説明

移動体識別装置の質問器

RFIDシステムの高出力を要求される質問器の小形化、軽量化、低価格化を実現するために、信号を伝送するための質問器の電波源又は質問器の電力源を携帯電話や携帯通信機器等の携帯無線端末のそれと共用にする。そのために、応答器に伝送する情報で携帯無線端末の無線周波送信信号を振幅変調する。更に、カプラを使って取り出した無線周波送信信号の一部を使って応答器から返送された無線周波受信信号を同期検波し、応答器からのデータを取り出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、応答器と共に移動体識別装置を構成する質問器に係り、特にその送受信系の回路構成に関する。
【背景技術】
移動体識別装置(以下「RFID」と略称する)は、質問器と複数の応答器(無線タグ)とで無線通信システムを構成するもので、その規格が我が国では電波産業界規格として制定されている。
第8図にRFIDシステムの構成例を示す。応答器(Transponder)12は、内部回路を動かすための直流電源電力(PS)を、質問器(Interrogator)1の送信回路(Tx)5より送信アンテナ3、アンテナ13を経由して送られてきたマイクロ波などの高周波電力(電波)を検波回路(DET)14で整流して取り出す。同時に、高周波電力に含まれるクロック信号(情報)を抽出し、同クロック信号と上記直流電力を論理回路(LOGIC)15及び記憶回路(MEM)16に供給して、同回路を動作させる。
クロック信号を受けて論理動作を開始した論理回路15は、記憶回路16から該当するデータを読み取り、検波回路14に送る。検波回路14は、記憶回路16からのデータを変調信号として使い、アンテナ13で受信している高周波電力に対して振幅変調などの変調を施す。変調を受けた高周波電力はアンテナ13から発射され、その電波が質問器1に返送される。
質問器1に戻された電波は、受信アンテナ2によって受信され、受信回路(Rx)4においてデータが抽出される。このようにして、応答器12が記憶しているデータの質問器1への送出が行なわれる。
なお、論理回路15による記憶回路16からのデータの読み取りは、質問器1から情報としてクロック信号のほかに読み取りを指示するコマンド信号が送られ、論理回路15がこのコマンド信号を読むことによって行なわれる場合がある。
また、質問器1から応答器12の記憶回路16へのデータの書き込みが行なわれる場合についても同様の手順で行なわれる。このときは、情報としてクロック信号のほかに読み取り/書き込みを指示するコマンド信号が応答器12に送信される。このようなシステムでは通常、質問器1は、通信路7によって接続された上位制御器(CONT)6の制御管理のもとに運用される。
ここで、質問器1が応答器12に電波を介して電力を与え、かつデータの読み出しを行なうために、質問器1から発射される電波は、規格により、近接型や遠隔型のRFIDシステムでは300mWの電波出力が許可され、密着型や近接型では10mWの電波出力が許可されている。
このようなRFIDシステムにおいて、300mWという大電力の高周波出力が要求される場合には、質問器回路全体の消費電力は2W近くにまで達する。通信時間のみの稼働に限定して稼働時間を制限する使用方法を採用しても、大きな電源電力が必要となることは言うまでもない。また、携帯型の質問器においては、そのような電力を賄う容量の電池が必要となるため、電池が大型になり、質問器の小形化、軽量化、低価格化が妨げられる。更に、密着型の小電力質問器の場合でも、電池電源を用意するため、重量大で高価格になることが避けられない。
【発明の開示】
本発明の目的は、小形化、軽量化、低価格化を実現させた携帯型の質問器を提供することにある。
ところで、RFIDシステムでは、質問器は、短い時間の間(一例として最大400mS)に応答器への送信及び応答器からのデータ読み取りを終了する。一方、携帯電話や一般の携帯型通信機器等の携帯無線端末では、送信モード時にこの程度の短い時間の変形が送信の電波に起こっても差し支えない。また、携帯電話の送信出力は800mW程度が標準になっている。
本発明は、以上の観点に着目して成されたものである。即ち、上記目的を達成するための本発明の質問器は、無線携帯端末の送信モード時に、携帯無線端末の無線周波送信信号に対して、応答器に送るべき情報によって振幅変調をかけ、その振幅変調を施された信号の電波を携帯無線端末のアンテナから発射して応答器に送出し、応答器から返送される電波を携帯無線端末のアンテナで受信し、受信した信号からデータを読み取ることを特徴とする。このとき、質問器は、内部回路を稼働させるための電力源を内部に持たず、質問器を内装する無線携帯端末の駆動電力源に依存する。本発明により、応答器に送信する電波の信号源、内部回路の電源のいずれも無線携帯端末からの供給によって賄うことが可能になり、質問器の小形化、軽量化、低価格化を実現することができる。
