説明

移動端末機及びその製造方法

【課題】近距離無線通信に関して新しい構造を有しながらも移動端末機のスリムなデザインが維持されるNFCアンテナ、及びそれを備える移動端末機を提供し、また、移動端末機にNFCアンテナをより容易に設置することのできる移動端末機の製造方法を提供する。
【解決手段】移動端末機は、一面に所定の領域を備えるベース210、及び一面から突出する複数の突出部220を備える端末機本体と、複数の突出部220の各突出部に巻回され、各突出部から少なくとも1つの隣接する突出部に向かって所定の領域の縁部に沿って延び、所定の領域の縁部に対応するループを形成するアンテナコイル230とを含み、複数の突出部220は、所定の領域の縁部に沿って離隔して配置され、アンテナコイル230は、近距離無線通信(NFC)に関する無線信号を送信又は受信するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近距離無線通信(Near Field Communication; NFC)が可能な移動端末機及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動端末機は、携帯が可能であり、かつ音声通話及びテレビ電話機能、情報入出力機能、並びにデータ保存機能などを少なくとも1つ備えた携帯用電子機器である。
移動端末機は、機能が多様化することにより、例えば写真や動画像の撮影、音楽や動画像ファイルの再生、ゲーム、放送受信などの複雑な機能を備えたマルチメディア機器の形で実現されている。
【0003】
マルチメディア機器の複雑な機能を実現するために、ハードウェア又はソフトウェアの面で新しい様々な試みがなされている。一例として、ユーザに機能を容易かつ便利に検索又は選択させるためのユーザインタフェース環境が提供されている。
【0004】
これらの試みに加えて、ハードウェアなどの機能をより改善することが考えられる。このような改善案にはユーザが移動端末機をより便利に使用するための構造的な変化や改良が含まれる。その構造的な変化や改良の1つとして、移動端末機で近距離無線通信を実現するNFCアンテナが考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、近距離無線通信に関して新しい構造を有しながらも移動端末機のスリムなデザインが維持されるNFCアンテナ、及びそれを備える移動端末機を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、移動端末機にNFCアンテナをより容易に設置することのできる移動端末機の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態による移動端末機は、一面に所定の領域を備えるベース、及び一面から突出する複数の突出部を備える端末機本体と、複数の突出部の各突出部に巻回され、各突出部から少なくとも1つの隣接する突出部に向かって所定の領域の縁部に沿って延び、所定の領域の縁部に対応するループを形成するアンテナコイルとを含み、複数の突出部は、所定の領域の縁部に沿って離隔して配置され、アンテナコイルは、近距離無線通信(NFC)に関する無線信号を送信又は受信するように構成される。
【0008】
本発明の一態様によれば、アンテナコイルは、複数の突出部のうち第1の突出部に数回巻回されて固定される第1の端部と、複数の突出部のうち第2の突出部から第n−1の突出部まで順次巻回される中間部と、複数の突出部のうち第1の突出部に隣接する第nの突出部に数回巻回されて固定される第2の端部とを含み、第1の端部と第2の端部とが隣接して配置される。
【0009】
第1の突出部及び第nの突出部には、それぞれベースの一面から離隔した位置に溝が形成されてもよく、アンテナコイルは、第1の突出部の溝に挿入されて第1の突出部の外周面に沿って巻回され、第nの突出部の溝に挿入されて第nの突出部の外周面に沿って巻回されるように構成されてもよい。
【0010】
移動端末機は、ベースの一面から所定間隔離隔して配置され、ベースの一面との間に空間を形成するプリント基板(PCB)と、第1の突出部に隣接して配置され、アンテナコイルの第1の端部をプリント基板に電気的に接続するように構成される第1の接続端子と、第nの突出部に隣接して配置され、アンテナコイルの第2の端部をプリント基板に電気的に接続するように構成される第2の接続端子とをさらに含んでもよい。
【0011】
第1の接続端子は、ベースの一面上に配置されて第1の突出部を囲むように形成され、第2の接続端子は、ベースの一面上に配置されて第nの突出部を囲むように形成されてもよい。あるいは、第1の接続端子は、第1の突出部の外周面を囲むように形成され、第2の接続端子は、第nの突出部の外周面を囲むように形成されてもよい。
【0012】
本発明の他の態様によれば、複数の突出部の少なくとも1つの突出部は、ベースの一面から突出する軸部と、ベースの一面から離隔した、軸部の端部から放射状に突出し、ベースの一面との間にアンテナコイルを収容するように構成される離脱防止部とを含む。
【0013】
本発明のさらに他の態様によれば、ベースは、バッテリを収容するように一面がリセスされて形成され、所定の領域に対応するバッテリ収容部を備え、アンテナコイルは、バッテリ収容部を囲むように形成される。
【0014】
移動端末機は、ベースの一面から突出してバッテリと複数の突出部との間に位置する壁をさらに含み、壁は、複数の突出部との間に空間を形成するように複数の突出部から離隔して配置され、アンテナコイルは、空間に収容されてもよい。
【0015】
移動端末機は、アンテナコイルが空間に収容されるように、空間を覆うように配置される少なくとも1つの離脱防止部をさらに含んでもよい。離脱防止部は、複数の突出部の少なくとも1つの突出部が溶融されて空間を覆うように形成されてもよい。
【0016】
移動端末機は、バッテリ収容部に隣接して配置され、遠距離無線通信に関する無線信号を送信又は受信するように構成されるメインアンテナと、メインアンテナとアンテナコイルとの間に突設され、メインアンテナとアンテナコイルとの間のEMI(Electro Magnetic Interference)を遮断するように構成される遮断壁とをさらに含んでもよい。
【0017】
遮断壁の少なくとも一面には、無線信号のノイズを除去し、導電体により発生する磁束に対する干渉を制限するように形成されるフェライトシートが貼り付けられてもよい。また、遮断壁は、端末機本体の幅方向及び長手方向の少なくとも一方向に延設されてもよい。
【0018】
移動端末機は、ベースの所定の領域に設けられる電子素子をさらに含んでもよい。
【0019】
上記目的を達成するために、本発明の他の実施形態による移動端末機は、視覚情報を出力するように構成されるディスプレイを備える端末機本体と、端末機本体に備えられ、ディスプレイを囲むように形成されるベゼル部を備えるベースと、ベゼル部の外側面に巻回され、近距離無線通信(NFC)に関する無線信号を送信又は受信するように構成されるアンテナコイルとを含む。
【0020】
移動端末機は、ベゼル部の外側面に結合されてアンテナコイルを支持するように構成される支持ユニットをさらに含んでもよい。
