説明

移載機能付ロボットシステム

【課題】移動ロボットを用いて荷物を自動的に積込み、積降しを確実に行うこと。
【解決手段】前記ロボットが前記設備ローダに対する相対的な位置及び方向の制御を行う位置決め制御手段と、前記搭載ローダ、及び、前記設備ローダにおける荷物の積載の有無をそれぞれ検出する第1、及び、第2の荷物検出手段と、該第1、及び、第2の荷物検出手段の出力により、前記搭載ローダと前記設備ローダの間で、移載開始から移載終了までの荷物の移載動作を通信して制御する移載制御手段とを備え、前記移載制御手段が移載終了と判断した後、前記ロボットが設備ローダから移動する手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移載機能を備えた移動ロボットシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、無人搬送車で荷物を搬送する方法として、例えば、特許文献1(特開平9−267905号公報)の搬送車用荷物移載装置において、停止ステーションの荷物搬出入部に設けられ荷物Wを搬出入方向(左右方向)へ搬送可能な第1搬送機構と、無人搬送車に設けられ荷物Wを搬出入方向(左右方向)へ搬送可能な第2搬送機構と、第1搬送機構を駆動する駆動機構であって、停止ステーションに停止した無人搬送車の第2搬送機構を駆動可能な駆動機構を有し、駆動機構の駆動伝達機構により、第1、第2搬送機構を同期駆動可能に構成したことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−267905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された技術では、無人搬送車と停止ステーションとで荷物を搬出入するとき、ローラを有した搬送機構で行うが、その制御については開示されていない。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ロボットに搭載した搭載ローダにより荷物を搬送し、確実に荷物の積込み・積降しを行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、ロボットシステムにおいて、移動する移動機構と荷物の積込み・積降しを行う搭載ローダを備えたロボットと、前記搭載ローダとの間で荷物の移載を行う設備ローダから構成されるロボットシステムにおいて、前記搭載ローダ、及び、前記設備ローダにおける荷物の積載の有無をそれぞれ検出する第1、及び、第2の荷物検出手段と、該第1、及び、第2の荷物検出手段の出力を基に、前記ロボットが前記設備ローダまでの進行の可否を判断し、進行可能であるとき、前記設備ローダまで移動する走行制御手段と、前記ロボットが前記設備ローダまで移動した後、前記設備ローダに対する相対的な位置及び方向の制御を行う位置決め制御手段と、前記搭載ローダと前記設備ローダの間で、移載開始から移載終了までの荷物の移載動作を通信して制御する移載制御手段とを備え、前記移載制御手段が移載終了と判断した後、前記ロボットが設備ローダから移動することを特徴とする。
また、上記ロボットシステムにおいて、前記移載制御手段が前記搭載ローダへの荷物の積込みを終了と判断した後、前記ロボットは前記荷物の転落を防止する転落防止装置をセットすることを特徴とする 。
また、上記ロボットシステムにおいて、前記移載制御手段が前記搭載ローダからの荷物の積降しを行う前に、前記ロボットは前記荷物の転落を防止する転落防止装置を解除することを特徴とする 。
また、上記ロボットシステムにおいて、前記第1及び第2の荷物検出手段は、移載方向に対する荷物の傾きを検知する機能を備えたことを特徴とする。
【0007】

また、上記ロボットシステムにおいて、前記移載制御手段が、
荷物の移載が失敗したと判断したときには、前記荷物を元の状態に移動するとともに、
前記位置決め制御手段により、前記ロボットの位置・角度を補正して、再度、荷物の移載を行うことを特徴とする。
また、上記ロボットシステムにおいて、前記ロボットが前記設備ローダに移動する前に、
前記走行制御手段は、前記搭載ローダに荷物を積込む場合には搭載ローダに荷物が積載されていないことを、荷物を積降す場合には荷物が積載されていることを判断して、前記設備ローダへの移動の実施・不実施を決定することを特徴とする。
また、上記ロボットシステムにおいて、前記位置決め制御手段で行う位置決め終了時における前記搭載ローダと前記設備ローダの対面した平行方向(荷物移載方向に対する垂直方向)の位置ずれ最大誤差をΔX0とすると、前記搭載ローダ及び前記設備ローダにおける移載入口の幅L1、荷物積載領域の幅L2は、L1-L2≧2ΔX0>0を満たす形状であることを特徴とする。
また、上記ロボットシステムにおいて、前記搭載ローダ及び設備ローダは上面から見た床投影形状が同一であり、かつ、前記ロボットの周囲に取り付けたバンパの床投影形状の内側にあることを特徴とする。
また、移動する移動機構と荷物の積込み・積降しを行う搭載ローダを備えたロボットと、前記搭載ローダとの間で荷物の移載を行う設備ローダから構成されるロボットシステムにおいて、前記ロボットが前記設備ローダから荷物を積込む前に、前記設備ローダに荷物がないことを検出したとき、前記ロボットは、前記荷物が前記設備ローダに搭載され、前記ロボットに移載された後に、前記ロボットを移動する機能と、前記荷物が前記ロボットに直接搭載された後に、前記ロボットを移動する機能と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、移動する移動機構と荷物の積込み・積降しを行う搭載ローダを備えたロボットと、前記搭載ローダとの間で荷物の移載を行う設備ローダから構成されるロボットシステムにおいて、前記ロボットが前記設備ローダに第1の荷物を積降す前に、前記設備ローダに第2の荷物があることを検出したとき、前記ロボットは、前記第2の荷物が前記設備ローダから取り除かれて、前記ロボットから第1の荷物が移載された後、前記ロボットが移動する機能と、前記第1の荷物が前記ロボットから直接積降ろされた後、前記ロボットが移動する機能と、を備えたことを特徴とする。
