説明

移動体マルチキャストサービスのために固定ネットワークにおいてマルチキャストバックホールチャネルをセットアップすることを支援するための方法および装置

移動体マルチキャストサービスのために固定ネットワークにおいてマルチキャストバックホールチャネルをセットアップすることを支援するための方法および装置、ただし、この方法は、移動体基地局が、移動体基地局に属する移動端末から、移動体マルチキャストサービスを要求するためのマルチキャスト参加メッセージを取得し、さらに、そのマルチキャスト参加メッセージを、固定ネットワークにおける上位ネットワーク装置が固定ネットワークにおいてマルチキャストバックホールチャネルをセットアップするのを支援するために、その上位ネットワーク装置に送信することを含む。本発明は、フェムトセルの従来技術における固定アクセスネットワークおよび統合ネットワークにおいて、移動体マルチキャストサービスのための固定ネットワークにおけるマルチキャストバックホールチャネルをセットアップすることができないという問題を解決し、固定アクセスネットワークのネットワークリソースを節約し、さらにゲートウェイ、エッジルータ、およびアクセスノードなどの、固定アクセスネットワークの各ネットワーク要素の作業負荷を軽減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークに関し、より詳細には、移動体マルチキャストサービスのための固定ネットワークにおいてマルチキャストバックホールの確立を支援するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フェムトセル技術は、通信業界においてホットな話題である。フェムトセル技術は、移動体通信屋内カバレッジを拡大するためのソリューションであり、移動ユーザ端末、例えば、移動電話機または携帯情報端末(PDA)によって開始された音声呼またはデータ呼を、固定ネットワークにおけるバックホールを介する標準のインタフェースに基づいて、3G移動体コアネットワークに伝送することができる。つまり、フェムトセル技術は、固定ネットワークをその技術のバックホールとし、その技術のファミリアクセスポイントは、プラグアンドプレイであり、任意のIPベースの伝送ネットワークに接続されることが可能である。
【0003】
従来のマクロセルの無線伝搬の特徴は、建造物に対する侵入パフォーマンスが良くないことであり、このことは、屋内サービス品質が低下することをもたらす。フェムトセル技術の出現は、屋内のカバレッジおよびサービス品質を実質的に向上させる。
【0004】
図1は、フェムトセル技術を使用して、既存の通信ネットワークにおける固定バックホールを介して移動体マルチメディアブロードキャスト/マルチキャストサービス(MBMS)を伝送することの概略図を示す。図1に示されるとおり、通信ネットワークは、移動体基地局1、例えば、基地局ルータ(BSR)(eNodeBまたはホームNodeBとも呼ばれる)1、アクセスノード(AN)2、エッジルータ3、フェムトセルGゲートウェイ(GW)4、およびブロードキャストマルチキャストサービスセンタ(BM−SC)5を備える。フェムトセルゲートウェイ4は、移動体コアネットワークと公共IPネットワークの間に構成され、さらにフェムトセルゲートウェイ4は、移動体コアネットワーク向けの標準のインタフェース、例えば、Iu_CSインタフェース、Iu_PSインタフェース、Gn/Giインタフェース、およびその他のネットワーク側インタフェースを集結させ、提供する。BSR1は、アクセスノード2を介して固定アクセスネットワークに接続される。固定アクセスネットワークは、ADSLネットワーク、またはFTTXネットワークであることが可能である。図1は、4つのBSR、1a、1b、1c、および1d、ならびに2つのアクセスノード、2aおよび2b nを示す。ただし、BSR、1aおよび1bは、アクセスノード2aに接続され、BSR、1cおよび1dは、アクセスノード2bに接続される。アクセスノード2aおよび2bは、固定アクセスネットワークまたは統合ネットワークを介してエッジルータ3を相手に接続を確立し、エッジルータ3は、公共IPネットワークにアクセスされ、最終的に、フェムトセルGW4を介して移動体コアネットワークに接続される。ただし、移動体コアネットワークにおけるBM−SC5は、移動体ブロードキャストおよびマルチキャストサービスを提供する。図1に示される4つのBSRおよび2つのアクセスノードは、単に例示的であり、実際的なネットワークは、前述の構成、または前述の構成におけるネットワーク要素の数に限定されないことが認識され得る。
【0005】
従来技術における無線データ伝送のプロセスが、以下に簡単に説明される。移動電話機またはPDAなどの移動ユーザ端末が、移動体コアネットワークからマルチキャストサービスを要求する際、移動ユーザ端末機器は、マルチキャストグループに参加することを要求するために、マルチキャスト参加メッセージを送信する。したがって、BSRは、インターネットプロトコルセキュリティトンネル(IPSec Tunnel)を介してマルチキャスト参加メッセージを送信する。つまり、IPSecパケットの中にマルチキャスト参加メッセージをカプセル化すること、カプセル化されたIPSecパケットの宛先アドレスは、トンネルの出口、すなわち、フェムトセルGW4であり、カプセル化されたIPSecパケットの送信元アドレスは、トンネルの入口、すなわち、BSRのIPアドレスである。同様に、BSR、1b−1dによって支配される移動ユーザ端末がすべて、マルチキャストサービスを要求する際、3つのBSRはそれぞれ、異なるIPSecトンネルを介してマルチキャスト参加メッセージを送信する。この状況を使用して、マルチキャスト参加メッセージは、対応するBSRからフェムトセルGW4までユニキャストトンネルを介して直接に送信され、このトンネルは、固定アクセスネットワークを通過し、したがって、そのマルチキャスト参加メッセージは、固定アクセスネットワークにおける各ネットワーク要素、例えば、アクセスノード、スイッチ、ルータまたはエッジルータには見えず、このため、マルチキャストバックホールは、その固定ネットワークにおいて確立され得ず、したがって、マルチキャストサービスデータは、固定ネットワークにおいてユニキャスト形態で伝送されることしか可能でない。したがって、BSR1a−1dによって支配される移動ユーザ端末機器がすべて、BM−SC5からマルチキャストサービスを要求する際、4つのBSRが移動体コアネットワークから同一のマルチキャストサービス、例えば、マルチキャストサービス60を要求する場合でさえ、フェムトセルGW4は、それでも、マルチキャストサービス60の4つのコピー、つまり、60a、60b、60c、および60dを、4つのIPSecトンネルを介してユニキャスト形態で、つまり、ユニキャスト形態でBSR1a−1dに送信して、4つのBSRに送信する。
【0006】
したがって、移動体コアネットワークとフェムトセルの間でMBMSサービスを伝送する既存の方法は、固定ネットワークにおいて巨大なネットワークリソースを占有し、ゲートウェイ、エッジルータ、およびアクセスノードなどのネットワークデバイスに重い作業負荷をもたらす。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】RFC3376:http://www.ietf.org/rfc/rfc3376.txt?number=3376、インターネットグループマネージメントプロトコル、バージョン3
