説明

移載装置

【課題】移載場所との間で複数の物品を移載する際の移載効率を向上できるようにする。
【解決手段】移載装置29は、荷物Wを載置する荷物載置部31aと、移動部32と、移載制御部81cと、を備えている。移動部32は、第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33bと、前フック34aおよび後フック34bと、を有している。第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33bは、荷物載置部31aに対して移載方向に沿った前後X方向に伸縮自在である。前フック34aおよび後フック34bは、前後X方向に間隔を隔てて第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33bに配置される。前フック34aおよび後フック34bは、荷物Wの前後X方向の第1端面W1に接触可能な第1接触面35aおよび第1端面W1と逆側の第2端面W2に接触可能な第2接触面35bをそれぞれ有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移載装置、特に、移載場所との間で物品を移載する移載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物品を伸縮部で引っ掛けて物品が収納される棚(移載場所の一例)との間で物品を移載する移載装置が従来知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の移載装置は、物品載置部と、物品載置部から伸長する一対の伸縮部と、一対の伸縮部の両端に対向してそれぞれ配置されたフックと、を有している。一対の伸縮部は、移載方向に移動可能であるととともに、互いに離反する開位置および接近する閉位置とに移動可能である。
【0003】
このような構成の移載装置では、移載装置から棚に物品を移載する場合、物品載置部において、物品の移載方向の両端面にフックを対向して配置する。そして、一対の伸縮部を開位置から閉位置に移動させ、フックが物品を押圧可能に配置する。この状態で伸縮部を移載方向のいずれかに移動させることにより、フックが物品を引っ掛けて物品を移載装置から棚に移載する。
棚から物品を移載装置に移載する場合、一対の伸縮部を開位置にした状態で移載する物品が収納された棚に移動させ、物品の移載方向の両端面にフックを対向して配置する。そして、一対の伸縮部を閉位置に移動させ、フックが物品を押圧可能に配置する。この状態で伸縮部を移載装置に向けて移動させることにより、フックが物品を引っ掛けて物品を棚から移載装置の物品載置部に移載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−278607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の移載装置では、物品を一つずつ棚との物品載置部の間で移載している。このため、棚に複数の物品が移載方向に並べて配置されている場合、物品の移載時間が長くなり、移載効率が悪くなる。
【0006】
本発明の課題は、移載場所との間で複数の物品を移載する際の移載効率を向上できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明に係る移載装置は、移載場所との間で物品を移載する装置である。移載装置は、物品を載置する物品載置部と、移動部と、移載制御部と、を備えている。移動部は、伸縮部と、少なくとも二つのフックと、を有している。伸縮部は、物品載置部に対して移載方向に沿った第1方向に伸縮自在である。少なくとも二つのフックは、第1方向に間隔を隔てて伸縮部に配置される。各フックは、物品の第1方向の第1端面に接触可能な第1接触面および第1端面と逆側の第2端面に接触可能な第2接触面をそれぞれ有している。移載制御部は、移動部を制御する。
この移載装置では、伸縮部に設けられた少なくとも二つのフックが、移載方向に沿った第1方向に間隔を隔てて配置されている。この少なくとも二つのフックの第1接触面を少なくとも二つの物品の第1端面にそれぞれ接触させることで、例えば少なくとも二つの物品を押し込んで、物品載置部から移載場所に荷下ろしできる。また、少なくとも二つのフックの第2接触面を物品の第2端面に接触させることで、少なくとも二つの物品を一括して引き込んで、移載場所から物品載置部に荷積みできる。
これにより、移載場所との間で少なくとも二つの物品を移載する際の移載効率を向上できる。しかも、物品の第1端面および第2端面を押し引きするだけでよいので、物品に押し引きするための特別な構造が不要である。
【0008】
伸縮部は、物品2個分以上の距離を第1方向に沿って伸長可能であり、物品載置部は、物品を2個載置可能であり、フックは2個であり、2個のフックの第1方向の間隔は物品1個以上の長さであってもよい。これにより、移載装置は、移載場所との間で2個の物品を一括して移載できる。
【0009】
移載場所は、物品を第1方向に間隔を隔てて2個収納可能な棚であってもよい。第1方向において棚の物品載置部に接近する側に物品が収納されている場合、移載制御部は、移動部を以下のように制御する。2個のフックのうち、棚に近いフックによって物品を棚の奥側に押し込み、棚から遠いフックによって物品載置部に載置された物品を棚に押し込む。
これにより、棚の手前側に収納されている物品を奥側に押し込めるので、手前側に物品が収納された棚に対して、一回の移載動作で物品載置部から物品を棚に移載できる。
【0010】
移載場所は、物品載置部を挟んで第1方向の両側に配置された第1棚と第2棚とであってもよい。各棚は、物品を第1方向に間隔を隔てて2個収納可能である。2個の物品が第1棚に収納されている場合、移載制御部は、移動部を以下のように制御する。2個のフックを2個の物品に各別に引っ掛け、物品載置部から遠い奥側の物品を物品載置部に引き込み、物品載置部に近い手前側の物品を第2棚に引き込む。
