説明

種結晶保持体の製造方法、種結晶保持体、結晶育成装置および結晶育成方法

【課題】 種結晶が保持部材から剥離されることを抑制することが可能な種結晶保持体の製造方法、種結晶保持体、結晶育成装置および結晶育成方法を提供する。
【解決手段】 本発明の種結晶保持体の製造方法は、炭素からなる保持部材2と、保持部材2の下面2Aよりも大きい上面3Aを持つ、炭化珪素からなる種結晶3とを準備する準備工程と、保持部材2の下面2Aに種結晶3の上面3Aを固定する固定工程と、種結晶3の上面3Aのうち保持部材2からはみ出ている部分に、保持部材2の側面2Bと接するように珪素の粒子16を配置する配置工程と、種結晶3、保持部材2および粒子16を、珪素の融点よりも高い温度に加熱する加熱工程と、溶融した粒子16で保持部材2に種結晶3を接合する接合工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持部材に種結晶が接合された種結晶保持体の製造方法、種結晶保持体、その種結晶保持体を用いた結晶育成装置、および種結晶保持体を用いて結晶を育成する結晶育成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在注目されている結晶として、炭素と、珪素の化合物である炭化珪素(Silicon carbide;SiC)がある。炭化珪素は、バンドギャップがシリコンと比べて広く、絶縁破壊
に至る電界強度が大きい(耐電圧特性がよい)こと、熱伝導性が高いこと、耐熱性が高いこと、耐薬品性に優れること、および耐放射線性に優れることなどの種々の利点から注目を集めている。この炭化珪素に注目している分野は、例えば、原子力を含む重電、自動車および航空を含む運輸、家電、ならびに宇宙などと幅広い。炭化珪素の単結晶は、例えば特許文献1に記載されるような、溶液成長法で製造されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−264790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
炭化珪素からなる結晶育成の研究・開発において、種結晶の下面に育成させた単結晶および種結晶を保持部材に固定しておくことが難しかった。本発明は、このような事情を鑑みて案出されたものであり、種結晶を保持部材に安定的に固定することが可能な種結晶保持体の製造方法、種結晶保持体、それを用いた結晶育成装置および結晶育成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の種結晶保持体の製造方法は、炭素からなる保持部材と、該保持部材の下面よりも大きい上面を持つ、炭化珪素からなる種結晶とを準備する準備工程と、前記保持部材の前記下面に前記種結晶の前記上面を固定する固定工程と、前記種結晶の前記上面のうち前記保持部材からはみ出ている部分に、前記保持部材の側面と接するように珪素の粒子を配置する配置工程と、前記種結晶、前記保持部材および前記粒子を、珪素の融点よりも高い温度に加熱する加熱工程と、溶融した前記粒子で前記保持部材に前記種結晶を接合する接合工程とを有する。
【0006】
本発明の種結晶保持体は、炭素を主成分とし、下面に炭化珪素からなる接合領域が存在する保持部材と、炭化珪素からなり、上面が前記保持部材の前記下面の前記接合領域と接するように配置された種結晶とを有する。
【0007】
本発明の結晶育成装置は、坩堝と、該坩堝内に位置する融液と、前記坩堝内を上下方向に移動可能に設定された、炭素を主成分とし、下面に炭化珪素からなる接合領域が存在する保持部材、および炭化珪素からなり、上面が前記保持部材の前記下面の前記接合領域と接するように配置された種結晶を有する種結晶保持体とを備えている。
【0008】
本発明の結晶育成方法は、炭素を主成分とし、下面に炭化珪素からなる接合領域が存在する保持部材、および炭化珪素からなり、上面が前記保持部材の前記下面の前記接合領域
と接するように配置された種結晶を有する種結晶保持体を準備する工程と、前記種結晶の下面を坩堝内にある炭化珪素の融液に接触させて、前記保持部材を上方に引き上げることによって、前記種結晶の前記下面に前記融液から炭化珪素の結晶を成長させる工程とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の種結晶保持体の製造方法によれば、保持部材に種結晶を強固に固定した種結晶保持体を製造することができる。その結果、種結晶の下面に結晶を成長させた場合でも、保持部材から種結晶が剥離されにくくすることができる。
【0010】