【非特許文献2】RFC3810:http://www.ietf.org/rfc/rfc3810.txt?number=3810
【非特許文献3】RFC2710:http://www.ietf.org/rfc/rfc2710.txt?number=2710
【非特許文献4】標準3GPP TS23.246
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
既存の技術の問題に基づいて、本発明は、移動体基地局が、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスが固定ネットワークにおいてバックホールを確立するのを支援する方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、移動体基地局において、移動体コアネットワークのマルチキャストサービスにアクセスする、移動体基地局によって支配される移動ユーザ端末機器に対して、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスが、固定ネットワークにおけるマルチキャストバックホールを確立するのを支援する方法が提供され、この方法は、移動ユーザ端末機器から、移動体マルチキャストサービスを要求するマルチキャスト参加メッセージを取得すること、上位ネットワークデバイスが、そのマルチキャスト参加メッセージに従って移動体マルチキャストサービスのために固定ネットワークにおけるマルチキャストバックホールを確立するのを支援することを含む。
【0010】
好ましくは、この方法は、以下のステップ、すなわち、マルチキャスト参加メッセージを、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスに送信して、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスが固定ネットワークにおいてマルチキャストバックホールを確立するのを支援するようにすることを含む。
【0011】
本発明の第2の態様によれば、移動体基地局において、移動体コアネットワークのマルチキャストサービスにアクセスする、移動体基地局によって支配される移動ユーザ端末機器に対して、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスが、固定ネットワークにおけるマルチキャストバックホールを確立するのを支援するための制御装置であって、移動ユーザ端末機器から、移動体マルチキャストサービスを要求するマルチキャスト参加メッセージを取得するための、第1の取得するための手段と、上位ネットワークデバイスが、そのマルチキャスト参加メッセージに従って移動体マルチキャストサービスのために固定ネットワークにおけるマルチキャストバックホールを確立するのを支援するための、支援する手段とを備える、制御装置が提供される。
【0012】
好ましくは、支援する手段は、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスにマルチキャスト参加メッセージを送信して、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスが固定ネットワークにおいてマルチキャストバックホールを確立するのを支援するようにするための、送信する手段をさらに備える。
【0013】
本発明によって提供される技術的ソリューションを使用して、固定ネットワークにおけるネットワークリソースが節約され、ゲートウェイ、エッジルータ、アクセスノードなどの、固定ネットワークにおけるネットワーク要素の重い作業負荷が軽減される。
【0014】
制限的ではない実施形態の後段の詳細な説明を参照して、本発明の他の特徴、目的、および利点が、より明白となろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】フェムトセル技術を使用して、通信ネットワークにおける固定ユニキャストバックホールを介して移動体ブロードキャスト/マルチキャストサービスを伝送するための既存の技術を示す概略図である。
【図2】フェムトセル技術を使用して、通信ネットワークにおける固定マルチキャストバックホールを介して移動体マルチキャストサービスを伝送するための本発明のネットワークトポロジを示す概略図である。
【図3】本発明の実施例を示す方法フローチャートである。
【図4】本発明の実施例を示す装置ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
同一の、または同様の参照符号は、同一の、または同様のステップ特徴または装置(モジュール)を指す。
【0017】
図2は、本発明のネットワークトポロジを示すための例として取り上げる。図2に示されるとおり、通信ネットワークが、移動体基地局1a−1d、アクセスノード(AN)2aおよび2b、エッジルータ3、フェムトセルゲートウェイ(GW)4、ならびにブロードキャストマルチキャストサービスセンタ(BM−SC)5を備える。フェムトセルゲートウェイ4は、移動体コアネットワークと公共IPネットワークの間に構成される。BSR1が、アクセスノード2を介して固定アクセスネットワークに接続される。固定アクセスネットワークは、ADSLネットワーク、またはFTTXネットワークであることが可能である。図2は、4つのBSR、1a、1b、1c、および1d、ならびに2つのアクセスノード、2aおよび2b nを示す。ただし、BSR、1aおよび1bは、アクセスノード2aに接続され、BSR、1cおよび1dは、アクセスノード2bに接続される。アクセスノード2aおよび2bは、固定アクセスネットワークまたは統合ネットワークを介してエッジルータ3を相手に接続を確立し、エッジルータ3は、公共IPネットワークにアクセスされ、最終的に、フェムトセルGW4を介して移動体コアネットワークに接続される。ただし、移動体基地局は、eNodeBまたはホームNodeB(H−NodeB)とも呼ばれる、基地局ルータ(BSR)であることが可能であり、BSRは、基地局、ルータ、および無線ネットワークコントローラ(RNC)の機能を統合し、ときとして、サービスGPRSサポートノード(SGSN)、ゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)などの機能を範囲に含むことさえ可能である。移動体コアネットワークにおけるブロードキャストマルチキャストサービスセンタ(BM−SC)5は、移動体ブロードキャストおよびマルチキャストサービスを提供するのに使用される。図2に示される4つのBSRおよび2つのアクセスノードは、単に例示的であり、実際的なネットワークは、前述の構成、または前述の構成におけるネットワーク要素の数に限定されないことが認識され得る。さらに、BSRに接続されたネットワークデバイスは、小型ルータ、小型スイッチであることも可能であり、デジタル加入者線アクセスマルチプレクサ(DSLAM)などのアクセスデバイスに限定されない。
【0018】
次に図3を参照して、本発明の方法フローチャートが、以下のとおり説明される。
【0019】
図3に示されるとおり、ステップS10で、BSRが、BSRによって支配される移動ユーザ端末機器からのデータパケットを検査する。具体的には、BSRは、IPパケットのヘッダのプロトコルタイプおよびメッセージタイプを探索する。
