説明

移動体通信システム

【課題】相所持者の生体情報を含む状態情報を、電話をかけようとしている移動体通信端末側に送信する移動体通信システムを提供する。
【解決手段】本発明は、移動体通信端末10a、bと、移動体通信端末10a、bとの間で無線通信を行う無線基地局20a、bと、無線基地局20a、bと通信を行うと共にこれらを制御する基地局制御装置30と、移動体端末10bと通信を行うと共に、移動体通信端末10bの所持者の生体情報を取得する車載装置と、からなる移動体通信システムにおいて、移動体通信端末10bは、自らの位置情報を取得する位置情報取得部及び自らの移動速度情報を算出する移動速度情報算出部と、車載装置から生体情報を取得する生体情報取得手段とを有しており、基地局制御装置30は、地図情報が格納される地図データベース31と、移動体通信端末の位置情報及び移動速度情報と、生体情報とから移動体通信端末所持者の状態に係る状態情報を判断する状態判断部32と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線基地局と携帯電話などの移動体通信端末との間で、無線回線によって信号の送受信を行う移動体通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの移動体通信端末装置においては、移動中や公衆電話などのないところでも通話をすることができるという利点があって急速に普及しつつあるが、その反面で、次のような点で使用者の安全性の確保の問題や公共的なマナーの問題が発生しつつある。
【0003】
例えば、電車など公共交通機関を利用する場合には、着信音が周囲の人にとって耳障りな音として感ずるので、マナーの点で好ましくない。そこで、着信はしたいが着信音を出さないようにするために、マナーモードを設けて、着信時にはバイブレーションなどにより使用者に知らせるように切り換え設定するものである。
【0004】
しかしながら、実際には、携帯電話を鞄やハンドバッグなどに入れたままの状態で電車に乗ったりするといった場合には、マナーモードへの切換設定が怠りがちになる。このため、有用な機能でありながら有効に利用されていないという実情であった。そこで、電車などで移動するときにマナーモードの設定操作を不要とする携帯電話が提案されている。
【0005】
このような携帯電話としては、例えば、特許文献1(特開2003−204577号公報)には、基地局からの距離に応じて携帯無線端末装置から基地局へ送信すべき送信タイミングを早めるタイミング情報を少なくとも3箇所の基地局から受信する受信し、受信した3種類のタイミング情報が示す時間及び電波伝播速度に基づいて移動速度を求め、これに応じて携帯無線端末装置の動作状態をマナーモードに切り換える携帯無線端末装置が開示されている。
【特許文献1】特開2003−204577号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されているような携帯無線端末装置においては、マナーモード状態にある携帯無線端末装置に着信させようとして電話をかけている端末装置側では、当該携帯無線端末装置の所持者がどのような状態にあるためにマナーモードとなっているのかを把握することができない。このように、着信させようとしている携帯無線端末装置の所持者の状態について把握ができないために、かけて側は、連絡をとるタイミングを見計らうことができないと感じ、心理的なストレスとなる、という問題があった。
【0007】
また、携帯無線端末装置の所持者が車両を運転して移動中であり、当該所持者が眠気におそわれているような場合、むしろ会話などによってリフレッシュした方がよいことがあるが、そのような所持者の生体情報を含む状態情報を、電話をかけようとしている端末装置側に送信することは従来かなわず、かけて側は、連絡をとるタイミングを逸してしまう、という問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために、請求項1に係る発明は、移動体通信端末と、前記移動体通信端末との間で無線通信を行う無線基地局と、前記無線基地局と通信を行うと共にこれらを制御する基地局制御装置と、移動体端末と通信を行うと共に、移動体通信端末の所持者の生体情報を取得する車載装置と、からなる移動体通信システムにおいて、前記移動体
通信端末は、自らの位置情報を取得する位置情報取得手段及び自らの移動速度情報を算出する移動速度情報算出手段と、車載装置から生体情報を取得する生体情報取得手段とを有しており、前記基地局制御装置は、地図情報が格納される地図データベースと、移動体通信端末の位置情報及び移動速度情報と、生体情報とから移動体通信端末所持者の状態に係る状態情報を判断する状態判断手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の移動体通信システムにおいて、前記基地局制御装置は、前記状態判断手段によって判断された状態に係る状態情報を、所定の移動体通信端末に送信するように無線基地局を制御することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、請求項2に記載の移動体通信システムにおいて、前記所定の移動体通信端末は送信された状態情報を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に記載の移動体通信システムによれば、移動体通信端末が、位置情報取得手段によって取得された位置情報及び移動速度情報算出手段によって算出された移動速度情報及び生体情報取得手段によって取得された生体情報を無線基地局に送信するので、基地局制御装置側に履歴保存負荷などの負担をかけることなく処理することが可能となる。
【0012】
また、本発明の請求項2に記載の移動体通信システムによれば、生体情報を含む状態情報を、所定の移動体通信端末に送信するように無線基地局を制御するので、予め登録された限定された端末に対してのみ、移動体通信端末所持者の状態情報を提供することができる。