また本発明の種結晶保持体、結晶育成装置および結晶育成方法によれば、保持部材に種結晶が強固に固定されていることから、種結晶の下面に結晶を成長させた場合でも、保持部材から種結晶が剥離されにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る結晶育成装置の実施形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る種結晶保持体を示す図であり、(a)は一部を拡大した断面図であり、(b)は種結晶の下面側から平面透視した図である。
【図3】図2の種結晶保持体の変形例を示す図であり、一部を拡大した拡大断面図であり、グラフは炭化珪素がどのように分布しているか示す図である。
【図4】図2の種結晶保持体の変形例を示す図であり、拡大した拡大断面図である。
【図5】図2の種結晶保持体の変形例を示す図であり、(a)は一部を拡大した断面図であり、(b)は種結晶の下面側から平面透視した図である。
【図6】図2の種結晶保持体の変形例を示す図であり、(a)は一部を拡大した断面図であり、(b)は種結晶の下面側から平面透視した図である。
【図7】図2の種結晶保持体の変形例を示す図であり、一部を拡大した拡大断面図である。
【図8】図2の種結晶保持体の変形例を示す図であり、(a)は一部を拡大した断面図であり、(b)は種結晶の下面側から平面透視した図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る種結晶保持体の製造方法の一工程を説明する図であり、一部を拡大した拡大断面図である。
【図10】図9の種結晶保持体の製造方法の一工程を説明する図であり、一部を拡大した拡大断面図である。
【図11】図9の種結晶保持体の製造方法の一工程を説明する図であり、一部を拡大した拡大断面図である。
【図12】図9の種結晶保持体の製造方法の一工程を説明する図であり、一部を拡大した拡大断面図である。
【図13】本発明の実施形態に係る種結晶保持体の製造方法の変形例の一工程を説明する図であり、一部を拡大した拡大断面図である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係る種結晶保持体の製造方法によって製造した種結晶保持体を示す、一部を拡大した拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<種結晶保持体および種結晶保持体の製造方法>
[種結晶保持体]
本発明に係る種結晶保持体の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。種結晶保持体1は、保持部材2および種結晶3によって構成されている。種結晶保持体1は、図1に示すような、結晶育成装置4に用いられるものである。まず、結晶育成装置4について、説明をする。
【0013】
坩堝5は、坩堝容器6の内部に配置されている。坩堝容器6は、坩堝5を保持する機能を担っている。この坩堝容器6と坩堝5との間には、保温材7が配置されている。この保温材7は、坩堝5の周囲を囲んでいる。保温材7は、坩堝5からの放熱を抑制し、坩堝5の温度を安定して保つことに寄与している。
【0014】
坩堝5は、育成する炭化珪素の単結晶の原料を内部で融解させる器としての機能を担っている。本実施形態では、坩堝5の中で、単結晶の原料(炭素および珪素)を融解させて、融液8として貯留する。本実施形態では、溶液成長法を採用しており、この坩堝5の内部で熱的平衡状態を作り出すことによって結晶の育成を行う。
【0015】
坩堝5は、加熱機構9によって、熱が加えられる。本実施形態の加熱機構9は、電磁波によって坩堝5を加熱する電磁加熱方式を採用しており、コイル10および交流電源11を含んで構成されている。坩堝5は、例えば炭素(黒鉛)を主成分とする材料によって構成されている。
【0016】
坩堝5の内部には、融液8が配置されている。融液8は、育成する炭化珪素の結晶を構成する元素である炭素および珪素が溶媒として溶融している。溶質となる元素の溶解度は、溶媒となる元素の温度が高くなるほど大きくなる。このため、種結晶3の温度が融液8の温度よりも少し低くなっていることによって、高温下の溶媒に多くの溶質を溶解させた融液8の温度が種結晶3の付近で低くなり、熱的な平衡を境に溶質が析出するようになる。この熱的平衡による析出を利用して、本実施形態が採用している溶液成長法では、種結晶3の下面3Bに結晶の育成を行っている。
【0017】
コイル10は、導体によって形成され、坩堝5の周囲を囲むように巻き回されている。交流電源11は、コイル10に交流電流を流すためのものであり、交流電流の周波数が高いものを用いることによって、坩堝5内の設定温度までの加熱時間を短縮することができる。
【0018】
