説明

移動体による眼力トレーニング装置

【課題】 自宅や事務所の就寝時や休憩時に簡単に、低コストで自然に眼力の訓練ができるようにする。
【解決手段】 天井から紐に吊るした玩具飛行体を床上に位置する観察者が観察する。玩具飛行体は紐に吊るされた状態で推力と重力と揚力の動的な釣り合いで定まる旋回飛行をし、その後玩具飛行体は、次第に速度を速め旋回半径が次第に増大し、床面からの高度が次第に高くなり、その後次第に速度が遅くなり旋回半径が次第に小さくなり、床面からの高度が次第に低くなり、更に、紐が玩具飛行体内に次第に巻き取られ、紐が次第に短くなり、玩具飛行体は床面からの高度が次第に高くなり、紐の長さに拘束されて旋回半径が次第に小さくなり、次に紐が玩具飛行体内から巻き戻され、紐が次第に長くなり、床面からの高度が次第に低くなり、紐の長さに比例して旋回半径がやや大きくなり、当該玩具飛行体が前記旋回飛行を繰り返し、観察者が目で該玩具飛行体を観察する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、移動体による眼力トレーニング装置に関し、特に寝室や休憩室の天井に吊るされた玩具や軽量置物を利用した眼力トレーニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近来、急速な発展を成し遂げている電子文明は、各種の電子表示装置を見る世代を増大させている。その結果多くの仮性近視を生み出し目の健康、眼力への留意が注目を浴びている。又寿命が延びて高齢化に伴い何時までも健康な眼力を維持することが望まれている。
図10に示す眼球60回りの各直筋63が一定の負荷に置かれ、これらがこり固まって眼球運動に支障を来たすと考えられる。その結果図9、図11、図12示す毛様帯62、チン小体65の運動機能が低下し、水晶体61の伸び縮み機能も低下して焦点調節が不良となる。
【0003】
従来子供がまだ歩けない小さい赤ちゃんの時には、よく一人で仰向けに寝かされることがある。小さい赤ちゃんが単調な天井に退屈して泣き出さないように日本国内では、天井に吊るした円環に複数の玩具をぶら下げて、円環とともに複数の玩具を回転させて、その動きを乳幼児に見せるものがある。
このような玩具では、赤ちゃんの退屈を解消しているが、同時に赤ちゃんの目はこれらの回転する複数の玩具を見つめることで、自然に眼力の初期訓練となっている。
一方一般の玩具では、飛行機玩具に電池とモータとを設け、モータにプロペラを付けてスイッチを入れることで、飛行機玩具の後ろの該プロペラが回転する。
この飛行機玩具を天井から吊るして手を離すと、該プロペラ回転の推力で、飛行機玩具が大きく円を描いてクルクル回るものがある。飛行機玩具とプロペラをプラスチックの軽い材料を、また軽量小型小容量電池でも回る軽量小型小重量モータを使用して、人間に衝突してもケガしない軽い玩具となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、しかしながら、成人すると、殆どの人間は何らかの目に障害を感じない限り眼力の訓練を忘れてしまっている。そのために、現代の視覚用電子機器の日常化で、疲れ目、乱視、カスミ目、仮性近視が多くなっている。
また飛行機玩具は単に興味を引くおもちゃの役割しかなく、通常はお店やレストランの空いた空間で飛ばして目線より斜め上水平方向に見せて楽しむものであった。
本発明では目が疲れ目、乱視、カスミ目、仮性近視の人を、また正常な者でも、気楽に何時でも、自宅や事務所の就寝時や休憩時に簡単に、低コストで自然に眼力の訓練ができる装置を提供することを目的とする。*
【課題を解決するための手段】
【0005】
