説明

移動体通信システムにおける通信経路設定方法、無線基地局装置及び無線端末装置

【課題】メディアデータ用の効率的な通信経路を設定する場合にNAT配下に接続された基地局に対しても適用可能とするとともにSIP手順等の呼設定手順の中でNATのグローバルIPアドレスを相手基地局に通知することを図る。
【解決手段】BS2がSTUNサーバ7からNAT3のグローバルIPアドレスとポート番号を取得して端末1に通知するステップ(S4,S5,S7)と、端末1がNAT3のグローバルIPアドレスとポート番号をSIPメッセージに含めてSIPサーバ10へ送信するステップ(S10)と、SIPメッセージを受信した端末1が該SIPメッセージに含まれるグローバルIPアドレスとポート番号を無線接続しているBS2に通知するステップ(S12,S14)と、BS2が該グローバルIPアドレスとポート番号が宛先になっているIPパケットを、IPSecトンネルを使用しないで送信するステップ(S16)と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体通信システムにおける通信経路設定方法、無線基地局装置及び無線端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図5は、従来の移動体通信システムの全体構成を示す概念図である。図5において、無線端末(以下、端末と称する)101は、無線基地局(以下、基地局と称する)102に無線接続している。基地局102としては、例えば、無線LANのアクセスポイント(AP:Access Point)、フェムトセル等の小規模セルを形成する小型基地局などである。基地局102は、トランスポートネットワーク104に接続している。トランスポートネットワーク104は、安全な通信(セキュア通信)が保証されない、非セキュア網である。トランスポートネットワーク104は、ルータ105及びセキュリティゲートウェイ106を有する。基地局102は、トランスポートネットワーク104内のルータ105に通信回線で接続される。
【0003】
トランスポートネットワーク104は、セキュリティゲートウェイ106を介して、移動体コアネットワーク108及びIMS(IP Multimedia Subsystem)109に接続する。移動体コアネットワーク108は、移動管理ノードやアクセス認証サーバなどを有する。移動体コアネットワーク108は、端末101の認証など、移動端末の管理を行う。移動体コアネットワーク108では、セキュア通信が保証されている。
【0004】
IMS109は、CSCF(Call Session Control Function)110及びPCRF(Policy and Charging Rules Function)111を有する。CSCF110は、SIP(Session Initiation Protocol)を提供するSIPサーバとして機能する。SIPについては、例えば非特許文献1に記載されている。
【0005】
端末101は、移動体コアネットワーク108やIMS109へアクセスする場合には、トランスポートネットワーク104経由で移動体コアネットワーク108に接続する。このとき通信の安全化のために、基地局102は、セキュリティゲートウェイ106との間でIKEv2(Internet Key Exchange version 2)に基づくIPSec(IP Security Protocol)トンネルを確立し、セキュア通信を可能にする。IPSecトンネルは、IP(Internet Protocol)層における、安全な通信路(セキュア通信路)である。IPSecやIKEv2については、例えば非特許文献2に記載されている。
【0006】
図5に示す従来の移動体通信システムにおいて、異なる基地局102にそれぞれ接続している端末101同士が例えばVoIP(Voice over Internet Protocol)又はピアツーピア(P2P:Peer to Peer)通信方式を用いて通信する場合の通信手順が、非特許文献3で提案されている。図6に、従来の通信手順を示す。
図6において、まずステップS101では、端末#1_101が、無線接続している基地局(BS:Base Station)#1_102に対し、PPP(Point to Point Protocol)のLCP(Link Control Protocol)手順において認証要求を送信する。ステップS102では、BS#1_102が、セキュリティゲートウェイ(以下、ゲートウェイと称する)#1_106に対し、端末#1_101の端末認証情報を送って端末#1_101の認証を要求する。ステップS103では、ゲートウェイ#1_106が、端末#1_101の認証を行い、認証成功の場合には、端末#1_101用のIPアドレスをBS#1_102に返信する。そして、BS#1_102とゲートウェイ#1_106は、両者間でIPSecトンネルを確立する。
【0007】
ステップS104では、端末#1_101が、BS#1_102に対し、PPPのIPCP(Internet Protocol Control Protocol)手順においてIPアドレス要求を送信する。ステップS105では、BS#1_102が、ゲートウェイ#1_106から受け取った端末#1_101用のIPアドレスを、端末#1_101へ返信する。
なお、図示しないが、通信相手の端末#2_101についても、端末#1_101と同様にステップS101〜S105を行う。
【0008】
ステップS106では、端末#1_101が、CSCF110に対し、BS#1_102の基地局情報を送ってSIPの登録を行う。端末#1_101からCSCF110への通信には、BS#1_102とゲートウェイ#1_106間のIPSecトンネルが使用される。ステップS107では、通信相手の端末#2_101が、CSCF110に対し、BS#2_102の基地局情報を送ってSIPの登録を行う。端末#2_101からCSCF110への通信には、BS#2_102とゲートウェイ#2_106間のIPSecトンネルが使用される。なお、基地局情報はSIPメッセージのヘッダ(P-Access-Network-Infoヘッダなど)内に格納する。CSCF110は、SIPの登録処理において、端末のユーザ認証を行うとともに基地局情報を記録する。
【0009】
ステップS108では、端末#1_101が、CSCF110に対し、「SIP INVITE」メッセージを送信する。ステップS109では、CSCF110が、端末#1_101から受信した「SIP INVITE」メッセージを端末#2_101へ転送する。ステップS110では、端末#2_101が、CSCF110に対し、「200 OK」メッセージを送信する。ステップS111では、CSCF110が、端末#2_101から受信した「200 OK」メッセージを端末#1_101へ転送する。
【0010】
ステップS112では、CSCF110が、端末#1_101を受け持つPCRF#1_111経由でゲートウェイ#1_106に対し、端末#2_101が接続中であるBS#2_102の基地局情報(相手BS情報)を送信する。ステップS113では、ゲートウェイ#1_106が、「IKEv2 INFORMATIONAL」メッセージを用いてBS#2_102の基地局情報をBS#1_102へ送信する。ステップS114では、CSCF110が、端末#2_101を受け持つPCRF#2_111経由でゲートウェイ#2_106に対し、端末#1_101が接続中であるBS#1_102の基地局情報(相手BS情報)を送信する。ステップS115では、ゲートウェイ#2_106が、「IKEv2 INFORMATIONAL」メッセージを用いてBS#1_102の基地局情報をBS#2_102へ送信する。これにより、各BS#1,#2_102は、互いの基地局情報(通信先基地局の情報)を把握する。そして、各BS#1,#2_102は、端末#1,#2_101間で送受されるメディアデータの転送用のルートテーブルを、ゲートウェイ106経由ではなく(IPSecトンネルを使用しないで)、BS#1,#2_102間で直接的に転送されるように設定する。
【0011】
