説明

移動端末グループの追跡

移動端末(110、120、130)より実行される方法は、移動端末グループの追跡パラメータを設定するステップ(420)と、テキスト(440)と移動端末の各々の位置情報メッセージ(430)とを送信するステップと、優先度に基づいてメッセージを表示するステップ(450)と、を含み得る。当該方法は、さらに、移動端末の位置に関するメッセージを自動的に生成するステップを含み得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載されているシステム及び方法は一般に通信装置に関するものであり、より詳しくは、通信装置の位置の追跡に関連するものである。
【背景技術】
【0002】
セルラ電話機のような通信装置の用途はますます広くなってきている。例えば、セルラ電話機は、しばしば、ユーザが自身の位置をモニタ可能な汎地球測位システム(GPS)追跡の機能を含む。ただし現時点では、セルラ電話機や携帯型通信装置に搭載されるGPSは、それら装置自身の位置の追跡に限定されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
ある態様では、方法は、複数の移動端末に対する少なくとも1つの追跡パラメータを設定するステップと、前記複数の移動端末の各々から位置情報を受信するステップと、前記少なくとも1つの追跡パラメータと少なくとも1つの移動端末の位置とに基づいて、前記複数の移動端末の少なくとも1つに関するメッセージを自動的に表示するステップと、を含む。
【0004】
加えて、前記少なくとも1つの追跡パラメータは、距離または領域の少なくとも一方を含む。
【0005】
加えて、前記少なくとも1つの移動端末は第1の移動端末を含んでおり、前記第1の移動端末の位置が前記少なくとも1つの追跡パラメータを越える場合に前記メッセージを生成するステップを更に含む。
【0006】
加えて、前記複数の移動端末の少なくとも1つに関する自動的に表示された前記メッセージは、位置警報、速度警報、加速度警報、見出し警報の少なくとも1つを示すテキストを含む。
【0007】
加えて、複数の移動端末に対する少なくとも1つの追跡パラメータを設定する前記ステップは、前記複数の移動端末に優先メッセージを送信するリーダ移動端末を指定するステップを含む。
【0008】
他の態様では、移動端末が提供される。当該移動端末は、追跡情報を格納するメモリと、ディスプレイと、複数の移動端末の各々の位置に関する位置メッセージを受信し、前記複数の移動端末の各々の位置に関する受信された位置メッセージに基づいて前記複数の移動端末の各々の位置を表示するよう前記ディスプレイを制御するよう構成されたロジックと、を含む。
【0009】
加えて、前記ロジックは、前記複数の移動端末の位置と格納された前記追跡情報とを比較するよう更に構成される。
【0010】
加えて、前記ロジックは、前記複数の移動端末の位置と格納された前記追跡情報との比較に基づいて、前記移動端末の位置に関するテキストメッセージを表示するよう前記ディスプレイを制御するよう更に構成される。
【0011】
加えて、前記ロジックは、前記複数の移動端末からテキストメッセージを受信し、受信された位置メッセージおよびテキストメッセージに関連する優先レベルを決定し、決定された優先レベルに基づいて受信されたメッセージを表示するよう更に構成される。
【0012】
加えて、最高の優先レベルに決定される受信メッセージは緊急メッセージに対応する。
【0013】
他の態様では、方法が提供される。当該方法は、複数の移動端末の各々の位置情報に関する位置メッセージを受信するステップと、前記複数の移動端末の少なくとも1つからテキストメッセージを受信するステップと、前記位置メッセージおよび前記テキストメッセージの各々に対して優先レベルを決定するステップと、最高の優先レベルに決定された受信メッセージを表示するステップと、を含む。
【0014】
加えて、複数のメッセージタイプに関連付けられたメッセージ優先レベルを格納するステップを更に含む。
【0015】
加えて、前記複数のメッセージタイプは、緊急テキストメッセージ、位置警報テキストメッセージ、リーダ・テキストメッセージ、テキストメッセージ、位置メッセージを含む。
【0016】
加えて、前記複数の移動端末の位置に関する追跡パラメータを設定するステップを更に含む。
【0017】
加えて、前記複数の移動端末の1つの位置と前記追跡パラメータとの比較に基づいてテキストメッセージを自動的に生成するステップを更に含む。
【0018】
他の態様では、移動端末が提供される。当該移動端末は、複数のメッセージタイプに関連付けられたメッセージ優先レベルを格納するよう構成されたメモリと、ディスプレイと、第2の移動端末の位置に関する位置メッセージを受信し、第3の移動端末からテキストメッセージを受信し、受信された前記テキストメッセージおよび受信された前記位置メッセージの優先レベルを決定し、受信された前記位置メッセージおよび受信された前記テキストメッセージに関連付けられた決定された優先レベルに基づいて、受信されたメッセージの1つを表示するよう前記ディスプレイを制御するよう構成されたロジックと、を含む。