この請求項1の発明は、天井から紐に吊るした玩具飛行体と、対面する床上に位置する観察者が手で操作するリモコンとからなり、前記玩具飛行体は胴体と揚力を発生する左右の主翼と後方の尾翼と推力を発生するプロペラとアンテナとを備え、前記胴体内には電源と前記プロペラを駆動する電気モータと前記アンテナで発生した高調波電気信号を各種指令信号に変換する受信部と各種指令信号を受けて電源から前記電気モータに供給される電流量を制御する制御部とを設け、前記リモコンを、箱体とその内部には各種指令信号を発生させる複数の制御ボタンとその各種操作に基づいて各種の指令信号を発生する指令信号発生部と、発生された各種の指令信号を高調波電気信号に変換する送信部とを設け、変換された高調波電気信号を電波に変換して外部の空中に発射するアンテナとから構成し、観察者が前記リモコンの前記制御ボタンを操作すると、前記指令信号発生部から指令信号が発生し、この指令信号が電波となって前記アンテナから前記玩具飛行体の前記アンテナに発射され、そこで発生した高調波の指令電気信号を前記受信部が各種の指令信号に変換し、この各種の指令信号を受けて電源から電気モータに電流が供給されて、プロペラが回転して推力を発生し、前記玩具飛行体は静止状態から次第に前進し、左右の主翼では揚力を発生し、飛行体は紐に吊るされた状態で推力と重力と揚力の動的な釣り合いで、前記フックと前記紐と拘束された当該玩具飛行体が円錐を描く旋回飛行をする天井から紐に吊るした玩具飛行体において、前記リモコンには正逆ボタンと第2増減ボタンと、前記正逆ボタンの操作に基づいて電極の正負を切り替えるための切り替え信号を発生する正逆信号発生部と、前記第2増減ボタンの操作に基づいて前記電源から前記第2電気モータに供給される電流量を制御する第2増減信号を発生する第2増減信号発生部とを設けるとともに、接断ボタンと増減ボタンと、前記接断ボタンの操作に基づいて前記電池からの電流の供給を切断し又は接続とするための接断信号を発生する正逆信号発生部と、前記増減ボタンの操作に基づいて前記電池から前記電気モータに供給される電流量を制御する増減信号を発生する増減信号発生部とを設け、前記玩具飛行体の前記胴体には、第2モータとその出力軸に同軸上に結合され回転可能なプーリーと、前記切り替え信号を受けて電極の正負を切り替える正逆制御部と、前記第2増減信号を受けて前記電源から前記2電気モータに供給される電流量を制御する第2制御部とを設けるとともに、前記接断信号を受けて前記電池からの電流の供給を切断し又は接続とする接断制御部と、前記増減信号を受けて前記電源から前記電気モータに供給される電流量を制御する増減制御部と設け、観察者が天井に対面した床の仰向けになって、前記玩具飛行体を両眼で見つめ、前記リモコンの制御ボタンを操作すると、各種の指令信号が前記玩具飛行体に届き、前記前記接断信号を受けて前記玩具飛行体は紐に吊るされた状態で推力と重力と揚力の動的な釣り合いで定まる旋回飛行をし、その後前記増減信号を受けて前記玩具飛行体は、電流が増大するならば、次第に速度を速め旋回半径が次第に増大し、床面からの高度が次第に高くなり、電流が減少すれば、次第に速度が遅くなり旋回半径が次第に小さくなり、床面からの高度が次第に低くなり、前記切り替え信号を受けるとともに前記第2増減信号をうけると、電極が正で且つ電流が次第に増大するならば、前記プーリーが前記紐を次第に巻き取り、前記玩具飛行体は床面からの高度が次第に高くなり、紐の長さに拘束されて旋回半径が次第に小さくなり、電極が負で且つ電流が次第に増大するならば、前記プーリーが前記紐を巻き戻し、床面からの高度が次第に低くなり、紐の長さに比例して旋回半径がやや大きくなることを特徴とする。
【0006】
請求項2では、天井から紐に吊るした玩具飛行体を床上に位置する観察者が観察する眼力トレーニング方法であって、前記玩具飛行体は紐に吊るされた状態で推力と重力と揚力の動的な釣り合いで定まる旋回飛行をし、その後前記玩具飛行体は、次第に速度を速め旋回半径が次第に増大し、床面からの高度が次第に高くなり、その後次第に速度が遅くなり旋回半径が次第に小さくなり、床面からの高度が次第に低くなり、更に、前記紐が前記玩具飛行体内に次第に巻き取られ、前記紐が次第に短くなり、前記玩具飛行体は床面からの高度が次第に高くなり、紐の長さに拘束されて旋回半径が次第に小さくなり、次に前記紐が前記玩具飛行体内から巻き戻され、前記紐が次第に長くなり、床面からの高度が次第に低くなり、紐の長さに比例して旋回半径がやや大きくなり、当該玩具飛行体が前記旋回飛行を繰り返し、観察者が目で該玩具飛行体を観察することで眼力の訓練を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、左右に円弧を描くとともに、上下に移動して、目に近づいてリ、遠のいたりするので、視線と輻輳角及び焦点調節を繰返し行なうことができ、目の疲労の原因を排除できる。眼球運動を促進し、結果的に眼力の機能を強化し、視力の強化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図7において、視差について詳しく説明する。3次元空間にある物体即ち視標10aを人間が見る場合、左目53Lと右目53Rの網膜に写った像の違いを脳内の視覚野と、後頭連合野で処理して奥行きを知覚すると考えられている。動物たる人類の左右の目53L・53Rは約6−7cm離れているため、その視差(両眼視差)は近距離において奥行きを知覚するもっとも重要な要因となっている。