ステップS116では、端末#1,#2_101同士が、RTP(Real-time Transport Protocol)を用いてメディアデータを送受する際には、BS102とゲートウェイ106間のIPSecトンネルを使用しないで、BS#1,#2_102間で直接的にメディアデータの転送が行われる。
【0012】
上述したように無線区間でIPSecカプセリングが不要である状況下では、基地局102とゲートウェイ106間で確立したIPSecトンネルを使用しないで、基地局間で直接的にメディアデータを送受信することが品質向上の観点などから望ましい。
【0013】
他方、宅内でプライベートIPアドレスを用いた宅内無線LANを構築することが検討されている。この場合、宅内に設置される宅内基地局は、ネットワーク上、ネットワークアドレス変換装置(NAT:Network Address Translator)の配下に接続される。NATのグローバルIPアドレスとポート番号を取得するための手順として、例えば非特許文献4には、STUN(Simpl Traversal of UDP through NATs)手順が記載されている。他には、UPnP(Universal Plug and Play)手順を用いて、NATのグローバルIPアドレスとポート番号を取得する方法もある。
【非特許文献1】“All-IP Core Network Multimedia Domain - IP Multimedia Call Control Protocol Based on SIP and SDP Stage 3”、3GPP2 X.S0013-004-A v1.0、2005年5月
【非特許文献2】“cdma2000 Packet Data Services, Wireless Local Area Network (WLAN) Interworking; Access to Operator Service and Mobility”、3GPP2 X.S0028-200-0 Version 1.0、2007年3月
【非特許文献3】千葉恒彦,横田英俊、「フェムトセルを活用したメディアデータの経路最適化に関する一検討」、電子情報通信学会ソサイエティ大会B-6-38、2008年9月
【非特許文献4】J. Rosenberg、“Interactive Connectivity Establishment (ICE): A Protocol for Network Address Translator (NAT) Traversal for Offer/Answer Protocols”、draft-ietf-mmusic-ice-19、2007年10月
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、上述した従来の移動体通信システムでは、CSCF(SIPサーバ)は、メディアデータの転送の際に宅内基地局の通信先となる相手基地局に対し、宅内基地局が接続されているNATのグローバルIPアドレスを通知することができないので、宅内基地局と相手基地局間で直接的にメディアデータを転送することができない。また、従来の移動体通信システムでは、CSCFがゲートウェイ経由で相手基地局へ通信先基地局の情報を通知するために、CSCFはSIPに無関係の別インタフェースを準備しなくてはならない。
【0015】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、異なる基地局にそれぞれ接続している端末同士が通信する際のメディアデータ用の効率的な通信経路を設定する場合に、NAT配下に接続された基地局に対しても適用可能とするとともに、SIP手順等の呼設定手順の中でNATのグローバルIPアドレスを相手基地局に通知することのできる、移動体通信システムにおける通信経路設定方法、無線基地局装置及び無線端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するために、(1)本発明に係る移動体通信システムにおける通信経路設定方法は、ネットワークアドレス変換装置と、前記ネットワークアドレス変換装置の配下に接続される無線基地局装置と、前記無線基地局装置に無線接続する無線端末装置と、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を記録、管理するNAT管理装置と、前記無線基地局装置との間でIPSecトンネルを確立するゲートウェイ装置と、前記IPSecトンネル経由で伝送される呼設定用メッセージを前記無線端末装置との間で送受する通信制御装置と、を有する移動体通信システムにおける通信経路設定方法であって、前記無線基地局装置が、前記NAT管理装置から前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を取得して前記無線端末装置に通知するステップと、前記無線端末装置が、無線端末装置間のメディアデータ通信の呼設定手順において、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を呼設定用メッセージに含めて前記通信制御装置へ送信するステップと、前記通信制御装置が、前記呼設定用メッセージを通信相手の無線端末装置へ転送するステップと、前記呼設定用メッセージを受信した無線端末装置が、該呼設定用メッセージに含まれるグローバルIPアドレスとポート番号を、自己が無線接続している無線基地局装置に通知するステップと、前記無線端末装置が、メディアデータの転送用IPパケットの宛先に、通信相手側のネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を設定するステップと、前記グローバルIPアドレスとポート番号を無線端末装置から通知された無線基地局装置が、当該無線端末装置から受信したIPパケットのうち、該通知されたグローバルIPアドレスとポート番号が宛先になっているIPパケットを、前記IPSecトンネルを使用しないで送信するステップと、を含むことを特徴とする。
【0017】
(2)本発明に係る移動体通信システムにおける通信経路設定方法は、ネットワークアドレス変換装置と、前記ネットワークアドレス変換装置の配下に接続される無線基地局装置と、前記無線基地局装置に無線接続する無線端末装置と、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を記録、管理するNAT管理装置と、前記無線基地局装置との間でIPSecトンネルを確立するゲートウェイ装置と、前記IPSecトンネル経由で伝送される呼設定用メッセージを前記無線端末装置との間で送受する通信制御装置と、を有する移動体通信システムにおける通信経路設定方法であって、前記無線基地局装置が、前記NAT管理装置から前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を取得して前記無線端末装置に通知するステップと、前記無線端末装置が、無線端末装置間のメディアデータ通信の呼設定手順において、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を呼設定用メッセージに含めて前記通信制御装置へ送信するステップと、前記通信制御装置が、前記呼設定用メッセージを通信相手の無線端末装置へ転送するステップと、前記呼設定用メッセージを受信した無線基地局装置が、該呼設定用メッセージに含まれるグローバルIPアドレスとポート番号を取得するステップと、前記無線端末装置が、メディアデータの転送用IPパケットの宛先に、通信相手側のネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を設定するステップと、前記呼設定用メッセージからグローバルIPアドレスとポート番号を取得した無線基地局装置が、該呼設定用メッセージの宛先の無線端末装置から受信したIPパケットのうち、該呼設定用メッセージから取得したグローバルIPアドレスとポート番号が宛先になっているIPパケットを、前記IPSecトンネルを使用しないで送信するステップと、を含むことを特徴とする。
【0018】
