説明

移動通信システムにおける通信端末及び通知方法

【課題】ユーザが紛失した通信端末を発見しやすくすること。
【解決手段】移動通信システムにおいてユーザが使用する通信端末は、ユーザが別の通信端末から発信した信号を受信する受信部と、通信端末の位置変化に基づいて、他のユーザが通信端末を操作したことを検出する検出部と、検出部による検出に応じて、受信部が受信した信号の発信元への通知信号を、送信する送信部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システムにおける通信端末及び通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話や情報端末のような通信端末の普及に伴って、様々な場所から簡易に通信を行うことが可能になり、ユーザの利便性は著しく向上した。そのような通信端末は、携帯可能で便利である反面、紛失しやすいという問題もある。通信端末の紛失に対処するための従来技術については、例えば特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−235823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
紛失した通信端末を発見するための1つの方法は、通信端末の位置情報を利用することである。例えば、ユーザが所定の通信端末から、紛失した通信端末宛に所定期間内に所定回数以上発信を行い、これに応じて、紛失した通信端末が位置情報を取得してサーバにアップロードし、ユーザがサーバにアクセスすることで通信端末を発見できるようにする技術がある。この技術の場合、紛失した通信端末に測位を行わせるために、所定の通信端末から発信しなければならないので、ユーザの近くにそのような所定の通信端末が無かった場合、紛失した通信端末の位置を速やかに突き止めることはできない、という問題がある。
【0005】
一方、タイマが満了するまでの間に通信端末が操作されなかった場合に、ロックモードに移行し、所定のメッセージを表示する技術もある。所定のメッセージに連絡先を含めることで、拾得者がその連絡先に電話することを促すものである。しかしながら、拾得者がそのようなメッセージを見たとしても、速やかにその連絡先に電話することは滅多にない。他方、紛失した通信端末宛に別の通信端末から発信したとしても、その時点では未だ拾得されていないかもしれないし、仮に拾得されていたとしても拾得者が応答できる状況ではないかもしれない。いずれにせよ、紛失したユーザが拾得者と連絡できる可能性は高くないという問題がある。
【0006】
本発明の課題は、ユーザが紛失した通信端末を発見しやすくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施例による通信端末は、
移動通信システムにおいてユーザが使用する通信端末であって、
前記ユーザが別の通信端末から発信した信号を受信する受信部と、
当該通信端末の位置変化に基づいて、他のユーザが当該通信端末を操作したことを検出する検出部と、
前記検出部による検出に応じて、前記受信部が受信した信号の発信元への通知信号を、送信する送信部と
を有する通信端末である。
【発明の効果】
【0008】
一実施例によれば、ユーザが紛失した通信端末を発見しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】基本形態において使用される通信端末の機能ブロック図。
【図2】基本形態における動作例を示す図。
【図3】変形例において使用されるサーバの機能ブロック図。
【図4】サーバを介する変形例における動作例を示す図。
【図5】サーバを介する別の変形例における動作例を示す図。
【図6】組み合わせの変形例における動作例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の観点から実施例を説明する。
【0011】
1.基本形態
1.1 構成
1.2 動作
2.サーバを介する変形例
2.1 構成
2.2 動作
3.サーバを介する別の変形例
4.組み合わせによる変形例
【実施例1】
【0012】
<1.基本形態>
<<1.1 構成>>
図1は、本実施例の基本形態において使用される通信端末の機能ブロック図を示す。図1には、通信端末に備わる様々な機能要素又は処理部の内、本実施例に特に関連するものが示されている。通信端末は、ユーザ又はクライアントが使用するものであり、本実施例においては、紛失してしまった通信端末に該当する。通信端末は、ユーザによる通信を可能にする適切な如何なる携帯可能な装置でもよい。通信端末は、例えば、ユーザ装置、携帯電話、情報端末、高機能携帯電話、スマートフォン、パーソナルディジタルアシスタント、携帯用パーソナルコンピュータ等であるが、これらに限定されない。通信端末は、通信部11、着信監視部13、位置情報取得部15、表示部17、端末操作監視部19、入力部21及び格納部23を有する。