自然界に於ける人間の目では、左右の目53L・53Rが約6−7cm離れている理由で、右目視差効果度と左目視差効果度とこれらの映像相関計数は万人に共通で一定の規則性に従っている。
【0009】
次に図8において、無限遠点W(人間の生活空間では10m後方で充分)から距離L1に立方体10aがある場合と、距離L2に立方体10aがある場合と、距離L3に立方体10aがある場合とを考察する。距離L2は丁度パソコン画面等の位置とする。
立方体10aを見る場合には、観察者に近い距離L3の立方体10aは大きく(表示面積大)、観察者から中間位置距離L2にある立方体10aは中程度に(表示面積中)、観察者から遠い距離L1の立方体10aは小さく(表示面積小)それぞれ表示する。これを透視図法による遠近面積率と定義すると、遠近面積率は左右の目に共通である。
【0010】
立体感、遠近感の主要素(生理的立体視要素)としては、両眼視差:左右の目に写る像の違い、両眼輻湊:視線の交差角、つまり眼球の回転角、眼球回転角制御で距離が認識さる。焦点調節:焦点を合せる為のレンズ厚さ変化、レンズの厚さ制御で、距離が認識される。運動視差:移動により目に写る像の違いで、物体の状態変化により位置が認識される。最後に両眼の像が融合して、立体認識される。
【0011】
遠近感の主要素(感覚的立体視要素)としては、大・小:小さい物は遠く、大きい物は近くに感じる。上・下:上に有る物は遠く、下に有る物は近くに感じる。粗・密:密集した所は遠く、粗い所は近くに感じる。運動:遅く動く物は遠く、速く動く物は近くに感じる。遮・蔽:重なり隠れる物は遠く、隠す物は近くに感じる。明・暗:暗い所は遠く、明るい所は近くに感じる。鮮・明:霞んだ所は遠く、鮮明な所は近くに感じる。陰・影:影(光源)の位置による判断。濃・淡:淡い色は遠く、濃い色は近くに感じる。色相:寒色は遠く、暖色は近くに感じる。
【0012】
次に医学上知られている目の生理学上の構成について以下に説明する。
図9において、眼球60は外から見える角膜と虹彩と水晶体61と内部の硝子体と毛様体62と網膜と黄斑と視神経とから構成される。眼球60は外部を見るためにキョロキョロ動けるように、図10に示す6本の眼筋63に外表が結合されている。眼筋63は2本の上下直筋と2本の外内(眼球の左右側にある)直筋と2本の上下斜筋である。
眼球60は角膜と連続した柔らかい袋体64に包まれており、6本の眼筋63が袋体64を特定な位置から引くことで、眼球60が動く。
【0013】
水晶体61は柔らかい厚みのある円盤形であり、図9、図11、図12に示すようにその周縁部を囲むように毛様体62が位置し、毛様体62は略円環状であり、その外周部が角膜と袋体64とが連続する位置と結合している。毛様体62の内周部に水晶体61があり、毛様体62の内周部と水晶体61の外周部とは糸状の無数のチン小帯65で接続されている。
毛様体62が弛緩すると、チン小帯65が緊張して水晶体61が引っ張られて圧縮されて扁平となり、眼が遠くを見る状態になる。
一方毛様体62が収縮すると、図12に示すようにチン小帯65が緩み水晶体61が膨らむようになり厚くなり、眼が近くを見る状態になる。
【0014】
人間が意識して遠・近を見る場合には、毛様体62とチン小帯65と水晶体61とが動き焦点調整を行い、周囲を見る場合は、6本の眼筋63及び毛様体62とチン小帯65と水晶体61とが同時に動くことになる。
さて、長時間のテレビ観賞や電子表示装置上での仕事や子供の長時間に渡るテレビゲーム、通常の長時間の文書仕事では、眼の視界方向が一定、見ている対象映像への焦点距離が一定となっている。従って眼の6本の眼筋63及び毛様体62とチン小帯65と水晶体61が運動不足になり、さまざまな健康障害を起こす原因となる。