【0020】
(事例1):
IPヘッダの中のプロトコルタイプが2である場合、このことは、IPパケットのデータ部分がIGMPメッセージを備えることを示す。すると、BSRが、IGMPメッセージのメッセージタイプをさらに探索する。
【0021】
i)IGMPメッセージのメッセージタイプが0×22である場合、このことは、IGMPメッセージがバージョン3マルチキャスト参加メッセージ、すなわち、バージョン3メンバシップレポートであることを示し、あるいはii)IGMPメッセージのメッセージタイプが0×12である場合、このことは、IGMPがバージョン1マルチキャスト参加メッセージ、すなわち、バージョン1メンバシップレポートであることを示し、あるいはiii)IGMPメッセージのメッセージタイプが0×16である場合、このことは、IGMPがバージョン2マルチキャスト参加メッセージ、すなわち、バージョン2メンバシップレポートであることを示し(RFC3376:http://www.ietf.org/rfc/rfc3376.txt?number=3376、インターネットグループマネージメントプロトコル、バージョン3を参照されたい)、以上3つの場合、すなわち、IGPMメッセージがマルチキャスト参加メッセージである場合において、方法は、ステップS11に入り、BSRが、移動ユーザ端末機器から、移動体マルチキャストサービスを要求するマルチキャスト参加メッセージ、つまり、メンバシップレポートメッセージ、またはIGMP参加メッセージを取得する。
【0022】
(事例2):
IPヘッダの中のプロトコルタイプが2である場合、このことは、IPパケットのデータ部分がIGMPメッセージを備えることを示す。すると、BSRが、IGMPメッセージのメッセージタイプをさらに探索する。
【0023】
i)IGMPメッセージのメッセージタイプが0×17である場合、このことは、IGMPメッセージがバージョン2グループ離脱、すなわち、マルチキャスト離脱メッセージであることを示し、方法は、ステップS11’に入る。
【0024】
事例1および事例2は、BSRがIPv4データパケットを検査する状況に焦点を合わせる。以下の事例3および事例4は、BSRがIPv6データパケットを検査する状況に焦点を合わせる。
【0025】
(事例3):
IPヘッダの中のプロトコルタイプが1である場合、このことは、IPパケットのデータ部分がICMPメッセージを備えることを示す。すると、BSRが、ICMPメッセージのメッセージタイプをさらに探索する。ICMPメッセージのメッセージタイプが58である場合、このことは、ICMPv6メッセージがマルチキャストリスナ発見(MLD)メッセージを伝送することを示し、すると、BSRが、MLDメッセージのメッセージタイプをさらに探索する。
【0026】
i)MLDメッセージのメッセージタイプが10進法で143である場合、このことは、MLDメッセージがバージョン2マルチキャストリスナレポート(タイプ=10進143)であることを示し(RFC3810:http://www.ietf.org/rfc/rfc3810.txt?number=3810を参照されたい)、あるいはii)MLDメッセージのメッセージタイプが10進法で131である場合、このことは、MLDメッセージがバージョン1マルチキャストリスナレポート(タイプ=10進131)であることを示し(RFC2710:http://www.ietf.org/rfc/rfc2710.txt?number=2710を参照されたい)、すると、事例3におけるi)およびii)に関して、MLDメッセージは、マルチキャスト参加メッセージであり、方法は、ステップS11に入り、BSRが、移動ユーザ端末機器から、移動体マルチキャストサービスを要求するマルチキャスト参加メッセージ、つまり、メンバシップレポートメッセージ、またはMLD参加メッセージを取得する。
【0027】
(事例4):
IPヘッダの中のプロトコルタイプが1である場合、このことは、IPパケットのデータ部分がICMPメッセージを備えることを示す。すると、BSRが、ICMPメッセージのメッセージタイプをさらに探索する。ICMPメッセージのメッセージタイプが58である場合、このことは、ICMPv6メッセージがマルチキャストリスナ発見(MLD)メッセージを伝送することを示し、すると、BSRが、MLDメッセージのメッセージタイプをさらに探索する。
【0028】
i)MLDのメッセージタイプが10進法で132である場合、このことは、MLDメッセージがバージョン1マルチキャスト終了メッセージ、すなわち、バージョン1マルチキャストリスナ終了(タイプ=10進132)であることを示し(RFC2710:http://www.ietf.org/rfc/rfc2710.txt?number=2710を参照されたい)、ホストがIPv6マルチキャストグループを離脱する際、ホストは、それに相応して、マルチキャスト離脱メッセージであるMLD終了メッセージを送信し、次に、方法は、ステップS11’に入る。
【0029】
ステップS10で、BSRが、IPパケットのプロトコルタイプおよびメッセージタイプを検査し、そのIPパケットが前述の4つの事例のいずれにも属さない、つまり、そのIPパケットがマルチキャスト参加メッセージにも属さず、マルチキャスト離脱メッセージにも属さないと判定した場合、方法は、ステップS11”に入り、BSRが、IPSecを介してそのIPパケットを直接にカプセル化し、つまり、そのIPパケットに関してIPインIPカプセル化を実行する。カプセル化されたIPパケットの宛先アドレスは、フェムトセルGW4のアドレスであり、BSRが、カプセル化されたIPパケットを、IPSecトンネルを介してIPSecトンネルの出口、フェムトセルGW4に直接に送信する。
【0030】
以下に、事例1および事例3に関する本発明の後続のステップがまず、説明される。ステップS11で、BSRが、移動ユーザ端末機器から移動体マルチキャストサービスを要求するマルチキャスト参加メッセージを取得すると、方法は、ステップS12に入り、BSRが、マルチキャスト参加メッセージをコピーし、マルチキャスト参加メッセージのコピーをBSRの中に保存する。
【0031】
さらに、BSRが、マルチキャスト参加メッセージに関するIPインIPカプセル化を実行し、IPSecトンネルを介してマルチキャスト参加メッセージを転送する。トンネルの入口は、BSRのIPアドレスであり、トンネルの出口は、フェムトセルGW4のIPアドレスであり、このことは、図3に示されない、移動体ネットワークにおけるマルチキャストサービスの無線マルチキャストベアラを確立することを目的とする。
【0032】
IPSecトンネルを介して転送された、カプセル化されたデータパケットがフェムトセルGW4に到達した後、フェムトセルGWは、そのパケットをカプセルから取り出し、そのパケットを、処理のために移動体コアネットワークに転送する。移動体コアネットワークは、マルチキャスト参加メッセージに対して対応する認証を実行し、マルチキャストサービスのために移動体ネットワークにおいて無線マルチキャストベアラを確立して、MBMS UEコンテキストを生成するようにする。これらの実施の詳細は、従来技術において記録されており、簡明のために省略される、標準3GPP TS23.246において参照することができる。
【0033】