【0013】
また、本発明の請求項3に記載の移動体通信システムによれば、移動体通信端末が送信された、生体情報を含む状態情報を表示するので、移動体通信端末所持者が、建物の中にいる状態であるのか、電車により移動中の状態であるのか、徒歩により移動中の状態であるのか、車両により移動中の状態であるのか、また、車両により移動中であるときには移動体通信端末所持者の生体状態がどのような状態であるのかを把握することができ、連絡をとるタイミングを見計らうことができるようになるので、かけて側は、心理的なストレスを感じることがない。
【0014】
本発明の移動体通信システムによれば、移動体通信端末の所持者が車両を運転して移動中であり、当該所持者が眠気におそわれているような場合に、むしろ会話などによってリフレッシュした方がよいことがあるが、そのような所持者の生体情報を含む状態情報を、電話をかけようとしている端移動体通信端末側に送信することができるようになるので、かけて側としては連絡をとるチャンスを的確に把握することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係る移動体通信システム全体の概略を示す図である。図1において、10a、10b、10c、10dは移動体通信端末、20a、20b、20cは無線基地局、30は基地局制御装置、50は通信網、60はGPS衛星をそれぞれ示している。
【0016】
本実施形態では、PHSや携帯電話等の移動体通信端末をいわゆる移動局とし、無線回線を利用して信号の送受信を行う移動体通信システムを例に説明している。このような移動体通信システムでは、移動局である移動体通信端末は、最初に、電話番号、移動体通信端末の製造番号、認証情報等の移動局を識別する情報、いわゆる移動局特定情報を無線基地局に送信する。この送信信号を受信することが可能なサービスエリアをもつ無線基地局
では、移動局特定情報を検出して、どの移動局から信号が送信されたのかを判別し、移動局が所望の端末装置に接続されるように制御を行う。
【0017】
この移動体通信システムは、複数の無線基地局、具体的には無線基地局20a、20b、20c、・・・及び、これらの無線基地局20a、20b、20c、・・・と通信を行うと共にこれらを制御する基地局制御装置30を備えている。基地局制御装置30は、基地局制御装置30と通信可能に一般公衆回線網、ISDN、インターネットなどの通信網50と接続される。無線基地局20a、20b、20cは、それぞれ無線基地局サービスエリアを持つ。基地局制御装置30は、無線基地局20a、20b、20c、・・・を統制すると共に、交換機の機能、全ての移動体通信端末の管理機能、通信の保守機能、端末の不正利用監視機能、全ての移動体通信端末の履歴保存機能などを有していることに加え、後述する本実施形態特有の機能を備えるものである。
【0018】
自動車電話や携帯電話等の移動局である移動体通信端末10a、10b、10c、10d、・・・は、それぞれが属する無線基地局サービスエリアを持つ無線基地局と無線回線で接続される。すなわち、移動体通信端末10aは無線基地局20aに、移動体通信端末10bは無線基地局20bに、移動体通信端末10c、10dは無線基地局20cに、それぞれ接続される。
【0019】
これらの移動体通信端末10a、10b、10c、10d、・・・から送信される音声及びデータは、無線基地局20a、20b、20cの内の各移動体通信端末が属する無線基地局サービスエリアを持つ無線基地局及び基地局制御装置30を介して、通信網50に送信される。また、通信網50から送信される音声及びデータは、基地局制御装置30及び無線基地局20a、20b、20cの内の各移動局が属する無線基地局サービスエリアを持つ無線基地局を介して、それぞれの移動体通信端末に送信される。
【0020】
また、移動体通信端末10a、10b、10c、10d、・・・から移動体通信システムに属する移動体通信端末に送信される音声及びデータは、無線基地局20a、20b、20cの内の各移動体通信端末が属する無線基地局サービスエリアを持つ無線基地局から、基地局制御装置30、送信先の移動体通信端末が属する無線基地局サービスエリアを持つ無線基地局を介して、送信先となる移動体通信端末へと送信される。
【0021】
この移動無線通信システムにおいて、無線基地局20a、20b、20cは、移動体通信端末10a、10b、10c、10d、・・・から送信される移動局識別情報を用いて、上記移動体通信端末10a、10b、10c、10d、・・・の正当性を判定し、この判定結果に基づいて、上記移動体通信端末10a、10b、10c、10d、・・・を特定の回線に接続する。
【0022】
本実施形態における移動体通信端末10a、10b、10c、10d、・・・のうちいくつかの移動体通信端末は、GPS衛星60からのGPS信号を受信して自らの位置を計算するGPS測位で車両の位置情報を取得する機能、及び取得した位置情報を時間情報と対応させて保存しておくことにより移動速度情報を算出する機能を有している。
【0023】
また、本実施形態においては、移動体通信端末と車両に搭載されている所定の車載装置が通信を行い得るようになっている。ユーザーが移動体通信端末をもって、予め登録などがなされている車に運転者として乗り込んだときに、当該車両の車載装置と通信を行うことによって、移動体通信端末は車載装置で取得したユーザーの生体情報を取得し、さらに取得した生体情報を発信することができるようになっている。
【0024】
上記のような車両では、ユーザーがドライバーとして乗り込むと、ユーザーの生体情報
を取得するようになっている。図2は移動体通信端末と通信を行う車載装置のブロック構成の概略を示す図である。
【0025】
なお、本実施形態においては、生体情報を取得するための生体情報取得装置がドライバーの座席に設けられている場合について説明するが、生体情報取得装置が助手席、後部座席といった同乗者の座席に搭載されている場合にも、同様に本発明の考え方を適用することができるものである。