【0015】
外部から間接的に触れられる人間の筋肉では、手で揉んだり、屈伸運動をしたり、背伸びしたりして疲労回復が可能である。
眼の6本の眼筋63及び毛様体62とチン小帯65と水晶体61は元々小さく頭部内部の細かい筋肉であるので、任意に手で揉んだり、屈伸運動をしたり、背伸びしたり出来ない筋である。
【実施例1】
【0016】
本発明の移動体による眼力トレーニング装置の構成について図1を参照して説明する。
部屋の天井Cにはフック5が固定され、フック5には紐3により玩具飛行体1が吊るされている。玩具飛行体1はこの部屋の床Yや畳やベッドナ等にあお向け寝た状態の観察者Hが見つめる標識となっている。
玩具飛行体1は胴体下部に発光ダイオード7とアンテナ12を、後部に回転可能な小型のプロペラ2を備え、プロペラ2が回転するとその推力により、前進を始める。玩具飛行体1は紐3に吊り下げられており、前進時にその翼に発生する揚力とプロペラ2の推力により円運動(旋回飛行)をすることができる。
【0017】
観察者Hは片手にリモコン4を保持し、リモコン4からは電波Rが発射され、この電波Rは微弱であり、しかし玩具飛行体1のアンテナ12には充分届く強さである。
図2において、玩具飛行体1は長めの胴体30と左右の主翼31、32と尾翼33とを備え、胴体30の後端部で尾部33にプロペラ2が回転自在に設けられている。プロペラ2は玩具飛行体1が止まっているときに回転すると、扇風機のように周りの空気を送り出し、玩具飛行体1が吊るされて動ける状態では、空気をかき込んで前方に推力を発生する。
【0018】
図3において、玩具飛行体1の胴体30内部には電池6と受信部11と、プロペラ2を回転制御する電動部品と紐3の長さを調整する巻き取り機構が設けられている。電動部品は電気モータ8と接断電流制御部20と増減制御部21からなり、巻き取り機構は第2電気モータ9と正逆制御部22と第2電流制御部23とプーリー10から構成される。プーリー10は第2電気モータ9の出力軸に同軸上で結合されている。電池6からの給電により発光ダイオード7は発光するようになっている。
プーリー10の外周には断面V状の溝24が形成され、紐3の一端が固着されている。
【0019】
胴体30外部に設けたアンテナ12はリモコン4から発せられる電波Rを受信し、検波して各種の制御信号に変換し、受信部11に送る。受信部11は接断電流制御部20と増減制御部21と正逆制御部22と第2電流制御部23とにこれらの制御信号を送る。
接断電流制御部20は電池6から電気モータ8に与えられる電流を社団遮断し接続し、増減制御部21は気モータ8に与えられる電流量を制御して、始動させ、加速し、減速してり、停止させる。
【0020】
正逆制御部22は電池6から電気モータ9に与えられる電流の正/負を択一的に制御して、電極の正負を切り替え、プーリー10を正回転と逆回転に切り替える。
第2電流制御部21は電気モータ9に与えられる電流制御して、プーリー10を加速し、減速し、停止させる。
接断電流制御部20と増減制御部21との信号処理は正逆制御部22と第2電流制御部23との信号処理に比べて高速であり、従って、プーリー10の回転数はプロペラ2の回転数より比較的に遅い。
【0021】
次に図4において、リモコン4は電池38と第1コントローラー(接断ボタン)39と増減ボタン41と、第2コントローラー(正逆ボタン)40と第2増減ボタン42と、第1チャンネル部は始動停止(接断)制御部45と強弱(増減)制御部46と、第2チャンネル部は正逆制御部43と第2強弱(増減)制御部44とから構成される。
第1コントローラー39はプロペラ2の回転を制御し、第2コントローラー40はプーリー10の回転を制御する。
【0022】
第1コントローラー39はプロペラ2の回転を制御するもので、始動停止制御部45は電流の接続/遮断を択一的に制御する信号を、強弱制御部46は電流量を制御する信号をそれぞれ送信部47に送る。
第2コントローラー40は電流の正/負を択一的に制御する信号を、第2強弱制御部44は電流量を制御する信号をそれぞれ送信部47に送る。
【0023】
次に図1、図5、図6を使用して動作を説明する。図1において