これにより、棚の手前側に収納された物品を逆側の棚に移載できるので、棚の奥側に入っている物品だけを一回の移載動作で棚から物品載置部に移載できる。
【0011】
伸縮部は、物品に対して接近動作および離反動作可能であり、移載制御部は、伸縮部を制御してもよい。これにより、伸縮部が第1方向に移動するとともに第1方向と交差する方向に物品に対して接近および離反する。このため、フックの第1接触面および第2接触面が物品の第1端面および第2端面にそれぞれ接触可能になる。この結果、フックを伸縮部に対して可動させる必要がなくなり、フックの構造が簡素化する。
【0012】
フックは、物品に接触する接触位置と物品から離反する離反位置との間で移動可能となるように伸縮部に設けられ、移載制御部は、伸縮部およびフックを制御してもよい。これにより、伸縮部を物品に接近および離反する動作をさせる必要がなくなり、伸縮部の構造が簡素化する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、少なくとも二つのフックの第1接触面を少なくとも二つの物品の第1端面に接触させることで、例えば少なくとも二つの物品を押し込みできる。また、少なくとも二つのフックの第2接触面を少なくとも二つの物品の第2端面に接触させることで、少なくとも二つの物品を一括して引き込みできる。これにより、移載場所との間で少なくとも二つの物品を移載する際の移載効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る第1実施形態の移載装置が採用された自動倉庫の概略平面図。
【図2】図1のII−II矢視図であり、ラックとスタッカクレーンを説明するための図。
【図3】図1のIII−III矢視図であり、ラックとスタッカクレーンを説明するための図。
【図4】移載装置の模式平面図。
【図5】移載装置の模式側面図。
【図6】クレーム制御部のブロック図。
【図7】移載装置の荷下ろし動作の一例を示す平面図。
【図8】移載装置の荷積み動作の一例を示す平面図。
【図9】本発明に係る第2実施形態の移載装置の図4に相当する図。
【図10】第2実施形態の図5に相当する図。
【図11】第2実施形態の図6に相当する図。
【図12】第2実施形態の図7に相当する図。
【図13】第2実施形態の図8に相当する図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1実施形態>
(1)自動倉庫全体
以下、本発明に係る第1実施形態が採用された自動倉庫1を説明する。なお、この実施形態において、図1の上下方向が自動倉庫1の前後X方向(移載方向である第1方向の一例)であり、図1の左右方向が自動倉庫1の左右Y方向である。
【0016】
図1において、自動倉庫1は、主に、前ラック2aおよび後ラック2bと、その間を走行するスタッカクレーン3とから構成されている。
【0017】
(2)ラック
前ラック2aおよび後ラック2bは、左右Y方向に延びるスタッカクレーン3の走行通路5を挟むよう前後に配置されている。前ラック2aおよび後ラック2bは、走行通路5側に所定間隔で左右に並ぶ多数の第1支柱7と、走行通路5と反対側に所定間隔を空けて並ぶ第2支柱9と、隣り合う第1支柱7および第2支柱9の間に設けられた多数の荷物収納棚11とを有している。荷物収納棚11には、図1から明らかなように、スタッカクレーン3が中心基準かつ後端(走行通路5側端)基準で2個の荷物W(物品の一例)を前後X方向に間隔を隔てて載置する。また、荷物収納棚11には荷物Wを検知するセンサ(図示せず)が設けられている。
【0018】
前ラック2aの左側の最下段の荷物収納棚11には、荷物Wを入庫するための入庫ステーション17が配置されている。後ラック2bの左側の最下段の荷物収納棚11には、荷物Wを出庫するための出庫ステーション19が配置されている。したがって、入庫ステーション17および出庫ステーション19においても、2個の荷物Wを入出庫可能である。
【0019】
(3)スタッカクレーン
図1、図2および図3において、走行通路5に沿って、上ガイドレール21aおよび下ガイドレール21bが設けられており、上ガイドレール21aおよび下ガイドレール21bにスタッカクレーン3が左右Y方向に移動可能に案内されている。スタッカクレーン3は、多数の荷物収納棚11と入庫ステーション17と出庫ステーション19との間で荷物Wを搬送する。
【0020】
スタッカクレーン3は、図2および図3に示すように、走行台車22と、昇降台27と、昇降台27に設けられた移載装置29と、を有している。走行台車22は、左右Y方向の両端部に左走行車輪23aおよび右走行車輪23bを有している。左走行車輪23aおよび右走行車輪23bは、走行台車22に軸受により回転自在に支持され、下ガイドレール21b上を走行する。走行台車22は、下ガイドレール21bを挟んで両端に一対配置された前ガイドローラ23cおよび後ガイドローラ23dにより下ガイドレール21bに案内される。右走行車輪23bは、走行用モータ87により駆動される。走行台車22の左走行車輪23aおよび右走行車輪23bの内側には、左マスト25aおよび右マスト25bが固定されている。左マスト25aおよび右マスト25bは、上下方向に延びている。昇降台27は、走行台車22に設けられた左マスト25aおよび右マスト25bに昇降自在に装着されている。右マスト25bには、スタッカクレーン3を制御するためのクレーン制御部81(図4参照)が収納された制御盤80が取り付けられている。
【0021】
(4)移載装置
移載装置29は、スタッカクレーン3と、入庫ステーション17、出庫ステーション19および荷物収納棚11と、の間で荷物Wを移載するための装置である。移載装置29は、図4および図5に示すように、昇降台27としても機能する装置本体31と、物品Wを第1方向に移動させる移動部32と、移動部32を制御する移載制御部81c(図6)と、を備えている。