次に、ステップS13で、BSRが、MBMS UEコンテキストである、移動体コアネットワークからのフィードバックメッセージを取得する。
【0034】
すると、BSRが移動体コアネットワークからMBMS UEコンテキストを受信した後、方法は、ステップS14に入る。ステップS14で、BSRが、ステップS12で格納されたマルチキャスト参加メッセージを、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスに送信して、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスが固定ネットワークにおいてマルチキャストバックホールを確立するのを支援するようにする。
【0035】
具体的には、BSRが、MBMS UEコンテキストにおける送信元アドレスおよび宛先アドレスに従って、格納された複数のマルチキャスト参加メッセージから対応するマルチキャスト参加メッセージを探し出す。例えば、BSRは、移動体コアネットワークからフィードバック情報を受信し、MBMS UEコンテキストにおける関連する送信元アドレスは、移動ユーザ端末機器のIPアドレス、例えば、101.0.0.11であり、関連する宛先アドレスは、224.0.0.22であるマルチキャストアドレスである。次に、BSRは、フィードバックメッセージに従って、BSRの中に格納された移動ユーザ端末機器からの複数のマルチキャスト参加メッセージを探索し、宛先アドレスがマルチキャストアドレス224.0.0.22であり、さらに送信元アドレスが移動ユーザ端末機器のIPアドレス、例えば、101.0.0.11であるマルチキャスト参加メッセージを探し出す。次に、BSRは、そのマルチキャストメッセージが、フィードバックされたMBMS UEコンテキストに対応するマルチキャスト参加メッセージであることを特定する。次に、BSRは、フィードバックされたMBMS UEコンテキストに対応するマルチキャスト参加メッセージを、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスに送信する。図2に示されるトポロジにおいて、BSRの上位ネットワークデバイスは、アクセスノード、例えば、DSLAMであるが、BSRの適用シナリオは、そうであることに限定されない。BSRの上位ネットワークデバイスは、小型スイッチ、小型ルータであることが可能であり、ただし、小型ルータは、FTTX接続シナリオに対応する。したがって、様々なネットワークトポロジに応じて、BSRは、マルチキャスト参加メッセージを、BSRに接続された上位ネットワークデバイスに送信する。
【0036】
固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスがBSRからマルチキャスト参加メッセージを受信すると、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスは、そのマルチキャスト参加メッセージの送信元アドレスおよび宛先アドレスを記録し、既存のフローに従って対応するポートを構成し、対応するルーティングプロトコルに従ってマルチキャスト参加メッセージを転送し、最後に、マルチキャストツリーを確立することが可能である。
【0037】
BSRの固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスが移動体ネットワークにおける送信元アドレスに影響されやすい可能性があることを考慮すると、つまり、送信元アドレスが移動体ネットワークにおけるアドレスである場合、例えば、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスが、アドレス101.0.0.11を有する移動ユーザ端末機器を送信元とするメッセージを受信した場合、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスは、そのメッセージの送信元アドレスが固定ネットワークセグメントに属さないと考え、そのメッセージを直接に破棄する可能性がある。前述の状況に対処するのに、変形された実施形態において、BSRがステップS14に入る前に、方法は、以下をさらに備える。すなわち:
マルチキャスト参加メッセージの送信元アドレスをBSRのIPアドレスに変更すること。BSRのIPアドレスは、固定ネットワークによって割り当てられ、固定ネットワークセグメントに属し、例えば、BSRのIPアドレスが202.0.0.11であり、したがって、BSRが、マルチキャスト参加メッセージの送信元アドレスをBSRのIPアドレス、202.0.0.11に変更し、次に、方法は、ステップS14に入り、変更された送信元アドレスを有するマルチキャスト参加メッセージが、BSRの固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスに送信される。
【0038】
前述の実施形態において、BSRがステップS13を終了した後、つまり、BSRが移動体コアネットワークからフィードバックメッセージを取得した後、方法は、ステップS14に入り、マルチキャスト参加メッセージが、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスに送信される。前述の実施する順序は、単に例示的であることに留意されたい。変形された実施形態において、ステップS12は、省略されてもよく、ステップS13およびS14の実施は、厳格な順序を有さない。つまり、移動ユーザ端末機器から、移動体マルチキャストサービスを要求するマルチキャスト参加メッセージを取得するステップS11の後、BSRは、マルチキャスト参加メッセージをバッファリングする必要はなく、ステップS14に直接に入り、つまり、BSRは、そのマルチキャスト参加メッセージを、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスに送信し、次に、BSRは、そのマルチキャスト参加メッセージを、IPSecトンネルを介してフェムトセルGW4に送信し、その後、そのメッセージがフェムトセルGW4によってカプセルから取り出され、移動体コアネットワークに送信される、つまり、BSRが、移動体マルチキャストサービスのために固定ネットワークにおけるマルチキャストバックホールの確立をトリガするプロセスは、移動体コアネットワークからのフィードバックに依存しない。さらに、BSRは、移動体ネットワークにおいて無線マルチキャストベアラをさらに確立し、このことは、この場合、省略され、図3に示されない。この変形された実施形態は、時間を節約する。しかし、移動体マルチキャストサービスを求める要求が、移動体コアネットワークによって認証されない場合、このことは、固定ネットワークにおいて確立されたマルチキャストバックホール、例えば、マルチキャストツリーなどの無効を生じさせる可能性がある。
【0039】
それぞれの前述の実施形態はすべて、マルチキャストメッセージがマルチキャスト参加メッセージである状況に焦点を合わせる。以下に、事例2および事例4、つまり、マルチキャストメッセージがマルチキャスト離脱メッセージである事例と関係する実施形態の説明が与えられる。
【0040】
ステップS10で、BSRが、移動ユーザ端末機器からのIPパケットが事例2および事例4に属することを特定すると、方法は、ステップS11’に入り、BSRは、移動ユーザ端末機器から、移動体マルチキャストグループを離脱するためのマルチキャスト離脱メッセージを取得する。