部屋の天井Cのフック5に紐3で吊るされた玩具飛行体1を床Yに仰向けになった観察者Hが標識として見つめる。このとき紐3の長さを例えば天井Cと観察者Hの中間の高さhに設定しておく。
観察者Hがリモコン4の第1コントローラー39を操作すると、第1チャンネル部の始動停止制御部45は電流の接続を選択した信号を送信部47に送る。送信部47はアンテナ48を介して接続信号を電波Rに変換して玩具飛行体1に向けて発射する。
玩具飛行体1のアンテナ12は接続信号の電波Rを受信し、
受信部11はこの波Rを検波して接続信号に変換し、接断流制御部20にこの接続信号を送る。接断流制御部20はこの信号により、電池6から電気モータ8に与えられる電流を接続とし、始動させてプロペラ2を回転させる。
【0024】
プロペラ2が回転するとその推力により、玩具飛行体1は前進をゆっくり始める。紐3に吊り下げられており、前進時にその翼に発生する揚力とプロペラ2の推力により円運動を(旋回)する。観察者Hは両眼でこの玩具飛行体1を追うことで眼球が回転運動をする。
プロペラ2の推力により円運動は推力(回転)が一定であればニュートン力学によって定まる一定の半径の円錐運動(旋回)となる。
観察者Hが意識して玩具飛行体1の動きを見ていると、遠くから近くへ、近くから遠くへ動く標識を見るので、毛様体62とチン小帯65と水晶体61とが動き、焦点調整を行い、また具飛行体1の円運動を見ているので、6本の眼筋63及び毛様体62とチン小帯65と水晶体61とが同時に動くことになる。
【0025】
次に、増減ボタン41を操作すると強弱制御部46は電流量を制御する信号を送信部47に送る。増減ボタン41を前または後に倒すことで、電流の増加/減少を指令する。
送信部47は電流の増加/減少信号を電波Rに変換して玩具飛行体1に向けてアンテナ48を介して発射する。
玩具飛行体1のアンテナ12は増加/減少信号の電波Rを受信し、受信部11はこの波Rを検波して増加/減少信号に変換し、増減制御部21にこの増加/減少信号を送る。増減制御部21はこの信号により、電池6から電気モータ8に与えられる電流を次第に変化する増加/減少信号とし、プロペラ2の回転を次第に増加/減少させる。
【0026】
増減ボタン41を前に倒すことで、電流の増加を指令する。図5において、プロペラ2が高速回転するとその推力は次第に増大し、玩具飛行体1は前進を次第に加速する。紐3に吊り下げられた玩具飛行体1は次第に高速で前進しその翼に発生する揚力が次第に増大する。玩具飛行体1はこの次第に増大した揚力により大きい旋回半径r1からr2の円錐運動に次第に移る。紐3の長さが一定であれば、同時に増大した揚力により、玩具飛行体1の床からの位置は次第に高くh2からh1となる。
観察者Hは、次第に高いh1に移行して、次第に大きい半径r2を動く玩具飛行体1を見るので、両眼は次第に遠い方への焦点調整と次第に広い範囲の眼球運動を行うことになる。
【0027】
増減ボタン41を手前に倒すことで、電流の減少を指令する。今度は逆に、プロペラ2が低速回転に次第に移行する。その推力は減少し、玩具飛行体1は前進を次第に減速する。紐3に吊り下げられた玩具飛行体1は次第に低速で前進しその翼に発生する揚力が次第に減少する。玩具飛行体1は次第に減少する揚力により小さい半径r2からr1の円錐運動に次第に移る。紐3の長さが一定であれば、次第に減少した揚力により、玩具飛行体1の床からの位置は次第に低くh1からh2となる。
観察者Hは、低いh2で小さい旋回半径r1を動く玩具飛行体1を見るので、両眼は次第に近い方への焦点調整と次第に狭い範囲の眼球運動を行うことになる。
【0028】
増減ボタン41の操作を一定の周期で、前方に操作し、その後手前に操作することを人間の首をゆっくり回す程度の速さで繰り返し行うと、と上記の動作を玩具飛行体1は連続的に繰り返すことになる。
これにより、観察者Hは、次第に高いh1に移行して、次第に大きい旋回半径r2を動く玩具飛行体1を見て、両眼は次第に遠い方への焦点調整と次第に広い範囲の眼球運動を行い、次に次第に低い位置に移り且つ低い小さい旋回半径r1に移る玩具飛行体1を見るので、両眼は次第に近い方への焦点調整と次第に狭い範囲の眼球運動を行うことになる。観察者Hは焦点調整と眼球運動を平行して連続して行うことができる。