【0013】
通信部11は、無線信号の送信及び受信に関する処理を行う。送信に関する処理は、ベースバンドのディジタル信号をアナログ無線信号に変換し、送信する処理を含む。受信に関する処理は、アナログ無線信号を受信し、ベースバンドのディジタル信号に変換する処理を含む。
【0014】
着信監視部13は、所定の期間内に所定の回数以上着信を受けたか否かを監視する。所定の期間は、例えば5分間であるが、用途に応じて任意の数値が使用されてよい。所定の回数は、例えば3回であるが、この値も用途に応じて任意の数値が使用されてよい。着信を受けた場合の送信元は、特定のものである必要はなく、どこでもよい。すなわち、送信元は、不特定の通信端末でよい。この点、着信の有無の判定が、特定の通信端末に限られていた従来技術と異なる。
【0015】
位置情報取得部15は、通信部11が所定の期間内に所定の回数以上着信を受けたことに応じて、通信端末の位置情報を取得する。位置情報は、典型的には、緯度及び経度により特定されるが、別のパラメータにより特定されてもよい。通信端末が、GPS衛星からの信号を受信するGPS受信機を備えていた場合、位置情報は、GPS受信機により取得した情報から導出されてもよい。あるいは、通信端末が通信できる最寄りの基地局又はアクセスポイントの位置が、通信端末の位置情報として代用されてもよい。さらに、複数の基地局からの受信レベルにより推定された位置が、通信端末の位置情報として使用されてもよい。
【0016】
表示部17は、通信端末における視覚的なユーザインターフェースである。表示部17は、通信部11が所定の期間内に所定の回数以上着信を受けたことに応じて、ユーザが予め登録しているメッセージを表示する。表示部17の具体例は、ディスプレイ、キーパッドを備えた制御パネル、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELパネル、タッチスクリーン、キーボード、マウス、トラックボール、マイクロフォン、スピーカ又はそれらの適切な任意の組み合わせ等であるが、これらに限定されない。一実施例において、表示部17は、タッチスクリーンを備え、タッチスクリーン内では、接触感知式の透明パネルが表示部の画面をカバーしている。なお、表示部17のような視覚的なユーザインターフェースとともに、スピーカ及びマイクロフォンのような聴覚的なユーザインターフェースも備わっている。
【0017】
端末操作監視部19は、通信部11が所定の期間内に所定の回数以上着信を受けたことに応じて、通信端末が操作されたことを検出する機能をディセーブル状態からイネーブル状態にする(インアクティブ状態からアクティブ状態にする)。イネーブル状態又はアクティブ状態になった端末操作監視部19は、通信端末の位置変化に基づいて、通信端末が何らかの拾得者により所持されているか否かを判定する。通信端末の上下左右前後の何れかの方向における位置変化は、例えば加速度センサにより検出することができる。通信端末が、拾得者により所持され、動かされた場合、端末操作監視部19はそのような動きがあったことを通信部11に通知する。これに応じて、通信部11は、所定の期間内に所定の回数以上着信を受けた際の発信元へ、通知信号を送信する。通知信号は、ショートメールサービス(SMS)により行われてもよいし、音声発信でもよい。その発信元付近には、紛失した通信端末(紛失端末)を捜しているユーザがいる。詳細な動作については後述するが、紛失端末からの通知が発信元に届いた直後に、発信元から発信すれば、紛失端末は拾得者の手中にあるので、拾得者が応答してくれる可能性が高い。その結果、ユーザは拾得者と連絡をとることに成功しやすくなる。
【0018】
入力部21は、ユーザが通信端末に情報を入力するためのユーザインターフェースである。このユーザインターフェースは、英数字、記号その他の文字を入力できるようにするキーボードや、カーソル制御装置等を含む。カーソル制御装置又はポインティングデバイスは、マウス、トラックボール、スタイラス、ペン、タッチスクリーン、カーソル指示キーその他のカーソルを動かす仕組みを含む。
【0019】
