説明

移動体監視装置、移動体監視システム、移動体監視方法および移動体監視プログラム

【課題】 演算機能、速度計測機能等の高度な機能を有する必要がなく、軽量で、コンパクトで、しかも安価な移動体を監視することが可能であって、かつ、演算量を少なくすることにより負荷を少なくした移動体監視装置等を提供すること。
【解決手段】 複数の移動体のそれぞれの移動体に関する位置情報および移動体を特定するための移動体識別情報を含む移動体情報を受信する手段と、受信した移動体情報に基づいて、位置情報における移動体の移動速度および移動方向を含む速度ベクトルを算出する手段と、速度ベクトルに基づいて、移動体が所定範囲内の他の移動体と衝突する可能性を示す衝突危険度を算出する手段と、衝突危険度が所定値以上の場合、移動体に対して、他の移動体と衝突する可能性が高い旨を送信する手段と、衝突危険度が所定値以上の場合、他の移動体に対して、移動体が衝突する可能性が高い旨を送信する手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の移動体を監視する移動体監視装置であって、端末を携帯する人間、自動車等の移動体が他の移動体と衝突する可能性、あるいは衝突するほど接近する可能性を判断し、その可能性の高い移動体および該他の移動体に対して、衝突する可能性が高い旨を含む移動体の状況および他の移動体の状況を報知する移動体監視装置、該移動体監視装置と複数の移動体とを備える移動体監視システム、該移動体監視装置において実行される移動体監視方法および移動体監視プログラムに関する。
【0002】
特に、該移動体の移動速度に応じて、該衝突する可能性等を判断するための演算対象範囲を変えて衝突する可能性等を判断し、上記状況を報知する移動体監視装置、移動体監視システム、移動体監視方法および移動体監視プログラムに関する。
【背景技術】
【0003】
従来、端末を携帯する人間、自動車等の移動体が他の移動体との衝突を回避することを目的として、複数の移動体を監視する移動体監視装置において、移動体の認識、識別、分類を行うために画像解析を行ったり、移動体に搭載したGPS装置から取得した位置情報や速度計測装置から取得した速度情報を移動体監視装置で収集したりした後、各移動体に対して、他の移動体との衝突の可能性等を報知するものがある。
【0004】
また、センター(移動体監視装置)と移動体通信網を介して上記センターに接続される移動体端末とからなる交通支援システムの上記センターにおいて、上記移動体端末より受信した道路状況情報に基づいて危険情報を算出し、算出した危険情報を所定の移動体端末に通知するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−288785号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、移動体が他の移動体と衝突する危険性を算出する際に必要な情報として、該移動体が備える測定装置から移動体の移動速度や移動方向の情報を取得している場合、該移動体が演算機能、速度計測機能等の高度な機能を有している必要があり、移動体自身が重量(目方が重い)、大容積、高価格となってしまうという問題点があった。
【0006】
また、移動体監視装置が監視している移動体の数が多ければ多いほど、移動体と他の移動体とが衝突する危険性を移動体監視装置が算出する際の演算量が多くなり、移動体監視装置に対する負荷が大き過ぎるという問題点があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、演算機能、速度計測機能等の高度な機能を有する必要がなく、軽量で、コンパクトで、しかも安価な移動体を監視することが可能であって、かつ、演算量を少なくすることにより負荷を少なくした移動体監視装置、該移動体監視装置と複数の移動体とを備える移動体監視システム、該移動体監視装置において実行される移動体監視方法および移動体監視プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するため、下記のような構成を採用した。
本発明に係る移動体は、その初期入力情報として、氏名、生年月日、運転免許取得年月日(未指定の場合はなし)が入力され、移動開始時入力情報として、歩行モードとドライブモードの別、アラーム通知方法選択(音声/光/振動)が入力される。そして、移動中の機能として、位置情報の取得(GPS等から位置情報を一定時間間隔で取得する。)、移動体監視装置への送信(位置情報及びそのときの時刻を一定時間間隔で移動体監視装置に送信する。)、移動体監視装置からの受信(近くの移動体に関する情報を受信する。)、情報提供(受信情報を元に移動体の位置をディスプレイに表示する。受信した総合危険度判定情報に基づき、危険度別に音声/光/振動で移動体に知らせる。)を備えている。
【0009】