【0041】
次に、方法は、ステップS14’に直接に入り、BSRは、そのマルチキャスト離脱メッセージを、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスに直接に送信する。BSRは、マルチキャストグループを離脱することを要求するので、BSRは、移動体コアネットワークによって認証されなくてもよい、すなわち、ステップS12およびS13は必要ないことに留意されたい。
【0042】
変形された実施形態において、固定ネットワークにおけるBSRの上位ネットワークデバイスが移動体ネットワークに属する送信元アドレスに影響されやすい可能性があることも考慮すると、つまり、マルチキャスト離脱メッセージの送信元アドレスが移動体ネットワークにおけるアドレスである場合、例えば、固定ネットワークにおけるネットワークデバイスが、送信元アドレス101.0.0.11を有する移動ユーザ端末機器を送信元とするマルチキャスト離脱メッセージを受信した場合、上位ネットワークデバイスは、そのメッセージのIPアドレスが固定ネットワークに属さないので、そのメッセージを破棄する可能性がある。前述のソリューションに対処するため、変形された実施形態では、BSRがステップS14’に入る前に、BSRは、以下のステップを実行することをさらに必要とする。すなわち:
マルチキャスト離脱メッセージの送信元アドレスをBSRのアドレスに変更すること。固定ネットワークセグメントに属する、BSRのIPアドレスは、固定ネットワークによって割り当てられ、例えば、BSRのIPアドレスが202.0.0.11である。したがって、BSRが、マルチキャスト離脱メッセージの送信元IPアドレスをBSRのIPアドレス、202.0.0.11に変更する。次に、方法は、ステップS14’に入り、BSRが、変更された送信元アドレスを有するマルチキャスト離脱メッセージを、BSRの上位ネットワークデバイスに送信する。図2に示されるトポロジにおいて、BSRの上位ネットワークデバイスは、アクセスノード、例えば、DSLAMであるが、BSRの適用シナリオは、そうであることに限定されない。BSRの上位ネットワークデバイスは、小型スイッチ、小型ルータであることが可能であり、ただし、小型ルータは、FTTX接続シナリオに対応する。したがって、様々なネットワークトポロジに応じて、BSRは、マルチキャスト離脱メッセージを、BSRに接続された上位ネットワークデバイスに送信する。
【0043】
次に、図2および図3の組合せと一緒に図4を参照して、本発明のデバイスブロック図が以下に説明される。図4は、本発明の一実施形態による移動体通信ネットワークのBSR1における制御デバイス10のブロック図を示す。ただし、制御デバイス10は、図2に示されるBSR1aからBSR1dに配置される。制御デバイス10は、取得するための第1の手段100と、取得するための第2の手段101と、格納する手段102と、支援する手段103とを備える。ただし、支援する手段103は、探索する手段1030と、送信する手段1031とをさらに備える。
【0044】
図4に示されるとおり、BSRは、BSRによって支配される移動ユーザ端末機器からのデータパケットを検査する。具体的には、BSRは、IPパケットのプロトコルタイプおよびメッセージタイプを探索する。
【0045】
(事例1):
IPヘッダの中のプロトコルタイプが2である場合、このことは、IPパケットのデータ部分がIGMPメッセージを備えることを示す。すると、BSRが、IGMPメッセージのメッセージタイプをさらに探索する。
【0046】
i)IGMPメッセージのメッセージタイプが0×22である場合、このことは、IGMPメッセージがバージョン3マルチキャスト参加メッセージ、すなわち、バージョン3メンバシップレポートであることを示し、あるいはii)IGMPメッセージのメッセージタイプが0×12である場合、このことは、IGMPがバージョン1マルチキャスト参加メッセージ、すなわち、バージョン1メンバシップレポートであることを示し、あるいはiii)IGMPメッセージのメッセージタイプが0×16である場合、このことは、IGMPがバージョン2マルチキャスト参加メッセージ、すなわち、バージョン2メンバシップレポートであることを示し(RFC3376:http://www.ietf.org/rfc/rfc3376.txt?number=3376、インターネットグループマネージメントプロトコル、バージョン3を参照されたい)、以上3つの場合、すなわち、IGPMメッセージがマルチキャスト参加メッセージである場合において、取得する第1の手段100が、移動ユーザ端末機器から、移動体マルチキャストサービスを要求するマルチキャスト参加メッセージ、つまり、メンバシップレポートメッセージ、またはIGMP参加メッセージを取得する。
【0047】
(事例2):
IPヘッダの中のプロトコルタイプが2である場合、このことは、IPパケットのデータ部分がIGMPメッセージを備えることを示す。すると、BSRが、IGMPメッセージのメッセージタイプをさらに探索する。
【0048】
i)IGMPメッセージのメッセージタイプが0×17である場合、このことは、IGMPメッセージがバージョン2グループ離脱、すなわち、マルチキャスト離脱メッセージであることを示し、取得するための第1の手段100が、移動ユーザ端末機器から、移動体マルチキャストグループを離脱する要求のためのマルチキャスト離脱メッセージを取得する。
【0049】
事例1および事例2は、BSRがIPv4データパケットを検査する状況に焦点を合わせる。以下の事例3および事例4は、BSRがIPv6データパケットを検査する状況に焦点を合わせる。
【0050】
(事例3):
IPヘッダの中のプロトコルタイプが1である場合、このことは、IPパケットのデータ部分がICMPメッセージを備えることを示す。すると、BSRが、ICMPメッセージのメッセージタイプをさらに探索する。ICMPメッセージのメッセージタイプが58である場合、このことは、ICMPv6メッセージがMLD(マルチキャストリスナ発見)メッセージを伝送することを示し、すると、BSRが、MLDメッセージのメッセージタイプをさらに探索する。
【0051】
i)MLDメッセージのメッセージタイプが10進法で143である場合、このことは、MLDメッセージがバージョン2マルチキャストリスナレポート(タイプ=10進143)であることを示し(RFC3810:http://www.ietf.org/rfc/rfc3810.txt?number=3810を参照されたい)、あるいはii)MLDのメッセージタイプが10進法で131である場合、このことは、MLDメッセージがバージョン1マルチキャストリスナレポート(タイプ=10進131)であることを示し(RFC2710:http://www.ietf.org/rfc/rfc2710.txt?number=2710を参照されたい)、すると、事例3におけるi)およびii)に関して、MLDメッセージは、マルチキャスト参加メッセージであり、取得するための第1の手段100が、移動ユーザ端末機器から、移動体マルチキャストサービスを要求するマルチキャスト参加メッセージ、つまり、メンバシップレポートメッセージ、またはMLD参加メッセージを取得する。
【0052】
(事例4):
