説明

積層セラミック部品製造用溶剤又は溶剤組成物

【課題】積層セラミック部品製造工程において、被塗布面部材に塗布することにより配線又は塗膜形成を行うペーストに含有する溶剤又は溶剤組成物であって、前記ペーストに含有するバインダー樹脂の溶解性に優れ、印刷法に適した初期せん断粘度を前記ペーストに付与することができ、且つ、シートアタック現象を引き起こすことがなく、更に、低温乾燥条件において速やかに乾燥させることができる積層セラミック部品製造用溶剤又は溶剤組成物を提供する。
【解決手段】本発明の積層セラミック部品製造用溶剤又は溶剤組成物は、下記式(1)(式中、R1、R2は、同一又は異なって、直鎖状又は分岐鎖状アルキル基を示し、R1、R2のうち少なくとも一方は分岐鎖状アルキル基である。Aはアルキレン基を示す。nは1又は2である)で表される化合物を含有する。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層セラミック部品製造工程において、被塗布面を有する部材(以後、「被塗布面部材」と称する場合がある)に塗布することにより配線又は塗膜を形成することができるペーストに含有される積層セラミック部品製造用溶剤又は溶剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
積層セラミック部品にはコンデンサ、インダクタ、バリスタ、サーミスタ、スピーカ、アクチュエータ、アンテナ、固体酸化物燃料電池(SOFC)などがあり、セラミック層や導体層の薄層を重ね合わせることで部品が作成される。コンデンサ、インダクタ、バリスタ、サーミスタ、スピーカ、アクチュエータ、アンテナはセラミック層と導体層を積層するものが主であり、固体酸化物燃料電池(SOFC)は複数のセラミック層を積層するものが主である。
【0003】
積層方法としては、焼成した層の上に新たな層を塗布、焼成を繰り返して作成することもできるが、生産性、コストを考慮すると焼成前の状態で多層積層したうえで同時焼成することが一般的である。
【0004】
同時焼成する方法での積層方法は、各層を形成する組成物を含有する液体の塗布、乾燥を繰り返して積層シートとし、さらに部品によっては得られたシートを重ね合わせ、圧着して高積層化を行う方法を用いる。
【0005】
積層セラミック部品の製造方法の一例として積層コンデンサの製造方法を示す。一般的には、次のような工程を経て製造される。
1:セラミックスの粉末をポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール樹脂又はアクリル樹脂等のバインダー樹脂と溶剤で分散させてスラリーとし、シート状に形成してグリーンシートを得る。
2:ニッケル、パラジウム等の導電性金属材料、エチルセルロース、及びターピネオール等の有機溶剤を主成分とする導体ペーストを、グリーンシート上に印刷法等により塗布し配線・塗膜を形成する。
3:上記導体ペースト中の有機溶剤を乾燥させる。
4:配線・塗膜が形成された積層シートを所定寸法に切断し、複数枚積み重ねて加熱圧着して積層体とする。
5:該積層体に電極等を取り付け、高温で焼成させると積層コンデンサが得られる。
【0006】
上記工程において、導体ペーストをグリーンシート上に塗布すると、導体ペースト中の有機溶剤がグリーンシートを形成するバインダー樹脂を溶解する現象が起こる場合がある。この現象はシートアタック現象と呼ばれている。シートアタック現象は、積層セラミックコンデンサのセラミック層に穴や皺を発生させ、配線・塗膜形成の不良やショート等による歩留まりの低下を引き起こす原因となる。
【0007】
このような問題は同様の積層方法を用いる積層セラミック部品において生じる。従来は各層の膜厚が厚かったために影響がそれほど大きくなかったが、近年、積層セラミック部品の高性能化、小型化に伴い、装置を構成する導体層、セラミック層の薄層化が求められている。その結果、シートアタック現象が顕著に認められるようになった。
【0008】
そこで、シートアタック現象の改善方法として、導体ペーストに使用する有機溶剤の改善が種々検討された。例えば、特許文献1、2には、有機溶剤としてターピネオール水素添加物、ターピネオールのアセテート又はターピネオール水素添加物のアセテートを用いることが開示されている。しかしながら、上記有機溶剤を使用するだけではシートアタック現象を完全に防ぐことが難しく、グリーンシートを形成するバインダー樹脂として汎用されるポリビニルアセタール樹脂においてもアセタール化度が低いものを選択して使用する必要があった。また、導体ペーストに含有するバインダー樹脂として、エチルセルロースは上記有機溶媒への溶解性が低いため、塗布ペーストの経時的粘度変動により、印刷時に不良を引き起こしやすいという問題があった。
【0009】
また、特許文献3には、導体ペーストに使用する有機溶剤として、ヘキサン酸エチル、酢酸2−エチルヘキシル等の溶剤を用いることが開示されている。しかしながら、これらの溶剤は、乾燥工程における温度上昇によりグリーンシートに含まれるバインダー樹脂の溶解性が高まるため、シートアタック現象を効果的に防止することができないという問題があった。
【0010】
特許文献4には、導体ペーストに使用する有機溶剤として、ポリビニルアセタール樹脂(例えば、ポリビニルブチラール等)やアクリル樹脂、及びエチルセルロースが不溶性を示し、更に製造工程で使用可能な温度帯の上限近くに沸点を有するトリアセチン(沸点:260℃)をベースとし、これにエチルセルロースが可溶性を示す、低沸点の有機溶剤を特定の割合で加えた溶剤組成物を用いることで耐シートアタック性を改善する発明が開示されている。しかしながら前記溶剤組成物を含有する導体ペーストを塗布した後、常圧加熱乾燥する場合は、蒸発速度の遅いトリアセチンの含有量が多いので長時間の加熱を要し、長時間の加熱によりポリビニルアセタール樹脂をバインダー樹脂とするグリーンシートは軟化、変形してしまうという問題が認められた。
【0011】
また、近年は、積層セラミック部品1層当たりの厚みが薄くなり積層数が増える傾向があり、1層当たりに従来同様の乾燥時間をかけると積層セラミック部品1個当たりの製造時間が延びることから、生産効率が落ちるという問題も指摘されている。そのため、ペースト塗布時に蒸発することなく、低温乾燥条件(例えば、40〜100℃)において、短時間で蒸発する溶剤が求められているが、トリアセチンは蒸発速度が遅いため、低温条件では乾燥時間を短縮することは困難であった。
【0012】
一方、導体ペーストを、グリーンシート上に塗布し配線・塗膜を形成する方法としては、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の印刷法により行うのが一般的であるが、特にスクリーン印刷法においては、導体ペーストの初期せん断粘度が低すぎると微細な配線パターンを形成することが困難となる。そこで、導体ペーストはある程度の初期せん断粘度を有することが求められる。初期せん断粘度を高める方法としては、バインダー樹脂の添加量を増量する方法が挙げられるが、この場合、焼成時に生じるバインダー樹脂の残渣が増加して導電性低下を引き起こすことが問題であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平07−240340号公報
【特許文献2】特許平07−021833号公報
【特許文献3】特開2005−116504号公報
【特許文献4】特開2009−147202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、本発明の目的は、積層セラミック部品製造工程において、被塗布面部材に塗布することにより配線又は塗膜形成を行うペースト(以後、「塗布ペースト」と称する場合がある)に含有する溶剤又は溶剤組成物であって、前記ペーストに含有するバインダー樹脂の溶解性に優れ、印刷法に適した初期せん断粘度を前記ペーストに付与することができ、且つ、被塗布面部材を形成するバインダー樹脂を溶解することがなく、すなわちシートアタック現象を引き起こすことがなく、更に、低温乾燥条件において速やかに乾燥させることができる積層セラミック部品製造用溶剤又は溶剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、少なくとも1つの分岐鎖状アルキル基を末端に有するアルキレングリコールジアルキルエーテル及びジアルキレングリコールジアルキルエーテルは、エチルセルロース等のバインダー樹脂の溶解性が高く、且つ、ポリビニルアセタール樹脂については広いアセタール化度のものが不溶性を示す、すなわち、エチルセルロースとポリビニルアセタール樹脂に対する溶解性のバランスに優れること、その上、沸点がさほど高くないこと、これらのアルキレングリコールジアルキルエーテル、及び/又はジアルキレングリコールジアルキルエーテルを含有する積層セラミック部品製造用溶剤又は溶剤組成物は、塗布ペーストに含有するバインダー樹脂の溶解性に優れ、シートアタック現象を防止することができると共に、塗布ペーストの初期せん断粘度を、バインダー樹脂の増量なしに容易に各印刷法等に適したものに調整することができ、低温乾燥条件においても速やかに乾燥させることができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
【0016】
すなわち、本発明は、下記式(1)
【化1】

(式中、R1、R2は、同一又は異なって、直鎖状又は分岐鎖状アルキル基を示し、R1、R2のうち少なくとも一方は分岐鎖状アルキル基である。Aはアルキレン基を示す。nは1又は2である)
で表される化合物を含有する積層セラミック部品製造用溶剤又は溶剤組成物を提供する。
【0017】
前記積層セラミック部品製造用溶剤又は溶剤組成物は、ジプロピレングリコールメチルイソブチルエーテル、又はジプロピレングリコールメチルイソペンチルエーテルを少なくとも含有することが好ましい。
【0018】
前記積層セラミック部品としては、積層セラミックコンデンサが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の積層セラミック部品製造用溶剤又は溶剤組成物は、上記アルキレングリコールジアルキルエーテル及び/又はジアルキレングリコールジアルキルエーテル(上記式(1)で表される化合物)を含有するため、エチルセルロースなどの塗布ペーストに配合するバインダー樹脂を容易に溶解することができ、且つ、被塗布面部材を形成するバインダー樹脂であるポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール樹脂を溶解することはない。そのため、シートアタック現象の抑制又は防止効果を発揮することができる。その上、前記アルキレングリコールジアルキルエーテル及びジアルキレングリコールジアルキルエーテルは、ニッケル、パラジウム等の導電性金属材料やセラミック材料とエチルセルロース等のバインダー樹脂とを混合することにより得られる塗布ペーストに、前記バインダー樹脂を増量することなく適度な初期せん断粘度を付与することができ、各印刷法により微細パターンを精度良く形成することができ、配線・塗膜パターンの微細化、高密度配線化に対応することができる。
