施の形態にかかる移動ロボット20の処理を示すフローチャートである。
【図10】第3の実施の形態にかかる移動ロボット20のバンパセンサ200の構成を示す図である。
【図11】第3の実施の形態にかかる移動ロボット20の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
1 監視システム
10 監視装置
20 移動ロボット
51 CPU
52 ROM
53 RAM
57 通信I/F
62 バス
200 バンパセンサ
202 通信部
204 指示受付部
206 表示部
208 スピーカ
210 移動制御部
220 条件テーブル保持部
222 動作状態管理部
224 メッセージ特定部
230 電源
310 第1センサ
312 スイッチ
314 検出回路
320 第2センサ
322 スイッチ
324 検出回路
400 バンパ
401 第1突起部
402 第2突起部
410 ロボット本体
420 バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律移動可能な移動体であって、
当該移動体に障害物が接触したことを検知するセンサと、
前記センサにより検知された前記障害物の接触の程度にしたがい、当該移動体の動作状態として、移動停止中でありかつ当該移動体による復旧動作により動作再開が可能な状態である一時停止状態と、移動停止中でありかつ当該移動体による動作再開が不可能な状態である非常停止状態のうちいずれかの状態を設定する状態管理手段と、
前記状態管理手段が前記一時停止状態または前記非常停止状態に設定した場合に、当該移動体の移動を停止する移動制御手段と、
前記状態管理手段が前記非常停止状態に設定した場合のみ、当該移動体を監視する監視装置に対し、復旧操作を依頼する依頼情報を送信する送信手段と
を備えたことを特徴とする移動体。
【請求項2】
前記状態管理手段は、前記センサによる前記障害物の一定時間内における接触回数が予め設定された第1閾値以上である場合に、前記動作状態として前記非常停止状態を設定することを特徴とする請求項1に記載の移動体。
【請求項3】
前記状態管理手段は、前記センサによる前記障害物の一定時間内における接触回数が予め設定された閾値であって、前記第1閾値よりも小さい値である第2閾値以上であって前記第1閾値未満である場合に、前記動作状態として前記一時停止状態を設定することを特徴とする請求項2に記載の移動体。
【請求項4】
前記状態管理手段は、前記センサによる前記障害物の接触時間が予め設定された第3閾値以上である場合に、前記動作状態として前記非常停止状態を設定することを特徴とする請求項1に記載の移動体。
【請求項5】
前記状態管理手段は、前記センサによる前記障害物の接触時間が予め設定された閾値であって、前記第3閾値よりも小さい値である第4閾値以上であって前記第3閾値未満である場合に、前記動作状態として前記一時停止状態を設定することを特徴とする請求項4に記載の移動体。
【請求項6】
前記障害物の接触の程度に関する接触条件と、前記動作状態とを対応付けて保持する条件保持手段をさらに備え、
前記状態管理手段は、前記センサが前記障害物との接触を検知した場合に、前記条件保持手段において、前記センサが検知した接触の程度を満たす前記接触条件に対応付けられている前記動作状態を特定することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の移動体。
【請求項7】
前記条件保持手段は、前記接触条件と、前記動作状態と、日時に関する日時条件とを対応付けて保持し、
前記状態管理手段は、前記センサが前記障害物との接触を検知した場合に、前記条件保持手段において、前記センサが検知した接触の程度を満たす前記接触条件と、現在の日時を満たす前記日時条件とに対応付けられている前記動作状態を特定することを特徴とする請求項6に記載の移動体。
【請求項8】
前記条件保持手段は、前記接触条件と、前記動作状態と、当該移動体の移動場所に関する移動場所条件とを対応付けて保持し、
管理者から前記移動体の移動場所の指示を受け付ける指示受付手段をさらに備え、
前記状態管理手段は、前記センサが障害物との接触を検知した場合に、前記条件保持手段において、前記センサが検知した接触の程度を満たす前記接触条件と、前記指示受付手段が指示を受け付けた前記移動場所を満たす前記移動場所条件とに対応付けられている前記動作状態を特定することを特徴とする請求項6に記載の移動体。
【請求項9】
前記センサは、前記障害物との接触強度をさらに検知し、
前記状態管理手段は、前記センサによる前記障害物との接触強度が予め設定された第5閾値以上である場合に、前記動作状態として前記非常停止状態を設定することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の移動体。
【請求項10】
前記センサは、前記障害物との接触強度をさらに検知し、