【0019】
加えて、緊急に関する受信されたテキストメッセージは、最高の優先レベル・メッセージに対応する。
【0020】
加えて、前記メモリは、複数の移動端末の位置に関する追跡パラメータを格納するよう更に構成される。
【0021】
加えて、前記ロジックは、前記移動端末の位置と格納された前記追跡パラメータとを比較するよう更に構成される。
【0022】
加えて、前記ロジックは、前記移動端末の位置と格納された前記追跡パラメータとの前記比較に基づいてテキストメッセージを自動的に生成するよう更に構成される。
【0023】
本願明細書に記載されるシステム及び方法の他の特徴および効果は、以下の詳細な説明により当業者にとって直ちに明らかになる。図示され説明される実施態様は、実施例を実行するために考察される最良の形態を提供する。したがって、図面は、説明のためのものであり限定するものではないことが注意されることになっている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本願明細書に記載の方法およびシステムが実施され得る例示的システムの図である。
【図2】図1における例示的移動端末の図である。
【図3】例示的移動端末を示す図である。
【図4】移動端末による例示的処理を示すフローチャートである。
【図5】メッセージ・レベル優先度を示す図である。
【図6A】移動端末の例示的表示を示す図である。
【図6B】移動端末の例示的表示を示す図である。
【図6C】移動端末の例示的表示を示す図である。
【図6D】移動端末の例示的表示を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
添付の図面において同一の参照番号が指定される要素は、全体にわたって類似の要素を表す。
【0026】
以下の詳細な説明は、添付の図面を参照する。異なる図面における同一の参照番号は、同一または類似の要素を識別する。また、以下の詳細な説明は、本願明細書に記載のシステムおよび方法を限定するものではない。代わりに、システムおよび方法の範囲は、添付の請求の範囲およびその等価の範囲より定義される。
【0027】
図1は、本願明細書に記載される方法および装置が実現される例示的システム100の図である。システム100は、移動端末110、120、130、ネットワーク140、および、GPS衛星150、160、170とを含むかもしれない。システム100が他の個数の移動端末およびGPS衛星を含み得ることは理解されるべきである。例えば、システム100は、移動端末110〜130間の情報を転送する多数の基地局および基地局アンテナを含むかもしれない。
【0028】
本願明細書に記載される方法および装置は、移動端末のコンテキストにおいて実現され得る。本願明細書で使用する用語”移動端末”は複数行ディスプレイを有するセルラ無線電話;データ処理、ファクシミリおよびデータ通信機能と有するセルラ無線電話結合し得るパーソナル通信システム(PCS)端末;無線電話器、ページャ、インターネット/イントラネット・アクセス、ウェブ・ブラウザ、オーガナイザ、カレンダおよび/またはグローバル・ポジショニング・システム(GPS)受信機、ラジオ(AM/FM)受信機)を含み得るパーソナル携帯情報機器(PDA);無線電話トランシーバを含むラップトップおよび/またはパームトップ受信機あるいは他の機器を含み得る。また、移動端末は、ショート・メッセージ・サービス(SMS)・プロトコルまたは音声、データ、音楽および映像の情報の同時通信が可能な他のプロトコルを介して他の機器と通信することが出来る”パーベイシブ・コンピューティング”デバイスを含むかもしれない。
【0029】
ネットワーク140は、携帯電話ネットワーク、衛星ネットワーク、インターネット、公衆交換電話網(PSTN)のような電話交換網、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)またはローカル・エリア・ネットワーク(LAN)を含む1以上のネットワークを含むかもしれない。移動端末110、120、130は、ネットワーク140上で、有線接続、無線接続または光学的接続を介して互いに通信し得る。
【0030】
例示的な実施例において、ネットワーク140は、データおよびメッセージを移動端末110〜130間で転送するために使用される携帯電話ネットワークを含む。例えば、携帯電話ネットワークの構成要素は、近隣の移動端末からのデータを送受信する基地局アンテナ(不図示)を含み得る。また、例えば、携帯電話ネットワークの他の構成要素は、基地局アンテナに接続し、スイッチやルータ(不図示)などの他のデバイスと既知の技術に従って通信する基地局(不図示)を含み得る。
【0031】
GPS衛星150、160、170は、任意の送受信機のようなメカニズム、ソフトウェア・プログラムおよび/またはハードウェアによってGPS信号の送信のような機能の実行が可能となる1以上のプロセッサまたはマイクロプロセッサを含む通信インタフェースを含むかもしれない。GPS衛星150〜170によって送信されるGPS信号は、移動端末110〜130により受信され得、例えば、移動端末110〜130の各々の位置を算出するために用いられ得る。