また、上記ロボットシステムにおいて、前記設備ローダの荷物が正常状態にないときには、設備ローダの荷物の有無を周囲に報知するとともに、予め設定した時間を経過した後は、異なる状態で報知することを特徴とする 。
また、ロボット上記システムにおいて、前記ロボットに荷物の搬送方法を指示するロボット管理装置を備え、前記ロボットは、前記ロボット管理装置の指示に従い、移動、搬送を行うとともに、前記指示どおりに機能できない場合には、前記ロボットの状態を伝達することを特徴とする。
【0009】
さらに、移動する移動機構と荷物の積込み・積降しを行う搭載ローダを備えたロボットと、前記搭載ローダとの間で荷物の移載を行う設備ローダから構成されるロボットシステムにおいて、前記ロボットが前記設備ローダに対する相対的な位置及び方向の制御を行う位置決め制御手段と、前記搭載ローダ、及び、前記設備ローダにおける荷物の積載の有無をそれぞれ検出する第1、及び、第2の荷物検出手段と、該第1、及び、第2の荷物検出手段の出力により、前記搭載ローダと前記設備ローダの間で、移載開始から移載終了までの荷物の移載動作を通信して制御する移載制御手段とを備え、前記移載制御手段が移載終了と判断した後、前記ロボットが設備ローダから移動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る移動ロボットは、複数の荷物検出手段により、人手に頼ることなく、常に安定して自動積込み・自動積降し、実現することができる。これにより、現場搬送における省力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1の移載機能付移動ロボットシステムである。
【図2】本発明の搭載ローダを有した移動ロボットの外観図を示す。
【図3】本発明の設備ローダの外観図を示す。
【図4】本発明の移動ロボットと設備ローダとで荷物を受け渡す斜視図である。
【図5】本発明の移動ロボットの上部に設置された搭載ローダを示す図である。
【図6】本発明の設備ローダと移動ロボットの搭載ローダの位置関係を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2における移載機能付移動ロボットシステムである。
【図8(a)】本発明の荷物の傾きを計測し、積み降ろしをリトライする図である。
【図8(b)】本発明の荷物を搭載ローダに戻した図である。
【図9(a)】本発明の荷物を続けて搭載ローダに戻した図である。
【図9(b)】本発明の荷物を後ろまで戻した図である。
【図10(a)】本発明の移動ロボットの位置決めを終了した図である。
【図10(b)】本発明の荷物の積み降ろしを続け、設備ローダで荷物が荷物停止部材で停止した状態を示す図である。
【図11(a)】本発明の荷物を設備ローダに移動した状態を示す図である。
【図11(b)】本発明の荷物の傾きを計測し、積み降ろしをリトライする図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明について図を用いて説明する。また、各図において共通の構成については同一の参照番号を付している。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る移載機能付移動ロボットシステムの概略構成であって、移動ロボット、設備ローダ、及びロボット管理システムよりなるシステムブロック図である。図1において、1は移載機能を有した移動ロボット、2は設備ローダ装置、3はロボット管理システムである。(図1に1が図示されていませんので、追記をお願いします。)移動ロボット1において、4は走行制御手段で、ロボット管理システム3から搬送命令を受けながら走行を制御する。5は位置決め制御手段で、移動ロボット1が設備ローダ装置2までに位置計測やアプローチを行い、位置決めを制御する。6は、レーザ距離センサで、移動ロボット1の周辺に存在する物体との距離、及び移動ロボットの正面方向に対する角度を検出する。7は、移載ローダで、荷物8を載置する載置台を有し、荷物8が落ちないように両側にはガイドを設け、さらに載置台には荷物8を出し入れし易いようにローラを設けている。
【0013】
また、搭載ローダ7の載置台には、荷物検出センサ9を前後に複数個設けており、さらに荷物用にストッパ10を設置している。11は、移動ロボット1の搭載ローダ7の移載制御手段で、荷物8の積み込み、及び積み降ろしを制御している。12は、移動ロボットの前面部又は周囲に設置された赤外線通信センサである。13は、移動ロボットが移動するための車輪である。14はロボット管理システム3と情報をやり取りするための通信装置である。また、ロボット管理システム3には移動ロボット1と通信を行う通信装置15を備えている。
【0014】
次に設備ローダ装置2は、下部の設備ローダ設置台16と上部の設備ローダ17より構成される。設備ローダ17は、荷物8を載置する載置台を有し、荷物8が落ちないように両側にはガイドを有している。また、載置台の荷物8の積み込み、積み降ろしがスムーズにできるようにローラを載置台に設けている。また、設備ローダ17には荷物8の有無を検出する荷物検出センサ18を備えている。19は、設備ローダ17の移載制御手段19で、荷物8の積み込む、積み降ろしを制御するものである。20は設備17に設けた赤外線通信センサである。