(3)本発明に係る移動体通信システムにおける通信経路設定方法は、ネットワークアドレス変換装置と、前記ネットワークアドレス変換装置の配下に接続される無線基地局装置と、前記無線基地局装置に無線接続する無線端末装置と、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を記録、管理するNAT管理装置と、前記無線基地局装置との間でIPSecトンネルを確立するゲートウェイ装置と、前記IPSecトンネル経由で伝送される呼設定用メッセージを前記無線端末装置との間で送受する通信制御装置と、を有する移動体通信システムにおける通信経路設定方法であって、前記無線端末装置が、前記NAT管理装置から前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を取得するステップと、前記無線端末装置が、無線端末装置間のメディアデータ通信の呼設定手順において、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を呼設定用メッセージに含めて前記通信制御装置へ送信するステップと、前記通信制御装置が、前記呼設定用メッセージを通信相手の無線端末装置へ転送するステップと、前記呼設定用メッセージを受信した無線端末装置が、該呼設定用メッセージに含まれるグローバルIPアドレスとポート番号を、自己が無線接続している無線基地局装置に通知するステップと、前記無線端末装置が、メディアデータの転送用IPパケットの宛先に、通信相手側のネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を設定するステップと、前記グローバルIPアドレスとポート番号を無線端末装置から通知された無線基地局装置が、当該無線端末装置から受信したIPパケットのうち、該通知されたグローバルIPアドレスとポート番号が宛先になっているIPパケットを、前記IPSecトンネルを使用しないで送信するステップと、を含むことを特徴とする。
【0019】
(4)本発明に係る移動体通信システムにおける通信経路設定方法は、ネットワークアドレス変換装置と、前記ネットワークアドレス変換装置の配下に接続される無線基地局装置と、前記無線基地局装置に無線接続する無線端末装置と、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を記録、管理するNAT管理装置と、前記無線基地局装置との間でIPSecトンネルを確立するゲートウェイ装置と、前記IPSecトンネル経由で伝送される呼設定用メッセージを前記無線端末装置との間で送受する通信制御装置と、を有する移動体通信システムにおける通信経路設定方法であって、前記無線端末装置が、前記NAT管理装置から前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を取得するステップと、前記無線端末装置が、無線端末装置間のメディアデータ通信の呼設定手順において、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を呼設定用メッセージに含めて前記通信制御装置へ送信するステップと、前記通信制御装置が、前記呼設定用メッセージを通信相手の無線端末装置へ転送するステップと、前記呼設定用メッセージを受信した無線基地局装置が、該呼設定用メッセージに含まれるグローバルIPアドレスとポート番号を取得するステップと、前記無線端末装置が、メディアデータの転送用IPパケットの宛先に、通信相手側のネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を設定するステップと、前記呼設定用メッセージからグローバルIPアドレスとポート番号を取得した無線基地局装置が、当該呼設定用メッセージの宛先の無線端末装置から受信したIPパケットのうち、該通知されたグローバルIPアドレスとポート番号が宛先になっているIPパケットを、前記IPSecトンネルを使用しないで送信するステップと、を含むことを特徴とする。
【0020】
(5)本発明に係る移動体通信システムにおける通信経路設定方法は、前述の(3)又は(4)の通信経路設定方法において、前記無線基地局装置が、無線端末装置とNAT管理装置間で送受されるメッセージの送信元IPアドレスに対し、該無線端末装置と自己のIPアドレスの相互変換を行うことを特徴とする。
【0021】
(6)本発明に係る無線基地局装置は、ネットワークアドレス変換装置と、前記ネットワークアドレス変換装置の配下に接続される無線基地局装置と、前記無線基地局装置に無線接続する無線端末装置と、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を記録、管理するNAT管理装置と、前記無線基地局装置との間でIPSecトンネルを確立するゲートウェイ装置と、前記IPSecトンネル経由で伝送される呼設定用メッセージを前記無線端末装置との間で送受する通信制御装置と、を有する移動体通信システムにおける前記無線基地局装置であって、前記NAT管理装置から前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を取得して前記無線端末装置に通知するNAT情報取得手段と、前記無線端末装置から受信したIPパケットのうち、該無線端末装置から通知されたグローバルIPアドレスとポート番号が宛先になっているIPパケットを、前記IPSecトンネルを使用しないで送信するパケット転送手段と、を備えたことを特徴とする。
(7)本発明に係る無線端末装置は、ネットワークアドレス変換装置と、前記ネットワークアドレス変換装置の配下に接続される前述の(6)の無線基地局装置と、前記無線基地局装置に無線接続する無線端末装置と、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を記録、管理するNAT管理装置と、前記無線基地局装置との間でIPSecトンネルを確立するゲートウェイ装置と、前記IPSecトンネル経由で伝送される呼設定用メッセージを前記無線端末装置との間で送受する通信制御装置と、を有する移動体通信システムにおける前記無線端末装置であって、無線端末装置間のメディアデータ通信の呼設定手順において、前記無線基地局装置から通知された前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を呼設定用メッセージに含めて前記通信制御装置へ送信するNAT情報送信手段と、通信相手からの呼設定用メッセージに含まれるグローバルIPアドレスとポート番号を、前記無線基地局装置に通知するNAT情報通知手段と、メディアデータの転送用IPパケットの宛先に、通信相手側のネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を設定するパケット宛先設定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0022】
(8)本発明に係る無線基地局装置は、ネットワークアドレス変換装置と、前記ネットワークアドレス変換装置の配下に接続される無線基地局装置と、前記無線基地局装置に無線接続する無線端末装置と、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を記録、管理するNAT管理装置と、前記無線基地局装置との間でIPSecトンネルを確立するゲートウェイ装置と、前記IPSecトンネル経由で伝送される呼設定用メッセージを前記無線端末装置との間で送受する通信制御装置と、を有する移動体通信システムにおける前記無線基地局装置であって、前記NAT管理装置から前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を取得して前記無線端末装置に通知するNAT情報取得手段と、前記通信制御装置から前記無線端末装置へ転送されてきた呼設定用メッセージに含まれるグローバルIPアドレスとポート番号を取得する通信相手側NAT情報取得手段と、前記無線端末装置から受信したIPパケットのうち、前記呼設定用メッセージから取得したグローバルIPアドレスとポート番号が宛先になっているIPパケットを、前記IPSecトンネルを使用しないで送信するパケット転送手段と、を備えたことを特徴とする。
