移動体通信システム及び移動体通信端末
【課題】 無駄にストリーミングセッションが維持され続けることを防止して、ストリーミング再生を行うことができなくなる利用者が発生するのを抑制することである。
【解決手段】 本移動体通信システムは、コンテンツデータに基づくストリーミングデータを送信するストリーミングサーバと、そのストリーミングデータを受信して再生可能な移動体通信端末とを有する。この移動体通信端末は、一時停止操作手段及び一時停止解除操作手段を有する。また、この移動体通信端末が有する制御手段は、一時停止操作手段の操作を受け付けてから一定時間経過するまでに一時停止解除操作手段の操作がなされないときには、上記サーバに対して接続切断要求を送信する処理を行う。上記サーバが有する制御手段は、この要求を受信したときに接続を切断する処理を行う。
【解決手段】 本移動体通信システムは、コンテンツデータに基づくストリーミングデータを送信するストリーミングサーバと、そのストリーミングデータを受信して再生可能な移動体通信端末とを有する。この移動体通信端末は、一時停止操作手段及び一時停止解除操作手段を有する。また、この移動体通信端末が有する制御手段は、一時停止操作手段の操作を受け付けてから一定時間経過するまでに一時停止解除操作手段の操作がなされないときには、上記サーバに対して接続切断要求を送信する処理を行う。上記サーバが有する制御手段は、この要求を受信したときに接続を切断する処理を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体通信端末とストリーミングサーバとを備えた移動体通信システム、及び、このシステムに用いられる移動体通信端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク上のサーバに記憶された映像データや音データ等のコンテンツデータを通信端末で再生する方法には、ダウンロード再生方法とストリーミング再生方法の2つの方法がある。前者の方法は、コンテンツデータの全てを通信端末へダウンロードしてからそのコンテンツデータを再生するので、全コンテンツデータのダウンロードが完了してからでないと、そのコンテンツデータを再生することができない。そのため、コンテンツデータの取得開始から再生開始までに要する時間が長くなるという欠点がある。これに対し、後者の方法は、コンテンツデータを受信しつつ、受信したデータ部分から順次再生するので、コンテンツデータの取得開始から再生開始までに要する時間がダウンロード再生方法よりも短くできるという利点がある。また、ダウンロード再生方法は、全コンテンツデータを記憶できる大容量の記憶手段を通信端末に設ける必要があるという欠点もある。これに対し、ストリーミング再生方法は、一般に再生したデータ部分を順次破棄していくので、通信端末に設ける記憶手段の容量がダウンロード再生方法に比べて小さくて済むという利点がある。このようなストリーミング再生方法については、例えば特許文献1や特許文献2に記載されたものが知られている。
【0003】
コンテンツデータを移動体通信端末で再生する場合、小型化の要請等により移動体通信端末に大容量の記憶手段を搭載することが困難である現状では、記憶手段の容量が小さくて済むストリーミング再生方法を採用するのが望ましい。
図12は、コンテンツデータを移動体通信端末である携帯電話機でストリーミング再生する際の従来の通信手順を示すシーケンスフロー図である。コンテンツデータを再生しようとする場合、携帯電話機はサーバからSDP(Session Description Protocol)データを取得する。そして、そのSDPデータに含まれる各種設定項目を参照し、その設定に従ってストリーミング通信用の接続(ストリーミングセッション)の確立要求をサーバへ送信すると、この要求に応じてサーバがストリーミングセッションを確立する。その後、ユーザーがコンテンツの再生操作を行うと、携帯電話機からコンテンツ再生要求がサーバへ送信され、この要求に応じてサーバはストリーミングデータの送信を開始する。これにより、携帯電話機はそのストリーミングデータを受信して再生することができる。
一方、図12に示すように、上記ストリーミングデータの再生中に利用者が一時停止操作を行った場合、携帯電話機からサーバに対して一時停止要求が送信される。この要求に応じて、サーバは、ストリーミングセッションを維持したままストリーミングデータの送信を停止する。従来は、この一時停止後、携帯電話機からサーバに対して一定時間ごとに生存通知が送信され、サーバは、この生存通知を定期的に受信することで、その携帯電話機が一時停止中であることを把握する構成になっていた。そして、サーバは、その生存通知を定期的に受信する限り、ストリーミングセッションを維持していた。
【0004】
【特許文献1】特開2003−333579号公報
【特許文献2】特開2003−229843号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、コンテンツの再生を一時停止したことを利用者が忘れてしまって、そのまま携帯電話機が放置される場合があった。この場合、携帯電話機は、上述のように生存通知をサーバに対して送信し続けることになり、無駄にストリーミングセッションが維持され続ける事態に陥る。ストリーミングセッション数が多すぎるとネットワーク内で輻輳が起こるおそれがあるので、ストリーミングセッションの数に上限を設けて輻輳制御を行うのが一般的である。このようにストリーミングセッション数の上限が設けられる関係で、上述したように無駄なストリーミングセッションが維持され続けると、当該サーバにおいて他の利用者が利用可能なセッション数が減ってしまう。その結果、ストリーミング再生を行うことができなくなる利用者が発生するおそれがあるという問題も生じる。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、コンテンツの再生を一時停止したことを利用者が忘れてしまってそのまま移動体通信端末が放置された場合でも、無駄にストリーミングセッションが維持され続けることを抑制することができる移動体通信システム及び移動体通信端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、コンテンツデータを記憶するサーバ記憶手段、ネットワークを介して移動体通信端末とデータ通信を行うサーバ通信手段、並びに、ストリーミングデータ通信用の接続を確立して該コンテンツデータに基づくストリーミングデータを該サーバ通信手段を用いて送信する処理を行うサーバ制御手段を有するストリーミングサーバと、該ネットワークを介して該ストリーミングサーバとデータ通信を行う端末通信手段、及び、該ストリーミングデータを該端末通信手段により受信して再生するための受信再生処理を行う端末制御手段を有する移動体通信端末とを備えた移動体通信システムにおいて、上記移動体通信端末は、一時停止操作手段と、一時停止解除操作手段とを有し、上記端末制御手段は、該一時停止操作手段の操作を受け付けたときには上記接続の切断要求を該ストリーミングサーバへ送信することなく上記受信再生処理を一時停止し、一時停止中に該一時停止解除操作手段の操作を受け付けたときには該受信再生処理を再開し、該一時停止操作手段の操作を受け付けてから一定時間経過するまでに該一時停止解除操作手段の操作がなされないときには、該ストリーミングサーバに対して該接続の切断要求を上記端末通信手段を用いて送信する処理を行い、上記サーバ制御手段は、該切断要求を受信したとき、該接続を切断する処理を行うことを特徴とするものである。
この移動体通信システムにおいては、移動体通信端末の一時停止操作手段が操作されてから一定時間経過するまでに一時停止解除操作手段が操作されないとき、移動体通信端末からストリーミングサーバに対してストリーミングデータ通信用の接続の切断要求が送信され、上記接続が切断される。よって、コンテンツの再生を一時停止したことを利用者が忘れてしまってそのまま移動体通信端末が放置されても、一時停止から一定時間経過後に上記接続が切断される。したがって、コンテンツの再生を一時停止したことを利用者が忘れてしまってそのまま移動体通信端末が放置された場合に、従来は上記接続が無駄に維持され続けてしまって事態を、本移動体通信システムにより抑制することができる。
また、移動体通信端末においては、データ通信量に応じた課金方式が採用されることが多い。この課金方式においては、コンテンツの再生を一時停止したことを利用者が忘れてしまってそのまま移動体通信端末が放置された場合、利用者の意図しない間に大量の生存通知分のデータ通信料が発生してしまうという不具合が発生する。また、その大量の生存通知によってネットワークの負荷が高まるという不具合も発生する。本移動体通信端末によれば、一時停止から一定時間経過後に上記接続が切断されるので、このような不具合も軽減することができる。
【0008】
また、請求項2の発明は、コンテンツデータを記憶するサーバ記憶手段、ネットワークを介して移動体通信端末とデータ通信を行うサーバ通信手段、並びに、ストリーミングデータ通信用の接続を確立して該コンテンツデータに基づくストリーミングデータを該サーバ通信手段を用いて送信する処理を行うサーバ制御手段を有するストリーミングサーバと、該ネットワークを介して該ストリーミングサーバとデータ通信を行う端末通信手段、及び、該ストリーミングデータを該端末通信手段により受信して再生するための受信再生処理を行う端末制御手段を有する移動体通信端末とを備えた移動体通信システムにおいて、上記端末制御手段は、上記ストリーミングサーバから送信されるストリーミングデータを一定時間受信しないとき、該ストリーミングサーバに対して上記接続の切断要求を上記端末通信手段を用いて送信する処理を行い、上記サーバ制御手段は、該切断要求を受信したとき、該接続を切断する処理を行うことを特徴とするものである。
この移動体通信システムにおいては、移動体通信端末がストリーミングサーバから送信されるストリーミングデータを一定時間受信しないとき、移動体通信端末からストリーミングサーバに対してストリーミングデータ通信用の接続の切断要求が送信され、上記接続が切断される。一時停止中は、移動体通信端末はストリーミングサーバからのストリーミングデータを受信しないので、コンテンツの再生を一時停止したことを利用者が忘れてしまってそのまま移動体通信端末が放置されても、その一時停止から所定時間が経過したら上記接続が切断されることになる。したがって、請求項1の移動体通信システムと同様に、コンテンツの再生を一時停止したことを利用者が忘れてしまってそのまま移動体通信端末が放置された場合に、従来は上記接続が無駄に維持され続けてしまって事態を、本移動体通信システムにより抑制することができる。また、上述した不具合も軽減することができる。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1の移動体通信システムに用いられる移動体通信端末であって、ネットワークを介して上記ストリーミングサーバとデータ通信を行う端末通信手段と、該ストリーミングサーバから送信されるストリーミングデータを該端末通信手段により受信して再生するための受信再生処理を行う端末制御手段と、一時停止操作手段と、一時停止解除操作手段とを有し、上記端末制御手段は、該一時停止操作手段の操作を受け付けたときには、上記接続の切断要求を該ストリーミングサーバへ送信することなく該受信再生処理を一時停止し、一時停止中に該一時停止解除操作手段の操作を受け付けたときには該受信再生処理を再開し、該一時停止操作手段の操作を受け付けてから一定時間経過するまでに該一時停止解除操作手段の操作がなされないときには、該ストリーミングサーバに対して該接続の切断要求を該端末通信手段を用いて送信する処理を行うことを特徴とするものである。
この移動体通信端末は、請求項1の移動体通信システムに用いられることにより、コンテンツの再生を一時停止したことを利用者が忘れてしまってそのまま本移動体通信端末が放置されても、一時停止から一定時間経過後にストリーミングデータ通信用の接続が切断される。したがって、上記接続が無駄に維持され続ける事態を抑制できる。また、上述した不具合も軽減することができる。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項3の移動体通信端末において、時間を計測するタイマー手段を有し、上記端末制御手段は、上記一時停止操作手段の操作を受け付けてときに該タイマー手段の時間計測をスタートさせ、上記一時停止解除操作手段の操作を受け付けてときに該タイマー手段の時間計測をリセットし、該タイマー手段により計測された経過時間が上記一定時間に達したときには、上記ストリーミングサーバに対して上記接続の切断要求を上記端末通信手段を用いて送信する処理を行うことを特徴とするものである。
この移動体通信端末は、簡易な構成で、ストリーミングデータ通信用の接続が無駄に維持され続ける事態を抑制でき、また上述した不具合も軽減することができる。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項2の移動体通信システムに用いられる移動体通信端末であって、ネットワークを介して上記ストリーミングサーバとデータ通信を行う端末通信手段と、該ストリーミングサーバから送信されるストリーミングデータを該端末通信手段により受信して再生するための受信再生処理を行う端末制御手段とを有し、上記端末制御手段は、該ストリーミングサーバから送信されるストリーミングデータを一定時間受信しないとき、該ストリーミングサーバに対して上記接続の切断要求を上記端末通信手段を用いて送信する処理を行うことを特徴とするものである。
