説明

移動先推奨装置

【課題】ユーザが日常的に利用する各種機器からの情報を用いることにより、ユーザの嗜好をより適切に反映した移動先をユーザに対して推奨する移動先推奨装置を提供する。
【解決手段】TV端末200およびWeb端末300におけるユーザの操作履歴に基づいて、操作履歴に関連する地名およびジャンル名を関連付けてHDD103に記憶させる日常興味情報収集部111と、HDD103に記憶された複数の地名およびジャンル名を解析する日常興味解析部112と、解析の結果に基づいて、ユーザに対し移動先の候補に関する情報を報知すると共に、ユーザによる入力装置104からの入力信号を受信する対話入出力部113と、対話入出力部113が受信した入力信号に基づいて、ユーザに推奨する移動先の選定を行う移動先選定部114と、推奨する移動先をユーザに対し提示する移動先出力部115と、を備える移動先推奨装置100。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動先推奨装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーション装置などを用いてドライブを行う際に、ユーザの嗜好を分析して適切な目的地の候補地をユーザに提示する技術が知られている。例えば特許文献1には、特定の楽曲やテキスト文章などに基づいてドライブの候補地を決定し、ユーザに提示する車載用電子システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−365075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている車載用電子システムは、ドライブプランを作成する際に基準とする情報が走行時のものに限られてしまうので、ユーザの嗜好を適切に反映できないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、所定の電子機器におけるユーザの操作履歴に基づいて、操作履歴に関連する地名およびジャンル名を関連付けて記憶媒体に記憶させる記憶手段と、記憶媒体に記憶された複数の地名およびジャンル名を解析する解析手段と、解析手段による解析の結果に基づいて、ユーザに対し移動先の候補に関する情報を報知する報知手段と、報知手段による報知に応じた、ユーザによる入力装置からの入力信号を受信する受信手段と、受信手段が受信した入力信号に基づいて、ユーザに推奨する移動先の選定を行う選定手段と、選定手段により選定された推奨する移動先をユーザに対し提示する提示手段と、を備えることを特徴とする移動先推奨装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ユーザが日常的に利用する各種機器からの情報を用いることにより、ユーザの嗜好をより適切に反映した移動先をユーザに対して推奨することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1の実施の形態である推奨移動先情報配信システムの構成を示す図である。
【図2】移動先推奨装置100の構成を示すブロック図である。
【図3】日常興味DB116の構成を示す図である。
【図4】キーワードDB117の構成を示す図である。
【図5】制御回路101による収集処理のフローチャートである。
【図6】日常興味解析部112により作成される解析表を示す図である。
【図7】制御回路101による推奨処理のフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施の形態である推奨移動先情報配信システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態である推奨移動先情報配信システムの構成を示す図である。本システムには、テレビ番組を視聴可能なTV端末200と、WWW(World Wide Web)によるウェブサイトの閲覧が可能なWeb端末300と、特定の地名を移動先として推奨する移動先推奨装置100と、が含まれる。TV端末200およびWeb端末300には、可搬記憶媒体107を接続することができる。可搬記憶媒体107は、例えば書き換え可能な半導体記憶媒体である。
【0009】
TV端末200は、可搬記憶媒体107が接続された状態でテレビ番組の視聴が行われると、可搬記憶媒体107へTV視聴履歴201を記憶させる。TV視聴履歴201は、TV端末200により視聴されたテレビ番組を特定するための情報である。本実施形態では、TV視聴履歴201はテレビ番組を視聴した日時および視聴したチャンネルを表す情報である。
【0010】
Web端末300は、可搬記憶媒体107が接続された状態でウェブサイトの検索が行われると、可搬記憶媒体107へ検索履歴301を記憶させる。検索履歴301は、ウェブサイトの検索を行う際にユーザが入力した検索キーワードである。
【0011】