【0020】
更に、アルキレングリコールジアルキルエーテル及びジアルキレングリコールジアルキルエーテルによって、エチルセルロースなどのバインダーの含まれるペーストに高い初期せん断粘度を付与することができるため、バインダー樹脂添加量を低減することもできる。その結果として、材料機能の妨げとなる、焼成により生じるバインダー樹脂由来の残渣量を低減することが可能となる。更にまた、前記アルキレングリコールジアルキルエーテル及びジアルキレングリコールジアルキルエーテルは、沸点がさほど高くないため、低温条件でも、速やかに乾燥させることができ、乾燥時間を短縮することが可能となる。それにより、加熱乾燥工程における被塗布面部材の軟化、変形を防止することができ、乾燥後の被塗布面部材を高積層することによって得られる積層セラミック部品の製造効率を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】積層セラミック部品製造用溶剤又は溶剤組成物にエチルセルロースを5重量%溶解して得られる5重量%エチルセルロース溶液について、25℃におけるせん断粘度とせん断速度の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[式(1)で表される化合物]
本発明の積層セラミック部品製造用溶剤又は溶剤組成物は、上記式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする。式(1)中、R1、R2は、同一又は異なって、直鎖状又は分岐鎖状アルキル基を示し、R1、R2のうち少なくとも一方は分岐鎖状アルキル基である。Aはアルキレン基を示す。nは1又は2である。
【0023】
1、R2における直鎖状アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル基などの炭素数1〜8の直鎖状アルキル基を挙げることができる。R1、R2における分岐鎖状アルキル基としては、例えば、i−プロピル、t−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1、2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1−エチルペンチル、1−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、2−エチルヘキシル、3−エチルヘキシル、1−メチルヘプチル、2−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル基等の炭素数3〜8の分枝鎖状アルキル基を挙げることができる。
【0024】
Aはアルキレン基を示し、例えば、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、ウンデカメチレン、ドデカメチレン、トリデカメチレン、テトラデカメチレン、ペンタデカメチレン、ヘキサデカメチレン基等の直鎖状アルキレン基;メチルエチレン、メチルプロピレン、エチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、1,1−ジメチルエチレン、1−エチルプロピレン、2−エチルプロピレン、1,2−ジメチルプロピレン、2,2−ジメチルプロピレン、1−プロピルプロピレン、2−プロピルプロピレン、1−メチル−1−エチルプロピレン、1−メチル−2−エチル−プロピレン、1−エチル−2−メチル−プロピレン、2−メチル−2−エチル−プロピレン、1−メチルブチレン、2−メチルブチレン、3−メチルブチレン、2−エチルブチレン、メチルペンチレン、エチルペンチレン、メチルヘキシレン、メチルヘプチレン、メチルオクチレン、メチルノニレン、メチルデシレン、メチルウンデシレン、メチルドデシレン、メチルテトラデシレン、メチルオクタデシレン基等の分岐鎖状アルキレン基等を挙げることができる。
【0025】
上記式(1)で表される化合物におけるnが1の場合(すなわち、アルキレングリコールジアルキルエーテル)としては、例えば、直鎖状アルキル基及び分岐鎖状アルキル基を末端に持つエチレングリコールジアルキルエーテル、分岐鎖状アルキル基を両末端に持つエチレングリコールジアルキルエーテル、直鎖状アルキル基及び分岐鎖状アルキル基を末端に持つプロピレングリコールジアルキルエーテル、及び分岐鎖状アルキル基を両末端に持つプロピレングリコールジアルキルエーテル等を挙げることができる。
【0026】
上記式(1)で表される化合物におけるnが2の場合(すなわち、ジアルキレングリコールジアルキルエーテル)としては、例えば、直鎖状アルキル基及び分岐鎖状アルキル基を末端に持つジエチレングリコールジアルキルエーテル、分岐鎖状アルキル基を両末端に持つジエチレングリコールジアルキルエーテル、直鎖状アルキル基及び分岐鎖状アルキル基を末端に持つジプロピレングリコールジアルキルエーテル、及び分岐鎖状アルキル基を両末端に持つジプロピレングリコールジアルキルエーテル等を挙げることができる。
【0027】
直鎖状アルキル基及び分岐鎖状アルキル基を末端に持つエチレングリコールジアルキルエーテルの具体例としては、エチレングリコールメチル−i−プロピルエーテル、エチレングリコールエチル−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−プロピル−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチル−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ペンチル−i−プロピルエーテル、エチレングリコールメチル−i−ブチルエーテル、エチレングリコールエチル−i−ブチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピル−i−ブチルエーテル、エチレングリコール−n−ブチル−i−ブチルエーテル、エチレングリコール−n−ペンチル−i−ブチルエーテル、エチレングリコールメチル−t−ブチルエーテル、エチレングリコールエチル−t−ブチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピル−t−ブチルエーテル、エチレングリコール−n−ブチル−t−ブチルエーテル、エチレングリコール−n−ペンチル−t−ブチルエーテル、エチレングリコールメチル−s−ブチルエーテル、エチレングリコールエチル−s−ブチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピル−s−ブチルエーテル、エチレングリコール−n−ブチル−s−ブチルエーテル、エチレングリコール−n−ペンチル−s−ブチルエーテル、エチレングリコールメチル−3−メチルブチルエーテル、エチレングリコールエチル−3−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピル−3−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−n−ブチル−3−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−n−ペンチル−3−メチルブチルエーテル、エチレングリコールメチル−2−メチルブチルエーテル、エチレングリコールエチル−2−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピル−2−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−n−ブチル−2−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−n−ペンチル−2−メチルブチルエーテル、エチレングリコールメチル−1−メチルブチルエーテル、エチレングリコールエチル−1−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピル−1−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−n−ブチル−1−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−n−ペンチル−1−メチルブチルエーテル、エチレングリコールメチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコールエチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコール−n−プロピル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコール−n−ペンチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコールメチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコールエチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコール−n−プロピル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコール−n−ペンチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコールメチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコールエチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコール−n−プロピル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコール−n−ペンチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル(異性体も含む)等を挙げることができる。
【0028】