この移動体通信端末は、請求項2の移動体通信システムに用いられることにより、コンテンツの再生を一時停止したことを利用者が忘れてしまってそのまま本移動体通信端末が放置されても、一時停止から一定時間経過後にストリーミングデータ通信用の接続が切断される。したがって、上記接続が無駄に維持され続ける事態を抑制できる。また、上述した不具合も軽減することができる。
【0012】
また、請求項6の発明は、請求項5の移動体通信端末において、時間を計測するタイマー手段を有し、上記端末制御手段は、上記受信再生処理を開始した時に該タイマー手段の時間計測をスタートさせ、上記ストリーミングサーバから送信されるデータを受信するたびに該タイマー手段の時間計測をリスタートさせ、該タイマー手段により計測された経過時間が上記一定時間に達したときには、該ストリーミングサーバに対して上記接続の切断要求を上記端末通信手段を用いて送信する処理を行うことを特徴とするものである。
この移動体通信端末は、簡易な構成で、ストリーミングデータ通信用の接続が無駄に維持され続ける事態を抑制できる。
【0013】
なお、上記「移動体通信端末」としては、PDC(Personal Digital Cellular)方式、GSM(Global System for Mobile Communication)方式、TIA(Telecommunications Industry Association)方式等の携帯電話機、IMT(International Mobile Telecommunications)−2000で標準化された携帯電話機、TD−SCDMA(Time Division Synchronous Code Division Multiple Access)方式の一つであるTD−SCDMA(MC:Multi Carrier)方式の携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、自動車電話機等の電話機が挙げられる。また、この移動体通信端末としては、表示手段を有し、利用者に把持された状態で使用されるものであればよく、上記電話機のほか、電話機能を有しないPDA(Personal Digital Assistance)等の移動型の移動体通信端末なども含まれる。
【発明の効果】
【0014】
以上、請求項1乃至6の発明によれば、コンテンツの再生を一時停止したことを利用者が忘れてしまってそのまま移動体通信端末が放置された場合でも、無駄にストリーミングセッションが維持され続けることを抑制できるという優れた効果が奏される。更に、移動体通信端末がデータ通信量に応じた課金方式を採用したものであっても、利用者の意図しない一時停止期間中に大量の生存通知分のデータ通信料が発生するのを抑制できるという優れた効果が奏される。また、その大量の生存通知によるネットワーク負荷を軽減できるという優れた効果も奏される。
特に、請求項4及び6の発明によれば、簡易な構成で、ストリーミング再生を行うことができなくなる利用者が発生するのを抑制できるという優れた効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を移動体通信システムに適用した一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図2は、本実施形態に係る移動体通信端末としての携帯電話機が利用可能な移動体通信システムの全体構成を説明するための説明図である。
この移動体通信システムにおいて、ユーザーが使用する携帯電話機20は、ユーザーによって登録されたアプリケーションプログラムを実行可能な構成を有している。本実施形態において、このアプリケーションプログラムは、プラットフォームに依存しないオブジェクト指向プログラミング等によって開発されたものである。このようなアプリケーションプログラムとしては、JAVA(登録商標。以下同様。)で記述されたアプリケーションプログラム、C++言語で記述されたアプリケーションプログラム、BREW(登録商標。以下同様。)のアプリケーション実行環境上で動作するアプリケーションプログラムなどが挙げられる。また、アプリケーションプログラムは、C言語やアセンブリ言語等で記述された構造化プログラムであってもよい。この携帯電話機20は、ネットワークとしての携帯電話通信網10に接続可能である。また、この携帯電話通信網10には、コンテンツデータを配信するストリーミングサーバ11が接続されている。このストリーミングサーバ11は、携帯電話機20からの要求に応じて、コンテンツデータに基づくストリーミングデータを携帯電話機20に対して送信する。
【0016】
ストリーミングサーバ11で配信されるコンテンツデータは、コンテンツ開発事業者等のコンテンツ開発元から提供される。具体的には、例えば、コンテンツ開発元側のパーソナルコンピュータ等から、専用回線や公衆回線を介してストリーミングサーバ11にアップロードして提供する。なお、開発したコンテンツのデータを記録した光ディスクや磁気ディスク等の記録媒体を、コンテンツ開発元からストリーミングサーバ11を管理・運営する通信事業者に送り、その記録媒体内のコンテンツデータをストリーミングサーバ11で読み取るようにして、提供してもよい。このようにして提供されたコンテンツデータは、携帯電話機20から携帯電話通信網10を介してストリーミング配信可能な状態でストリーミングサーバ11に登録される。なお、「コンテンツデータ」としては、画像と音を組合せた映画等の映像コンテンツのデータ、音楽等の音のみからなるコンテンツのデータ、画像のみからなるコンテンツのデータなどが含まれる。
【0017】
図3は、上記ストリーミングサーバ11のハードウェア構成を示す概略構成図である。
このストリーミングサーバ11は、システムバス100、CPU101、内部記憶装置、外部記憶装置104、入力装置105及び出力装置106を備えている。上記内部記憶装置は、RAM102やROM103等で構成されている。上記外部記憶装置104は、ハードディスクドライブ(HDD)や光ディスクドライブ等で構成されている。上記入力装置105は、マウスやキーボード等で構成されている。上記出力装置106は、ディスプレイやプリンタ等で構成されている。更に、このストリーミングサーバ11は、携帯電話通信網10を介して各ユーザーの携帯電話機20と通信するためのサーバ通信手段としての携帯電話用通信装置107を備えている。本実施形態では、上記内部記憶装置及び上記外部記憶装置104がサーバ記憶手段として機能する。
【0018】
上記CPU101やRAM102等の構成要素は、システムバス100を介して、互いにデータやプログラムの命令等のやり取りを行う。このストリーミングサーバ11を所定の手順に従って動作させるための各種プログラムは、ROM103や外部記憶装置104に記憶されており、必要に応じてCPU101やRAM102上の作業エリアに呼び出されて実行される。また、このストリーミングサーバ11には、携帯電話機20に対して送信するコンテンツデータが外部記憶装置104に記憶されている。ストリーミングサーバ11は、携帯電話機20からの要求に応じ、CPU101、RAM102、携帯電話通信網用通信装置107等が協働して、外部記憶装置104に記憶されているコンテンツデータを、携帯電話通信網10を介して携帯電話機20にストリーミングデータ送信する機能を有している。また、外部記憶装置104に記憶されているコンテンツデータを紹介するためのWebサイトを提供するWebサーバとしての機能も有している。本実施形態では、携帯電話機20のユーザーは、コンテンツデータをストリーミング再生しようとする場合、まず、Webサイトにアクセスして再生対象のコンテンツデータを選択し、その後、選択したコンテンツデータに基づくストリーミングデータを受信して再生することになる。なお、このストリーミングサーバ11は、専用装置として構成してもいいし、汎用のコンピュータシステムを用いて構成してもよい。また、1台のコンピュータで構成してもいいし、複数の機能をそれぞれ受け持つ複数台のコンピュータをネットワークで結んで構成してもよい。
【0019】
図4は、上記携帯電話機20の外観を示す正面図であり、図5は、その携帯電話機20のハードウェア構成を示す概略構成図である。
この携帯電話機20は、クラムシェル(折り畳み)タイプの携帯電話機であり、システムバス200、CPU201、RAM202やROM203等からなる内部制御装置、入力装置204、出力装置205及び携帯電話用通信装置206を備えている。CPU201やRAM202等の構成要素は、システムバス200を介して、互いに各種データや後述のアプリケーションプログラムの命令等のやり取りを行っている。上記入力装置204は、データ入力キー(テンキー、*キー、#キー)21、通話開始キー22、終話キー23、スクロールキー24、多機能キー25、マイク26などから構成されている。上記出力装置205は、表示手段としての液晶ディスプレイ(LCD)27、通話用スピーカ28、図示しない外部スピーカ等から構成されている。上記携帯電話用通信装置206は、携帯電話通信網10を介して他の携帯電話機や上記ストリーミングサーバ11と通信するためのものである。また、RAM202内には、後述する電話機プラットフォームが管理する第1の記憶手段としてのプラットフォーム用記憶領域と、後述するアプリケーション実行環境上で管理される第2の記憶手段としてのアプリケーション用記憶領域とが存在する。本実施形態において、RAM202及びROM203は、端末記憶手段として機能する。
【0020】
図6は、上記携帯電話機20の主要部を抽出して示したブロック図であり、図7は、その携帯電話機20におけるソフトウェア構造の説明図である。
この携帯電話機20は、電話通信部211及び端末通信手段としてのデータ通信部212、操作手段としての操作部213、アプリケーションプログラム実行手段としてのアプリケーションプログラム実行管理部214、主制御部215、出力部216、タイマー手段としてのタイマー部218等により構成される。
【0021】
上記電話通信部211は、他の携帯電話機や固定電話機と電話通信を行うために、携帯電話通信網10の基地局と無線通信を行うものであり、上述のハードウェア構成上の携帯電話用通信装置206等に対応する。
上記データ通信部212は、上記電話通信部211と同様に、上述のハードウェア構成上の携帯電話用通信装置206等に対応する。このデータ通信部212は、携帯電話通信網10を介して他の携帯電話機とメールのやり取りを行ったり、携帯電話通信網10からゲートウェイサーバを介して、インターネット等の外部のネットワークに接続し、インターネット上での電子メールのやり取りやWebページの閲覧等を行ったりするためのものである。また、このデータ通信部212は、携帯電話通信網10を介して、ストリーミングサーバ11が提供するアプリケーションプログラムをダウンロードするためにも用いられる。
【0022】
上記操作部213は、ユーザーにより操作される上述のテンキー21、通話開始キー22、終話キー23等で構成されている。この操作部213の各種キーを操作することにより、ユーザーは、携帯電話機20に対してURL等のデータを入力したり、電話着信の際に通話の開始及び終了を行ったり、アプリケーションプログラムの選択、起動及び停止を行ったりすることができる。また、ユーザーは操作部213の各種キーを操作することにより、上記ストリーミングサーバ11が提供するWebサイトにアクセスしてコンテンツデータに基づくストリーミングデータを受信してこれを再生することもできる。
【0023】
上記アプリケーションプログラム実行管理部214は、上述のシステムバス200、CPU201やRAM202の一部等で構成されている。このアプリケーションプログラム実行管理部214は、図7のソフトウェア構造上において中央の「アプリケーション実行環境」に対応しており、オブジェクト指向プログラミングで開発されたアプリケーションプログラムに利用されるクラスライブラリ、実行環境管理ライブラリ、アプリケーション管理等のソフトウェアを提供し、アプリケーションプログラムの実行環境を管理する。このアプリケーション実行環境は、実行するアプリケーションプログラムに応じて適宜選定される。例えば、実行するアプリケーションプログラムがJAVAで記述されたものである場合には、JAVAのアプリケーション実行環境を選定する。また、実行するアプリケーションプログラムがBREWの実行環境上で動作するC言語で記述されたものである場合には、BREWのアプリケーション実行環境を選定する。なお、実行するアプリケーションプログラムがJAVAで記述されたものである場合には、BREWのアプリケーション実行環境上に更にJAVAのアプリケーション実行環境を構築することで、これを実行することができる。
【0024】
ここで、アプリケーションプログラムは、クラスライブラリAPI(アプリケーションインターフェース)を介して上記アプリケーション実行環境内にある関数等のクラスライブラリを呼び出して使用できるようになっている。この関数等のクラスライブラリの呼び出しの履歴は、アプリケーションプログラムの仮想的な実行環境(仮想マシン:VM)が終了するまで、RAM202内におけるアプリケーション用記憶領域に記憶される。また、アプリケーション実行環境は、アプリケーションプログラムの実行に際して用いる各種データも、そのアプリケーション用記憶領域に保存する。そして、この各種データを用いるときには、このアプリケーション用記憶領域から読み出したり、書き込んだりする。また、アプリケーション実行環境内の実行環境管理ライブラリは、電話機プラットフォームAPIを介して後述の電話機プラットフォーム内の電話機プラットフォームライブラリを呼び出して使用できるようになっている。