また、本発明に係る移動体監視装置は、そのデータベース(DB)環境として、セルサイズDB(移動体の速度ベクトルに応じたセルの大きさを規定。)、相対危険距離DB(2つの移動体の速度対応に危険となる臨界距離を規定。)、地図DB(幅員、歩道の有無までわかるもの)、明るさDB(地域別、カレンダ別の明るさテーブル。夜間、夜明け/薄暮、昼間の別)、路面状況DB(天候情報、路面センサ情報より道路の地点別に持つ。凍結路、雨天路、その他)、利用者DB(氏名、生年月日、運転免許取得年月日。)を備える。そして、その入力情報として、各移動体より定時間間隔で位置情報と時刻情報を受信し、地図情報に移動体の位置をマッピングする。
【0010】
また、移動体監視装置は、各移動体の位置及び速度ベクトルを算出し、各地域を複数のセルに分割し、自セル及び隣接したセルに属する移動体の速度から危険となる臨界距離を求め、ある移動体に着目し、その移動体と同一セル、あるいは隣接セルに属するすべての移動体について、t秒後の距離が臨界距離以下なら危険と判定する、危険度判定機能を備えている。そして、近くの移動体の位置、進行方法、速度をベクトル情報にて移動体に通知する危険度通知機能を備える。
【0011】
すなわち、本発明の一態様によれば、本発明の移動体監視装置は、複数の移動体を監視する移動体監視装置であって、上記複数の移動体のそれぞれから送信されてくる上記それぞれの移動体に関する位置情報および上記それぞれの移動体を特定するための移動体識別情報を含む移動体情報を受信する移動体情報受信手段と、上記受信した移動体情報に基づいて、上記位置情報における上記それぞれの移動体の移動速度および移動方向を含む速度ベクトルを算出する速度ベクトル算出手段と、上記速度ベクトルに基づいて、上記移動体が所定範囲内の他の移動体と衝突する可能性を示す衝突危険度を算出する危険度算出手段と、上記衝突危険度が所定値以上の場合、上記移動体に対して、上記他の移動体と衝突する可能性が高い旨を送信する第1の危険情報送信手段と、上記衝突危険度が所定値以上の場合、上記他の移動体に対して、上記移動体が衝突する可能性が高い旨を送信する第2の危険情報送信手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の移動体監視装置は、上記移動体が上記他の移動体と衝突する可能性を示す衝突危険度を算出する際の上記所定範囲が、上記速度ベクトル算出手段によって算出した上記移動体の速度ベクトルに含まれる移動速度に基づいて定めることが望ましい。
【0013】
また、本発明の移動体監視装置は、上記所定範囲が、上記移動体を中心として上記移動速度に比例した所定距離以内の空間に定めることが望ましい。
また、本発明の移動体監視装置は、上記衝突危険度が、所定時間内の任意の時点における、上記移動体の速度ベクトルと上記他の移動体の速度ベクトルとの距離に基づいて算出されることが望ましい。
【0014】
また、本発明の移動体監視装置は、上記衝突危険度が、上記任意の時点での距離が所定値以下で、かつ現在時点での上記移動体の速度ベクトルと上記他の移動体の速度ベクトルとの距離より小さい場合、上記任意の時点での距離に基づいて算出されることが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、移動体は速度計算等が必要ないので、演算機能、速度計測機能等の高度な機能を有する必要がなく、軽量で、コンパクトで、しかも安価な移動体を提供することが可能となる。
【0016】
また、本発明によれば、移動体監視装置は演算対象が絞られるので、演算機能、速度計測機能等の高度な機能を有する必要がなく、軽量で、コンパクトで、しかも安価な移動体を監視することが可能であって、かつ、演算量を少なくすることにより負荷を少なくした移動体監視装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用した移動体監視システムの全体構成図である。
図1において、移動体監視システム1は、複数の移動体20と上記複数の移動体20を監視する移動体監視装置10とを備え、上記移動体監視装置10と上記複数の移動体20のそれぞれとが、ネットワーク30を介して相互にデータを送受信する。
【0018】
上記移動体監視装置10は、移動体情報受信手段11と、速度ベクトル算出手段12と、危険度算出手段13と、第1の危険情報送信手段14と、第2の危険情報送信手段15とを備え、移動体20は、移動体情報送信手段21と、受信手段22とを備える。
【0019】
移動体情報受信手段11は、上記複数の移動体20のそれぞれから送信されてくる上記それぞれの移動体20に関する位置情報および上記それぞれの移動体20を特定するための移動体識別情報を含む移動体情報を受信する。
【0020】
ここで、位置情報の検出は、種々の方法を適用することが可能であり、例えば、GPS(Global Positioning System)を利用して検出する方法を適用することができる。GPSは、DGPS(Differential GPS)、RTK−GPS(Real Time Kinematic−GPS)、VRS(Virtual Reference Station)、VRS−RTK−GPS(Virtual Reference Station−Real Time Kinematic−GPS)を利用することも可能である。その他、ジャイロセンサなどの自律航法装置を併用することも可能である。