【0022】
(4−1)装置本体
装置本体31は、荷物Wを載置可能な荷物載置部31aを有している。荷物載置部31aには、二つの荷物Wが中心基準で載置される。第1実施形態では、荷物Wは、前ラック2aおよび後ラック2bの荷物収納棚11と荷物載置部31aとで前後X方向において所定間隔Lで配置される。すなわち、前ラック2aおよび後ラック2bと荷物載置部31aに6個の荷物Wが配置されている場合、6個の荷物Wは等間隔に配置される。
【0023】
(4−2)移動部
移動部32の構成を、図4及び図5により説明する。移動部32は、荷物Wの前後X方向の第1端面(図4右側の側面)W1または第2端面(図4左側の端面)W2を押し込みまたは引き込みして荷物Wを移動させる機構である。移動部32は、左右Y方向に対向して配置された第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33bと、第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33bのそれぞれに前後X方向に間隔を隔てて配置された前フック34aおよび後フック34bと、を有している。
【0024】
第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33bは、前後X方向に2個の荷物W以上の距離を前後X方向に伸長可能である。第1実施形態では、荷物載置部31aに載置された2個の荷物Wを所定間隔Lで前ラック2aまたは後ラック2bの荷物収納棚11との間で移載可能な距離まで、第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33bは伸長可能である。第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33bは、第1ベース部材51aおよび第2ベース部材51bと、第1アーム53aおよび第2アーム53bとを有している。また、第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33bは、第1アーム53aおよび第2アーム53bを開閉させる開閉駆動部60と、第1アーム53aおよび第2アーム53bを同期して進退させる移動駆動部61と、を有している。第1ベース部材51aおよび第1アーム53aと、第2ベース部材51bおよび第2アーム53bは、鏡像関係にある構造である。
【0025】
(4−3)第1ベース部材および第2ベース部材
第1ベース部材51aおよび第2ベース部材51bは、左右Y方向に互いに接近および離反して開閉可能に装置本体31に設けられている。第1ベース部材51aおよび第2ベース部材51bは、荷物載置部31aの左右Y方向両側に配置されている。第1ベース部材51aおよび第2ベース部材51bは、対向する内側面で第1アーム53aおよび第2アーム53bを前後X方向に移動自在に支持する。第1ベース部材51aおよび第2ベース部材51bは、装置本体31に左右Y方向に移動自在に支持されている。
【0026】
(4−4)第1アームおよび第2アーム
第1アーム53aおよび第2アーム53bは、第1ベース部材51aおよび第2ベース部材51bに前後X方向に伸縮可能に各別に設けられている。
第1アーム53aは、第1中間アーム部54aと、第1先端アーム部55aと、を有している。第2アーム53bは、第2中間アーム部54bと、第2先端アーム部55bと、を有している。第1中間アーム部54aおよび第2中間アーム部54bは、第1ベース部材51aおよび第2ベース部材51bの内側面に前後X方向に移動自在に支持されている。第1中間アーム部54aおよび第2中間アーム部54bの前後X方向の長さは、第1先端アーム部55aおよび第2先端アーム部55bの長さより長い。
【0027】
第1先端アーム部55aおよび第2先端アーム部55bは、第1中間アーム部54aおよび第2中間アーム部54bの内側面にそれぞれ前後X方向に移動自在に支持されている。第1先端アーム部55aおよび第2先端アーム部55bは、図示しない連動機構を介して第1中間アーム部54aおよび第2中間アーム部54bに連結されている。連動機構は、第1中間アーム部54aおよび第2中間アーム部54bの移動に連動して第1先端アーム部55aおよび第2先端アーム部55bが2倍の距離移動するよう動作する。第1先端アーム部55aおよび第2先端アーム部55bの前後X方向の長さは、概ね、所定間隔Lに荷物W1個の長さを加えたものとなっている。
【0028】
(4−5)前フックおよび後フック
第1実施形態では、前フック34aおよび後フック34bは、第1先端アーム部55aおよび第2先端アーム部55bの両端部に前後X方向に間隔を隔てて設けられている。前フック34aおよび後フック34bは、第1先端アーム部55aおよび第2先端アーム部55bの両端部に互いに対向するように一体形成されている。前フック34aおよび後フック34bの間隔は、荷物Wの前後X方向の長さより長い。第1実施形態では、前フック34aおよび後フック34bの間隔は、荷物W1個の長さ以上であることが必要であり、この実施形態では、荷物収納棚11との間で所定間隔L空けて配置された荷物Wを、所定間隔Lを維持して移載できる長さである。
前フック34aおよび後フック34bは、荷物Wの第1端面W1に接触可能な第1接触面35aと荷物Wの第2端面W2に接触可能な第2接触面35bと、を有している。第1接触面35aは、前フック34aおよび後フック34bの前後X方向前側面に配置され、第2接触面は後側面に配置されている。第1先端アーム部55aに設けられた前フック34aおよび後フック34bは、第2先端アーム部55bに設けられた前フック34aおよび後フック34bとY方向に対向して配置され、互いに接近する側に突出している。