【0032】
図2は、移動端末110の例示的な構成要素の図である。図2に示すように、移動端末110は、処理ロジック210、記憶部220、ユーザ・インタフェース230、通信インタフェース240、アンテナ・アセンブリ250、および、グループ追跡メモリ260を含みうる。処理ロジック210は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、またはそれに類するものを含み得る。処理ロジック210は、移動端末110および構成要素の制御動作のためのデータ構造またはソフトウェアプログラムを含み得る。記憶部220は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、および/または、処理ロジック210によって使用され得るデータおよび命令を記憶する他の種類のメモリを含み得る。
【0033】
ユーザ・インタフェース230は、移動端末110に情報を入力するためおよび/または情報を移動端末110から出力するためのメカニズムを含み得る。入出力メカニズムの例は、電気信号を受信し音声信号を出力するスピーカ、音声信号を受信し電気信号を出力するマイクロホン、データおよび制御命令の移動端末110への入力を可能にするキーパッド上の制御ボタンおよび/またはキー、および、視覚情報を出力するディスプレイを含み得る。ユーザ・インタフェース230に含まれるこれらの例示的な種類の入出力メカニズムは、図3に更に詳細に示され説明される。
【0034】
通信インタフェース240は、例えば、処理ロジック210からのベースバンド信号を無線周波数(RF)信号に変換する送信機および/またはRF信号をベースバンド信号に変換する受信機を含み得る。あるいは、通信インタフェース240は、送信機および受信機の双方の機能を実行する送受信機を含む。通信インタフェース240は、RF信号の送受信のためのアンテナ・アセンブリ250に接続され得る。また、例えば、通信インタフェース240は、GPS衛星150〜170からGPS信号を受信し処理するよう構成されるかもしれない。アンテナ・アセンブリ250は、RF信号およびGPS信号をエアを介して送受信するための1以上のアンテナを含み得る。アンテナ・アセンブリ250は、通信インタフェース240からRF信号を受信しエアを介してそれらを送信し、また、エアを介してRF信号を受信し通信インタフェース240にそれらを提供し得る。
【0035】
グループ追跡メモリ260は、移動端末110〜130間の距離または領域に関する位置限界を定義する追跡パラメータに関する情報を含み得る。また、例えば、グループ追跡メモリ260は、グループ内の移動端末の識別に関する情報を格納し、また、中間地点またはグループ旅程に関する情報を格納するかもしれない。また、グループ追跡メモリ260は、移動端末110〜130の速度および加速度に関する追跡パラメータを格納するかもしれない。また、グループ追跡メモリ260は、移動端末110により送受信され得るメッセージの優先レベルを格納するかもしれない。グループ追跡メモリ260に格納されるこれらの優先レベルは、例えば、移動端末110に関するメッセージの優先表示を提供するために処理ロジック210によって使用されるかもしれない。
【0036】
以下で詳細に説明するように、移動端末110は、記憶部220のようなコンピュータ可読媒体に含まれるアプリケーションを用いて、移動端末グループの位置信号を算出し表示し送受信するソフトウェア命令を実行する処理ロジック210に応答して動作を実行するかもしれない。コンピュータ可読媒体は、物理的または論理的メモリ素子および/または搬送波として定義され得る。
【0037】
ソフトウェア命令は、他のコンピュータ可読媒体または通信インタフェース240を介して他のデバイスから記憶部220に読み込まれ得る。記憶部220に含まれるソフトウェア命令は、処理ロジック210に後述のプロセスを実行させ得る。あるいは、実施例と整合した方法を実装するために、ソフトウェア命令の代わりまたはソフトウェア命令と結合してハードワイヤード回路が使用されるかもしれない。このように、実施例の原理と整合した実施態様は、特定のハードウェア回路およびソフトウェアの組合せに限定されない。
【0038】
図3は、ハウジング360、キーパッド310、制御キー320、スピーカ330、ディスプレイ340およびマイクロホン350を含み得る例示的な移動端末110を示す図である。ハウジング360は、移動端末110で使用されるデバイスおよび構成要素を保持するように構成された構造を含み得る。例えば、ハウジング360は、プラスチック、金属または混合物により形成され、キーパッド310、制御キー320、スピーカ330、ディスプレイ340、マイクロホン350を支持するように構成され得る。
【0039】
