説明

空気ばねの解体装置

【課題】空気ばねの解体作業の省力化を図ることができる空気ばねの解体装置を提供する。
【解決手段】上下面板S1,S2とこの上下面板に端部をそれぞれ連結した筒状可撓膜体S3とを有する空気ばねを、解体する空気ばねの解体装置であって、脚柱とこの脚柱の上部に設けた上枠とからなる装置本体1と、この装置本体1の脚柱に設けられ、前記空気ばねの下面板をその側方から把持する下面板把持手段7と、前記装置本体1の脚柱に設けられ、前記空気ばねの筒状可撓膜体をその側方から把持する可撓膜体把持手段8と、前記装置本体1の上枠に上下動可能に設けられ、前記空気ばねの上面板をその側方から把持する上面板把持手段9とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両に採用されている空気ばねの解体装置に係り、更に詳しくは、空気ばねを構成する筒状可撓膜体の交換作業を容易にするための空気ばねの解体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両に採用されている空気ばねは、一般的に上下面板とこの面板に端部をそれぞれ連結した筒状可撓膜体(ダイヤフラム)とを有している。この筒状可撓膜体は、そのメンテナンスのために、一度組み立てたダイヤフラム3の内面部を分解していている。
【0003】
筒状可撓膜体を分解するためには、例えば、下面板と筒状可撓膜体との嵌合部分にレバーを挿入し、このレバーを用いて嵌合部分をこじ開けるようにして、筒状可撓膜体を下面板から分解するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2001−355667号公報(段落0006.0007.図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した空気ばねの解体作業において、空気ばねの重量が、例えば70kg程度の重量物である場合には、解体作業のために、作業員が2名必要になる。その解体作業の手順を説明すると、まず、下面板と筒状可撓膜体の下側端部との嵌合部を取り外す場合、1人の作業員が、空気ばねの上面板を持ち上げて、空気ばねを斜め状態に傾ける。
【0006】
この状態で、もう1人の作業員は、特殊タガネをハンマで、空気ばねの下面板と筒状可撓膜体の下側端部との嵌合部に叩き入れて、嵌合部分をこじりながら、筒状可撓膜体の下側端部を下面板から取り外す作業を行っている。
【0007】
次に、上面板と筒状可撓膜体の上側端部との嵌合部を取り外す場合、空気ばねを反転し、1人の作業員が、天井クレーンを操作して、天井クレーンのフックを空気ばねの筒状可撓膜体に引っ掛ける。次に、天井クレーンのフックを上昇して、空気ばねを斜め吊り状態にした後、クレーンを操縦している1人の作業員が、空気ばねの筒状可撓膜体に乗り、空気ばねを固定状態にする。次に、もう1人の作業員が空気ばねの上面板の一部に乗り、体重を空気ばねの上面板に掛けて、空気ばねの上面板を、クレーンで吊られている筒状可撓膜体から取り外す作業を行っている。
【0008】
上述したように、空気ばねの解体作業は、人力に頼らざるを得ず、解体作業に多大な時間と費用を要しているため、その省力化が望まれている。
【0009】
本発明は、上述した背景に基づいてなされたもので、空気ばねの解体作業の省力化を図ることができる空気ばねの解体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、第1の発明は、上下面板とこの上下面板に端部をそれぞれ連結した筒状可撓膜体とを有する空気ばねを、解体する空気ばねの解体装置であって、脚柱とこの脚柱の上部に設けた上枠とからなる装置本体と、この装置本体の脚柱に設けられ、前記空気ばねの下面板をその側方から把持する下面板把持手段と、前記装置本体の脚柱に設けられ、前記空気ばねの筒状可撓膜体をその側方から把持する可撓膜体把持手段と、前記装置本体の上枠に上下動可能に設けられ、前記空気ばねの上面板をその側方から把持する上面板把持手段とを備えている。
【0011】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記可撓膜体把持手段は、前記空気ばねの筒状可撓膜体の下側に進退可能な下側把持爪と、前記空気ばねの筒状可撓膜体の上側に向かって進退可能で、先端部が上下方向に回動可能な上側把持爪と、前記上側把持爪を前記下側把持爪に向かって押しつける押付け手段と、前記上側把持爪を前記前記下側把持爪に対し離す方向の付勢力を与えるばねとを備えている。