【0021】
支持ユニットは、ベースと共にアンテナコイルを覆って収容するように構成されてもよい。
【0022】
支持ユニットには、無線信号のノイズを除去し、導電体により発生する磁束に対する干渉を制限するように形成されるフェライトシートが貼り付けられてもよい。
【0023】
そして、上記目的を達成するために、本発明は、端末機本体のベースの一面上の所定の領域の縁部に沿って離隔して配置される複数の突出部を形成する段階と、アンテナコイルの第1の端部を複数の突出部のうち第1の突出部に数回巻回して固定する段階と、アンテナコイルの中間部を複数の突出部のうち第2の突出部から第n−1の突出部まで順次巻回する段階と、アンテナコイルの第2の端部を複数の突出部のうち第nの突出部に数回巻回して固定する段階と、ベースの一面から離隔した、複数の突出部の少なくとも1つの端部を溶融して放射状に突出する離脱防止部を形成し、ベースの一面と離脱防止部との間にアンテナコイルを収容する段階とを含み、第nの突出部が第1の突出部に隣接して配置され、アンテナコイルが所定の領域の縁部に沿ってループを形成する、移動端末機の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、ベースに備えられる所定領域の縁部に沿って複数の突出部が離隔して配置され、アンテナコイルが複数の突出部に沿って巻回されて縁部を囲むループを形成することにより、近距離無線通信を実現する。
【0025】
構造は、端末機本体の空間、例えばバッテリ収容部、プリント基板、ベゼル部などの縁部に適用することができ、構造によれば、移動端末機のスリムなデザインを維持することができる。
【0026】
また、複数の突出部を用いてアンテナコイルを自動で巻回することができ、アンテナコイルの離脱を防止する構造を備えることにより、組立性及び締結構造の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態による移動端末機の構成を示すブロック図である。
【図2A】本発明による移動端末機の一例を示す前面斜視図である。
【図2B】図2Aの移動端末機の背面斜視図である。
【図3】図2Aの移動端末機の分解斜視図である。
【図4】図3のA部分の断面図である。
【図5】図3のB部分の拡大図である。
【図6】本発明による移動端末機の他の例を示す平面図である。
【図7】図6のC−C線拡大断面図である。
【図8】図6の複数の突出部に溶融タップを加圧して溶融することを示す概念図である。
【図9】図6の複数の突出部に溶融タップを加圧して溶融することを示す概念図である。
【図10】図6のアンテナコイルとメインアンテナとの間に配置される遮断壁を示す斜視図である。
【図11】本発明による移動端末機のさらに他の例を示す概念図である。
【図12】本発明による移動端末機のさらに他の例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明による移動端末機及びその製造方法について添付図面を参照して詳細に説明する。以下の説明で用いられる構成要素の接尾辞である「モジュール」及び「部」は、明細書の作成を容易にするために付与又は混用されるものであり、それ自体が有意性や有用性を有するものではない。
【0029】
本明細書で説明される移動端末機には、携帯電話、スマートフォン、ノートブックコンピュータ、デジタル放送端末機、携帯情報端末(Personal Digital Assistants; PDA)、ポータブルマルチメディアプレーヤ(Portable Multimedia Player; PMP)、ナビゲーションなどが含まれる。
【0030】
図1は本発明の一実施形態による移動端末機の構成を示すブロック図である。
移動端末機100は、無線通信部110、A/V(Audio/Video)入力部120、ユーザ入力部130、感知部140、出力部150、メモリ160、インタフェース部170、制御部180、電源供給部190などを含む。図1に示す全ての構成要素が必須構成要素であるわけではなく、本発明による移動端末機は、図示の構成要素よりも多い構成要素で実現してもよく、それより少ない構成要素で実現してもよい。
【0031】
以下、移動端末機100の構成要素について順次説明する。
無線通信部110は、移動端末機100と無線通信システム間の無線通信、又は移動端末機100と移動端末機100の位置するネットワーク間の無線通信を可能にする少なくとも1つのモジュールを含んでもよい。例えば、無線通信部110は、放送受信モジュール111、移動通信モジュール112、無線インターネットモジュール113、近距離通信モジュール114、位置情報モジュール115などを含んでもよい。
【0032】
放送受信モジュール111は、放送チャネルを介して、外部の放送管理サーバから放送信号及び/若しくは放送関連情報を受信する。
【0033】
放送チャネルは、衛星チャネル及び地上波チャネルを含んでもよい。放送管理サーバは、放送信号及び/若しくは放送関連情報を生成して送信するサーバ、又は既に生成されて提供された放送信号及び/若しくは放送関連情報を送信するサーバを含む。
【0034】
放送信号は、テレビ放送信号、ラジオ放送信号、データ放送信号を含むだけでなく、テレビ放送信号又はラジオ放送信号にデータ放送信号が結合した形態の放送信号も含む。
【0035】
放送関連情報は、放送チャネル、放送番組、又は放送サービスプロバイダに関する情報を含む。放送関連情報は、移動通信網を介して提供することもでき、この場合、移動通信モジュール112により受信することができる。
【0036】
放送関連情報は様々な形態で存在する。例えば、DMB(Digital Multimedia Broadcasting)のEPG(Electronic Program Guide)、又はDVB−H(Digital Video Broadcast-Handheld)のESG(Electronic Service Guide)などの形態で存在する。
【0037】
放送受信モジュール111は、例えばDMB−T(Digital Multimedia Broadcasting-Terrestrial)、DMB−S(Digital Multimedia Broadcasting-Satellite)、MediaFLO(Media Forward Link Only)、DVB−H、ISDB−T(Integrated Services Digital Broadcast-Terrestrial)などのデジタル放送システムを利用してデジタル放送信号を受信することができる。もちろん、放送受信モジュール111は、前述したデジタル放送システムだけでなく、他の放送システムに適合するように構成してもよい。
【0038】
放送受信モジュール111により受信された放送信号及び/若しくは放送関連情報は、メモリ160に保存することができる。
【0039】
移動通信モジュール112は、移動通信網上で基地局、外部の端末、サーバの少なくとも1つと無線信号を送受信する。無線信号は、音声呼信号、テレビ電話呼信号、又はSMS/MMSメッセージの送受信による様々な形態のデータを含む。
【0040】