格納部23は、通信端末において使用される情報を格納するデータベースである。格納部23は、例えば、位置情報取得部15が取得した位置情報を格納する。好ましくは、過去一定期間にわたる複数の位置情報が、取得された時間の情報とともに格納され、位置の履歴を表現できることが好ましい。また、格納部23は、ユーザが入力部21に入力した情報を格納する。さらに、格納部23は、通信端末が何時どのように操作されたかを示す操作履歴情報も含む。操作履歴情報には、通信端末が前後左右上下のどの方向に動かされたかを示す情報も含まれる。
【0020】
<<1.2 動作>>
図2は、実施例の基本形態における動作例を示す。ユーザは、自身の通信端末を紛失しているものとする。
【0021】
ステップS201において、ユーザが、別の通信端末から紛失した通信端末(紛失端末)へ発信する。別の通信端末は、発信することが可能な任意の通信端末でよい。別の通信端末は、個人の通信端末でもよいし、不特定の者が利用できる不特定の通信端末(例えば、公衆電話等)でもよい。
【0022】
ステップS203において、紛失端末の着信監視部13は、同じ通信端末からN分以内にm回以上着信を受けたか否かを判定する。N及びmの値は用途に応じて任意に設定されてよい。一例として、5分以内に3回以上着信を受けたか否かが判定される。N分以内にm回以上着信を受けるまでフローは元に戻る。N分以内にm回以上着信を受けた場合、フローはステップS205に進む。
【0023】
ステップS205において、紛失端末の位置情報取得部15は、紛失端末の現在の位置情報を取得し、サーバに通知又はアップロードする。図2には明示されていないが、紛失端末のユーザは、以後、サーバにアクセスすることで、紛失端末の地理的な場所を特定することができる。なお、ステップS205において、紛失端末の表示部17が、予めユーザが登録しているメッセージを表示してもよい。
【0024】
ステップS207において、従来とは異なり、本実施例による紛失端末は、ディセーブル状態又はインアクティブ状態であった端末操作監視部19を、イネーブル状態又はアクティブ状態にし、端末の操作の有無を監視し始める。原理的には、端末操作監視部19は、常にイネーブル状態又はアクティブ状態であってもよい。しかしながら、通信端末のバッテリを節約する観点からは、原則としてディセーブル状態にあり、N分以内にm回以上着信を受けた場合に、イネーブル状態に移ることが好ましい。
【0025】
ステップS209において、紛失端末が上下、左右及び/又は前後方向の何れかにおいて、紛失端末が動いたか否かが判定される。動きが検出されなかった場合、フローは元に戻り、動きが検出された場合、フローはステップS211に進む。
【0026】
ステップS211において、紛失端末は、動かされたことを示す情報を位置履歴格納部23に格納する。
【0027】
ステップS213において、紛失端末の通信部11は、紛失端末が動いたことに応答して通知信号を送信する。通知信号の宛先は、ステップS201において通信部11が受信した信号の発信元(別の通信端末)である。通知信号は、如何なる方法で送信されてもよい。例えば、通知信号は、音声発信でもよいが、ショートメールサービス(SMS)等によるメール送信であることが好ましい。拾得者が拾ったとたんに音声発信すると、拾得者が驚いてしまうかもしれないからである。
【0028】
ステップS215において、ユーザは、紛失端末からの通知に応答して、紛失端末宛に発信する。ステップS209において紛失端末が動いたということは、その紛失端末が拾われた可能性がある。このタイミングでユーザが紛失端末に発信すれば、紛失端末は拾得者の手中にあるので、拾得者が応答してくれる可能性は高い。このように本実施例によれば、ユーザは紛失端末の拾得者と連絡をとり、紛失端末を発見しやすくなる。さらに、ステップS205においてサーバにアップロードされた紛失端末の位置情報から、紛失端末が存在する店舗や会社が判明するかもしれない。通知を受けた適切なタイミングでその店舗や会社に電話し、紛失端末を問い合わせることも有効である。
【0029】
なお、ステップS215において、音声発信を行っているが、このことは本実施例に必須ではない。例えば、拾得者がユーザ宛に連絡することを促すメッセージを、紛失端末に表示させる制御信号が、ステップS215において紛失端末に送信されてもよい。この場合、拾得者が紛失端末を拾った後に、連絡先を示すメッセージが紛失端末に表示され、拾得者が所有者へ連絡することになる。
【0030】
<2.サーバを介する変形例>
<<2.1 構成>>
図3は、変形例において使用されるサーバの機能ブロック図を示す。紛失した通信端末(紛失端末)についての機能ブロック図は、図1に示すものと同様であるため説明を省略する。図3には、サーバに備わる様々な機能要素又は処理部の内、本実施例に特に関連するものが示されている。サーバは、通信部31、認証部33及び格納部35を有する。
【0031】
