説明

移動装置および移動式ロボット

【課題】集電子を交換する際の作業効率に優れた移動装置および移動式ロボットを提供する。
【解決手段】押しネジ60/引きネジ62にてプレートB56を集電子72から遠ざかる方向に移動させることにより集電子72の中央であるC72は車輪13の車軸位置C13から外れ、集電子72全体が車輪13からオフセットした位置となる。さらにプレートB56を移動させると、ボルト65がダルマ長孔59の大径部59Aと重なることでプレートA58は回動方向にフリーとなり、パンタグラフ70の反発力でトロリー線19から離間する方向に回動する。プレートA58を作業者が更に手前に引くことで、蝶番64の許容する角度まで手前側に回動し、パンタグラフ70および集電子72が作業者の正面に移動する。この状態であれば手前側に車輪13は存在せず、またパンタグラフ70の反発力も作用していないので作業者は容易に集電子72の交換を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動装置および移動式ロボットに関し、特にレール上を走行する台車を用いた移動装置と、該台車に搭載されて移動する移動式ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、産業用ロボット等の走行台車への給電、信号の送受信はケーブル・ホース支持案内装置を用いて電源ケーブル、信号線などを束ね、台車の移動に追従させる構造を採用している。しかしケーブル・ホース支持案内装置を用いる方法では例えば15mを越える長距離移動に対してはケーブル・ホース支持案内装置自体とケーブル、信号線などの重量が増加し、移動用モータの出力をケーブルの重量で消費してしまうことになり、実際的ではない。
【0003】
加えて、移動に際しては毎回、高速でケーブル、電線を屈曲させることになるため、ケーブル・ホース支持案内装置内部のケーブル、電線が疲労のため破断する虞があり、また破断した箇所はケーブル・ホース支持案内装置内部にあるため修復に手間が掛かり、復旧にかかる時間が長ければ工程を長時間停止させることになる弊害もある。
【0004】
このため地上側に張架されたトロリー線から、走行台車側に設けられた集電装置を経由して走行台車に給電、通信させる方法が採用されているが、この際に使用される集電装置は、摺板やホイール等の導体をトロリー線に付勢、接触させることにより集電する集電部を備えている。集電部は、パンタグラフの上部軸に揺動自在に取り付けられ、トロリー線に付勢された状態で押し付けられる。
【0005】
しかし上記の方法ではパンタグラフがトロリー線から離れ、通電が一時的に停止してしまう所謂離線が発生し、動力の遮断に加えて通信による信号の伝達も阻害されるため、走行台車および搭載機器の正確な制御を行うことができない。この離線問題に対して、例えば交直切換区間または電圧切換用無電圧区間の近くでの、集電中のパンタグラフの離線問題に複数のパンタグラフを用いて対応した構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
しかし上記の方法では高速で移動する走行台車において、瞬間的な離線(0.005秒程度)に反応し、異常として検出してしまうシリアル通信ユニットを用いた産業用ロボットの制御に対応することはできない。
【0007】
また、複数のパンタグラフを用いてトロリー線に集電子を付勢するため、必然的に走行台車とトロリー線間の押圧力は大きくなる。例えば6軸程度の産業用ロボットを搭載した走行台車では集電子の数が10個程度になることもあるが、集電子ごとにパンタグラフを用いるため、走行台車の2箇所で集電を行えばパンタグラフのバネによる押圧力はパンタグラフ20個分程度となる。
【0008】
このため定期交換部品である集電子を交換する際に、バネを押し縮めながらパンタグラフをトロリー線より後退させ、この状態を保ちつつパンタグラフの先端部に装着された集電子を交換する必要がある。パンタグラフの数だけ存在する押しバネを縮めた状態で保持するのは作業性が悪く、集電子の交換、保守に多大な時間と労力を必要とする。このためパンタグラフへの集電子の脱着を容易にし、脱着作業の軽減を図る構成が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
しかし上記の方法では集電子の交換自体は容易になるが多数のパンタグラフを同時に押し縮める際の困難性は解決できない。
【特許文献1】特開2004−96886号公報
【特許文献2】特開2003−87903号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記事実を考慮し、集電子を交換する際の作業効率に優れた移動装置および移動式ロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の移動装置は、敷設されたトロリー線と、移動体上に設けられたパンタグラフにより前記トロリー線に付勢される集電子と、を備え、前記パンタグラフの基部が固定された第1のプレートが、前記移動体上に保持された第2のプレートに、鉛直方向軸回りに前記トロリー線に対して接離方向に回動可能に蝶番で支持されたことを特徴とする。