無線インターネットモジュール113は、無線インターネットの接続のためのモジュールであり、移動端末機100に内蔵されるか又は外付けされる。無線インターネット技術としては、WLAN(Wireless LAN)、Wi−Fi(Wireless Fidelity)、Wibro(Wireless Broadband)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)などを用いることができる。
【0041】
近距離通信モジュール114は近距離通信のためのモジュールである。近距離通信技術としては、ブルートゥース、RFID(Radio Frequency Identification)、IrDA(Infrared Data Association)、UWB(Ultra Wideband)、ZigBeeなどを用いることができる。
【0042】
位置情報モジュール115は、移動端末機100の位置を取得するためのモジュールであり、代表的な例としては、GPS(Global Position System)モジュールがある。
【0043】
A/V入力部120は、オーディオ信号又はビデオ信号の入力のためのものであり、カメラ121やマイク122などを含む。カメラ121は、テレビ電話モード又は撮影モードでイメージセンサにより得られる静止画像又は動画像などの画像フレームを処理する。
【0044】
そして、カメラ121で処理された画像フレームは、ディスプレイモジュール151に表示することができる。また、カメラ121で処理された画像フレームは、メモリ160に保存し、又は、無線通信部110により外部に伝送することもできる。カメラ121は、使用環境に応じて2つ以上備えてもよい。
【0045】
マイク122は、通話モード、録音モード、又は音声認識モードなどで、マイク122に入力された外部の音響信号を電気的な音声データに処理する。そして、マイク122で処理された音声データは、通話モードの場合、移動通信モジュール112により移動通信基地局に送信可能な形態に変換して出力することができる。マイク122には、外部の音響信号が入力される過程で発生するノイズを除去するための様々なノイズ除去アルゴリズムが実現される。
【0046】
ユーザ入力部130は、ユーザにより端末機の動作制御のための入力データを発生する。ユーザ入力部130は、キーパッド、ドームスイッチ、タッチパッド(静圧/静電)、ジョグホイール、ジョグスイッチなどで構成してもよい。
【0047】
感知部140は、移動端末機100の開閉状態、移動端末機100の位置、移動端末機100の方位又は加速/減速、ユーザの接触の有無などの移動端末機100の現在の状態を感知し、移動端末機100の動作を制御するための感知信号を発生する。例えば、移動端末機100がスライドタイプの場合、移動端末機100の開閉状態を感知することができる。また、電源供給部190から電源が供給されるか否か、インタフェース部170に外部機器が結合されたか否かなどを感知することもできる。一方、感知部140は近接センサ141を含んでもよい。
【0048】
出力部150は、視覚、聴覚、又は触覚などに関連する出力を発生するためのものであり、ディスプレイモジュール151、音響出力モジュール152、アラーム部153、ハプティックモジュール154などを含む。
【0049】
ディスプレイモジュール151は、移動端末機100で処理される情報を表示(出力)する。例えば、移動端末機100が通話モードの場合、通話に関するUI(User Interface)若しくはGUI(Graphic User Interface)を表示する。また、移動端末機100がテレビ電話モード又は撮影モードの場合は、撮影及び/若しくは受信した画像、又はUI、GUIを表示する。
【0050】
ディスプレイモジュール151は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display; LCD)、薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(Thin Film Transistor-Liquid Crystal Display; TFT-LCD)、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode; OLED)、フレキシブルディスプレイ、3次元ディスプレイの少なくとも1つを含む。
【0051】
これらのディスプレイの一部は、そのディスプレイから外部が見えるように、透明型又は光透過型に構成してもよい。これは透明ディスプレイとも呼ばれ、透明ディスプレイの代表的な例としてはTOLED(Transparent OLED)などがある。ディスプレイモジュール151の後方構造も光透過型構造に構成してもよい。このような構造により、ユーザは端末機本体のディスプレイモジュール151が占める領域から端末機本体の後方に位置するものを見ることができる。
【0052】
移動端末機100の実現形態に応じて、ディスプレイモジュール151を2つ以上備えてもよい。例えば、移動端末機100には、複数のディスプレイモジュールを1つの面に離隔して又は一体に配置してもよく、異なる面にそれぞれ配置してもよい。
【0053】
ディスプレイモジュール151とタッチ動作を感知するセンサ(以下、「タッチセンサ」という)がレイヤ構造をなす場合(以下、「タッチスクリーン」という)、ディスプレイモジュール151は、出力装置の他に入力装置として使用することもできる。タッチセンサは、例えばタッチフィルム、タッチシート、タッチパッドなどの形態を有する。
【0054】
タッチセンサは、ディスプレイモジュール151の特定部位に加わった圧力又はディスプレイモジュール151の特定部位に発生する静電容量などの変化を電気的な入力信号に変換するように構成してもよい。タッチセンサは、タッチされる位置及び面積だけでなく、タッチ時の圧力までも検出できるように構成してもよい。
【0055】
タッチセンサへのタッチ入力がある場合、それに対応する信号がタッチ制御装置に送られる。タッチ制御装置は、その信号を処理して対応するデータを制御部180に送る。これにより、制御部180は、ディスプレイモジュール151のどの領域がタッチされたかなどが分かる。
【0056】
タッチスクリーンにより覆われる移動端末機100の内部領域又はタッチスクリーンの近くには、近接センサ141を配置してもよい。近接センサとは、電磁界の力又は赤外線を利用して、所定の検出面に近づく物体又は近傍に存在する物体の有無を機械的な接触なしに検出できるセンサをいう。近接センサは、接触式センサより寿命が長く、その活用度も高い。
【0057】
近接センサとしては、透過型光電センサ、直接反射型光電センサ、回帰反射型光電センサ、高周波発振型近接センサ、静電容量型近接センサ、磁気近接センサ、赤外線近接センサなどがある。静電式タッチスクリーンは、ポインタの近接による電界の変化からポインタの近接を検出するように構成される。この場合、タッチスクリーン(タッチセンサ)は近接センサにも分類される。
【0058】