【0021】
また、位置情報を検出するタイミングは、常時行うことはもちろん、所定時間毎に行ってもよいし、所定時刻毎に行ってもよい。さらに、これらと併用して、移動体20からの指示があった時に行ってもよい。位置情報の表現方法は、典型的には、緯度経度座標を用いるが、これに限らず、平面直角座標を用いても構わない。なお、検出した位置情報は、この位置情報を検出した時刻と関連づけて記憶しておくことが好ましい。
【0022】
速度ベクトル算出手段12は、上記受信した移動体情報に基づいて、上記位置情報における上記それぞれの移動体20の移動速度および移動方向を含む速度ベクトルを算出する。
【0023】
危険度算出手段13は、上記速度ベクトルに基づいて、上記移動体20が所定範囲内の他の移動体20と衝突する可能性を示す衝突危険度を算出する。ここで、上記移動体20が上記他の移動体20と衝突する可能性を示す衝突危険度を算出する際の上記所定範囲は、上記速度ベクトル算出手段12によって算出した上記移動体20の速度ベクトルに含まれる移動速度に基づいて定める。例えば、予め定めたテーブルを参照することにより上記移動速度に対応する上記所定範囲を定める。
【0024】
また、上記所定範囲は、上記移動体20を中心として上記移動速度に比例した所定距離以内の空間に定めてもよいし、上記移動速度に比例し、かつ上記移動体20から見て上記移動方向の反対側から上記移動方向側に向かうに従って増加する、所定距離以内の空間に定めてもよい。
【0025】
例えば、上記移動体20を中心とした所定距離以内の空間に定める場合とは、上記移動体20を中心にした一定値を半径とする円内(2次元空間の場合)あるいは球内(3次元空間の場合)に定める場合はもちろん、上記移動体20を中心にした正方形内(2次元の場合)あるいは立方体内に定める場合も含まれる。また、上記移動体20から見て上記移動方向の反対側から上記移動方向側に向かうに従って増加する、所定距離以内の空間に定める場合とは、楕円形ないし長円形あるいは長方形ないし直方体の中心から外れた位置であって、移動体20から見て移動方向側の距離が長い位置に移動体20が存在する場合が含まれ、楕円形の一方の焦点に移動体20が存在する場合が典型である。
【0026】
上記衝突危険度は、所定時間内の任意の時点における、上記移動体20の速度ベクトルと上記他の移動体20の速度ベクトルとの距離に基づいて算出される。
例えば、現時点から所定時間経過後の2つの移動体20の速度ベクトル間の距離が、所定値を超えるか否かを、速度ベクトルと対応付けたテーブルを参照することにより、衝突危険度として算出する。
【0027】
また、上記衝突危険度は、上記任意の時点での距離が所定値以下で、かつ現在時点での上記移動体20の速度ベクトルと上記他の移動体20の速度ベクトルとの距離より上記任意の時点での距離のほうが小さい場合、上記任意の時点での距離に基づいて算出される。
【0028】
例えば、現時点から所定時間経過後の2つの移動体20の速度ベクトル間の距離が所定値より短く、さらにその距離が現時点での距離よりも小さい場合には、将来的に2つの移動体20が接近していることになる。
【0029】
その後、第1の危険情報送信手段14は、上記衝突危険度が所定値以上の場合、上記移動体20に対して、上記他の移動体20と衝突する可能性が高い旨を送信し、第2の危険情報送信手段15は、上記衝突危険度が所定値以上の場合、上記他の移動体20に対して、上記移動体20が衝突する可能性が高い旨を送信する。
【0030】
そして、移動体情報送信手段21は、上記それぞれの移動体20に関する位置情報および上記それぞれの移動体20を特定するための移動体識別情報を含む移動体情報を、上記移動体監視装置10に対して送信する。
【0031】
受信手段22は、上記第1の危険情報送信手段14または上記第2の危険情報送信手段15によって送信された、上記移動体20と上記他の移動体20とが衝突する可能性が高い旨を受信する。
【0032】
次に、移動体監視処理の流れをフローチャートおよび各種テーブルを用いて説明する。
図2および図3は、本発明を適用した移動体監視装置が移動体監視方法を実行するための移動体監視処理の流れを示すフローチャートである。
【0033】
まず、ステップS21において、移動体監視装置10が監視している複数の移動体20それぞれを特定するための移動体識別情報(ID情報)および現在の位置情報を、各移動体20から非同期に定期的あるいは非定期的に受信し、図4に示したような位置情報テーブルに格納する。
【0034】
図4は、位置情報テーブルの例を示す図である。
図4においては、例えば、移動体識別情報としての「移動体ID」が「m1」である移動体20のある測定時刻における位置情報として、「X座標1」「Y座標1」がそれぞれ「mx11」「my11」であり、次の測定時刻における位置情報として「mx12」「my12」である値が、位置情報テーブルに格納されている。
【0035】
次に、ステップS22において、ステップS21で位置情報等を受信した移動体20それぞれについて、位置ベクトルおよび速度ベクトルを計算し、図5に示したような位置・速度ベクトルテーブルに格納し、ステップS23において、ステップS22で算出した各移動体20の位置ベクトルと速度ベクトルをベクトル空間にマッピングする。
