説明

移動体検知装置

【課題】 誤報が低減される移動体検知装置を提供する。
【解決手段】 検知範囲へ超音波を送波する送波器1と、送波器1によって送波され検知範囲で反射された超音波を受波する受波器2と、検知範囲における移動体OBの存否を受波器2の出力に基いて判定するとともに判定結果に応じた出力を生成する象限転位判定回路14と、象限転位判定回路14によって移動体OBの存在が判定される度に計数値を変動させる存在計数回路15と、存在計数回路15における計数値の絶対値が所定の閾値を超えたときに検知信号を出力する存在判定回路16とを備える。また、象限転位判定回路14によって移動体OBの非存在が判定された回数を計数する非存在計数回路20と、非存在計数回路20の計数値が所定の閾値を超えたときに存在計数回路15の計数値を0にする計数値減算回路21とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波のドップラシフトを用いて検知範囲における移動体の有無を検出する移動体検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、超音波を検知範囲に放射し、検知範囲で移動する移動体によって超音波が反射されたときに生じるドップラシフトに基いて、検知範囲における移動体の有無を検知する移動体検知装置が提供され、防犯装置などに用いられている。
【0003】
この種の移動体検知装置として、検知範囲における移動体の有無を一定時間おきに判定する1次判定部と、1次判定部によって移動体の存在が判定された回数を計数する存在計数部と、存在計数部によって計数された計数値が所定の検出閾値を超えたときに移動体の存在を示す検知信号を生成する2次判定部とを備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。検知信号は、例えば警報用のブザーの駆動を開始させるトリガとして用いられる。すなわち、ノイズなどの影響で1次判定部が誤って移動体の存在を判定しても、その回数が検出閾値に対して少なければ2次判定部は検知信号を出力しないから、1次判定部によってのみ検知信号を出力する場合に比べて誤報が低減される。
【特許文献1】特開平9−272402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、超音波を用いた上記従来の移動体検知装置においては、検知範囲に移動体が存在しなくとも、検知範囲における空気の流動に起因する低周波ノイズにより、1次判定部が誤って移動体の存在を判定してしまうことがある。このように1次判定部が誤って移動体の存在を判定した回数が検出閾値に達すると、やはり2次判定部が検知信号を出力して誤報が発生してしまう。
【0005】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、誤報が低減される移動体検知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、検知範囲に対し所定の周波数の超音波を送波する送波部と、送波部から送波され検知範囲において反射された超音波を受波するとともに受波した超音波を電気信号に変換する受波部と、検知範囲において受波部との間の距離を変化させる方向に移動する移動体が存在するか否かを、送波部が送波した超音波の周波数と受波部に受波された超音波の周波数との関係に基いて判定する1次判定部と、1次判定部による判定結果が定期的に入力され1次判定部による判定が存在であるときには計数値に所定の数値を加算し1次判定部による判定が非存在であるときには計数値を変動させない存在計数部と、存在計数部における計数値の絶対値が所定の検出閾値を超えたときに移動体が検出されたことを示す検知信号を出力する2次判定部と、1次判定部による判定結果が定期的に入力され1次判定部による非存在との判定結果が連続した回数を計数する非存在計数部と、非存在計数部によって計数された計数値が所定の減算閾値を超えたときに存在計数部における計数値の絶対値を減少させる計数値減算部とを備えることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、1次判定部による非存在との判定結果が連続するようなときには2次判定部からの検知信号の出力が抑えられるから、1次判定部において存在との判定の間に非存在との判定が連続して出されやすい低周波ノイズによる誤報が低減される。