IPヘッダの中のプロトコルタイプが1である場合、このことは、IPパケットのデータ部分がICMPメッセージを備えることを示す。すると、BSRが、ICMPメッセージのメッセージタイプをさらに探索する。ICMPメッセージのメッセージタイプが58である場合、このことは、ICMPv6メッセージがMLD(マルチキャストリスナ発見)メッセージを伝送することを示し、すると、BSRが、MLDメッセージのメッセージタイプをさらに探索する。
【0053】
i)MLDのメッセージタイプが10進法で132である場合、このことは、MLDメッセージがバージョン1マルチキャスト終了メッセージ、すなわち、バージョン1マルチキャストリスナ終了(タイプ=10進132)であることを示し(RFC2710:http://www.ietf.org/rfc/rfc2710.txt?number=2710を参照されたい)、ホストがIPv6マルチキャストグループを離脱する際、ホストは、それに相応して、マルチキャスト離脱メッセージであるMLD終了メッセージを送信し、次に、取得するための第1の手段100が、移動ユーザ端末機器から、移動体マルチキャストサービスを離脱することを要求するマルチキャスト離脱メッセージを取得する。
【0054】
BSRが、IPパケットのプロトコルタイプおよびメッセージタイプを検査し、そのIPパケットが前述の4つの事例のいずれにも属さない、つまり、そのIPパケットがマルチキャスト参加メッセージにも属さず、マルチキャスト離脱メッセージにも属さないと判定した場合、BSRが、IPSecを介してそのIPパケットを直接にカプセル化し、つまり、そのIPパケットに関してIPインIPカプセル化を実行する。カプセル化されたIPパケットの宛先アドレスは、フェムトセルGW4のアドレスであり、BSRが、カプセル化されたIPパケットを、IPSecトンネルを介してIPSecトンネルの出口、フェムトセルGW4に直接に送信する。
【0055】
以下に、事例1および事例3に関する本発明の後続のステップがまず、説明される。取得するための第1の手段100が、移動ユーザ端末機器から移動体マルチキャストサービスを要求するマルチキャスト参加メッセージを取得すると、格納する手段102が、マルチキャスト参加メッセージをコピーし、マルチキャスト参加メッセージのコピーをBSRの中に保存する。
【0056】
さらに、BSRが、マルチキャスト参加メッセージに関するIPインIPカプセル化を実行し、IPSecトンネルを介してマルチキャスト参加メッセージを転送する。トンネルの入口は、BSRのIPアドレスであり、トンネルの出口は、フェムトセルGW4のIPアドレスであり、このことは、図4に示されない、移動体ネットワークにおけるマルチキャストサービスの無線マルチキャストベアラを確立することを目的とする。
【0057】
さらに、BSRが、移動体ネットワークにおける無線マルチキャストベアラをさらに確立して、移動体ネットワークにおける移動ユーザ端末機器にBSRが移動体サービスを伝送するのを円滑にする。このステップは、従来技術におけるステップと同一であるので、したがって、簡明のために省略され、図4に示されない。
【0058】
IPSecトンネルを介して転送された、カプセル化されたデータパケットがフェムトセルGW4に到達した後、フェムトセルGW4は、そのパケットをカプセルから取り出し、そのパケットを、処理のために移動体コアネットワークに転送する。移動体コアネットワークは、マルチキャスト参加メッセージに対して対応する認証を実行し、マルチキャストサービスのために移動体ネットワークにおいて無線マルチキャストベアラを確立して、MBMS UEコンテキストを生成するようにする。これらの実施の詳細は、従来技術において記録されており、簡明のために省略される、標準3GPP TS23.246において参照することができる。
【0059】
次に、取得するための第2の手段が、MBMS UEコンテキストである、移動体コアネットワークからのフィードバックメッセージを取得する。
【0060】
すると、取得するための第2の手段が移動体コアネットワークからMBMS UEコンテキストを受信した後、支援する手段103内の送信する手段1031が、格納する手段102の中に格納されたマルチキャスト参加メッセージを、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスに送信して、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスが固定ネットワークにおいてマルチキャストバックホールを確立するのを支援するようにする。
【0061】
具体的には、支援する手段103内の探索する手段1030が、MBMS UEコンテキストにおける送信元アドレスおよび宛先アドレスに従って、格納された複数のマルチキャスト参加メッセージから対応するマルチキャスト参加メッセージを探し出す。例えば、取得するための第2の手段101が、移動体コアネットワークからフィードバック情報を受信し、MBMS UEコンテキストにおける関連する送信元アドレスは、移動ユーザ端末機器のIPアドレス、例えば、101.0.0.11であり、関連する宛先アドレスは、224.0.0.22であるマルチキャストアドレスである。次に、探索する手段1030が、フィードバックメッセージに従って、BSRの中に格納された移動ユーザ端末機器からの複数のマルチキャスト参加メッセージを探索し、宛先アドレスがマルチキャストアドレス224.0.0.22であり、さらに送信元アドレスが移動ユーザ端末機器のIPアドレス、例えば、101.0.0.11であるマルチキャスト参加メッセージを探し出す。次に、探索する手段1030は、そのマルチキャストメッセージが、フィードバックされたMBMS UEコンテキストに対応するマルチキャスト参加メッセージであることを特定する。次に、送信する手段1031が、フィードバックされたMBMS UEコンテキストに対応するマルチキャスト参加メッセージを、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスに送信する。図2に示されるトポロジにおいて、BSRの上位ネットワークデバイスは、アクセスノード、例えば、DSLAMであるが、BSRの適用シナリオは、そうであることに限定されない。BSRの上位ネットワークデバイスは、小型スイッチ、小型ルータであることが可能であり、ただし、小型ルータは、FTTX接続シナリオに対応する。したがって、様々なネットワークトポロジに応じて、送信する手段1031は、マルチキャスト参加メッセージを、送信する手段1031に接続された上位ネットワークデバイスに送信する。
【0062】
固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスがBSRからマルチキャスト参加メッセージを受信すると、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスは、そのマルチキャスト参加メッセージの送信元アドレスおよび宛先アドレスを記録し、既存のフローに従って対応するポートを構成し、既存のルーティングプロトコルに従ってマルチキャスト参加メッセージを転送し、最後に、マルチキャストツリーを確立することが可能である。
【0063】