【0036】
図5は、位置・速度ベクトルテーブルの例を示す図である。
図5においては、例えば、「移動体ID」が「m1」である移動体20の「位置ベクトル」は「mp1」であり、「速度ベクトル」は「mv1」であり、これらが位置・速度ベクトルテーブルに格納されている。
【0037】
そして、移動体20の数だけ、ステップS24乃至ステップS34を繰り返すことにより、全ての移動体20についての衝突危険度を算出する。
まず、ステップS24において、図6に示したようなセルサイズテーブルを参照することにより、任意の移動体20の速度ベクトルに応じたセル空間の大きさ、すなわち、その移動体20が衝突する可能性のある他の移動体20が存在する空間(以下、セルという)の大きさ(以下、セルサイズという)を取得し、図7に示したような移動体・セルサイズテーブルに格納する。
【0038】
例えば、「移動体ID」「m1」の移動体20の速度ベクトル(速度)が15km/hであったとすると、移動体・セルサイズテーブルには、「移動体ID」「m1」の「セルサイズ」として「6〜20km/h」に対応する「20m」が格納される。ここで、セルサイズとは、円または球の半径または直径、正方形または立方体の一辺の長さ、若しくは楕円の長径等である。
【0039】
次に、ステップS25において、当該移動体20が属するセルにある他の移動体20のうち、速度ベルトルが自らに接近するものを抽出する。速度ベクトルが自らに接近してくるものとは、例えば、現時点から所定時間経過後における当該移動体20と他の移動体20との速度ベクトル間の距離が所定値より短く、さらにその距離が現時点での距離よりも小さくなるような場合である。
【0040】
そして、ステップS26において、図8に示したような相対危険距離テーブル(相対危険距離DB)を参照することにより、自分(当該移動体20)および相手(他の移動体20)の速度に応じて定めた値を取得する。この値は、衝突危険度を算出する際に用いる値である。すなわち、近づきつつある2つの移動体(自分および相手)20が、この値内の距離にまで近づいたら衝突する可能性があると判断するための値である。
【0041】
次に、ステップS27において、ステップS25で抽出した他の移動体(接近してくる他の移動体)20と着目している移動体20(自分)との、任意の時間t秒後における位置ベクトルを計算し、ステップS28において、これらの位置ベクトル間の距離を求める。ここで、時間t秒は、位置ベクトルを計算する上での予め定めた時間である。
【0042】
そして、図3のステップS29において、相手との距離が衝突する可能性のある範囲内、すなわち相対危険距離以下か否かを判断する。
ステップS29で相対危険距離以下でないと判断した場合(ステップS29:NO)は、ステップS30において、時間tが計算限界か否かを判断する。
【0043】
そして、ステップS30で計算限界でないと判断した場合(ステップS30:NO)は、ステップS31において、前回(例えば、t−1秒後)における相対距離と今回(t秒後)における相対距離とを比較し、前回のほうが小さいか否かを判断し、ステップS30で計算限界であると判断した場合(ステップS30:YES)は、ステップS33へ進む。
【0044】
また、ステップS31で前回のほうが小さくないと判断した場合(ステップS31:NO)は、ステップ27以降を繰り返し、ステップS31で前回のほうが小さいと判断した場合(ステップS31:YES)は、ステップS33へ進む。
【0045】
他方、ステップS29で相対危険距離以下であると判断した場合(ステップS29:YES)は、ステップS32において、図9に示したような全ての移動体20を管理する状態管理テーブル(DB)に、衝突する可能性がある旨を報知するためのフラグ(アラーム表示)を立てる。
【0046】
そして、ステップS33において、着目している移動体20(自分)のいるセル内の他の移動体20全てについて、上述の処理が行われたか否かを判断し、未処理の他の移動体20があると判断した場合(ステップS33:NO)は、ステップ25以降を繰り返し、終了した場合(ステップS33:YES)は、ステップS34において、移動体監視装置10(センター)に位置情報を集約した全ての移動体20の処理が終了したか否かを判断する。
【0047】
ステップS34で終了していないと判断した場合(ステップS34:NO)は、ステップ24以降を繰り返し、終了したと判断した場合(ステップS34:YES)は、ステップS35において、状態管理テーブル(DB)を参照して、個々の移動体20毎に脅威を与える(衝突する可能性がある)もしくは脅威を受ける(衝突される可能性がある)他の移動体20に関する情報を抽出し、ステップS36において、衝突するあるいは衝突される可能性のある移動体20に対して、その旨を含む情報を配信する。
【0048】
以上のような流れにより移動体監視処理が実行されることにより、以下のようなメリットがある。
(1)移動体20の速度特性に応じた空間セルに限定した計算に絞る他、近接ベクトルの内、接近成分を持つものを選んでいるため、効率的な計算となっている。