また、本発明の別の質問器は、無線携帯端末のアンテナから発射された送信モード時の無線周波送信信号を質問器のアンテナで受信し、受信信号を整流して電源電力を得ると共に、同受信信号に対して応答器に送るべき情報によって振幅変調をかけ、その振幅変調を施された信号の電波を質問器の別のアンテナから発射して応答器に送出し、応答器から返送される電波を同別のアンテナで受信し、受信した信号からデータを読み取ることを特徴とする。本発明により、応答器に送信する電波の信号源、内部回路の電力源のいずれも無線携帯端末からの供給によって賄うことが可能になり、質問器の小形化、軽量化、低価格化を実現することができる。
また、本発明の更に別の質問器は、無線携帯端末のアンテナから発射された送信モード時の無線周波送信信号を質問器のアンテナで受信し、受信信号を整流して電源電力を得、更に、質問器に発振器を設け、同発振器が生成する信号に対して応答器に送るべき情報によって振幅変調をかけ、その振幅変調を施された信号の電波を質問器の別のアンテナから発射して応答器に送出し、応答器から返送される電波を同別のアンテナで受信し、受信した信号からデータを読み取ることを特徴とする。本発明により、応答器の内部回路の電源を無線携帯端末からの供給によって賄うことが可能になり、質問器の小形化、軽量化、低価格化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る質問器の第1の実施例を説明するための構成図であり、第2図は、本発明に係る質問器の第2の実施例を説明するための構成図であり、第3図は、本発明に係る質問器の第3の実施例を説明するための構成図であり、第4図は、本発明に係る質問器の第4の実施例を説明するための構成図であり、第5図は、本発明に係る質問器の第5の実施例を説明するための構成図であり、第6図は、本発明に係る質問器の第6の実施例を説明するための構成図であり、第7図は、携帯電話を使用した質問器のアンテナ配置の例を説明するための図であり、第8図は、従来のRFIDシステムの一般的な例を説明するための構成図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明に係る質問器を図面に示した幾つかの発明の実施の形態を参照して更に詳細に説明する。なお、第1図〜第6図における同一の符号は、同一物又は類似物を表示するものとする。
第1図に本発明の第1の実施形態の回路構成を示す。第1図において、19は、RFIDシステムの応答器へ送る情報Stを生成し、応答器からのデータSrを入力する、RFIDシステムの質問器のデータ処理・制御回路(DP・CONT)、22は、質問器が結合する携帯電話である。
携帯電話22は、無線周波送信信号Rtを生成し、無線周波受信信号Rrを入力する送受信回路(Tranceiver)35、無線周波送信信号Rtを電力増幅する電力増幅器(PA)28、電力増幅された無線周波送信信号Rtに含まれる不要の信号を除去するための帯域通過型フィルタ(BPF)25、アンテナ23へ送る無線周波送信信号Rt及びアンテナ23から受信する無線周波受信信号Rrを切り替える送受切り替えスイッチ24を備えている。
本実施形態では、送受信回路35と電力増幅器28の間に情報Stで無線周波送信信号Rtに対して振幅変調を施すASK(Amplitude Shift Keying)変調回路21が接続され、電力増幅器28と帯域通過型フィルタ25の間に電力増幅された無線周波送信信号Rtの一部を取り出すカプラ(結合回路)(CPLR)20とサーキュレータ17が直列に接続される。更に、カプラ20からの無線周波送信信号Rtを搬送波として用いてサーキュレータ17からの信号に対して同期検波を行なうミクサ18が配置される。
更に、サーキュレータ17と帯域通過型フィルタ25の間に接続端子26が、カプラ20と電力増幅器28の間に接続端子27が、電力増幅器28とASK変調回路21の間に接続端子29が、ASK変調回路21と送受信回路35の間に接続端子30がそれぞれ設けられる。
サーキュレータ17は、電力増幅器28からの無線周波送信信号Rtを帯域通過型フィルタ25に伝えて送受切り替えスイッチ24に送る。送受切り替えスイッチ24に送られた無線周波送信信号Rtは、アンテナ23から電波となって発射される。