【0012】
更に、第3の発明は、第2の発明において、前記可撓膜体把持手段における上側把持爪は、その先端下面に、前記空気ばねの筒状可撓膜体の上側面に当接する突起を備えている。
【0013】
また、第4の発明は、第1乃至第3に発明のいずれかにおいて、前記空気ばねを載置し、前記空気ばねを前記装置本体内に移送する移送台車を更に備えたことを特徴とする。
【0014】
更に、第5の発明は、第4の発明において、前記装置本体の脚柱に、前記移送台車を装置本体の中心部に案内するためのガイドを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、空気ばねの解体作業の省力化を図ることができるとともに、その作業効率を更に向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の空気ばねの解体装置の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1乃至図3は、本発明の空気ばねの解体装置の一実施の形態を示すもので、図1は本発明の空気ばねの解体装置の一実施の形態の正面図、図2は図1に示す本発明の空気ばねの解体装置の一実施の形態の側面図、図3は図1に示す本発明の空気ばねの解体装置の一実施の形態の平面図である。なお、図2においては、作図の関係上、本発明の空気ばねの解体装置の一実施の形態を構成する可撓膜体把持手段を省略してある。
【0017】
図1乃至図3において、解体すべき空気ばねを符号Sで示してある。空気ばねSは上下面板S1,S2と、この面板S1,S2に端部をそれぞれ連結した筒状可撓膜体(ダイヤフラム)S3とを有している。
【0018】
空気ばねSを解体する解体装置は、装置本体1を備えている。この装置本体1は、装置本体1の正面側から見て、右前側の脚柱2aと右後側の脚柱2bと左前側の脚柱2cと左後側の脚柱2dと、これらの脚柱2a〜2dの上部に設けた上枠3と、右前側の脚柱2aと右後側の脚柱2bと間に固定して設けた右側の梁2eと、左前側の脚柱2cと左後側の脚柱2dと間に固定して設けた左側の梁2fとで構成されている。
【0019】
各脚柱2a〜2dの下部には、車輪4が設けられている。装置本体1内には、空気ばねSを載置した搬送台車5が脚柱2間を通して出入り可能になっている。空気ばねSを装置本体1内の中心部に位置させるために、装置本体1における右前側の脚柱2aと右後側の脚柱2bと、左前側の脚柱2cと左後側の脚柱2dと脚柱2には、搬送台車5のガイド6がそれぞれ設けられている。このガイド6は、搬送台車5の先端部を案内する先すぼみ状のカイド部6Aと、搬送台車5の足を案内する平行なガイド部6Bとで構成されている。
【0020】
装置本体1には、その脚柱2に装設され、空気ばねSの下面板S2をその側方から把持する下面板把持手段7と、装置本体1の脚柱2に装設され、空気ばねSの筒状可撓膜体S3をその側方から把持する可撓膜体把持手段8と、装置本体1の上枠3に上下動可能に装設され、空気ばねSの上面板S1をその側方から把持する上面板把持手段9とが備えられている。上述した下面板把持手段7、可撓膜体把持手段8、及び上面板把持手段9が、空気ばねの解体装置における主要構成部分となっている。
【0021】
上述した下面板把持手段7、可撓膜体把持手段8、及び上面板把持手段9の詳細な構成を、以下に順次説明する。
まず、下面板把持手段7の構成を、図1乃至図3を用いて説明すると、下面板把持手段7は、空気ばねSの下面板S2をその側方から把持するように、対向して配置した2対の把持爪70を備えている。各把持爪70は、梁2e,2fにそれぞれ設けたガイド71によって装置本体1の中心部に向かって進退可能に支持されている。各把持爪70には、その操作用のシリンダ72が連結されている。
【0022】
次に、上面板把持手段9の構成を、図1乃至図3を用いて説明すると、上面板把持手段9は、図3に示すように、空気ばねSの上面板S1の下面をその側方から把持する4つの把持爪90を備えている。この把持爪90は、上面板把持枠91に装置本体1の中心部に向かって進退可能に支持されている。各把持爪90には、上面板把持枠91に設けた操作用のシリンダ92が連結されている。上面板把持枠91は、図1に示すように、装置本体1の上枠3に固定した上下動用のシリンダ93のピストンロッド94が連結されている。また、上面板把持枠91は、ガイドロッド95により、横方向の振れを生じないように上下動可能に保持されている。