以下、説明の便宜上、ポインタをタッチスクリーン上に接触させるのではなく近接させてポインタがタッチスクリーン上に位置することを認識させることを「近接タッチ(proximity touch)」といい、ポインタをタッチスクリーン上に実際に接触させることを「接触タッチ(contact touch)」という。ポインタにより近接タッチされるタッチスクリーン上の位置とは、ポインタが近接タッチされる際にポインタがタッチスクリーンに対して垂直に対応する位置を意味する。
【0059】
近接センサ141は、近接タッチ動作及び近接タッチパターン(例えば、近接タッチ距離、近接タッチ方向、近接タッチ速度、近接タッチ時間、近接タッチ位置、近接タッチ移動状態など)を感知する。感知された近接タッチ動作及び近接タッチパターンに関する情報は、タッチスクリーン上に出力することができる。
【0060】
音響出力モジュール152は、呼受信モード、通話モード、録音モード、音声認識モード、又は放送受信モードなどで、無線通信部110から受信するか、又はメモリ160に保存されたオーディオデータを出力する。音響出力モジュール152は、移動端末機100で実行される機能(例えば、呼信号受信音、メッセージ受信音など)に関連する音響信号も出力する。このような音響出力モジュール152は、レシーバ、スピーカ、ブザーなどを含む。
【0061】
アラーム部153は、移動端末機100のイベント発生を通知するための信号を出力する。移動端末機100で発生するイベントとしては、呼信号受信、メッセージ受信、キー信号入力、タッチ入力などがある。アラーム部153は、ビデオ信号やオーディオ信号以外に、他の形態、例えば振動でイベント発生を通知するための信号を出力することもできる。ビデオ信号又はオーディオ信号は、ディスプレイモジュール151又は音響出力モジュール152により出力することもできるので、ディスプレイモジュール151及び音響出力モジュール152はアラーム部153の一部にも分類される。
【0062】
ハプティックモジュール154は、ユーザが感じることのできる様々な触覚効果を発生する。ハプティックモジュール154が発生する触覚効果の代表的な例としては振動がある。ハプティックモジュール154が発生する振動の強度やパターンなどは制御可能である。例えば、異なる振動を合成して出力することもでき、順次出力することもできる。
【0063】
ハプティックモジュール154は、振動の他にも、皮膚接触面に対して垂直運動するピン配列、噴射口又は吸入口を用いた空気の噴射力又は吸入力、皮膚表面に対する擦れ、電極の接触、静電気力などの刺激による効果や、吸熱又は発熱が可能な素子を用いた冷温感の再現による効果など、様々な触覚効果を発生することができる。
【0064】
ハプティックモジュール154は、直接的な接触により触覚効果を伝えることができるだけでなく、ユーザが指や腕などの筋感覚により触覚効果を感じるように実現することもできる。ハプティックモジュール154は、移動端末機100の構成態様に応じて2つ以上備えてもよい。
【0065】
メモリ160は、制御部180の動作のためのプログラムを保存することもでき、入出力されるデータ(例えば、電話帳、メッセージ、静止画像、動画像など)を一時保存することもできる。メモリ160は、タッチスクリーンのタッチ入力時に出力される様々なパターンの振動及び音響に関するデータを保存することもできる。
【0066】
メモリ160は、フラッシュメモリタイプ、ハードディスクタイプ、マルチメディアカードマイクロタイプ、カードタイプのメモリ(例えば、SD又はXDメモリなど)、RAM(Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、PROM(Programmable Read-Only Memory)、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスクの少なくとも1つのタイプの記憶媒体を含む。移動端末機100は、インターネット上でメモリ160の保存機能を実行するウェブストレージに関連して動作することもできる。
【0067】
インタフェース部170は、移動端末機100に接続される全ての外部機器との通路の役割を果たす。インタフェース部170は、外部機器からデータを受信するか、供給された電源を移動端末機100内部の各構成要素に送るか、又は移動端末機100内部のデータを外部機器に送信する。インタフェース部170は、例えば有無線ヘッドセットポート、外部充電器ポート、有無線データポート、メモリカードポート、識別モジュールが備えられた装置を接続するポート、オーディオI/O(Input/Output)ポート、ビデオI/Oポート、イヤホンポートなどを含む。
【0068】
識別モジュールは、移動端末機100の使用権限を認証するための各種情報を保存したチップであり、ユーザ識別モジュール(User Identity Module; UIM)、加入者識別モジュール(Subscriber Identity Module; SIM)、汎用加入者識別モジュール(Universal Subscriber Identity Module; USIM)などを含む。識別モジュールが備えられた装置(以下、識別装置という)は、スマートカード形式で製造してもよい。よって、識別装置は、ポートを介して移動端末機100に接続することができる。
【0069】
インタフェース部170は、移動端末機100が外部のクレードルに接続された場合、クレードルからの電源が移動端末機100に供給される通路となり、ユーザによりクレードルから入力される各種命令信号が移動端末機100に伝達される通路となる。クレードルから入力される各種命令信号又は電源は、移動端末機100がクレードルに正しく取り付けられたことを認知するための信号としても機能する。
【0070】
通常、制御部180は、移動端末機100の全般的な動作を制御する。例えば、音声通話、データ通信、テレビ電話などに関連する制御及び処理を行う。また、制御部180は、マルチメディアを再生するためのマルチメディアモジュール181を備えてもよい。マルチメディアモジュール181は、制御部180内に実現してもよく、制御部180とは別に実現してもよい。
【0071】
また、制御部180は、タッチスクリーン上で行われる手書き入力及び手描き入力をそれぞれ文字及び画像として認識するパターン認識処理を行う。
【0072】
電源供給部190は、制御部180の制御下で、供給された外部の電源、内部の電源を各構成要素に必要に応じて供給する。
【0073】
ここに説明される様々な実施形態は、例えばソフトウェア、ハードウェア、又はこれらの組み合わせにより、コンピュータ又はこれと類似の装置で読み取りが可能な記録媒体内で実現することができる。
【0074】
ハードウェア的な実現においては、ここに説明される実施形態は、ASICs(Application Specific Integrated Circuits)、DSPs(Digital Signal Processors)、DSPDs(Digital Signal Processing Devices)、PLDs(Programmable Logic Devices)、FPGAs(Field Programmable Gate Arrays)、プロセッサ、制御装置、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、その他の機能実行のための電気的なユニットの少なくとも1つを用いて実現してもよい。一部の場合、これらの実施形態は制御部180により実現してもよい。