前記状態管理手段は、前記センサによる前記障害物との接触強度が予め設定された第5閾値未満であり、かつ前記センサによる前記障害物の一定時間内における接触回数が前記第1閾値以上である場合に、前記動作状態として前記非常停止状態を設定することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の移動体。
【請求項11】
前記センサは、前記障害物との接触強度をさらに検知し、
前記状態管理手段は、前記センサによる前記障害物との接触強度が予め設定された第5閾値未満であり、かつ障害物の接触時間が前記第3閾値以上である場合に、前記動作状態として前記非常停止状態を設定することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の移動体。
【請求項12】
前記センサにより検知された前記障害物の接触の程度と、接触に関するメッセージとを対応付けて保持するメッセージ保持手段と、
前記センサにより前記障害物が検知された場合に、前記メッセージ保持手段において、前記センサにより検知された接触の程度に対応付けられている前記メッセージを出力するメッセージ出力手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の移動体。
【請求項13】
前記メッセージ保持手段は、前記接触の程度と、前記メッセージと、当該メッセージの出力先とを対応付けて保持し、
前記メッセージ出力手段は、前記センサにより前記障害物が検知された場合に、前記メッセージ保持手段において、前記センサにより検知された接触の程度に対応付けられ、かつ当該メッセージ出力手段を前記出力先とする前記メッセージを出力し、
前記送信手段は、前記センサにより前記障害物が検知された場合に、前記メッセージ保持手段において、前記センサにより検知された障害物の接触の程度に対応付けられ、かつ前記監視装置を前記出力先とする前記メッセージを前記監視装置に送信することを特徴とする請求項12に記載の移動体。
【請求項14】
前記センサにより検知された前記障害物の接触の程度と、接触に関するメッセージとを対応付けて保持するメッセージ保持手段をさらに備え、
前記送信手段は、前記センサにより前記障害物が検知された場合に、前記メッセージ保持手段において、前記センサにより検知された前記障害物の接触の程度に対応付けられている前記メッセージを前記管理装置に送信することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の移動体。
【請求項15】
自律移動可能な移動体と、当該移動体を監視する監視装置とを備えた監視システムであって、
前記移動体は、
当該移動体に障害物が接触したことを検知するセンサと、
前記センサにより検知された前記障害物の接触の程度にしたがい、当該移動体の動作状態として、移動停止中でありかつ当該移動体による復旧動作により動作再開が可能な状態である一時停止状態と、移動停止中でありかつ当該移動体による動作再開が不可能な状態である非常停止状態のうちいずれかの状態を設定する状態管理手段と、
前記状態管理手段が前記一時停止状態または前記非常停止状態に設定した場合に、当該移動体の移動を停止する移動制御手段と、
前記状態管理手段が前記非常停止状態に設定した場合のみ、前記監視装置に対し、復旧操作を依頼する依頼情報を送信する送信手段と
を有し、
前記監視装置は、
前記依頼情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が前記依頼情報を受信した場合に、当該依頼情報を受信した旨を出力する出力手段と
を有することを特徴とする監視システム。
【請求項16】
自律移動可能な移動体を制御する制御処理をコンピュータに実行させる制御プログラムであって、
前記移動体のセンサが障害物に接触した場合に、前記センサにより検知された前記障害物の接触の程度にしたがい、当該移動体の動作状態として、移動停止中でありかつ当該移動体による復旧動作により動作再開が可能な状態である一時停止状態と、移動停止中でありかつ当該移動体による動作再開が不可能な状態である非常停止状態のうちいずれかの状態を設定する状態管理ステップと、
前記状態管理ステップにおいて前記一時停止状態または前記非常停止状態に設定した場合に、当該移動体の移動を停止する移動制御ステップと、
前記状態管理ステップにおいて前記非常停止状態に設定した場合のみ、当該移動体を監視する監視装置に対し、復旧操作を依頼する依頼情報を送信する送信ステップと
を有することを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−15528(P2009−15528A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−175557(P2007−175557)
【出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【出願人】(000202361)綜合警備保障株式会社 (266)
【Fターム(参考)】