電波となって発射される無線周波送信信号Rt、即ち携帯電話22が送信モードのときに送信する信号は、ASK変調回路21において質問器の情報Stによって振幅変調が施されているので、質問器の情報Stを応答器に伝えることができる。同時に、アンテナ23から発射される電波は、応答器を駆動させる電力源となる電波出力を併せ持つことができる。
応答器が近くにある場合、応答器から返送された電波がアンテナ23で受信され、受信信号がサーキュレータ17からミクサ18へ導かれる。ミクサ18によって受信信号に同期検波が施され、応答器から送られたデータSrがミクサ18から出力する。ミクサ18から出力したデータSrは、データ処理・制御回路19に送られる。
以上、携帯電話22に対して接続端子26及び接続端子27を介してカプラ20、サーキュレータ17及びミクサ18を接続し、接続端子29及び接続端子30にASK変調回路21を接続することにより、携帯電話22は、送信モードのときにRFIDシステムの質問器の機能を実現することができる。言い換えると、送受信回路35の無線周波送信信号Rtを生成する部分、電力増幅器28、帯域通過型フィルタ25、送受切り替えスイッチ24及びアンテナ23の携帯電話22の諸回路は、質問器の送受信系として、質問器と共用する回路になる。
なお、送受信回路35は、操作・表示部(KEY・DISP)33を持つベースバンド回路(B・B)34に接続される。操作・表示部33も質問器と共用で用いられ、データ処理・制御回路19と接続端子31,32を介して接続される。
また、ミクサ18、ASK変調回路21及びデータ処理・制御回路19には、携帯電話22の電源(図示せず)から直流電力が供給される。
ところで、一般の質問器において、消費電力が最も大きいのは電力増幅器である。本実施形態においては、この電力増幅器が携帯電話22と共用になるので、携帯電話22の質問器への電力供給を軽い負担とすることができ、携帯電話22への質問器の内装を容易に実現することができる。
第2図に本発明の第2の実施形態の回路構成を示す。第2図において、36は、携帯電話22の送受信回路35が持っている利得制御系(G・C)である。本実施形態では、ASK変調回路21を用いず、利得制御系36が直接に電力増幅器28に接続される。
利得制御系36は、制御信号によって利得を変えることができるものである。その制御信号として、本実施形態では、データ処理・制御回路19が生成する情報Stが用いられ、情報Stが接続端子37を経て利得制御系36に与えられる。
このような接続により、無線周波送信信号Rtは情報Stによって振幅変調を施され、第1の実施形態の場合と同じように、情報Stを応答器に伝送することができる。本実施形態では、ASK変調回路21を用いない分、構成が簡単になる。
第3図に本発明の第3の実施形態の回路構成を示す。第3図において、38は、サーキュレータ17、ミクサ18、データ処理・制御回路19、カプラ20、電力増幅器28及びASK変調回路21を同一回路基板上に配置して一体化した質問器回路モジュールである。回路モジュール38は、接続端子39、接続端子40、接続端子31及び接続端子32を介して携帯電話22と接続される。その他の構成は、第1図に示したのと同様である。
本実施形態では、一体化によって回路モジュール38を構成することにより、質問器の携帯電話22への内装を容易にすると共に、全体を小型にすることができ、更に製造コストを低減することができる。なお、一体化は、IC(Integrated Circuit)化によっても可能であり、同一IC基板上に上記各回路を配置することにより、一層の小型化を実現することができる。
第4図に本発明の第4の実施形態の回路構成を示す。第4図において、50は、サーキュレータ17、ミクサ18、データ処理・制御回路19及びカプラ20を同一回路基板上に配置して一体化した質問器回路モジュールである。回路モジュール50は、接続端子51、接続端子53、接続端子31及び接続端子32を介して携帯電話22と接続される。その他の構成は、第2図に示したのと同様である。
本実施形態では、一体化によって回路モジュール50を構成することにより、質問器の携帯電話22への内装を容易にすると共に、全体を小型にすることができ、更に製造コストを低減することができる。なお、一体化は、IC(Integrated Circuit)化によっても可能であり、一層の小型化を実現することができる。
第5図に本発明の第5の実施形態の回路構成を示す。本実施形態は、質問器の電源電力及び応答器に送信する質問器の無線周波送信信号を、アンテナ23の近くに配置した別のアンテナで受信した無線周波送信信号Rtを利用して得るようにしたものである。