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、送波部が送波する超音波の周波数を有する正弦波形の第1の基準信号を生成する発振部と、第1の基準信号の位相を90°ずらした第2の基準信号を生成する移相部と、第1の基準信号と受波部の出力とを混合して検波することにより、第1の基準信号の周波数と受波部の出力の周波数との差の周波数を有する第1のドップラ信号を生成する第1のミキサと、第2の基準信号と受波部の出力とを混合して検波することにより、第2の基準信号の周波数と受波部の出力の周波数との差の周波数を有する第2のドップラ信号を生成する第2のミキサと、第1のドップラ信号のレベルをX座標とし第2のドップラ信号のレベルをY座標とする転位点が存在する象限を定期的に検出するとともに転位点の象限間の転位を判定し、転位点が互いに隣接する象限間を転位した場合に移動体の存在を判定するとともに転位点の転位方向に基いて移動体の移動方向が受波部に近付く方向か受波部から遠ざかる方向かを判定し、その他の場合に移動体の非存在を判定する1次判定部としての象限転位判定部とを備え、存在計数部は、象限転位判定部によって移動体の存在が判定されたときに、移動体の移動方向が受波部に近付く方向か受波部から遠ざかる方向かに応じて正負の符号が互いに異なる数値を計数値に加算することを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、移動体が受波部に近付く方向と受波部から遠ざかる方向とに交互に移動する場合には、存在計数部において正負の符号が互いに異なる数値が互いに相殺される結果、存在計数部における計数値の絶対値が検出閾値を超えにくく2次判定部から検知信号が出力されにくいから、例えば風に揺れるカーテンのように検知範囲内で揺動する物体を誤って検知することによる誤報が低減される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、1次判定部による判定結果が定期的に入力され1次判定部による非存在との判定結果が連続した回数を計数する非存在計数部と、非存在計数部によって計数された計数値が所定の減算閾値を超えたときに存在計数部における計数値の絶対値を減少させる計数値減算部とを備えることにより、1次判定部による非存在との判定結果が連続するようなときには検知信号の出力が抑えられるから、1次判定部において存在との判定の間に非存在との判定が連続して出されやすい低周波ノイズによる誤報が低減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良に形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
本実施形態は、図1に示すように、所定の周波数f0の正弦波形の電気信号である第1の基準信号E0を生成する発振回路10と、第1の基準信号E0の周波数f0を有する超音波を検知範囲へ送波する送波器1と、送波器1から送波され移動体OBによって反射された反射波を受波するとともに受波した超音波を同じ周波数fの電気信号である受波信号Einに変換する受波器2と、第1の基準信号E0の位相を90°進ませた第2の基準信号E0’を生成する移相回路11とを備える。また、各基準信号E0,E0’に対して、それぞれ受波信号Einに混合・検波するミキサ12a,12bと、ミキサ12a,12bの出力を増幅する増幅回路13a,13bとを備える。すなわち、一方の増幅回路13aからは、受波信号Einと第1の基準信号E0とが混合・検波及び増幅された第1のドップラ信号Eが出力され、他方の増幅回路13bからは、受波信号Einと第2の基準信号E0’とが混合・検波及び増幅された第2のドップラ信号E’が出力される。
【0013】
ここで、時間tを用いて第1の基準信号E0の電圧値をA0・sin(2π・f0・t)とおくと、第2の基準信号E0’の電圧値はA0・cos(2π・f0・t)となる。また、簡単のために受波信号Einとして1個の移動体OBでの反射波のみを考え、この電圧値をA1・sin(2π・f・t+a)とおくと、これと第1の基準信号E0とを混合したものは次式のようになる。
【0014】
【数1】