【0026】
図2において、100は制御処理部、200は心拍情報取得部、210、220は心拍センサー電極、250は発汗情報取得部、260、270は電極、400は筋電情報取得部、410は筋電センサ、420は脳波情報取得部、430は脳波センサ、440は体温情報取得部、450はサーモグラフィー、500は画像情報取得部、510は運転者撮像部、600はインターフェイス部、610はディスプレイ・タッチパネル、620はスピーカ、630はマイクロフォン、700は外部通信出力部、710は通信インターフェイス部、720は車両制御・情報インターフェイス部、800はナビゲーションシステム部、810はナビゲーションシステム、820はナビゲーションシステム用データベース、900は記憶部、910は走行・動作記録ログ、920は個人情報ファイルをそれぞれ示している。
【0027】
本実施形態の車載装置には、主たる構成として、制御処理部100、心拍情報取得部200、発汗情報取得部250、筋電情報取得部400、脳波情報取得部420、体温情報取得部440、画像情報取得部500、インターフェイス部600、外部通信出力部700、ナビゲーションシステム部800、記憶部900を有するものである。
【0028】
車両の運転席(不図示)には、心拍情報取得部200を構成する心拍センサー電極210、220が設けられており、ドライバーが車両に乗車し運転席に座り、ステアリングを握って車両の運転を開始すると、ドライバーの背中の心拍センサー電極210、220から微弱な電流が検出される。微弱電流は増幅され、ドライバーの心臓に係る情報(心拍数・心電図)として車載装置の制御処理部100に取得される。このような心臓に係る情報(心拍数・心電図)などを取得するために用いる心拍センサー電極210、220には、例えば容量性電極などから構成される。このような容量性電極としては、例えば特開2005−511174号公報記載のものを用いることができる。
【0029】
また、ステアリング(不図示)には電極260、270が設けられており、ドライバーの手のひらの電気伝導度などが検出され、発汗情報取得部250はドライバーの発汗状態に係る情報を取得できるようになっている。心拍情報取得部200及び発汗情報取得部250で取得された情報は、制御処理部100に入力される。
【0030】
筋電情報取得部400は、筋電センサ410によってドライバーの筋電に係る状態を取得し、また、脳波情報取得部420は、脳波センサ430によってドライバーの脳波を取得するようになっている。これらのセンサによって取得された情報は、制御処理部100に対して送信されるようになっている。
【0031】
体温情報取得部440はドライバーを体表面の温度情報を取得するサーモグラフィー450を有しており、取得した情報を制御処理部100に送る。
【0032】
画像情報取得部500は、車両の運転席に着座しているドライバーの様子を動画によって撮影することができる運転者撮像部510を備えている。この運転者撮像部510によって撮影された画像データを画像解析することによって、ドライバーの瞳孔の状態を把握することができる。
【0033】
車載装置のブロック図において、制御処理部100はエレクトロニックコントロールユニットであり、CPUとCPU上で動作するプログラムを保持するROMとCPUのワークエリアであるRAMなどからなる汎用の情報処理機構である。心拍情報取得部200は、心拍センサー電極210、220とこれらの電極から収集される微弱電流を増幅する増幅部などから構成されており、運転席に座りステアリングを操作するドライバーの心臓に係る情報である心拍数と心電図データを取得する。
【0034】
インターフェイス部600は、本発明の車載装置における入出力インターフェイスを構成するものであり、ユーザーがパネルに触れることにより情報を入力でき、かつ、文字、図形、イメージ情報を表示することができるディスプレイ・タッチパネル610、音声の出力を行うスピーカー620、ユーザーの声を入力することができるマイクロフォン630からなっている。インターフェイス部600は以上のような構成に限定することなく、その他のマンマシンインターフェイス機構を用いることができるものである。本実施形態においては、車載装置が移動体通信端末10と通信を行っているときには、スピーカー620、マイクロフォン630によって、他の携帯電話のユーザーと会話をすることができるようになっている。
【0035】
外部通信出力部700は、心拍情報取得部200などの生体データ取得部において取得された生体情報を外部に送信するための通信出力部である。通信I/F部710は、例えばブルートゥースなどの通信インターフェイスであり、車載装置はこの通信I/F部710によって、移動体通信端末と通信を行うものである。これにより、ドライバーはハンズフリーの状態で会話ができるようになる。また、通信I/F部710によって、ドライバーの車載装置が取得した生体情報を、移動体通信端末側に送信することができる。
【0036】
車両制御・情報I/F部720は、例えば、車両などに搭載された車内LANや車載のナビゲーションシステムとの通信を行うインターフェイスである。
【0037】
ナビゲーションシステム部800は、ナビゲーションシステム810やこのナビゲーションシステム810が参照する地図情報などのナビゲーションシステム用データベース820とからなっている。ナビゲーションシステム810は、GPS衛星からのGPS信号を受信して自らの位置を計算するGPS測位部を用いることによって、車両の位置情報を取得することができる。本発明の車載装置においては、位置情報を取得することができれば、このようなGPS測位法によらずとも、その他の測位法を用いることができるものである。
【0038】