【0015】
次にこの移動ロボットシステムの動作について説明する。
【0016】
先ず、ロボット管理システム3より通信装置15を介して移動ロボット1の通信装置14へ荷物の搬送指令を送信する。移動ロボット1はこの信号を受け、設備ローダ17に出発する前、荷物検出センサ9、9aにより積載荷物のチェックを行う。
【0017】
次に、(1)積載荷物を設備ローダ17に積み降ろしに出発するとき、
(i)搭載ローダ7に荷物がある場合、移動ロボット1は設備ローダ17に向かって出発する。
【0018】
(ii)搭載ローダ7に荷物がない場合、ロボット管理システム3と他の移動ロボット等周囲に連絡し、ロボット管理システム3からの指示を待つ。指示を待っている際に、荷物検出センサ9、9aにより、荷物があることを検出したときには、ロボット管理システム3に通報し、出発の許可を得て、移動ロボット1は設備ローダ17に向かって出発する。
【0019】
次に、(2) 積載荷物を設備ローダ17に積み込み場合、搭載ローダ7に荷物が積載されていないことを確認し、
(i)搭載ローダ7に荷物がない場合、移動ロボット1は設備ローダ17に向かって出発する。
【0020】
(ii)搭載ローダ7に荷物がある場合、ロボット管理システム3と他の移動ロボット等周囲に連絡し、ロボット管理システム3からの指示を待つ。この場合も、荷物がなくなったときには、移動ロボット1はロボット管理システム3に通報して、設備ローダ17に発進する。
【0021】
次に、移動ロボット1が設備ローダ17までは、レーザ距離センサ6と内蔵した地図情報を照合することにより、移動ロボット自体の位置、方向を同定し、それに基づき走行制御を行い、自律走行する。そして、設備ローダ17の予め指定された地点Aに一旦停止する。
【0022】
次に、図1の位置決め手段が起動し、位置決め手段が終了するまで走行制御手段4は待機する。
【0023】
次に、位置決め制御手段5では、
(1)設備ローダ17までの相対位置を計測する。すなわち、レーザ距離センサにより、移動ロボットから設備ローダ17の設置台までの相対位置・相対方向を計測する。予め指定された地点Aを含む位置決め可能領域にあることを確認する。位置決め可能領域にない場合には、一旦、位置決め可能領域に移動する制御を行い、相対位置を再計測する。それを繰り返す。
【0024】
次に、(2)設備ローダ17へのアプローチを行う。位置決め可能領域にあることを確認した後、レーザ距離センサを用いた相対位置・相対方向を計測し、フィードバック制御により、位置決め制御を行いながら、設備ローダ17に接近する。
【0025】
さらに、(3)位置決め終了判断設備ローダ17の直前にある目標位置・目標方向に位置決めしたことを判断して、位置決めを終了する。
【0026】
上記の位置決め手段が終了したら、走行制御手段4に連絡して、走行制御手段4は搭載ローダ7の移載制御手段11を起動し、移載終了となるまで待機する。
【0027】
この移載制御手段11については後で説明する。
【0028】
次に、荷物の移載が終了したら、位置決め手段による移動によって、移動ロボットを移動し、上記の地点Aまで移動する。ここで、地点Aは、搭載ローダ7が設備ローダ17に積み込み、積み降ろしで位置決めする点の少し手前の点である。
【0029】
次に、ロボット管理システム3との通信を行い、搬送指令に対して、仕事が完了したことを報告する。積み込み終了のときは、荷物の搬送先まで自律走行する。積み降ろし終了のときは、ロボット管理システム3からの次に指令を待つ。
【0030】
次に、移動ロボット1の上部にある搭載ローダ7の移載制御手段11について説明する。
【0031】
搭載ローダ7の移載制御は、
(1) 荷物の積み降ろしの場合
(1−1)設備ローダ17の上の荷物の有無を確認し、
(1-1-1)荷物がない場合は、次の(1−2)の作業を行う。
【0032】
(1-1-2)荷物がある場合は、荷物積み降ろし要求を移動ロボットが音声で報知し、ロボット管理システム3へ連絡する。
【0033】
設備ローダ17の荷物がなくなった場合、次の(1−2)の作業を行う。
【0034】
搭載ローダ7の荷物がなくなった場合、ロボット管理システム3に連絡し、(1−2)を実施しないで次の指令を待つ。そしてロボット管理システム3の指示に従い、次の場所に移動し、音声報知は停止する。
【0035】
移動ロボットが音声報知する際、所定時間経過したときは音声報知の音量を上げ、周囲に警告を促す。また、音声の音量は次第に大きくしていっても良い。
【0036】
さらに、そのまま音声報知を続けるときは音声報知を停止し、待機する。
【0037】
(1−2)積み降ろしの移載制御は、搭載ローダ7のストッパを下げ、赤外線通信センサにより設備ローダ17と通信を行い、設備ローダ17の運転を開始した後、搭載ローダ7の運転を開始する。荷物の移載は、搭載ローダ7の荷物検出センサと設備ローダ17の荷物検出センサの出力の変化で検出することで確認できる。
【0038】
(1−3)次に荷物の移載が終了を判断する。すなわち、所定時間内に移載が終了することをチェックし、積み降ろし終了の場合は、移載終了と判断する。荷物の移載が時間内に終了しない場合は、周囲に音声で報知し警告を促す。そしてロボット管理システム3に連絡し、指令を待つ。ロボット管理システム3は、所定時間経過後、荷物の移載が終了しないときは次の指令を移動ロボットに送信する。
【0039】