分岐鎖状アルキル基を両末端に持つエチレングリコールジアルキルエーテルの具体例としては、エチレングリコールジ−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピル−i−ブチルエーテル、エチレングリコール−i−プロピル−t−ブチルエーテル、エチレングリコール−i−プロピル−s−ブチルエーテル、エチレングリコール−i−プロピル−3−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−i−プロピル−2−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−i−プロピル−1−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−i−プロピル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコールジ−i−ブチルエーテル、エチレングリコール−i−ブチル−t−ブチルエーテル、エチレングリコール−i−ブチル−s−ブチルエーテル、エチレングリコール−i−ブチル−3−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−i−ブチル−2−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−i−ブチル−1−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−i−ブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコール−i−ブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコール−i−ブチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコールジ−t−ブチルエーテル、エチレングリコール−t−ブチル−s−ブチルエーテル、エチレングリコール−t−ブチル−3−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−t−ブチル−2−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−t−ブチル−1−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−t−ブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコール−t−ブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコール−t−ブチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコールジ−s−ブチルエーテル、エチレングリコール−s−ブチル−3−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−s−ブチル−2−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−s−ブチル−1−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−s−ブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコール−s−ブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコール−s−ブチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコールジ−3−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−3−メチルブチル−2−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−3−メチルブチル−1−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−3−メチルブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコール−3−メチルブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコール−3−メチルブチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコールジ−2−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−2−メチルブチル−1−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−2−メチルブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコール−2−メチルブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコール−2−メチルブチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコールジ−1−メチルブチルエーテル、エチレングリコール−1−メチルブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコール−1−メチルブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコール−1−メチルブチルエーテル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコールジ−2,2−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコール−2,2−ジメチルプロピル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコール−2,2−ジメチルプロピル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコールジ−1,2−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコール−1,2−ジメチルプロピル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、エチレングリコールジ−1,1−ジメチルプロピルエーテル(異性体も含む)等を挙げることができる。
【0029】
直鎖状アルキル基及び分岐鎖状アルキル基を末端に持つプロピレングリコールジアルキルエーテルの具体例としては、プロピレングリコールメチル−i−プロピルエーテル、プロピレングリコールエチル−i−プロピルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピル−i−プロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチル−i−プロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ペンチル−i−プロピルエーテル、プロピレングリコールメチル−i−ブチルエーテル、プロピレングリコールエチル−i−ブチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピル−i−ブチルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチル−i−ブチルエーテル、プロピレングリコール−n−ペンチル−i−ブチルエーテル、プロピレングリコールメチル−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールエチル−t−ブチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピル−t−ブチルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチル−t−ブチルエーテル、プロピレングリコール−n−ペンチル−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールメチル−s−ブチルエーテル、プロピレングリコールエチル−s−ブチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピル−s−ブチルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチル−s−ブチルエーテル、プロピレングリコール−n−ペンチル−s−ブチルエーテル、プロピレングリコールメチル−3−メチルブチルエーテル、プロピレングリコールエチル−3−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピル−3−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチル−3−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−n−ペンチル−3−メチルブチルエーテル、プロピレングリコールメチル−2−メチルブチルエーテル、プロピレングリコールエチル−2−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピル−2−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチル−2−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−n−ペンチル−2−メチルブチルエーテル、プロピレングリコールメチル−1−メチルブチルエーテル、プロピレングリコールエチル−1−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピル−1−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチル−1−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−n−ペンチル−1−メチルブチルエーテル、プロピレングリコールメチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコールエチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ペンチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコールメチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコールエチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ペンチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコールメチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコールエチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ペンチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル(異性体も含む)等を挙げることができる。