前フック34aおよび後フック34bにおいて第1接触面35aと第2接触面35bの間の長さは、この実施形態では、荷物W1個の長さに所定間隔Lを加え、さらに前フック34aまたは後フック34bの1個の厚みを引いた長さになっている。
【0029】
このような構成により、第1中間アーム部54aおよび第2中間アーム部54bが前後X方向の前側(図4の右側)又は後側(図4の左側)に移動すると、第1先端アーム部55aおよび第2先端アーム部55bは各別に移動する。第1先端アーム部55aおよび第2先端アーム部55bは、連動機構により、第1中間アーム部54aおよび第2中間アーム部54bの2倍の速度で同じ方向に移動する。このため、第1先端アーム部55aおよび第2先端アーム部55bは、第1中間アーム部54aおよび第2中間アーム部54bに対して進退する。
【0030】
(4−6)開閉駆動部
開閉駆動部60は、図4に示すように、第1ベース部材51aおよび第2ベース部材51bを左右Y方向に開閉駆動するための機構である。この開閉駆動により、前フック34aおよび後フック34bが荷物Wに接触する接触位置と離反する離反位置とに移動する。開閉駆動部60は、アーム開閉モータ93とアーム開閉モータ93に連結されたボールねじ軸62と、を有している。また、開閉駆動部60は、ボールねじ軸62に螺合するナット部材を有している。ナット部材は、第1ベース部材51aおよび第2ベース部材51bに各別に設けられている。ボールねじ軸62は、中間部でネジの方向の異なっており、例えば、図4上側は右ネジで図4下側は、左ネジである。したがって、第1ベース部材51aに設けられたナット部材は右ネジであり、第2ベース部材51bに設けられたナット部材は左ネジである。これより、ボールねじ軸62を一方向に回転させると、第1ベース部材51aと第2ベース部材51bが同じ割合閉方向に接近し、他方向に回転させると同じ割合で開方向に離反する。
【0031】
(4−7)移動駆動部
移動駆動部61は、図4に示すように、第1アーム53aおよび第2アーム53bを同期して前後X方向に往復移動させるものである。移動駆動部61は、アーム駆動モータ91と、スプライン軸69と、を有している。スプライン軸69には、図示しない駆動スプロケットに一体回転可能かつ軸方向移動自在に連結されている。駆動スプロケットは、第1ベース部材51aおよび第2ベース部材51bに回転自在かつ軸方向不能に連結されている。駆動スプロケットには、第1中間アーム部54aおよび第2中間アーム部54bを前後駆動する駆動チェーンが巻回されている。これにより、第1中間アーム部54aおよび第2中間アーム部54bが同期して前後X方向に伸縮する。また、第1先端アーム部55aおよび第2先端アーム部55bは、前述したように第1中間アーム部54aおよび第2中間アーム部54bと移動に連動して2倍の速度で伸縮する。
【0032】
(5)クレーン制御部
図6において、スタッカクレーン3のクレーン制御部81は、スタッカクレーン3の制御盤80に搭載されている。クレーン制御部81は、自動倉庫1全体を制御するコントローラ82と通信可能である。クレーン制御部81は、CPUやメモリ等のコンピュータ・ハードウェアを含んでいるが、図6においてはコンピュータ・ハードウェアとソフトウェアの協働によって実現される機能ブロックとして表現されている。なお、制御信号の送受信は無線(電波)で行っているが、有線であってもよい。
【0033】
クレーン制御部81は、走行台車22の走行および停止の制御を行う走行制御部81aと、昇降台27の昇降制御を行う昇降制御部81bと、移載装置29の移載制御を行う移載制御部81cとを機能構成として有している。クレーン制御部81には、走行用モータ87と、走行量検出用のロータリエンコーダ88と、昇降用モータ89と、昇降量検出用のロータリエンコーダ90と、が接続されている。また、クレーン制御部81には、アーム駆動モータ91と、アーム移動量検出用のロータリエンコーダ92と、アーム開閉モータ93と、アーム開閉移動量検出用のロータリエンコーダ94と、が接続されている。
【0034】
(6)スタッカクレーンの動作
(6−1)荷下ろし動作
図7に示す動作模式図を用いて、スタッカクレーン3の荷下ろし動作の一例を説明する。図7では、スタッカクレーン3が荷物を搬送元に迎えに行って搬送先に到着してから移載装置29が荷物収納棚11に荷物を下ろすまでの動作を説明する。なお、このとき、前ラック2a側の荷物収納棚11が搬送先であり、かつ荷物収納棚11の走行通路5に面した手前側には、すでに荷物Wbが収納された状態である。また、スタッカクレーン3は、搬送元で荷物Waを1個だけ荷物載置部31aの搬送元から離反した奥側に配置する。
【0035】
図7(a)に示すように、スタッカクレーン3が搬送先の荷物収納棚11に到着すると、移載制御部81cは、移動駆動部61を制御して、第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33bを搬送先の荷物収納棚11から離反する前後X方向に移動させる。具体的には、後フック34bの第2接触面35bが荷物Waの第2端面W2aに接触可能な位置まで、第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33bを搬送先から離反する方向(図8左方)に移動させる。続いて、開閉駆動部60を制御して後フック34bの第2接触面35bが荷物Waの第2端面W2aに接触可能な接触位置に第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33bを接近させる。この状態を図7(b)に示す。なお、図7(b)では、後フック34bの第2接触面35bは、第2端面W2aとの間にわずかな隙間(例えば5mmから10mm程度の隙間)が空くような前後X方向位置に配置されている。この隙間は、荷物Waの載置位置の誤差を考慮して設定される。