(2)負荷のかかるベクトル演算等はすべて移動体監視装置10(センター)で行うため、移動体20での処理負荷が小さく、端末の小型化が可能で歩行者にも携帯可能なものとなる。
(3)ベクトル演算にすることにより専用の高速ベクトルプロセサを作って処理の高速化を、個々の移動体20の小さなプロセサで行うのに比べて図ることができる。
【0049】
図10は、衝突する可能性が高い旨の情報を含む危険情報を出力する移動体の例を示す図である。
図10に示すような表示とともに、音声アラームとして、例えば、「前方300メートル、左側から接近する歩行者があります。」「高齢者です。減速し、徐行してください。」というような案内が出力される。また、同図に示す例は、車を運転している場合の表示例であるが、当該歩行者に対しては、「左前方300メートルから車が60km/hで接近中。」「道路の端に寄り、車を避けてください。」のようなメッセージが同時に通知される。さらに、歩行モードで総合危険度が「注意」以上のような場合には、発光エリアが間歇的に発光し、近くのドライバの歩行者発見をより早くすることもできる。
【0050】
以上、本発明の実施の形態の全体を説明してきたが、速度ベクトルの求め方について、図11乃至図13に具体的な位置情報、位置ベクトルおよび速度ベクトルを示して説明を加える。
【0051】
図11は、緯度経度座標上に移動体の位置情報を示した例の図である。
図11に示した例は、ある任意の時刻T1および時刻T1から1分後の時刻T2の各時刻における、移動体ID「m1」「m2」「m3」「m4」の各移動体20の位置情報を示している例である。同図において、例えば、時刻T1における「m1」は、北緯35度29分49秒(N35.29.49)、東経133度45分53秒(E133.45.53)の位置に、黒丸(m1,T1)として示している。
【0052】
移動体監視装置10は、時刻T1において、移動体監視装置10が監視している4つの移動体20それぞれを特定するための移動体識別情報(移動体ID)「m1」「m2」「m3」「m4」および位置情報「E133.45.53,N35.29.49」「E133.45.59,N35.29.45」「E133.45.59,N35.29.50」「E133.45.50,N35.29.45」を受信し、図12に示したような位置情報テーブルに格納する。
【0053】
また、移動体監視装置10は、時刻T1から1分後の時刻T2においても、上記4つの移動体20の移動体識別情報(移動体ID)「m1」「m2」「m3」「m4」および位置情報「E133.45.52,N35.29.51」「E133.45.58,N35.29.46」「E133.46.01,N35.29.50」「E133.45.52,N35.29.46」を受信し、図12に示したような位置情報テーブルに格納する。
【0054】
次に、位置情報等を受信した移動体20それぞれについて、位置ベクトルおよび速度ベクトルを計算し、図13に示したような位置・速度ベクトルテーブルに格納する。
図13に示した例では、位置ベクトルについては東経をX軸方向の正、北緯をY軸方向の正とし、単位は緯度経度(度分秒)をそのまま用い、速度ベクトルについては東経をX軸方向の正、北緯をY軸方向の正とし、単位は1時間当りの緯度経度(度分秒/時間)を用いる。また、速度ベクトルについては、時刻T1およびT2における位置情報から算出する。例えば、移動体ID「m1」の位置ベクトルは、最新の位置情報である時刻T2の位置情報から「133.45.52,35.29.5」となり、速度ベクトルは、「−000.01.00,00.02.00」となる。
【0055】
次に、本実施の形態の変形例として、複数のセルを用いる場合について説明する。
図14は、複数のセルを用いた変形例を説明するための図である。
ここで、複数のセルとは、着目している移動体20が衝突危険度を演算する範囲としてのセルと、このセルに隣接するセルとを含めた複数のセルのことである。例えば、着目している移動体20が衝突危険度を演算する範囲としてのセルが正方形の領域であった場合、このセルに隣接する(セルの辺および頂点に隣接する)同サイズの8つのセルを含む9つのセルから構成される。
【0056】
まず、セルの大きさは、上述と同様に移動体20の速度により決定される。そして、自分が属するセルのみでなく隣接するセル内の移動体20をも抽出する。
そして、おのおのの移動体20について、その移動体20から送信されてきた位置情報に基づいて速度ベクトルを計算する。
【0057】
次に、算出した速度ベクトルのうち、自分に相対的に近づくものを抽出し、近づくそれぞれの移動体20について将来の相対距離を算出し、それを相対危険距離DBにマッピングして、個別危険度を判定する。
【0058】
そして、各移動体に対して、自分がいるセル及びそれに隣接するセルの地図情報と移動体情報、及び移動体毎の危険度情報を送付する。
通知を受けた移動体20は、危険度の高いものの順に所持者に情報提供(音声/画像/光)を行う。
【0059】