以上が積み降ろしの場合で、次に積み込み場合の移載の制御について説明する。
(2)荷物の積み込みの場合
(2−1)設備ローダ17の上の荷物の有無を確認し、
(2-1-1)荷物がある場合、次の(2−2)の作業を行う。
【0040】
(2-1-2)荷物がない場合、荷物積み込み要求を移動ロボットが音声で周囲に報知し、ロボット管理システム3にも連絡する。
【0041】
設備ローダ17の荷物がセットされた場合、次の(2−2)の作業を行う。
【0042】
また、搭載ローダ7に荷物がセットされた場合、ロボット管理システム3に連絡し、(2−2)を実施しないで(2−3)の作業を実施する。
【0043】
また、荷物がない場合、音声報知を行うが、所定時間経過したときは音声報知の音量を上げて更に警告を促す。それでもそのままの状態が続けば、音声報知は停止し、待機する。
【0044】
(2−2)荷物の積み込みの制御は、搭載ローダ7が下がっていることを確認して、搭載ローダ7の運転を開始した後、設備ローダ17の運転を開始する。そして、設備ローダ17と搭載ローダ7に設置された荷物検出センサにより荷物が移載されたことを確認する。
【0045】
また、所定時間内に荷物の移載が終了することをチェックし、時間内に終了しない場合、荷物の移載未終了をロボット管理システム3に報告し、指令を待つ。
(2−3)次に、移載終了判断は、所定時間内に荷物の移載が終了することをチェックし、積み込み移載終了の場合は、ストッパを上げてセットし、移載終了と判断する。荷物の移載が時間内に終了しない場合は、音声で報知し周囲に知らせる。また、移載未終了をロボット管理システム3に連絡して、指令を待つ。
【0046】
ロボット管理システム3は、所定時間経過後、移載未終了のときの次の指令を移動ロボットに送信する。
【0047】
図2は、図1の移載機能付移動ロボットシステムの移動ロボットの外観図を示す。図2において、1aは移動ロボット本体部を示し、走行制御や移動機構を有する部分である。移動ロボット1aの上部に搭載ローダ7を有し、搭載ローダ7は、荷物8を載置する載置台24を有し、載置台24の両側面にはガイド22と後方にガイド23を設け、荷物8の落下を防止する。また、載置台24で荷物8を積み込み、積み降ろしする前方側にはストッパ10を設け、ストッパ10は上下する可動式で、荷物の積み込み、積み降ろしの場合は下がり、荷物を積み込んで移動ロボットが移動中は上がっている。また、載置台24には、荷物8を積み込み、積み降ろしする方向に直角にローラが配置され、荷物の積み込み、積み降ろしがスムーズに行えるようにしている。
【0048】
また、載置台24の側面ガイド22においては、荷物8の積み込み、積み降ろしがしやすいように外側に向かってテーパ形状としている。
【0049】
移動ロボット1に下部には、バンパ25を設け、バンパ25の外形寸法は、搭載ローダ7の外形寸法より小さくしている。
次に、図3に本発明の設備ローダ17の外観図を示す。図3(a)は、設備ローダ17の斜視図で、図3(b)は上方斜めから見た設備ローダ17の外観図である。
【0050】
図3の設備ローダ17において、荷物8を積み降ろしを行う載置台28の両側には側面ガイド27を設け、移動ロボット1との間で荷物8を移動する側の反対側(後方側)には、荷物8を停止させる荷物停止部材26を設ける。この荷物停止部材26は固定させても、
可動式でも良い。
【0051】
また、載置台にはローラ30を設け、荷物8が負荷なく搬送でき、荷物8の積み込み、積み降ろしがスムーズにできる。また、移動ロボット1が近接する側(前面側)と後方側の載置台には荷物検出センサ18、18aを設置し、荷物8の有無を検出し、移載制御手段19にその情報を送信している。
【0052】
図4は、移載機能を有した移動ロボット1が設備ローダ装置2に接近し位置決めして、荷物の受け渡しを行っている外観図である。図4で、1aは移動ロボット本体、25はバンパ、7は搭載ローダ、24は荷物の載置台である。また、2は設備ローダ装置で、16は設備ローダ設置台、17は設備ローダ、8は荷物で、荷物8はプラスチック製のコンテナ等を用い、荷物を搬送する。
【0053】
図5は、移動ロボット1の上部に設置した搭載ローダ7の構造図である。図5(a)は搭載ローダ7の上面図、(b)は側面断面図、(c)は(a)のA−A断面図を示す。
【0054】
図5において、9、9aは荷物検出センサ、24は荷物の載置台、10はストッパ、21はローラ、22は側面ガイド、23は後方の背面ガイドである。ローラ21において、中央部のローラは駆動ローラで、移載入口ローラ21bと終端部のローラ21aはフリーローラである。駆動ローラ21はモータによりベルトを介して回転駆動し、荷物を移載する。側面ガイド22は、搭載入口側に開口するテーパ形状とし、開口角は10〜20度が適切である。このように開口させることにより、荷物の移載をスムーズに行うことができ、荷物が開口部(テーパ部)に接触しても本来の方向に復元して、載置台の中央部の所定位置に移載することができる。荷物検出センサ9、9aは、2つを1組として、移載入口側と終端側にそれぞれ1組配置している。2個1組の荷物検出センサは、荷物の移動方向に対して、垂直方向(ロータ軸方向)に配置している。このように4個の荷物検出センサを配置することによって、載置台上の荷物の置き方がローラ軸に対して直角に置かれているか、斜めに置かれているかを計測することができる。さらに、4個のセンサのうち1個のセンサが故障した場合、容易にどのセンサが故障したかを判定することができる。
【0055】
次に、ストッパ10について、ストッパ10は、搭載ローダ7の移載入り口に配置し、荷物を搭載し、送行時に落下するのを防止する。また、搭載ローダ7の終端部には、背面ガイド23を設け、荷物の落下を防止する。