キーパッド310は、移動端末110の動作に使用され得るデバイスおよび/またはロジックを含み得る。更に、キーパッド310は、情報を移動端末110に入力するため、ユーザー入力を直接またはスタイラスのような他のデバイスを介して受信するのに適しているかもしれない。一実施例では、移動端末110の通信機能は、キーパッド310のアクティベート・キーにより制御されるかもしれない。キーの実装は、数、文字、記号のような、当該キーに関連するキー情報を有するかもしれない。ユーザは、発呼のため、数字、命令およびテキストメッセージを移動端末110に入力するためにキーパッド310のキーを操作するかもしれない。キーの指定機能は、ディスプレイ340に表示され得る画像を形成および/または操作するかもしれない。
【0040】
制御キー320は、ディスプレイ340との対話などの特定の動作を実行するためにユーザが移動端末110と対話可能とするボタンを含むかもしれない。例えば、ユーザは、他の移動端末120〜130へのテキストメッセージの送信または受信の選択を含むメニューから選択するために制御キー320を使用するかもしれない。
【0041】
スピーカ330は、移動端末110のユーザに可聴の情報を提供するデバイスを含み得る。スピーカ330は移動端末110上の任意の場所に位置し、例えば、ユーザが移動端末110を使用して通信する際のイヤピースとして機能するかもしれない。また、スピーカ330は、例えば、楽曲再生の出力装置として機能するかもしれないし、緊急時に警報音を生成するかもしれない。
【0042】
ディスプレイ340は、ユーザに視覚映像を提供するデバイスを含み得る。例えば、ディスプレイ表示340は、ユーザに対してテキストを表示するかもしれない。ディスプレイ340は、着信/発信、テキストメッセージ、電話帳、ボリューム設定、その他に関するグラフィック情報を移動端末110のユーザに対して表示するかもしれない。ディスプレイ340の実施例は、液晶ディスプレイ(LCD)のような白黒またはカラーディスプレイとして実装され得る。ディスプレイ340は、グループ内の各々の移動端末の位置を表示するかもしれない。例えば、図3に示されるように、5台の移動端末のグループの4台の移動端末の各々はディスプレイ340上で、数字(1〜4)で表され、グループ内の”リーダ(leader)”移動端末は”L”で表されるかもしれない。また、図6A〜6Dに関して後述するように、ディスプレイ340は、距離スケール、現在の日付/時刻を表示し、テキストメッセージを表示するかもしれない。例えば、ディスプレイ340は、先頭に位置する移動端末1および3、後続の移動端末2、リーダおよび移動端末4を表示する。これによって、各パーティは、グループ内での相対位置および現在の進行方向をすばやく決定することが出来る。
【0043】
マイクロホン350は、音声または他の音響信号を移動端末110用で使用される電気信号に変換するデバイスを含みうる。マイクロホン350は、移動端末110上の任意の場所に位置し、例えば、口頭の語句を移動端末110で使用される電気信号に変換するよう構成されるかもしれない。
【0044】
図4は、移動端末110により実行される例示的な処理400を示している。処理は、移動端末110が電源オンされると開始され、位置および時間パラメータを同期する(動作410)。例えば、移動端末110は、位置および時間パラメータを同期するためにGPS衛星150〜170からの送信信号を受信し始めるかもしれない。例えば、3人のグループ(各人は移動端末110〜130の1つを有する)は、一緒に旅行する予定である場合、移動端末110〜130の各々は計算しそれぞれの位置および時間パラメータに同期するかもしれない(動作410)。更なるパーティが当該グループに含まれうることは理解されるべきである。例えば、この例で2台の他の移動端末と関連するパーティが含まれるかもしれない。
【0045】
一旦移動端末110〜130が同期すると、追跡パラメータがセットされ得る(動作420)。例えば、移動端末110のユーザは、キーパッド310上のキーを使用して、グループ内の移動端末の識別に関するパラメータ、および、移動端末のグループを追跡するために使用される追跡パラメータを入力するかもしれない。追跡パラメータは、例えば、2台の移動端末が非常に近いことを示す距離であり得、または、2台の移動端末が非常に遠く離れている距離であるかもしれない。追跡パラメータの他の実施例は、例えば、領域、速度、加速度または指定されたリーダ移動端末から距離などのグループを維持するために使用される”重力”定数であるかもしれない。追跡パラメータの更なる実施例は、例えば座標または移動端末が午後2時に博物館にいるべきであるという情報などの訪問場所のグループ旅程を含むかもしれない。
【0046】
例えば、移動端末110〜130のユーザがハイキングに行く予定の場合、100メートルという追跡パラメータが移動端末110に入力され得る(動作420)。例えば、移動端末110〜130のユーザが国内を横断ドライブを計画している場合、動作420で入力される追跡パラメータは10マイルであるかもしれない。動作420で入力される追跡パラメータは、移動端末110〜130のいずれかが非常に遠く離れた場合または近すぎる場合の警告に使用され、適切なメッセージが生成され、後述するように表示されるかもしれない。例えば、移動端末の速度または加速度の最大値が、追跡パラメータ(動作420)としてセットされるかもしれない。動作420で入力される他の典型的な追跡パラメータは、”リーダ”移動端末の指定であり、当該指定されたリーダ移動端末への/からのメッセージは後述するように優先されるかもしれない。