本実施形態では、坩堝5を、次のようにして加熱している。まず、交流電源11を用いてコイル10に電流を流して、保温材7を含む空間に電磁場を発生させる。次に、この電磁場によって、坩堝5に誘導電流が流れる。坩堝5に流れた誘導電流は、電気抵抗によるジュール発熱、およびヒステリシス損失による発熱などの種々の損失によって、熱エネルギに変換される。つまり、坩堝5は、誘導電流の熱損失によって加熱される。なお、この電磁場によって融液8自体に誘導電流を流して発熱させてもよい。このように融液8自体を発熱させる場合は、坩堝5自体を発熱させなくてもよい。
【0019】
本実施形態では、加熱機構9として電磁加熱方式を採用しているが、他の方式を用いて加熱してもよい。加熱機構9は、例えば、カーボンなどの発熱抵抗体で生じた熱を伝熱する方式などの他の方式を採用することができる。この伝熱方式の加熱機構を採用する場合は、坩堝5および保温材7の間に発熱抵抗体が配置される。
【0020】
坩堝5の融液8には、搬送機構12によって種結晶3が供給される。この搬送機構12は、融液8の中から育成した結晶を搬出する機能も担っている。搬送機構12は、保持部材2、および動力源13を含んで構成されている。この保持部材2によって、種結晶3および種結晶3の下面3Bに成長した結晶の搬入出が行われる。種結晶3は、保持部材2の下端面2Aに取り付けられており、この保持部材2は、動力源13によって上下方向D1,D2に移動が制御される。本実施形態では、D1方向が物理空間上の下方向を意味し、D2方向が物理空間上の上方向を意味する。
【0021】
結晶育成装置4では、加熱機構9の交流電源11と、搬送機構12の動力源13とが制御部14
に接続されて制御されている。つまり、結晶育成装置4は、制御部14によって、融液8の加熱および温度制御と、種結晶3の搬入出とが連動して制御されている。制御部14は、中央演算処理装置、およびメモリなどの記憶装置を含んで構成されており、例えば公知のコンピュータからなる。
【0022】
保持部材2の下端面2Aに固定された種結晶3の下面3Bを融液8に接触させて、下面3Bに結晶を成長させることができる。次に、種結晶3および保持部材2からなる結晶保持体1について、詳細に述べる。
【0023】
保持部材2は、図2(a)に示すように、下端面2Aに種結晶3の上面3Aが固定されている。ここで、図2(a)は、種結晶3および保持部材2を含む一部分を拡大した図である。保持部材2は、下端面2Aを有していればよい。下端面2Aは、四角形状などの多角形状、または円形状などの平面視形状をなしている。保持部材2は、例えば多角柱状または円柱状などの棒状、直方体状などの立体形状をなしている。
【0024】
保持部材2は、炭素を主成分とする材料から構成されている。保持部材2としては、例えば炭素の多結晶体または炭素を焼成した焼成体などを用いることができる。保持部材2が、炭素の多結晶体または焼成体によって構成されていた場合、保持部材2内の気孔率が高くなっている。保持部材2の内部の気孔率は、例えば焼成条件などを調整することによって変化させることができる。なお、気孔率(%)の算出方法は、例えば「気孔率(%)=体積÷質量×100」なる計算式を用いることができる。
【0025】
保持部材2の下端面2Aの面積は、種結晶3の上面3Aよりも大きい面積でもよいし、種結晶3の上面3Aと同じ面積でもよいし、種結晶3の上面3Aよりも小さい面積でもよい。本実施形態では、保持部材2の下端面2Aが、種結晶3の上面3Aの面積よりも小さくなっている。なお、保持部材2の下端面2Aの面積が、種結晶3の上面3Aの面積以上となっている場合には、種結晶3の熱を保持部材2から放熱しやすくすることができる。
【0026】
保持部材2の下端面2Aには、炭化珪素からなる接合領域2A’が存在している。図2(b)は、保持部材2の下端面2Aを種結晶3側から平面透視した図である。
【0027】
保持部材2の接合領域2A’は、下端面2A全体にわたって位置していてもよいし、下端面2Aの一部分に位置していてもよい。接合領域2A’が下端面2A全体にわたって位置していた場合には、保持部材2および種結晶3が剥離されにくくすることができる。
【0028】
一方、接合領域2A’が下端面2Aの一部分に位置する場合は、下端面2A全体に対して接合領域2A’が占める面積を適宜設定すればよい。接合領域2A’は、厳密に特定の平面形状となっている必要はないが、円形状または環状などの平面形状となるように配置される。接合領域2A’が下端面2Aの一部分であった場合には、保持部材2の下端面2Aに種結晶3を固定した際に、種結晶3の平面(D3方向およびD4方向で表わされる平面)方向における歪みまたは応力を緩和することができる。これによって、種結晶3の下面3Bの平坦性を維持することができ、種結晶3の下面3Bに成長する結晶に転位が含まれにくくすることができる。