通信部31は、通信端末(紛失した通信端末だけでなく、他の通信端末も含む)との間でやりとりされる信号を送受信する。本変形例において、サーバは、紛失端末と、ユーザが使用する別の通信端末との間に介在し、それら双方と通信を行う。
【0032】
認証部33は、あるユーザが紛失端末のユーザであることを認証する処理を行う。
【0033】
格納部35は、サーバにおいて使用される情報を格納する。例えば、格納部35は、認証に必要なユーザの情報を格納する。また、格納部35は、ユーザから得られた情報を格納する。ユーザから得られた情報は、例えば、ユーザが使用している通信端末の電話番号、紛失端末の電話番号、ユーザが入力したメッセージ等を含む。
【0034】
<<2.2 動作>>
図4は、サーバを介する変形例における動作例を示す。この動作例においても、ユーザは、ある通信端末を紛失しているものとする。
【0035】
ステップS401において、ユーザは、別の通信端末から、サーバへ音声発信を行う。別の通信端末は、図2のステップS201における「別の通信端末」のように、発信することが可能な任意の通信端末でよい。したがって、別の通信端末は、個人の通信端末でもよいし、不特定の者が利用できる通信端末(例えば、公衆電話等)でもよい。
【0036】
ステップS403において、ユーザは、音声ガイダンスにより、紛失端末の電話番号の問い合わせを受ける。
【0037】
ステップS405において、ユーザは、紛失端末の電話番号をサーバに通知する。
【0038】
ステップS407において、ユーザは、音声ガイダンスにより、暗証番号の問い合わせを受ける。
【0039】
ステップS409において、ユーザは、暗証番号をサーバに通知する。
【0040】
ステップS411において、サーバは、紛失端末の電話番号と暗証番号との組み合わせが、有効、真正又は正当なものであるか否かを判定する。紛失端末の電話番号と暗証番号との組み合わせによる認証方法については、当該技術分野における適切な如何なる認証方法が使用されてもよい。認証に失敗した場合、以後の動作は行われない。認証に成功した場合、ステップS413において、サーバが、紛失端末に音声発信を行う。ステップS205−S211の動作は、図2を参照しながら説明したものと同様である。
【0041】
ステップS205において、紛失端末は、紛失端末の現在の位置情報を取得し、サーバに通知又はアップロードする。図4には明示されていないが、紛失端末のユーザは、以後、サーバにアクセスすることで、紛失端末の地理的な場所を特定することができる。
【0042】
ステップS207において、紛失端末は、ディセーブル状態又はインアクティブ状態であった端末操作監視部19を、イネーブル状態又はアクティブ状態にし、端末の操作の有無を監視し始める。
【0043】
ステップS209において、紛失端末が上下、左右及び/又は前後方向の何れかにおいて、紛失端末が動いたか否かが判定される。動きが検出されなかった場合、フローは元に戻り、動きが検出された場合、フローはステップS211に進む。
【0044】
ステップS211において、紛失端末は、紛失端末が動かされたことを示す情報を位置履歴格納部23に格納する。
【0045】
ステップS420において、紛失端末の通信部11は、紛失端末が動いたことに応答して通知信号を、サーバに送信する。これに応じて、サーバは、その通知信号を別の通信端末に送信する。サーバは、ステップS401における着信履歴と、ステップ405により取得した電話番号から、「別の通信端末」と「紛失端末」との対応関係を維持しているので、紛失端末からの通知信号を、別の通信端末へ適切に転送できる。通知信号は、ショートメールサービス(SMS)等によるメール送信であることが好ましい。
【0046】
ステップS215において、ユーザは、紛失端末からサーバを経由して届いた通知に応答して、紛失端末宛に発信する。このタイミングでユーザが紛失端末に発信することで、ユーザは紛失端末の拾得者と連絡をとり、紛失端末を発見しやすくなる。
【0047】
なお、ステップS215において、拾得者がユーザ宛に連絡することを促すメッセージを、紛失端末に表示させる制御信号が、ステップS215において紛失端末に送信されてもよい。この場合、拾得者が紛失端末を拾った後に、連絡先を示すメッセージが紛失端末に表示され、拾得者が所有者へ連絡することになる。
【0048】
<3.サーバを介する別の変形例>
本変形例において使用される通信端末は、図1に示すものと同様であるため、説明を省略する。また、本変形例において使用されるサーバは、図3に示すものと同様であるため、説明を省略する。
【0049】