【0056】
次に図6を用いて、移動ロボットの搭載ローダ7と設備ローダ17との位置決めについて説明する。
【0057】
図6は、移載ローダ7と設備ローダ装置2が向き合い、荷物を移載するときの位置関係を示す図である。図6において、左側が移動ロボットに搭載した搭載ローダ7で、右側が設備ローダ装置2に設備ローダ17である。
【0058】
設備ローダ17において、28は荷物の載置台、18.18aは荷物検出センサ、30、30a,30bはローラで、中央の3本が駆動ローラ30、30a,30bはフリーローラである。27は側面ガイドで、26は荷物停止部材で固定である。駆動ローラ30は、モータよりベルトを介して駆動ローラを回転させ、荷物を移載する構成としている。設備ローダ17の移載入口は、搭載ローダ7と同じように、側面ガイド27を開口となるようにテーパ形状としている。そしてその角度は10〜20度が最適である。
【0059】
また、荷物検出センサは、搭載ローダ7と同じように、荷物検出センサ18、18aは、2つを1組として、移載入口側と終端側にそれぞれ1組配置している。2個1組の荷物検出センサは、荷物の移動方向に対して、垂直方向(ロータ軸方向)に配置している。このように4個の荷物検出センサを配置することによって、載置台上の荷物の置き方がローラ軸に対して直角に置かれているか、斜めに置かれているかを計測することができる。さらに、4個のセンサのうち1個のセンサが故障した場合、容易にどのセンサが故障したかを判定することができる。
【0060】
また、図6は、移動ロボットが設備ローダ17に位置決めしたときの関係図を示し、この図で、搭載ローダ7の荷物を移載する方向の中心線と設備ローダ17の荷物の移載する方向の中心線の位置ずれの最大値がΔX0とし、図5に示すように、搭載ローダ7の搭載入口幅をL1、荷物積載領域の幅をL2とすると、積載できる荷物は、荷物積載領域の幅L2の幅より小さいので、搭載ローダ7と設備ローダ17の中心線が一致するように、移動ロボットの位置決め制御を行う。このようにすることで、位置ずれが最大値ΔX0であったとしても、下記の(式1)の条件を満足すれば、荷物を搭載することができる。
【0061】
L1―L2≧2ΔX0>0 (式1)
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る移載機能付移動ロボットシステムについて、図7を用いて説明する。
【0062】
図7は、移載機能付移動ロボットシステムの概略構成で、図1の構成と異なる点は、ロボット管理システム3と設備ローダ17とにおいて、設備ローダ17に設置した通信装置35とロボット管理システム3の通信装置15とで情報を相互に通信できる点である。
このような構成にすることにより、設備ローダ17はロボット管理システム3と直接通信でき、設備ローダ17の状態を連絡するとともに、ロボット管理システム3が設備ローダ17を制御することが可能となる。
【0063】
また、実施の形態2の走行手段4の動作について説明するが、制御のフローに従って説明する。
【0064】
先ず、ロボット管理システム3より通信装置15を介して移動ロボット1の通信装置14へ荷物の搬送指令を送信する。移動ロボット1はこの信号を受け、設備ローダ17に出発する前、通信装置15、通信装置14を介して、荷物検出センサ9、9aにより積載荷物のチェックを行う。
【0065】
ここでは、設備ローダ17での積み降ろしが指令されている場合について、初めに説明する。
まず、設備ローダ17での積み降ろしが指令されているときには、設備ローダ17に荷物がないことを確認する。荷物がある場合には、設備ローダ17の荷物を移動ロボット1が到着するまでに、取り除くように、移動ロボット1は設備ローダ17に指示する。設備ローダ17では、荷物を他に自動的に移載できる場合には、事前に移載する。できない場合には、設備ローダ17の上の荷物を移動するように周囲に報知する。それを実施した後、移動ロボット1は搭載ローダ7の荷物の有無を確認する。
(i)搭載ローダ7に荷物がある場合、移動ロボット1は設備ローダ17に向かって出発する。
(ii)搭載ローダ7に荷物がない場合、ロボット管理システム3と他の移動ロボット等周囲に連絡し、ロボット管理システム3からの指示を待つ。その後、荷物が搭載された場合の処理は、実施例1と同様でよい。
【0066】
次に、移動ロボット1が設備ローダ17までは、レーザ距離センサ6と内蔵した地図情報を照合することにより、移動ロボット自体の位置、方向を同定し、それに基づき走行制御を行い、自律走行する。そして、設備ローダ17の予め指定された地点Aに一旦停止する。
ここで、地点Aは、搭載ローダ7が設備ローダ17に積み込み、積み降ろしで位置決めする点の手前の点である。
【0067】
次に、図7の位置決め手段が起動し、位置決め手段が終了するまで走行制御手段4は待機する。
【0068】
次に、位置決め制御手段5では、
(1)設備ローダ17までの相対位置を計測する。すなわち、レーザ距離センサにより、移動ロボットから設備ローダ17の設置台までの相対位置・相対方向を計測する。予め指定された地点Aを含む位置決め可能領域にあることを確認する。位置決め可能領域にない場合には、一旦、位置決め可能領域に移動する制御を行い、相対位置を再計測する。それを繰り返す。
【0069】
次に、(2)設備ローダ17へのアプローチを行う。位置決め可能領域にあることを確認した後、レーザ距離センサを用いた相対位置・相対方向を計測し、フィードバック制御により、位置決め制御を行いながら、設備ローダ17に接近する。
【0070】