【0012】
上記構成の発明では、集電子を備えたパンタグラフを、蝶番により回動可能に支持された第1のプレート上に設けたことにより、トロリー線に対して第1のプレートごと接離方向に回動させることで、パンタグラフの反発力を第1のプレートの回動で吸収し、集電子の交換やセッティングを容易に行うことができる。
【0013】
請求項2に記載の移動装置は、前記第2のプレートは前記移動体に固定された第3のプレート上に、前記移動体の移動方向へスライド可能にネジ止めされたことを特徴とする。
【0014】
上記構成の発明では、第2のプレートを移動体に対して前後方向にスライド可能としたことで、蝶番によって回動する第1のプレートが他の部材と干渉し、作業に支障を来すことを防ぐことができる。
【0015】
請求項3に記載の移動装置は、前記第1のプレートは前記移動体または前記第3のプレートに螺合するボルトが球面座金を介して挿通され、前記ボルトの締め込み量で前記トロリー線に対して接離方向に位置規制することを特徴とする。
【0016】
上記構成の発明では、第1のプレートを、球面座金を介してボルトで締め込み、トロリー線に対して位置規制することで、回動する第1のプレートの角度がボルトに対して変動しても、球面座金が角度変動を吸収するので、ボルト側に調整機構を設けずに第1のプレートの位置規制を行うことができる。
【0017】
請求項4に記載の移動装置は、敷設されたトロリー線と、移動体上に設けられたパンタグラフにより前記トロリー線に付勢される集電子と、を備え、前記パンタグラフの基部が固定された第1のプレートが、前記トロリー線に対して接離方向にスライド可能且つ、前記移動体の移動方向へスライド可能に、前記移動体上に支持されたことを特徴とする。
【0018】
上記構成の発明では、集電子を備えたパンタグラフを、接離方向にスライド可能に支持された第1のプレート上に設けたことにより、トロリー線に対して第1のプレートごと接離方向にスライドさせることで、パンタグラフの反発力を第1のプレートのスライド移動で吸収し、集電子の交換やセッティングを容易に行うことができる。
【0019】
請求項5に記載の移動式ロボットは、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の移動装置に産業用ロボットが搭載されたことを特徴とする。
【0020】
上記構成の発明では、第1のプレート上に設けられたパンタグラフの反発力を第1のプレートの移動により吸収することで、集電子の交換やセッティングを容易に行うことができる移動式ロボットとすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は上記構成としたので、集電子を交換する際の作業効率に優れた移動装置および移動式ロボットとすることができる。また集電子間のピッチを広げる(ピッチ間の距離を長くとる)ことができたので、より一層離線対策の信頼性を向上させ、特にカーブ区間走行時の離線対策に優れた移動装置および移動式ロボットとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
<装置概要>
図1〜2には、本発明の第1実施形態に係る移動装置を備えた移動式ロボットが示されている。
【0023】
図1に示すように、移動式ロボット10は敷設されたレール14上に沿って、車輪13を備えた走行台車12が移動可能に設けられ、走行台車12上にはサーボモータ15と減速機17からなる走行駆動部16と、4〜6軸程度の産業用ロボット20が搭載されている。走行台車12は、走行駆動部16によって駆動され、レール14と平行に敷設されたラックギア30と噛み合うフローティングギア部40によってレール14上を走行可能とされており、走行駆動部16および産業用ロボット20への電源供給、および制御用には、図2に示すように敷設されたトロリー線19に、走行台車12上に設けられたパンタグラフ70でトロリー線19へ付勢された集電子72が接触することで移動式ロボット10への集電、および移動式ロボット10の制御盤11に設けられた制御部90と外部制御盤80との通信を行う架線集電構造としている。
【0024】
図2に示すように、走行台車12上に設けられた制御盤11は走行駆動部16および産業用ロボット20への電源供給、および制御のためケーブル74にて集電子72と接続されており、集電子72は走行台車12の移動方向前後側に2箇所設けられ、トロリー線19と移動方向前後側2箇所で接触、集電を行う。
【0025】