なお、本発明の実施の形態は、空間領域として2次元空間を用いて説明してきたが、この空間領域が3次元空間であっても良いことは言うまでもない。その場合、複数のセルは、例えば、27個の立方体形状の領域から構成される。
【0060】
上述してきた実施の形態では、2つの移動体20が衝突する可能性の高い時刻を求める際、所定時間間隔で演算したが、これに限らず関数を用いることも可能である。以下にその一例を示す。
【0061】
xyの2次元直交座標系で考え、移動体ID「m1」,「m2」の位置ベクトルPm1,Pm2とし、速度ベクトルをVm1,Vm2とする。
そして、Pm1,Pm2の成分を(pxm1,pym1),(pxm2,pym2)とすると、「m1」と「m2」との位置ベクトル間の距離|Pm2−Pm1|は、下記の式1のようにして求められる。
|Pm2−Pm1|=((pxm2−pxm1)2+(pym2−pym121/2 ・・・式1
また、Vm1,Vm2の成分を(vxm1,vym1),(vxm2,vym2)とすると、t秒後のPm1,Pm2の成分は、(pxm1+tvxm1,pym1+tvym1),(pxm2+tvxm2,pym2+tvym2)となる。
【0062】
従って、移動体ID「m1」,「m2」のt秒後の位置ベクトル間の距離f(t)は、下記の式2のようになる。
f(t)=(((pxm2+tvxm2)−(pxm1+tvxm1))2+((pym2+tvym2)−(pym1+tvym1))21/2 ・・・式2
そして、2つの移動体20が近づいている状態とは、式2の値より式1の値が大きい場合(式1>式2が成立する場合)である。すなわち、式2のf(t)をtで微分した値が負になる場合(df(t)/dt<0が成立する場合)である。
【0063】
一方、少なくとも1つが一定速度で一定方向に移動する2つの物体(移動体20)の位置ベクトル間の距離の時間的変化としては、以下の3つのパターンが考えられる。
パターン(1):時間とともに近づき、最接近した後、離れていくパターン。
パターン(2):時間とともに離れていくパターン。
パターン(3):一定の距離を保ったままのパターン。
【0064】
本発明が対象とするのは、これらのパターンのうちパターン(1)のみである。そして、df(t)/dt=0として、最接近時刻tnearを求める。すなわち、式2のtにtnearを代入することにより、最接近時の距離を求めることができる。
【0065】
上述のように、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明してきたが、本発明が適用される移動体監視装置は、その機能が実行されるのであれば、上述の実施の形態に限定されることなく、単体の装置であっても、複数の装置からなるシステムあるいは統合装置であっても、LAN、WAN等のネットワークを介して処理が行なわれるシステムであってもよいことは言うまでもない。
【0066】
また、図15に示したように、バス1509に接続されたCPU1501、ROMやRAMのメモリ1502、入力装置1503、出力装置1504、外部記録装置1505、媒体駆動装置1506、可搬記録媒体1510、ネットワーク接続装置1507で構成されるシステムでも実現できる。すなわち、前述してきた実施の形態のシステムを実現するソフトェアのプログラムコードを記録したROMやRAMのメモリ1502、外部記録装置1505、可搬記録媒体1510を、移動体監視装置に供給し、その移動体監視装置のコンピュータがプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0067】
この場合、可搬記録媒体1510等から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した可搬記録媒体1510等は本発明を構成することになる。
【0068】
プログラムコードを供給するための可搬記録媒体1510としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、DVD−RAM、磁気テープ、不揮発性のメモリーカード、ROMカード、電子メールやパソコン通信等のネットワーク接続装置1507(言い換えれば、通信回線)を介して記録した種々の記録媒体などを用いることができる。
【0069】
また、図16に示すように、コンピュータ1600がメモリ1601上に読み出したプログラムコードを実行することによって、前述した実施の形態の機能が実現される他、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ1600上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施の形態の機能が実現される。
【0070】
さらに、可搬型記録媒体1610から読み出されたプログラムコードやプログラム(データ)提供者から提供されたプログラム(データ)1620が、コンピュータ(情報処理装置)1600に挿入された機能拡張ボードやコンピュータ1600に接続された機能拡張ユニットに備わるメモリ1601に書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施の形態の機能が実現され得る。
