説明

穀物の乾燥方法及びその装置

【課題】 被乾燥穀物を品質の劣化を伴わず効率よく乾燥することができ、乾燥時間の短縮と品質向上を図ることができる穀物の乾燥方法及びその装置を提供する。
【解決手段】 穀物の乾燥装置は、外部と離隔した円筒状空間を有する乾燥槽1と、この乾燥槽1の円筒状空間の軸心位置に遠赤外線放射体15を設けた遠赤外線放射装置14と、乾燥槽1の円筒状空間内に旋回上昇気流を生じさせる送風装置10と、乾燥槽1内に被乾燥穀物を送り込む被乾燥穀物供給装置9とで構成されている。遠赤外線放射装置14の遠赤外線放射体15は、乾燥槽1の円筒状空間の略全長にわたって設けてある。遠赤外線放射体14は、遠赤外線放射体15内での燃料の燃焼熱による加熱で遠赤外線を放射する構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部と離隔した空間内に旋回気流を生じさせ、この旋回気流により被乾燥穀物を浮遊動させながら通風と撹拌作用によって被乾燥穀物を乾燥する穀物の乾燥方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
筒状体内において生じさせた加熱空気の旋回上昇気流に被乾燥穀物を分散浮遊させて乾燥する穀物の乾燥方法は、乾燥時間の短縮と品質向上をねらいとした新たな乾燥調製技術として注目されているが、粉粒体の旋回上昇気流による乾燥方法及びその装置としては、特許第3145412号公報、特開平11−230672号公報、特開2002−350047公報及び特開2001−133150公報により紹介されている。また、ドラム内に供給した粉粒体の堆積層にその下から旋回する熱風を吹き上げて乾燥する粉粒体の乾燥装置は、特開平7−180959号公報によって紹介されている。
【0003】
【特許文献1】特許第3145412号公報
【特許文献2】特開平11−230672号公報
【特許文献3】特開2002−350047公報
【特許文献4】特開2001−133150公報
【特許文献5】特開平7−180959号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前掲の特許第3145412号公報、特開平11−230672号公報及び特開2002−350047公報により紹介されている粉粒体の旋回上昇気流による乾燥方法及び装置によれば、被乾燥粉粒体を熱風の旋回上昇気流により乾燥する方式のものであるが、被乾燥粉粒体はそのほとんどが旋回上昇気流に乗って上昇移動するところから、その上昇移動過程では被乾燥粉粒体に対する熱風の交換作用がほとんど伴わないばかりか移動経路における熱風との接触時間も短く、乾燥能力のうえで劣るものであった。
【0005】
このため、前掲の特開2001−133150公報により紹介されている乾燥方式は、粉粒体の旋回上昇気流による上昇移動中にその撹拌、混合及び分散の増強を図り、また、前掲の特開平7−180959号公報により紹介されている乾燥方式は、粉粒体の堆積層に熱風を旋回流として流通させることによりその撹拌、混合及び分散の増強を図っているが、このように粉粒体を撹拌、混合及び分散作用を与えると、乾燥能力を向上させることができる反面、粉粒体が衝撃を受けるところから、品質の劣化につながるおそれがある。
【0006】
そこで本発明は、旋回気流により被乾燥穀物を浮遊動させるとともに、旋回気流の軸心位置ないしその近傍位置から遠赤外線を放射して、浮遊動する被乾燥穀物に遠赤外線の照射による加温効果を付与することにより、旋回気流に乗って移動する被乾燥穀物を品質の劣化を伴わず効率よく乾燥することができ、乾燥時間の短縮と品質向上を図ることができる穀物の乾燥方法及びその装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は請求項1及び2に係る穀物の乾燥方法、並びに請求項3ないし18に係る穀物の乾燥装置を提案する。すなわち、請求項1に係る穀物の乾燥方法は、外部と離隔した空間内に旋回気流を生じさせ、この旋回気流により被乾燥穀物を浮遊動させながら通風と撹拌作用によって被乾燥穀物を乾燥する穀物の乾燥方法であって、上記旋回気流の軸心位置ないしその近傍位置から遠赤外線を放射し、浮遊動する被乾燥穀物に遠赤外線の照射による加温効果を付与することを特徴とするものである。
【0008】
請求項2の係る穀物の乾燥方法は、外部と離隔した空間を形成する筒状空間内に旋回上昇気流を生じさせ、この旋回上昇気流により被乾燥穀物を浮遊上昇させる過程で旋回上昇気流による通風と撹拌作用によって被乾燥穀物を乾燥する穀物の乾燥方法であって、上記旋回上昇気流の軸心位置ないしはその近傍位置から遠赤外線を放射して、浮遊上昇する被乾燥穀物に遠赤外線の照射による加温効果を付与することを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に係る穀物の乾燥装置は、外部と離隔した円筒状空間を有する乾燥槽と、この乾燥槽の円筒状空間の軸心位置に設けた遠赤外線放射装置と、上記乾燥槽の円筒状空間内に旋回上昇気流を生じさせる送風装置と、前記乾燥