【0015】
このうち、f+f0の周波数を有する成分はミキサ12aによる検波に伴って除去される。従って、受波信号Einの周波数fと基準信号E0,E0’の周波数f0との差であるビート周波数fb=|f−f0|を用いると、第1のドップラ信号Eの波形は、係数を省略するとcos(2π・fb・t)と表され、この符号は受波信号Einの周波数fと基準信号E0,E0’の周波数f0との大小関係に関わらず一定である。
【0016】
また、受波信号Einと第2の基準信号E0’とを混合したものは、次式のようになる。
【0017】
【数2】

【0018】
そして、第1の基準信号Eの場合と同様にf+f0の周波数を有する成分はミキサ12bにより除去される。ここで、第2のドップラ信号E’の符号は受波信号Einの周波数fと基準信号E0,E0’の周波数f0との大小関係によって異なる。具体的には、受波信号Einに第2の基準信号E0’を乗じた第2のドップラ信号E’の波形は、係数を省略すると、f>f0であるとき、すなわち、移動体OBが受波器2に接近中であるときはsin(2π・fb・t)と表され、f<f0であるとき、すなわち、移動体OBが受波器2から遠ざかっているときは−sin(2π・fb・t)と表される。
【0019】
つまり、図2に示すように第1のドップラ信号Eのレベル(電圧値)をX座標とし第2のドップラ信号E’のレベル(電圧値)をY座標とする点(以下、「転位点」と呼ぶ。)は、時間の経過に伴い、移動体OBが受波器2に接近中であるときには原点Oに対して反時計回りに移動し、移動体OBが受波器2から遠ざかっているときには原点Oに対して時計回りに移動する。ここで、本実施形態においてはドップラ信号E,E’が電圧信号であることから上記「レベル」は電圧値を指すが、ドップラ信号E,E’が電流信号となる構成を採用する場合には「レベル」として電流値を用いればよい。
【0020】
本実施形態は、転位点が存在する象限がどのように変化したかを示す転位信号を生成する象限転位判定回路14を備える。すなわち、象限転位判定回路14はメモリを有し、各ドップラ信号E,E’のレベルの符号をそれぞれ定期的に検出し、検出結果をメモリに格納するとともに、メモリに格納された前回の各ドップラ信号E,E’のレベルの符号に対し、新たに検出された各ドップラ信号E,E’のレベルの符号がそれぞれどのように変化したかによって転位信号を決定する。具体的には、転位信号は、−1,0,1のいずれかの判定値を示しており、第1象限→第2象限→第3象限→第4象限→第1象限といったように、転位点が図2における反時計回りに象限を転位した場合には判定値「1」を示し、第1象限→第4象限→第3象限→第2象限→第1象限といったように、転位点が図2における時計回りに象限を転位した場合には判定値「−1」を示し、その他の場合には判定値「0」を示す。例えば、転位点が時間の経過とともに図2に矢印で示す軌跡を描く場合、転位点が点a,b,d,eを通過する際には判定値「1」を示す転位信号が出力され、転位点が点cを通過する際には判定値「−1」を示す転位信号が出力される。転位信号の判定値が「0」となる前記その他の場合としては、転位点が象限を移動しなかった場合や、第1象限と第3象限との間、第2象限と第4象限との間といったように転位点が対角状に移動した場合や、最新もしくは直前の検出結果においてドップラ信号E,E’の一方又は両方のレベルの絶対値が非常に低く符号を検出できなかった場合や、始動直後であって前回の検出結果がメモリに存在しない場合などがある。
【0021】
つまり、象限転位判定回路14は、受波器2との間の距離を変化させる方向に移動する移動体OBの存否を象限間での転位点の転位に基いて判定するとともに、受波器2に接近中の移動体OBが存在すると判定したときには1を示す転位信号を出力し、受波器2から遠ざかる移動体OBが存在すると判定したときには−1を示す転位信号を出力し、移動体OBが存在しないと判定したときに0を示す転位信号を出力しているといえる。
【0022】
ここで、象限転位判定回路14が各ドップラ信号E,E’のレベルの符号をそれぞれ検出する時間間隔は、移動体OBが検知対象(例えば人体)の通常の移動速度で受波器2との間の距離を変化させる方向に移動するときに、上記時間間隔の間に転位点が原点Oに対して90°以下の適宜の角度だけ移動するように決定する。
【0023】