図5は、サーバを介する変形例における動作例を示す。この動作例においても、ユーザは、ある通信端末を紛失しているものとする。ステップS401−S411は、図4において説明されたものと同様である。
【0050】
ステップS401において、ユーザは、別の通信端末から、サーバへ音声発信を行う。
【0051】
ステップS403において、ユーザは、音声ガイダンスにより、紛失端末の電話番号の問い合わせを受ける。
【0052】
ステップS405において、ユーザは、紛失端末の電話番号をサーバに通知する。
【0053】
ステップS407において、ユーザは、音声ガイダンスにより、暗証番号の問い合わせを受ける。
【0054】
ステップS409において、ユーザは、暗証番号をサーバに通知する。
【0055】
ステップS411において、サーバは、紛失端末の電話番号と暗証番号との組み合わせが、有効なものであるか否かを判定する。
【0056】
ステップS501において、ユーザは、音声ガイダンスにより、連絡先の電話番号及びメッセージを入力するように促される。
【0057】
ステップS503において、ユーザは、連絡先の電話番号又はメッセージをサーバに通知する。メッセージは、例えば、「この端末を拾得された方は、お手数ですが、以下の連絡先までご連絡下さいますようお願い申し上げます。連絡先:xxx−xxxx−xxxx」のようなものである。
【0058】
ステップS505において、サーバは、紛失端末に音声発信を行う。ステップS411における認証は成功しているものとする。
【0059】
ステップS205において、紛失端末は、紛失端末の現在の位置情報を取得し、サーバに通知又はアップロードする。図5には明示されていないが、紛失端末のユーザは、以後、サーバにアクセスすることで、紛失端末の地理的な場所を特定することができる。
【0060】
ステップS507において、紛失端末は、音声発信の着信を受けたことに応答して、メッセージを取得するためのリクエスト信号をサーバに送信する。
【0061】
ステップS509において、サーバは、リクエスト信号に応答して、ユーザが入力したメッセージを紛失端末に通知する。ユーザが入力したメッセージは、音声により表現されてもよいし、その音声をテキスト化したテキストファイルにより表現されてもよい。
【0062】
ステップS511において、紛失端末は、サーバから受信したメッセージを、音声及び/又は又は文字により紛失端末上で出力する。
【0063】
<4.組み合わせによる変形例>
本変形例において使用される通信端末は、図1に示すものと同様であるため、説明を省略する。また、本変形例において使用されるサーバは、図3に示すものと同様であるため、説明を省略する。
【0064】
図6は、組み合わせの変形例における動作例を示す。この動作例においても、ユーザは、ある通信端末を紛失しているものとする。ステップS401−S411、S501−S511、S205−S211は、図5、図2等において説明されたものと同様である。
【0065】
ステップS401において、ユーザは、別の通信端末から、サーバへ音声発信を行う。
【0066】
ステップS403において、ユーザは、音声ガイダンスにより、紛失端末の電話番号の問い合わせを受ける。
【0067】
ステップS405において、ユーザは、紛失端末の電話番号をサーバに通知する。
【0068】
ステップS407において、ユーザは、音声ガイダンスにより、暗証番号の問い合わせを受ける。
【0069】
ステップS409において、ユーザは、暗証番号をサーバに通知する。
【0070】
ステップS411において、サーバは、紛失端末の電話番号と暗証番号との組み合わせが、有効、真正又は正当なものであるか否かを判定する。
【0071】
ステップS501において、ユーザは、音声ガイダンスにより、連絡先の電話番号及びメッセージを入力するように促される。
【0072】
ステップS503において、ユーザは、連絡先の電話番号又はメッセージをサーバに通知する。
【0073】
ステップS505において、サーバは、紛失端末に音声発信を行う。ステップS411における認証は成功しているものとする。
【0074】
ステップS205において、紛失端末は、紛失端末の現在の位置情報を取得し、サーバに通知又はアップロードする。図5には明示されていないが、紛失端末のユーザは、以後、サーバにアクセスすることで、紛失端末の地理的な場所を特定することができる。
【0075】
ステップS207において、紛失端末は、ディセーブル状態又はインアクティブ状態であった端末操作監視部19を、イネーブル状態又はアクティブ状態にし、端末の操作の有無を監視し始める。
【0076】
ステップS209において、紛失端末が上下、左右及び/又は前後方向の何れかにおいて、紛失端末が動いたか否かが判定される。動きが検出されなかった場合、フローは元に戻り、動きが検出された場合、フローはステップS211に進む。