【0036】
この状態で、移載制御部81cは、移動駆動部61を制御して、第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33bを搬送先の荷物収納棚11の手前側に荷物Waが移載されるように前後X方向に移動させる。これにより、移載する荷物Waの第2端面W2aに第2接触面35bが接触し荷物Waが荷物収納棚11に押し込まれる。この移載動作の途中で荷物収納棚11の手前側に収納されていた荷物Wbの第2端面W2bが前フック34aの第2接触面35bに接触し、収納されていた荷物Wbが荷物収納棚11の奥側に押し込まれる。この状態を図7(c)に示す。
これにより、荷物収納棚11の手前側に収納されている荷物Wbを奥側に押し込める。このため、手前側に荷物Wbが収納された荷物収納棚11に対して、一回の移載動作で荷物載置部31aから荷物Waを荷物収納棚11の手前側に収納できる。
【0037】
(6−2)荷積み動作
図8に示す動作模式図を用いて、スタッカクレーン3の荷積み動作の一例を説明する。図8では、空のスタッカクレーン3が荷物を搬送元に迎えに行って、移載装置29が荷物収納棚11から荷物載置部31aに積み込むまでの動作を説明する。なお、このとき、前ラック2a側の荷物収納棚11が搬送元であり2個の荷物Waおよび荷物Wbが収納されている。また、荷物収納棚11の走行通路5に面した奥側の荷物Wbが荷積み対象の荷物であり、手前側の荷物Waは荷積み対象ではない。そこで、荷物Waは、後ラック2bの荷物収納棚11の手前側に収納される。
【0038】
図8(a)に示すように、スタッカクレーン3が搬送元の荷物収納棚11に到着すると、移載制御部81cは、移動駆動部61を制御して、第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33bを搬送元の荷物収納棚11に向けて前後X方向に移動させる。具体的には、前フック34aの第1接触面35aが荷物Wbの第1端面W1に接触可能な位置まで第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33bを搬送元(図8右方)に移動させる。続いて、開閉駆動部60を制御して前フック34aの第1接触面35aが荷物Wbの第1端面W1bに接触可能な接触位置に第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33bを接近させる。この状態を図8(b)に示す。なお、図8(b)では、前フック34aの第1接触面35aがわずかな隙間(例えば5mmから10mm程度の隙間)が空くような前後X方向の位置に配置されている。この隙間は、荷物Wの収納位置の誤差を考慮して設定される。
【0039】
この状態で、移載制御部81cは、移動駆動部61を制御して、第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33bを移載装置29の荷物載置部31aの後ラック2b側に荷物Wbが移載されるように前後X方向に移動させる。これにより、移載する荷物Wbの第1端面W1bに前フック34aの第1接触面35aが接触する。また、後ラック2bに移動させる荷物Waの第1端面Wa1に後フック34bの第1接触面35aが接触する。そして、荷物Waおよび荷物Wbが一括して前ラック2aおよび荷物載置部31aに引き込まれる。その後、荷物Waが後ラック2bの荷物収納棚11に引き込まれ、荷物Wbが移載装置29の荷物載置部31aに引き込まれる。この状態を図8(c)に示す。
これにより、荷物収納棚11の手前側に収納された荷物Waを逆側の後ラック2bの荷物収納棚11に移載できる。このため、荷物収納棚11の奥側に入っている荷物Wbだけを一回の移載動作で荷物収納棚11から荷物載置部31aに移載できる。
【0040】
<第2実施形態>
(7)移動部
第1実施形態では、移動部32において、第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33bに前フック34aおよび後フック34bを一体形成した。また、第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33bを開閉駆動部60により開閉して前フック34aおよび後フック34bを開閉させている。
【0041】
第2実施形態では、図9および図10に示すように、移動部132において、前フック134aおよび後フック134bが前後X方向の軸回りに開閉自在に第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33bに装着されている。したがって、第2実施形態では、開閉駆動部60は設けられていない。
【0042】
前フック134aおよび後フック134bは、第1先端アーム部155aおよび第2先端アーム部155bの両端部に、図10に矢印で示すように、前後X方向の軸回りに横向きの接触位置と下向きの離反位置との間で揺動自在に装着されている。接触位置は、第1接触面135aまたは第2接触面135bが荷物Wに接触する位置であり、離反位置は、第1接触面135aまたは第2接触面135bが荷物Wから離反する位置である。したがって、第2実施形態は、第1実施形態と第1先端アーム部155aおよび第2先端アーム部155bと、前フック134aおよび後フック134bと、第1ベース部材151aおよび第2ベース部材151bの構成が異なる。その他の構成は第1実施形態と同じである。
【0043】
また、図11に示すように、クレーン制御部81には、アーム開閉モータ93およびロータリエンコーダ94に代えて、第1フック開閉モータ193と、第2フック開閉モータ194と、が接続されている。第1フック開閉モータ193は第1先端アーム部155aに搭載され、第2フック開閉モータ194は第2先端アーム部155bに搭載されている。