【0030】
分岐鎖状アルキル基を両末端に持つプロピレングリコールジアルキルエーテルの具体例としては、プロピレングリコールジ−i−プロピルエーテル、プロピレングリコール−i−プロピル−i−ブチルエーテル、プロピレングリコール−i−プロピル−t−ブチルエーテル、プロピレングリコール−i−プロピル−s−ブチルエーテル、プロピレングリコール−i−プロピル−3−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−i−プロピル−2−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−i−プロピル−1−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−i−プロピル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコール−i−プロピル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコール−i−プロピル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコールジ−i−ブチルエーテル、プロピレングリコール−i−ブチル−t−ブチルエーテル、プロピレングリコール−i−ブチル−s−ブチルエーテル、プロピレングリコール−i−ブチル−3−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−i−ブチル−2−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−i−ブチル−1−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−i−ブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコール−i−ブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコール−i−ブチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコールジ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチル−s−ブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチル−3−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチル−2−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチル−1−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコールジ−s−ブチルエーテル、プロピレングリコール−s−ブチル−3−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−s−ブチル−2−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−s−ブチル−1−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−s−ブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコール−s−ブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコール−s−ブチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコールジ−3−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−3−メチルブチル−2−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−3−メチルブチル−1−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−3−メチルブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコール−3−メチルブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコール−3−メチルブチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコールジ−2−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−2−メチルブチル−1−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−2−メチルブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコール−2−メチルブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコール−2−メチルブチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコールジ−1−メチルブチルエーテル、プロピレングリコール−1−メチルブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコール−1−メチルブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコール−1−メチルブチルエーテル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコールジ−2,2−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコール−2,2−ジメチルプロピル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコール−2,2−ジメチルプロピル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコールジ−1,2−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコール−1,2−ジメチルプロピル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、プロピレングリコールジ−1,1−ジメチルプロピルエーテル(異性体も含む)等を挙げることができる。
【0031】
直鎖状アルキル基及び分岐鎖状アルキル基を末端に持つジエチレングリコールジアルキルエーテルの具体例としては、ジエチレングリコールメチル−i−プロピルエーテル、ジエチレングリコールエチル−i−プロピルエーテル、ジエチレングリコール−n−プロピル−i−プロピルエーテル、ジエチレングリコール−n−ブチル−i−プロピルエーテル、ジエチレングリコール−n−ペンチル−i−プロピルエーテル、ジエチレングリコールメチル−i−ブチルエーテル、ジエチレングリコールエチル−i−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−プロピル−i−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−ブチル−i−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−ペンチル−i−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチル−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールエチル−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−プロピル−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−ブチル−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−ペンチル−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチル−s−ブチルエーテル、ジエチレングリコールエチル−s−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−プロピル−s−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−ブチル−s−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−ペンチル−s−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチル−3−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコールエチル−3−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−プロピル−3−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−ブチル−3−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−ペンチル−3−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコールメチル−2−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコールエチル−2−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−プロピル−2−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−ブチル−2−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−ペンチル−2−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコールメチル−1−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコールエチル−1−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