槽内に被乾燥穀物を送り込む被乾燥穀物供給装置からなり、上記乾燥槽の円筒状空間の軸心位置に遠赤外線放射装置を設けて、浮遊上昇する被乾燥穀物に遠赤外線の照射による加温効果を付与するように構成したことを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に係る穀物の乾燥装置は、請求項3の構成において、遠赤外線放射装置の遠赤外線放射体は、乾燥槽の円筒状空間の略全長にわたって設けたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に係る穀物の乾燥装置は、請求項4の構成において、遠赤外線放射装置は、その遠赤外線放射体を加熱した空気又は加熱した水蒸気による加熱で遠赤外線を放射する構成のものであることを特徴とするものである。
【0012】
請求項6に係る穀物の乾燥装置は、請求項4の構成において、遠赤外線放射装置は、遠赤外線放射装置は、その遠赤外線放射体内での燃料の燃焼熱による加熱で遠赤外線を放射する構成であることを特徴とするものである。
【0013】
請求項7に係る穀物の乾燥装置は、請求項3又は4の構成において、乾燥槽の円筒状空間には、旋回上昇気流により浮遊上昇する被乾燥穀物の上昇旋回作用を補強する螺旋翌を設けたことを特徴するものである。
【0014】
請求項8に係る穀物の乾燥装置は、請求項7の構成において、乾燥槽の円筒状空間には、浮遊上昇する乾燥穀物の落下防止機能を備える上方の螺旋翌または、旋回する乾燥穀物の上昇浮遊促進機能を兼備する下方の螺旋翌のどちらか一方若しくはその両方を備えたことを特徴とするものである。
【0015】
請求項9に係る穀物の乾燥装置は、請求項3、4、5、6、7又は8の構成において、遠赤外線放射装置からの排気を乾燥槽の円筒状空間に流通させるように構成したことを特徴とするものである。
【0016】
請求項10に係る穀物の乾燥装置は、請求項3、4、5、6、7、8又は9の構成において、乾燥槽の円筒状空間は、その下方の被乾燥穀物供給側と上方の被乾燥穀物送出側との間で被乾燥穀物の循環路の一部を形成していることを特徴とするものである。
【0017】
請求項11に係る穀物の乾燥装置は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の構成において、乾燥槽に穀物貯留槽を併設して、乾燥槽の円筒状空間の被乾燥穀物供給側と被乾燥穀物送出側との間に上記穀物貯留槽を介して被乾燥穀物の循環路を形成したことを特徴とするものである。
【0018】
請求項12に係る穀物の乾燥装置は、請求項11の構成において、遠赤外線放射装置の遠赤外線放射体からの排気は、穀物貯留槽に流通させるように構成したことを特徴とするものである。
【0019】
請求項13に係る穀物の乾燥装置は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の構成において、乾燥槽に穀物通風乾燥槽を併設して、乾燥槽の円筒状空間の被乾燥穀物供給側と被乾燥穀物送出側との間に上記穀物通風乾燥槽を介して被乾燥穀物の循環路を形成したことを特徴とするものである。
【0020】
請求項14に係る穀物の乾燥装置は、請求項13の構成において、遠赤外線放射装置の遠赤外線放射体からの排気は、前記穀物通風乾燥槽に流通させるように構成したことを特徴とするものである。
【0021】
請求項15に係る穀物の乾燥装置は、請求項11、12、13又は14の構成において、遠赤外線放射装置の遠赤外線放射体からの排気は、穀物貯留槽又は穀物通風乾燥槽に供給し、乾燥槽を経て循環させるように構成したことを特徴とするものである。
【0022】
請求項16に係る穀物の乾燥装置は、請求項11又は13の構成において、乾燥槽に併設する穀物貯留槽又は穀物通風乾燥槽は複数基であって、乾燥槽の円筒状空間に対して並列に接続されていることを特徴とするものである。
【0023】
請求項17に係る穀物の乾燥装置は、請求項16の構成において、複数基の穀物貯留槽又は穀物通風乾燥槽は、乾燥槽を中心として乾燥槽を取り巻くように配置されていることを特徴とするものである。
【0024】
請求項18に係る穀物の乾燥装置は、請求項17の構成において、乾燥槽を取り巻くように設置した複数基の穀物貯留槽又は穀物通風乾燥槽には、乾燥槽の円筒状空間の被乾燥穀物供給側または送出側およびその両者との間を開閉するシャッタを設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る穀物の乾燥方法及びその装置によれば、旋回気流により被乾燥穀物を浮遊動させるとともに、旋回気流の軸心位置ないしその近傍位置から遠赤外線を放射して、浮遊動する被乾燥穀物に遠赤外線の照射による加温効果を付与することにより、旋回気流に乗って移動する被乾燥穀物を品質の劣化を伴わず効率よく乾燥することができ、乾燥時間の短縮と品質向上を図ることができる効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1には本発明に係る穀物の乾燥方法を実施する乾燥装置の第1の形態が示されている。図1に示す第1の形態において、1は乾燥槽である。この乾燥槽1は、外部と離隔した円筒状空間を形成するものであって、乾燥槽1は上下に細長垂直状の円筒体で構成されている。乾燥槽1の下部には多孔板2により仕切った送風室3が形成されており、乾燥槽1の上部は上下に長い円筒状空間を形成する乾燥室4となっている。