【0025】
上記主制御部215は、電話通信部211、データ通信部212、出力部216、タイマー部218を制御するものであり、上述のシステムバス200、CPU201やRAM202等で構成されている。この主制御部215は、アプリケーションプログラム実行管理部214との間で制御命令や各種データのやりとりを行い、これと協働して制御を行うことで、端末制御手段として機能する。主制御部215は、図7のソフトウェア構造上において最下部の「電話機プラットフォーム」に対応しており、上記電話通信部211等を制御するための制御用プログラムやユーザインターフェースを実行したり、電話機プラットフォームライブラリを提供したりする。この電話機プラットフォームは、上記アプリケーション実行環境内の実行環境管理ライブラリに対してイベントを送ることにより、アプリケーションプログラムにおいて各種処理を実行したり、アプリケーション管理APIを介して上記アプリケーション実行環境内のアプリケーション管理のソフトウェアを呼び出して使用したりできるようになっている。また、アプリケーション実行環境が電話機プラットフォームAPIを介して電話機プラットフォームライブラリを呼び出して使用したとき、電話機プラットフォームは、その電話機プラットフォームライブラリに応じた処理を実行する。例えば、電話機プラットフォームは、電話機プラットフォームライブラリを利用したアプリケーション実行環境からの指示に基づき、RAM202内における電話機プラットフォームが管理するプラットフォーム用記憶領域に記憶されたデータを読み出して、これをアプリケーション用記憶領域に移行することができる。
【0026】
上記出力部216は、上述の液晶ディスプレイ27、通話用スピーカ28、外部スピーカ等からなる出力装置205等で構成されている。この出力部216は、上記データ通信部212で受信したWebページ画面を液晶ディスプレイ27に表示する。また、この出力部216の液晶ディスプレイ27は、上記電話通信部211やデータ通信部212で情報を着信した旨をユーザーに報知するときに用いられる。具体的には、その情報を着信すると、主制御部215により、出力部216の液晶ディスプレイ27に着信報知画像を表示したり、外部スピーカから着信音を出力させたりする。更に、この出力部216は、アプリケーション実行環境で実行される後述のコンテンツ再生用アプリケーションプログラムを実行中には、再生されたコンテンツデータの映像や音などの出力にも用いられる。
【0027】
上記タイマー部218は、時間を計測できる公知の構成を採用することができる。本実施形態では、携帯電話機20が備えるRTC(Real Time Clock)209が発生させる時刻データに基づいて、タイマー用プログラムを実行するCPU201が時間を計測する構成になっている。
【0028】
携帯電話機20を所定の手順に従って動作させる電話機プラットフォームを構築するための制御用プログラムは、RAM202やROM203に記憶されている。また、基本OS(オペレーティングシステム)のプログラムや、上記アプリケーション実行環境を構築するためのプログラム及びアプリケーションプログラムも、RAM202やROM203に記憶されている。そして、これらのプログラムは、必要に応じてCPU201やRAM202中の作業エリアに呼び出されて実行される。
【0029】
〔動作例1〕
次に、本移動体通信システムにおけるコンテンツデータのストリーミング再生処理の一例(以下、本動作例を「動作例1」という。)について説明する。なお、本実施形態では、画像(動画像)と音とを組合せた映像コンテンツをストリーミング再生する場合について説明するが、他のコンテンツについても同様である。
【0030】
図8は、コンテンツデータを携帯電話機20でストリーミング再生する際の本動作例1における携帯電話機20の処理動作の流れを示すフローチャートである。図9は、コンテンツデータを携帯電話機20でストリーミング再生する際の本動作例1における通信手順を示すシーケンスフロー図である。
コンテンツデータを再生しようとする場合、まず、ユーザーは、操作部213のキーを操作し、ブラウザを起動する(S1)。そして、操作部213のキーを操作して、ストリーミングサーバ11のコンテンツ選択サイトのURLを入力し、アクセスする(S2)。これにより、ブラウザを実行する主制御部215は、そのURLによって特定されるストリーミングサーバ11に対してリクエストを送信する。このリクエストを受けたストリーミングサーバ11は、そのリクエストの送信元である携帯電話機20に向けて、そのリクエストに係るコンテンツ選択サイトの画面(コンテンツリスト画面)をレスポンスとして送信する。その後、ユーザーは、操作部213のキーを操作して、LCD27上に表示された画面のコンテンツリストの中から自分が希望するコンテンツを選択する(S3)。これを受けて、図7に示した電話機プラットフォームすなわち図6に示した主制御部215に、アプリケーションプログラムの実行指示が入力される。これにより、主制御部215は、コンテンツ再生用アプリケーションプログラムを読み出してこれを起動する(S4)。アプリケーションプログラムが起動すると、図7に示したアプリケーション実行環境すなわち図6に示したアプリケーションプログラム実行管理部214上で、そのアプリケーションプログラムが動作する。なお、このアプリケーションプログラムは、予め携帯電話機20のROM203に記憶されたものでも、外部からダウンロードしてRAM202に記憶されたものでもよい。
【0031】
アプリケーションプログラムが起動すると、アプリケーションプログラム実行管理部214は、アプリケーションプログラムの内容に従って、選択したコンテンツに対応した端末設定用データとしてのSDP(Session Description Protocol)データを取得する処理を行う(S5)。具体的には、アプリケーションプログラム実行管理部214は、その選択に係るコンテンツについて、ストリーミングサーバ11に対し、そのコンテンツデータを配信するコンテンツ配信サイトへSDPデータの取得要求を主制御部215を介して送信する。本動作例1において、携帯電話機20とストリーミングサーバ11との間は、主に、RTSP(Real Time Streaming Protocol)及びRTP(Real-time Transport Protocol)を用いてデータ通信を行う。したがって、ここでは、SDPデータの取得要求として、DESCRIBEコマンドを送信する。SDPデータの取得要求を受けたストリーミングサーバ11は、その応答としてSDPデータを携帯電話機20に送信する。このSDPデータを受信した携帯電話機20のアプリケーションプログラム実行管理部214は、そのSDPデータをRAM202に保存する。その後、そのSDPデータに含まれる各種設定項目を参照し、その設定に従ってストリーミングセッション(ストリーミング通信用の接続)の確立要求(SETUPコマンド)を主制御部215を介してストリーミングサーバ11へ送信する。この要求に応じて、ストリーミングサーバ11は、本携帯電話機20との間のストリーミングセッションを確立し、ストリーミングセッションが確立した旨の応答を携帯電話機20へ送信する。なお、本動作例1では、コンテンツ選択サイトとコンテンツ配信サイトが同じストリーミングサーバ11によって提供されているが、別々のサーバで提供するようにしてもよい。
【0032】
一方、コンテンツ再生用アプリケーションプログラムが起動すると、LCD27上にコンテンツ再生用画面が表示される。ユーザーが操作部213のキーに対してコンテンツを再生するための操作を行うと(S6)、アプリケーションプログラム実行管理部214は、ストリーミングサーバ11に対してコンテンツ再生要求(PLAYコマンド)を主制御部215を介して送信する。この要求に応じて、ストリーミングサーバ11は、要求を受け付けた旨の応答を携帯電話機20へ送信する。また、ストリーミングサーバ11のCPU101は、要求に係るコンテンツデータを外部記憶装置104から読み出し、そのストリーミングデータを携帯電話機20に対して送信を開始する(S7)。
【0033】
携帯電話機20のアプリケーションプログラム実行管理部214は、受信したストリーミングデータをRAM202内の所定のバッファリング領域に順次保存する。そして、規定量のストリーミングデータがバッファリング領域に保存されたら(S8)、アプリケーションプログラム実行管理部214は、RAM202内のバッファリング領域からストリーミングデータを順次読み出して再生を開始する(S9)。具体的には、アプリケーションプログラム実行管理部214は、主制御部215を介して、出力部216に対してストリーミングデータの再生命令を出力する。これにより、出力部216のLCD25にはストリーミングデータに基づく画像が表示されるとともに、出力部216の外部スピーカからストリーミングデータに基づく音声が出力され、ユーザーは、コンテンツを視聴することができる。
【0034】
その後、ユーザーがコンテンツ再生中に操作部213のキーに対してコンテンツの再生を一時停止するための操作を行うと(S10)、後述する一時停止処理が行われる(S20)。また、ユーザーがコンテンツ再生中に操作部213のキーに対してコンテンツの再生を停止するための操作を行うと(S11)、アプリケーションプログラム実行管理部214は、主制御部215を介して、出力部216に対し、コンテンツの出力を停止させる命令を出力する。また、アプリケーションプログラム実行管理部214は、ストリーミングサーバ11に対して再生停止要求(TEARDOWNコマンド)を主制御部215を介して送信する。この要求に応じて、ストリーミングサーバ11は、本携帯電話機20との間のストリーミングセッションを切断し、ストリーミングセッションを切断した旨の応答を携帯電話機20へ送信する。コンテンツが最後まで再生され、その再生が終了した場合も同様である(S12)。
【0035】
次に、本発明の特徴部分であるコンテンツデータの再生を一時停止する一時停止処理について説明する。
図1は、本動作例1に係る一時停止処理の流れを示すフローチャートである。ユーザーがコンテンツ再生中に操作部213のキーに対してコンテンツの再生を一時停止するための操作を行うと(S10)、アプリケーションプログラム実行管理部214は、主制御部215を介してタイマー部218へ計測開始命令を出力する。これにより、タイマー部218は、時間の計測を開始する(S21)。また、アプリケーションプログラム実行管理部214は、ストリーミングサーバ11に対してRTCP(RTP Control Protocol)を用いた生存通知(RecieverReport)を主制御部215を介して定期的に送信する処理を開始する(S22)。なお、生存通知としては、RTSP:OPTIONSを利用してもよい。ストリーミングサーバ11は、生存通知を定期的に受信し続けることで、携帯電話機20との間のストリーミングセッションを維持し続ける。
【0036】
タイマー部218により計時された時間が予め決められた規定時間(一定時間)を経過する前に、ユーザーがコンテンツ再生を再開するための一時停止解除操作を操作部213のキーに対して行うと(S23)、アプリケーションプログラム実行管理部214は、主制御部215を介してタイマー部218へリセット命令を出力する。これにより、タイマー部218は、時間の計測を終了し、計時した時間をゼロにリセットする(S28)。一方、ユーザーにより一時停止解除操作がなされることなく、タイマー部218により計時された時間が規定時間に達すると(S24)、アプリケーションプログラム実行管理部214は、生存通知の送信を停止するとともに(S25)、ストリーミングサーバ11に対して再生停止要求(TEARDOWNコマンド)を主制御部215を介して送信する(S26)。この要求に応じて、ストリーミングサーバ11は、本携帯電話機20との間のストリーミングセッションを切断し、ストリーミングセッションを切断した旨の応答を携帯電話機20へ送信する。これを受信した携帯電話機20のアプリケーションプログラム実行管理部214は、出力部216により、一時停止中のコンテンツの再生を停止した旨の再生停止メッセージを液晶ディスプレイ27に表示させる(S27)。そして、アプリケーションプログラム実行管理部214は、主制御部215を介してタイマー部218へリセット命令を出力し、タイマー部218は、時間の計測を終了して計時した時間をゼロにリセットする(S28)。その後、アプリケーションプログラム実行管理部214は、主制御部215に対してアプリケーションプログラムの終了コマンドを送信するようにしてもよい。この場合、アプリケーションプログラムが終了することで、CPU201の負荷が軽減し、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0037】