記憶部900は、ハードディスクなどの比較的大容量の記憶装置からなり、走行・動作記録ログ910と個人情報ファイル920とからなる。走行・動作記録ログ910は、心拍情報取得部200で取得されるドライバーの生体情報(心拍数、心電図情報、発汗情報など)と、自車両情報入力部400からの車両の走行情報と、ナビゲーションシステム部800で取得される位置情報と、を対応付けて記録しておくファイルである。
【0039】
また、個人情報ファイル920は車両を利用するドライバーごとの個人情報を記録したファイルであり、それぞれのドライバーが所有する移動体通信端末に係る情報や、ドライバーが持ちえる生体情報の基本情報(平均心拍(過去履歴より学習)、心拍数の判定閾値。病歴、主治医連絡情報)が記録されている。
【0040】
次に、本実施形態の移動体通信システムで用いる移動体通信端末10についてより詳しく説明する。図3(A)は本発明の実施の形態に係る移動体通信システムで用いる移動体通信端末10の外観を斜視的に示す図であり、図3(B)は本発明の実施の形態に係る移
動体通信システムで用いる移動体通信端末10のブロック構成の概略を示す図である。
【0041】
図3において、10は移動体通信端末、1はCPU、2はバス、4はRAM、5は入力操作部、6は入力部、7は電波状況判定部、8は音声制御部、9はマイクロフォン、12はスピーカ、14は表示制御部、15はディスプレイ、16は通信制御部、17は車載装置間通信制御部、19はGPS受信部をそれぞれ示している。
【0042】
図3(A)は、本実施例で使用される移動体通信端末の外観の一例を示したものである。この移動体通信端末10は2つの筐体をヒンジ機構によって折り畳むことができるタイプのものである。図2はこのような移動体通信端末10のヒンジ機構を開いた状態を示しており、一方の筐体には、出力インターフェイスとしてディスプレイ15及びスピーカ12が配置されており、他方の筐体には、入力インターフェイスとして、十字キー、テンキーなどの入力操作部5及びマイクロフォン9が配置されている。
【0043】
図3(B)は図3(A)に示した移動体通信端末の回路構成の概要を表わしたものである。移動体通信端末10は、CPU(中央処理装置)1を搭載している。CPU1はバス2を通じて装置内の各部と接続されている。このうちROM3はこの移動体通信端末10の各部を制御するためのプログラムを格納したリード・オンリ・メモリである。RAM4はプログラムを実行するときに必要となる一時的なデータおよび画像等を含んだ通信データを一時的に格納するランダム・アクセス・メモリである。移動体通信端末10におけるGPS信号を受信して自らの位置を計算するGPS測位で移動体通信端末の位置情報を取得する機能、及び取得した位置情報を時間情報と対応させて保存しておくことにより移動速度情報を算出する機能を実現するためのプログラムはROM3に記憶させておくこともできる。
【0044】
入力操作部105は図2に示した他方の筐体の閉じ合わせる側の面に配置されたキースイッチ群から構成されている。入力操作部5の操作により発生した信号は入力部6を介してバス2に伝達されるようになっている。
【0045】
音声制御部8は音声の入出力を行う回路で、マイクロフォン9から音声を入力すると共に、スピーカ12から音声を出力するようになっている。表示制御部14は、前記したディスプレイ15の表示を制御するようになっている。通信制御部16は、図1に示した無線基地局20a、20b、20cと無線で通信を行うになっている。GPS受信部19は図1に示したGPS衛星60の複数から電波を受信して移動体通信端末10の現在位置を判別する装置である。
【0046】
電波状況判定部7は、通信制御部16で受信される無線基地局20a、20b、20cからの電波の信号強度に基づいて、電波状況の良し悪しを判定する。また、車載装置間通信制御部17は、例えばブルートゥースなどの通信インターフェイス部であり、この車載装置間通信制御部17によって、移動体通信端末10は車載装置と通信を行うものである。
【0047】
次に、本発明の移動体通信システムが、移動体通信端末所持者の状態を判断し、これを他の移動体通信端末に報知する処理動作について説明する。以下、移動体通信端末10aが移動体通信端末10bの所持者の状態情報を問い合わせるときを例にとり説明する。図4は移動体通信端末10bの状態情報を問い合わせるときの移動体通信システムにおけるデータの流れを視覚的に示す図であり、図5は移動体通信端末10bの状態情報を問い合わせるときの移動体通信システムにおける処理フローチャートを示す図である。なお、図5では、左欄から右欄にかけて、それぞれ移動体通信端末10a、無線基地局20a、基地局制御装置30、無線基地局20b、移動体通信端末10b、車載装置制御処理部10
0における処理動作について示されている。
【0048】
まず、図4における基地局制御装置30の地図データベース部31及び状態判断部32について説明する。地図データベース部31には、全国の詳細なディジタル地図情報と、各地域における道路情報、信号、標識などの情報、電車の線路情報などが格納されている。これらの情報は、最新の情報に逐次更新される。また、これら道路等に対する工事が行われる場合には、それについて提出される情報に基づいて情報の一時的な変更や訂正が行われるようになっている。
【0049】
また、状態判断部32は、後述するアルゴリズムにより、移動体通信端末10bの位置情報及び移動速度情報、生体情報に基づいて、地図情報データベース部31に紹介することによって、移動体通信端末10bの所持者が、建物の中にいる状態であるのか、車両により移動中の状態であるのか、電車により移動中の状態であるのか、徒歩により移動中の状態であるのかを判定するものである。
【0050】