【0027】
乾燥槽1には、その乾燥室4の最下部に送風ダクト5が接線方向に接続されている。送風ダクト5は円筒体の軸心と略直角に接続されているが、送風ダクト5´のように円筒体の軸心から接続角度Cをもって接続されていても良く、この角度Cは90°を超え125°までの範囲がよい。
【0028】
送風ダクト5には被乾燥穀物bの供給ホッパ6が繰り出し部7を介して接続されており、8は繰り出しバルブであって、これらは乾燥槽1内に被乾燥穀物bを送り込む被乾燥穀物供給装置9を構成している。送風ダクト5には送風機10が接続されており、この送風機10からの圧風によって、送風ダクト5を経て乾燥室4内の円筒体内面の接線方向に被乾燥穀物bを供給し、乾燥室4内においては旋回上昇気流aを生じさせる。乾燥室4の最上部には排風口11が開口していて、旋回気流及び上昇気流とともに被乾燥穀物b排出されるようになっている。乾燥槽1の送風室3には送風ダクト12を介して送風機13が接続されており、送風室3から乾燥室4に多孔板2を通して送風するように構成されている。送風機10は主に旋回気流を、そして送風機13は主に上昇気流を促す役割を荷っており、送風機10、13から送られる風は、バーナによる燃料の燃焼風又は、電熱あるいはヒートポンプによる発熱などを熱源とする温風であっても良い。
【0029】
14は遠赤外線放射装置、15はその遠赤外線放射体であって、遠赤外線放射体15は、乾燥槽1の軸心位置にその略全長にわたって設けられている。遠赤外線放射体15は細長の円筒体であり、その下端は熱気供給部16、上端は排気口17となっている。遠赤外線放射装置14は、その遠赤外線放射体15内での燃料の燃焼熱による加熱で遠赤外線を放射する構成であるほか、加熱した空気又は加熱した水蒸気による加熱で遠赤外線を放射する構成のものである。また、遠赤外線放射体15はヒートポンプや電気ヒータその他の電気熱源により加熱するものとすることができる。
【0030】
以上のように構成された穀物の乾燥装置において、乾燥槽1の乾燥室4には送風機10による送風(旋回風)及び送風機13による上昇風によって 旋回上昇気流aが生じ、乾燥室4の下部に搬入される被乾燥穀物bは 旋回上昇気流aに乗って旋回しながら上昇して、上部の排風口11から 旋回上昇気流aとともに搬出される。乾燥室4において 旋回上昇気流aに乗って旋回しながら上昇する被乾燥穀物bは、 旋回上昇気流aの軸心位置から遠赤外線放射体15によって遠赤外線が照射され、旋回上昇気流の送風による乾燥作用と相俟って遠赤外線による加温効果が与えられ、被乾燥穀物は均等かつ効率的に乾燥される。
【0031】
図5では図1の平面断面を示し、図5「A」においては乾燥室4の下方部分で送風ダクト5から被乾燥穀物bが乾燥室4内に投入している状態を、そして図5「B」においては乾燥室4の上方の排風口11から被乾燥穀物bが排出されている状態を示し、図5「A」から「B」の間においても被乾燥穀物bは乾燥室4内の乾燥槽1の内面を、遠赤外線放射体15から一定の間隔をもって均一に旋回している状態を示している。
【0032】
上記のように旋回上昇気流aに乗って旋回しながら上昇する被乾燥穀物bは、図5に示すように旋回による遠心力を受けるので、旋回上昇気流の強さと量を調整することにより、遠赤外線放射体15の周囲には、それより適当に離れた被乾燥穀物bの浮遊層を形成することができるとともに、その浮遊層を形成する被乾燥穀物bが乾燥室4の内周面に強く接しない状態を保たせることができるので、乾燥の均等化と乾燥効率の向上が図られ、しかも被乾燥穀物bに作用する衝撃を大幅に軽減して品質の向上に大きく資することができる。
【0033】
なお、送風ダクト5´のように、円筒体軸心から接続角度Cを持って接続すると、旋回気流に上昇方向の力をより与えると共に、被乾燥穀物bも上昇する方向に向かって旋回するので、送風機13の風量を減少させることが可能となり、動力の軽減につながるものである。
【0034】
乾燥に有効とされている遠赤外線即ち、水の分子を有効に振動させる波長は「2.66μ」「2.74μm」「6.27μm」とされており、これを遠赤外線放射体15の表面温度に換算すると、816℃、784℃、189℃となるので、効率の良い遠赤外線を放射するためには被乾燥穀物bが遠赤外線放射体15に接触すると悪影響の発生する温度まで遠赤外線放射体15の表面温度を上昇させる必要もある。しかしながら図5に示すように、被乾燥穀物bは旋回の遠心力によって遠赤外線放射体15からの一定の距離を保って旋回し、しかも均一に遠赤外線の放射を受けるとともに、送風機10、13の風量の調節によって、旋回の回数、遠赤外線の照射を受ける時間の変更が可能なので、多種多様な穀物の応用乾燥が可能である。
【0035】