BSRの固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスが移動体ネットワークにおける送信元アドレスに影響されやすい可能性があることを考慮すると、つまり、送信元アドレスが移動体ネットワークにおけるアドレスである場合、例えば、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスが、アドレス101.0.0.11を有する移動ユーザ端末機器を送信元とするメッセージを受信した場合、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスは、そのメッセージの送信元アドレスが固定ネットワークセグメントに属さないと考え、そのメッセージを直接に破棄する可能性がある。前述の状況に対処するのに、変形された実施形態において、制御デバイス10が、更新する手段(図示せず)をさらに備え、更新する手段は、以下のステップを実行するのにさらに使用される。すなわち、
マルチキャスト参加メッセージの送信元アドレスをBSRのIPアドレスに変更すること。BSRのIPアドレスは、固定ネットワークによって割り当てられ、固定ネットワークセグメントに属し、例えば、BSRのIPアドレスが202.0.0.11であり、したがって、更新する手段が、マルチキャスト参加メッセージの送信元アドレスをBSRのIPアドレス、202.0.0.11に変更し、次に、送信する手段1031が、変更された送信元アドレスを有するマルチキャスト参加メッセージを、BSRの固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスに送信する。
【0064】
前述の実施形態において、取得するための第2の手段101が移動体コアネットワークからフィードバックメッセージを取得した後、送信する手段1031が、マルチキャスト参加メッセージを、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスに送信する。前述の実施する順序は、単に例示的であることに留意されたい。変形された実施形態において、格納する手段102は、省略されてもよく、取得するための第2の手段101、および送信する手段1031は、厳格な順序を有さない。つまり、取得するための第1の手段100が、移動ユーザ端末機器から、移動体マルチキャストサービスを要求するマルチキャスト参加メッセージを取得した後、送信する手段1031が、そのマルチキャスト参加メッセージを、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスに直接に送信し、次に、そのマルチキャスト参加メッセージを、IPSecトンネルを介してフェムトセルGW4に送信し、その後、そのメッセージがフェムトセルGW4によってカプセルから取り出され、移動体コアネットワークに送信される、つまり、BSRが、移動体マルチキャストサービスのために固定ネットワークにおけるマルチキャストバックホールの確立をトリガするプロセスは、移動体コアネットワークからのフィードバックに依存しない。さらに、BSRは、移動体ネットワークにおいて無線マルチキャストベアラをさらに確立し、このことは、この場合、省略され、図4に示されない。この変形された実施形態は、時間を節約する。しかし、移動体マルチキャストサービスを求める要求が、移動体コアネットワークによって認証されない場合、このことは、固定ネットワークにおいて確立されたマルチキャストバックホール、例えば、マルチキャストツリーなどの無効を生じさせる可能性がある。
【0065】
それぞれの前述の実施形態はすべて、マルチキャストメッセージがマルチキャスト参加メッセージである状況に焦点を合わせる。以下に、事例2および事例4、つまり、マルチキャストメッセージがマルチキャスト離脱メッセージである事例と関係する実施形態の説明が与えられる。
【0066】
BSRが、移動ユーザ端末機器からのIPパケットが事例2および事例4に属することを特定すると、取得するための第1の手段100が、移動ユーザ端末機器から、移動体マルチキャストグループを離脱するためのマルチキャスト離脱メッセージを取得する。
【0067】
次に、図4に破線で示されるとおり、送信する手段1031が、そのマルチキャスト離脱メッセージを、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスに直接に送信する。BSRは、マルチキャストグループを離脱することを要求するので、BSRは、移動体コアネットワークによって認証されなくてもよい、すなわち、取得するための第2の手段101、格納する手段102、および探索する手段1030はすべて、省略されてもよいことに留意されたい。
【0068】
変形された実施形態において、固定ネットワークにおけるBSRの上位ネットワークデバイスが移動体ネットワークに属する送信元アドレスに影響されやすい可能性があることも考慮すると、つまり、マルチキャスト離脱メッセージの送信元アドレスが移動体ネットワークにおけるアドレスである場合、例えば、固定ネットワークにおけるネットワークデバイスが、送信元アドレス101.0.0.11を有する移動ユーザ端末機器を送信元とするマルチキャスト離脱メッセージを受信した場合、上位ネットワークデバイスは、そのメッセージのIPアドレスが固定ネットワークに属さないので、そのメッセージを破棄する可能性がある。前述のソリューションに対処するため、変形された実施形態では、制御する手段10内の支援する手段103が、以下の動作を実行するのに使用される更新する手段(図4に示さず)をさらに備える。すなわち:、
マルチキャスト離脱メッセージの送信元アドレスをBSRのアドレスに変更すること。固定ネットワークセグメントに属する、BSRのIPアドレスは、固定ネットワークによって割り当てられ、例えば、BSRのIPアドレスが202.0.0.11である。したがって、更新する手段が、マルチキャスト離脱メッセージの送信元アドレスをBSRのIPアドレス、202.0.0.11に変更する。次に、送信する手段1031が、変更された送信元アドレスを有するマルチキャスト離脱メッセージを、BSRの上位ネットワークデバイスに送信する。図2に示されるトポロジにおいて、BSRの上位ネットワークデバイスは、アクセスノード、例えば、DSLAMであるが、BSRの適用シナリオは、そうであることに限定されない。BSRの上位ネットワークデバイスは、小型スイッチ、小型ルータであることが可能であり、ただし、小型ルータは、FTTX接続シナリオに対応する。したがって、様々なネットワークトポロジに応じて、BSRは、マルチキャスト離脱メッセージを、BSRに接続された上位ネットワークデバイスに送信する。
【0069】
以上が、本発明の実施形態の説明である。しかし、本発明は、特定のシステム、装置、または特定のプロトコルに限定されない。当業者は、添付の特許請求の範囲の中で様々な変形または変更を実行することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体基地局において、移動体コアネットワークのマルチキャストサービスにアクセスする、移動体基地局によって支配される移動ユーザ端末機器に対して、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスが、固定ネットワークにおけるマルチキャストバックホールを確立するのを支援する方法であって、
a.移動ユーザ端末機器から、移動体マルチキャストサービスを要求するマルチキャスト参加メッセージを取得すること、
c.上位ネットワークデバイスが、マルチキャスト参加メッセージに従って、移動体マルチキャストサービスのために固定ネットワークにおけるマルチキャストバックホールを確立するのを支援することを含む、方法。