(9)本発明に係る無線端末装置は、ネットワークアドレス変換装置と、前記ネットワークアドレス変換装置の配下に接続される前述の(8)の無線基地局装置と、前記無線基地局装置に無線接続する無線端末装置と、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を記録、管理するNAT管理装置と、前記無線基地局装置との間でIPSecトンネルを確立するゲートウェイ装置と、前記IPSecトンネル経由で伝送される呼設定用メッセージを前記無線端末装置との間で送受する通信制御装置と、を有する移動体通信システムにおける前記無線端末装置であって、無線端末装置間のメディアデータ通信の呼設定手順において、前記無線基地局装置から通知された前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を呼設定用メッセージに含めて前記通信制御装置へ送信するNAT情報送信手段と、メディアデータの転送用IPパケットの宛先に、通信相手側のネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を設定するパケット宛先設定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0023】
(10)本発明に係る無線基地局装置は、ネットワークアドレス変換装置と、前記ネットワークアドレス変換装置の配下に接続される無線基地局装置と、前記無線基地局装置に無線接続する無線端末装置と、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を記録、管理するNAT管理装置と、前記無線基地局装置との間でIPSecトンネルを確立するゲートウェイ装置と、前記IPSecトンネル経由で伝送される呼設定用メッセージを前記無線端末装置との間で送受する通信制御装置と、を有する移動体通信システムにおける前記無線基地局装置であって、前記無線端末装置から受信したIPパケットのうち、該無線端末装置から通知されたグローバルIPアドレスとポート番号が宛先になっているIPパケットを、前記IPSecトンネルを使用しないで送信するパケット転送手段を備えたことを特徴とする。
(11)本発明に係る無線端末装置は、ネットワークアドレス変換装置と、前記ネットワークアドレス変換装置の配下に接続される前述の(10)の無線基地局装置と、前記無線基地局装置に無線接続する無線端末装置と、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を記録、管理するNAT管理装置と、前記無線基地局装置との間でIPSecトンネルを確立するゲートウェイ装置と、前記IPSecトンネル経由で伝送される呼設定用メッセージを前記無線端末装置との間で送受する通信制御装置と、を有する移動体通信システムにおける前記無線端末装置であって、前記NAT管理装置から前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を取得するNAT情報取得手段と、無線端末装置間のメディアデータ通信の呼設定手順において、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を呼設定用メッセージに含めて前記通信制御装置へ送信するNAT情報送信手段と、通信相手からの呼設定用メッセージに含まれるグローバルIPアドレスとポート番号を、前記無線基地局装置に通知するNAT情報通知手段と、メディアデータの転送用IPパケットの宛先に、通信相手側のネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を設定するパケット宛先設定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0024】
(12)本発明に係る無線基地局装置は、ネットワークアドレス変換装置と、前記ネットワークアドレス変換装置の配下に接続される無線基地局装置と、前記無線基地局装置に無線接続する無線端末装置と、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を記録、管理するNAT管理装置と、前記無線基地局装置との間でIPSecトンネルを確立するゲートウェイ装置と、前記IPSecトンネル経由で伝送される呼設定用メッセージを前記無線端末装置との間で送受する通信制御装置と、を有する移動体通信システムにおける前記無線基地局装置であって、前記通信制御装置から前記無線端末装置へ転送されてきた呼設定用メッセージに含まれるグローバルIPアドレスとポート番号を取得する通信相手側NAT情報取得手段と、前記無線端末装置から受信したIPパケットのうち、前記呼設定用メッセージから取得したグローバルIPアドレスとポート番号が宛先になっているIPパケットを、前記IPSecトンネルを使用しないで送信するパケット転送手段と、を備えたことを特徴とする。
(13)本発明に係る無線端末装置は、ネットワークアドレス変換装置と、前記ネットワークアドレス変換装置の配下に接続される前述の(12)の無線基地局装置と、前記無線基地局装置に無線接続する無線端末装置と、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を記録、管理するNAT管理装置と、前記無線基地局装置との間でIPSecトンネルを確立するゲートウェイ装置と、前記IPSecトンネル経由で伝送される呼設定用メッセージを前記無線端末装置との間で送受する通信制御装置と、を有する移動体通信システムにおける前記無線端末装置であって、前記NAT管理装置から前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を取得するNAT情報取得手段と、無線端末装置間のメディアデータ通信の呼設定手順において、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を呼設定用メッセージに含めて前記通信制御装置へ送信するNAT情報送信手段と、メディアデータの転送用IPパケットの宛先に、通信相手側のネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を設定するパケット宛先設定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0025】
(14)本発明に係る無線基地局装置は、前述の(10)又は(12)の無線基地局装置において、無線端末装置とNAT管理装置間で送受されるメッセージの送信元IPアドレスに対し、該無線端末装置と自己のIPアドレスの相互変換を行うアドレス変換手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ネットワークアドレス変換装置配下に接続された基地局に対しても、メディアデータ用の効率的な通信経路を設定することができる。さらに、メディアデータ通信の呼設定手順の中で、ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスを相手基地局に通知することができる。これにより、移動体通信システムにおいて、通信品質の向上、システム構成の簡素化、呼設定時間の短縮などに寄与することが期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る移動体通信システムの全体構成を示す概念図である。図1において、無線端末(以下、端末と称する)1は、無線基地局(以下、基地局と称する)2に無線接続する。基地局2としては、例えば、無線LANのアクセスポイント(AP)、フェムトセル等の小規模セルを形成する小型基地局、宅内に設置された無線接続可能なルータなどである。
【0028】
基地局2は、ネットワーク上、ネットワークアドレス変換装置(NAT)3の配下に接続されている。例えば、基地局2はNAT3の配下に接続され、プライベートIPアドレスを用いた宅内無線LANを構築する。
【0029】
NAT3は、トランスポートネットワーク4に接続している。トランスポートネットワーク4は、セキュア通信が保証されない、非セキュア網である。トランスポートネットワーク4は、ルータ5、セキュリティゲートウェイ6及びSTUNサーバ7を有する。NAT3は、トランスポートネットワーク4内のルータ5に通信回線で接続される。STUNサーバ7は、各NAT3のグローバルIPアドレスとポート番号を記録、管理し、STUN手順を提供する。