なお、第2実施形態でも開閉駆動部60を設け、荷物Wの左右Y方向の幅に応じて第1伸縮部133aおよび第2伸縮部133bを開閉駆動するようにしてもよい。
【0044】
(8)スタッカクレーンの動作
(8−1)荷下ろし動作
図12に示す動作模式図を用いて、第2実施形態のスタッカクレーン3の荷下ろし動作の一例を説明する。なお、荷下ろしの状況は第1実施形態と同じである。
【0045】
図12(a)に示すように、スタッカクレーン3が搬送先の荷物収納棚11に到着すると、第1実施形態と同様に、移載制御部81cは、移動駆動部61を以下のように制御しする。つまり、第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33bは、搬送先の荷物収納棚11から離反する前後X方向に移動させられる。続いて、第1フック開閉モータ193および第2フック開閉モータ194を制御して後フック134bの第2接触面135bが荷物Waの第2端面W2aに接触可能な接触位置に後フック134bを揺動させる。第2実施形態では、後フック134bと前フック134aは、一つの第1フック開閉モータ193および第2フック開閉モータ194により駆動されるので、前フック134aも同時に接触位置に揺動する。この状態を図12(b)に示す。なお、図12(b)でも、後フック134bの第2接触面135bは、荷物Waの第2接触面135bとの間でわずかな隙間(例えば5mmから10mm程度の隙間)が空くような前後X方向位置に配置されている。
【0046】
この状態で、移載制御部81cは、移動駆動部61を制御して第1実施形態と同様に、第1伸縮部133aおよび第2伸縮部133bを搬送先の荷物収納棚11の手前側に荷物Waが移載されるように前後X方向に移動させる。これにより、移載する荷物Waの第2端面W2aに第2接触面135bが接触し荷物Waが荷物収納棚11に押し込まれる。この移載動作の途中で荷物収納棚11の手前側に収納されていた荷物Wbの第2端面W2bが前フック134aの第2接触面135bに接触し、収納されていた荷物Wbが荷物収納棚11の奥側に押し込まれる。この状態を図12(c)に示す。
これにより、荷物収納棚11の手前側に収納されている荷物Wbを奥側に押し込める。このため、手前側に荷物Wbが収納された荷物収納棚11に対して、一回の移載動作で荷物載置部31aから荷物Waを荷物収納棚11の手前側に収納できる。
【0047】
(8−2)荷積み動作
図13に示す動作模式図を用いて、スタッカクレーン3の荷積み動作の一例を説明する。荷積みの状況は第1実施形態と同じである。
【0048】
図13(a)に示すように、スタッカクレーン3が搬送元の荷物収納棚11に到着すると、移載制御部81cは、移動駆動部61を制御して、第1伸縮部133aおよび第2伸縮部133bを搬送元の荷物収納棚11に向けて前後X方向に移動させる。このとき、前フック134aおよび後フック134bは、離反位置に配置される。続いて、第1フック開閉モータ193および第2フック開閉モータ194を制御して前フック134aの第1接触面135aが荷物Wbの第1端面W1bに接触可能な接触位置に後フック134bを揺動させる。この状態を図13(b)に示す。なお、第2実施形態でも、前フック134aの第1接触面135aが荷物Wbの第1接触面Wb2との間でわずかな隙間(例えば5mmから10mm程度の隙間)が空くような前後X方向の位置に配置されている。
【0049】
この状態で、移載制御部81cは、移動駆動部61を制御して、第1伸縮部133aおよび第2伸縮部133bを移載装置29の荷物載置部31aの後ラック2b側に荷物Wbが移載されるように前後X方向に移動させる。これにより、移載する荷物Wbの第1端面W1bに前フック134aの第1接触面135aが接触する。また、後ラック2bに移動させる荷物Waの第1端面Wa1に後フック134bの第1接触面135aが接触する。そして、荷物Waおよび荷物Wbが一括して後ラック2bおよび荷物載置部31aに引き込まれる。そして、荷物Waが後ラック2bの荷物収納棚11に引き込まれ、荷物Wbが移載装置29の荷物載置部31aに引き込まれる。この状態を図13(c)に示す。
【0050】
これにより、第1実施形態と同様に、荷物収納棚11の手前側に収納された荷物Waを逆側の後ラック2bの荷物収納棚11に移載できる。このため、荷物収納棚11の奥側に入っている荷物Wbだけを一回の移載動作で荷物収納棚11から荷物載置部31aに移載できる。
【0051】
なお、第2実施形態では、第1伸縮部133aおよび第2伸縮部133bのそれぞれに搭載された前フック134aおよび後フック134bを一括して揺動させたが、別々に揺動させてもよい。これにより、前フックまたは後フックを個別に接触位置または離反位置に配置できるので、移載の自由度がさらに多くなる。
【0052】
(9)特徴
(A)移載装置29は、荷物収納棚11との間で荷物Wを移載する装置である。移載装置29は、荷物Wを載置する荷物載置部31aと、移動部32(または移動部132)と、移載制御部81cと、を備えている。移動部32(または移動部132)は、第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33b(または第1伸縮部133aおよび第2伸縮部133b)と、前フック34aおよび後フック34b(または前フック134aおよび後フック134b)と、を有している。第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33b(または第1伸縮部133aおよび第2伸縮部133b)は、荷物載置部31aに対して移載方向に沿った前後X方向に伸縮自在である。前フック34aおよび後フック34b(または前フック134aおよび後フック134b)は、前後X方向に間隔を隔てて第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33b(または第1伸縮部133aおよび第2伸縮部133b)に配置される。前フック34aおよび後フック34bは、荷物Wの前後X方向の第1端面W1に接触可能な第1接触面35a(または第1接触面135a)および第1端面W1と逆側の第2端面W2に接触可能な第2接触面35b(または第1接触面135a)をそれぞれ有している。移載制御部81cは、移動部32を制御する。