図4における移動体通信端末10bの示される位置情報取得部は、GPS信号を受信して自らの位置を計算するGPS測位で車両の位置情報を取得するものであり、また、移動速度情報算出部は、取得した位置情報を時間情報と対応させて保存しておくことにより移動速度情報を算出するものであり、いずれもGPS受信部19から得られるデータに基づくCPU1の処理によって実現することができる。これら位置情報取得部及び移動速度情報算出部の処理は、移動体通信端末10bの電源がオンされている限り、バックグラウンドで定期的に実行され続けられている。また、位置情報取得部で取得された位置情報及び移動速度情報算出部で取得された移動速度情報は、最新のものから所定の時間遡ってログされている。
【0051】
以上のように、移動体通信端末10b側の位置情報取得部によって取得された位置情報、移動体通信端末10b側の移動速度情報算出部によって算出された移動速度情報を、無線基地局に送信するような構成となっているので、基地局制御装置30側に履歴保存負荷などの負担をかけることなく処理することが可能となる。
【0052】
図5において、移動体通信端末10a側のステップS100で処理が開始される。続くステップS101では、移動体通信端末10aのユーザーによって、アドレス帳機能の起動がされると、次にステップS102において、アドレス帳に状態情報の問い合わせ可能な登録者があるか否かが判定される。
【0053】
ここで、移動体通信端末10aにおけるアドレス帳の機能とは、移動体通信端末10aが頻繁に発信する相手先の移動体通信端末の所持者の氏名や、電話番号、メールアドレスを登録する機能である。
【0054】
また、本実施形態の移動体通信端末10bの状態情報を、移動体通信端末10aに報知するサービスは、移動体通信端末10bの所持者のプライバシーに関わるものであるので、当該所持者によって、移動体通信端末10aに状態情報を報知してもよい、という同意を得た上での登録制とする。すなわち、本実施形態によれば、移動体通信端末10bの所持者の状態情報は、所定の移動体通信端末にのみ送信されるように制御されるので、予め登録された限定された端末に対してのみ、移動体通信端末所持者の状態情報が提供され、プライバシーが保護されるようになっている。
【0055】
ステップS102における判定の結果がNOであるときにはステップS117に進む。ステップS117では、通常のアドレス帳の画面をディスプレイ115に表示し、ステップS118に進み処理を終了する。
【0056】
ステップS102における判定の結果がYESであるときにはステップS103に進む。ステップS103では、移動体通信端末10aは、登録者(ここでは登録者は、移動体通信端末10bの所持者として説明するが、複数の登録者があってもよい)の状態の問い合わせを、無線基地局20aに対して送信する。
【0057】
ステップS104において、無線基地局20aは、移動体通信端末10aからの登録者の状態の問い合わせを受信し、これを基地局制御装置30に転送する。
【0058】
ステップS105で、基地局制御装置30が登録者の状態の問い合わせを受信すると、移動体通信端末10bが存在するエリアを特定し、ステップS106では、特定したエリアの無線基地局20bに対して、登録者の情報(位置情報・移動速度情報)要求を送信する。
【0059】
ステップS107では、無線基地局20bは、基地局制御装置30から受信した情報要求を、移動体通信端末10bに対して転送する。
【0060】
移動体通信端末10b
ステップS108では、移動体通信端末10bが情報要求を受信すると、移動体通信端末10bは車載装置制御処理部100に対して情報要求を転送する。
【0061】
ステップS109では、車載装置制御処理部100が情報要求受信する。そして、ステップS110で、車載装置制御処理部100は、取得した運転者の生体情報を移動体通信端末10bに対して送信する。
【0062】
移動体通信端末10bは、ステップS111において、ログされている位置情報・移動速度情報、電波状況判定部7で取得された電波状況情報と共に、車載装置制御処理部100から転送された生体情報を無線基地局20bに対して送信する。
【0063】
ここで、ステップS108やステップS111などにおける移動体通信端末10bの動作処理をより詳細に説明する。図6は本発明の実施の形態に係る移動体通信システムの移動体通信端末10bにおける処理のフローチャートを示す図である。
【0064】
図6において、ステップS200で処理が開始されると、次にステップS201に進み、通信制御部16が車載装置との通信をトライする。ステップS202では、この通信が確立したか否かが判定される。ステップS202における判定結果がYESであるときにはステップS203に進み、ステップS202における判定結果がNOであるときにはステップS209に進む。
【0065】
ステップS203では、車載装置との間で通信を行い、車載装置側では、移動体通信端末10bの所持者を個人認証でるかどうか、個人情報ファイル920が参照される。
【0066】
ステップS204では、個人の認証がなされたか否か判定される。ステップS204における判定の結果がYESであればステップS205に進み、ステップS204における判定の結果がNOであるときにはステップS209に進む。
【0067】
ステップS205では、車載装置からドライバーの生体情報を取得し、ステップS206では、電波状況判定7で電波状況に係る情報を取得し、ステップS207では、位置情報・移動速度情報取得を取得し、ステップS208で、これらの情報を無線基地局に送信し、ステップS211で処理を終了する。
【0068】
車載装置との通信が確立しなかったときや個人認証できなかったときに進む、ステップS209では、電波状況判定7で電波状況に係る情報を取得し、ステップS210では、位置情報・移動速度情報取得を取得し、ステップS208で、これらの情報を無線基地局に送信し、ステップS211で処理を終了する。
【0069】
再び、図5のフローチャートに戻る。ステップS112では、無線基地局20bは、移動体通信端末10bから受信した生体情報・位置情報・移動速度情報・電波状況情報を、基地局制御装置30に対して転送する。
【0070】