なお、象限転位判定回路14の動作に関しては、前回の検出結果において一方のドップラ信号E,E’についてのみレベルの絶対値が非常に低かった場合、すなわち転位点が互いに隣接する2個の象限の境界に存在していた場合であって、最新の検出結果において転位点が上記2個の象限の一方にある場合、転位点が上記境界を横断したものとして転位信号を決定してもよい。例えば、前回の検出結果において第1のドップラ信号Eのレベルが正であって第2のドップラ信号E’のレベルが非常に低く、最新の検出結果において第1のドップラ信号のレベルがやはり正であって第2のドップラ信号E’のレベルが正である場合、転位点は第4象限から第1象限に転位したものとして象限転位判定回路14は判定値「1」を示す転位信号を出力する。
【0024】
また、本実施形態は、計数値が格納され転位信号が出力される度に転位信号に示された判定値を計数値に加算する存在計数回路15と、存在計数回路15における計数値の絶対値を所定の検出閾値と比較し、存在計数回路15における計数値の絶対値が検出閾値を超えたときに移動体OBの存在を判定して検知信号を生成する2次判定部としての存在判定回路16と、検知信号をトリガとして動作し移動体OBの存在を使用者に報知する報知回路17とを備える。報知回路17は、例えばブザーとブザーを駆動する回路とからなる。報知回路17は他の構成と共通の装置に設けてもよいし、報知回路17を他の構成とは別途の装置に設け、検知信号が電波を媒体として又は信号線を介して送受信される構成としてもよい。
【0025】
本実施形態では、受波器2との間の距離を変化させる方向のうち一方向に、ある程度の速さで、一定距離継続して移動する移動体OBが存在した場合に、報知回路17によって使用者に移動体OBの存在が報知される。ここで、例えば風に揺れるカーテンのように受波器2から離れる方向と受波器2に近付く方向とに交互に移動する物体が存在した場合、転位信号の判定値の1と−1とが互いに相殺される結果、存在計数回路15における計数値の絶対値は検出閾値を超えない。つまり、本実施形態では、ある程度の距離を移動する移動体OBのみが検知されるのであり、カーテンのように検知範囲内で揺動する物体を誤って検知することによる誤報は低減される。
【0026】
さらに、本実施形態は、象限転位判定回路14から判定値0の転位信号すなわち移動体OBの非存在を示す転位信号が連続して出力された回数を計数する非存在計数回路20と、非存在計数回路20によって計数された計数値が所定の減算閾値を超えたときに、非存在計数回路20における計数値と存在計数回路15における計数値とをそれぞれ0に戻す計数値減算回路21とを備える。具体的に説明すると、非存在計数回路20は、転位信号の判定値が0であった場合は計数値に1を加算し、転位信号の判定値が1又は−1であった場合は計数値を0に戻す。
【0027】
上記構成によれば、移動体OBの非存在を示す転位信号が減算閾値を超える回数連続した場合、存在計数回路20における計数値が0にリセットされるから、検知信号は出力されず報知回路17は動作しない。ここで、検知範囲における気体の流動に起因する低周波ノイズでは、象限転位判定回路14において移動体OBの非存在を示す判定値「0」の転位信号が連続して出力されやすい。本実施形態では、上記低周波ノイズでは検知信号が出力されにくいから、上記低周波ノイズによる誤報が低減される。
【0028】
なお、1次判定部や2次判定部の構成は上記のものに限られず、例えば図3に示す構成をとってもよい。図3の例では、移相回路11と、ミキサ12b及び増幅回路13bの組の一方とを省略して、ドップラ信号Eとして第1のドップラ信号Eのみを用いている。また、定期的にドップラ信号Eの周波数fbを検出して所定の周波数範囲と比較し、ドップラ信号Eの周波数fbが上記所定の周波数範囲に含まれるときに移動体OBの存在を判定し、ドップラ信号Eの周波数fbが上記所定の周波数範囲外であったときに移動体OBの非存在を判定し、判定結果に応じた電気信号を出力する1次判定部としての比較回路18を備える。ここで、上記所定の周波数範囲は、検知対象とする例えば人体などの移動体OBの移動速度に対応した範囲とする。存在計数回路15は、比較回路18によって移動体OBの存在が判定されたときには計数値に1を加算し、比較回路18によって移動体OBの非存在が判定されたときには計数値を変動させない。また、非存在計数回路20は、比較回路18によって移動体OBの非存在が判定されたときには計数値に1を加算し、比較回路18によって移動体OBの存在が判定されたときには計数値を0に戻す。その他の部分については、図1の例と共通であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