以上、本動作例1においては、ユーザーが一時停止操作を行ってコンテンツの再生を一時停止した後、上記規定時間が経過したら、携帯電話機20から自動的に再生停止要求(TEARDOWNコマンド)がストリーミングサーバ11へ送信され、ストリーミングセッションが切断される。したがって、コンテンツの再生を一時停止したことをユーザーが忘れてしまってそのまま携帯電話機20が放置されても、上記規定時間が経過したらストリーミングセッションが切断され、無駄にセッションが維持され続ける事態を抑制できる。また、本動作例1においては、携帯電話機20についてデータ通信量に応じた課金方式が採用されている場合でも、コンテンツの再生を一時停止したことをユーザーが忘れてしまったときに上記規定時間が経過したら生存通知(RecieverReport)の送信が停止する。したがって、ユーザーの意図しない間に大量の生存通知分のデータ通信料が発生してしまうという不具合を抑制できる。また、その大量の生存通知によってネットワークの負荷が高まるという不具合も抑制できる。
【0038】
〔動作例2〕
次に、本実施形態の移動体通信システムにおいて、ストリーミングサーバ11から送信されたストリーミングデータが携帯電話機20で受信できない状況になった場合の受信不能処理の一例(以下、本例を「動作例2」という。)について説明する。なお、ストリーミング再生の基本的な処理の流れは、上記動作例1の場合と同様である。
図10は、本動作例2における受信不能処理の流れを示すフローチャートである。図11は、コンテンツデータを携帯電話機20でストリーミング再生する際の本動作例2に係る通信手順を示すシーケンスフロー図である。ユーザーが操作部213のキーに対してコンテンツを再生するための操作を行うと(S6,S31)、上述したように、アプリケーションプログラム実行管理部214は、ストリーミングサーバ11に対してコンテンツ再生要求(PLAYコマンド)を主制御部215を介して送信する。この要求に応じて、ストリーミングサーバ11は、この要求を受け付けた旨の応答を携帯電話機20へ送信する。また、ストリーミングサーバ11のCPU101は、この要求に係るコンテンツデータを外部記憶装置104から読み出し、そのストリーミングデータを携帯電話機20に対して送信を開始する(S7)。また、本動作例2では、コンテンツを再生するための操作が行われると、アプリケーションプログラム実行管理部214は、主制御部215を介してタイマー部218へ計測開始命令を出力する。これにより、タイマー部218は、時間の計測を開始する(S32)。すなわち、本動作例2では、上記動作例1のようにユーザーが一時停止操作を行ったときにタイマーをスタートさせるのではなく、コンテンツの再生操作を行ったときにタイマーをスタートさせる。
【0039】
図10に示すように、本動作例2のアプリケーションプログラム実行管理部214は、ストリーミングデータを受信するたびに(S33)、タイマー部218へリスタート命令を送信する。タイマー部218は、このリスタート命令を受けるたびに時間を最初から計測し始める(S34)。一方、ストリーミングデータが受信されないまま、タイマー部218により計時された時間が規定時間に達すると(S35)、アプリケーションプログラム実行管理部214は、生存通知の送信を停止するとともに(S36)、ストリーミングサーバ11に対して再生停止要求(TEARDOWNコマンド)を主制御部215を介して送信する(S37)。例えば、ユーザーがコンテンツ再生中に操作部213のキーに対してコンテンツの再生を一時停止するための操作を行うと(S10)、上述したように携帯電話機20から生存通知のみが定期的に送信されるだけで、ストリーミングサーバ11からはストリーミングデータが送信されない。すなわち、この一時停止期間中は、アプリケーションプログラム実行管理部214は、ストリーミングデータを受信しないので、タイマーがリセットされない。そして、ユーザーにより一時停止解除操作がなされることなく、タイマー部218により計時された時間が規定時間に達すると(S35)、上述したように、生存通知の送信が停止し(S36)、再生停止要求が送信される(S37)。
【0040】
この要求に応じて、ストリーミングサーバ11は、本携帯電話機20との間のストリーミングセッションを切断し、ストリーミングセッションを切断した旨の応答を携帯電話機20へ送信する。これを受信した携帯電話機20のアプリケーションプログラム実行管理部214は、出力部216により、コンテンツの再生を停止した旨の再生停止メッセージを液晶ディスプレイ27に表示させる(S38)。そして、アプリケーションプログラム実行管理部214は、主制御部215を介してタイマー部218へリセット命令を出力し、タイマー部218は、時間の計測を終了して計時した時間をゼロにリセットする(S39)。その後、アプリケーションプログラム実行管理部214は、主制御部215に対してアプリケーションプログラムの終了コマンドを送信するようにしてもよい点は、上記動作例1の場合と同様である。
【0041】
以上、本動作例2においては、ユーザーが一時停止操作を行って、ストリーミングサーバ11から送信されたストリーミングデータが携帯電話機20で受信できない状況になった場合、最後のデータ受信から上記規定時間が経過した後、携帯電話機20から自動的に再生停止要求(TEARDOWNコマンド)がストリーミングサーバ11へ送信され、ストリーミングセッションが切断される。したがって、コンテンツの再生を一時停止したことをユーザーが忘れてしまってそのまま携帯電話機20が放置されても、最後のストリーミングデータを受信した時から上記規定時間が経過した後に、ストリーミングセッションが切断され、無駄にセッションが維持され続ける事態を抑制できる。したがって、本動作例2においても、上記動作例1と同様に、ユーザーの意図しない間に大量の生存通知分のデータ通信料が発生してしまうという不具合を抑制し、またその大量の生存通知によってネットワークの負荷が高まるという不具合を抑制できる。
なお、本動作例2では、再生操作後にストリーミングデータの受信がないままタイマー部218により計時された時間が規定時間に達する状況として、ユーザーが一時停止操作を行った場合を例に挙げたが、このような状況は他の場合でも起こり得る。例えば、携帯電話機20に障害が発生した場合などにおいては、コンテンツ再生中にストリーミングデータが受信できないまま無駄にセッションが維持され続ける事態が起こり得る。この場合も、タイマー部218により計時された時間が規定時間に達することがあり得る。本動作例2によれば、このような場合にも無駄にセッションが維持され続ける事態を抑制できる。
【0042】
なお、上述した動作例1及び動作例2では、上記規定時間に達したら再生停止要求(TEARDOWNコマンド)をストリーミングサーバ11に送信しているが、この送信は必ずしも必要であるわけではない。すなわち、本実施形態のストリーミングサーバ11は、生存通知が受信されなくなったらストリーミングセッションを切断するように動作するため、再生停止要求を送信しなくても、生存通知の送信を停止するだけでストリーミングセッションは切断される。しかし、本携帯電話機20がアクセスし得る全てのストリーミングサーバがこのように動作するという保証はない。したがって、確実にストリーミングセッションを切断するためには、生存通知の送信を停止するだけでなく、再生停止要求(TEARDOWNコマンド)を送信するのが望ましい。
また、本発明は、上述した携帯電話機20に限らず、ストリーミング再生が可能な他の移動体通信端末に対しても有用である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】携帯電話機で行われる動作例1に係る一時停止処理の流れを示すフローチャート。
【図2】同携帯電話機が利用可能な移動体通信システムの全体構成を説明するための説明図。
【図3】同移動体通信システムを構成するストリーミングサーバのハードウェア構成を示す概略構成図。
【図4】同携帯電話機の外観を示す正面図。
【図5】同携帯電話機のハードウェア構成を示す概略構成図。
【図6】同携帯電話機の主要部を抽出して示したブロック図。
【図7】同携帯電話機におけるソフトウェア構造の説明図。
【図8】同携帯電話機でコンテンツデータをストリーミング再生する際の動作例1に係る処理動作の流れを示すフローチャート。
【図9】同携帯電話機でコンテンツデータをストリーミング再生する際の動作例1に係る通信手順を示すシーケンスフロー図。
【図10】同携帯電話機でコンテンツデータをストリーミング再生する際の動作例2に係る受信不能処理の流れを示すフローチャート。
【図11】同携帯電話機でコンテンツデータをストリーミング再生する際の動作例2に係る通信手順を示すシーケンスフロー図。
【図12】携帯電話機でコンテンツデータをストリーミング再生する際の従来の通信手順を示すシーケンスフロー図。
【符号の説明】
【0044】
10 携帯電話通信網
11 ストリーミングサーバ
20 携帯電話機
21 テンキー
27 液晶ディスプレイ
209 RTC
213 操作部
214 アプリケーションプログラム実行管理部
215 主制御部
216 出力部
218 タイマー部
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体通信端末とストリーミングサーバとを備えた移動体通信システム、及び、このシステムに用いられる移動体通信端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク上のサーバに記憶された映像データや音データ等のコンテンツデータを通信端末で再生する方法には、ダウンロード再生方法とストリーミング再生方法の2つの方法がある。前者の方法は、コンテンツデータの全てを通信端末へダウンロードしてからそのコンテンツデータを再生するので、全コンテンツデータのダウンロードが完了してからでないと、そのコンテンツデータを再生することができない。そのため、コンテンツデータの取得開始から再生開始までに要する時間が長くなるという欠点がある。これに対し、後者の方法は、コンテンツデータを受信しつつ、受信したデータ部分から順次再生するので、コンテンツデータの取得開始から再生開始までに要する時間がダウンロード再生方法よりも短くできるという利点がある。また、ダウンロード再生方法は、全コンテンツデータを記憶できる大容量の記憶手段を通信端末に設ける必要があるという欠点もある。これに対し、ストリーミング再生方法は、一般に再生したデータ部分を順次破棄していくので、通信端末に設ける記憶手段の容量がダウンロード再生方法に比べて小さくて済むという利点がある。このようなストリーミング再生方法については、例えば特許文献1や特許文献2に記載されたものが知られている。
【0003】
コンテンツデータを移動体通信端末で再生する場合、小型化の要請等により移動体通信端末に大容量の記憶手段を搭載することが困難である現状では、記憶手段の容量が小さくて済むストリーミング再生方法を採用するのが望ましい。
図12は、コンテンツデータを移動体通信端末である携帯電話機でストリーミング再生する際の従来の通信手順を示すシーケンスフロー図である。コンテンツデータを再生しようとする場合、携帯電話機はサーバからSDP(Session Description Protocol)データを取得する。そして、そのSDPデータに含まれる各種設定項目を参照し、その設定に従ってストリーミング通信用の接続(ストリーミングセッション)の確立要求をサーバへ送信すると、この要求に応じてサーバがストリーミングセッションを確立する。その後、ユーザーがコンテンツの再生操作を行うと、携帯電話機からコンテンツ再生要求がサーバへ送信され、この要求に応じてサーバはストリーミングデータの送信を開始する。これにより、携帯電話機はそのストリーミングデータを受信して再生することができる。
一方、図12に示すように、上記ストリーミングデータの再生中に利用者が一時停止操作を行った場合、携帯電話機からサーバに対して一時停止要求が送信される。この要求に応じて、サーバは、ストリーミングセッションを維持したままストリーミングデータの送信を停止する。従来は、この一時停止後、携帯電話機からサーバに対して一定時間ごとに生存通知が送信され、サーバは、この生存通知を定期的に受信することで、その携帯電話機が一時停止中であることを把握する構成になっていた。そして、サーバは、その生存通知を定期的に受信する限り、ストリーミングセッションを維持していた。
【0004】
【特許文献1】特開2003−333579号公報