【0047】
例えば、グループ内の各々の移動端末が同期し追跡パラメータが入力された(動作410および420)後、移動端末110は位置メッセージの送受信を開始するかもしれない(動作430)。例えば、GPS衛星150〜170からの受信信号を使用して、移動端末110は、自身の位置を算出し、グループ内の他の移動端末(120〜130)に位置メッセージを送信する(動作430)かもしれない。同様に、移動端末120〜130も、自身の場所を算出しそれらの位置メッセージを所定のグループの他の移動端末に送信するかもしれない。後述するように、移動端末間で送信される位置メッセージは、グループ追跡メモリ260に含まれる格納済のメッセージ優先レベルに基づいて決定された優先度を有するかもしれない。
【0048】
また、例えば、移動端末110はGPS衛星150〜170からの受信信号を使用して自身の位置を算出し、算出した位置をグループ追跡メモリ260に格納された追跡パラメータと比較するかもしれない。例えば、移動端末110は、算出した位置が追跡パラメータを越えるかもしれないと判定するかもしれない。移動端末110が追跡パラメータを越えたかもしれないという判定に応答して、警告メッセージが生成されるかもしれない(動作430)。例えば、警告メッセージは、移動端末の1台があまりに高速に移動していることを示すかもしれない。他の警告メッセージは、移動端末の1台がグループの遥か後方にある、間違った方向に向いている、または、1台の移動端末が指定の時間に適切な場所にいないことを示すかもしれない。
【0049】
例えば、移動端末110〜130は、ネットワーク140を用いて相互にテキストメッセージを送受信するかもしれない(動作440)。例えば、移動端末110のユーザは、キーパッド310上のキーを使用して、移動端末120にテキストメッセージを入力するかもしれない。
【0050】
ディスプレイ340を用いて、移動端末110は優先レベルに基づいて位置メッセージおよびテキストメッセージを表示するかもしれない(動作450)。例えば、移動端末(110〜130)のグループは、相互に位置およびテキストメッセージを送受信するかもしれない。ここで、送信/受信された全メッセージは当該メッセージと関連する優先レベルを含んでいる。後述するように、最優先の受信メッセージは、例えばグループ追跡メモリ260に格納されたメッセージ優先レベルに基づいて表示されるかもしれない 。
【0051】
図5は、グループ追跡メモリ260に格納され得る例示的なメッセージ優先レベルを示している。この例では、最優先メッセージ(レベル1)は、移動端末110からの911タイプの発信のような緊急メッセージであるかもしれない。例えば、移動端末110のユーザが911をダイヤルするためにキーパッド310を使用する場合、”助けて!”のようなレベル1の優先メッセージがグループ内の他の移動端末により受信され表示されるかもしれない。レベル2の優先メッセージは、自動的に生成された位置警報テキストメッセージであるかもしれない。自動的に生成された位置警報テキストメッセージ(レベル2の優先メッセージ)は、例えば、移動端末の位置、速度および/または加速度をグループ追跡メモリ260に格納された追跡パラメータと比較することによって生成され得る。例えば、移動端末110が他の移動端末からあまりに遠く離れているまたはあまりに近くにいる場合、レベル2の位置警告メッセージが生成され得る。また、位置警告メッセージ(レベル2)は、例えばあまりに高速に移動している移動端末に応答して生成されるかもしれない。レベル3の優先メッセージは、指定されたリーダ移動端末からのテキストメッセージであるかもしれない。レベル4の優先メッセージは、ある移動端末からグループ内の他の移動端末へのテキストメッセージであるかもしれない。レベル5の優先メッセージは、グループ内の他の移動端末へ/から転送される位置メッセージであるかもしれない。任意の数の優先レベルがあり得、優先レベルのカテゴリが所望のものによって変化し得る事は理解されるべきである。
【0052】
図5に示されるようなこれらの例示的なメッセージを用いて、最優先の受信メッセージをディスプレイ340に表示するよう制御する(動作450)ために処理ロジック210およびグループ追跡メモリ260が利用されうる。例えば、最高の優先レベルを有する受信メッセージは、より下位の優先度のメッセージの先立って表示されるかもしれない。
【0053】