図2には本発明に係る穀物の乾燥方法を実施する乾燥装置の第2の形態が示されている。図2に示す第2の形態において、101は乾燥槽である。この乾燥槽101は、外部と離隔した円筒状空間を形成するものであって、乾燥槽101は水平方向の左右に細長の円筒体で構成されている。乾燥槽101の内部は全長に渡って乾燥室104を形成し、左右方向のどちらか一端には、送風ダクト105が接続されている。
【0036】
送風ダクト105は円筒体の軸心と略直角に接続されているが、送風ダクト105´のように円筒体の軸心から接続角度Cをもって接続されていても良い。なお接続角度Cは90°を超え125°までの範囲がよい。
【0037】
送風ダクト105には被乾燥穀物bの供給ホッパ106が繰り出し部107を介して接続されており、108は繰り出しバルブであって、これらは乾燥槽101内に被乾燥穀物を送り込む被乾燥穀物供給装置109を構成している。
【0038】
乾燥槽101には、その乾燥室104に接続された送風ダクト105には送風機110が設けられており、この送風機110から送風ダクト105を経て乾燥室104内の円筒体内面の接線方向に供給される圧風によって、送風ダクト105を経て乾燥室104内の円筒体内面の接線方向に被乾燥穀物bを供給し、乾燥室104内においては上下に旋回する縦方向にの旋回気流を生じさせる。乾燥室104の他端には排風口111が開口していて、旋回気流とともに被乾燥穀物bが排出されるようになっている。なお、送風機110からの送風は、本発明の第1の形態と同様にバーナによる燃料の燃焼風又は、電熱あるいはヒートポンプによる発熱などを熱源とする温風であっても良い。
【0039】
114は遠赤外線放射装置、115はその遠赤外線放射体であって、遠赤外線放射体115は、乾燥槽101の軸心位置にその略全長にわたって設けられている。遠赤外線放射体115は細長の円筒体であり、送風ダクト105側の一端には、熱気供給部116が、また排風口111側の他端方向は排気口117となっている。遠赤外線放射装置114は、その遠赤外線放射体115内での燃料の燃焼熱による加熱で遠赤外線を放射する構成であるほか、加熱した空気又は加熱した水蒸気による加熱で遠赤外線を放射する構成のものである。また、遠赤外線放射体115はヒートポンプや電気ヒータその他の電気熱源により加熱することができる。
【0040】
以上のように構成された穀物の乾燥装置において、乾燥槽101の乾燥室104には送風機110による送風(旋回風)によって 旋回気流が生じ、乾燥室104内に搬入される被乾燥穀物bは 旋回気流に乗って上下方向に旋回しながら、排風口111から 旋回気流とともに搬出される。
【0041】
なお、送風ダクト105´のように、円筒体の軸心から接続角度Cをもって接続すると、旋回気流及び被乾燥穀物bに排風口111に向かう風の流れがより多く発生し、速やかに被乾燥穀物bを乾燥室104内から排出することが可能となる。
【0042】
乾燥室104において 旋回気流に乗って旋回する被乾燥穀物bは、 旋回気流の軸心位置から遠赤外線放射体115によって遠赤外線が照射され、旋回気流の送風による乾燥作用と相俟って遠赤外線による加温効果が与えられ、被乾燥穀物は均等かつ効率的に乾燥される。
【0043】
そして、上記のように旋回気流に乗って旋回する被乾燥穀物bは、図5に示した第1の形態の平面断面と同様に、旋回による遠心力を受けるので、旋回気流の強さと量を調整することにより、遠赤外線放射体115の周囲にはそれより適当に離れ、遠赤外線放射体115から一定の距離を保って旋回する被乾燥穀物bの浮遊層を形成することができるので、均一に遠赤外線の放射を受けるとともに、その浮遊層を形成する被乾燥穀物bが乾燥室104の内周面に強く接しない状態を保たせることができるので、乾燥の均等化と乾燥効率の向上が図られ、しかも被乾燥穀物bに作用する衝撃を大幅に軽減して品質の向上に大きく資することができる。
【0044】
図3には本発明に係る穀物の乾燥方法を実施する乾燥装置の第3の形態を示している。図3に示す第3の形態において、201は乾燥槽である。この乾燥槽201は、円筒状空間を形成するものであって、乾燥槽201は上下に細長垂直状の円筒体で構成されている。乾燥槽201の内部は上下に長い円筒状空間を略全長に渡って形成する乾燥室204を形成し、その上部には送風ダクト205が接続されている。送風ダクト205には被乾燥穀物の供給ホッパ206が繰り出し部207を介して接続されており、208は繰り出しバルブであって、これらは乾燥槽201内に被乾燥穀物を送り込む被乾燥穀物供給装置209を構成している。
【0045】
乾燥槽201には、その乾燥室204に接続された送風ダクト205には送風機210が設けられており、この送風機210から送風ダクト205を経て乾燥室204内の円筒体内面の接線方向に供給される圧風は、送風ダクト205内を経て被乾燥穀物bを乾燥室204内に搬入し、乾燥室204内において下方への旋回下降気流を生じさせる。
【0046】
送風ダクト205は円筒体の軸心と略直角に接続されているが送風ダクト205´のように、接続角度Cをもって接続されていても良く、この角度Cは90°を超え125°までの範囲がよい。