【0075】
ソフトウェア的な実現においては、手順や機能などの実施形態は、少なくとも1つの機能又は動作を行わせる別のソフトウェアモジュールと共に実現してもよい。ソフトウェアコードは、適切なプログラム言語で記述されたソフトウェアアプリケーションにより実現してもよい。また、ソフトウェアコードは、メモリ160に保存し、制御部180により実行してもよい。
【0076】
図2Aは本発明による移動端末機の一例を示す前面斜視図であり、図2Bは図2Aの移動端末機の背面斜視図である。
【0077】
同図に示す移動端末機100は、ストレートタイプの端末機本体を備えている。ただし、本発明は、これに限定されるものではなく、2つ以上の本体が相対移動可能に結合されるスライドタイプ、折り畳みタイプ、スイングタイプ、2軸回転タイプなどの様々な構造に適用可能である。
【0078】
端末機本体は、移動端末機100の外観を形成するケース(ケーシング、ハウジング、カバーなど)を含む。本実施形態のケースは、フロントケース101、リアケース102、及びバッテリカバー103から構成される。フロントケース101とリアケース102との間に形成された空間には、各種電子部品が内蔵される。フロントケース101とリアケース102との間には、1つ又は複数の中間ケースがさらに配置されてもよい。
【0079】
ケースは、合成樹脂を射出して形成してもよく、金属材質、例えばステンレススチール(STS)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)などで形成してもよい。
端末機本体、主にフロントケース101には、ディスプレイモジュール151、音響出力モジュール152、カメラ121、マイク122、ユーザ入力部130(131、132)、インタフェース部170などが配置されてもよい。
【0080】
ディスプレイモジュール151は、フロントケース101の主面の大部分を占める。ディスプレイモジュール151の両端部のうち、一端部に隣接する領域には、音響出力モジュール152及びカメラ121が配置され、他端部に隣接する領域には、マイク122及びユーザ入力部131が配置される。ユーザ入力部132やインタフェース部170などは、フロントケース101及びリアケース102の側面に配置されてもよい。
【0081】
ユーザ入力部130は、移動端末機100の動作を制御するための命令を入力するために操作するものであって、複数の操作ユニット、例えば第1の操作ユニット131及び第2の操作ユニット132を含んでもよい。第1の操作ユニット131及び第2の操作ユニット132は、操作部ともいい、触知式(tactile manner)であればいかなる方式も採用可能である。
【0082】
第1の操作ユニット131又は第2の操作ユニット132により入力される内容は様々に設定可能である。例えば、開始、終了、スクロールなどの命令は第1の操作ユニット131により入力され、音響出力モジュール152から出力される音響のボリューム調整、ディスプレイモジュール151のタッチ認識モードへの移行などの命令は第2の操作ユニット132により入力されるようにしてもよい。ディスプレイモジュール151はタッチセンサと共にタッチスクリーンを形成し、タッチスクリーンはユーザ入力部130の一例となる。
【0083】
図2Bに示すように、端末機本体の背面、すなわちリアケース102には、カメラ121’をさらに取り付けてもよい。カメラ121’は、カメラ121(図2A参照)とは撮影方向が実質的に反対であり、かつ画素が異なるカメラでもよい。
【0084】
例えば、カメラ121は、テレビ電話などの場合にユーザの顔を撮影して相手に伝送するのに負担にならない低画素であり、カメラ121’は、一般的な被写体を撮影し、直ちに伝送しないことが多いため、高画素であることが好ましい。カメラ121、121’は、回転又はポップアップ可能に端末機本体に設置してもよい。
【0085】
カメラ121’に隣接してフラッシュ123及びミラー124をさらに配置してもよい。フラッシュ123は、カメラ121’で被写体を撮影する場合、被写体に向けて光を照射する。ミラー124は、ユーザがカメラ121’でユーザ自身を撮影する場合(セルフ撮影)、自分の顔などを映せるようにする。
【0086】
端末機本体の背面には、音響出力モジュール152’をさらに配置してもよい。背面の音響出力モジュール152’は、前面の音響出力モジュール152(図2A参照)と共にステレオ機能の実現のために、そして通話時にはスピーカフォンモードの実現のために用いられる。
【0087】
端末機本体には、移動端末機100に電源を供給するための電源供給部190が備えられる。電源供給部190は、例えば移動端末機100の少なくとも1つの構成要素に電気を供給するバッテリ191であってもよい。バッテリ191は、端末機本体に内蔵されるように構成されてもよく、端末機本体に着脱可能に構成されてもよい。
【0088】
端末機本体には、移動通信のためのメインアンテナ112a(図3参照)に加えて、放送受信のためのアンテナが配置されてもよい。さらに、端末機本体には、近距離無線通信(NFC)を実現するNFCアンテナ200(図3参照)が配置されてもよい。以下、NFCアンテナ200について図3〜図12を参照してより詳細に説明する。
【0089】
図3は図2Aの移動端末機の分解斜視図であり、図4は図3のA部分の断面図である。
図3に示すように、端末機本体の内部空間には少なくとも1つのプリント基板182、250が配置される。プリント基板182、250は、フロントケース101又はリアケース102に取り付けられてもよく、内部構造物に取り付けられてもよい。プリント基板182、250は、移動端末機100の各種機能を動作させるために移動端末機100を制御する制御部180(図1参照)の一例となる。例えば、プリント基板182は、移動端末機100で処理される情報をディスプレイ151aに表示(出力)するように構成される。
【0090】
プリント基板182、250の少なくとも一面には、移動端末機100の各種機能を動作させるための電子素子が取り付けられる。例えば、プリント基板182の一面には、ディスプレイ151a、音響出力モジュール152、カメラ121などが取り付けられてもよい。
【0091】
端末機本体には、近距離無線通信を行うNFCアンテナ200が内蔵される。プリント基板182、250は、NFCアンテナ200に電気的に接続され、NFCアンテナ200により送受信される無線信号を処理する。
以下、近距離無線通信に関して新しい構造を有しながらも移動端末機100のスリムなデザインが維持されるNFCアンテナ200、及び移動端末機100にNFCアンテナ200をより容易に設置する方法について具体的に説明する。
【0092】
図3及び図4を参照すると、端末機本体には、合成樹脂で形成され、一面に所定の領域を備えるベース210が設けられる。ベース210は、フロントケース101、リアケース102、又は内部構造物自体で構成されてもよい。
NFCアンテナ200は、近距離無線通信を行い、複数の突出部220及びアンテナコイル230を含む。