【0071】
すなわち、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または形状を取ることができる。ここで、上述した実施の形態の特徴を列挙すると、以下の通りである。
【0072】
(付記1) 複数の移動体を監視する移動体監視装置において、
前記複数の移動体のそれぞれから送信されてくる前記それぞれの移動体に関する位置情報および前記それぞれの移動体を特定するための移動体識別情報を含む移動体情報を受信する移動体情報受信手段と、
前記受信した移動体情報に基づいて、前記位置情報における前記それぞれの移動体の移動速度および移動方向を含む速度ベクトルを算出する速度ベクトル算出手段と、
前記速度ベクトルに基づいて、前記移動体が所定範囲内の他の移動体と衝突する可能性を示す衝突危険度を算出する危険度算出手段と、
前記衝突危険度が所定値以上の場合、前記移動体に対して、前記他の移動体と衝突する可能性が高い旨を送信する第1の危険情報送信手段と、
前記衝突危険度が所定値以上の場合、前記他の移動体に対して、前記移動体が衝突する可能性が高い旨を送信する第2の危険情報送信手段と、
を備えることを特徴とする移動体監視装置。
【0073】
(付記2) 前記移動体が前記他の移動体と衝突する可能性を示す衝突危険度を算出する際の前記所定範囲は、前記速度ベクトル算出手段によって算出した前記移動体の速度ベクトルに含まれる移動速度に基づいて定めることを特徴とする付記1に記載の移動体監視装置。
【0074】
(付記3) 前記所定範囲は、前記移動体を中心として前記移動速度に比例した所定距離以内の空間に定めることを特徴とする付記2に記載の移動体監視装置。
(付記4) 前記所定範囲は、前記移動速度に比例し、かつ前記移動体から見て前記移動方向の反対側から前記移動方向側に向かうに従って増加する、所定距離以内の空間に定めることを特徴とする付記2に記載の移動体監視装置。
【0075】
(付記5) 前記衝突危険度は、所定時間内の任意の時点における、前記移動体の速度ベクトルと前記他の移動体の速度ベクトルとの距離に基づいて算出されることを特徴とする付記1乃至4の何れか1項に記載の移動体監視装置。
【0076】
(付記6) 前記衝突危険度は、前記任意の時点での距離が所定値以下で、かつ現在時点での前記移動体の速度ベクトルと前記他の移動体の速度ベクトルとの距離より小さい場合、前記任意の時点での距離に基づいて算出されることを特徴とする付記5に記載の移動体監視装置。
【0077】
(付記7) 複数の移動体と前記複数の移動体を監視する移動体監視装置とを備えた移動体監視システムにおいて、
前記複数の移動体のそれぞれは、
前記それぞれの移動体に関する位置情報および前記それぞれの移動体を特定するための移動体識別情報を含む移動体情報を、前記移動体監視装置に対して送信する移動体情報送信手段と、
を備え、
前記移動体監視装置は、
前記移動体情報送信手段から送信されてくる前記移動体情報を受信する移動体情報受信手段と、
前記受信した移動体情報に基づいて、前記位置情報における前記それぞれの移動体の移動速度および移動方向を含む速度ベクトルを算出する速度ベクトル算出手段と、
前記速度ベクトルに基づいて、前記移動体が所定範囲内の他の移動体と衝突する可能性を示す衝突危険度を算出する危険度算出手段と、
前記衝突危険度が所定値以上の場合、前記移動体に対して、前記他の移動体と衝突する可能性が高い旨を送信する第1の危険情報送信手段と、
前記衝突危険度が所定値以上の場合、前記他の移動体に対して、前記移動体が衝突する可能性が高い旨を送信する第2の危険情報送信手段と、
を備え、
前記複数の移動体のそれぞれは、さらに、
前記第1の危険情報送信手段または前記第2の危険情報送信手段によって送信された、前記移動体と前記他の移動体とが衝突する可能性が高い旨を受信する受信手段と、
を備えることを特徴とする移動体監視システム。
【0078】
(付記8) 複数の移動体を監視する移動体監視装置が実行する移動体監視方法であって、
前記複数の移動体のそれぞれから送信されて前記移動体を中心としてくる前記それぞれの移動体に関する位置情報および前記それぞれの移動体を特定するための移動体識別情報を含む移動体情報を受信し、
前記受信した移動体情報に基づいて、前記位置情報における前記それぞれの移動体の移動速度および移動方向を含む速度ベクトルを算出し、
前記速度ベクトルに基づいて、前記移動体が所定範囲内の他の移動体と衝突する可能性を示す衝突危険度を算出し、
前記衝突危険度が所定値以上の場合、前記移動体に対して、前記他の移動体と衝突する可能性が高い旨を送信し、
前記衝突危険度が所定値以上の場合、前記他の移動体に対して、前記移動体が衝突する可能性が高い旨を送信することを特徴とする移動体監視方法。
【0079】
(付記9) 複数の移動体を監視する移動体監視装置に実行させるための移動体監視プログラムであって、
前記複数の移動体のそれぞれから送信されてくる前記それぞれの移動体に関する位置情報および前記それぞれの移動体を特定するための移動体識別情報を含む移動体情報を受信する手順と、