【請求項2】
ステップcが、
c2.マルチキャスト参加メッセージを、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスに送信して、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスが固定ネットワークにおいてマルチキャストバックホールを確立するのを支援するようにすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップaの後、ステップcの前に、以下のステップ、すなわち、
b.移動体コアネットワークからフィードバックメッセージを取得し、フィードバック情報が、移動体コアネットワークが移動ユーザ端末機器のための無線マルチキャストベアラを既に確立しているという情報を備えることをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ステップbの後、ステップcの前に、以下のステップ、すなわち、
マルチキャスト参加メッセージを格納することをさらに含み、
ステップc2の前に、以下のステップ、すなわち、
c1.フィードバックメッセージに対応する格納されたマルチキャスト参加メッセージを探索することをさらに含み、
ステップc2が、
フィードバックメッセージに対応する格納されたマルチキャスト参加メッセージを、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスに送信することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ステップc1の後、ステップc2の前に、以下のステップ、すなわち、
マルチキャスト参加メッセージの中の送信元アドレスを移動体基地局のアドレスに変更することをさらに含み、
ステップc2が、フィードバックメッセージに対応する変更されたマルチキャスト参加メッセージを、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスに送信することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
A.移動ユーザ端末機器から、移動体マルチキャストサービスを離脱するマルチキャスト離脱メッセージを取得すること、
B.離脱メッセージを、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスに送信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスが、アクセスノードまたはルータまたはスイッチを備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
移動体基地局において、移動体コアネットワークのマルチキャストサービスにアクセスする、移動体基地局によって支配される移動ユーザ端末機器に対して、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスが、固定ネットワークにおけるマルチキャストバックホールを確立するのを支援するための制御装置であって、
移動ユーザ端末機器から、移動体マルチキャストサービスを要求するマルチキャスト参加メッセージを取得するための、第1の取得するための手段と、
上位ネットワークデバイスが、マルチキャスト参加メッセージに従って、移動体マルチキャストサービスのために固定ネットワークにおけるマルチキャストバックホールを確立するのを支援するための支援する手段とを備える、制御装置。
【請求項9】
支援する手段が、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスにマルチキャスト参加メッセージを送信して、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスが固定ネットワークにおいてマルチキャストバックホールを確立するのを支援するようにするための送信する手段をさらに備える、請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
移動体コアネットワークからフィードバックメッセージを取得するための、第2の取得するための手段をさらに備え、フィードバック情報が、移動体コアネットワークが移動ユーザ端末機器のための無線マルチキャストベアラを既に確立しているという情報を備える、請求項9に記載の制御装置。
【請求項11】
マルチキャスト参加メッセージを格納するための格納する手段と、
フィードバックメッセージに対応する格納されたマルチキャスト参加メッセージを探索するための探索する手段とをさらに備え、
送信する手段が、フィードバックメッセージに対応する格納されたマルチキャスト参加メッセージを、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスに送信するためにさらに使用される、請求項10に記載の制御装置。
【請求項12】
マルチキャスト参加メッセージの中の送信元アドレスを移動体基地局のアドレスに変更するための更新する手段をさらに備え、
送信する手段が、フィードバックメッセージに対応する変更されたマルチキャスト参加メッセージを、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスに送信するためにさらに使用される、請求項11に記載の制御装置。
【請求項13】
取得するための第1の手段が、
移動ユーザ端末機器から、移動体マルチキャストサービスを離脱するマルチキャスト離脱メッセージを取得するためにさらに使用され、
送信する手段が、離脱メッセージを、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスに送信するためにさらに使用される、請求項8に記載の制御装置。
【請求項14】
固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスが、アクセスノードまたはルータまたはスイッチを備える、請求項8から13のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項15】
請求項8から14のいずれか一項に記載の、移動体コアネットワークのマルチキャストサービスにアクセスする、移動体基地局によって支配される移動ユーザ端末機器に対して、固定ネットワークにおける上位ネットワークデバイスが、固定ネットワークにおけるマルチキャストバックホールを確立するのを支援するための制御装置を備える、通信ネットワークにおける移動体基地局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−515477(P2012−515477A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545612(P2011−545612)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【国際出願番号】PCT/CN2009/075415
【国際公開番号】WO2010/081359
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】