なお、この操作は予めリモコン4にプログラムしておいて、自動的に実行させることが出来る。
【0029】
リモコン4の第1コントローラー39を手前又は前方に操作すると、第1チャンネル部41に正または逆信号を送り、正逆制御部43は選択した電流の正または負の信号を、送信部47に送る。送信部47は電流の正または負の信号を電波Rに変換して玩具飛行体1に向けてアンテナ48を介して発射する。
【0030】
次に、第2コントローラー(正逆ボタン)40と第2増減ボタン42と、第1チャンネル部は始動停止(接断)制御部45と強弱(増減)制御部46と、第2チャンネル部は正逆制御部43と第2強弱(増減)制御部44
受信部11はこの波Rを検波して電流の正または負の信号に変換し、正逆制御部22に送る。正逆制御部22は電流の正または負の信号を受けて、信号電池6から電気モータ9に与えられる電流を正または負に設定する。これにより電気モータ9は正回転又は逆回転となる。
【0031】
図6において、プロペラ2の回転が一定とし、正逆制御部22が電流の正の信号電気を出力すると、モータ9は正回転しプーリー10も正回転し、紐3がプーリー10に巻き取られ短くなる。床からの玩具飛行体1の高さhはh1、h2、h3、h4と次第に高くなり、観察者Hから次第に遠くなり、短くなった紐3で引かれるので大きい円からより小さい円:大rd>rc>rb>ra小を描いて旋回する。
観察者Hは、次第に遠くなり、次第に小さい円に移りながら旋回する玩具飛行体1を見るので、両眼は遠い方へ変化する焦点調整と細かい眼球運動を行うことになる。
【0032】
正逆制御部22が電流の負の信号電気を出力すると、モータ9は逆回転しプーリー10も逆回転し、紐3がプーリー10から巻き戻され長くなる。床からの玩具飛行体1の高さhはh4、h3、h2、h1と次第に低くなり、観察者に次第に近くなり、長くなった紐3で引かれるので小さい円から大きな円: 小ra→大rdを描いて旋回する。
観察者Hは、次第に近くなり、次第に大きな円に移りながら旋回する玩具飛行体1を見るので、両眼は近い方への変化する焦点調整と大きな眼球運動を行うことになる。
第2コントローラー40の操作を分単位一定の周期で、前方に操作し、その後手前に操作することを繰り返し行うと、上記の旋回しながら上下動作を玩具飛行体1は連続的に繰り返すことになり、3次元内のスパイラル状の旋回となる。
【0033】
これにより、観察者Hは、小さい半径r1を描いて動く高いh4にある玩具飛行体1が、次第に近くに移行して、次第に大きな半径r2を描いて動く低いh1に移行する玩具飛行体1と、その後大きな半径R2を描いて動く低いh1にある玩具飛行体1が、次第に遠くに移行して、次第に小さな半径R1を描いて動く高いh4に移行する玩具飛行体1と、を繰り返し見るので、両眼は次第に近い方への焦点調整と次第に広い範囲の眼球運動と、次第に遠い方への焦点調整と次第に狭い範囲の眼球運動を繰り返し行うことになる。ここでも観察者Hは焦点調整と眼球運動を平行して連続して行うことができる。
なお、ここでもこの操作は予めリモコン4にプログラムしておいて、自動的に実行させることが出来る。
【0034】
なお、更にリモコン4の第2コントローラー40と第2増減ボタン42の操作と、第1コントローラー39と増減ボタン41による操作を同時に組み合わせた操作と、一定の周期で行うプログラムをリモコン4に予め設定できる。その場合は、玩具飛行体1の旋回運動が、連続的に近くで大きい円から小さい円へ、早い速度から遅い速度へ、遠くから近くへと各種組み合わせた動きが自治現きる。これにより眼球運動が積極的に行われて、目の疲労回復が早められる。
こうしてより個々の人体に合った効果的な眼球運動と焦点調整運動が実現できる。
【0035】
実施例では玩具被校体1を玩具の飛行機としたが、これに限らずスーパーマンのような各種人形やおもちゃの昆虫や漫画のゴジラなど各種キャラクターであってもよい。
これら各種人形や各種キャラクターはフック5に交換して吊るされるようにし、好みの玩具被校体1を複数使用することが出来る。
更に玩具被校体には発光ダイオードを取り付け、各種色を発光させ、または点滅させて観察者の注意を引くようにしてもいい。