前記受信した移動体情報に基づいて、前記位置情報における前記それぞれの移動体の移動速度および移動方向を含む速度ベクトルを算出する手順と、
前記速度ベクトルに基づいて、前記移動体が所定範囲内の他の移動体と衝突する可能性を示す衝突危険度を算出する手順と、
前記衝突危険度が所定値以上の場合、前記移動体に対して、前記他の移動体と衝突する可能性が高い旨を送信する手順と、
前記衝突危険度が所定値以上の場合、前記他の移動体に対して、前記移動体が衝突する可能性が高い旨を送信する手順と、
を実行させるための移動体監視プログラム。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明を適用した移動体監視システムの全体構成図である。
【図2】本発明を適用した移動体監視装置が移動体監視方法を実行するための移動体監視処理の流れを示すフローチャート(その1)である。
【図3】本発明を適用した移動体監視装置が移動体監視方法を実行するための移動体監視処理の流れを示すフローチャート(その2)である。
【図4】位置情報テーブルの例を示す図である。
【図5】位置・速度ベクトルテーブルの例を示す図である。
【図6】セルサイズテーブルの例を示す図である。
【図7】移動体・セルサイズテーブルの例を示す図である。
【図8】相対危険距離テーブルの例を示す図である。
【図9】状態管理テーブルの例を示す図である。
【図10】衝突する可能性が高い旨の情報を含む危険情報を出力する移動体の例を示す図である。
【図11】緯度経度座標上に移動体の位置情報を示した例の図である。
【図12】位置情報テーブルの例を示す図である。
【図13】位置・速度ベクトルテーブルの例を示す図である。
【図14】複数のセルを用いた変形例を説明するための図である。
【図15】本発明における情報処理装置の構成を示す図である。
【図16】本発明における移動体監視プログラムのコンピュータへのローディングを説明するための図である。
【符号の説明】
【0081】
1 移動体監視システム
10 移動体監視装置
11 移動体情報受信手段
12 速度ベクトル算出手段
13 危険度算出手段
14 第1の危険情報送信手段
15 第2の危険情報送信手段
20 移動体
21 移動体情報送信手段
22 受信手段
30 ネットワーク
1501 CPU
1502 メモリ
1503 入力装置
1504 出力装置
1505 外部記録装置
1506 媒体駆動装置
1507 ネットワーク接続装置
1509 バス
1510 可搬記録媒体
1600 情報処理装置
1601 メモリ
1620 プログラム(データ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の移動体を監視する移動体監視装置において、
前記複数の移動体のそれぞれから送信されてくる前記それぞれの移動体に関する位置情報および前記それぞれの移動体を特定するための移動体識別情報を含む移動体情報を受信する移動体情報受信手段と、
前記受信した移動体情報に基づいて、前記位置情報における前記それぞれの移動体の移動速度および移動方向を含む速度ベクトルを算出する速度ベクトル算出手段と、
前記速度ベクトルに基づいて、前記移動体が所定範囲内の他の移動体と衝突する可能性を示す衝突危険度を算出する危険度算出手段と、
前記衝突危険度が所定値以上の場合、前記移動体に対して、前記他の移動体と衝突する可能性が高い旨を送信する第1の危険情報送信手段と、
前記衝突危険度が所定値以上の場合、前記他の移動体に対して、前記移動体が衝突する可能性が高い旨を送信する第2の危険情報送信手段と、
を備えることを特徴とする移動体監視装置。
【請求項2】
前記移動体が前記他の移動体と衝突する可能性を示す衝突危険度を算出する際の前記所定範囲は、前記速度ベクトル算出手段によって算出した前記移動体の速度ベクトルに含まれる移動速度に基づいて定めることを特徴とする請求項1に記載の移動体監視装置。
【請求項3】
前記所定範囲は、前記移動体を中心として前記移動速度に比例した所定距離以内の空間に定めることを特徴とする請求項2に記載の移動体監視装置。
【請求項4】
前記衝突危険度は、所定時間内の任意の時点における、前記移動体の速度ベクトルと前記他の移動体の速度ベクトルとの距離に基づいて算出されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の移動体監視装置。
【請求項5】
前記衝突危険度は、前記任意の時点での距離が所定値以下で、かつ現在時点での前記移動体の速度ベクトルと前記他の移動体の速度ベクトルとの距離より小さい場合、前記任意の時点での距離に基づいて算出されることを特徴とする請求項4に記載の移動体監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−48316(P2006−48316A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−227498(P2004−227498)
【出願日】平成16年8月4日(2004.8.4)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】