例えば、移動端末110は、図3に示すように、グループ内の全ての移動端末の位置を表示するかもしれない。例えば、移動端末110(パーティ#4)がリーダ移動端末から遥か後方に移動した場合、算出された自身の位置と格納された追跡パラメータを比較することにより、自動位置警告メッセージが生成され、図6Aに示されるように、移動端末110(パーティ#4)上に表示されるかもしれない。この例では、表示されたメッセージ”パーティ#4 スピードを上げて下さい!”は、レベル2の優先メッセージであるかもしれない。この例示的な優先度レベル2のメッセージは、(図3に示されるような)グループ内の移動端末の位置に関連するレベル5の優先メッセージの表示に対し優先され得る。このように、移動端末110(パーティ#4)のユーザは、リーダ移動端末に対する相対位置と関連した警戒情報を与えられる。また、位置警告メッセージは、付加的な情報を含むかもしれない。例えば、位置警告メッセージは、移動端末110がどの程度遅れているかを示す距離パラメータを含むかもしれない。例えば、位置警告メッセージは、移動端末110が他の移動端末のグループから300メートル後方にいることを示すかもしれない。加えて、メッセージは、”パーティ#4”を指定するのではなく、移動端末110のパーティの名前である名前情報を含むかもしれない。
【0054】
例えば、移動端末120は、移動端末130からテキストメッセージ(レベル4の優先度)を受信し、移動端末110から緊急メッセージが送信される場合、このレベル1の優先メッセージは、図6Bに示すようにディスプレイ340に表示され得る。例えば、移動端末110のユーザは、グループでのハイキングで負傷し、医療緊急の911にダイヤルするかもしれない。この例では、レベル4の優先メッセージ(移動端末130から移動端末120へのテキストメッセージ)は、レベル1優先度の緊急メッセージ”緊急! 911に電話”が表示されるまで、移動端末120には表示されないかもしれない。この例示的実施形態では、所定グループの全ての移動端末は、緊急メッセージを受信し表示する(動作440および450)かもしれない。例えば、処理ロジック210は、移動端末110のユーザにより入力された、”助けて”、”緊急”または”911”のいずれかの語句を含み得る任意のテキストメッセージにレベル1の優先度を付与するかもしれない。また、例えば、処理ロジック210は、移動端末のユーザが911にダイヤルする場合、レベル1優先度をメッセージに付与するかもしれない。例えば、グループ追跡メモリ260は、全てのレベル1の優先メッセージをグループ内の他の全ての移動端末に発信するようにという指示を含む情報を格納するかもしれない。例えば、レベル1優先メッセージは、それから、グループ内の全ての移動端末により受信され、表示されるかもしれない。
【0055】
他の例示的なメッセージを図6Cに示す。この例において、指定されたリーダ移動端末からメッセージ”私たちは全員帰宅すべきです”は、グループ内の各々の移動端末に送信され表示されるかもしれない(動作440および450)。この例では、リーダ移動端末からのメッセージは、レベル3の優先メッセージであり、レベル4またはレベル5の優先メッセージに先立って表示され得る(動作450)。他の実施態様において、リーダ移動端末は、例えば、先導役(lead)をグループ内の他の移動端末へ移譲するレベル3のメッセージを送信するかもしれない。
【0056】
更なる例示的なメッセージが図6Dに示される。この例では、”あなたは、午後2時に博物館で会う予定に5分遅れています”というメッセージが移動端末110に表示される。この例では、移動端末110のユーザは、例えば、特定の時刻(午後2時)に特定の場所(博物館)で会うことに関する情報に対して、ワシントンD.C.の見学と関連する追跡パラメータを入力したかもしれない。この実施例では、移動端末110の時刻及び位置と格納された追跡パラメータとの比較に基づいて、位置警告メッセージ(レベル2の優先度)は移動端末110により自動的に生成され(動作430)表示される(動作450)。この例では、午後2時05分であり、移動端末110の位置が博物館の位置にいないと判定される。この判定に応答して、図6Dに示される例示的なメッセージが表示され得る。一方、移動端末110の位置が午後2時に博物館にあると判定された場合、位置警告メッセージは生成されないかもしれない。更なる実施例において、移動端末110の位置とグループ追跡メモリ260に格納された追跡パラメータとの比較に基づいて移動端末110が追跡から外れているとの判定に応答して、レベル2の位置警告メッセージがまた送信されリーダ移動端末に表示されるかもしれない。例えば移動端末110が”パーティ#5”と識別された場合、テキストメッセージ”パーティ#5 はここにいない”がリーダ移動端末に表示されるかもしれない。リーダ移動端末は、それから、例えば、”パーティ#5”が予定の場所にいない理由を問い合わせるための、パーティ#5へのテキストメッセージ(レベル3優先度)の送信を要求するかもしれない。
【0057】
移動端末110が、現在、優先レベル1〜4のメッセージを何も受信していない場合、図3に示すような位置メッセージ表示が表示されるかもしれない。移動端末の位置の表示(レベル5)は、より高い優先メッセージ(レベル1〜4)が受信される場合に変更されるデフォルト表示と見なせるかもしれない。このように、メッセージ(テキストまたは位置)が移動端末110により受信される場合に、当該メッセージの優先度が決定され得る。従って、移動端末のグループの追跡についての最高の優先度および重要性を有するメッセージが表示され得る。