【0029】
また、計数値減算回路21は、存在計数回路15における計数値を0に戻すものに限られず、存在係数回路15における計数値の絶対値を一定数だけ減少させるものとしてもよい。この場合であっても、存在係数回路15における計数値の絶対値が、減少させる上記一定数以下であった場合には、やはり存在係数回路15における計数値を0とする。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】第1のドップラ信号の電圧値をX座標とし第2のドップラ信号の電圧値をY座標とする点が描く軌跡の一例を示す説明図である。
【図3】同上の別の形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0031】
1 送波器
2 受波器
14 象限転位判定回路
15 存在計数回路
16 存在判定回路
18 比較回路
20 非存在計数回路
21 計数値減算回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知範囲に対し所定の周波数の超音波を送波する送波部と、送波部から送波され検知範囲において反射された超音波を受波するとともに受波した超音波を電気信号に変換する受波部と、検知範囲において受波部との間の距離を変化させる方向に移動する移動体が存在するか否かを、送波部が送波した超音波の周波数と受波部に受波された超音波の周波数との関係に基いて判定する1次判定部と、1次判定部による判定結果が定期的に入力され1次判定部による判定が存在であるときには計数値に所定の数値を加算し1次判定部による判定が非存在であるときには計数値を変動させない存在計数部と、存在計数部における計数値の絶対値が所定の検出閾値を超えたときに移動体が検出されたことを示す検知信号を出力する2次判定部と、1次判定部による判定結果が定期的に入力され1次判定部による非存在との判定結果が連続した回数を計数する非存在計数部と、非存在計数部によって計数された計数値が所定の減算閾値を超えたときに存在計数部における計数値の絶対値を減少させる計数値減算部とを備えることを特徴とする移動体検知装置。
【請求項2】
送波部が送波する超音波の周波数を有する正弦波形の第1の基準信号を生成する発振部と、第1の基準信号の位相を90°ずらした第2の基準信号を生成する移相部と、第1の基準信号と受波部の出力とを混合して検波することにより、第1の基準信号の周波数と受波部の出力の周波数との差の周波数を有する第1のドップラ信号を生成する第1のミキサと、第2の基準信号と受波部の出力とを混合して検波することにより、第2の基準信号の周波数と受波部の出力の周波数との差の周波数を有する第2のドップラ信号を生成する第2のミキサと、第1のドップラ信号のレベルをX座標とし第2のドップラ信号のレベルをY座標とする転位点が存在する象限を定期的に検出するとともに転位点の象限間の転位を判定し、転位点が互いに隣接する象限間を転位した場合に移動体の存在を判定するとともに転位点の転位方向に基いて移動体の移動方向が受波部に近付く方向か受波部から遠ざかる方向かを判定し、その他の場合に移動体の非存在を判定する1次判定部としての象限転位判定部とを備え、
存在計数部は、象限転位判定部によって移動体の存在が判定されたときに、移動体の移動方向が受波部に近付く方向か受波部から遠ざかる方向かに応じて正負の符号が互いに異なる数値を計数値に加算することを特徴とする請求項1記載の移動体検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−183828(P2007−183828A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−1716(P2006−1716)
【出願日】平成18年1月6日(2006.1.6)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】