−プロピル−1−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−ブチル−1−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−ペンチル−1−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコールメチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールエチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−n−プロピル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−n−ブチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−n−ペンチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールメチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールエチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−n−プロピル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−n−ブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−n−ペンチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールメチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールエチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−n−プロピル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−n−ブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−n−ペンチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル(異性体も含む)等を挙げることができる。
【0032】
分岐鎖状アルキル基を両末端に持つジエチレングリコールジアルキルエーテルの具体例としては、ジエチレングリコールジ−i−プロピルエーテル、ジエチレングリコール−i−プロピル−i−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−i−プロピル−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−i−プロピル−s−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−i−プロピル−3−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−i−プロピル−2−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−i−プロピル−1−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−i−プロピル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−i−プロピル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−i−プロピル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−i−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−i−ブチル−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−i−ブチル−s−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−i−ブチル−3−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−i−ブチル−2−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−i−ブチル−1−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−i−ブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−i−ブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−i−ブチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−t−ブチル−s−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−t−ブチル−3−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−t−ブチル−2−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−t−ブチル−1−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−t−ブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−t−ブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−t−ブチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−s−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−s−ブチル−3−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−s−ブチル−2−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−s−ブチル−1−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−s−ブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−s−ブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−s−ブチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−3−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−3−メチルブチル−2−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−3−メチルブチル−1−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−3−メチルブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−3−メチルブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−3−メチルブチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−2−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−2−メチルブチル−1−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−2−メチルブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−2−メチルブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−2−メチルブチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−1−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコール−1−メチルブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−1−メチルブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−1−メチルブチルエーテル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−2,2−ジメチルプロピル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−2,2−ジメチルプロピル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−1,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−1,2−ジメチルプロピル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−1,1−ジメチルプロピルエーテル(異性体も含む)等を挙げることができる。
【0033】