【0047】
乾燥室204の下部には排風口211が開口していて、旋回下降気流とともに被乾燥穀物b排出されるようになっている。なお、送風機210送られる風は、バーナによる燃料の燃焼風又は、電熱あるいはヒートポンプによる発熱などを熱源とする温風であっても良い。
【0048】
214は遠赤外線放射装置、215はその遠赤外線放射体であって、遠赤外線放射体215は、乾燥槽201の軸心位置にその略全長にわたって設けられている。遠赤外線放射体215は細長の円筒体であり、その下部には熱気供給部216を、また上部には排気口217となっている。遠赤外線放射装置214は、その遠赤外線放射体215内での燃料の燃焼熱による加熱で遠赤外線を放射する構成であるほか、加熱した空気又は加熱した水蒸気による加熱で遠赤外線を放射する構成のものである。また、遠赤外線放射体215はヒートポンプや電気ヒータその他の電気熱源により加熱することができる。
【0049】
図4には本発明に係る穀物の乾燥方法を実施する乾燥装置の第3の形態の他例を示している。図4に示す第4の形態の他例において、301は円錐筒状乾燥槽である。この円錐筒状乾燥槽301は、乾燥槽を下方に縮径する逆円錐状とし、排風口311を円錐下端に設けている。又図4の上方の軸心には内筒302をもうけても良い。
【0050】
尚、被乾燥穀物bの投入装置、投入角度を示す送風ダクト205´とその接続角度C及び遠赤外線放射構造は図3と同様である。
【0051】
上記のように構成された図3の穀物の乾燥装置において、乾燥槽201の乾燥室204には送風機210による送風(旋回風)によって旋回下降気流が生じ、乾燥室204内に搬入される被乾燥穀物bは 旋回下降気流によって旋回し落下しながら、排風口211から 旋回下降気流とともに搬出される。乾燥室204において 旋回気流に乗って旋回する被乾燥穀物bは、 旋回気流の軸心位置から遠赤外線放射体215から遠赤外線が照射され、旋回下降気流の送風による乾燥作用と相俟って遠赤外線による加温効果が与えられ、被乾燥穀物は均等かつ効率的に乾燥される。
【0052】
また図4に示す穀物の乾燥装置においても、円錐筒状乾燥槽301の乾燥室304内への送風機210による送風によって旋回下降気流を生じさせ、乾燥室304内に搬入される被乾燥穀物bが逆円錐の円錐筒状乾燥槽301の内面を徐々に旋回落下しながら排風口311から旋回下降気流とともに排出される。遠赤外線放射による作用は図3と同様であるが、図4のように内筒302を遠赤外線放射体215を軸心として円錐筒状乾燥槽301の上方に設けると、送風機210の送風が被乾燥穀物bに旋回力を付与した後に、内筒302より排出されるので、排風口311から排出される被乾燥穀物bと共に吹き出る旋回下降気流を少なくできるので、被乾燥穀物bの後工程の搬送が容易に行なうことが出来る。
【0053】
そして、図3、図4の第3の実施の形態でも、旋回下降気流に乗って旋回する被乾燥穀物bは、図5に示した第1の形態の平面断面と同様に、旋回による遠心力を受けるので、旋回気流の強さと量を調整することにより、遠赤外線放射体215の周囲にはそれより適当に離れ、遠赤外線放射体215から一定の距離を保って旋回する被乾燥穀物bの浮遊層を形成することができるので、均一に遠赤外線の放射を受けることが出来る。
【0054】
その浮遊層を形成する被乾燥穀物bが乾燥室204、304の内周面に強く接しない状態を保ち、乾燥の均等化と乾燥効率の向上が図られ、しかも被乾燥穀物bに作用する衝撃を大幅に軽減して品質の向上に大きく資することができる。
【0055】
なお、図3、図4に示す送風ダクト205´のように、接続角度Cを持って接続した場合、被乾燥穀物bは円筒又は逆円錐筒内部の上方でより多くの回数又は多くの時間旋回を行なうので、遠赤外線放射体215からの遠赤外線の放射をより多く受けることが出来、
乾燥の効率がより一層向上するものである。
【0056】
図6から図13における実施例は、本発明の第1の形態、即ち旋回上昇気流aを利用した穀物の乾燥装置であって、それぞれの実施例を図を参照して以下に説明する。
【0057】
図6に示す実施例1には、乾燥槽1の円筒状空間を形成する乾燥室4内の乾燥槽1の内面に螺旋翌を設けた例を示している。螺旋翌は乾燥室4の略全長に渡って設けられていても良いが、図6では乾燥室4の上下部にそれぞれ旋回上昇気流により浮遊上昇する被乾燥穀物bの上昇旋回作用を補強する螺旋翌35、36を設けることができる。上方の螺旋翌35は浮遊上昇する被乾燥穀物bの落下防止機能を兼備し、下方の螺旋翌36は旋回する被乾燥穀物bの上昇浮遊促進機能を兼備するが、これらはどちらか一方若しくはその両方を備えてもよい。
【0058】
被乾燥穀物bが被乾燥穀物供給装置9から送風機10の送風によって送風ダクト5内を通過し乾燥室4内に導かれる。乾燥室4内に入った被乾燥穀物bは旋回方向に向かって上方に傾斜した螺旋翌36に導かれ上方への旋回を促すと共に、送風機10、13の風量が若干少なくても多孔板2上で被乾燥穀物bが滞留することなく上昇を促すものである。