【0058】
<結論>
本願明細書に記載されるシステムおよび方法と整合した実施態様により、移動端末のユーザは優先メッセージを送受信することが可能となる。これらのメッセージは、グループ内の他の移動端末に対するある移動端末の相対的な位置に関連するかもしれない。これにより移動端末の能力は非常に強化される。
【0059】
上述の実施例の説明は、図および説明を提供しているが、本発明を、開示される正確な形に限定することを意図するものではない。上述の教示を考慮した、または、本発明の実行から得られる修正および変更が可能である。
【0060】
例えば、ネットワーク上で通信しGPS機能を使用する移動端末のコンテキストについて記載されている。実施形態は、他のデバイス、システムおよび/またはネットワークで実施され得る。
【0061】
さらに、図4に関して、一連の動作が記載されているが、その動作の順序は他の実施態様において変更され得る。さらに、非依存の動作は平行して実行されるかもしれない。
【0062】
また、上述したような実施態様の側面がセルラ通信装置/システム、方法および/またはコンピュータ・プログラム製品により実現され得ることは当業者にとって明らかである。したがって、実施態様は、ハードウェアおよび/またはソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード、その他を含む)で表現されるかもしれない。さらにまた、実施態様は、命令実行システム用によりまたは関連した媒体として実現されるコンピュータ使用可能またはコンピュータ可読のプログラムコードを有するコンピュータ使用可能またはコンピュータ可読の記憶媒体上のコンピュータ・プログラム製品という形をとるかもしれない。実施形態の側面を実装する実際のソフトウェアコードまたは専用制御ハードウェアは、記載されているシステム及び方法に制限されない。このように、側面の動作および挙動は特定ソフトウェアコードを参照すること無く説明され、当業者は、本願明細書の説明に基づいてその側面を実現するためにソフトウェア及び制御ハードウェアを設計し得ることは理解されるべきである。
【0063】
更に、実施態様の各部は1以上の機能を実行する”ロジック”として実現されるかもしれない。当該ロジックは、例えばプロセッサ、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路またはフィールド・プログラマブル・ゲートアレイのようなハードウェア、ソフトウェア、または、ハードウェアおよびソフトウェアの組合せを含むかもしれない。
【0064】
本明細書において用語”含む/含んでいる(comprises/comprising)”が使用される場合、説明した特徴、数値、工程または要素の存在を特定するのに使用されるが、1以上の他の特徴、数値、工程、要素またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことは強調されるべきである。
【0065】
明示的に記載されていない限り、本願明細書の要素、動作または命令は、本発明にとって重要または本質的なものとして解釈されるべきではない。また、本明細書において、冠詞”a”が使用される場合、1以上の部材を含むことを意図する。1つの部材だけが意図される場合、用語”one”または類似した言い回しが用いられる。更に、句”に基づく(based on)”は、明示的に述べられない限り”少なくとも部分的に基づく(based, at least in part, on)”を意味する。
【0066】
本願明細書に記載のシステムおよび方法の範囲は、特許請求の範囲及びその等価の範囲により定義される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の移動端末に対する少なくとも1つの追跡パラメータを設定するステップと、
前記複数の移動端末の各々から位置情報を受信するステップと、
前記少なくとも1つの追跡パラメータと少なくとも1つの移動端末の位置とに基づいて、前記複数の移動端末の少なくとも1つに関するメッセージを自動的に表示するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの追跡パラメータは、距離または領域の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの移動端末は第1の移動端末を含んでおり、
前記第1の移動端末の位置が前記少なくとも1つの追跡パラメータを越える場合に前記メッセージを生成するステップを更に含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の移動端末の少なくとも1つに関する自動的に表示された前記メッセージは、位置警報、速度警報、加速度警報、見出し警報の少なくとも1つを示すテキストを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