【0053】
この移載装置29では、第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33b(または第1伸縮部133aおよび第2伸縮部133b)に設けられた前フック34aおよび後フック34b(または前フック134aおよび後フック134b)が移載方向に沿った前後X方向に間隔を隔てて配置されている。前フック34aおよび後フック34b(または前フック134aおよび後フック134b)の第1接触面35a(または第1接触面135a)を荷物Wの第1端面W1に接触させると、二つの荷物Wを押し込んで、荷物載置部31aから荷物収納棚11に荷下ろしできる。また、前フック34aおよび後フック34b(または前フック134aおよび後フック134b)の第2接触面35b(または第2接触面135b)を荷物Wの第2端面W2に接触させると、二つの荷物Wを一括して引き込んで、荷物収納棚11から荷物載置部31aに荷積みできる。これにより、荷物収納棚11との間で二つの荷物Wを移載する際の移載効率を向上できる。しかも、荷物Wの第1端面W1および第2端面W2を押し引きするだけでよいので、荷物Wに押し引きするための特別な構造が不要である。
【0054】
(B)第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33b(または第1伸縮部133aおよび第2伸縮部133b)は、荷物W2個分以上の距離を前後X方向に沿って伸長可能である。荷物載置部31aは、荷物Wを2個載置可能である。前フック34aおよび後フック34b(または前フック134aおよび後フック134b)の前後X方向の間隔は荷物W1個以上の長さである。これにより、荷物収納棚11との間で2個の荷物Wを一括して移載できる。
【0055】
(C)荷物収納棚11は、荷物Wを前後X方向に間隔を隔てて2個収納可能な棚であってもよい。前後X方向において荷物収納棚11の荷物載置部31aに接近する手前側に荷物Wbが収納されている場合、移載制御部81cは、前フック34aおよび後フック34b(または前フック134aおよび後フック134b)のうち、荷物収納棚11に近い前フック34a(または前フック134a)によって荷物収納棚11に収納されている荷物Wbを荷物収納棚11の奥側に押し込む。また、荷物収納棚11から遠い後フック34b(または後フック134b)で荷物載置部31aに載置された荷物Waを荷物収納棚11に押し込むように移動部32を制御する。
これにより、棚の手前側に収納されている荷物Wbを奥側に押し込めるので、手前側に荷物Wbが収納された荷物収納棚11に対して、一回の移載動作で荷物載置部31aから荷物Waを荷物収納棚11に移載できる。
【0056】
(D)荷物収納棚11は、荷物載置部31aを挟んで前後X方向の両側に配置された前ラック2aの棚および後ラック2bの棚であってもよい。各棚は、荷物Wを前後X方向に間隔を隔てて2個収納可能な棚である。前後X方向において荷物Waおよび荷物Wbが荷物収納棚11に収納されている場合、移載制御部81cは、前フック34aおよび後フック34b(または前フック134aおよび後フック134b)を荷物Waおよび荷物Wbに各別に引っ掛け、荷物載置部31aから遠い奥側の荷物Wbを荷物載置部31aに引き込み、荷物載置部31aに近い手前側の荷物Waを後ラック2bの荷物収納棚11に引き込むように移動部32を制御する。
これにより、前ラック2aの荷物収納棚11の手前側に収納された荷物Waを逆側の後ラック2bの荷物収納棚11に移載できるので、荷物収納棚11の奥側に入っている荷物Wbだけを一回の移載動作で棚から荷物載置部31aに移載できる。
【0057】
(E)第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33bは、荷物Wに対して接近動作および離反動作可能であり、移載制御部81cは、第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33bを制御する。これにより、第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33bが前後X方向に移動するとともに、前後X方向と交差する左右Y方向に荷物Wに対して接近および離反する。このため、前フック34aおよび後フック34bの第1接触面35aおよび第2接触面35bを第1端面W1および第2端面W2にそれぞれ接触可能になる。この結果、前フック34aおよび後フック34bを第1伸縮部33aおよび第2伸縮部33bに対して可動させる必要がなくなり、前フック34aおよび後フック34bの構造が簡素化する。
【0058】
(F)前フック134aおよび後フック134bは、荷物Wに接触する接触位置と荷物Wから離反する離反位置との間で移動可能となるように第1伸縮部133aおよび第2伸縮部133bに設けられている。移載制御部81cは、第1伸縮部133aおよび第2伸縮部133b並びに前フック134aおよび後フック134bを制御する。これにより、第1伸縮部133aおよび第2伸縮部133bを荷物Wに接近および離反する動作をさせる必要がなくなり、第1伸縮部133aおよび第2伸縮部133bの構造が簡素化する。
【0059】