直鎖状アルキル基及び分岐鎖状アルキル基を末端に持つジプロピレングリコールジアルキルエーテルの具体例としては、ジプロピレングリコールメチル−i−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールエチル−i−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピル−i−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチル−i−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ペンチル−i−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−i−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールエチル−i−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピル−i−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチル−i−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ペンチル−i−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−t−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールエチル−t−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピル−t−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチル−t−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ペンチル−t−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−s−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールエチル−s−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピル−s−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチル−s−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ペンチル−s−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−3−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコールエチル−3−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピル−3−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチル−3−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ペンチル−3−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−2−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコールエチル−2−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピル−2−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチル−2−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ペンチル−2−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−1−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコールエチル−1−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピル−1−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチル−1−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ペンチル−1−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールエチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ペンチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールエチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ペンチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールエチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ペンチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル(異性体も含む)等を挙げることができる。
【0034】
分岐鎖状アルキル基を両末端に持つジプロピレングリコールジアルキルエーテルの具体例としては、ジプロピレングリコールジ−i−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール−i−プロピル−i−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール−i−プロピル−t−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール−i−プロピル−s−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール−i−プロピル−3−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−i−プロピル−2−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−i−プロピル−1−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−i−プロピル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−i−プロピル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−i−プロピル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−i−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール−i−ブチル−t−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール−i−ブチル−s−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール−i−ブチル−3−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−i−ブチル−2−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−i−ブチル−1−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−i−ブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−i−ブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−i−ブチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−t−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール−t−ブチル−s−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール−t−ブチル−3−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−t−ブチル−2−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−t−ブチル−1−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−t−ブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−t−ブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−t−ブチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−s−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール−s−ブチル−3−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−s−ブチル−2−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−s−ブチル−1−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−s−ブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−s−ブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−s−ブチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−3−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−3−メチルブチル−2−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−3−メチルブチル−1−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−3−メチルブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−3−メチルブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−3−メチルブチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−2−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−2−メチルブチル−1−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−2−メチルブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−2−メチルブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−2−メチルブチル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−1−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコール−1−メチルブチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−1−メチルブチル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−1−メチルブチルエーテル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−2,2−ジメチルプロピル−1,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−2,2−ジメチルプロピル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−1,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−1,2−ジメチルプロピル−1,1−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−1,1−ジメチルプロピルエーテル(異性体も含む)等を挙げることができる。