第5図において、41は本実施形態の質問器、45は上記の別のアンテナ、43は、アンテナ45で受信した信号を二方向に分ける分配器、44は、分配器43からの一方の信号を整流して電源電力(PS)を出力する整流回路、42は、振幅変調器21が出力する質問器41の無線周波送信信号Itに含まれる不要の信号を取り除く帯域通過型フィルタ、46は、カプラ20及びサーキュレータ17を経た無線周波送信信号Itを放射する質問器アンテナである。無線周波送信信号Itは、分配器43からの他方の信号に対して、振幅変調器21において情報Stによって振幅変調を施すことによって得る。また、整流回路44からの電源電力は、質問器41の全回路に供給され、これら回路を駆動する。
質問器アンテナ46から放射される電波によって、応答器との間で通信が行なわれる。アンテナ46で受信した応答器からの信号即ち無線周波受信信号Irは、サーキュレータ17を経てミクサ18に与えられる。ミクサ18は、カプラ20において取り出した無線周波送信信号Itを用いて無線周波受信信号Irを同期検波し、応答器から送られたデータSrを出力する。データSrは、データ処理・制御回路19において処理される。
処理結果は、必要があれば接続端子31、接続端子32を介して携帯電話22の操作・表示部33に送られ、表示される。なお、表示した情報を、携帯電話22の機能を使って、携帯電話22の繋がっているネットワークや別の携帯電話などに送り、データの識別、蓄積、比較などの処理を行なうことができる。
第6図に本発明の第6の実施形態の回路構成を示す。本実施形態は、質問器の電源電力を、第4の実施形態と同様に、アンテナ23の近くに配置したアンテナ45で受信した無線周波送信信号Rtを利用して得るようにするが、応答器に送信する質問器の無線周波送信信号Itは、その搬送波を質問器に備えた局部発振器から得るようにしたものである。
第6図において、47は本実施形態の質問器、49は無線周波信号を生成する局部発振回路である。局部発振回路49が生成する信号を搬送波とし、これに対して振幅変調器21において情報Stによって振幅変調を施すことによって無線周波送信信号Itを得る。なお、局部発振回路49の生成する無線周波信号の周波数は、携帯電話22の無線周波送信信号Rtの周波数と概略同一に設定することが可能であるが、必ずしも同一とする必要はなく、無線周波送信信号Rtの周波数よりも高く設定しても良い。高く設定することにより、アンテナの小型化、回路の小型IC化が可能になる。
また、アンテナ45で受信した無線周波送信信号Rtは、そのまま整流回路48に与えられる。整流回路48からの電源電力は、質問器47の局部発振回路49を含む全回路に供給され、これら回路を駆動する。
その他の回路動作は、第4の実施形態の場合と同じであるので、説明を省賂する。なお、データ処理・制御回路19において、ミクサ18から取り出したデータSrの誤り検出などの操作を行うことは問題なく可能である。
第7図に、第5の実施形態の質問器41及び第6の実施形態の質問器47並びに同実施形態の携帯電話22の一部概略構造を示す。第7図において、54は携帯電話22、55はアンテナ23、56は質問器41,47、57はアンテナ45、58はアンテナ46の、それぞれ概略構造の例である。
第7図の(a)にアンテナ57,58を明示した質問器56の概観を示し、第7図の(b)に第7図の(a)に示した質問器56を携帯電話54に当て嵌めたときの携帯電話54の概観を示し、第7図の(c)に携帯電話54のアンテナ55と質問器56のアンテナ57が近接して配置された場合の構造の例を示す。
アタッチメント式の質問器56は、第5又は第6の実施形態の質問器回路を内部に含んでいて、アンテナ55を含む携帯電話54の上部にキャップのようにかぶせて用いられる。携帯電話54の棒状に収納したコイル状のアンテナ55が、コイル状アンテナを埋め込んだ円筒の構造のアンテナ57の内側に密接して挿入されるようになっている。
アンテナ58は応答器と通信を行なうためのアンテナになる。応答器は、アンテナ58から放射される電波の高周波電力から電源電力を得るが、携帯電話54のアンテナ55から放射される電波の高周波電力からも電源電力を得ることができ、質問器と応答器の間の通信距離を延長することが可能になる。
質問器56で得られた応答器からのデータ或いは質問器56から応答器に与える情報は、携帯電話54の有線、無線、赤外線などのインターフェースを介して外部とやり取りすることが可能である。第7図には携帯電話54での例を示したが、携帯電話54を他の携帯型の通信機器に代えても同様の構成が可能である。