複数の移動端末に対する少なくとも1つの追跡パラメータを設定する前記ステップは、前記複数の移動端末に優先メッセージを送信するリーダ移動端末を指定するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
追跡情報を格納するメモリと、
ディスプレイと、
複数の移動端末の各々の位置に関する位置メッセージを受信し、前記複数の移動端末の各々の位置に関する受信された位置メッセージに基づいて前記複数の移動端末の各々の位置を表示するよう前記ディスプレイを制御するよう構成されたロジックと、
を含むことを特徴とする移動端末。
【請求項7】
前記ロジックは、前記複数の移動端末の位置と格納された前記追跡情報とを比較するよう更に構成されることを特徴とする請求項6に記載の移動端末。
【請求項8】
前記ロジックは、前記複数の移動端末の位置と格納された前記追跡情報との比較に基づいて、前記移動端末の位置に関するテキストメッセージを表示するよう前記ディスプレイを制御するよう更に構成されることを特徴とする請求項6に記載の移動端末。
【請求項9】
前記ロジックは、
前記複数の移動端末からテキストメッセージを受信し、
受信された位置メッセージおよびテキストメッセージに関連する優先レベルを決定し、
決定された優先レベルに基づいて受信されたメッセージを表示する
よう更に構成されることを特徴とする請求項6に記載の移動端末。
【請求項10】
最高の優先レベルに決定される受信メッセージは緊急メッセージに対応することを特徴とする請求項9に記載の移動端末。
【請求項11】
複数の移動端末の各々の位置情報に関する位置メッセージを受信するステップと、
前記複数の移動端末の少なくとも1つからテキストメッセージを受信するステップと、
前記位置メッセージおよび前記テキストメッセージの各々に対して優先レベルを決定するステップと、
最高の優先レベルに決定された受信メッセージを表示するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
複数のメッセージタイプに関連付けられたメッセージ優先レベルを格納するステップを更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のメッセージタイプは、緊急テキストメッセージ、位置警報テキストメッセージ、リーダ・テキストメッセージ、テキストメッセージ、位置メッセージを含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の移動端末の位置に関する追跡パラメータを設定するステップを更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の移動端末の1つの位置と前記追跡パラメータとの比較に基づいてテキストメッセージを自動的に生成するステップを更に含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
複数のメッセージタイプに関連付けられたメッセージ優先レベルを格納するよう構成されたメモリと、
ディスプレイと、
第2の移動端末の位置に関する位置メッセージを受信し、第3の移動端末からテキストメッセージを受信し、受信された前記テキストメッセージおよび受信された前記位置メッセージの優先レベルを決定し、受信された前記位置メッセージおよび受信された前記テキストメッセージに関連付けられた決定された優先レベルに基づいて、受信されたメッセージの1つを表示するよう前記ディスプレイを制御するよう構成されたロジックと、
を含むことを特徴とする移動端末。
【請求項17】
緊急に関する受信されたテキストメッセージは、最高の優先レベル・メッセージに対応することを特徴とする請求項16に記載の移動端末。
【請求項18】
前記メモリは、複数の移動端末の位置に関する追跡パラメータを格納するよう更に構成されることを特徴とする請求項16に記載の移動端末。
【請求項19】
前記ロジックは、前記移動端末の位置と格納された前記追跡パラメータとを比較するよう更に構成されることを特徴とする請求項18に記載の移動端末。
【請求項20】
前記ロジックは、前記移動端末の位置と格納された前記追跡パラメータとの前記比較に基づいてテキストメッセージを自動的に生成するよう更に構成されることを特徴とする請求項19に記載の移動端末。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図6C】
image rotate

【図6D】
image rotate


【公表番号】特表2010−507931(P2010−507931A)
【公表日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−532919(P2009−532919)
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【国際出願番号】PCT/IB2007/051485
【国際公開番号】WO2008/050243
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】