なお更に玩具被校体1にはマスタースイッチを設け、電池5から発光ダイオード7及び電動モータへの給電を、玩具被校体1をフック5に吊るす時に手動で切断・接続してもいい。また電池5から発光ダイオード7への給電もリモコン4により制御してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
眼の6本の眼筋63及び毛様体62とチン小帯65と水晶体61は元々小さく頭部内部の細かい筋肉であるので、任意に手で揉んだり、屈伸運動をしたり、背伸びしたり出来ない筋である。この発明によれば、眼球運動と焦点調整運動が簡単に実現できるので、結果的に、眼の6本の眼筋63及び毛様体62とチン小帯65と水晶体61は元々小さく頭部内部の細かい筋肉を、あたかも任意に手で揉み、屈伸運動をし、背伸びをしたことになる。
玩具飛行体は、既存の安価で安定した電機資材と安全で軽いプラスチック材使用で作成きるので、誰でも自由に自宅で就寝時にための疲労回復を行うことができる。
生産技術も既知の手法で出来るので、大量生産して、全国の家庭に配れる商品となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】 この発明の移動体による眼力トレーニング装置の使用状態での全体構成を示す図である。
【図2】 図1中の玩具飛行体の外観斜視図である。
【図3】 図2の玩具飛行体に内臓される電気部品と回路ブロック図である。
【図4】 図1のリモコンに内臓される回路ブロック図である。
【図5】 この発明の移動体による眼力トレーニング装置の円運動を説明する図である。
【図6】 この発明の移動体による眼力トレーニング装置の離隔接近運動を説明する図である。
【図7】 両眼による左右視差を説明するための図である。
【図8】 透視図法による遠近図形を説明する図である。
【図9】 人間の眼の構造を示す垂直断面図である。
【図10】 人間の眼球の周りにある6本の筋肉の配置を示す外観図である。
【図11】 人間の目が遠くに焦点を合せた状態の水晶体と毛様体とチン小帯を説明する正面図と扁平な水晶体の簡略側面図である。
【図12】 人間の目が近くに焦点を合せた状態の水晶体と毛様体とチン小帯を説明する正面図と膨らんだ水晶体の簡略側面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 玩具飛行体
2 プロペラ、
3 紐
4 リモコン、
5 フック、
6、38 電池
7 発光ダイオード
8、9 電気モータ
10 ぷーりー
11 受信部
12、48 アンテナ20 第1電流制御部
21 第2電流制御部正逆制御部
30 胴体
39 第1コントローラー
40 第2コントローラー
41 増減ボタン
42 第2増減ボタン
43 正逆制御部
44 第2強弱(増減)制御部
45 始動停止(接断)制御部
46 強弱(増減)制御部
47 送信部
C 天井
H 観察者
Y 床

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井から紐に吊るした玩具飛行体と、対面する床上に位置する観察者が手で操作するリモコンとからなり、
前記玩具飛行体は胴体と揚力を発生する左右の主翼と後方の尾翼と推力を発生するプロペラとアンテナとを備え、
前記胴体内には電源と前記プロペラを駆動する電気モータと前記アンテナで発生した高調波電気信号を各種指令信号に変換する受信部と各種指令信号を受けて電源から前記電気モータに供給される電流量を制御する制御部とを設け、
前記リモコンを、箱体とその内部には複数の制御ボタンとその各種操作に基づいて各種の指令信号を発生する指令信号発生部と、発生された各種の指令信号を高調波電気信号に変換する送信部とを設け、変換された高調波電気信号を電波に変換して外部の空中に発射するアンテナとから構成し、
観察者が前記リモコンの前記制御ボタンを操作すると、前記指令信号発生部から指令信号が発生し、この指令信号が電波となって前記アンテナから前記玩具飛行体の前記アンテナに発射され、そこで発生した高調波の指令電気信号を前記受信部が各種の指令信号に変換し、この各種の指令信号を受けて電源から電気モータに電流が供給されて、プロペラが回転して推力を発生し、