ステップS113で、基地局制御装置30は生体情報・位置情報・移動速度情報・電波状況情報を受信すると、次に、ステップS114で、状態判定処理のサブルーチンを実行して、位置情報・移動速度情報に基づいて、移動体通信端末10b所持者の状態を判定する。ステップS115では、判定された状態情報を保存し、ステップS116では、この状態情報及び電波状況情報を無線基地局20aに対して送信する。
【0071】
ここで、状態判定処理のサブルーチンについて説明する。図7は移動体通信システムにおける状態判定処理のサブルーチンのフローチャートを示す図である。図7において、ステップS300で、サブルーチンが開始されると、次にステップS301に進み、状態判定対象となる移動体通信端末10からの位置情報・移動速度情報を取得する。続く、ステップS302では、地図データベース部31と、これらの情報を照合する。
【0072】
ステップS303では、(位置情報)=(建物位置)であるか否かが判定される。建物
位置は地図データベース部31にデータに基づくものである。ステップS303の判定結
果がYESであるときにはステップS309に進み、移動体通信端末10の所持者の状態
は、建物内にいるものと判定する。ステップS313に進み、リターンする。
【0073】
ステップS303の判定結果がNOであるときにはステップS304に進みむ。ステップS304においては、(移動速度)>(所定速度以上)であるか否かが判定される。
【0074】
ステップS304における判定の結果がNOであるときにはステップS308に進む。ステップS308では、移動体通信端末10の所持者の状態は、徒歩により移動中と判定す
る。ステップS313に進み、リターンする。
【0075】
ステップS304における判定の結果がYESであるときにはステップS305に進む。ステップS305では、(位置情報)=(線路上)であるか否かが判定される。線路の位
置は地図データベース部31にデータに基づくものである。
【0076】
ステップS304における判定の結果がYESであるときにはステップS306に進む。ステップS306では、移動体通信端末10の所持者の状態は、電車により移動中と判定
する。ステップS313に進み、リターンする。
【0077】
ステップS304における判定の結果がNOであるときにはステップS307に進む。ステップS307では、移動体通信端末10の所持者の状態は、道路上を走行する車両によ
る移動中であると判定する。
【0078】
ステップS307に続いては、ステップS310で生体情報が存在するか否かが判定される。ステップS310の判定がYESであればステップS311に進み、ステップS310の判定がNOであればステップS313に進み、リターンする。
【0079】
ステップS311では、生体情報判定処理のサブルーチンが実行され、ステップS312では、状態情報に、当該サブルーチンで判定された生体判定情報を含めるようにする。ステップS313に進み、リターンする。
【0080】
ここで、生体情報判定処理のサブルーチンについて説明する。図8は移動体通信システムにおける生体情報判定処理のサブルーチンのフローチャートを示す図である。
【0081】
ステップS400において、生体情報判定処理が開始されると、次にステップS401に進み、生体情報判定値の算出が行われる。この生体情報判定値の算出は、車載装置の心拍情報取得部200、発汗情報取得部250、筋電情報取得部400、脳波情報取得部420、体温情報取得部440、画像情報取得部500によって取得され、基地局制御装置30に転送されてきた生体情報に基づいて行われる。
【0082】
生体情報判定値における具体的な算出方法については種々の考え方があるが、その一例について説明する。図9は生体情報判定値の算出のための概念と生体情報判定値算出用点数を示す図である。図9(A)は心拍情報取得部200で取得される「心拍」の情報、発汗情報取得部250で取得される「発汗」の情報、筋電情報取得部400で取得される「筋電位」の情報、脳波情報取得部420で取得される「脳波」の情報、体温情報取得部440で取得される「体温差」の情報、画像情報取得部500で取得される「瞳孔」の情報の変化に伴い、運転者が交感神経系優位にあるか、副交感神経系優位にあるかを図示化したものである。
【0083】
また、図9(B)は、以上のような、考え方に基づいて、「心拍」の情報、「発汗」の情報、「筋電位」の情報、「脳波」の情報、「体温差」の情報、「瞳孔」の情報を点数化したものである。テップS401における生体情報判定値の算出には、これらの点数を総和することによって、生体情報判定値とする。
【0084】
ステップS402では、生体情報判定値>5であるか否かが判定される。ステップS402における判定の結果がYESであるときにはドライバーは緊張状態であるとされS407に進む、ステップS402における判定の結果がNOであるときにはドライバーは緊張状態でないとされ、ステップS403に進む。
【0085】
ステップS407では、ドライバーの状態は通話不可な状態と判定され、ステップS408でリターンする。
【0086】
ステップS403では、生体情報判定値<0であるか否かが判定される。ステップS403における判定の結果がYESであるときにはドライバーは眠気があるとされS404に進む、ステップS402における判定の結果がNOであるときにはドライバーは眠気がないないとされ、ステップS405に進む。
【0087】
ステップS404では、ドライバーは眠気があるので、むしろ会話などを通して、眠気を解消する必要がある。そこで、ステップS404では、ドライバーは通話必要な状態と判定する。
【0088】
ステップS405では、位置情報と地図データベース部31に格納されている情報に基づいて、周辺の信号・標識の密度が所定数以上であるか否かが判定される。この密度が所定以上であるときには、ドライバーは複雑な操作を要する運転環境下にいるものと判定できる。
【0089】
ステップS405における判定の結果がYESであるときにはステップS407に進み