【0029】
本実施形態では、接合領域2A’が、保持部材2の下端面2Aの一部分となるように、平面形状が環状に設けられている。具体的には、接合領域2A’が、保持部材2の下端面2Aの外周部2AAを含むように配置されている。なお、これは接合領域2A’が下端面2Aの外周部2AAを含まないように配置される場合を排除するものではない。
【0030】
接合領域2A’は、保持部材2の下端面2Aにおける炭素が化学的に炭化珪素へ変化し
たものでもよいし、下端面2A付近に位置する気孔内に炭化珪素の結晶が形成されていてもよいし、下端面2Aと種結晶3の上面3Aとの間に位置する炭化珪素の結晶であってもよい。すなわち、保持部材2の下端面2Aと種結晶3の上面3Aとが炭化珪素で接合されていればよい。
【0031】
本実施形態では、保持部材2および種結晶3が、炭化珪素からなる接合領域2A’を介して接合(固定)されている。種結晶3が保持部材2に対して炭化珪素を介して接合されていることによって、炭化珪素の融点(2730℃)が融液8の温度よりも高いことから、種結晶3を融液8に近付けた場合でも種結晶3および保持部材2を安定的に固定することができる。すなわち、融液8付近の高温雰囲気においても、種結晶3および保持部材2の接合強度を維持することができる。
【0032】
その結果、種結晶3の下面3Bに結晶を大きく成長させた場合でも、種結晶3が保持部材2から剥離されにくくすることができる。これによって、種結晶3の下面3Bに成長させる結晶を従来の保持方法よりも大きくすることができる。
【0033】
従来の種結晶保持体は、保持部材および種結晶を、接着材のみで接合していた。そのため、融液付近の高温雰囲気において、接着材の一部が気化してしまい、種結晶と保持部材の接合強度を低下させていた。その結果、種結晶の下面に成長させる結晶を大きくした場合、種結晶と成長させた結晶の重さを支えることができず、種結晶が保持部材から剥離されていた。
【0034】
また、本実施形態では、保持部材2および種結晶3が、炭化珪素からなる接合領域2A’を介して接合されている。そのため、接合領域2A’を構成する炭化珪素の熱伝導率(熱伝導率 200〜350[W/m/K])が、炭素の熱伝導率(熱伝導率 168[W/m/K
])に対してよいため、種結晶3の放熱性を向上させることができ、種結晶3の下面3Bと融液8との界面に温度差を作ることができ、種結晶3の下面3Bに結晶が成長されやくすることができる。
【0035】
(種結晶保持体の変形例1)
接合領域2A’は、図3に示すように、保持部材2の下端面2Aの中心から外周部2AAに向かうにつれて、炭化珪素の存在比率が高くなっている。ここで、図3に示すような、外周部2AAを含むように環状の接合領域2A’を有している場合も含むものである。
【0036】
炭化珪素の存在比率は、下端面2Aの中心から外周部2AAに向かうにつれて、例えば徐々に高くなっていてもよいし、中心付近の領域に対して外周部2AA付近の領域の存在比率が高くなっていてもよい。炭化珪素の存在比率を測定する方法としては、例えばSIMS法またはXPS法などを用いることができる。
【0037】
このように下端面2Aの中心から外周部2AAに向かうにつれて、炭化珪素の存在比率が高くなっていることによって、接合領域2A’の面積を広くすることができるとともに、種結晶3の上面3Aが保持部材2に接合される強度を調節することができる。その結果、接合強度を維持しつつ、種結晶3に発生する歪みまたは応力などを抑制することができる。
【0038】
(種結晶保持体の変形例2)
保持部材2は、図4に示すように、側面2Bにも炭化珪素がさらに存在していてもよい。保持部材2の側面2Bに存在する炭化珪素の存在領域2B’は、例えば、保持部材2の炭素が化学的に炭化珪素へ変化したものでもよいし、保持部材2の気孔に炭化珪素の結晶が位置していてもよい。このように保持部材2の側面2Bに炭化珪素が存在していること
によって、炭素よりも炭化珪素の熱伝導率が高いことから、保持部材2の放熱性を向上させることができる。これによって、保持部材2から放熱されやすくなり、種結晶3の温度を低くすることができ、融液8との間で温度差を生むことができる。その結果、種結晶3の下面3Bに結晶が成長されやすくすることができる。
【0039】
(種結晶保持体の変形例3)
保持部材2は、図5に示すように、下端面2Aから上端面2Cにかけて貫通する貫通孔15を有していてもよい。貫通穴15は、種結晶3の上面3Aが露出するように設けられており、幅Lhが例えば0.5cm以上5cm以下となるように設定される。貫通穴15の平面視
形状は適宜設定することができ、例えば多角形状または円形状となるように設けることができる。