【0093】
複数の突出部220は、ベース210から突設され、所定領域の縁部に沿って離隔して配置される。突出部220は、ベース210と一体に形成されてもよく、インサート射出によりベース210に強固に結合されてもよい。
【0094】
突出部220は、ベース210と他の内部構造物を結合するように構成されてもよい。例えば、突出部220に中空部が形成されており、中空部に結合部材が挿入されて内部構造物に結合されることにより、ベース210と内部構造物を結合するように構成されてもよい。
【0095】
ベース210の一面、例えばベース210と内部構造物との間には、プリント基板250が配置されてもよい。複数の突出部220は、プリント基板250の縁部に沿って配置されてプリント基板250を支持することにより、外部からの衝撃によるプリント基板250の移動を制限するように構成される。
【0096】
アンテナコイル230は、所定領域の縁部に沿って巻回されるように形成され、端末機本体の周辺に発生する磁束の変化を受信する。より具体的には、アンテナコイル230は、複数の突出部220のうちいずれか1つから隣接する他の1つに向かう方向(例えば、時計方向又は反時計方向)に巻回されるように構成され、ループを形成する。
【0097】
アンテナコイル230は、読み取り機側のアンテナと磁束をやり取りして情報を読み取る電磁誘導方式の通信システムの一部であり、RFIDタグのNFCアンテナ200を形成する。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、アンテナコイル230は、他の端末機と無線信号を送受信できるように構成されてもよい。
【0098】
NFCアンテナ200は、RFIDを用いる動力によって、パッシブ型、セミパッシブ型、及びアクティブ型に分けられる。パッシブ型RFIDにおいては、端末機は読み取り機側の磁束の変化をエネルギーとして使用し、集積回路の情報を読み取って通信する。セミパッシブ型RFIDにおいては、集積回路の情報を読み取るのには端末機の動力が用いられ、当該情報を通信するのには読み取り機の動力が用いられる。アクティブ型RFIDにおいては、集積回路の情報を読み取るのにも当該情報を通信するのにも端末機の動力が用いられる。
【0099】
アンテナコイル230は、ループを形成する開始点231及び終了点232を備える。アンテナコイル230は、複数の突出部220のいずれか1つの突出部221に数回巻回されて固定されて開始点231を形成し、開始点231から延びてループを形成する。所定領域に沿って巻回されたアンテナコイル230は、いずれか1つの突出部221に隣接する他の1つの突出部222に数回巻回されて固定されて終了点232を形成する。
【0100】
アンテナコイル230は、複数の突出部220に順次数回巻回されて固定されるようにし、アンテナコイル230に一定の張力がかかるようにしてもよい。あるいは、アンテナコイル230は、開始点231及び終了点232に配置される突出部220にのみ数回巻回され、残りの突出部220には巻回されないようにしてもよい。つまり、残りの突出部220は、アンテナコイル230が残りの突出部220に沿って巻回されるように巻回をガイドしてもよい。
【0101】
複数の突出部220には、軸方向と交差する方向に突設される離脱防止突起226が備えられてもよい。例えば、離脱防止突起226は、突出部220の一端から外周に沿って突設されてもよい。離脱防止突起226が備えられることにより、アンテナコイル230が軸方向に離脱することを防止することができる。
【0102】
図3にはアンテナコイル230がプリント基板182に電気的に接続される構造の一例が示されている。同図に示すように、端末機本体には、ベース210から所定間隔離隔して配置され、電子素子を装着できるように空間を形成するプリント基板182が備えられてもよい。
【0103】
前述したように、端末機本体には複数のプリント基板182、250が備えられてもよい。いずれか1枚のプリント基板250は、ベース210を覆うように配置され、アンテナコイル230は、プリント基板250上の所定領域の縁部に沿って巻回されるように構成されてもよい。また、他の1枚のプリント基板182は、いずれか1枚のプリント基板250から離隔して配置されてもよい。
【0104】
プリント基板182は、アンテナコイル230に電気的に接続され、近距離無線通信に関する無線信号を処理するように構成されてもよい。プリント基板182とアンテナコイル230とには、これらの間の電気的経路を形成するフレキシブルプリント基板がそれぞれ接続されてもよい。
【0105】
あるいは、同図に示すように、アンテナコイル230に接続される接続端子255a、255bとプリント基板182に接続される接続端子225a、225bとが接触して電気的経路を形成するようにしてもよい。
【0106】
接続端子255a、255bは複数備えられ、接続端子255aはいずれか1つの突出部221に隣接して配置され、接続端子255bは他の1つの突出部222に隣接して配置されてもよい。例えば、接続端子255a、255bは、ベース210又はベース210上に配置されるプリント基板250の底面に配置されてもよい。また、接続端子255aは、いずれか1つの突出部221を囲むように形成され、接続端子255bは、他の1つの突出部222を囲むように形成されてもよい。あるいは、接続端子255aは、いずれか1つの突出部221の外周面を囲むように形成され、接続端子255bは、他の1つの突出部222の外周面を囲むように形成されてもよい。
【0107】
接続端子255aは、開始点231をプリント基板182に電気的に接続するように、接続端子225aに弾性接触可能に形成され、接続端子255bは、終了点232をプリント基板182に電気的に接続するように、接続端子225bに弾性接触可能に形成されてもよい。接続端子225a、225bは、例えば金属フレームの一部分が曲がって弾性を有するCクリップで構成されてもよく、接続端子255a、255bを付勢するスプリングを備えるポゴピンで構成されてもよい。
【0108】
図5は図3のB部分の拡大図である。
図5を参照すると、突出部220には、アンテナコイル230が解けることを防止する固定手段が形成されてもよい。同図に示すように、固定手段は、アンテナコイル230が突出部220の内部を貫通できるように、突出部220の軸方向にリセスされる溝240であってもよい。あるいは、固定手段は、アンテナコイル230が突出部220を貫通できるように、突出部220の軸を横切る孔であってもよい。
【0109】
アンテナコイル230は、溝240又は孔に挿入して突出部220の外周面を数回巻回することにより、突出部220に強固に固定することができる。構造によれば、アンテナコイル230は、アンテナコイル230の一端が巻回される部分により固定されるので、最小限の巻回数で突出部220に容易かつ強固に固定することができる。
【0110】
図6は本発明による移動端末機の他の例を示す平面図であり、図7は図6のC−C線拡大断面図である。
図6及び図7に示すように、ベース310には、バッテリ191を装着できるように一面がリセスされて所定領域を限定するバッテリ収容部360が形成される。アンテナコイル330は、バッテリ収容部360を囲むように構成されてもよい。