【特許文献2】特開2003−229843号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、コンテンツの再生を一時停止したことを利用者が忘れてしまって、そのまま携帯電話機が放置される場合があった。この場合、携帯電話機は、上述のように生存通知をサーバに対して送信し続けることになり、無駄にストリーミングセッションが維持され続ける事態に陥る。ストリーミングセッション数が多すぎるとネットワーク内で輻輳が起こるおそれがあるので、ストリーミングセッションの数に上限を設けて輻輳制御を行うのが一般的である。このようにストリーミングセッション数の上限が設けられる関係で、上述したように無駄なストリーミングセッションが維持され続けると、当該サーバにおいて他の利用者が利用可能なセッション数が減ってしまう。その結果、ストリーミング再生を行うことができなくなる利用者が発生するおそれがあるという問題も生じる。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、コンテンツの再生を一時停止したことを利用者が忘れてしまってそのまま移動体通信端末が放置された場合でも、無駄にストリーミングセッションが維持され続けることを抑制することができる移動体通信システム及び移動体通信端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、コンテンツデータを記憶するサーバ記憶手段、ネットワークを介して移動体通信端末とデータ通信を行うサーバ通信手段、並びに、ストリーミングデータ通信用の接続を確立して該コンテンツデータに基づくストリーミングデータを該サーバ通信手段を用いて送信する処理を行うサーバ制御手段を有するストリーミングサーバと、該ネットワークを介して該ストリーミングサーバとデータ通信を行う端末通信手段、及び、該ストリーミングデータを該端末通信手段により受信して再生するための受信再生処理を行う端末制御手段を有する移動体通信端末とを備えた移動体通信システムにおいて、上記移動体通信端末は、一時停止操作手段と、一時停止解除操作手段とを有し、上記端末制御手段は、該一時停止操作手段の操作を受け付けたときには上記接続の切断要求を該ストリーミングサーバへ送信することなく上記受信再生処理を一時停止し、一時停止中に該一時停止解除操作手段の操作を受け付けたときには該受信再生処理を再開し、該一時停止操作手段の操作を受け付けてから一定時間経過するまでに該一時停止解除操作手段の操作がなされないときには、該ストリーミングサーバに対して該接続の切断要求を上記端末通信手段を用いて送信する処理を行い、上記サーバ制御手段は、該切断要求を受信したとき、該接続を切断する処理を行うことを特徴とするものである。
この移動体通信システムにおいては、移動体通信端末の一時停止操作手段が操作されてから一定時間経過するまでに一時停止解除操作手段が操作されないとき、移動体通信端末からストリーミングサーバに対してストリーミングデータ通信用の接続の切断要求が送信され、上記接続が切断される。よって、コンテンツの再生を一時停止したことを利用者が忘れてしまってそのまま移動体通信端末が放置されても、一時停止から一定時間経過後に上記接続が切断される。したがって、コンテンツの再生を一時停止したことを利用者が忘れてしまってそのまま移動体通信端末が放置された場合に、従来は上記接続が無駄に維持され続けてしまって事態を、本移動体通信システムにより抑制することができる。
また、移動体通信端末においては、データ通信量に応じた課金方式が採用されることが多い。この課金方式においては、コンテンツの再生を一時停止したことを利用者が忘れてしまってそのまま移動体通信端末が放置された場合、利用者の意図しない間に大量の生存通知分のデータ通信料が発生してしまうという不具合が発生する。また、その大量の生存通知によってネットワークの負荷が高まるという不具合も発生する。本移動体通信端末によれば、一時停止から一定時間経過後に上記接続が切断されるので、このような不具合も軽減することができる。
【0008】
また、請求項2の発明は、コンテンツデータを記憶するサーバ記憶手段、ネットワークを介して移動体通信端末とデータ通信を行うサーバ通信手段、並びに、ストリーミングデータ通信用の接続を確立して該コンテンツデータに基づくストリーミングデータを該サーバ通信手段を用いて送信する処理を行うサーバ制御手段を有するストリーミングサーバと、該ネットワークを介して該ストリーミングサーバとデータ通信を行う端末通信手段、及び、該ストリーミングデータを該端末通信手段により受信して再生するための受信再生処理を行う端末制御手段を有する移動体通信端末とを備えた移動体通信システムにおいて、上記端末制御手段は、上記ストリーミングサーバから送信されるストリーミングデータを一定時間受信しないとき、該ストリーミングサーバに対して上記接続の切断要求を上記端末通信手段を用いて送信する処理を行い、上記サーバ制御手段は、該切断要求を受信したとき、該接続を切断する処理を行うことを特徴とするものである。
この移動体通信システムにおいては、移動体通信端末がストリーミングサーバから送信されるストリーミングデータを一定時間受信しないとき、移動体通信端末からストリーミングサーバに対してストリーミングデータ通信用の接続の切断要求が送信され、上記接続が切断される。一時停止中は、移動体通信端末はストリーミングサーバからのストリーミングデータを受信しないので、コンテンツの再生を一時停止したことを利用者が忘れてしまってそのまま移動体通信端末が放置されても、その一時停止から所定時間が経過したら上記接続が切断されることになる。したがって、請求項1の移動体通信システムと同様に、コンテンツの再生を一時停止したことを利用者が忘れてしまってそのまま移動体通信端末が放置された場合に、従来は上記接続が無駄に維持され続けてしまって事態を、本移動体通信システムにより抑制することができる。また、上述した不具合も軽減することができる。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1の移動体通信システムに用いられる移動体通信端末であって、ネットワークを介して上記ストリーミングサーバとデータ通信を行う端末通信手段と、該ストリーミングサーバから送信されるストリーミングデータを該端末通信手段により受信して再生するための受信再生処理を行う端末制御手段と、一時停止操作手段と、一時停止解除操作手段とを有し、上記端末制御手段は、該一時停止操作手段の操作を受け付けたときには、上記接続の切断要求を該ストリーミングサーバへ送信することなく該受信再生処理を一時停止し、一時停止中に該一時停止解除操作手段の操作を受け付けたときには該受信再生処理を再開し、該一時停止操作手段の操作を受け付けてから一定時間経過するまでに該一時停止解除操作手段の操作がなされないときには、該ストリーミングサーバに対して該接続の切断要求を該端末通信手段を用いて送信する処理を行うことを特徴とするものである。
この移動体通信端末は、請求項1の移動体通信システムに用いられることにより、コンテンツの再生を一時停止したことを利用者が忘れてしまってそのまま本移動体通信端末が放置されても、一時停止から一定時間経過後にストリーミングデータ通信用の接続が切断される。したがって、上記接続が無駄に維持され続ける事態を抑制できる。また、上述した不具合も軽減することができる。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項3の移動体通信端末において、時間を計測するタイマー手段を有し、上記端末制御手段は、上記一時停止操作手段の操作を受け付けてときに該タイマー手段の時間計測をスタートさせ、上記一時停止解除操作手段の操作を受け付けてときに該タイマー手段の時間計測をリセットし、該タイマー手段により計測された経過時間が上記一定時間に達したときには、上記ストリーミングサーバに対して上記接続の切断要求を上記端末通信手段を用いて送信する処理を行うことを特徴とするものである。
この移動体通信端末は、簡易な構成で、ストリーミングデータ通信用の接続が無駄に維持され続ける事態を抑制でき、また上述した不具合も軽減することができる。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項2の移動体通信システムに用いられる移動体通信端末であって、ネットワークを介して上記ストリーミングサーバとデータ通信を行う端末通信手段と、該ストリーミングサーバから送信されるストリーミングデータを該端末通信手段により受信して再生するための受信再生処理を行う端末制御手段とを有し、上記端末制御手段は、該ストリーミングサーバから送信されるストリーミングデータを一定時間受信しないとき、該ストリーミングサーバに対して上記接続の切断要求を上記端末通信手段を用いて送信する処理を行うことを特徴とするものである。
この移動体通信端末は、請求項2の移動体通信システムに用いられることにより、コンテンツの再生を一時停止したことを利用者が忘れてしまってそのまま本移動体通信端末が放置されても、一時停止から一定時間経過後にストリーミングデータ通信用の接続が切断される。したがって、上記接続が無駄に維持され続ける事態を抑制できる。また、上述した不具合も軽減することができる。
【0012】
また、請求項6の発明は、請求項5の移動体通信端末において、時間を計測するタイマー手段を有し、上記端末制御手段は、上記受信再生処理を開始した時に該タイマー手段の時間計測をスタートさせ、上記ストリーミングサーバから送信されるデータを受信するたびに該タイマー手段の時間計測をリスタートさせ、該タイマー手段により計測された経過時間が上記一定時間に達したときには、該ストリーミングサーバに対して上記接続の切断要求を上記端末通信手段を用いて送信する処理を行うことを特徴とするものである。
この移動体通信端末は、簡易な構成で、ストリーミングデータ通信用の接続が無駄に維持され続ける事態を抑制できる。
【0013】
なお、上記「移動体通信端末」としては、PDC(Personal Digital Cellular)方式、GSM(Global System for Mobile Communication)方式、TIA(Telecommunications Industry Association)方式等の携帯電話機、IMT(International Mobile Telecommunications)−2000で標準化された携帯電話機、TD−SCDMA(Time Division Synchronous Code Division Multiple Access)方式の一つであるTD−SCDMA(MC:Multi Carrier)方式の携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、自動車電話機等の電話機が挙げられる。また、この移動体通信端末としては、表示手段を有し、利用者に把持された状態で使用されるものであればよく、上記電話機のほか、電話機能を有しないPDA(Personal Digital Assistance)等の移動型の移動体通信端末なども含まれる。
【発明の効果】
【0014】
以上、請求項1乃至6の発明によれば、コンテンツの再生を一時停止したことを利用者が忘れてしまってそのまま移動体通信端末が放置された場合でも、無駄にストリーミングセッションが維持され続けることを抑制できるという優れた効果が奏される。更に、移動体通信端末がデータ通信量に応じた課金方式を採用したものであっても、利用者の意図しない一時停止期間中に大量の生存通知分のデータ通信料が発生するのを抑制できるという優れた効果が奏される。また、その大量の生存通知によるネットワーク負荷を軽減できるという優れた効果も奏される。
特に、請求項4及び6の発明によれば、簡易な構成で、ストリーミング再生を行うことができなくなる利用者が発生するのを抑制できるという優れた効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を移動体通信システムに適用した一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図2は、本実施形態に係る移動体通信端末としての携帯電話機が利用可能な移動体通信システムの全体構成を説明するための説明図である。
この移動体通信システムにおいて、ユーザーが使用する携帯電話機20は、ユーザーによって登録されたアプリケーションプログラムを実行可能な構成を有している。本実施形態において、このアプリケーションプログラムは、プラットフォームに依存しないオブジェクト指向プログラミング等によって開発されたものである。このようなアプリケーションプログラムとしては、JAVA(登録商標。以下同様。)で記述されたアプリケーションプログラム、C++言語で記述されたアプリケーションプログラム、BREW(登録商標。以下同様。)のアプリケーション実行環境上で動作するアプリケーションプログラムなどが挙げられる。また、アプリケーションプログラムは、C言語やアセンブリ言語等で記述された構造化プログラムであってもよい。この携帯電話機20は、ネットワークとしての携帯電話通信網10に接続可能である。また、この携帯電話通信網10には、コンテンツデータを配信するストリーミングサーバ11が接続されている。このストリーミングサーバ11は、携帯電話機20からの要求に応じて、コンテンツデータに基づくストリーミングデータを携帯電話機20に対して送信する。
【0016】
ストリーミングサーバ11で配信されるコンテンツデータは、コンテンツ開発事業者等のコンテンツ開発元から提供される。具体的には、例えば、コンテンツ開発元側のパーソナルコンピュータ等から、専用回線や公衆回線を介してストリーミングサーバ11にアップロードして提供する。なお、開発したコンテンツのデータを記録した光ディスクや磁気ディスク等の記録媒体を、コンテンツ開発元からストリーミングサーバ11を管理・運営する通信事業者に送り、その記録媒体内のコンテンツデータをストリーミングサーバ11で読み取るようにして、提供してもよい。このようにして提供されたコンテンツデータは、携帯電話機20から携帯電話通信網10を介してストリーミング配信可能な状態でストリーミングサーバ11に登録される。なお、「コンテンツデータ」としては、画像と音を組合せた映画等の映像コンテンツのデータ、音楽等の音のみからなるコンテンツのデータ、画像のみからなるコンテンツのデータなどが含まれる。
【0017】
図3は、上記ストリーミングサーバ11のハードウェア構成を示す概略構成図である。