なお図1では制御盤11は産業用ロボット20の横に設けられているが、これに限定せず図2に示すように産業用ロボット20の土台部分としても良いし、また走行台車12の床下など他の場所でもよい。また走行台車12は車輪13以外にもスライダーなど、他の移動手段を備えていてもよく、あるいはそれらの移動手段を併用してもよい。
【0026】
図3〜図4には本発明の実施形態に係る移動式ロボットの集電部分が示されている。
図3(A)に示すように走行台車12には移動方向前後(図中左右端)設けられた台座50には、それぞれパンタグラフ70が集電子72の数だけ(本実施形態においては10基)設けられている。
【0027】
パンタグラフ70は図示しないバネにより集電子72をトロリー線19に向けて付勢し、所定の圧力で押圧することで集電子72とトロリー線19との接触、導通を維持している。またパンタグラフ70は集電子72の前後方向中心を車輪13の軸中心の前後方向位置に合致させて保持している。
【0028】
図3(B)に示すように台座50は取付板52にて走行台車12に図示しないネジで固定され、台車側プレート54の位置を規制している。
【0029】
台車側プレート54にはプレートB56に設けられた長孔57に挿通されたボルト61がネジ止めされることで、プレートB56がネジ止めされている。
【0030】
プレートB56は押しネジ60および引きネジ62にて台車側プレート54あるいは走行台車12に対して位置を規制され、ボルト61を緩めることで走行台車12の走行方向前後に位置を調整可能とされている。
【0031】
プレートB56には蝶番64を介してプレートA58が走行台車12の進行方向左右に回動可能に支持されている。プレートA58にはボルト63でパンタグラフ70がネジ止めされ、プレートA58の回動によりパンタグラフ70およびパンタグラフ70に取り付けられた集電子72がトロリー線19に対して接離方向に移動可能とされている。
【0032】
プレートA58はダルマ長孔59に挿通されたボルト65にて台車側プレート54に対して位置規制されており、プレートB56が車輪13の車軸より離れる方向に移動した際にはボルト65がダルマ長孔59の大径部59Aに重なり、ネジ頭が通過可能となることでトロリー線19に対してプレートA58は接離方向に回動可能となる。
【0033】
図4(A)に示すように、パンタグラフ70は図示しないバネにより集電子72をトロリー線19に向けて付勢しており、換言すればプレートA58は常にパンタグラフ70のバネによる反発力でトロリー線19から離れる方向(図中白矢印方向)に付勢されている。
【0034】
プレートA58はダルマ長孔59に挿入されたボルト65を締め付けることでトロリー線19方向へ位置規制され、パンタグラフ70のバネによる反発力をボルト65で吸収している。一旦、蝶番64にてトロリー線19から離れる方向に回動したプレートA58はボルト65の締結で台車側プレート54に平行な位置へ戻される。
【0035】
図4(B)に示すようにボルト65は球面座金67を介してプレートA58を押圧する構造となっており、図中黒矢印のようにプレートA58が蝶番64によって回動しても、球面座金67Bの角度変動は球面座金67Aとの接触面で吸収され、ボルト65は常に台車側プレート54に対して垂直にねじ込まれる。
【0036】
<作用効果>
次に本実施形態の作用効果について説明する。
【0037】
本実施形態に係る移動式ロボット10の制御・通電を司るトロリー線19、集電子72は図5に示すように上下方向に所定数(本実施形態においては10)だけ配列され、各集電子72はそれぞれパンタグラフ70にてトロリー線19に付勢される。
【0038】
例えば図6、図7に示すような構成の移動式ロボット10であれば、外部制御盤80と移動式ロボット10の間でアース線(19−1、74−1)、AC200V3相3線(19−2〜4、74−2〜4)、サーボON中用信号線(19−5〜6、74−5〜6)、外部非常停止用信号線(19−7〜8、74−7〜8)、外部I/O通信線(19−9〜10、74−9〜10)の計10本が必要となる。
【0039】
ここで、移動式ロボット10を高速走行させることによって瞬間的にトロリー線19より集電子72が接触を失う、いわゆる離線が問題となる。すなわち、高速走行中にトロリー線19の継ぎ目を越える際に集電子72は慣性のためパンタグラフ70の押圧力では接触を維持できず離線してしまい、集電子72が1基しか設けられていない場合は接続が失われ、移動式ロボット10が制御を失う虞がある。
【0040】
そこで本実施形態においては移動方向前後側にパンタグラフ70および集電子72を一対設け、2箇所で集電することで上記の離線問題に対応している。
【0041】
しかし、集電子72が増設されれば、集電子72をトロリー線19に圧着させるパンタグラフ70もまた増設する必要がある。すなわち集電箇所をn箇所とすることで、n基に増設されたパンタグラフ70によるトロリー線19に対する押圧力もまたn倍となるため、走行台車12への台座50の取付、あるいは集電子72の交換の際に上記n倍の押圧力に対向し、パンタグラフ70を押し縮めながら所定の位置に設置する力が必要となる。元来、パンタグラフ70の個数に拘わらず上記の押圧力は作業効率を低下させる虞があるため、作業者が押圧力を手で受け止める必要のない構成が望まれている。