【0111】
具体的には、複数の突出部320がバッテリ収容部360に沿って離隔して配置され、バッテリ191とアンテナコイル330との間には壁370がバッテリ収容部360に沿って突設される。アンテナコイル330は、突出部320と壁370との間の空間に配設され、バッテリ収容部360に沿って巻回されるように構成される。
【0112】
バッテリ収容部360には、アンテナコイル330が突出部320と壁370との間の空間から離脱することを防止するために、空間を覆うように配置される離脱防止部380が形成されてもよい。離脱防止部380は、複数の突出部320が溶融されて空間を覆うように形成されてもよく、別途の部材が空間を覆うように配置されてもよい。
【0113】
図8及び図9は図6の複数の突出部に溶融タップを加圧して溶融することを示す概念図である。
図6、図8、及び図9を参照すると、アンテナコイル330は、突出部320と壁370との間の空間に配設され、バッテリ収容部360に沿って巻回されるように構成される。アンテナコイル330を巻回した後、複数の突出部320を溶融タップ(例えば、図8の溶融タップ381a、図9の溶融タップ382a)で加圧することにより、突出部320の端部が溶融して空間を覆う。
【0114】
このようにして形成される離脱防止部(例えば、図8の離脱防止部381、図9の離脱防止部382)の形状は、溶融タップ(例えば、図8の溶融タップ381a、図9の溶融タップ382a)の端部の形状や、突出部320の軸方向に対する溶融タップ381a、382aの加圧方向に応じて異なる。
【0115】
より詳細には、図8に示すように、溶融タップ381aの端部の形状が軸方向に対して垂直であり、かつ溶融タップ381aの加圧方向が軸方向と平行な場合、離脱防止部381は、突出部320の外周面に沿って突出するように形成される。従って、離脱防止部381のうち空間を覆う部分がアンテナコイル330の離脱を防止する。
【0116】
あるいは、図9に示すように、溶融タップ382aの加圧方向が軸方向と平行であるが、溶融タップ382aの端部の形状が軸方向に対して傾斜している場合、突出部320の端部が溶融して溶融タップ382aの傾斜面に沿って流動する。従って、離脱防止部382は壁370に向かう方向に形成されて空間を覆う。
【0117】
図10は図6のアンテナコイルとメインアンテナとの間に配置される遮断壁を示す斜視図である。
図6及び図10に示すように、バッテリ収容部360に隣接する位置には、遠距離無線通信(移動通信)に関する無線信号を送信又は受信するように構成されるメインアンテナ112aが配置されてもよい。メインアンテナ112aは、端末機本体の一端(例えば、ユーザに及ぼす電波の影響が最小限に抑えられるように音響出力モジュール152から離隔した位置)、すなわちマイク122に隣接する位置に配置されてもよい。
【0118】
アンテナコイル330とメインアンテナ112aとの間には、遮断壁390が突設されてもよい。遮断壁390は、アンテナコイル330とメインアンテナ112aとの間のEMI(Electro Magnetic Interference)を遮断することにより、干渉を最小限に抑えるように構成される。遮断壁390は、端末機本体の幅方向に延設されてもよい。遮断壁390は、導体で形成されてもよく、遮断壁390の一面に導電性を有する物質がコーティングされてもよい。
【0119】
遮断壁390の少なくとも一面には、フェライトシート395が貼り付けられてもよい。フェライトシート395は、磁性を帯びる様々な金属化合物を紙状に薄くした構造であり、無線信号のノイズを除去し、導電体により発生する磁束に対する干渉を制限するように形成される。
【0120】
具体的には、端末機本体に内蔵される導電体により、アンテナコイル330が読み取り機に隣接する場合に発生する磁束が干渉することがある。端末機本体に内蔵される導電体としては、メインアンテナ112aだけでなく、ディスプレイ151a、バッテリ191、カメラ121などがある。
【0121】
図11及び図12は本発明による移動端末機のさらに他の例を示す概念図である。後述する本発明の実施形態においては、上記実施形態と同一又は類似の構成には同一又は類似の符号を付し、その説明は省略する。
【0122】
図11に示すように、バッテリ収容部460に隣接する位置には、カメラ121’、音響出力モジュール152’などの各種電子素子が配置される所定領域が備えられる。複数の突出部420は、所定領域を囲むように離隔して配置され、アンテナコイル430は、各種電子素子を囲むように構成される。
【0123】
アンテナコイル430は、各突出部420に数回ずつ巻回して固定することができ、時計方向又は反時計方向に巻回されてループを形成する。アンテナコイル430は、フレキシブルプリント基板又は接続端子を介してプリント基板に電気的に接続されるようにしてもよい。
【0124】
構造によれば、端末機本体内で空間上の余裕がある部分に複数の突出部420を形成し、複数の突出部420にアンテナコイル430を巻回して近距離無線通信を実現することができる。従って、空間活用が最大化されてよりスリムな移動端末機100を提供することができる。
【0125】
図12に示すように、ベース510は、ディスプレイ151a及びそれを覆うウィンドウ151bが配置されるベゼル部を形成してもよい。アンテナコイル530は、ベゼル部の側面を巻回するように形成されてもよく、ループを形成することにより、端末機本体の前面周辺に発生する磁束の変化を受信するように構成される。
【0126】
ベゼル部にはベゼル部の側面に沿って支持ユニット570が配置されており、アンテナコイル530を支持するようにしてもよい。支持ユニット570は、複数の突出部520に結合されてアンテナコイル530を覆うように配置されることにより、アンテナコイル530の離脱を防止することができる。同図においては支持ユニット570が別途の部材で形成された場合を示すが、支持ユニット570は、突出部520が溶融タップにより溶融されてアンテナコイル530を覆うようにして形成してもよい。
【0127】
支持ユニット570の少なくとも一面には、フェライトシート595が貼り付けられてもよい。フェライトシート595は、アンテナコイル530が読み取り機に隣接する場合にプリント基板182、ディスプレイ151aなどにより発生する磁束の干渉を制限するように形成される。
【0128】
本発明による移動端末機及びその製造方法は、上記実施形態の構成と方法に限定されるものではなく、各実施形態の全部又は一部を選択的に組み合わせて構成することで様々に変形することができる。
【符号の説明】
【0129】
112a メインアンテナ
151a ディスプレイ
182、250 プリント基板
191 バッテリ
210、310、410、510 ベース
220、320、420、520 複数の突出部
221 いずれか1つの突出部
222 他の1つの突出部
225a、225b 接続端子
230、330、430、530 アンテナコイル
231 開始点
232 終了点
240 溝
255a、255b 接続端子
360、460 バッテリ収容部
370 壁
380、381、382 離脱防止部