【0059】
また、送風機10、13の風量によっては、排出口11付近で被乾燥穀物bが上昇、落下を繰り返しながら旋回するので排出が連続的に行われない現象が発生するが、旋回方向に対して上昇する傾斜を持った螺旋翌35を設けることによって、連続的しかも均一に被乾燥穀物bの排出が可能となる。
【0060】
図7に示す実施例2は、図1に示す構成において遠赤外線放射装置14の遠赤外線放射体15の排気を乾燥槽1の乾燥室4及び送風室3に戻して循環させるようにしたものである。図7では遠赤外線放射体15からの排気を排気口17から送風機10、13を経由して乾燥室4と送風室3に戻しているが、どちらかの送風機の一方に排気を戻し乾燥室4又は送風室3のどちらか一方の排風循環であっても良い。
【0061】
熱気供給部16がバーナの燃焼である場合、被乾燥穀物bは乾燥室4内を上昇旋回する途中で、バーナの燃焼によって遠赤外線放射体15から発生した遠赤外線を吸収し穀物内部温度が上昇する。内部温度が上がった被乾燥穀物bは内部の水分を表面に移行し、旋回上昇風による送風によって被乾燥穀物bの表面から水分が取除かれ乾燥される。遠赤外線放射体15内で燃焼した高温の排風を送風機10、13のどちらか一方若しくはその両方に再度循環させることによって、旋回上昇気流aの温度が上がり、被乾燥穀物bの表面に移行した水分をより多く取除くことが可能となって、乾燥効率が上昇するものである。
【0062】
図8に示す実施例3において、乾燥槽1に穀物貯留槽18を併設して、穀物貯留槽18の上部の穀物供給口19を乾燥槽1の排風口11に連通させ、かつ下部の穀物繰り出し口20を送風ダクト5に接続してあって、乾燥槽1の円筒状空間を形成している乾燥室4は、その下方の被乾燥穀物供給側と上方の被乾燥穀物送出側との間で上記穀物貯留槽18を介して被乾燥穀物の循環路の一部を形成している。21は繰り出しバルブ、22は排気口である。
【0063】
図8に示す実施例3の装置においては、被乾燥穀物bが穀物貯留槽18に投入されるが、被乾燥穀物bは穀物貯留槽18から繰り出しバルブ21によって繰り出され、送風ダクト5を経て乾燥槽1の乾燥室4に供給されて旋回上昇気流aに乗って上昇中に旋回上昇気流aと遠赤外線放射体15から照射される遠赤外線による加温作用により乾燥される。そして、その被乾燥穀物bは乾燥室4の排風口11から穀物貯留槽18に戻されて順次乾燥室4との間で循環乾燥される。なお、旋回上昇気流aは排風口11から穀物貯留槽18内に移行後、排気口22から機外に排出され、また勢いを持って排出される被乾燥穀物bが穀物貯留槽18内を旋回落下できるようなサイクロン構成であってもよく、被乾燥穀物bが穀物貯留槽18内を旋回落下する場合、旋回上昇気流aと排気口17からの排風を混合し穀物貯留槽18内を旋回通風させ、その後排気口22から排気させると乾燥効率が上昇する。
【0064】
図9に示す実施例4は、図8に示す穀物貯留槽18を穀物通風乾燥槽23に置き換えた構成のものであって、穀物通風乾燥槽23の上部の穀物供給口24を乾燥槽1の排風口11に連通させ、かつ下部の穀物排出コンベア25を乾燥室4の最下部の供給口26に接続した構成となっている。穀物通風乾燥槽23には吸引排風機27を備えている。28は繰り出しバルブである。
【0065】
この実施例4においては、乾燥槽1に設けた遠赤外線放射装置14の遠赤外線放射体15の排気口17は乾燥室4の上部と穀物通風乾燥槽23の穀物供給口24付近で開口していて、遠赤外線放射体15からの排気を旋回上昇気流aと混合して穀物通風乾燥槽23の堆積穀物層に上から下の方向に流通させるようになっていて、堆積穀物層を通過する風の温度を上昇させて、効率よく穀物の水分を除去しようとするものである。
【0066】
図10に示す実施例5は、図9に示すものの変化例であって、穀物通風乾燥槽23の乾燥室29の流穀路30を多孔通気面とし、その内側面を下方の穀物繰り出し室31に連通させた構成とするとともに穀物繰り出し室31には吸引排風機32を備えた構成として、遠赤外線放射装置14の遠赤外線放射体15からの排気を上記流穀路30を流下する被乾燥穀物層を流通させたうえ、穀物繰り出し室31から吸引排風機32によって外部に排出するようにしたものである。被乾燥穀物bは旋回上昇気流aの排出の勢いによって排風口11から乾燥室29内に貯留され、分離された旋回上昇気流aは流穀路30の穀物層を通過することによって穀物を乾燥しようとするものである。
【0067】
なお、この構成のものにおいては、図11に示す実施例6のように、吸引排風機32から排出される排気を送風機10、13に供給して乾燥槽1の円筒状空間を形成する乾燥室4に流通させるようにすることができる。
【0068】
図12に示す実施例7は、図10、図11に示す穀物通風乾燥槽23を複数基設けて、その各穀物通風乾燥槽23に備えた送風機33を経て乾燥槽1の乾燥室4に設けた供給コンベア34により供給する構成とすることもできる。尚図示は省略しているが、送風機33から送風機10を経て乾燥室4内に投入してもよく、この場合、供給コンベア34と供給口26は省略出来るものである。
【0069】