このストリーミングサーバ11は、システムバス100、CPU101、内部記憶装置、外部記憶装置104、入力装置105及び出力装置106を備えている。上記内部記憶装置は、RAM102やROM103等で構成されている。上記外部記憶装置104は、ハードディスクドライブ(HDD)や光ディスクドライブ等で構成されている。上記入力装置105は、マウスやキーボード等で構成されている。上記出力装置106は、ディスプレイやプリンタ等で構成されている。更に、このストリーミングサーバ11は、携帯電話通信網10を介して各ユーザーの携帯電話機20と通信するためのサーバ通信手段としての携帯電話用通信装置107を備えている。本実施形態では、上記内部記憶装置及び上記外部記憶装置104がサーバ記憶手段として機能する。
【0018】
上記CPU101やRAM102等の構成要素は、システムバス100を介して、互いにデータやプログラムの命令等のやり取りを行う。このストリーミングサーバ11を所定の手順に従って動作させるための各種プログラムは、ROM103や外部記憶装置104に記憶されており、必要に応じてCPU101やRAM102上の作業エリアに呼び出されて実行される。また、このストリーミングサーバ11には、携帯電話機20に対して送信するコンテンツデータが外部記憶装置104に記憶されている。ストリーミングサーバ11は、携帯電話機20からの要求に応じ、CPU101、RAM102、携帯電話通信網用通信装置107等が協働して、外部記憶装置104に記憶されているコンテンツデータを、携帯電話通信網10を介して携帯電話機20にストリーミングデータ送信する機能を有している。また、外部記憶装置104に記憶されているコンテンツデータを紹介するためのWebサイトを提供するWebサーバとしての機能も有している。本実施形態では、携帯電話機20のユーザーは、コンテンツデータをストリーミング再生しようとする場合、まず、Webサイトにアクセスして再生対象のコンテンツデータを選択し、その後、選択したコンテンツデータに基づくストリーミングデータを受信して再生することになる。なお、このストリーミングサーバ11は、専用装置として構成してもいいし、汎用のコンピュータシステムを用いて構成してもよい。また、1台のコンピュータで構成してもいいし、複数の機能をそれぞれ受け持つ複数台のコンピュータをネットワークで結んで構成してもよい。
【0019】
図4は、上記携帯電話機20の外観を示す正面図であり、図5は、その携帯電話機20のハードウェア構成を示す概略構成図である。
この携帯電話機20は、クラムシェル(折り畳み)タイプの携帯電話機であり、システムバス200、CPU201、RAM202やROM203等からなる内部制御装置、入力装置204、出力装置205及び携帯電話用通信装置206を備えている。CPU201やRAM202等の構成要素は、システムバス200を介して、互いに各種データや後述のアプリケーションプログラムの命令等のやり取りを行っている。上記入力装置204は、データ入力キー(テンキー、*キー、#キー)21、通話開始キー22、終話キー23、スクロールキー24、多機能キー25、マイク26などから構成されている。上記出力装置205は、表示手段としての液晶ディスプレイ(LCD)27、通話用スピーカ28、図示しない外部スピーカ等から構成されている。上記携帯電話用通信装置206は、携帯電話通信網10を介して他の携帯電話機や上記ストリーミングサーバ11と通信するためのものである。また、RAM202内には、後述する電話機プラットフォームが管理する第1の記憶手段としてのプラットフォーム用記憶領域と、後述するアプリケーション実行環境上で管理される第2の記憶手段としてのアプリケーション用記憶領域とが存在する。本実施形態において、RAM202及びROM203は、端末記憶手段として機能する。
【0020】
図6は、上記携帯電話機20の主要部を抽出して示したブロック図であり、図7は、その携帯電話機20におけるソフトウェア構造の説明図である。
この携帯電話機20は、電話通信部211及び端末通信手段としてのデータ通信部212、操作手段としての操作部213、アプリケーションプログラム実行手段としてのアプリケーションプログラム実行管理部214、主制御部215、出力部216、タイマー手段としてのタイマー部218等により構成される。
【0021】
上記電話通信部211は、他の携帯電話機や固定電話機と電話通信を行うために、携帯電話通信網10の基地局と無線通信を行うものであり、上述のハードウェア構成上の携帯電話用通信装置206等に対応する。
上記データ通信部212は、上記電話通信部211と同様に、上述のハードウェア構成上の携帯電話用通信装置206等に対応する。このデータ通信部212は、携帯電話通信網10を介して他の携帯電話機とメールのやり取りを行ったり、携帯電話通信網10からゲートウェイサーバを介して、インターネット等の外部のネットワークに接続し、インターネット上での電子メールのやり取りやWebページの閲覧等を行ったりするためのものである。また、このデータ通信部212は、携帯電話通信網10を介して、ストリーミングサーバ11が提供するアプリケーションプログラムをダウンロードするためにも用いられる。
【0022】
上記操作部213は、ユーザーにより操作される上述のテンキー21、通話開始キー22、終話キー23等で構成されている。この操作部213の各種キーを操作することにより、ユーザーは、携帯電話機20に対してURL等のデータを入力したり、電話着信の際に通話の開始及び終了を行ったり、アプリケーションプログラムの選択、起動及び停止を行ったりすることができる。また、ユーザーは操作部213の各種キーを操作することにより、上記ストリーミングサーバ11が提供するWebサイトにアクセスしてコンテンツデータに基づくストリーミングデータを受信してこれを再生することもできる。
【0023】
上記アプリケーションプログラム実行管理部214は、上述のシステムバス200、CPU201やRAM202の一部等で構成されている。このアプリケーションプログラム実行管理部214は、図7のソフトウェア構造上において中央の「アプリケーション実行環境」に対応しており、オブジェクト指向プログラミングで開発されたアプリケーションプログラムに利用されるクラスライブラリ、実行環境管理ライブラリ、アプリケーション管理等のソフトウェアを提供し、アプリケーションプログラムの実行環境を管理する。このアプリケーション実行環境は、実行するアプリケーションプログラムに応じて適宜選定される。例えば、実行するアプリケーションプログラムがJAVAで記述されたものである場合には、JAVAのアプリケーション実行環境を選定する。また、実行するアプリケーションプログラムがBREWの実行環境上で動作するC言語で記述されたものである場合には、BREWのアプリケーション実行環境を選定する。なお、実行するアプリケーションプログラムがJAVAで記述されたものである場合には、BREWのアプリケーション実行環境上に更にJAVAのアプリケーション実行環境を構築することで、これを実行することができる。
【0024】
ここで、アプリケーションプログラムは、クラスライブラリAPI(アプリケーションインターフェース)を介して上記アプリケーション実行環境内にある関数等のクラスライブラリを呼び出して使用できるようになっている。この関数等のクラスライブラリの呼び出しの履歴は、アプリケーションプログラムの仮想的な実行環境(仮想マシン:VM)が終了するまで、RAM202内におけるアプリケーション用記憶領域に記憶される。また、アプリケーション実行環境は、アプリケーションプログラムの実行に際して用いる各種データも、そのアプリケーション用記憶領域に保存する。そして、この各種データを用いるときには、このアプリケーション用記憶領域から読み出したり、書き込んだりする。また、アプリケーション実行環境内の実行環境管理ライブラリは、電話機プラットフォームAPIを介して後述の電話機プラットフォーム内の電話機プラットフォームライブラリを呼び出して使用できるようになっている。
【0025】
上記主制御部215は、電話通信部211、データ通信部212、出力部216、タイマー部218を制御するものであり、上述のシステムバス200、CPU201やRAM202等で構成されている。この主制御部215は、アプリケーションプログラム実行管理部214との間で制御命令や各種データのやりとりを行い、これと協働して制御を行うことで、端末制御手段として機能する。主制御部215は、図7のソフトウェア構造上において最下部の「電話機プラットフォーム」に対応しており、上記電話通信部211等を制御するための制御用プログラムやユーザインターフェースを実行したり、電話機プラットフォームライブラリを提供したりする。この電話機プラットフォームは、上記アプリケーション実行環境内の実行環境管理ライブラリに対してイベントを送ることにより、アプリケーションプログラムにおいて各種処理を実行したり、アプリケーション管理APIを介して上記アプリケーション実行環境内のアプリケーション管理のソフトウェアを呼び出して使用したりできるようになっている。また、アプリケーション実行環境が電話機プラットフォームAPIを介して電話機プラットフォームライブラリを呼び出して使用したとき、電話機プラットフォームは、その電話機プラットフォームライブラリに応じた処理を実行する。例えば、電話機プラットフォームは、電話機プラットフォームライブラリを利用したアプリケーション実行環境からの指示に基づき、RAM202内における電話機プラットフォームが管理するプラットフォーム用記憶領域に記憶されたデータを読み出して、これをアプリケーション用記憶領域に移行することができる。
【0026】
上記出力部216は、上述の液晶ディスプレイ27、通話用スピーカ28、外部スピーカ等からなる出力装置205等で構成されている。この出力部216は、上記データ通信部212で受信したWebページ画面を液晶ディスプレイ27に表示する。また、この出力部216の液晶ディスプレイ27は、上記電話通信部211やデータ通信部212で情報を着信した旨をユーザーに報知するときに用いられる。具体的には、その情報を着信すると、主制御部215により、出力部216の液晶ディスプレイ27に着信報知画像を表示したり、外部スピーカから着信音を出力させたりする。更に、この出力部216は、アプリケーション実行環境で実行される後述のコンテンツ再生用アプリケーションプログラムを実行中には、再生されたコンテンツデータの映像や音などの出力にも用いられる。
【0027】
上記タイマー部218は、時間を計測できる公知の構成を採用することができる。本実施形態では、携帯電話機20が備えるRTC(Real Time Clock)209が発生させる時刻データに基づいて、タイマー用プログラムを実行するCPU201が時間を計測する構成になっている。
【0028】
携帯電話機20を所定の手順に従って動作させる電話機プラットフォームを構築するための制御用プログラムは、RAM202やROM203に記憶されている。また、基本OS(オペレーティングシステム)のプログラムや、上記アプリケーション実行環境を構築するためのプログラム及びアプリケーションプログラムも、RAM202やROM203に記憶されている。そして、これらのプログラムは、必要に応じてCPU201やRAM202中の作業エリアに呼び出されて実行される。
【0029】
〔動作例1〕
次に、本移動体通信システムにおけるコンテンツデータのストリーミング再生処理の一例(以下、本動作例を「動作例1」という。)について説明する。なお、本実施形態では、画像(動画像)と音とを組合せた映像コンテンツをストリーミング再生する場合について説明するが、他のコンテンツについても同様である。
【0030】
図8は、コンテンツデータを携帯電話機20でストリーミング再生する際の本動作例1における携帯電話機20の処理動作の流れを示すフローチャートである。図9は、コンテンツデータを携帯電話機20でストリーミング再生する際の本動作例1における通信手順を示すシーケンスフロー図である。
コンテンツデータを再生しようとする場合、まず、ユーザーは、操作部213のキーを操作し、ブラウザを起動する(S1)。そして、操作部213のキーを操作して、ストリーミングサーバ11のコンテンツ選択サイトのURLを入力し、アクセスする(S2)。これにより、ブラウザを実行する主制御部215は、そのURLによって特定されるストリーミングサーバ11に対してリクエストを送信する。このリクエストを受けたストリーミングサーバ11は、そのリクエストの送信元である携帯電話機20に向けて、そのリクエストに係るコンテンツ選択サイトの画面(コンテンツリスト画面)をレスポンスとして送信する。その後、ユーザーは、操作部213のキーを操作して、LCD27上に表示された画面のコンテンツリストの中から自分が希望するコンテンツを選択する(S3)。これを受けて、図7に示した電話機プラットフォームすなわち図6に示した主制御部215に、アプリケーションプログラムの実行指示が入力される。これにより、主制御部215は、コンテンツ再生用アプリケーションプログラムを読み出してこれを起動する(S4)。アプリケーションプログラムが起動すると、図7に示したアプリケーション実行環境すなわち図6に示したアプリケーションプログラム実行管理部214上で、そのアプリケーションプログラムが動作する。なお、このアプリケーションプログラムは、予め携帯電話機20のROM203に記憶されたものでも、外部からダウンロードしてRAM202に記憶されたものでもよい。
【0031】