さらに、(3)位置決め終了判断について、設備ローダ17の直前にある目標位置・目標方向に位置決めしたことを判断して、位置決めを終了する。
【0071】
上記の位置決め手段が終了したら、走行制御手段4に連絡して、走行制御手段4は搭載ローダ7の移載制御手段11を起動し、移載終了となるまで待機する。
【0072】
この移載制御手段11については後述する。
【0073】
次に、荷物の移載が終了したら、位置決め手段による移動によって、移動ロボットを移動し、上記の地点Aまで移動する。
【0074】
次に、ロボット管理システム3との通信を行い、搬送指令に対して、仕事が完了したことを報告する。積み込み終了のときは、荷物の搬送先まで自律走行する。積み降ろし終了のときは、ロボット管理システム3からの次に指令を待つ。以上が、設備ローダ17での積み降ろしが指令された場合の説明である。
【0075】
これに対して、設備ローダ17での積込みが指令されたときについて、積み降しと異なる点を主に説明する。
【0076】
設備ローダ17で移動ロボット1に荷物を積込む場合、設備ローダ17に荷物があることを確認する。設備ローダ17に荷物がない場合には、移動ロボット1が設備ローダ17に到着するまでに、荷物を設備ローダ17に置くように、設備ローダ17に通信により指令する。他の機器から設備ローダ17への荷物の移載ができる機能を持っている場合には、自動的に設備ローダ17への移載を行う。できない場合には、作業者に設備ローダ17への荷物の積載をするように周囲に報知する。
【0077】
次に、移動ロボット1は搭載ローダ7に荷物が積載されていることを確認する。
【0078】
(i)搭載ローダ7に荷物がない場合、移動ロボット1は設備ローダ17に向かって出発する。
【0079】
(ii)搭載ローダ7に荷物がある場合、ロボット管理システム3と他の移動ロボット、作業者等、周囲に連絡し、ロボット管理システム3からの指示を待つ。
【0080】
次に、実施の形態2の移動ロボット1の上部の搭載ローダ7の移載制御手段11について説明する。
【0081】
搭載ローダ7の移載制御は、
搭載ローダ7から設備ローダ17への荷物の積み降ろしの場合
(1−1)設備ローダ17の上の荷物の有無を確認し、
(1-1-1)荷物がない場合は、次の(1−2)の作業を行う。
【0082】
(1-1-2)荷物がある場合は、荷物積み降ろし要求を移動ロボットが音声で報知し、ロボット管理システム3へ連絡する。
【0083】
設備ローダ17の荷物がなくなった場合、次の(1−2)の作業を行う。
【0084】
搭載ローダ7の荷物がなくなった場合、ロボット管理システム3に連絡し、(1−2)を実施しないで次の指令を待つ。そしてロボット管理システム3の指示に従い、次の場所に移動し、音声報知は停止する。
【0085】
移動ロボットが音声報知する際、所定時間経過したときは音声報知の音量を上げ、周囲に警告を促す。また、音声の音量は次第に大きくしていっても良い。
【0086】
さらに、そのまま音声報知を続けるときは音声報知を停止し、待機する。
【0087】
(1−2)積み降ろしの移載制御は、搭載ローダ7のストッパを下げ、赤外線通信センサにより設備ローダ17と通信を行い、設備ローダ17の運転を開始した後、搭載ローダ7の運転を開始する。荷物の移載は、搭載ローダ7の荷物検出センサと設備ローダ17の荷物検出センサの出力の変化で検出することで確認できる。
【0088】
(1−3)次に荷物の移載が終了を判断する。
【0089】
所定時間内に、移載が終了することをチェックし、積降ろし終了の場合は、移載終了と判断する。
【0090】
移載が時間内に終了しない場合には、搭載ローダ7及び設備ローダ17を逆回転し、荷物を搭載ローダ7に戻す。荷物を搭載ローダ7に戻したことをロボット管理システム3に連絡するとともに、周囲に音声報知する。荷物を戻すとき、荷物の角度を搭載ローダ7により、計測する。計測した荷物の角度を元に、移動ロボットの目標位置、及び、目標角度を設定する。その方法については図8で後述する。
【0091】
以上が積み降ろしの場合で、次に設備ローダ17から搭載ローダ7への積み込み場合の移載の制御について説明する。
(2)荷物の積み込みの場合
(2−1)設備ローダ17の上の荷物の有無を確認し、
(2-1-1)荷物がある場合、次の(2−2)の作業を行う。
【0092】
(2-1-2)荷物がない場合、荷物積み込み要求を移動ロボットが音声で周囲に報知し、ロボット管理システム3にも連絡する。
【0093】
設備ローダ17の荷物がセットされた場合、次の(2−2)の作業を行う。
【0094】
また、搭載ローダ7に荷物がセットされた場合、ロボット管理システム3に連絡し、(2−2)を実施しないで(2−3)の作業を実施する。
【0095】
また、荷物がない場合、音声報知を行うが、所定時間経過したときは音声報知の音量を上げて更に警告を促す。それでもそのままの状態が続けば、音声報知は停止し、待機する。
【0096】
(2−2)荷物の積み込みの制御は、搭載ローダ7のストッパ10が下がっていることを確認して、搭載ローダ7の運転を開始した後、設備ローダ17の運転を開始する。そして、設備ローダ17と搭載ローダ7に設置された荷物検出センサにより荷物が移載されたことを確認する。
【0097】
また、所定時間内に荷物の移載が終了することをチェックし、時間内に終了しない場合、荷物の移載未終了をロボット管理システム3に報告し、指令を待つ。
(2−3)次に、移載終了判断は、所定時間内に荷物の移載が終了することをチェックし、積み込み移載終了の場合は、ストッパを上げてセットし、移載終了と判断する。
【0098】