【0077】
ステップS211において、紛失端末は、紛失端末が動かされたことを示す情報を位置履歴格納部23に格納する。
【0078】
ステップS507において、紛失端末は、音声発信の着信を受けたことに応答して、メッセージを取得するためのリクエスト信号をサーバに送信する。
【0079】
ステップS509において、サーバは、リクエスト信号に応答して、ユーザが入力したメッセージを紛失端末に通知する。
【0080】
ステップS511において、紛失端末は、サーバから受信したメッセージを、音声及び/又は文字により紛失端末上で出力する。
【0081】
以上に説明したように、本実施例によれば、通信端末を紛失したユーザは、任意の通信端末から捜索を速やかに開始することができる。紛失端末が動いたタイミングにおいて、ユーザは紛失端末に電話をかけることができるので、ユーザが拾得者と連絡をとることに成功しやすくなる。さらに、紛失端末に測位を実行させる契機となる音声発信は、ユーザの代わりにサーバが行ってもよい。サーバからの着信に応じて紛失端末に測位させることで、ユーザが紛失端末に所定期間内に何度も電話する手間を省くことができる。
【0082】
以上本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、それらは単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。例えば、本発明は、適切な如何なる移動通信システムに適用されてもよい。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。実施例又は項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。ソフトウェアは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に用意されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が本発明に包含される。
【符号の説明】
【0083】
11 通信部
13 着信監視部
15 位置情報取得部
17 表示部
19 端末操作監視部
21 入力部
23 格納部
31 通信部
33 認証部
35 格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信システムにおいてユーザが使用する通信端末であって、
前記ユーザが別の通信端末から発信した信号を受信する受信部と、
当該通信端末の位置変化に基づいて、他のユーザが当該通信端末を操作したことを検出する検出部と、
前記検出部による検出に応じて、前記受信部が受信した信号の発信元への通知信号を、送信する送信部と
を有する通信端末。
【請求項2】
当該通信端末は、前記ユーザが前記別の通信端末から発信した信号を、前記受信部が受信したことに応じて、当該通信端末の位置情報を取得する位置情報取得部をさらに有し、
前記送信部が前記位置情報をサーバへアップロードする、請求項1記載の通信端末。
【請求項3】
前記位置情報取得部は、前記ユーザが前記別の通信端末から発信した信号を、所定の期間内に所定の回数以上、前記受信部が受信したことに応じて、当該通信端末の位置情報を取得する、請求項2記載の通信端末。
【請求項4】
前記受信部は、前記ユーザが別の通信端末から発信した信号をサーバを介して受信し、前記送信部は、前記発信元への前記通知信号を該サーバに送信する、請求項1ないし3の何れか1項に記載の通信端末。
【請求項5】
前記ユーザが前記サーバに登録したメッセージを、前記受信部が受信し、該メッセージが前記他のユーザに通知される、請求項4記載の通信端末。
【請求項6】
前記メッセージが、文字及び/又は音声により前記他のユーザに通知される、請求項5記載の通信端末。
【請求項7】
通信端末のユーザが別の通信端末から発信した信号を、当該通信端末において受信し、
当該通信端末の位置変化に基づいて、他のユーザが当該通信端末を操作したことを検出し、
受信した前記信号の発信元への通知信号を送信するステップ
を有する通知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−191510(P2012−191510A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54517(P2011−54517)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】