【0030】
トランスポートネットワーク4は、セキュリティゲートウェイ6を介して、移動体コアネットワーク8及びIMS9に接続する。移動体コアネットワーク8は、移動管理ノードやアクセス認証サーバなどを有する。移動体コアネットワーク8は、端末1の認証など、移動端末の管理を行う。移動体コアネットワーク8では、セキュア通信が保証されている。IMS9は、SIPを提供するSIPサーバ10を有する。
【0031】
端末1は、移動体コアネットワーク8やIMS9へアクセスする場合には、トランスポートネットワーク4経由で移動体コアネットワーク8に接続する。このとき通信の安全化のために、基地局2は、セキュリティゲートウェイ6との間でIKEv2に基づくIPSecトンネルを確立し、セキュア通信を可能にする。
【0032】
以下、図1に示す移動体通信システムにおいて、異なる基地局1にそれぞれ接続している端末1同士が例えばVoIP又はP2P通信方式を用いて通信する場合のメディアデータ用通信経路の設定方法をいくつかの実施例を挙げて説明する。
【実施例1】
【0033】
図2は、本発明に係るメディアデータ用通信経路設定方法の実施例1である。
図2において、まずステップS1では、端末#1_1が、無線接続している基地局(BS)#1_2に対し、PPPのLCP手順において認証要求を送信する。ステップS2では、BS#1_2が、セキュリティゲートウェイ(以下、ゲートウェイと称する)#1_6に対し、端末#1_1の端末認証情報を送って端末#1_1の認証を要求する。ステップS3では、ゲートウェイ#1_6が、端末#1_1の認証を行い、認証成功の場合には、端末#1_1用のIPアドレスをBS#1_2に返信する。そして、BS#1_2とゲートウェイ#1_6は、両者間でIPSecトンネルを確立する。
【0034】
ステップS4では、BS#1_2が、STUN手順を用いて、STUNサーバ7に対し、自己が接続しているNAT#1_3のグローバルIPアドレスとポート番号を要求する。ステップS5では、STUNサーバ7が、BS#1_2に対し、BS#1_2が接続しているNAT#1_3のグローバルIPアドレスとポート番号を返信する。
【0035】
ステップS6では、端末#1_1が、BS#1_2に対し、PPPのIPCP手順においてIPアドレス要求を送信する。ステップS7では、BS#1_2が、ゲートウェイ#1_6から受け取った端末#1_1用のIPアドレスと、STUNサーバ7から受け取ったNAT#1_3のグローバルIPアドレス及びポート番号と、を端末#1_1へ返信する。これにより、端末#1_1は、無線接続しているBS#1_2が接続しているNAT#1_3のグローバルIPアドレスとポート番号を取得する。
【0036】
ステップS8では、端末#1_1が、SIPサーバ10に対し、SIPの登録を行う。ステップS9では、端末#1_1が、SIPサーバ10に対し、「200 OK」を送信する。端末#1_1からSIPサーバ10への通信には、BS#1_2とゲートウェイ#1_6間のIPSecトンネルが使用される。
【0037】
なお、図示しないが、通信相手の端末#2_1についても、端末#1_1と同様にステップS1〜S9を行う。端末#2_1からSIPサーバ10への通信には、端末#2_1が無線接続しているBS#2_2とゲートウェイ#2_6間のIPSecトンネルが使用される。これにより、端末#2_1は、無線接続しているBS#2_2が接続しているNAT#2_3のグローバルIPアドレスとポート番号を取得する。
【0038】
ステップS10では、端末#1_1が、SIPサーバ10に対し、「SIP INVITE」メッセージを送信する。このとき、端末#1_1は、「SIP INVITE」メッセージの本文に含めるSDP(Session Description Protocol)メッセージ中に、NAT#1_3のグローバルIPアドレスとポート番号を含める。ステップS11では、SIPサーバ10が、端末#1_1から受信した「SIP INVITE」メッセージを端末#2_1へ転送する。端末#2_1は、該SIPサーバ10から受信した「SIP INVITE」メッセージから、NAT#1_3のグローバルIPアドレスとポート番号を取得する。ステップS12では、端末#2_1が、「PPP notification」メッセージを用いて、NAT#1_3のグローバルIPアドレスとポート番号をBS#2_2へ送信する。これにより、BS#2_2は、端末#1,#2_1間で送受されるメディアデータの転送用のルートテーブルを、ゲートウェイ#2_6経由ではなく(IPSecトンネルを使用しないで)、NAT#1,#2_3間で直接的に転送されるように設定する。
【0039】
ステップS13では、端末#2_1が、SIPサーバ10に対し、「200 OK」メッセージを送信する。このとき、端末#2_1は、「200 OK」メッセージの本文に含めるSDPメッセージ中に、NAT#2_3のグローバルIPアドレスとポート番号を含める。ステップS14では、SIPサーバ10が、端末#2_1から受信した「200 OK」メッセージを端末#1_1へ転送する。端末#1_1は、該SIPサーバ10から受信した「200 OK」メッセージから、NAT#2_3のグローバルIPアドレスとポート番号を取得する。ステップS15では、端末#1_1が、「PPP notification」メッセージを用いて、NAT#2_3のグローバルIPアドレスとポート番号をBS#1_2へ送信する。これにより、BS#1_2は、端末#1,#2_1間で送受されるメディアデータの転送用のルートテーブルを、ゲートウェイ#1_6経由ではなく(IPSecトンネルを使用しないで)、NAT#1,#2_3間で直接的に転送されるように設定する。
【0040】
ステップS16では、端末#1,#2_1同士が、RTPを用いてメディアデータを送受する際には、BS2とゲートウェイ6間のIPSecトンネルを使用しないで、NAT#1,#2_3間で直接的にメディアデータの転送が行われる。
【0041】
端末#1_1は、メディアデータの転送用IPパケットの宛先に、通信相手側のNAT#2_3のグローバルIPアドレスとポート番号を設定する。そして、BS#1_2は、端末#1_1から受信したIPパケットのうち、NAT#2_3のグローバルIPアドレスとポート番号が宛先になっているIPパケットを、IPSecカプセリングしないで、そのままNAT#1_3へ送信する。これにより、該IPパケットは、IPSecトンネルを経由しないで、直接的にNAT#2_3へ転送される。
【0042】
同様に、端末#2_1は、メディアデータの転送用IPパケットの宛先に、通信相手側のNAT#1_3のグローバルIPアドレスとポート番号を設定する。そして、BS#2_2は、端末#2_1から受信したIPパケットのうち、NAT#1_3のグローバルIPアドレスとポート番号が宛先になっているIPパケットを、IPSecカプセリングしないで、そのままNAT#2_3へ送信する。これにより、該IPパケットは、IPSecトンネルを経由しないで、直接的にNAT#1_3へ転送される。
【0043】
上述したように本実施例1によれば、NAT配下に接続された基地局に対しても、メディアデータ用の効率的な通信経路を設定することができる。さらに、SIP手順の中で、NATのグローバルIPアドレスを相手基地局に通知することができる。これにより、移動体通信システムにおいて、通信品質の向上、システム構成の簡素化、呼設定時間の短縮などに寄与することが期待できる。
【0044】
なお、ステップS11において、BS#2_2が「SIP INVITE」メッセージからNAT#1_3のグローバルIPアドレスとポート番号を取得するようにしてもよい。この場合、ステップS12で、端末#2_1が「PPP notification」メッセージを用いてNAT#1_3のグローバルIPアドレスとポート番号をBS#2_2へ送信する必要がなくなる。同様に、ステップS14において、BS#1_2が「200 OK」メッセージからNAT#2_3のグローバルIPアドレスとポート番号を取得するようにしてもよい。この場合、ステップS15で、端末#1_1が「PPP notification」メッセージを用いてNAT#2_3のグローバルIPアドレスとポート番号をBS#1_2へ送信する必要がなくなる。