【0035】
上記式(1)で表される化合物としては、なかでも、沸点が125℃以上、250℃以下のものが好ましい。沸点が上記範囲を上回ると、低温条件において速やかに乾燥させることが困難となる傾向がある。一方、沸点が上記範囲を下回ると、塗布ペースト調整時若しくは印刷時に揮発して、組成が変動する恐れがあり、これによって安定した配線・塗膜形成が困難となる傾向がある。
【0036】
本発明における上記式(1)で表される化合物としては、なかでも、R1、R2とが異なる基を示す、末端アルキル基非対称のアルキレングリコールジアルキルエーテル又はジアルキレングリコールジアルキルエーテルであることが好ましく、特に、R1、R2のうち、一方が直鎖状アルキル基であり他方が分岐鎖状アルキル基である、直鎖状アルキル基及び分岐鎖状アルキル基を末端に持つアルキレングリコールジアルキルエーテル又はジアルキレングリコールジアルキルエーテル(特に、ジプロピレングリコールメチル−i−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−i−ペンチルエーテル)が好ましい。
【0037】
[積層セラミック部品製造用溶剤又は溶剤組成物]
本発明の積層セラミック部品製造用溶剤又は溶剤組成物は、上記式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする。
【0038】
積層セラミック部品製造用溶剤又は溶剤組成物中の上記式(1)で表される化合物の含有量(2種以上含有する場合は、その合計含有量)は、5重量%以上が好ましく、特に好ましくは10〜100重量%程度、最も好ましくは50〜100重量%、さらに好ましくは70〜100重量%である。積層セラミック部品製造用溶剤又は溶剤組成物における上記式(1)で表される化合物の含有量が上記範囲を下回ると、導電性低下等を引き起こすことなく塗布ペーストの初期せん断粘度を調整することが困難となる傾向がある。また、塗布ペーストに含有するバインダー樹脂の溶解性が低下する傾向があり、更に、被塗布面部材を形成するバインダー樹脂を溶解し易くなり、シートアタック現象を防止することが困難となる傾向がある。更にまた、低温乾燥条件において速やかに乾燥させることが困難となる傾向がある。
【0039】
また、本発明の積層セラミック部品製造用溶剤又は溶剤組成物には、その効果を損なわない範囲であれば、上記式(1)で表される化合物以外に他の有機溶剤、添加剤を添加することができ、それにより用途に合わせて物性を調整することができる。他の有機溶剤の添加量としては、積層セラミック部品製造用溶剤又は溶剤組成物に含有する全溶剤中の、例えば30重量%未満、好ましくは20重量%未満、特に好ましくは10重量%未満、最も好ましくは5重量%未満である。
【0040】
添加することができる溶剤としては、例えば、シクロアルキルアルコール、シクロアルキルアセテート、アルキレングリコール、アルキレングリコールジアセテート、アルキレングリコールモノエーテル、上記以外のアルキレングリコールジアルキルエーテル、アルキレングリコールモノエーテルアセテート、ジアルキレングリコールモノエーテル、上記以外のジアルキレングリコールジアルキルエーテル、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、トリアルキレングリコールモノエーテル、トリアルキレングリコールモノエーテルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブタノールアセテート、テトラヒドロフルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコールアセテート、テルペン系化合物とその誘導体等を挙げることができる。
【0041】
シクロアルキルアルコールとしては、例えば、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロオクチルアルコール、メチルシクロヘキシルアルコール、エチルシクロヘキシルアルコール、プロピルシクロヘキシルアルコール、i−プロピルシクロヘキシルアルコール、ブチルシクロヘキシルアルコール、i−ブチルシクロヘキシルアルコール、s−ブチルシクロヘキシルアルコール、t−ブチルシクロヘキシルアルコール、ペンチルシクロヘキシルアルコール等のC1-5アルキル基等の置換基を有していてもよい3員〜15員のシクロアルキルアルコール等を挙げることができる。
【0042】
シクロアルキルアセテートとしては、例えば、シクロヘキシルアセテート、シクロペンチルアセテート、シクロオクチルアセテート、メチルシクロヘキシルアセテート、エチルシクロヘキシルアセテート、プロピルシクロヘキシルアセテート、i−プロピルシクロヘキシルアセテート、ブチルシクロヘキシルアセテート、i−ブチルシクロヘキシルアセテート、s−ブチルシクロヘキシルアセテート、t−ブチルシクロヘキシルアセテート、ペンチルシクロヘキシルアセテート等のC1-5アルキル基等の置換基を有していてもよい3員〜15員のシクロアルキルアセテート等を挙げることができる。
【0043】
アルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等を挙げることができる。
【0044】
アルキレングリコールジアセテートとしては、例えば、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、1,3−プロパンジオールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ブタンジオールジアセテート、1,5−ペンタンジオールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート等を挙げることができる。
【0045】
アルキレングリコールモノエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノペンチルエーテル等のエチレングリコールモノC1-5アルキルエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノペンチルエーテル等のプロピレングリコールモノC1-5アルキルエーテル等を挙げることができる。
【0046】
アルキレングリコールジアルキルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールジペンチルエーテル等のエチレングリコールC1-5アルキル(直鎖)C1-5アルキル(直鎖)エーテル(末端アルキル基対称);エチレングリコールエチルメチルエーテル、エチレングリコールメチルプロピルエーテル、エチレングリコールブチルメチルエーテル、エチレングリコールメチルペンチルエーテル、エチレングリコールエチルプロピルエーテル、エチレングリコールブチルエチルエーテル、エチレングリコールエチルペンチルエーテル、エチレングリコールブチルプロピルエーテル、エチレングリコールプロピルペンチルエーテル、エチレングリコールブチルペンチルエーテル等のエチレングリコールC1-5アルキル(直鎖)C1-5アルキル(直鎖)エーテル(末端アルキル基非対称);プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジペンチルエーテル等のプロピレングリコールC1-5アルキル(直鎖)C1-5アルキル(直鎖)エーテル(末端アルキル基対称);プロピレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールメチルプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルメチルエーテル、プロピレングリコールメチルペンチルエーテル、プロピレングリコールエチルプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエチルエーテル、プロピレングリコールエチルペンチルエーテル、プロピレングリコールブチルプロピルエーテル、プロピレングリコールプロピルペンチルエーテル、プロピレングリコールブチルペンチルエーテル等のプロピレングリコールC1-5アルキル(直鎖)C1-5アルキル(直鎖)エーテル(末端アルキル基非対称)等を挙げることができる。
【0047】
アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノペンチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノC1-5アルキルエーテルアセテート;プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノペンチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノC1-5アルキルエーテルアセテート等を挙げることができる(異性体を含む)。
【0048】
ジアルキレングリコールモノエーテルとしては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル等のジエチレングリコールモノC1-5アルキルエーテル;ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノペンチルエーテル等のジプロピレングリコールモノC1-5アルキルエーテル等を挙げることができる(異性体を含む)。
【0049】