【0042】
例えば従来は図12に示すように片側10基ずつの集電子172を備えたパンタグラフ170をプレート158に固定した場合、プレート158ごとにパンタグラフ10基分の押圧力がかかるため、作業者は一旦外したプレート158を、パンタグラフ170の押圧力を抑えながら同時に一方で走行台車に固定する作業を行わねばならなかった。
【0043】
また集電子72の正面にトロリー線19が敷設されているため、正面に集電子72を引き抜く方法は採用できず、一旦パンタグラフ70を外して作業を行う必要がある。
【0044】
加えて図8(A)に示すように走行台車112の前後方向中央に集電子172を設けた場合、レール114がカーブした箇所において集電子172の描く軌跡はトロリー線119から外れ、距離dだけ離線してしまう。
【0045】
このため本実施形態においては図8(B)に示すように前後の車輪13の車軸と同一直線上に集電子72の中心を設定し、レール14のカーブ箇所においても集電子72がトロリー線19から離線しない配置としている。
【0046】
このため左右の車輪13の間に配置された集電子72は左右どちら側から見ても車輪13が手前にあるので、そのまま手前側にパンタグラフ70ごと引き抜く構成とすることはできない。
【0047】
そこで本実施形態においては、プレートA58上に固定されたパンタグラフ70を車輪13の車軸からオフセットさせたのち、蝶番64で手前側に回動させ集電子72を交換する構成としている。
【0048】
すなわち図9に示すように走行台車12に固定された台車側プレート54上に、長孔57に挿通されたボルト61にてプレートB56が走行方向前後(図中黒矢印)にスライド可能に支持されている。
【0049】
このプレートB56に蝶番64でプレートA58が回動可能に支持され、先端に集電子72をそれぞれ備えた10基のパンタグラフ70がプレートA58にボルト63でネジ止めされている。
【0050】
図9(A)および図10(A)に示すようにまず押しネジ60/引きネジ62にて集電子72側にプレートB56を移動させた状態では、ダルマ長孔59にねじ込まれたボルト65がプレートA58をトロリー線19側(図面奥側)に位置規制しているので、パンタグラフ70のバネによる押圧力で集電子72はトロリー線19に接触を保った状態となる(図中黒矢印が集電子72の可動範囲を示す)。これが本発明に係る移動式ロボット10における運転状態となる。
【0051】
このとき前述のように、集電子72の進行方向中央位置であるC72は車輪13の車軸と重なり、レール14のカーブに対応する配置となっている。この状態で押しネジ60/引きネジ62にてプレートA58、プレートB56を固定し、各ボルト61、65を締結して運転可能状態となる。
【0052】
次に、集電子72を交換する際にはまず押しネジ60/引きネジ62にてプレートB56を集電子72から遠ざかる方向(図9(B)中黒矢印)に移動させる。これにより集電子72の中央であるC72は車輪13の車軸位置C13から外れ、集電子72全体が車輪13からオフセットした位置となる。
【0053】
図9(B)および図10(B)に示すように、さらに所定距離d2だけプレートB56を移動させると、ボルト65がダルマ長孔59の大径部59Aと重なることでプレートA58は回動方向にフリーとなり、パンタグラフ70の反発力でトロリー線19から離間する方向(図面手前側)、すなわち作業者側に回動する。
【0054】
このプレートA58を作業者が更に手前に引くことで、蝶番64の許容する角度まで手前側に回動し、パンタグラフ70および集電子72が作業者の正面に移動する。この状態であれば手前側に車輪13は存在せず、またパンタグラフ70の反発力も作用していないので作業者は容易に集電子72の交換を行うことができる。
【0055】
図11(A)に示すように、集電子72の交換後にはボルト65を締め込むことによってプレートA58をトロリー線19側に付勢し、集電子72をトロリー線19に接触させる。
【0056】
このとき作業者が手前側からプレートA58をトロリー線19側に押圧することで、図4に示すようにボルト65をダルマ長孔59の大径部59Aから小径部59Bにスライドさせることができる。この時点では集電子72はトロリー線19に接触していないので、パンタグラフ70のバネによる反発力は発生しない。
【0057】
次いでボルト65を締め込むことでプレートA58をトロリー線19側に付勢しながら位置規制することができる。このとき、ボルト65は図4(B)に示すように球面座金67を介してダルマ長孔59に挿入されているので、蝶番64を中心にしてプレートA58が回動してもボルト65はこれに影響されずに台車側プレート54に突き当たるまでプレートA58を回動させることができる。