381a、382a 溶融タップ
390 遮断壁
395、595 フェライトシート
570 支持ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面に所定の領域を備えるベース、及び前記一面から突出する複数の突出部を備える端末機本体と、
前記複数の突出部の各突出部に巻回され、各突出部から少なくとも1つの隣接する突出部に向かって前記所定の領域の縁部に沿って延び、前記所定の領域の縁部に対応するループを形成するアンテナコイルと、を含み、
前記複数の突出部は、前記所定の領域の縁部に沿って離隔して配置され、
前記アンテナコイルは、近距離無線通信(NFC)に関する無線信号を送信又は受信するように構成されることを特徴とする移動端末機。
【請求項2】
前記アンテナコイルは、
前記複数の突出部のうち第1の突出部に数回巻回されて固定される第1の端部と、
前記複数の突出部のうち第2の突出部から第n−1の突出部まで順次巻回される中間部と、
前記複数の突出部のうち前記第1の突出部に隣接する第nの突出部に数回巻回されて固定される第2の端部と、を含み、
前記第1の端部と前記第2の端部とが隣接して配置される、請求項1に記載の移動端末機。
【請求項3】
前記第1の突出部及び前記第nの突出部には、それぞれ前記ベースの前記一面から離隔した位置に溝が形成され、
前記アンテナコイルは、前記第1の突出部の溝に挿入されて前記第1の突出部の外周面に沿って巻回され、前記第nの突出部の溝に挿入されて前記第nの突出部の外周面に沿って巻回されるように構成される、請求項2に記載の移動端末機。
【請求項4】
前記ベースの前記一面から所定間隔離隔して配置され、前記ベースの前記一面との間に空間を形成するプリント基板(PCB)と、
前記第1の突出部に隣接して配置され、前記アンテナコイルの第1の端部を前記プリント基板に電気的に接続するように構成される第1の接続端子と、
前記第nの突出部に隣接して配置され、前記アンテナコイルの第2の端部を前記プリント基板に電気的に接続するように構成される第2の接続端子と、
をさらに含む、請求項2に記載の移動端末機。
【請求項5】
前記第1の接続端子は、前記ベースの前記一面上に配置されて前記第1の突出部を囲むように形成され、
前記第2の接続端子は、前記ベースの前記一面上に配置されて前記第nの突出部を囲むように形成される、請求項4に記載の移動端末機。
【請求項6】
前記第1の接続端子は、前記第1の突出部の外周面を囲むように形成され、
前記第2の接続端子は、前記第nの突出部の外周面を囲むように形成される、請求項4に記載の移動端末機。
【請求項7】
前記複数の突出部の少なくとも1つの突出部は、
前記ベースの前記一面から突出する軸部と、
前記ベースの前記一面から離隔した、前記軸部の端部から放射状に突出し、前記ベースの前記一面との間に前記アンテナコイルを収容するように構成される離脱防止部と
を含む、請求項1に記載の移動端末機。
【請求項8】
前記ベースは、バッテリを収容するように一面がリセスされて形成され、前記所定の領域に対応するバッテリ収容部を備え、
前記アンテナコイルは、前記バッテリ収容部を囲むように形成される、請求項1に記載の移動端末機。
【請求項9】
前記ベースの前記一面から突出して前記バッテリと前記複数の突出部との間に位置する壁をさらに含み、
前記壁は、前記複数の突出部との間に空間を形成するように前記複数の突出部から離隔して配置され、
前記アンテナコイルは、前記空間に収容される、請求項8に記載の移動端末機。
【請求項10】
前記アンテナコイルが前記空間に収容されるように、前記空間を覆うように配置される少なくとも1つの離脱防止部をさらに含む、請求項9に記載の移動端末機。
【請求項11】
前記離脱防止部は、前記複数の突出部の少なくとも1つの突出部が溶融されて前記空間を覆うように形成される、請求項10に記載の移動端末機。
【請求項12】
前記バッテリ収容部に隣接して配置され、遠距離無線通信に関する無線信号を送信又は受信するように構成されるメインアンテナと、
前記メインアンテナと前記アンテナコイルとの間に突設され、前記メインアンテナと前記アンテナコイルとの間のEMIを遮断するように構成される遮断壁と
をさらに含む、請求項8に記載の移動端末機。
【請求項13】
前記遮断壁の少なくとも一面には、無線信号のノイズを除去し、導電体により発生する磁束に対する干渉を制限するように形成されるフェライトシートが貼り付けられる、請求項12に記載の移動端末機。
【請求項14】
前記遮断壁は、前記端末機本体の幅方向及び長手方向の少なくとも一方向に延設される、請求項12に記載の移動端末機。
【請求項15】
前記ベースの前記所定の領域に設けられる電子素子をさらに含む、請求項1に記載の移動端末機。
【請求項16】
視覚情報を出力するように構成されるディスプレイを備える端末機本体と、
前記端末機本体に備えられ、前記ディスプレイを囲むように形成されるベゼル部を備えるベースと、
前記ベゼル部の外側面に巻回され、近距離無線通信(NFC)に関する無線信号を送信又は受信するように構成されるアンテナコイルと、
を含むことを特徴とする移動端末機。
【請求項17】
前記ベゼル部の外側面に結合されて前記アンテナコイルを支持するように構成される支持ユニットをさらに含む、請求項16に記載の移動端末機。
【請求項18】
前記支持ユニットは、前記ベースと共に前記アンテナコイルを覆って収容するように構成される、請求項17に記載の移動端末機。
【請求項19】
前記支持ユニットには、無線信号のノイズを除去し、導電体により発生する磁束に対する干渉を制限するように形成されるフェライトシートが貼り付けられる、請求項17に記載の移動端末機。
【請求項20】
端末機本体のベースの一面上の所定の領域の縁部に沿って離隔して配置される複数の突出部を形成する段階と、
アンテナコイルの第1の端部を前記複数の突出部のうち第1の突出部に数回巻回して固定する段階と、
前記アンテナコイルの中間部を前記複数の突出部のうち第2の突出部から第n−1の突出部まで順次巻回する段階と、
前記アンテナコイルの第2の端部を前記複数の突出部のうち第nの突出部に数回巻回して固定する段階と、
前記ベースの前記一面から離隔した、前記複数の突出部の少なくとも1つの端部を溶融して放射状に突出する離脱防止部を形成し、前記ベースの前記一面と前記離脱防止部との間に前記アンテナコイルを収容する段階とを含み、
前記第nの突出部が前記第1の突出部に隣接して配置され、
前記アンテナコイルが前記所定の領域の縁部に沿ってループを形成することを特徴とする移動端末機の製造方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−62796(P2013−62796A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−189608(P2012−189608)
【出願日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.MediaFLO
3.Wibro
4.EEPROM
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】