アプリケーションプログラムが起動すると、アプリケーションプログラム実行管理部214は、アプリケーションプログラムの内容に従って、選択したコンテンツに対応した端末設定用データとしてのSDP(Session Description Protocol)データを取得する処理を行う(S5)。具体的には、アプリケーションプログラム実行管理部214は、その選択に係るコンテンツについて、ストリーミングサーバ11に対し、そのコンテンツデータを配信するコンテンツ配信サイトへSDPデータの取得要求を主制御部215を介して送信する。本動作例1において、携帯電話機20とストリーミングサーバ11との間は、主に、RTSP(Real Time Streaming Protocol)及びRTP(Real-time Transport Protocol)を用いてデータ通信を行う。したがって、ここでは、SDPデータの取得要求として、DESCRIBEコマンドを送信する。SDPデータの取得要求を受けたストリーミングサーバ11は、その応答としてSDPデータを携帯電話機20に送信する。このSDPデータを受信した携帯電話機20のアプリケーションプログラム実行管理部214は、そのSDPデータをRAM202に保存する。その後、そのSDPデータに含まれる各種設定項目を参照し、その設定に従ってストリーミングセッション(ストリーミング通信用の接続)の確立要求(SETUPコマンド)を主制御部215を介してストリーミングサーバ11へ送信する。この要求に応じて、ストリーミングサーバ11は、本携帯電話機20との間のストリーミングセッションを確立し、ストリーミングセッションが確立した旨の応答を携帯電話機20へ送信する。なお、本動作例1では、コンテンツ選択サイトとコンテンツ配信サイトが同じストリーミングサーバ11によって提供されているが、別々のサーバで提供するようにしてもよい。
【0032】
一方、コンテンツ再生用アプリケーションプログラムが起動すると、LCD27上にコンテンツ再生用画面が表示される。ユーザーが操作部213のキーに対してコンテンツを再生するための操作を行うと(S6)、アプリケーションプログラム実行管理部214は、ストリーミングサーバ11に対してコンテンツ再生要求(PLAYコマンド)を主制御部215を介して送信する。この要求に応じて、ストリーミングサーバ11は、要求を受け付けた旨の応答を携帯電話機20へ送信する。また、ストリーミングサーバ11のCPU101は、要求に係るコンテンツデータを外部記憶装置104から読み出し、そのストリーミングデータを携帯電話機20に対して送信を開始する(S7)。
【0033】
携帯電話機20のアプリケーションプログラム実行管理部214は、受信したストリーミングデータをRAM202内の所定のバッファリング領域に順次保存する。そして、規定量のストリーミングデータがバッファリング領域に保存されたら(S8)、アプリケーションプログラム実行管理部214は、RAM202内のバッファリング領域からストリーミングデータを順次読み出して再生を開始する(S9)。具体的には、アプリケーションプログラム実行管理部214は、主制御部215を介して、出力部216に対してストリーミングデータの再生命令を出力する。これにより、出力部216のLCD25にはストリーミングデータに基づく画像が表示されるとともに、出力部216の外部スピーカからストリーミングデータに基づく音声が出力され、ユーザーは、コンテンツを視聴することができる。
【0034】
その後、ユーザーがコンテンツ再生中に操作部213のキーに対してコンテンツの再生を一時停止するための操作を行うと(S10)、後述する一時停止処理が行われる(S20)。また、ユーザーがコンテンツ再生中に操作部213のキーに対してコンテンツの再生を停止するための操作を行うと(S11)、アプリケーションプログラム実行管理部214は、主制御部215を介して、出力部216に対し、コンテンツの出力を停止させる命令を出力する。また、アプリケーションプログラム実行管理部214は、ストリーミングサーバ11に対して再生停止要求(TEARDOWNコマンド)を主制御部215を介して送信する。この要求に応じて、ストリーミングサーバ11は、本携帯電話機20との間のストリーミングセッションを切断し、ストリーミングセッションを切断した旨の応答を携帯電話機20へ送信する。コンテンツが最後まで再生され、その再生が終了した場合も同様である(S12)。
【0035】
次に、本発明の特徴部分であるコンテンツデータの再生を一時停止する一時停止処理について説明する。
図1は、本動作例1に係る一時停止処理の流れを示すフローチャートである。ユーザーがコンテンツ再生中に操作部213のキーに対してコンテンツの再生を一時停止するための操作を行うと(S10)、アプリケーションプログラム実行管理部214は、主制御部215を介してタイマー部218へ計測開始命令を出力する。これにより、タイマー部218は、時間の計測を開始する(S21)。また、アプリケーションプログラム実行管理部214は、ストリーミングサーバ11に対してRTCP(RTP Control Protocol)を用いた生存通知(RecieverReport)を主制御部215を介して定期的に送信する処理を開始する(S22)。なお、生存通知としては、RTSP:OPTIONSを利用してもよい。ストリーミングサーバ11は、生存通知を定期的に受信し続けることで、携帯電話機20との間のストリーミングセッションを維持し続ける。
【0036】
タイマー部218により計時された時間が予め決められた規定時間(一定時間)を経過する前に、ユーザーがコンテンツ再生を再開するための一時停止解除操作を操作部213のキーに対して行うと(S23)、アプリケーションプログラム実行管理部214は、主制御部215を介してタイマー部218へリセット命令を出力する。これにより、タイマー部218は、時間の計測を終了し、計時した時間をゼロにリセットする(S28)。一方、ユーザーにより一時停止解除操作がなされることなく、タイマー部218により計時された時間が規定時間に達すると(S24)、アプリケーションプログラム実行管理部214は、生存通知の送信を停止するとともに(S25)、ストリーミングサーバ11に対して再生停止要求(TEARDOWNコマンド)を主制御部215を介して送信する(S26)。この要求に応じて、ストリーミングサーバ11は、本携帯電話機20との間のストリーミングセッションを切断し、ストリーミングセッションを切断した旨の応答を携帯電話機20へ送信する。これを受信した携帯電話機20のアプリケーションプログラム実行管理部214は、出力部216により、一時停止中のコンテンツの再生を停止した旨の再生停止メッセージを液晶ディスプレイ27に表示させる(S27)。そして、アプリケーションプログラム実行管理部214は、主制御部215を介してタイマー部218へリセット命令を出力し、タイマー部218は、時間の計測を終了して計時した時間をゼロにリセットする(S28)。その後、アプリケーションプログラム実行管理部214は、主制御部215に対してアプリケーションプログラムの終了コマンドを送信するようにしてもよい。この場合、アプリケーションプログラムが終了することで、CPU201の負荷が軽減し、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0037】
以上、本動作例1においては、ユーザーが一時停止操作を行ってコンテンツの再生を一時停止した後、上記規定時間が経過したら、携帯電話機20から自動的に再生停止要求(TEARDOWNコマンド)がストリーミングサーバ11へ送信され、ストリーミングセッションが切断される。したがって、コンテンツの再生を一時停止したことをユーザーが忘れてしまってそのまま携帯電話機20が放置されても、上記規定時間が経過したらストリーミングセッションが切断され、無駄にセッションが維持され続ける事態を抑制できる。また、本動作例1においては、携帯電話機20についてデータ通信量に応じた課金方式が採用されている場合でも、コンテンツの再生を一時停止したことをユーザーが忘れてしまったときに上記規定時間が経過したら生存通知(RecieverReport)の送信が停止する。したがって、ユーザーの意図しない間に大量の生存通知分のデータ通信料が発生してしまうという不具合を抑制できる。また、その大量の生存通知によってネットワークの負荷が高まるという不具合も抑制できる。
【0038】
〔動作例2〕
次に、本実施形態の移動体通信システムにおいて、ストリーミングサーバ11から送信されたストリーミングデータが携帯電話機20で受信できない状況になった場合の受信不能処理の一例(以下、本例を「動作例2」という。)について説明する。なお、ストリーミング再生の基本的な処理の流れは、上記動作例1の場合と同様である。
図10は、本動作例2における受信不能処理の流れを示すフローチャートである。図11は、コンテンツデータを携帯電話機20でストリーミング再生する際の本動作例2に係る通信手順を示すシーケンスフロー図である。ユーザーが操作部213のキーに対してコンテンツを再生するための操作を行うと(S6,S31)、上述したように、アプリケーションプログラム実行管理部214は、ストリーミングサーバ11に対してコンテンツ再生要求(PLAYコマンド)を主制御部215を介して送信する。この要求に応じて、ストリーミングサーバ11は、この要求を受け付けた旨の応答を携帯電話機20へ送信する。また、ストリーミングサーバ11のCPU101は、この要求に係るコンテンツデータを外部記憶装置104から読み出し、そのストリーミングデータを携帯電話機20に対して送信を開始する(S7)。また、本動作例2では、コンテンツを再生するための操作が行われると、アプリケーションプログラム実行管理部214は、主制御部215を介してタイマー部218へ計測開始命令を出力する。これにより、タイマー部218は、時間の計測を開始する(S32)。すなわち、本動作例2では、上記動作例1のようにユーザーが一時停止操作を行ったときにタイマーをスタートさせるのではなく、コンテンツの再生操作を行ったときにタイマーをスタートさせる。
【0039】
図10に示すように、本動作例2のアプリケーションプログラム実行管理部214は、ストリーミングデータを受信するたびに(S33)、タイマー部218へリスタート命令を送信する。タイマー部218は、このリスタート命令を受けるたびに時間を最初から計測し始める(S34)。一方、ストリーミングデータが受信されないまま、タイマー部218により計時された時間が規定時間に達すると(S35)、アプリケーションプログラム実行管理部214は、生存通知の送信を停止するとともに(S36)、ストリーミングサーバ11に対して再生停止要求(TEARDOWNコマンド)を主制御部215を介して送信する(S37)。例えば、ユーザーがコンテンツ再生中に操作部213のキーに対してコンテンツの再生を一時停止するための操作を行うと(S10)、上述したように携帯電話機20から生存通知のみが定期的に送信されるだけで、ストリーミングサーバ11からはストリーミングデータが送信されない。すなわち、この一時停止期間中は、アプリケーションプログラム実行管理部214は、ストリーミングデータを受信しないので、タイマーがリセットされない。そして、ユーザーにより一時停止解除操作がなされることなく、タイマー部218により計時された時間が規定時間に達すると(S35)、上述したように、生存通知の送信が停止し(S36)、再生停止要求が送信される(S37)。
【0040】
この要求に応じて、ストリーミングサーバ11は、本携帯電話機20との間のストリーミングセッションを切断し、ストリーミングセッションを切断した旨の応答を携帯電話機20へ送信する。これを受信した携帯電話機20のアプリケーションプログラム実行管理部214は、出力部216により、コンテンツの再生を停止した旨の再生停止メッセージを液晶ディスプレイ27に表示させる(S38)。そして、アプリケーションプログラム実行管理部214は、主制御部215を介してタイマー部218へリセット命令を出力し、タイマー部218は、時間の計測を終了して計時した時間をゼロにリセットする(S39)。その後、アプリケーションプログラム実行管理部214は、主制御部215に対してアプリケーションプログラムの終了コマンドを送信するようにしてもよい点は、上記動作例1の場合と同様である。
【0041】
以上、本動作例2においては、ユーザーが一時停止操作を行って、ストリーミングサーバ11から送信されたストリーミングデータが携帯電話機20で受信できない状況になった場合、最後のデータ受信から上記規定時間が経過した後、携帯電話機20から自動的に再生停止要求(TEARDOWNコマンド)がストリーミングサーバ11へ送信され、ストリーミングセッションが切断される。したがって、コンテンツの再生を一時停止したことをユーザーが忘れてしまってそのまま携帯電話機20が放置されても、最後のストリーミングデータを受信した時から上記規定時間が経過した後に、ストリーミングセッションが切断され、無駄にセッションが維持され続ける事態を抑制できる。したがって、本動作例2においても、上記動作例1と同様に、ユーザーの意図しない間に大量の生存通知分のデータ通信料が発生してしまうという不具合を抑制し、またその大量の生存通知によってネットワークの負荷が高まるという不具合を抑制できる。
なお、本動作例2では、再生操作後にストリーミングデータの受信がないままタイマー部218により計時された時間が規定時間に達する状況として、ユーザーが一時停止操作を行った場合を例に挙げたが、このような状況は他の場合でも起こり得る。例えば、携帯電話機20に障害が発生した場合などにおいては、コンテンツ再生中にストリーミングデータが受信できないまま無駄にセッションが維持され続ける事態が起こり得る。この場合も、タイマー部218により計時された時間が規定時間に達することがあり得る。本動作例2によれば、このような場合にも無駄にセッションが維持され続ける事態を抑制できる。