【0040】
保持部材2に貫通穴15が設けられていることによって、保持部材2および種結晶3の接触面積を小さくすることができ、種結晶3に発生する歪みまたは応力を緩和することができる。また、後述する固定工程において、保持部材2と種結晶3を接着材17で固定して加熱した場合、接着材17に含まれる材料が気化した場合でも貫通穴15から抜けやすくすることができ、両者を安定的に固定することができる。
【0041】
(種結晶保持体の変形例4)
保持部材2は、図6に示すように、接合領域2A’が下端面2Aの一部であってもよい。下端面2Aの一部のうちでも、このように保持部材2の外周部2AAの一部で種結晶3を固定することによって、種結晶3に発生する歪みまたは応力を緩和することができる。また、保持部材2の外周部2AAの一部で種結晶3を固定することから、種結晶3の歪みが低減された成長領域2A”を大きくとることができる。その結果、種結晶3の下面3Aに成長された結晶のうち種結晶3の歪みに起因して発生する転位を低減させた結晶を大きくすることができる。
【0042】
(種結晶保持体の変形例5)
保持部材2は、接合領域2A’が、下端面2Aの面積に対して、例えば10%以下となるように設定すればよい。接合領域2A’の面積を、保持部材2の下端面2Aに対して小さくすることによって、種結晶3に発生する歪みまたは応力を緩和することができる。
【0043】
また、このような接合領域2A’を、図7に示すように、種結晶3の上面3Aの中心付近を含むように配置することにより、接合領域2A’に対して種結晶3および種結晶3の下面3Bに成長した結晶の重さが一方向に集中することを抑制することができる。
【0044】
さらにこの際に、図8に示すように、貫通穴15を持つ保持部材2を用いてもよい。この場合、後述する第1実施形態の種結晶保持体1の製造方法の配置工程において、珪素の粒子16を貫通穴15内の種結晶3の上面3Aに載置して、加熱工程を経ることによって製造される。このような種結晶保持体1は、接合領域2A’が、平面透視して貫通穴15と重なる領域を取り囲む位置(図中の2A’)に形成されることとなる。このように貫通穴15内に珪素の粒子16を載置することによって、当該粒子16を加熱して溶融させた際に溶融体16’が種結晶3の下面3Bに流れるのを抑制することができる。
【0045】
[第1実施形態の種結晶保持体の製造方法]
本発明に係る第1実施形態の種結晶保持体1の製造方法を説明する。本実施形態の種結晶保持体1の製造方法は、種結晶を準備する工程、保持部材2に種結晶を固定する固定工程、珪素の粒子16を配置する配置工程、種結晶3、保持部材2および粒子16を加熱する加熱工程および保持部材2に種結晶3を接合する接合工程を有している。以下、それぞれの工程について詳細に説明する。なお、各部材は、種結晶保持体1と同じ内容の場合には、
同じ符号を付与するとともに、その説明を省略する。
【0046】
(準備工程)
炭素からなる保持部材2と、保持部材2の下端面2Aよりも大きい上面3Bを持ち、炭化珪素からなる種結晶3を準備する。保持部材2は、炭素を主成分としていればよい。保持部材2は、下端面2Aが種結晶3の上面3Aよりも大きくなるように設定されている。
【0047】
(固定工程)
図9に示すように、保持部材2の下端面2Aに種結晶3の上面3Aを固定する。両者を固定する方法としては、例えば、ジグによって固定してもよいし、接着材によって固定してもよいし、種結晶3の上面3Aに保持部材2を載置してもよい。本実施形態においては、接着材17で固定する場合について説明する。接着材17は、例えば炭素粒子を含むものを用いることができる。
【0048】
接着材17を用いて固定する場合には、接着材17を種結晶3の上面3Aの一部に塗布し、その接着材17に保持部材2の下端面2Aを載置する。その後、接着材17に熱を与えることによって、接着材17を硬化させる。接着材17に与えられる熱は、例えば100℃以上500℃以下となるように設定される。これによって、保持部材2と種結晶3が仮固定される。本実施形態では、接着材17を用いて固定する場合について説明する。
【0049】
保持部材2に種結晶3を固定することによって、種結晶3の上面3Aが保持部材2の下端面2Aよりも面積が大きくなっていることから、図9に示すように、上面3Aが保持部材2から露出した露出部分3A’を有するようになる。露出部分3A’は、適宜設定すればよいが、例えば1mm以上10cm以下となるように設定することができる。
【0050】
(配置工程)
その後、図10に示すように、種結晶3の上面3Aのうち保持部材2からはみ出している露出部分3A’に、保持部材2の側面2Bと接するように珪素の粒子16を配置する。
【0051】