移動先推奨装置100は単体で動作する装置であり、TV端末200およびWeb端末300と同様に、可搬記憶媒体107を接続することができる。TV視聴履歴201および検索履歴301の少なくとも一方が記憶された可搬記憶媒体107を移動先推奨装置100へ接続すると、移動先推奨装置100は可搬記憶媒体107の記憶内容に基づいて日常興味情報を収集する。移動先推奨装置100は、このようにして収集された日常興味情報に基づいて、移動先を推奨する。
【0012】
図2は、移動先推奨装置100の構成を示すブロック図である。移動先推奨装置100は、CPUや主記憶装置等を含む制御回路101と、制御回路101にそれぞれ接続された不揮発性メモリ102、ハードディスクドライブ(HDD)103、入力装置104、可搬記憶媒体インタフェース(I/F)105、表示装置106、および番組情報取得装置108と、から構成される。
【0013】
不揮発性メモリ102は例えばフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。不揮発性メモリ102には、制御回路101のCPUが実行するための制御プログラムが格納されている。HDD103は制御回路101により読み書きが行われる記憶装置である。HDD103には、ジャンル名とキーワード群とを対応付けたキーワードデータベース(DB)117と、都道府県や都市名などの地名が格納された地名DB118と、が予め記憶されている。
【0014】
入力装置104は例えばキーパッドやタッチパネル等の入力装置であり、ユーザの操作に応じて制御回路101へ入力信号を送信する。可搬記憶媒体I/F105は可搬記憶媒体107に記憶されている情報を読み取るためのインタフェースである。制御回路101は可搬記憶媒体I/F105を介して、可搬記憶媒体107からTV視聴履歴201や検索履歴301を読み取ることができる。表示装置106は例えば液晶モニタ等の表示装置である。番組情報取得装置108は、特定の番組の番組情報を、例えばEPG(電子番組ガイド)システムなどを用いて取得する。番組情報取得装置108は、外部から番組情報を受信することにより番組情報を取得してもよいし、予めHDD103などの記憶媒体に格納されている番組情報データベースから特定の番組の番組情報を抽出してもよい。
【0015】
制御回路101は、日常興味情報収集部111、日常興味解析部112、対話入出力部113、移動先選定部114、および移動先出力部115を機能的に備える。これらの各部は、制御回路101内のCPUが、不揮発性メモリ102に格納されている所定の制御プログラムを実行することによりソフトウェア的に実現される。日常興味情報収集部111は更に、番組視聴情報収集部121と、Web検索情報収集部122と、を備える。
【0016】
制御回路101は、ユーザの日常興味情報を収集する処理(以下、収集処理という)と、ユーザに対して移動先を推奨する処理(以下、推奨処理という)と、の2つの処理を実行する。以下、これら2つの処理について順に説明する。
【0017】
(収集処理の説明)
収集処理は、日常興味情報収集部111により実行される。日常興味情報収集部111は、可搬記憶媒体107から読み取ったTV視聴履歴201や検索履歴301に基づいて、HDD103内の日常興味DB116を更新する。
【0018】
図3は、日常興味DB116の構成を示す図である。例えばユーザが1回TV視聴を行うと、可搬記憶媒体107にはTV視聴履歴201が1件書き込まれ、番組視聴情報収集部121により日常興味DB116へレコードが1つ追加される。日常興味DB116の各レコードは、カテゴリID116aと、ジャンル名116bと、キーワード116cと、地名116dと、から構成される。
【0019】
カテゴリID116aは、当該レコード作成の基となったデータを表すIDである。本実施形態では、番組視聴情報収集部121によりTV視聴履歴201から作成されたレコードはカテゴリID116aが「C01」とされる。同様に、Web検索情報収集部122により検索履歴301から作成されたレコードはカテゴリID116aが「C02」とされる。
【0020】
ジャンル名116bはこのレコードが属するジャンルの名称を表し、所定のジャンル名からいずれか1つが選択される。キーワード116cはこのレコードに関連付けられたキーワードである。地名116dはこのレコードに関連付けられた地名である。ここでいう「地名」とは、例えば特定の地点を表す都道府県名や市区町村名の組み合わせであったり、あるいは特定の店名や施設名等である。ジャンル名116b、キーワード116c、および地名116dの取得方法は後に説明する。
【0021】
図4は、キーワードDB117の構成を示す図である。キーワードDB117はWeb検索情報収集部122により、特定の検索キーワードから関連するジャンル名を求めるために用いられる。キーワードDB117には、所定のジャンル名117aとそのジャンル名に対応するキーワード群117bとが予め多数格納されている。キーワードDB117を利用することで、特定のキーワードからそのキーワードと関連するジャンル名を求めることが可能である。