【実施例2】
【0045】
図3は、本発明に係るメディアデータ用通信経路設定方法の実施例2である。
図3において、図2の実施例1と異なる点は、ゲートウェイ6’がSTUNサーバを兼ねており、各NAT3のグローバルIPアドレスとポート番号を記録、管理する点である。以下、図2の実施例1と異なる点を説明する。
【0046】
図3において、ステップS1,S2は図2と同様である。ゲートウェイ6’は、BS#1_2から端末#1_1の認証要求を受信すると(ステップS2)、端末#1_1の認証を行い、認証成功の場合には、端末#1_1用のIPアドレスと、BS#1_2が接続しているNAT#1_3のグローバルIPアドレスとポート番号と、をBS#1_2へ返信する(ステップS3’)。これにより、図2のステップS4,S5のSTUN手順は不要となる。以降、ステップS6〜S16は図2と同様である。
【実施例3】
【0047】
図4は、本発明に係るメディアデータ用通信経路設定方法の実施例3である。
図4において、図2の実施例1と異なる点は、端末1が、STUN手順を実行して、無線接続しているBS2が接続しているNAT3のグローバルIPアドレスとポート番号をSTUNサーバ7から取得する点である。以下、図2の実施例1と異なる点を説明する。
【0048】
図4において、ステップS1〜S3,S6,S7は図2と同様である。但し、BS#1_1は、NAT#1_3のグローバルIPアドレスとポート番号を取得していないので、ステップS7では端末#1_1用のIPアドレスのみを端末#1_1へ返信する。
【0049】
次いで、ステップS20では、端末#1_1が、STUN手順を用いて、STUNサーバ7に対し、NAT#1_3のグローバルIPアドレスとポート番号を要求するメッセージを送信する。このとき、該要求メッセージの送信元IPアドレスには、端末#1_1のIPアドレスが設定される。ここで、送信元IPアドレスが端末#1_1のIPアドレスのままでは、BS#1_2は、BS#1_2とゲートウェイ#1_6間のIPSecトンネルを使用してしまう。このため、BS#1_2は、該要求メッセージを受信すると、該要求メッセージの送信元IPアドレスを自己のIPアドレスに変換し、IPSecトンネルを使用しないでNAT#1_3へ送信されるようにする。これにより、該要求メッセージは、IPSecトンネルを使用しないで、NAT#1_3に送信される。NAT#1_3は、該要求メッセージを受信すると、通常のネットワークアドレス変換処理によって該要求メッセージの送信元IPアドレスを自己のグローバルIPアドレスとポート番号に変換し、変換後の要求メッセージをSTUNサーバ7へ送信する。
【0050】
次いで、ステップS21では、STUNサーバ7が、NAT#1_3のグローバルIPアドレスとポート番号を返信する。該返信メッセージは、送信先IPアドレスがNAT#1_3のグローバルIPアドレスとポート番号になっている。NAT#1_3は、該返信メッセージを受信すると、通常のネットワークアドレス変換処理によって該返信メッセージの送信先IPアドレスをBS#1_2のIPアドレスに変換し、変換後の返信メッセージを送信する。BS#1_2は、該返信メッセージを受信すると、該返信メッセージの送信先IPアドレスを端末#1_1のIPアドレスに変換し、送信する。これにより、該返信メッセージは、端末#1_1に到達する。端末#1_1は、該返信メッセージからNAT#1_3のグローバルIPアドレスとポート番号を取得する。
以降、ステップS8〜S16は図2と同様である。
【0051】
本実施例3によっても、実施例1と同様に、NAT配下に接続された基地局に対しても、メディアデータ用の効率的な通信経路を設定することができる。さらに、SIP手順の中で、NATのグローバルIPアドレスを相手基地局に通知することができる。これにより、移動体通信システムにおいて、通信品質の向上、システム構成の簡素化、呼設定時間の短縮などに寄与することが期待できる。
【0052】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述の実施形態では、NATのグローバルIPアドレスとポート番号を取得するための手順として、STUN手順を用いたが、UPnP手順などの他の手順を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施形態に係る移動体通信システムの全体構成を示す概念図である。
【図2】本発明に係るメディアデータ用通信経路設定方法の実施例1である。
【図3】本発明に係るメディアデータ用通信経路設定方法の実施例2である。
【図4】本発明に係るメディアデータ用通信経路設定方法の実施例3である。
【図5】従来の移動体通信システムの全体構成を示す概念図である。
【図6】従来の通信手順である。
【符号の説明】
【0054】
1…端末(無線端末装置)、2…基地局(無線基地局装置)、3…ネットワークアドレス変換装置(NAT)、4…トランスポートネットワーク、5…ルータ、6…セキュリティゲートウェイ(ゲートウェイ装置)、7…STUNサーバ(NAT管理装置)、8…移動体コアネットワーク、9…IMS、10…SIPサーバ(通信制御装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークアドレス変換装置と、前記ネットワークアドレス変換装置の配下に接続される無線基地局装置と、前記無線基地局装置に無線接続する無線端末装置と、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を記録、管理するNAT管理装置と、前記無線基地局装置との間でIPSecトンネルを確立するゲートウェイ装置と、前記IPSecトンネル経由で伝送される呼設定用メッセージを前記無線端末装置との間で送受する通信制御装置と、を有する移動体通信システムにおける通信経路設定方法であって、
前記無線基地局装置が、前記NAT管理装置から前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を取得して前記無線端末装置に通知するステップと、
前記無線端末装置が、無線端末装置間のメディアデータ通信の呼設定手順において、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を呼設定用メッセージに含めて前記通信制御装置へ送信するステップと、
前記通信制御装置が、前記呼設定用メッセージを通信相手の無線端末装置へ転送するステップと、
前記呼設定用メッセージを受信した無線端末装置が、該呼設定用メッセージに含まれるグローバルIPアドレスとポート番号を、自己が無線接続している無線基地局装置に通知するステップと、
前記無線端末装置が、メディアデータの転送用IPパケットの宛先に、通信相手側のネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を設定するステップと、
前記グローバルIPアドレスとポート番号を無線端末装置から通知された無線基地局装置が、当該無線端末装置から受信したIPパケットのうち、該通知されたグローバルIPアドレスとポート番号が宛先になっているIPパケットを、前記IPSecトンネルを使用しないで送信するステップと、
を含むことを特徴とする移動体通信システムにおける通信経路設定方法。
【請求項2】
ネットワークアドレス変換装置と、前記ネットワークアドレス変換装置の配下に接続される無線基地局装置と、前記無線基地局装置に無線接続する無線端末装置と、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を記録、管理するNAT管理装置と、前記無線基地局装置との間でIPSecトンネルを確立するゲートウェイ装置と、前記IPSecトンネル経由で伝送される呼設定用メッセージを前記無線端末装置との間で送受する通信制御装置と、を有する移動体通信システムにおける通信経路設定方法であって、