移載が時間内に終了しない場合には、搭載ローダ7及び設備ローダ17を逆回転し、荷物を設備ローダ17に戻す。荷物を設備ローダ17に戻したことをロボット管理システム3に連絡するとともに、周囲に音声報知。積降の場合と同様に、荷物を戻すとき、荷物の角度を設備ローダ17により、計測する。それを元に、移動ロボット1の目標位置、及び、目標角度を設定する。
【0099】
上記の移載が時間内に終了しない場合について、図8から図11を用いて説明する。
【0100】
図8(a)は、搭載ローダ7より設備ローダ17に荷物を移載するとき、移動ロボットが設備ローダ17に対して位置ずれを起こし、荷物を設備ローダ17に移載したとき水平面上で傾いて移載され、設備ローダ17の移載入口の側面ガイドに接触し、停止した状態を示している。
このような状態から脱出する方法について、以下説明する。
【0101】
図8(b)は、搭載ローダ7及び設備ローダ17の駆動ローラを逆回転させ、そして搭載ローダ7に一旦戻した状態を示している。また、この状態で、荷物を戻しているとき時刻t1において荷物検出センサ9a−1で荷物を検出する。
【0102】
次に、図9(a)において、荷物をさらに戻し、時刻t2で荷物検出センサ9a−2により荷物を検出する。また、時刻t1から時刻t2までに駆動ローラの回転角度を計測する。この回転角度により荷物の水平方向の傾きを計測することができる。
【0103】
次に、図9(b)は、さらに、荷物を奥側(終端部)に移動させる。そのとき、荷物検出センサ9-1.9-2を用いて、上記と同じように、駆動ローラの回転角度より荷物の傾きを計測し、計測制度を向上させる。
【0104】
次に、荷物が傾いているため設備ローダ17で停止したが、移動ロボットの目標位置、目標角度を変更する。その後、移動ロボットの位置決め精度を再度行う。位置決めを終了したときの状態を図10(a)に示す。図10(a)では、分かり易くするために移動ロボットの位置決め終了時の位置、角度を大幅に変更している。
【0105】
そして、再び荷物の積み降ろしを開始する。
【0106】
図10(b)は、荷物を搭載ローダ7から設備ローダ17へ移動する状態を示す。図10(b)において、搭載ローダ7の荷物検出センサ9a−1,9a−2で荷物がなくなったことを検出するとともに、搭載ローダ7の荷物検出センサ9−1,9−2で荷物があることを検出し、さらに、設備ローダ17の荷物検出センサ18a−1,18a−2で荷物が移動したことを検出する。
【0107】
さらに、荷物を設備ローダ17に移動した状態が図11(a)である。図11(a)において、荷物の後部を側面ガイドに接触することもあるが、荷物を設備ローダ17に積み降ろし続ける。図11(a)のように、荷物の積み降ろしを続けると、設備ローダ17での荷物は図11(b)のように荷物停止部材26で停止する。このとき荷物検出センサ18a−1,18a−2により荷物があることを、荷物検出センサ18−1,18−2により荷物がないことを検出することによって積み降ろしが終了したことを判断できる。
【0108】
また、荷物検出センサを配置している位置は、荷物の寸法より大きく取ることが必要である。また、本実施例では、リトライが1回の場合について説明したが、複数回リトライを行うことで自動積み降ろしのトラブルを大幅に軽減することができる。
【符号の説明】
【0109】
1‥移動ロボット
2‥設備ローダ装置
3‥ロボット管理システム
4‥走行制御手段
5‥位置決め制御手段
6‥レーザ距離センサ
7‥搭載ローダ
8‥荷物
9、9a‥荷物検出手段
10‥ストッパ
11‥移載制御手段
12‥赤外線通信センサ
14、15‥通信装置
16‥設備ローダ設置台
17‥設備ローダ
18、18a‥荷物検出センサ
19‥移載制御手段
20‥赤外線通信センサ
21,30‥ローラ
22‥側面ガイド
23‥背面ガイド
27‥側面ガイド
24、28‥載置台
25‥バンパ
26‥荷物停止部材
35‥通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動する移動機構と荷物の積込み・積降しを行う搭載ローダを備えたロボットと、前記搭載ローダとの間で荷物の移載を行う設備ローダから構成されるロボットシステムにおいて、
前記搭載ローダ、及び、前記設備ローダにおける荷物の積載の有無をそれぞれ検出する第1、及び、第2の荷物検出手段と、
該第1、及び、第2の荷物検出手段の出力を基に、前記ロボットが前記設備ローダまでの進行の可否を判断し、進行可能であるとき、前記設備ローダまで移動する走行制御手段と、
前記ロボットが前記設備ローダまで移動した後、前記設備ローダに対する相対的な位置及び方向の制御を行う位置決め制御手段と、
前記搭載ローダと前記設備ローダの間で、移載開始から移載終了までの荷物の移載動作を通信して制御する移載制御手段とを備え、
前記移載制御手段が移載終了と判断した後、前記ロボットが設備ローダから移動することを特徴とするロボットシステム。
【請求項2】
請求項1記載のロボットシステムにおいて、
前記移載制御手段が前記搭載ローダへの荷物の積込みを終了と判断した後、前記ロボットは前記荷物の転落を防止する転落防止装置をセットすることを特徴とするロボットシステム。
【請求項3】
請求項1記載のロボットシステムにおいて、
前記移載制御手段が前記搭載ローダからの荷物の積降しを行う前に、前記ロボットは前記荷物の転落を防止する転落防止装置を解除することを特徴とするロボットシステム。
【請求項4】
請求項1記載のロボットシステムにおいて、
前記第1及び第2の荷物検出手段は、移載方向に対する荷物の傾きを検知する機能を備えたことを特徴とするロボットシステム。
【請求項5】