、ステップS405における判定の結果がNOであるときにはステップS406に進む。ステップS407では、ドライバーの状態は通話不可な状態と判定され、ステップS408でリターンする。ステップS406では、ドライバーの状態は通話可能な状態と判定され、ステップS408でリターンする。
【0090】
以上のように、本実施形態の移動体通信システムの状態判定処理のサブルーチンによれば、移動体通信端末所持者が、建物の中にいる状態であるのか、車両により移動中の状態であるのか、電車により移動中の状態であるのか、徒歩により移動中の状態であるのかを判定することが可能となる。
【0091】
また、車両で移動中の状態である場合には、ドライバーとしての移動体通信端末所持者の生体の状態を把握することができるようになる。
【0092】
再び図5のメインルーチンに戻ると、ステップS117では、無線基地局20aは、基地局制御装置30から受信した状態情報・電波状況情報を、移動体通信端末10aに対して転送する。
【0093】
移動体通信端末10aは、ステップS118で、移動体通信端末10b所持者の状態情報・電波状況情報を受信すると、次のステップS119では、この状態情報・電波状況情報をRAM104などに保存する。次のステップS120では、状態情報・電波状況情報をディスプレイ115に表示する。ステップS121で処理を終了する。
【0094】
以上のような本発明の構成によれば、移動体通信端末の所持者が車両を運転して移動中であり、当該所持者が眠気におそわれているような場合に、むしろ会話などによってリフレッシュした方がよいことがあるが、そのような所持者の生体情報を含む状態情報を、電話をかけようとしている移動体通信端末側に送信することができるようになるので、かけて側としては連絡をとるチャンスを的確に把握することができるようになる。
【0095】
次に、ステップS120におけるディスプレイ115での状態情報の表示例について説明する。図10は移動体通信端末10のディスプレイ115における状態情報の表示例を示す図である。状態情報の表示は、例えば図10に示すように、移動体通信端末10のアドレス帳機能と連動させると利便性が高い。
【0096】
図10のディスプレイ115でのアドレス帳表示においては、氏名の欄、当該氏名の者の有する移動体通信端末の電話番号の欄、また当該氏名の者の状態情報を示すアイコンの欄からなっている。
【0097】
図10のディスプレイ115の表示において、氏名「特許太郎」の状態の欄には、携帯電話のアイコンと、人が歩行する状態を示すアイコンと、電波状況を示すアイコンとが表示されている。これは、移動体通信端末10所持者の状態情報が、徒歩による移動中であることを示しており、移動体通信端末の着信に対応することが可能である状態であることを示している。また、「特許太郎」所持の移動体通信端末は電波状況が良好な環境下にあることを示している。この電波状況の表示については、電波状況情報に基づくものである。
【0098】
また、図10のディスプレイ115の表示において、氏名「実用次郎」の状態の欄には、携帯電話にXが重ね合わされたアイコンと、車のアイコンと、電波状況を示すアイコンと表示されている。これは、移動体通信端末10所持者の状態情報が、自動車等による移動中であることを示しており、移動体通信端末の着信に対応することができない状態であるか、或いは所持者の生体情報によれば所持者は緊張状態にあり、移動体通信端末の着信
に対応することができない状態であることを示している。また、「実用次郎」所持の移動体通信端末は電波状況が良好な環境下にあることを示している。この電波状況の表示については、電波状況情報に基づくものである。
【0099】
また、図10のディスプレイ115の表示において、氏名「商標花子」の状態の欄には、携帯電話のアイコンと、建造物のアイコンと、電波状況を示すアイコンとが表示されている。これは、移動体通信端末10所持者の状態情報が、建物の中にいる状態であることを示しており、移動体通信端末の着信に対応することが可能である状態であることを示している。また、「商標花子」所持の移動体通信端末は電波状況が良好な環境下にあることを示している。この電波状況の表示については、電波状況情報に基づくものである。
【0100】
また、図10のディスプレイ115の表示において、氏名「意匠三郎」の状態の欄には、携帯電話にXが重ね合わされたアイコンと、電車のアイコンと、電波状況を示すアイコンと表示されている。これは、移動体通信端末10所持者の状態情報が、電車による移動中であることを示しており、移動体通信端末の着信に対応することができない状態であることを示している。また、「意匠三郎」所持の移動体通信端末は電波状況が良好な環境下にあることを示している。この電波状況の表示については、電波状況情報に基づくものである。
【0101】
また、図10のディスプレイ115の表示において、氏名「国際一郎」の状態の欄には、「未登録」が表示されており、「国際一郎」氏は、自らの状態情報を報知するサービスに登録していないことを示している。
【0102】
また、図10のディスプレイ115の表示において、氏名「出願四郎」の状態の欄には、携帯電話のアイコンと、車のアイコンと、電波状況を示すアイコンと表示されている。これは、移動体通信端末10所持者の状態情報が、自動車等による移動中であることを示しており、かつ、移動体通信端末の着信に対応することができる状態であることを示している。このような状態は所持者の生体情報によれば所持者は緊張状態になく、通話可能であると判定(図4ステップS406)されている場合である。また、「出願四郎」所持の移動体通信端末は電波状況が、あまり良好でないことを示している。この電波状況の表示については、電波状況情報に基づくものである。
【0103】