【0022】
図5は、制御回路101による収集処理のフローチャートである。制御回路101が不揮発性メモリ102に格納されている所定の制御プログラムを実行することにより図4の収集処理が実行される。まずステップS510では、日常興味情報収集部111が可搬記憶媒体107に記憶されている各種データの読み取りを行う。ステップS520では、日常興味情報収集部111が可搬記憶媒体107から読み取ったデータの種別を判定する。可搬記憶媒体107から読み取ったデータがTV視聴履歴201であった場合、収集処理はステップS530へ進む。
【0023】
ステップS530では、番組視聴情報収集部121が番組情報取得装置108により、TV視聴履歴201に対応する番組の番組情報を取得する。ステップS540では、番組視聴情報収集部121がステップS530で取得した番組情報から、日常興味DB116へ格納するためのジャンル名116b、キーワード116c、および地名116dを取得する。例えば番組情報取得装置108がEPGシステムを用いて番組情報を取得する場合、番組視聴情報収集部121はEPGデータに含まれる番組のジャンル名をそのまま日常興味DB116におけるジャンル名116bとして取得する。また番組視聴情報収集部121は、形態素解析など公知の技術により、EPGデータに含まれる番組の説明文からキーワードおよび地名を抽出する。
【0024】
番組視聴情報収集部121は、番組の説明文に含まれる特定の語句について、その語句が地名か否かを判断する際、HDD103に格納されている地名DB118(図2)を用いる。すなわち、番組の説明文に含まれていた語句を地名DB118から検索し、地名として地名DB118に格納されているか否かを判断することにより、特定の語句が地名か否かを判断する。
【0025】
その後、収集処理はステップS570に進む。ステップS570では、日常興味情報収集部111が、ステップS540において取得されたジャンル名、キーワードおよび地名を含むレコードを日常興味DB116へ格納する。このとき、カテゴリID116aは「C01」とする。
【0026】
他方、ステップS520において、可搬記憶媒体107から読み取ったデータが検索履歴301であった場合、収集処理はステップS550へ進む。ステップS550では、Web検索情報収集部122は、検索履歴301に含まれている検索キーワードをキーワードDB117のキーワード群117bから検索する。ステップS560では、Web検索情報収集部122は、検索キーワードをキーワード群117bに含むレコードが発見されたか否かを判定する。対応するレコードが発見されなかった場合には、日常興味情報収集部111は日常興味DB116へのレコードの書き込みを行わずに収集処理を終了する。他方、対応するレコードが発見された場合には、収集処理はステップS570に進む。
【0027】
ステップS570では、日常興味情報収集部111が、ステップS550で検索されたキーワードDB117のレコードにおけるジャンル名117aと、検索履歴301に含まれていた検索キーワードと、検索されたWebページに含まれる文章に対し周知の形態素解析処理を適用し抽出された地名と、を含むレコードを日常興味DB116へ格納する。このとき、カテゴリID116aは「C02」とする。
【0028】
なお可搬記憶媒体107に複数種のデータが記憶されていた場合、日常興味情報収集部111はステップS520〜S570の処理をデータ毎に繰り返し実行する。また、ステップS540において、1つのEPGデータから複数のキーワードおよび地名が抽出された場合、日常興味情報収集部111はそれら全てをそれぞれ別々のレコードとして日常興味DB116へ格納する。
【0029】
以上で説明した収集処理は、推奨処理が実行される前に複数回実行してよい。実行する度に、HDD103に格納されている日常興味DB116が更新される。
【0030】
(推奨処理の説明)
推奨処理は、日常興味解析部112、対話入出力部113、移動先選定部114、および移動先出力部115により実行される。まず日常興味解析部112が、HDD103から日常興味DB116を読み出し、内容の解析を行う。
【0031】
図6は、日常興味解析部112により作成される解析表を示す図である。日常興味解析部112は、日常興味DB116において、特定のジャンル名のレコードが何件存在するかを解析し、図6に示す解析表131を作成する。すなわち、図6に示す解析表131のレコードR1は、日常興味DB116において、ジャンル名116bが「スポーツ」であるレコードが12件存在していたことを表す。同様に、レコードR2は、日常興味DB116にジャンル名116bが「情報/ワイドショー」であるレコードが8件存在していたことを表す。
【0032】
日常興味解析部112はその後、解析表131からレコード数131bが最も多い3つのジャンル名131aを抽出する。そして、それらの各ジャンル名131aについて、レコード数131bの比率に応じた数だけ日常興味DB116から特定のジャンル名116bのレコードを最大で10件だけ抽出する。