珪素の粒子16としては、露出部分3A’に置くことができるような大きさの粒子を用いることができる。粒子16は、一つでもよいし、複数の粒子16からなる粒子群であってもよい。一つの粒子16の大きさは、例えば、粒径が0.5mm以上5cm以下の珪素を含む多結
晶体を用いることができる。粒子16として、粒径の小さい粒子を複数もつ粒子群を用いた場合、それぞれの粒子が空気と触れやすくなり、粒子を溶解しやすくすることができる。一方、粒径の大きい粒子を一つ用いた場合には、粒子の溶解が除々に進むこととなり、種結晶3の下面3Bに回り込みにくくすることができ、下面3Bの状態を維持することができる。
【0052】
粒子16は、保持部材2の側面2Bと少なくとも一部が接するように配置されていればよい。粒子16と保持部材2の接触は加熱工程の前の状態であればよく、このように粒子16と保持部材2を接触させて加熱工程を経ることによって、接合工程の効率を向上させることができる。そのため、保持部材2と粒子16が厳密に接触していない場合であっても、加熱工程を経ることによって、溶融した粒子が保持部材2と種結晶3を接合する場合は本実施形態に含まれるものである。
【0053】
(加熱工程)
次に、種結晶3、保持部材2および粒子16を、珪素の融点よりも高い温度で加熱する。種結晶3、保持部材2および粒子16を加熱する温度は、珪素の融点(1414℃)よりも高い温度であればよく、例えば1500℃以上の温度に設定することができる。なお、珪素の粒子16の実際の融点が、不純物などによって、珪素の融点よりも低い場合には、実際の融点よ
りも高い温度を加熱温度として用いればよい。
【0054】
このように粒子16が珪素よりも高い温度で加熱されることによって、粒子16が溶解されることとなる。粒子16が溶融した溶融体16’は、図11に示すように、保持部材2の気孔から内部に入り込みやすくなり、保持部材2と種結晶3の付近に滞留しやすくなる。
【0055】
(接合工程)
加熱工程によって、粒子16が溶融した溶融体16’が、保持部材2と種結晶3の付近に滞留している状態で、種結晶3、溶融体16’および保持部材2が冷却される。これによって、保持部材2の内部に炭化珪素からなる結晶が形成され、この結晶が種結晶3と接合されることとなる。このようにして、保持部材2と種結晶3が、保持部材2の下端面2A’に、炭化珪素からなるとともに種結晶3と接する接合領域2A’によって接合されることとなる。なお、接合領域2A’の面積は、加熱時間および粒子16の量を調整することによって、調整することができる。
【0056】
種結晶3、溶融体16’および保持部材2の冷却は、例えば、粒子16の加熱を停止して行なう自然冷却、または粒子16の加熱を停止するとともに、空冷などの冷却集団を用いる強制冷却などを用いることができる。
【0057】
このようにして、種結晶保持体1を製造することができる。
【0058】
(第1実施形態の種結晶保持体の製造方法の変形例1)
加熱工程において、図13に示すように、保持部材2または種結晶3の少なくとも一方を両者の固定部に向けて押圧しながら加熱してもよい。保持部材2および種結晶3の固定部は、保持部材2の下端面2Aおよび種結晶3の上面3Aの接触界面などに設定すればよい。
【0059】
保持部材2または種結晶3の少なくとも一方を、押圧する手段18としては、例えば、保持部材2の上端面2Cに保持部材2よりも重い錘部材を置くことによって行なってもよいし、ジグで保持部材2の上端面2Cおよび種結晶3の下面3Bを固定および押圧することができる。このように保持部材2および種結晶3の少なくとも一方を押圧して、粒子16を加熱することによって、保持部材2と種結晶3を確実に固定することができる。また加熱工程において、溶融体16’が保持部材2と種結晶3の間に入り込んで、保持部材2と種結晶3の相対位置が平面方向にずれやすくなった場合でも、押圧されていることによって、所定の相対位置を維持して保持部材2と種結晶3を接合することができる。
【0060】
(第1実施形態の種結晶保持体の製造方法の変形例2)
加熱工程を、主としてアルゴン、窒素またはヘリウムを含む雰囲気中で行なってもよい。このような雰囲気は、アルゴン、窒素またはヘリウムのいずれかの存在比率が、雰囲気中に含まれるこれら以外の分子以外の存在比率よりも多く存在していればよいものである。
【0061】
このような雰囲気中で加熱工程を行なうことによって、アルゴン、窒素またはヘリウムは珪素に対して反応しにくい材料のため、粒子16が溶融した溶融体16’の中に雰囲気中の物質が不純物として取り込まれにくくすることができる。
【0062】
[第2実施形態の種結晶保持体の製造方法]