上記の実施例7にあっては、乾燥槽1に併設した複数基の穀物通風乾燥槽23は、乾燥槽1の円筒状空間を形成する乾燥室4に対して並列に接続されているものである。
【0070】
図13に示す実施例8では、複数基の穀物通風乾燥槽23を乾燥槽1を中心としてそれを取り巻くように配置されているものである。乾燥槽1を取り巻くように設置した複数基の穀物通風乾燥槽23には、乾燥槽1の円筒状空間の被乾燥穀物供給側または送出側およびその両者との間を開閉するシャッタ37を設けるとよい。
【0071】
図13では乾燥槽1の排出口11と穀物通風乾燥槽23の上部をつなぐ接続ダクト38でつながれた部分の平面断面略図であって、シャッタ37はそれぞれの穀物通風乾燥槽23に一対で設けられ、排出口11に設けられたシャッタ37が閉の状態においては、乾燥室4の内周に略段差無く密閉できる構成であると良く、またシャッタ37が開状態にあっては、被乾燥穀物bが接続ダクト38内を抵抗無く進入できる形状であるとよい。
【0072】
上記の図12の実施例7と図13の実施例8に示す穀物乾燥槽23は、穀物貯留槽18の構成であっても何ら差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明に係る穀物の乾燥方法及びその装置は主として籾の乾燥に用いるが、麦大豆、小豆、キビその他の農産物や、食品、薬品、肥料など種々の粉粒物の乾燥、水分調整、成分調整、ブレンドなどの広範囲にわたる利用可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明に係る穀物の乾燥装置の基本的実施の形態を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明に係る穀物の乾燥装置の第2の実施の形態を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明に係る穀物の乾燥装置の第3の実施の形態を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明に係る穀物の乾燥装置の第3の実施の形態の他例を模式的に示す断面図である。
【図5】本発明に係る穀物の乾燥装置の基本的実施の形態の図1の平面断面図である。
【図6】本発明に係る穀物の乾燥装置の基本的実施の形態の図1の実施例1を示す断面図である。
【図7】図1の基本的実施の形態において遠赤外線放射装置の遠赤外線放射体からの排気を乾燥槽に循環させるようにした態様を模式的に示す実施例2の断面図である。
【図8】図1の基本形態の乾燥槽に穀物貯留槽を併設した形態を模式的に示す実施例3の断面図である。
【図9】図1の基本形態の乾燥槽に穀物通風乾燥槽を併設した形態を模式的に示す実施例4の断面図である。
【図10】図9に示すものの変形例の態様を模式的に示す実施例5の断面図である。
【図11】図10に示すものの変形例を模式的に示す実施例6の断面図である。
【図12】図10に示すものの穀物通風乾燥槽を複数基設けた態様を模式的に示す実施例7の断面図である。
【図13】図12に示すものの複数基の穀物通風乾燥槽を乾燥槽を中心に取り巻くように配置した態様を模式的に示す実施例8の断面図である。
【符号の説明】
【0075】
1 乾燥槽
2 多孔板
3 送風室
4 乾燥室
5 送風ダクト
5´ 送風ダクト
6 供給ホッパ
7 繰り出し部
8 繰り出しバルブ
9 被乾燥穀物供給装置
10 送風機
11 排風口
12 送風ダクト
13 送風機
14 遠赤外線放射装置
15 遠赤外線放射体
16 熱気供給部
17 排気口
18 穀物貯留槽
19 穀物供給口
20 穀物繰り出し口
21 繰り出しバルブ
22 排気口
23 穀物通風乾燥槽
24 穀物供給口
25 穀物排出コンベア
26 供給口
27 吸引排風機
28 繰り出しバルブ
29 乾燥室
30 流穀路
31 穀物繰り出し室
32 吸引排風機
33 送風機
34 供給コンベア
35、36 螺旋翌
37 シャッタ
38 接続ダクト
101 乾燥槽
104 乾燥室
105 送風ダクト
105´ 送風ダクト
106 供給ホッパ
107 繰り出し部
108 繰り出しバルブ
109 被乾燥穀物供給装置
111 排風口
114 遠赤外線放射装置
115 遠赤外線放射体
116 熱気供給部
117 排気口
201 乾燥槽
204 乾燥室
205 送風ダクト
205´ 送風ダクト
206 供給ホッパ
207 繰り出し部
208 繰り出しバルブ
209 被乾燥穀物供給装置
211 排風口
214 遠赤外線放射装置
215 遠赤外線放射体
216 熱気供給部
217 排気口
301 円錐筒状乾燥槽
302 内筒
304 乾燥室
311 排風口
a 旋回上昇気流
b 被乾燥穀物
C 接続角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部と離隔した空間内に旋回気流を生じさせ、この旋回気流により被乾燥穀物を浮遊動させながら通風と撹拌作用によって被乾燥穀物を乾燥する穀物の乾燥方法であって、