(10)他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態および変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
【0060】
(a)前記実施形態では、伸縮部を左右Y方向に間隔を隔てて二つ設けたが、伸縮部は一つでもよい。この場合、伸縮部を荷物より下方を伸縮するように配置してもよい。また、フックは、伸縮部に荷物に接触する接触位置と離反する離反位置とに揺動自在に構成するのが好ましい。また、伸縮部を荷物より下方を伸縮するように配置した場合には、伸縮部自体が上下動するようになっていてもよい。なお、フックの左右方向の長さは荷物の1/10〜1/2程度の長さであることが好ましい。
【0061】
(b)前記実施形態では、荷物載置部31aに何も装置を設けていないが、荷物載置部31aに荷物を搬送可能なベルトコンベアまたはローラコンベアを配置してもよい。
【0062】
(c)前記実施形態では、第1アーム53aおよび第2アーム53bをそれぞれ二つのアーム部で構成したが一つのアーム部で構成してもよい。この場合、アーム部をシザース構造で伸縮させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明に係る移載装置は、例えば、自動倉庫のスタッカクレーン等に広く適用可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 自動倉庫
2a 前ラック
2b 後ラック
3 スタッカクレーン
5 走行通路
7 第1支柱
9 第2支柱
11 荷物収納棚
17 入庫ステーション
19 出庫ステーション
21a 上ガイドレール
21b 下ガイドレール
22 走行台車
23a 左走行車輪
23b 右走行車輪
23c 前ガイドローラ
23d 後ガイドローラ
25a 左マスト
25b 右マスト
27 昇降台
29 移載装置
31 装置本体
31a 荷物載置部
32 移動部
33a 第1伸縮部
33b 第2伸縮部
34a 前フック
34b 後フック
35a 第1接触面
35b 第2接触面
51a 第1ベース部材
51b 第2ベース部材
53a 第1アーム
53b 第2アーム
54a 第1中間アーム部
54b 第2中間アーム部
55a 第1先端アーム部
55b 第2先端アーム部
60 開閉駆動部
61 移動駆動部
62 ボールねじ軸
69 スプライン軸
80 制御盤
81 クレーン制御部
81a 走行制御部
81b 昇降制御部
81c 移載制御部
82 コントローラ
87 走行用モータ
88 ロータリエンコーダ
89 昇降用モータ
90 ロータリエンコーダ
91 アーム駆動モータ
92 ロータリエンコーダ
93 アーム開閉モータ
94 ロータリエンコーダ
132 移動部
133a 第1伸縮部
133b 第2伸縮部
134a 前フック
134b 後フック
135a 第1接触面
135b 第2接触面
151a 第1ベース部材
151b 第2ベース部材
155a 第1先端アーム部
155b 第2先端アーム部
193 第1フック開閉モータ
194 第2フック開閉モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移載場所との間で物品を移載する移載装置であって、
前記物品を載置する物品載置部と、
前記物品載置部に対して移載方向に沿った第1方向に伸縮自在な伸縮部、および前記物品の前記第1方向の第1端面に接触可能な第1接触面および前記第1端面と逆側の第2端面に接触可能な第2接触面をそれぞれ有し、前記第1方向に間隔を隔てて前記伸縮部に配置された少なくとも二つのフック、を有する移動部と、
前記移動部を制御する移載制御部と、
を備えた移載装置。
【請求項2】
前記伸縮部は、前記物品2個分以上の距離を前記第1方向に沿って伸長可能であり、
前記物品載置部は、前記物品を2個載置可能であり、
前記フックは2個であり、前記2個のフックの前記第1方向の間隔は前記物品1個以上の長さである、請求項1に記載の移載装置。
【請求項3】
前記移載場所は、前記物品を前記第1方向に間隔を隔てて2個収納可能な棚であり、
前記第1方向において前記棚の前記物品載置部に接近する側に前記物品が収納されている場合、前記移載制御部は、前記2個のフックのうち、前記棚に近いフックで前記棚に収納されている物品を前記棚の奥側に押し込み、前記棚から遠いフックで前記物品載置部に載置された前記物品を前記棚に押し込むように前記移動部を制御する、請求項2に記載の移載装置。
【請求項4】
前記移載場所は、前記物品載置部を挟んで前記第1方向の両側に配置され、前記物品を前記第1方向に間隔を隔てて2個収納可能な第1棚および第2棚であり、
前記第1方向において2個の前記物品が前記第1棚に収納されている場合、前記移載制御部は、前記2個のフックを2個の物品に各別に引っ掛け、前記物品載置部から遠い奥側の前記物品を前記物品載置部に引き込み、前記物品載置部に近い手前側の物品を第2棚に引き込むように前記移動部を制御する、請求項2又は3に記載の移載装置。
【請求項5】
前記伸縮部は、前記物品に対して接近動作および離反動作可能であり、
前記移載制御部は、前記伸縮部を制御する、請求項1から4のいずれか1項に記載の移載装置。
【請求項6】
前記フックは、前記物品に接触する接触位置と前記物品から離反する離反位置との間で移動可能となるように前記伸縮部に設けられ、
前記移載制御部は、前記伸縮部および前記フックを制御する、請求項1から5のいずれか1項に記載の移載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−153482(P2012−153482A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14066(P2011−14066)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】