本発明に係る第2実施形態の種結晶保持体1’の製造方法を説明する。本実施形態の種結晶保持体1’の製造方法は、保持部材が炭素を主成分としていなくてもよい点、主として炭化水素を含む雰囲気中で加熱工程を行なう点で、第1実施形態の種結晶保持体1の製
造方法と相違している。
【0063】
保持部材21は、加熱工程において溶解しない材料であればよく、例えば、炭素を主成分とする材料、金、モリブデン若しくはタンタルなどの金属材料またはアルミナなどの無機材料などを用いることができる。このように、保持部材21として、無機材料などを用いることができるため、材料の選択性を向上させることが可能であり、生産性を向上させることができる。
【0064】
次に、加熱工程は、主として炭化水素を含む雰囲気中で行なわれる。具体的に、炭化水素としては、例えばブタンまたはプロパンなどの炭化化合物などを用いることができる。炭化水素の中でも鎖式炭化水素であるアルカンなどを用いた場合、高温雰囲気で炭素間の結合が切れやすくすることができ、珪素の粒子16と反応しやすくすることができる。
【0065】
このように加熱工程を、炭化水素を含む雰囲気中で行なうことによって、種結晶31の上面31Aに配置された粒子16が溶融するとともに炭化水素の炭素と結合されて炭化珪素となる。この炭化珪素が保持部材21と種結晶3を接合することになるため、保持部材21に種結晶31が接合される。
【0066】
本実施形態では、炭化水素を含む雰囲気中で加熱工程を行なうことから、保持部材21の材料の選択性を広げることができる。すなわち、種結晶31の温度をさらに低下させるために、熱伝導率のよい材料を選択したり、熱膨張係数の小さい材料を選択したりすることができ、生産性を向上させることができる。また、保持部材21として炭素を主成分とする材料を用いた場合には、保持部材21の炭素と粒子16が結びつくのに加えて、雰囲気中の炭素が粒子16内に取り込まれやすくなるため、粒子16が溶融した溶融体16’内に炭化珪素が含まれやすくすることができる。
【0067】
(第2実施形態の種結晶保持体の製造方法の変形例)
上述の実施形態では、炭化水素を含む雰囲気中で加熱工程を行なっていたが、例えば別の方法で珪素の粒子16を炭化させてもよい。具体的には、配置工程の後、珪素の粒子16の上に炭素を含む粉体を乗せてもよい。その後、加熱工程を経ることによって、保持部材21に種結晶31を、炭化珪素を介在させて接合することができる。
【0068】
また、珪素の粒子16に炭素を含む粉体を混ぜてもよく、このように混ぜた場合には、粒子16が溶融した際に炭化珪素へ変化しやすくすることができる。さらに、加熱工程は、炭化水素を含む雰囲気で行なってもよく、この場合、溶融体16’をより炭化珪素へ変化しやすくすることができる。
【0069】
<結晶育成装置および結晶育成方法>
[結晶育成装置]
本発明の実施形態に係る結晶育成装置4は、坩堝5、融液8および種結晶保持体1を有している。なお、種結晶保持体1で説明した内容と同じ内容については、同じ符号を付与するとともに、その説明を省略する。
【0070】
本実施形態の結晶育成装置4は、種結晶保持体1を有していることから、種結晶3および保持部材2が安定的に固定されている。そのため、種結晶3の下面3Bに結晶を大きく成長させた場合でも、種結晶3が保持部材2の下端面2Aから剥離されにくくなっている。その結果、結晶育成装置4では、成長させる結晶を大型化することができるとともに、生産性を向上させることができる。
【0071】
[結晶育成方法]
本発明の実施形態に係る結晶育成方法は、種結晶保持体を準備する工程と、結晶を成長させる工程を有している。なお、上述した内容と同じ内容については、同じ符号を付与するとともに、その説明を省略する。
【0072】
(準備工程)
炭素を主成分とし、下端面2Aに炭化珪素からなる接合領域2A’が存在する保持部材2、および炭化珪素からなり、上面3Aが保持部材2の下端面2Aの接合領域2A’と接するように配置された種結晶3を有する種結晶保持体1を準備する。
【0073】
(結晶成長工程)
次に、種結晶3の下面3Bを、坩堝5内にある炭化珪素の融液8に接触させる。種結晶3の下面3Bの融液8への接触は、下面3Bの一部が接触していればよく、例えば種結晶3の上面3Aが融液8に浸かる程度まで種結晶3を融液8内に入れてもよい。その後、保持部材2を上方(D2方向)に引き上げることによって、種結晶3の下面3Bに融液8から炭化珪素の結晶を成長させることができる。保持部材2の引き上げ速度は、例えば、種結晶3の下面3Bに成長する結晶の成長速度によって設定すればよい。
【0074】
本実施形態の結晶育成方法は、種結晶保持体1を用いて、種結晶3の下面3Bに結晶を成長させていることから、下面3Bに成長する結晶が大きくなった場合でも、保持部材2の下端面2Aから種結晶3が剥離しにくくなっている。その結果、成長させる結晶の生産性を向上させることができる。