【0033】
以下、具体的に例を挙げて、日常興味解析部112による上記の処理を説明する。例えば、解析表131における上位3つのジャンル名131aが「スポーツ」、「情報/ワイドショー」、「音楽」であり、当該ジャンル名のレコード数がそれぞれ12件、8件、6件であったとする。このとき日常興味解析部112は、日常興味DB116から、ジャンル名116bが「スポーツ」であるレコードと、「情報/ワイドショー」であるレコードと、「音楽」であるレコードと、をそれぞれ12対8対6の割合で、計10件だけ抽出する。
【0034】
すなわち、ジャンル名116bが「スポーツ」であるレコードは、10×12/(12+8+6)=4.6であるので5件が抽出されることになる。同様に、「情報/ワイドショー」であるレコードは3件、「音楽」であるレコードは2件が抽出されることとなる。
【0035】
なお、日常興味DB116にこれらのジャンル名116bを有するレコードが10件未満しか存在しない場合には、日常興味解析部112はそれら全てのレコードを抽出する。また、例えばジャンル名116bが「スポーツ」であるレコードが5件より多く存在する場合、日常興味解析部112はそれらレコードの中から5つのレコードを無作為に抽出してもよいし、過去に抽出されたことのないレコードを優先的に抽出するようにしてもよい。あるいは、これら以外の基準によりレコードの抽出を行うようにしてもよい。
【0036】
日常興味解析部112は、抽出したレコードにおけるキーワード116cと地名116dとを解析結果として出力する。この解析結果は、対話入出力部113および移動先選定部114に出力される。対話入出力部113は、上記の解析結果に含まれる全ての地名116dと、ユーザに対する質問メッセージと、を表示装置106に表示する。そして、ユーザの操作によって入力装置104から入力される、特定の地名116dを表す入力信号を受信する。
【0037】
対話入出力部113が表示する質問メッセージは、上記の解析結果に含まれるキーワード116cと地名116dとに基づいて、対話入出力部113が生成する。この質問メッセージは、解析結果に含まれる全ての地名116dのうち、ユーザへ推奨する移動先を対話入出力部113が絞り込むためのメッセージである。
【0038】
具体的には、対話入出力部113は解析結果に含まれる全ての地名およびキーワードを列挙すると共に、移動先としたい地名を入力するようユーザに促す質問メッセージを生成する。ユーザは表示装置106に表示されたこの質問メッセージを視認した上で、入力装置104によっていずれかの地名を入力する。これにより、対話入出力部113はいずれかの地名を表す入力信号を受信することとなる。
【0039】
対話入出力部113は、受信した入力信号を移動先選定部114へ出力する。移動先選定部114は、対話入出力部113が出力した入力信号が表す地名を、移動先として推奨する地名として選定する。そして、移動先出力部115が、移動先選定部114により選定された地名を表示装置106に表示することにより、ユーザへ推奨する移動先を提示する。
【0040】
図7は、制御回路101による推奨処理のフローチャートである。制御回路101が不揮発性メモリ102に格納されている所定の制御プログラムを実行することにより図7の推奨処理が実行される。まずステップS710では、日常興味解析部112が、HDD103から日常興味DB116を読み出す。ステップS720では、日常興味解析部112は、ステップS710で読み出した日常興味DB116に基づいて解析表131(図6)を作成する。ステップS730では、日常興味解析部112は、ステップS720で作成した解析表131から、レコード数131bが最も多い上位3件のレコードのジャンル名131aを抽出する。
【0041】
ステップS740では、日常興味解析部112は、日常興味DB116の全レコードのうち、ステップS730で抽出したジャンル名を有するレコードから10件のレコードを抽出する。ステップS750では、日常興味解析部112は、ステップS740で抽出したレコードのキーワード116cおよび地名116dを対話入出力部113および移動先選定部114へ出力する。ステップS760では、対話入出力部113は、表示装置106へ質問メッセージとを表示する。ステップS770では、対話入出力部113は、入力装置104によりユーザが入力した入力信号を受信する。ステップS780では、移動先選定部114が、入力信号が表す地名をユーザへ推奨する移動先として選定する。ステップS790では、移動先出力部115が、表示装置106へ移動先を表示することにより、ユーザへ推奨する移動先を提示する。
【0042】
上述した第1の実施の形態による推奨移動先情報配信システムによれば、次の作用効果が得られる。