前記無線基地局装置が、前記NAT管理装置から前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を取得して前記無線端末装置に通知するステップと、
前記無線端末装置が、無線端末装置間のメディアデータ通信の呼設定手順において、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を呼設定用メッセージに含めて前記通信制御装置へ送信するステップと、
前記通信制御装置が、前記呼設定用メッセージを通信相手の無線端末装置へ転送するステップと、
前記呼設定用メッセージを受信した無線基地局装置が、該呼設定用メッセージに含まれるグローバルIPアドレスとポート番号を取得するステップと、
前記無線端末装置が、メディアデータの転送用IPパケットの宛先に、通信相手側のネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を設定するステップと、
前記呼設定用メッセージからグローバルIPアドレスとポート番号を取得した無線基地局装置が、該呼設定用メッセージの宛先の無線端末装置から受信したIPパケットのうち、該呼設定用メッセージから取得したグローバルIPアドレスとポート番号が宛先になっているIPパケットを、前記IPSecトンネルを使用しないで送信するステップと、
を含むことを特徴とする移動体通信システムにおける通信経路設定方法。
【請求項3】
ネットワークアドレス変換装置と、前記ネットワークアドレス変換装置の配下に接続される無線基地局装置と、前記無線基地局装置に無線接続する無線端末装置と、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を記録、管理するNAT管理装置と、前記無線基地局装置との間でIPSecトンネルを確立するゲートウェイ装置と、前記IPSecトンネル経由で伝送される呼設定用メッセージを前記無線端末装置との間で送受する通信制御装置と、を有する移動体通信システムにおける通信経路設定方法であって、
前記無線端末装置が、前記NAT管理装置から前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を取得するステップと、
前記無線端末装置が、無線端末装置間のメディアデータ通信の呼設定手順において、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を呼設定用メッセージに含めて前記通信制御装置へ送信するステップと、
前記通信制御装置が、前記呼設定用メッセージを通信相手の無線端末装置へ転送するステップと、
前記呼設定用メッセージを受信した無線端末装置が、該呼設定用メッセージに含まれるグローバルIPアドレスとポート番号を、自己が無線接続している無線基地局装置に通知するステップと、
前記無線端末装置が、メディアデータの転送用IPパケットの宛先に、通信相手側のネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を設定するステップと、
前記グローバルIPアドレスとポート番号を無線端末装置から通知された無線基地局装置が、当該無線端末装置から受信したIPパケットのうち、該通知されたグローバルIPアドレスとポート番号が宛先になっているIPパケットを、前記IPSecトンネルを使用しないで送信するステップと、
を含むことを特徴とする移動体通信システムにおける通信経路設定方法。
【請求項4】
ネットワークアドレス変換装置と、前記ネットワークアドレス変換装置の配下に接続される無線基地局装置と、前記無線基地局装置に無線接続する無線端末装置と、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を記録、管理するNAT管理装置と、前記無線基地局装置との間でIPSecトンネルを確立するゲートウェイ装置と、前記IPSecトンネル経由で伝送される呼設定用メッセージを前記無線端末装置との間で送受する通信制御装置と、を有する移動体通信システムにおける通信経路設定方法であって、
前記無線端末装置が、前記NAT管理装置から前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を取得するステップと、
前記無線端末装置が、無線端末装置間のメディアデータ通信の呼設定手順において、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を呼設定用メッセージに含めて前記通信制御装置へ送信するステップと、
前記通信制御装置が、前記呼設定用メッセージを通信相手の無線端末装置へ転送するステップと、
前記呼設定用メッセージを受信した無線基地局装置が、該呼設定用メッセージに含まれるグローバルIPアドレスとポート番号を取得するステップと、
前記無線端末装置が、メディアデータの転送用IPパケットの宛先に、通信相手側のネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を設定するステップと、
前記呼設定用メッセージからグローバルIPアドレスとポート番号を取得した無線基地局装置が、当該呼設定用メッセージの宛先の無線端末装置から受信したIPパケットのうち、該通知されたグローバルIPアドレスとポート番号が宛先になっているIPパケットを、前記IPSecトンネルを使用しないで送信するステップと、
を含むことを特徴とする移動体通信システムにおける通信経路設定方法。
【請求項5】
前記無線基地局装置が、無線端末装置とNAT管理装置間で送受されるメッセージの送信元IPアドレスに対し、該無線端末装置と自己のIPアドレスの相互変換を行う、
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の移動体通信システムにおける通信経路設定方法。
【請求項6】
ネットワークアドレス変換装置と、前記ネットワークアドレス変換装置の配下に接続される無線基地局装置と、前記無線基地局装置に無線接続する無線端末装置と、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を記録、管理するNAT管理装置と、前記無線基地局装置との間でIPSecトンネルを確立するゲートウェイ装置と、前記IPSecトンネル経由で伝送される呼設定用メッセージを前記無線端末装置との間で送受する通信制御装置と、を有する移動体通信システムにおける前記無線基地局装置であって、
前記NAT管理装置から前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を取得して前記無線端末装置に通知するNAT情報取得手段と、
前記無線端末装置から受信したIPパケットのうち、該無線端末装置から通知されたグローバルIPアドレスとポート番号が宛先になっているIPパケットを、前記IPSecトンネルを使用しないで送信するパケット転送手段と、
を備えたことを特徴とする無線基地局装置。
【請求項7】
ネットワークアドレス変換装置と、前記ネットワークアドレス変換装置の配下に接続される請求項6記載の無線基地局装置と、前記無線基地局装置に無線接続する無線端末装置と、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を記録、管理するNAT管理装置と、前記無線基地局装置との間でIPSecトンネルを確立するゲートウェイ装置と、前記IPSecトンネル経由で伝送される呼設定用メッセージを前記無線端末装置との間で送受する通信制御装置と、を有する移動体通信システムにおける前記無線端末装置であって、
無線端末装置間のメディアデータ通信の呼設定手順において、前記無線基地局装置から通知された前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を呼設定用メッセージに含めて前記通信制御装置へ送信するNAT情報送信手段と、
通信相手からの呼設定用メッセージに含まれるグローバルIPアドレスとポート番号を、前記無線基地局装置に通知するNAT情報通知手段と、
メディアデータの転送用IPパケットの宛先に、通信相手側のネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を設定するパケット宛先設定手段と、