【0075】
上述した実施形態は、すべて溶液成長法を例に挙げて説明したが、本発明は昇華法にも適用可能な技術であり、本発明の効果を奏する範囲内で、適宜種々の変更を施すことは何等差し支えない。
【符号の説明】
【0076】
1 種結晶保持体
2 保持部材
2A 下端面(下面)
2A’ 接合領域
2AA 外周部
2B 側面
2C 上端面(上面)
3 種結晶
3A 上面
3A’ 露出部分
3B 下面
4 結晶育成装置
5 坩堝
6 坩堝容器
7 保温材
8 融液
9 加熱機構
10 コイル
11 交流電源
12 搬送機構
13 動力源
14 制御部
15 貫通孔
16 粒子
16’ 溶融体
17 接着材
18 押圧手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素からなる保持部材と、該保持部材の下面よりも大きい上面を持つ、炭化珪素からなる種結晶とを準備する準備工程と、
前記保持部材の前記下面に前記種結晶の前記上面を固定する固定工程と、
前記種結晶の前記上面のうち前記保持部材からはみ出ている部分に、前記保持部材の側面と接するように珪素の粒子を配置する配置工程と、
前記種結晶、前記保持部材および前記粒子を、珪素の融点よりも高い温度に加熱する加熱工程と、
溶融した前記粒子で前記保持部材に前記種結晶を接合する接合工程とを有する
種結晶保持体の製造方法。
【請求項2】
前記加熱工程において、前記保持部材または前記種結晶の少なくとも一方を両者の固定部に向けて押圧しながら加熱する請求項1に記載の種結晶保持体の製造方法。
【請求項3】
前記加熱工程を、主としてアルゴン、窒素またはヘリウムを含む雰囲気中で行なう請求項1または2に記載の種結晶保持体の製造方法。
【請求項4】
前記固定工程において、前記保持部材の前記下面に前記種結晶の前記上面を、炭素の粒子を含む接着材を介して固定する請求項1〜3のいずれかに記載の種結晶保持体の製造方法。
【請求項5】
保持部材と、該保持部材の下面よりも大きい上面を持つ、炭化珪素からなる種結晶とを準備する準備工程と、
前記保持部材の前記下面に前記種結晶の前記上面を固定する固定工程と、
前記種結晶の前記上面のうち前記保持部材からはみ出ている部分に、前記保持部材の側面と接するよう珪素の粒子を配置する配置工程と、
主として炭化水素を含む雰囲気中で、前記種結晶、前記保持部材および前記粒子を、珪素の融点よりも高い温度に加熱する加熱工程と、
溶融した前記粒子で前記保持部材に前記種結晶を接合する接合工程とを有する
種結晶保持体の製造方法。
【請求項6】
炭素を主成分とし、下面に炭化珪素からなる接合領域が存在する保持部材と、
炭化珪素からなり、上面が前記保持部材の前記下面の前記接合領域と接するように配置された種結晶とを有する
種結晶保持体。
【請求項7】
前記接合領域は、前記保持部材の前記下面の外周部に存在している請求項6に記載の種結晶保持体。
【請求項8】
前記接合領域は、前記保持部材の前記下面の中心から外周部に向かうにつれて炭化珪素の存在比率が高くなっている請求項6または7に記載の種結晶保持体。
【請求項9】
前記保持部材は、側面にも炭化珪素がさらに存在する請求項6〜8のいずれかに記載の種結晶保持体。
【請求項10】
前記保持部材は、前記下面から上面にかけて貫通する孔を有する請求項6〜9のいずれかに記載の種結晶保持体。
【請求項11】
坩堝と、
該坩堝内に位置する融液と、
前記坩堝内を上下方向に移動可能に設定された、炭素を主成分とし、下面に炭化珪素からなる接合領域が存在する保持部材、および炭化珪素からなり、上面が前記保持部材の前記下面の前記接合領域と接するように配置された種結晶を有する種結晶保持体とを備えた
結晶育成装置。
【請求項12】
炭素を主成分とし、下面に炭化珪素からなる接合領域が存在する保持部材、および炭化珪素からなり、上面が前記保持部材の前記下面の前記接合領域と接するように配置された種結晶を有する種結晶保持体を準備する工程と、
前記種結晶の下面を坩堝内にある炭化珪素の融液に接触させて、前記保持部材を上方に引き上げることによって、前記種結晶の前記下面に前記融液から炭化珪素の結晶を成長させる工程と
を有する結晶育成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−112543(P2013−112543A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258046(P2011−258046)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】