以上の第1〜第6の実施形態で述べてきた質問器の回路構成は携帯電話22を対象にしたものであるが、これらの回路構成を一般の携帯型通信機器或いは据え置き型の通信機器を対象にすることが可能であり、質問器の小型化、低価格化に同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、携帯電話、携帯型通信機器、据え置き型通信機器に本発明の回路構成を取り入れることにより、質問器の回路規模を小にすることができ、低価格であることは勿論のこと小型化、軽量化も可能なRFIDシステムの質問器を構築することができる。また、上記通信機器の高出力の電波が利用可能になるので、質問器と応答器の距離を広げることができる。
【産業上の利用可能性】
以上のように、本発明は、複数の応答器共にRFIDシステムを構成する質問器に有用であり、特に持ち運びが便利で良好な操作性が求められる低価格の質問器に適用して好適である。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
応答器と共に移動体識別装置を構成する質問器であって、
携帯無線端末が有する、無線周波送信信号を生成する送受信回路、該無線周波送信信号を電力増幅する電力増幅器及び該電力増幅器が出力する該無線周波送信信号の電波を発射するアンテナと、
該無線周波送信信号に対して、応答器に送信する情報によって振幅変調を施す回路と、
上記アンテナによって受信した応答器から返送された無線周波受信信号に対して、該無線周波送信信号の一部を搬送波として用いて同期検波を行なうことにより、応答器のデータを出力するミクサとを備えていることを特徴とする質問器。
【請求項2】
上記振幅変調を施す回路が上記電力増幅器の入力段に配置されていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の質問器。
【請求項3】
該電力増幅器が出力する上記無線周波送信信号に結合して、該無線周波送信信号の上記一部を取り出すカプラと、
該カプラと上記アンテナの間に配置され、該アンテナが出力する上記無線周波受信信号を、該アンテナに送る該無線周波送信信号から分離して取り出し、取り出した該無線周波受信信号を同期検波を行なう上記ミクサに供給するサーキュレータとを更に備えていることを特徴とする請求の範囲第2項に記載の質問器。
【請求項4】
上記振幅変調を施す回路がASK(Amplitude Shift Keying)変調回路であることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の質問器。
【請求項5】
上記振幅変調を行なう回路は、制御信号によって利得が制御される利得制御系であり、該制御信号が上記応答器に送信する情報であることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の質問器。
【請求項6】
少なくとも、上記ASK変調回路、上記電力増幅器、上記カプラ、上記サーキュレータ及び上記ミクサが同一基板上に配置されていることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の質問器。
【請求項7】
少なくとも、上記ASK変調回路、上記電力増幅器、上記カプラ、上記サーキュレータ及び上記ミクサが同一IC基板上に配置されていることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の質問器。
【請求項8】
少なくとも、上記カプラ、上記サーキュレータ及び上記ミクサが同一基板上に配置されていることを特徴とする請求の範囲第5項に記載の質問器。
【請求項9】
少なくとも、上記カプラ、上記サーキュレータ及び上記ミクサが同一IC基板上に配置されていることを特徴とする請求の範囲第5項に記載の質問器。
【請求項10】
応答器と共に移動体識別装置を構成する質問器であって、
携帯無線端末が有する、第1の無線周波送信信号の電波を発射する第1のアンテナと、
該第1のアンテナから発射された電波を受信して該第1の無線周波送信信号を出力する第2のアンテナと、
第2のアンテナが出力する該第1の無線周波送信信号を分配する分配器と、
該分配器が出力する一方の該第1の無線周波送信信号を整流して電源電力を出力する整流回路と、
該分配器が出力する他方の該第1の無線周波送信信号に対して、応答器に送信する情報によって振幅変調を施し、振幅変調された信号を第2の無線周波送信信号として出力するASK(Amplitude Shift Keying)変調回路と、
該ASK変調回路が出力する該第2の無線周波送信信号の電波を発射する第3アンテナと、