上記旋回気流の軸心位置ないしその近傍位置から遠赤外線を放射し、浮遊動する被乾燥穀物に遠赤外線の照射による加温効果を付与すること
を特徴とする穀物の乾燥方法。
【請求項2】
外部と離隔した空間を形成する筒状空間内に旋回上昇気流を生じさせ、この旋回上昇気流により被乾燥穀物を浮遊上昇させる過程で旋回上昇気流による通風と撹拌作用によって被乾燥穀物を乾燥する穀物の乾燥方法であって、
上記旋回上昇気流の軸心位置ないしはその近傍位置から遠赤外線を放射して、浮遊上昇する被乾燥穀物に遠赤外線の照射による加温効果を付与すること
を特徴とする穀物の乾燥方法。
【請求項3】
外部と離隔した円筒状空間を有する乾燥槽と、この乾燥槽の円筒状空間の軸心位置に設けた遠赤外線放射装置と、上記乾燥槽の円筒状空間内に旋回上昇気流を生じさせる送風装置と、前記乾燥槽内に被乾燥穀物を送り込む被乾燥穀物供給装置からなり、
上記乾燥槽の円筒状空間の軸心位置に遠赤外線放射装置を設けて、浮遊上昇する被乾燥穀物に遠赤外線の照射による加温効果を付与するように構成したこと
を特徴とする穀物の乾燥装置。
【請求項4】
遠赤外線放射装置の遠赤外線放射体は、乾燥槽の円筒状空間の略全長にわたって設けたことを特徴とする請求項3記載の穀物の乾燥装置。
【請求項5】
遠赤外線放射装置は、その遠赤外線放射体を加熱した空気又は加熱した水蒸気による加熱で遠赤外線を放射する構成のものであることを特徴とする請求項4記載の穀物の乾燥装置。
【請求項6】
遠赤外線放射装置は、その遠赤外線放射体内での燃料の燃焼熱による加熱で遠赤外線を放射する構成であることを特徴とする請求項4記載の穀物の乾燥装置。
【請求項7】
乾燥槽の円筒状空間には、旋回上昇気流により浮遊上昇する被乾燥穀物の上昇旋回作用を補強する螺旋翌を設けたことを特徴する請求項3又は4記載の穀物の乾燥装置。
【請求項8】
乾燥槽の円筒状空間には、浮遊上昇する乾燥穀物の落下防止機能を備える上方の螺旋翌または、旋回する乾燥穀物の上昇浮遊促進機能を兼備する下方の螺旋翌のどちらか一方若しくはその両方を備えたことを特徴とする請求項7記載の穀物の乾燥装置。
【請求項9】
遠赤外線放射装置からの排気を乾燥槽の円筒状空間に流通させるように構成したことを特徴とする請求項3、4、5、6、7又は8記載の穀物の乾燥装置。
【請求項10】
乾燥槽の円筒状空間は、その下方の被乾燥穀物供給側と上方の被乾燥穀物送出側との間で被乾燥穀物の循環路の一部を形成していることを特徴とする請求項3、4、5、6、7、8又は9記載の穀物の乾燥装置。
【請求項11】
乾燥槽に穀物貯留槽を併設して、乾燥槽の円筒状空間の被乾燥穀物供給側と被乾燥穀物送出側との間に上記穀物貯留槽を介して被乾燥穀物の循環路を形成したことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の穀物の乾燥装置。
【請求項12】
遠赤外線放射装置の遠赤外線放射体からの排気は、穀物貯留槽に流通させるように構成したことを特徴とする請求項11記載の穀物の乾燥装置。
【請求項13】
乾燥槽に穀物通風乾燥槽を併設して、乾燥槽の円筒状空間の被乾燥穀物供給側と被乾燥穀物送出側との間に上記穀物通風乾燥槽を介して被乾燥穀物の循環路を形成したことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の穀物の乾燥装置。
【請求項14】
遠赤外線放射装置の遠赤外線放射体からの排気は、前記穀物通風乾燥槽に流通させるように構成したことを特徴とする請求項13記載の穀物の乾燥装置。
【請求項15】
遠赤外線放射装置の遠赤外線放射体からの排気は、穀物貯留槽又は穀物通風乾燥槽に供給し、乾燥槽を経て循環させるように構成したことを特徴とする請求項11、12、13又は14記載の穀物の乾燥装置。
【請求項16】
乾燥槽に併設する穀物貯留槽又は穀物通風乾燥槽は複数基であって、乾燥槽の円筒状空間に対して並列に接続されていることを特徴とする請求項11又は13記載の穀物の乾燥装置。
【請求項17】
複数基の穀物貯留槽又は穀物通風乾燥槽は、乾燥槽を中心として乾燥槽を取り巻くように配置されていることを特徴とする請求項16記載の穀物の乾燥装置。
【請求項18】
乾燥槽を取り巻くように設置した複数基の穀物貯留槽又は穀物通風乾燥槽には、乾燥槽の円筒状空間の被乾燥穀物供給側または送出側およびその両者との間を開閉するシャッタを設けたことを特徴とする請求項17記載の穀物の乾燥装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2006−234301(P2006−234301A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−50728(P2005−50728)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000001465)金子農機株式会社 (53)
【出願人】(501203344)独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 (827)
【Fターム(参考)】