を備えたことを特徴とする無線端末装置。
【請求項8】
ネットワークアドレス変換装置と、前記ネットワークアドレス変換装置の配下に接続される無線基地局装置と、前記無線基地局装置に無線接続する無線端末装置と、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を記録、管理するNAT管理装置と、前記無線基地局装置との間でIPSecトンネルを確立するゲートウェイ装置と、前記IPSecトンネル経由で伝送される呼設定用メッセージを前記無線端末装置との間で送受する通信制御装置と、を有する移動体通信システムにおける前記無線基地局装置であって、
前記NAT管理装置から前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を取得して前記無線端末装置に通知するNAT情報取得手段と、
前記通信制御装置から前記無線端末装置へ転送されてきた呼設定用メッセージに含まれるグローバルIPアドレスとポート番号を取得する通信相手側NAT情報取得手段と、
前記無線端末装置から受信したIPパケットのうち、前記呼設定用メッセージから取得したグローバルIPアドレスとポート番号が宛先になっているIPパケットを、前記IPSecトンネルを使用しないで送信するパケット転送手段と、
を備えたことを特徴とする無線基地局装置。
【請求項9】
ネットワークアドレス変換装置と、前記ネットワークアドレス変換装置の配下に接続される請求項8記載の無線基地局装置と、前記無線基地局装置に無線接続する無線端末装置と、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を記録、管理するNAT管理装置と、前記無線基地局装置との間でIPSecトンネルを確立するゲートウェイ装置と、前記IPSecトンネル経由で伝送される呼設定用メッセージを前記無線端末装置との間で送受する通信制御装置と、を有する移動体通信システムにおける前記無線端末装置であって、
無線端末装置間のメディアデータ通信の呼設定手順において、前記無線基地局装置から通知された前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を呼設定用メッセージに含めて前記通信制御装置へ送信するNAT情報送信手段と、
メディアデータの転送用IPパケットの宛先に、通信相手側のネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を設定するパケット宛先設定手段と、
を備えたことを特徴とする無線端末装置。
【請求項10】
ネットワークアドレス変換装置と、前記ネットワークアドレス変換装置の配下に接続される無線基地局装置と、前記無線基地局装置に無線接続する無線端末装置と、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を記録、管理するNAT管理装置と、前記無線基地局装置との間でIPSecトンネルを確立するゲートウェイ装置と、前記IPSecトンネル経由で伝送される呼設定用メッセージを前記無線端末装置との間で送受する通信制御装置と、を有する移動体通信システムにおける前記無線基地局装置であって、
前記無線端末装置から受信したIPパケットのうち、該無線端末装置から通知されたグローバルIPアドレスとポート番号が宛先になっているIPパケットを、前記IPSecトンネルを使用しないで送信するパケット転送手段、
を備えたことを特徴とする無線基地局装置。
【請求項11】
ネットワークアドレス変換装置と、前記ネットワークアドレス変換装置の配下に接続される請求項10記載の無線基地局装置と、前記無線基地局装置に無線接続する無線端末装置と、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を記録、管理するNAT管理装置と、前記無線基地局装置との間でIPSecトンネルを確立するゲートウェイ装置と、前記IPSecトンネル経由で伝送される呼設定用メッセージを前記無線端末装置との間で送受する通信制御装置と、を有する移動体通信システムにおける前記無線端末装置であって、
前記NAT管理装置から前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を取得するNAT情報取得手段と、
無線端末装置間のメディアデータ通信の呼設定手順において、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を呼設定用メッセージに含めて前記通信制御装置へ送信するNAT情報送信手段と、
通信相手からの呼設定用メッセージに含まれるグローバルIPアドレスとポート番号を、前記無線基地局装置に通知するNAT情報通知手段と、
メディアデータの転送用IPパケットの宛先に、通信相手側のネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を設定するパケット宛先設定手段と、
を備えたことを特徴とする無線端末装置。
【請求項12】
ネットワークアドレス変換装置と、前記ネットワークアドレス変換装置の配下に接続される無線基地局装置と、前記無線基地局装置に無線接続する無線端末装置と、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を記録、管理するNAT管理装置と、前記無線基地局装置との間でIPSecトンネルを確立するゲートウェイ装置と、前記IPSecトンネル経由で伝送される呼設定用メッセージを前記無線端末装置との間で送受する通信制御装置と、を有する移動体通信システムにおける前記無線基地局装置であって、
前記通信制御装置から前記無線端末装置へ転送されてきた呼設定用メッセージに含まれるグローバルIPアドレスとポート番号を取得する通信相手側NAT情報取得手段と、
前記無線端末装置から受信したIPパケットのうち、前記呼設定用メッセージから取得したグローバルIPアドレスとポート番号が宛先になっているIPパケットを、前記IPSecトンネルを使用しないで送信するパケット転送手段と、
を備えたことを特徴とする無線基地局装置。
【請求項13】
ネットワークアドレス変換装置と、前記ネットワークアドレス変換装置の配下に接続される請求項12記載の無線基地局装置と、前記無線基地局装置に無線接続する無線端末装置と、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を記録、管理するNAT管理装置と、前記無線基地局装置との間でIPSecトンネルを確立するゲートウェイ装置と、前記IPSecトンネル経由で伝送される呼設定用メッセージを前記無線端末装置との間で送受する通信制御装置と、を有する移動体通信システムにおける前記無線端末装置であって、
前記NAT管理装置から前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を取得するNAT情報取得手段と、
無線端末装置間のメディアデータ通信の呼設定手順において、前記ネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を呼設定用メッセージに含めて前記通信制御装置へ送信するNAT情報送信手段と、
メディアデータの転送用IPパケットの宛先に、通信相手側のネットワークアドレス変換装置のグローバルIPアドレスとポート番号を設定するパケット宛先設定手段と、
を備えたことを特徴とする無線端末装置。
【請求項14】
無線端末装置とNAT管理装置間で送受されるメッセージの送信元IPアドレスに対し、該無線端末装置と自己のIPアドレスの相互変換を行うアドレス変換手段を備えたことを特徴とする請求項10又は請求項12に記載の無線基地局装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−87612(P2010−87612A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−251646(P2008−251646)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】