(1)日常興味情報収集部111は、TV端末200におけるユーザのTV視聴履歴201と、Web端末300におけるユーザの検索履歴301と、に基づいて、関連する地名およびジャンル名を関連付けて日常興味DB116へ記憶させる。日常興味解析部112は、日常興味DB116に記憶されている複数の地名およびジャンル名を解析し、対話入出力部113は解析の結果に基づいてユーザに対し移動先の候補に関する情報を報知すると共に、ユーザからの入力装置104による入力信号を受信する。そして移動先選定部114が、対話入出力部113が受信した入力信号に基づいて移動先の選定を行い、移動先出力部115が、選定された推奨する移動先をユーザに対し提示する。このようにしたので、車両の運転時に限定されないユーザの嗜好を反映した移動先を、ユーザに対して推奨することが可能となる。
【0043】
(2)日常興味解析部112は、日常興味DB116から抽出したレコードの地名116dと共に、キーワード116cも解析結果として出力する。対話入出力部113は、質問メッセージに地名116dおよびキーワード116cを含める。このようにしたので、ユーザは、報知された移動先がどのようなキーワードと関連する移動先なのかを把握することができ、よりユーザにとって適切な移動先を選択することが可能となる。
【0044】
(第2の実施の形態)
図8は、本発明の第2の実施の形態である推奨移動先情報配信システムの構成を示す図である。なお、図1および図2に示す第1の実施の形態と同一の回路および装置には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0045】
第2の実施の形態に係る移動先推奨装置800’は、第1の実施の形態に係る移動先推奨装置100に加えて、TV視聴部191およびWeb閲覧部192を備える。TV視聴部191は、図1に示すTV端末200と同等のテレビ番組視聴機能を提供する。そして、TV端末200が可搬記憶媒体107に記憶させていたTV視聴履歴201を、可搬記憶媒体107ではなく、HDD103内のTV視聴履歴DB193へ格納する。
【0046】
同様に、Web閲覧部192は、図1に示すWeb端末300と同等のウェブサイト閲覧機能を提供する。そして、Web端末300が可搬記憶媒体107に記憶させていた検索履歴301を、可搬記憶媒体107ではなく、HDD103内の検索履歴DB194へ格納する。
【0047】
移動先推奨装置800の日常興味情報収集部111は、TV視聴履歴201および検索履歴301を可搬記憶媒体107から読み出す代わりに、HDD103内のTV視聴履歴DB193および検索履歴DB194から読み出す。
【0048】
すなわち、本実施形態に係る移動先推奨装置800は、第1の実施の形態に係る移動先推奨装置100がTV端末200やWeb端末300に組み込まれたものであるといえる。
【0049】
上述した第2の実施の形態による推奨移動先情報配信システムによれば、第1の実施の形態による推奨移動先情報配信システムで得られる作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
(1)移動先推奨装置800自身が、TV視聴履歴201や検索履歴301を記憶する動作を行う。このようにしたので、可搬記憶媒体107を持ち運ぶ必要が無くなり、利便性が向上する。
【0050】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
【0051】
(変形例1)
第1の実施の形態では、日常興味情報収集部111は、可搬記憶媒体107を用いてTV視聴履歴201や検索履歴301を取得するように構成していた。また、第2の実施の形態では、HDD103によりTV視聴履歴201や検索履歴301を取得するように構成していた。日常興味情報収集部111は、これら以外の手段により日常興味DB116を記憶するための情報の取得を行ってもよい。例えば、ネットワーク経由でTV視聴履歴201等を受信して、日常興味DB116を記憶するようにしてもよい。また、日常興味DB116が、HDD103ではなく外部の記憶装置に存在するようにし、ネットワーク経由で日常興味DB116への読み書きを行うようにしてもよい。その他、対話入出力部113による質問メッセージおよび入力信号の授受、移動先出力部115による移動先の推奨についても、ネットワーク経由で行うことが可能である。
【0052】
(変形例2)
対話入出力部113が生成する質問メッセージは、地名116dとキーワード116cとを列挙したメッセージでなくてもよい。例えば、質問メッセージがキーワード116cを列挙したものであると共に、ユーザに対しいずれかのキーワード116cの入力を促すようなメッセージであってもよい。この場合、入力装置104からの入力信号は、いずれかのキーワード116cを表す信号である。移動先選定部114は、この入力信号が表すキーワード116cに関連付けられている地名116dを日常興味解析部112による解析結果から検索し、ユーザに推奨する移動先として選定する。
【0053】
(変形例3)