【0058】
また集電子72が複数設けられていても、一旦緩められたボルト65をパンタグラフ70の押圧力に対抗してダルマ長穴59に締め込む作業が阻害されることはないので、図12に示す従来例のようにプレートに掛かる押圧力が集電子の交換作業に差し支えることはない。
【0059】
最後に図11(B)のように押しネジ60/引きネジ62にて集電子72側にプレートB56を移動させることで、集電子72の中央位置C72を車輪13の車軸C13に一致させ、ボルト61を締結しプレートB56を台車側プレート54に固定する。
【0060】
<その他>
【0061】
以上、本発明の実施例について記述したが、本発明は上記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
【0062】
すなわち本実施形態では産業用ロボットを例に挙げたが、これに限定せずレール上を移動する走行台車にトロリー線から集電子を経由して送電、制御を行うものであれば、例えばクレーンや土木機械、あるいは交通機関などに応用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に係る移動装置を備えた移動式ロボットを示す斜視図である。
【図2】本発明に係る移動装置を備えた移動式ロボットを示す概念図である。
【図3】本発明に係る移動装置の集電部を示す正面図および斜視図である。
【図4】図3に示す集電部の一部を示す平面図および拡大斜視図である。
【図5】図1に示すトロリー線の構造を示す断面図である。
【図6】本発明に係る移動式ロボットの外部制御盤を示す概念図である。
【図7】本発明に係る移動式ロボットの構成を示す概念図である。
【図8】本発明に係る移動式ロボットと従来の移動式ロボットのレールとトロリー線、および集電子の位置関係を示す平面図である。
【図9】本発明に係る移動装置の集電部を示す正面図である。
【図10】本発明に係る移動装置の集電部を示す平面図である。
【図11】本発明に係る移動装置の集電部を示す平面図である。
【図12】従来の移動装置の集電部を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0064】
10 移動式ロボット
11 制御盤
12 走行台車(移動体)
13 車輪
14 レール
15 サーボモータ
16 走行駆動部
17 減速機
19 トロリー線
20 産業用ロボット
30 ラックギア
40 フローティングギア部
50 台座
52 取付板
54 台車側プレート(第3のプレート)
56 プレートB(第2のプレート)
57 長孔
58 プレートA(第1のプレート)
59 ダルマ長孔
60 押しネジ
61 ボルト
62 引きネジ
63 ボルト
64 蝶番
65 ボルト
67 球面座金
70 パンタグラフ
72 集電子
74 ケーブル
80 外部制御盤
90 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
敷設されたトロリー線と、
移動体上に設けられたパンタグラフにより前記トロリー線に付勢される集電子と、
を備え、
前記パンタグラフの基部が固定された第1のプレートが、前記移動体上に保持された第2のプレートに、鉛直方向軸回りに前記トロリー線に対して接離方向に回動可能に蝶番で支持されたことを特徴とする移動装置。
【請求項2】
前記第2のプレートは前記移動体に固定された第3のプレート上に、前記移動体の移動方向へスライド可能にネジ止めされたことを特徴とする請求項1に記載の移動装置。
【請求項3】
前記第1のプレートは前記移動体または前記第3のプレートに螺合するボルトが球面座金を介して挿通され、前記ボルトの締め込み量で前記トロリー線に対して接離方向に位置規制することを特徴とする請求項2に記載の移動装置。
【請求項4】
敷設されたトロリー線と、
移動体上に設けられたパンタグラフにより前記トロリー線に付勢される集電子と、
を備え、
前記パンタグラフの基部が固定された第1のプレートが、前記トロリー線に対して接離方向にスライド可能且つ、前記移動体の移動方向へスライド可能に、前記移動体上に支持されたことを特徴とする移動装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の移動装置に産業用ロボットが搭載されたことを特徴とする移動式ロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−81956(P2009−81956A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−249843(P2007−249843)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(507207214)REVSONIC株式会社 (11)
【Fターム(参考)】