請求項1記載のロボットシステムにおいて、
前記移載制御手段が、荷物の移載が失敗したと判断したときには、前記荷物を元の状態に移動するとともに、前記位置決め制御手段により、前記ロボットの位置・角度を補正して、再度、荷物の移載を行うことを特徴とするロボットシステム。
【請求項6】
請求項1記載のロボットシステムにおいて、
前記ロボットが前記設備ローダに移動する前に、前記走行制御手段は、前記搭載ローダに荷物を積込む場合には搭載ローダに荷物が積載されていないことを、荷物を積降す場合には荷物が積載されていることを判断して、前記設備ローダへの移動の実施・不実施を決定することを特徴とするロボットシステム。
【請求項7】
請求項1のロボットシステムにおいて、
前記位置決め制御手段で行う位置決め終了時における前記搭載ローダと前記設備ローダの対面した平行方向(荷物移載方向に対する垂直方向)の位置ずれ最大誤差をΔX0とすると、前記搭載ローダ及び前記設備ローダにおける移載入口の幅L1、荷物積載領域の幅L2は、L1-L2≧2ΔX0>0を満たす形状であることを特徴とするロボットシステム。
【請求項8】
請求項1のロボットシステムにおいて、
前記搭載ローダ及び設備ローダは上面から見た床投影形状が同一であり、かつ、前記ロボットの周囲に取り付けたバンパの床投影形状の内側にあることを特徴とするロボットシステム。
【請求項9】
移動する移動機構と荷物の積込み・積降しを行う搭載ローダを備えたロボットと、前記搭載ローダとの間で荷物の移載を行う設備ローダから構成されるロボットシステムにおいて、
前記ロボットが前記設備ローダから荷物を積込む前に、前記設備ローダに荷物がないことを検出したとき、
前記ロボットは、
前記荷物が前記設備ローダに搭載され、前記ロボットに移載された後に、前記ロボットを移動する機能と、
前記荷物が前記ロボットに直接搭載された後に、前記ロボットを移動する機能と、
を備えたことを特徴とするロボットシステム。
【請求項10】
移動する移動機構と荷物の積込み・積降しを行う搭載ローダを備えたロボットと、前記搭載ローダとの間で荷物の移載を行う設備ローダから構成されるロボットシステムにおいて、
前記ロボットが前記設備ローダに第1の荷物を積降す前に、前記設備ローダに第2の荷物があることを検出したとき、
前記ロボットは、前記第2の荷物が前記設備ローダから取り除かれて、前記ロボットから第1の荷物が移載された後、前記ロボットが移動する機能と、前記第1の荷物が前記ロボットから直接積降ろされた後、前記ロボットが移動する機能と、を備えたことを特徴とするロボットシステム。
【請求項11】
請求項9乃至10記載のロボットシステムにおいて、前記設備ローダの荷物が正常状態にないときには、設備ローダの荷物の有無を周囲に報知するとともに、予め設定した時間を経過した後は、異なる状態で報知することを特徴とするロボットシステム。
【請求項12】
請求項1乃至11記載のロボットシステムにおいて、前記ロボットに荷物の搬送方法を指示するロボット管理装置を備え、
前記ロボットは、前記ロボット管理装置の指示に従い、移動、搬送を行うとともに、前記指示どおりに機能できない場合には、前記ロボットの状態を伝達することを特徴とするロボットシステム。
【請求項13】
移動する移動機構と荷物の積込み・積降しを行う搭載ローダを備えたロボットと、前記搭載ローダとの間で荷物の移載を行う設備ローダから構成されるロボットシステムにおいて、
前記ロボットが前記設備ローダに対する相対的な位置及び方向の制御を行う位置決め制御手段と、前記搭載ローダ、及び、前記設備ローダにおける荷物の積載の有無をそれぞれ検出する第1、及び、第2の荷物検出手段と、該第1、及び、第2の荷物検出手段の出力により、前記搭載ローダと前記設備ローダの間で、移載開始から移載終了までの荷物の移載動作を通信して制御する移載制御手段とを備え、前記移載制御手段が移載終了と判断した後、前記ロボットが設備ローダから移動することを特徴とするロボットシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8(a)】
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【図8(b)】
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【図9(a)】
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【図9(b)】
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【図10(a)】
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【図10(b)】
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【図11(a)】
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【図11(b)】
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【公開番号】特開2011−105469(P2011−105469A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−263469(P2009−263469)
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(502129933)株式会社日立産機システム (1,140)
【Fターム(参考)】