前記玩具飛行体は静止状態から次第に前進し、左右の主翼では揚力を発生し、飛行体は紐に吊るされた状態で推力と重力と揚力の動的な釣り合いで、前記フックと前記紐と拘束された当該玩具飛行体が円錐を描く旋回飛行をする天井から紐に吊るした玩具飛行体において、
前記リモコンの制御ボタンには正逆ボタンと第2増減ボタンと接断ボタンと増減ボタンとを設けるとともに、
前記正逆ボタンの操作に基づいて電極の正負を切り替えるための切り替え信号を発生する正逆信号発生部と、前記第2増減ボタンの操作に基づいて前記電源から前記第2電気モータに供給される電流量を制御する第2増減信号を発生する第2増減信号発生部と、
前記接断ボタンの操作に基づいて前記電池からの電流の供給を切断し又は接続とするための接断信号を発生する正逆信号発生部と、
前記増減ボタンの操作に基づいて前記電池から前記電気モータに供給される電流量を制御する増減信号を発生する増減信号発生部とを設け、
前記玩具飛行体の前記胴体には、第2モータとその出力軸に同軸上に結合され回転可能なプーリーと、前記切り替え信号を受けて電極の正負を切り替える正逆制御部と、
前記第2増減信号を受けて前記電源から前記2電気モータに供給される電流量を制御する第2制御部とを設けるとともに、
前記接断信号を受けて前記電池からの電流の供給を切断し又は接続とする接断制御部と、前記増減信号を受けて前記電源から前記電気モータに供給される電流量を制御する増減制御部と設け、
観察者が天井に対面した床の仰向けになって、前記玩具飛行体を両眼で見つめ、前記リモコンの制御ボタンを操作すると、各種の指令信号が前記玩具飛行体に届き、
前記前記接断信号を受けて前記玩具飛行体は紐に吊るされた状態から、前記プロペラの推力と前記玩具飛行体の重力と前記主翼の揚力からなる動的な釣り合いで定まる旋回飛行をし、その後前記増減信号を受けて前記玩具飛行体は、電流が増大するならば、次第に速度を速め旋回半径が次第に増大し、床面からの高度が次第に高くなり、電流が減少すれば、次第に速度が遅くなり旋回半径が次第に小さくなり、床面からの高度が次第に低くなり、
前記切り替え信号を受けるとともに前記第2増減信号をうけると、電極が正で且つ電流が次第に増大するならば、前記プーリーが前記紐を次第に巻き取り、前記玩具飛行体は床面からの高度が次第に高くなり、紐の長さに拘束されて旋回半径が次第に小さくなり、
電極が負で且つ電流が次第に増大するならば、前記プーリーが前記紐を巻き戻し、床面からの高度が次第に低くなり、紐の長さに比例して旋回半径がやや大きくなることを特徴とする移動体による眼力トレーニング装置
【請求項2】
前記玩具飛行体が各種人形または各種キャラクターであることを特徴とする請求項1に記載の移動体による眼力トレーニング装置。
【請求項3】
前記玩具飛行体には発光ダイオードを設け、各種色を発光することを特徴とする請求項1に記載の移動体による眼力トレーニング装置。
【請求項4】
天井から紐に吊るした玩具飛行体を床上に位置する観察者が観察する眼力トレーニング方法であって、
前記玩具飛行体は紐に吊るされた状態で推力と重力と揚力の動的な釣り合いで定まる旋回飛行をし、その後前記玩具飛行体は、次第に速度を速め旋回半径が次第に増大し、床面からの高度が次第に高くなり、
その後次第に速度が遅くなり旋回半径が次第に小さくなり、床面からの高度が次第に低くなり、
更に、前記紐が前記玩具飛行体内に次第に巻き取られ、前記紐が次第に短くなり、前記玩具飛行体は床面からの高度が次第に高くなり、紐の長さに拘束されて旋回半径が次第に小さくなり、
次に前記紐が前記玩具飛行体内から巻き戻され、前記紐が次第に長くなり、床面からの高度が次第に低くなり、紐の長さに比例して旋回半径がやや大きくなり、当該玩具飛行体が前記旋回飛行を人間の目が追随できる速度で繰り返し、観察者が目で該玩具飛行体を観察することで眼力の訓練を行う移動体による眼力トレーニング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−189760(P2009−189760A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−64887(P2008−64887)
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【出願人】(500158384)
【Fターム(参考)】