該第3のアンテナが受信した応答器から返送された無線周波受信信号に対して、該第2の無線周波送信信号の一部を搬送波として用いて同期検波を行なうことにより、応答器のデータを出力するミクサとを備えていることを特徴とする質問器。
【請求項11】
上記ASK変調回路が出力する上記第2の無線周波送信信号に結合して、該第2の無線周波送信信号の上記一部を取り出すカプラと、
該カプラと上記第3のアンテナの間に配置され、該第3アンテナが出力する上記無線周波受信信号を、該第3のアンテナに送る該第2の無線周波送信信号から分離して取り出し、取り出した該無線周波受信信号を同期検波を行なう上記ミクサに供給するサーキュレータとを更に備えていることを特徴とする請求の範囲第10項に記載の質問器。
【請求項12】
少なくとも、上記第2のアンテナ、上記第3のアンテナ、上記分配器、上記整流回路、上記ASK変調回路、上記ミクサ、上記カプラ、及び上記サーキュレータが単一の構造物として一体化されていることを特徴とする請求の範囲第11項に記載の質問器。
【請求項13】
上記応答器に送信する情報及び上記ミクサが出力する該応答器のデータが、上記携帯無線端末が処理するデータとして該携帯無線端末に供給されていることを特徴とする請求の範囲第11項に記載の質問器。
【請求項14】
前記第2のアンテナは、コイル状アンテナを埋め込んだ円筒の構造をなし、前記第1のアンテナが円筒型の該第2のアンテナの内側に密接して挿入可能なように該第2のアンテナの内径が定められていることを特徴とする請求の範囲第10項に記載の質問器。
【請求項15】
応答器と共に移動体識別装置を構成する質問器であって、
携帯無線端末が有する、第1の無線周波送信信号の電波を発射する第1のアンテナと、
該第1のアンテナから発射された電波を受信して該第1の無線周波送信信号を出力する第2のアンテナと、
第2のアンテナが出力する該第1の無線周波送信信号を整流して電源電力を出力する整流回路と、
特定の周波数の信号を生成する発振回路と、
該発振回路が出力する該特定の周波数の信号に対して、応答器に送信する情報によって振幅変調を施し、振幅変調を施された信号を第2の無線周波送信信号として出力するASK(Amplitude Shift Keying)変調回路と、
該ASK変調回路が出力する該第2の無線周波送信信号の電波を発射する第3アンテナと、
該第3のアンテナが受信した応答器から返送された無線周波受信信号に対して、該第2の無線周波送信信号の一部を搬送波として用いて同期検波を行なうことにより応答器のデータを出力するミクサとを備えていることを特徴とする質問器。
【請求項16】
上記ASK変調回路が出力する上記第2の無線周波送信信号に結合して、該第2の無線周波送信信号の上記一部を取り出すカプラと、
該カプラと上記第3のアンテナの間に配置され、該第3アンテナが出力する上記無線周波受信信号を、該第3のアンテナに送る該第2の無線周波送信信号から分離して取り出し、取り出した該無線周波受信信号を同期検波を行なう上記ミクサに供給するサーキュレータとを更に備えていることを特徴とする請求の範囲第15項に記載の質問器。
【請求項17】
少なくとも、上記第2のアンテナ、上記第3のアンテナ、上記整流回路、上記発振器、上記ASK変調回路、上記ミクサ、上記カプラ、及び上記サーキュレータが単一の構造物として一体化されていることを特徴とする請求の範囲第16項に記載の質問器。
【請求項18】
上記応答器に送信する情報及び上記ミクサが出力する該応答器のデータが、上記携帯無線端末が処理するデータとして該携帯無線端末に供給されていることを特徴とする請求の範囲第16項に記載の質問器。
【請求項19】
上記発振器が生成する上記信号の特定の周波数が、上記携帯無線端末の上記第1の無線周波送信信号の周波数と概略同一か又はそれよりも高いことを特徴とする請求の範囲第15項に記載の質問器。
【請求項20】
前記第2のアンテナは、コイル状アンテナを埋め込んだ円筒の構造をなし、前記第1のアンテナが円筒型の該第2のアンテナの内側に密接して挿入可能なように該第2のアンテナの内径が定められていることを特徴とする請求の範囲第15項に記載の質問器。

【国際公開番号】WO2004/013652
【国際公開日】平成16年2月12日(2004.2.12)
【発行日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−525753(P2004−525753)
【国際出願番号】PCT/JP2002/007853
【国際出願日】平成14年8月1日(2002.8.1)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】