また、図10のディスプレイ115の表示において、氏名「登録五子」の状態の欄には、携帯電話と矢印のアイコンと、車のアイコンと、電波状況を示すアイコンと表示されている。これは、移動体通信端末10所持者の状態情報が、自動車等による移動中であることを示しており、かつ、移動体通信端末に着信することが非常に望ましい状態であることを示している。このような状態は所持者の生体情報によれば所持者が眠気のある状態で、通話が必要であると判定(図4ステップS404)されている場合である。また、「登録五子」所持の移動体通信端末は電波状況が良好な環境下にあることを示している。この電波状況の表示については、電波状況情報に基づくものである。
【0104】
以上のような構成によれば、移動体通信端末のディスプレイ115で状態情報を表示するので、移動体通信端末所持者が、建物の中にいる状態であるのか、車両により移動中の状態であるのか、電車により移動中の状態であるのか、徒歩により移動中の状態であるのかを把握することができ、連絡をとるタイミングを見計らうことができるようになるので、かけて側は、心理的なストレスを感じることがない。
【0105】
また、所持者が車両を運転して移動中であり、当該所持者が眠気におそわれているような場合に、むしろ会話などによってリフレッシュした方がよいことがあるが、そのような所持者の生体情報を含む状態情報を、電話をかけようとしている移動体通信端末側に送信
することができるようになるので、かけて側としては連絡をとるチャンスを的確に把握することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の実施の形態に係る移動体通信システム全体の概略を示す図である。
【図2】移動体通信端末と通信を行う車載装置のブロック構成の概略を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る移動体通信システムで用いる移動体通信端末100の外観視・ブロック図である。
【図4】移動体通信端末10bの状態を問い合わせるときの移動体通信システムにおけるデータの流れを視覚的に示す図である。
【図5】移動体通信端末10bの状態を問い合わせるときの移動体通信システムにおける処理フローチャートを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る移動体通信システムの移動体通信端末10bにおける処理のフローチャートを示す図である。
【図7】移動体通信システムにおける状態判定処理のサブルーチンのフローチャートを示す図である。
【図8】移動体通信システムにおける生体情報判定処理のサブルーチンのフローチャートを示す図である。
【図9】生体情報判定値の算出のための概念と生体情報判定値算出用点数を示す図である。
【図10】移動体通信端末100のディスプレイ115における状態情報の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0107】
10、10a、10b、10c、10d・・・移動体通信端末、1・・・CPU、2・・・バス、4・・・RAM、5・・・入力操作部、6・・・入力部、8・・・音声制御部、9・・・マイクロフォン、12・・・スピーカ、14・・・表示制御部、15・・・ディスプレイ、16・・・通信制御部、19・・・GPS受信部、20a、20b、20c・・・無線基地局、30・・・基地局制御装置、31・・・地図データベース部、32・・・状態判断部、500・・・通信網、60・・・GPS衛星、100・・・制御処理部、200・・・心拍情報取得部、210、220・・・心拍センサー電極、250・・・発汗情報取得部、260、270・・・電極、400・・・筋電情報取得部、410・・・筋電センサ、420・・・脳波情報取得部、430・・・脳波センサ、440・・・体温情報取得部、450・・・サーモグラフィー、500・・・画像情報取得部、510・・・運転者撮像部、600・・・インターフェイス部、610・・・ディスプレイ・タッチパネル、620・・・スピーカ、630・・・マイクロフォン、700・・・外部通信出力部、710・・・通信インターフェイス部、720・・・車両制御・情報インターフェイス部、800・・・ナビゲーションシステム部、810・・・ナビゲーションシステム、820・・・ナビゲーションシステム用データベース、900・・・記憶部、910・・・走行・動作記録ログ、920・・・個人情報ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体通信端末と、
前記移動体通信端末との間で無線通信を行う無線基地局と、
前記無線基地局と通信を行うと共にこれらを制御する基地局制御装置と、
移動体端末と通信を行うと共に、移動体通信端末の所持者の生体情報を取得する車載装置と、からなる移動体通信システムにおいて、
前記移動体通信端末は、自らの位置情報を取得する位置情報取得手段及び自らの移動速度情報を算出する移動速度情報算出手段と、車載装置から生体情報を取得する生体情報取得手段とを有しており、
前記基地局制御装置は、地図情報が格納される地図データベースと、移動体通信端末の位置情報及び移動速度情報と、生体情報とから移動体通信端末所持者の状態に係る状態情報を判断する状態判断手段と、を有することを特徴とする移動体通信システム。
【請求項2】
前記基地局制御装置は、前記状態判断手段によって判断された状態に係る状態情報を、所定の移動体通信端末に送信するように無線基地局を制御することを特徴とする請求項1に記載の移動体通信システム。
【請求項3】
前記所定の移動体通信端末は送信された状態情報を表示することを特徴とする請求項2に記載の移動体通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−239586(P2009−239586A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−82737(P2008−82737)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】