ジアルキレングリコールジアルキルエーテルとしては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジペンチルエーテル等のジエチレングリコールC1-5アルキル(直鎖)C1-5アルキル(直鎖)エーテル(末端アルキル基対称);ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルペンチルエーテル、ジエチレングリコールエチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールブチルエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルペンチルエーテル、ジエチレングリコールブチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールプロピルペンチルエーテル、ジエチレングリコールブチルペンチルエーテル等のジエチレングリコールC1-5アルキル(直鎖)C1-5アルキル(直鎖)エーテル(末端アルキル基非対称);ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジペンチルエーテル等のジプロピレングリコールC1-5アルキル(直鎖)C1-5アルキル(直鎖)エーテル(末端アルキル基対称);ジプロピレングリコールエチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールブチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルペンチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルペンチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールブチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルペンチルエーテルなどのプロピレングリコールC1-5アルキル(直鎖)C1-5アルキル(直鎖)エーテル(末端アルキル基非対称、異性体を含む)等を挙げることができる。
【0050】
ジアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートとしては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノペンチルエーテルアセテート等のジエチレングリコールモノC1-5アルキルエーテルアセテート;ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノペンチルエーテルアセテート等のジプロピレングリコールモノC1-5アルキルエーテルアセテート等を挙げることができる(異性体を含む)。
【0051】
トリアルキレングリコールモノエーテルとしては、例えば、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノペンチルエーテル等のトリエチレングリコールモノC1-5アルキルエーテル;トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノペンチルエーテル等のトリプロピレングリコールモノC1-5アルキルエーテル等を挙げることができる(異性体を含む)。
【0052】
トリアルキレングリコールモノエーテルアセテートとしては、例えば、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノペンチルエーテルアセテート等のトリエチレングリコールモノC1-5アルキルエーテルアセテート;トリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノペンチルエーテルアセテート等のトリプロピレングリコールモノC1-5アルキルエーテルアセテート等を挙げることができる(異性体を含む)。
【0053】
テルペン系化合物とその誘導体としては、例えば、ターピネオール、ターピネオールアセテート、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピニルアセテート、ジヒドロターピニルプロピオネート、リモネン、メンタン、メントール等を挙げることができる。
【0054】
本発明に係る積層セラミック部品製造用溶剤又は溶剤組成物は、上記構成により、エチルセルロース等のバインダー樹脂のバインダー性能を十分に発揮させることができ、被塗布面部材への侵食を生じることがない。その上、ニッケル、パラジウム等の導電性金属材料やセラミック材料とエチルセルロース等のバインダー樹脂とを前記積層セラミック部品製造用溶剤又は溶剤組成物中で混合して得られる塗布ペーストに、バインダー樹脂を過剰に添加せずとも、若しくはバインダー樹脂の添加量を低減しても、適度な初期せん断粘度を付与することができ、グリーンシート上に塗布し配線・塗膜を形成する際に使用する印刷法に応じて容易に調整することができる。
【0055】
例えば、グラビア印刷用塗布ペーストの場合は初期せん断粘度が低いものが好ましく、バインダー樹脂の添加量を、従来の溶剤組成物を使用する場合に比べて低減することができ、微細パターンを精度良く形成して、配線・塗膜パターンの微細化、高密度配線化に対応することができると共に、焼成時に生じるバインダー樹脂の残渣を低減することができるため、導電性低下を防止することができる。
【0056】
また、スクリーン印刷用塗布ペーストの場合は、グラビア印刷用に比べ、より高い初期せん断粘度を有するものが好ましく、例えば、25℃における初期せん断粘度が、1200mPa・s以上(なかでも1500mPa・s以上、特に1800mPa・s以上)が好ましい。塗布ペーストの25℃における初期せん断粘度が上記範囲を下回ると、弾性が低くなりすぎて微細パターンを精度良く形成することが困難となる。本発明に係る積層セラミック部品製造用溶剤又は溶剤組成物を塗布ペーストに使用すると、バインダー樹脂を過剰に添加せずとも、容易に上記初期せん断粘度を付与することができ、微細パターンを精度良く形成して、配線・塗膜パターンの微細化、高密度配線化に対応することができると共に、焼成時に生じるバインダー樹脂の残渣増加を防止することができ、バインダー樹脂の残渣による導電性低下を抑制することができる。尚、本発明における初期せん断粘度は、25℃におけるせん断粘度とせん断速度の関係を示すグラフに近似直線を引いて得られる、せん断速度(s-1)ゼロ時点におけるせん断粘度(mPa・s)である。
【0057】
更に、本発明に係る積層セラミック部品製造用溶剤又は溶剤組成物は蒸発乾燥が容易で積層セラミック部品の生産効率を著しく向上させることができる。本発明に係る積層セラミック部品製造用溶剤又は溶剤組成物は、例えば、コンデンサ、インダクタ、バリスタ、サーミスタ、スピーカ、アクチュエータ、アンテナ、固体酸化物燃料電池(SOFC)などの積層セラミック部品(特に、積層セラミックコンデンサ)製造用溶剤又は溶剤組成物として有用である。
【実施例】
【0058】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0059】
実施例1〜2、比較例1〜2
下記表1に記載の溶剤中に、ポリビニルブチラール樹脂として商品名「エスレックBL−S」(積水化学(株)製)、商品名「エスレックBL−1」(積水化学(株)製)、商品名「エスレックBH−3」(積水化学(株)製)及び、エチルセルロースとして商品名「エトセルSTD」(ダウ・ケミカル社製)をそれぞれ樹脂濃度が5重量%になるように添加し、液温65℃で3時間加熱溶解し、室温(25℃)で放冷した。
【0060】
<評価>
液温65℃で3時間加熱溶解操作を行った時点(下記表1で「65℃」と表記)と、その後、室温(25℃)で放冷した時点(下記表1で「室温」と表記)において、目視観察により各樹脂が各溶剤に対して溶解性を示すか否かを下記の基準で評価するとともに、各溶剤の溶剤性能を下記の基準で総合的に評価した。
<樹脂溶解性の評価基準>
◎:樹脂がすべて溶解した。
○:樹脂がほぼ溶解した。
△:樹脂が一部溶解した。
×:樹脂が不溶であった。
<溶剤性能の評価基準>
エチルセルロースに対して可溶解性を示し、ポリビニルブチラール樹脂に対して、室温(25℃)においても65℃においても不溶解性を示す溶剤:○
エチルセルロースに対して可溶解性を示し、ポリビニルブチラール樹脂に対して、室温(25℃)においては不溶解性を示すが、65℃においは可溶解性を示す溶剤:△
エチルセルロースに対して可溶解性を示すが、ポリビニルブチラール樹脂に対して、室温(25℃)においても65℃においても可溶解性を示す溶剤:×
【0061】
【表1】

【0062】
表1中の略号は以下の通りである。
DPMIPen:ジプロピレングリコールメチル−i−ペンチルエーテル(粘度:1.73mPa・s、ダイセル化学工業(株)製)
DPMIB:ジプロピレングリコールメチル−i−ブチルエーテル(粘度:1.48mPa・s、ダイセル化学工業(株)製)
DPMNP:ジプロピレングリコールメチル-n−プロピルエーテル(粘度:1.36mPa・s、ダイセル化学工業(株)製)
DHTA:ジヒドロターピニルアセテート(粘度:5.24mPa・s、商品名「メンタノールAC」、日本香料薬品(株)製)
【0063】
続いて実施例1〜2、比較例1〜2の溶剤に「エトセルSTD」を完溶して得られた5重量%エチルセルロース溶液を粘弾性測定装置(商品名「Anton Paar Physica MCR 301」、株式会社アントンパール製)にて粘性測定した。測定条件は25℃でせん断速度を1〜100s-1の間で1次連続的に変化させて、10s毎に(合計20点)せん断粘度を測定した。上記結果を下記表2、及び図1にまとめて示す。
【0064】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)
【化1】

(式中、R1、R2は、同一又は異なって、直鎖状又は分岐鎖状アルキル基を示し、R1、R2のうち少なくとも一方は分岐鎖状アルキル基である。Aはアルキレン基を示す。nは1又は2である)
で表される化合物を含有する積層セラミック部品製造用溶剤又は溶剤組成物。
【請求項2】
ジプロピレングリコールメチルイソブチルエーテル、又はジプロピレングリコールメチルイソペンチルエーテルを少なくとも含有する請求項1に記載の積層セラミック部品製造用溶剤又は溶剤組成物。
【請求項3】
積層セラミック部品が積層セラミックコンデンサである請求項1又は2に記載の積層セラミック部品製造用溶剤又は溶剤組成物。

【図1】
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【公開番号】特開2012−231119(P2012−231119A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−18186(P2012−18186)
【出願日】平成24年1月31日(2012.1.31)
【出願人】(000002901)株式会社ダイセル (1,236)
【Fターム(参考)】