【0042】
なお、上述した動作例1及び動作例2では、上記規定時間に達したら再生停止要求(TEARDOWNコマンド)をストリーミングサーバ11に送信しているが、この送信は必ずしも必要であるわけではない。すなわち、本実施形態のストリーミングサーバ11は、生存通知が受信されなくなったらストリーミングセッションを切断するように動作するため、再生停止要求を送信しなくても、生存通知の送信を停止するだけでストリーミングセッションは切断される。しかし、本携帯電話機20がアクセスし得る全てのストリーミングサーバがこのように動作するという保証はない。したがって、確実にストリーミングセッションを切断するためには、生存通知の送信を停止するだけでなく、再生停止要求(TEARDOWNコマンド)を送信するのが望ましい。
また、本発明は、上述した携帯電話機20に限らず、ストリーミング再生が可能な他の移動体通信端末に対しても有用である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】携帯電話機で行われる動作例1に係る一時停止処理の流れを示すフローチャート。
【図2】同携帯電話機が利用可能な移動体通信システムの全体構成を説明するための説明図。
【図3】同移動体通信システムを構成するストリーミングサーバのハードウェア構成を示す概略構成図。
【図4】同携帯電話機の外観を示す正面図。
【図5】同携帯電話機のハードウェア構成を示す概略構成図。
【図6】同携帯電話機の主要部を抽出して示したブロック図。
【図7】同携帯電話機におけるソフトウェア構造の説明図。
【図8】同携帯電話機でコンテンツデータをストリーミング再生する際の動作例1に係る処理動作の流れを示すフローチャート。
【図9】同携帯電話機でコンテンツデータをストリーミング再生する際の動作例1に係る通信手順を示すシーケンスフロー図。
【図10】同携帯電話機でコンテンツデータをストリーミング再生する際の動作例2に係る受信不能処理の流れを示すフローチャート。
【図11】同携帯電話機でコンテンツデータをストリーミング再生する際の動作例2に係る通信手順を示すシーケンスフロー図。
【図12】携帯電話機でコンテンツデータをストリーミング再生する際の従来の通信手順を示すシーケンスフロー図。
【符号の説明】
【0044】
10 携帯電話通信網
11 ストリーミングサーバ
20 携帯電話機
21 テンキー
27 液晶ディスプレイ
209 RTC
213 操作部
214 アプリケーションプログラム実行管理部
215 主制御部
216 出力部
218 タイマー部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツデータを記憶するサーバ記憶手段、ネットワークを介して移動体通信端末とデータ通信を行うサーバ通信手段、並びに、ストリーミングデータ通信用の接続を確立して該コンテンツデータに基づくストリーミングデータを該サーバ通信手段を用いて送信する処理を行うサーバ制御手段を有するストリーミングサーバと、
該ネットワークを介して該ストリーミングサーバとデータ通信を行う端末通信手段、及び、該ストリーミングデータを該端末通信手段により受信して再生するための受信再生処理を行う端末制御手段を有する移動体通信端末とを備えた移動体通信システムにおいて、
上記移動体通信端末は、一時停止操作手段と、一時停止解除操作手段とを有し、
上記端末制御手段は、該一時停止操作手段の操作を受け付けたときには上記接続の切断要求を該ストリーミングサーバへ送信することなく上記受信再生処理を一時停止し、一時停止中に該一時停止解除操作手段の操作を受け付けたときには該受信再生処理を再開し、該一時停止操作手段の操作を受け付けてから一定時間経過するまでに該一時停止解除操作手段の操作がなされないときには、該ストリーミングサーバに対して該接続の切断要求を上記端末通信手段を用いて送信する処理を行い、
上記サーバ制御手段は、該切断要求を受信したとき、該接続を切断する処理を行うことを特徴とする移動体通信システム。
【請求項2】
コンテンツデータを記憶するサーバ記憶手段、ネットワークを介して移動体通信端末とデータ通信を行うサーバ通信手段、並びに、ストリーミングデータ通信用の接続を確立して該コンテンツデータに基づくストリーミングデータを該サーバ通信手段を用いて送信する処理を行うサーバ制御手段を有するストリーミングサーバと、
該ネットワークを介して該ストリーミングサーバとデータ通信を行う端末通信手段、及び、該ストリーミングデータを該端末通信手段により受信して再生するための受信再生処理を行う端末制御手段を有する移動体通信端末とを備えた移動体通信システムにおいて、
上記端末制御手段は、上記ストリーミングサーバから送信されるストリーミングデータを一定時間受信しないとき、該ストリーミングサーバに対して上記接続の切断要求を上記端末通信手段を用いて送信する処理を行い、
上記サーバ制御手段は、該切断要求を受信したとき、該接続を切断する処理を行うことを特徴とする移動体通信システム。
【請求項3】
請求項1の移動体通信システムに用いられる移動体通信端末であって、
ネットワークを介して上記ストリーミングサーバとデータ通信を行う端末通信手段と、
該ストリーミングサーバから送信されるストリーミングデータを該端末通信手段により受信して再生するための受信再生処理を行う端末制御手段と、
一時停止操作手段と、
一時停止解除操作手段とを有し、
上記端末制御手段は、該一時停止操作手段の操作を受け付けたときには、上記接続の切断要求を該ストリーミングサーバへ送信することなく該受信再生処理を一時停止し、一時停止中に該一時停止解除操作手段の操作を受け付けたときには該受信再生処理を再開し、該一時停止操作手段の操作を受け付けてから一定時間経過するまでに該一時停止解除操作手段の操作がなされないときには、該ストリーミングサーバに対して該接続の切断要求を該端末通信手段を用いて送信する処理を行うことを特徴とする移動体通信端末。
【請求項4】
請求項3の移動体通信端末において、
時間を計測するタイマー手段を有し、
上記端末制御手段は、上記一時停止操作手段の操作を受け付けてときに該タイマー手段の時間計測をスタートさせ、上記一時停止解除操作手段の操作を受け付けてときに該タイマー手段の時間計測をリセットし、該タイマー手段により計測された経過時間が上記一定時間に達したときには、上記ストリーミングサーバに対して上記接続の切断要求を上記端末通信手段を用いて送信する処理を行うことを特徴とする移動体通信端末。
【請求項5】
請求項2の移動体通信システムに用いられる移動体通信端末であって、
ネットワークを介して上記ストリーミングサーバとデータ通信を行う端末通信手段と、
該ストリーミングサーバから送信されるストリーミングデータを該端末通信手段により受信して再生するための受信再生処理を行う端末制御手段とを有し、
上記端末制御手段は、該ストリーミングサーバから送信されるストリーミングデータを一定時間受信しないとき、該ストリーミングサーバに対して上記接続の切断要求を上記端末通信手段を用いて送信する処理を行うことを特徴とする移動体通信端末。
【請求項6】
請求項5の移動体通信端末において、
時間を計測するタイマー手段を有し、
上記端末制御手段は、上記受信再生処理を開始した時に該タイマー手段の時間計測をスタートさせ、上記ストリーミングサーバから送信されるストリーミングデータを受信するたびに該タイマー手段の時間計測をリスタートさせ、該タイマー手段により計測された経過時間が上記一定時間に達したときには、該ストリーミングサーバに対して上記接続の切断要求を上記端末通信手段を用いて送信する処理を行うことを特徴とする移動体通信端末。
【請求項1】
コンテンツデータを記憶するサーバ記憶手段、ネットワークを介して移動体通信端末とデータ通信を行うサーバ通信手段、並びに、ストリーミングデータ通信用の接続を確立して該コンテンツデータに基づくストリーミングデータを該サーバ通信手段を用いて送信する処理を行うサーバ制御手段を有するストリーミングサーバと、
該ネットワークを介して該ストリーミングサーバとデータ通信を行う端末通信手段、及び、該ストリーミングデータを該端末通信手段により受信して再生するための受信再生処理を行う端末制御手段を有する移動体通信端末とを備えた移動体通信システムにおいて、
上記移動体通信端末は、一時停止操作手段と、一時停止解除操作手段とを有し、
上記端末制御手段は、該一時停止操作手段の操作を受け付けたときには上記接続の切断要求を該ストリーミングサーバへ送信することなく上記受信再生処理を一時停止し、一時停止中に該一時停止解除操作手段の操作を受け付けたときには該受信再生処理を再開し、該一時停止操作手段の操作を受け付けてから一定時間経過するまでに該一時停止解除操作手段の操作がなされないときには、該ストリーミングサーバに対して該接続の切断要求を上記端末通信手段を用いて送信する処理を行い、
上記サーバ制御手段は、該切断要求を受信したとき、該接続を切断する処理を行うことを特徴とする移動体通信システム。
【請求項2】
コンテンツデータを記憶するサーバ記憶手段、ネットワークを介して移動体通信端末とデータ通信を行うサーバ通信手段、並びに、ストリーミングデータ通信用の接続を確立して該コンテンツデータに基づくストリーミングデータを該サーバ通信手段を用いて送信する処理を行うサーバ制御手段を有するストリーミングサーバと、
該ネットワークを介して該ストリーミングサーバとデータ通信を行う端末通信手段、及び、該ストリーミングデータを該端末通信手段により受信して再生するための受信再生処理を行う端末制御手段を有する移動体通信端末とを備えた移動体通信システムにおいて、
上記端末制御手段は、上記ストリーミングサーバから送信されるストリーミングデータを一定時間受信しないとき、該ストリーミングサーバに対して上記接続の切断要求を上記端末通信手段を用いて送信する処理を行い、
上記サーバ制御手段は、該切断要求を受信したとき、該接続を切断する処理を行うことを特徴とする移動体通信システム。
【請求項3】
請求項1の移動体通信システムに用いられる移動体通信端末であって、
ネットワークを介して上記ストリーミングサーバとデータ通信を行う端末通信手段と、
該ストリーミングサーバから送信されるストリーミングデータを該端末通信手段により受信して再生するための受信再生処理を行う端末制御手段と、
一時停止操作手段と、
一時停止解除操作手段とを有し、
上記端末制御手段は、該一時停止操作手段の操作を受け付けたときには、上記接続の切断要求を該ストリーミングサーバへ送信することなく該受信再生処理を一時停止し、一時停止中に該一時停止解除操作手段の操作を受け付けたときには該受信再生処理を再開し、該一時停止操作手段の操作を受け付けてから一定時間経過するまでに該一時停止解除操作手段の操作がなされないときには、該ストリーミングサーバに対して該接続の切断要求を該端末通信手段を用いて送信する処理を行うことを特徴とする移動体通信端末。
【請求項4】
請求項3の移動体通信端末において、
時間を計測するタイマー手段を有し、
上記端末制御手段は、上記一時停止操作手段の操作を受け付けてときに該タイマー手段の時間計測をスタートさせ、上記一時停止解除操作手段の操作を受け付けてときに該タイマー手段の時間計測をリセットし、該タイマー手段により計測された経過時間が上記一定時間に達したときには、上記ストリーミングサーバに対して上記接続の切断要求を上記端末通信手段を用いて送信する処理を行うことを特徴とする移動体通信端末。
【請求項5】
請求項2の移動体通信システムに用いられる移動体通信端末であって、
ネットワークを介して上記ストリーミングサーバとデータ通信を行う端末通信手段と、
該ストリーミングサーバから送信されるストリーミングデータを該端末通信手段により受信して再生するための受信再生処理を行う端末制御手段とを有し、
上記端末制御手段は、該ストリーミングサーバから送信されるストリーミングデータを一定時間受信しないとき、該ストリーミングサーバに対して上記接続の切断要求を上記端末通信手段を用いて送信する処理を行うことを特徴とする移動体通信端末。
【請求項6】
請求項5の移動体通信端末において、
時間を計測するタイマー手段を有し、
上記端末制御手段は、上記受信再生処理を開始した時に該タイマー手段の時間計測をスタートさせ、上記ストリーミングサーバから送信されるストリーミングデータを受信するたびに該タイマー手段の時間計測をリスタートさせ、該タイマー手段により計測された経過時間が上記一定時間に達したときには、該ストリーミングサーバに対して上記接続の切断要求を上記端末通信手段を用いて送信する処理を行うことを特徴とする移動体通信端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−94338(P2006−94338A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−279896(P2004−279896)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【出願人】(501440684)ボーダフォン株式会社 (654)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【出願人】(501440684)ボーダフォン株式会社 (654)
【Fターム(参考)】
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