第1の実施の形態および第2の実施の形態で説明した移動先推奨装置の機能を、経路誘導機能を搭載する車載型のナビゲーション装置に組み込んでもよい。この場合、移動先出力部115がユーザに対し提示した移動先が、自動的に経路誘導の目的地に設定されるようにしてもよい。
【0054】
(変形例4)
第1の実施の形態および第2の実施の形態で説明した移動先推奨装置の機能を、ネットワーク経由で車載型のナビゲーション装置と通信可能なサーバ装置に組み込んでもよい。この場合、収集処理および推奨処理は、ナビゲーション装置との情報の授受により行われ、移動先出力部115はナビゲーション装置へ、推奨する移動先の情報を送信する。
【0055】
(変形例5)
対話入出力部113による質問メッセージの表示と、それに対する入力装置104からの入力は、複数回繰り返すようにしてもよい。また、対話入出力部113は、自然言語インタフェース等によりユーザと対話を行うようにしてもよい。
【0056】
(変形例6)
上述した第1の実施の形態および第2の実施の形態では、TV端末200によるTV視聴履歴201と、Web端末300による検索履歴301と、を収集処理の対象としていた。日常興味情報収集部111は、これ以外の電子機器および操作履歴に基づき日常興味DB116を更新してもよい。
【0057】
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
100、800…移動先推奨装置、101…制御回路、102…不揮発性メモリ、103…ハードディスクドライブ、104…入力装置、105…可搬記憶媒体インタフェース、106…表示装置、107…可搬記憶媒体、108…番組情報取得装置、111…日常興味情報収集部、112…日常興味解析部、113…対話入出力部、114…移動先選定部、115…移動先出力部、116…日常興味データベース、117…キーワードデータベース、118…地名データベース、121…番組視聴情報収集部、122…Web検索情報収集部、123…Web購買情報収集部、200…TV端末、201…TV視聴履歴、300…Web端末、301…検索履歴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の電子機器におけるユーザの操作履歴に基づいて、前記操作履歴に関連する地名およびジャンル名を関連付けて記憶媒体に記憶させる記憶手段と、
前記記憶媒体に記憶された複数の地名およびジャンル名を解析する解析手段と、
前記解析手段による解析の結果に基づいて、ユーザに対し移動先の候補に関する情報を報知する報知手段と、
前記報知手段による報知に応じた、ユーザによる入力装置からの入力信号を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記入力信号に基づいて、ユーザに推奨する移動先の選定を行う選定手段と、
前記選定手段により選定された前記推奨する移動先をユーザに対し提示する提示手段と、
を備えることを特徴とする移動先推奨装置。
【請求項2】
請求項1に記載の移動先推奨装置において、
前記選定手段は、前記入力信号が地名を表す信号であった場合には該地名を前記推奨する移動先として選定し、前記入力信号が地名を表す信号ではなかった場合には、前記入力信号に基づいて前記記憶媒体から地名を抽出すると共に該地名を前記推奨する移動先として選定することを特徴とする移動先推奨装置。
【請求項3】
請求項2に記載の移動先推奨装置において
前記記憶手段は、前記記憶媒体へ地名およびジャンル名と共に該地名に関連するキーワードを記憶させ、
前記選定手段は、前記入力信号がキーワードを表す信号であった場合、前記記憶媒体から該キーワードに関連付けられた地名を抽出すると共に、該地名を前記推奨する移動先として選定することを特徴とする移動先推奨装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の移動先推奨装置において、
テレビ番組のジャンル名および説明文を含む番組情報を取得する番組情報取得手段を更に備え、
前記所定の電子機器はテレビ受像器であり、
前記記憶手段は、前記操作履歴がテレビ番組の視聴履歴である場合、前記番組情報の説明文に含まれる地名と、前記番組情報に含まれるジャンル名とを関連付けて前記記憶媒体に記憶させることを特徴とする移動先推奨装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の移動先推奨装置において、
自車両の経路誘導を行う経路誘導手段を更に備え、
前記経路誘導手段は、前記選定手段により選定された前記推奨する移動先へ経路誘導を行うことを特徴とする移動先推奨装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−113393(P2011−113393A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270504(P2009−270504)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】