【0023】
次に、可撓膜体把持手段8の構成を、図1乃至図3及び図4乃至図8を用いて説明する。図4は可撓膜体把持手段8の正面図、図5は図4に示す可撓膜体把持手段8の平面図、図6は4に示す可撓膜体把持手段8の側面図、図7は可撓膜体把持手段8を構成する上側把持爪の正面図、図8は図7に示す可撓膜体把持手段8を構成する上側把持爪の底面図である。
可撓膜体把持手段8は、空気ばねSの筒状可撓膜体S3の下面を把持する下側把持爪80と、空気ばねSの筒状可撓膜体S3の上面を把持する上側把持爪81とを備えている。下側把持爪80は、梁2fに固定したベース801とこのベース801の先端側に設けたガイド802とによって、装置本体1の中心部に向かって進退可能に支持されている。下側把持爪80の後部両側には、操作用の取手803が設けられている。
【0024】
また、下側把持爪80の後部の一方側には、ピン孔804を有するフランジ805が設けられている。このフランジ805のピン孔804は、下側把持爪80を装置本体1の中心部に向かって移動させた際に、ベース801の先端側の側部に設けたフランジ806のピン孔807に一致され、フランジ805のピン孔804とフランジ806のピン孔807とにピン軸808が挿入される。これにより、ピン軸808によって、下側把持爪80は、後退方向、即ち図4、図5の左方向(装置本体1の側方)への移動が不可能に保持される。
【0025】
上側把持爪81は、図8に示すように、その先端部が空気ばねSの筒状可撓膜体S3の上面に対応するように円弧条に形成されている。また、上側把持爪81の先端部の下面には、空気ばねSの筒状可撓膜体S3の上面への引っ掛かりを高めるための突起810が設けられている。これにより、上側把持爪81の先端部は、空気ばねSの筒状可撓膜体S3の上面に対する滑り防止が図られる。
【0026】
上側把持爪81の後部下面には、下側把持爪80の上面に当接しガイド機能を発揮すると共に、上側把持爪81の先端を下方向に回動させる際の回動支点となる第1のガイド部材811と、下側把持爪80の上面に当接しガイド機能を発揮する共に上側把持爪81の先端を上方向に回動させる際の回動支点となる第2のガイド部材812が上側把持爪81の進退方向と直交する方向に並設されている。上側把持爪81の後部には、上側把持爪81を進退移動させるための取手813が設けられている。
【0027】
上側把持爪81の先端側の上面には、上側把持爪81の先端側を押圧するための押圧板814が配置されている。この押圧板814は、シリンダ815のピストンロッド816の先端に設けられている。シリンダ815は、ベース801に固定したコ字状の枠体817に固定されている。
【0028】
上側把持爪81の中央部には、長孔818が形成されている。この長孔818には、ボルト819が上側把持爪81の下面から上面に向かって挿入され、上側把持爪81の上面側にナット820がねじ込まれている。このボルト819の頭部と上側把持爪81の下面との間には、上側把持爪81を上方向への移動復帰力を与えるためのばね821が設けられている。
【0029】
次に、上述した本発明の空気ばねの解体装置の一実施の形態の動作を説明する。
まず、空気ばねSを搬送台車5上に載置し、搬送台車5をガイド6を介して装置本体1内の中心部に搬入する。
【0030】
次に、操作用のシリンダ72によって、下面板把持手段7の2対の把持爪70を装置本体1の中心部に向かって移動させ、2対の把持爪70によって空気ばねSの下面板S2を把持する。
【0031】
次に、上面板把持手段9を構成する上下動用のシリンダ93のピストンロッド94を伸長して、上面板把持枠91を下降させて、把持爪90を、空気ばねSの上面板S1の下面に対応する位置まで下降させた後、シリンダ92を操作して、4つの把持爪90を装置本体1の中心部に向かって移動させ、空気ばねSの上面板S1の下面側に位置させる。
【0032】
次に、上面板把持手段9を構成する上下動用のシリンダ93のピストンロッド94を縮小して、上面板把持枠91、及び把持爪90を、上昇させる。これにより、把持爪90が空気ばねSの上面板S1の下面に当接し、空気ばねSの上面板S1及び筒状可撓膜体S3を上方向に引き上げる。この空気ばねSの上面板S1及び筒状可撓膜体S3の上方向への引き上げ操作により、空気ばねSにおける筒状可撓膜体S3の下方部を、空気ばねSの下面板S2から切り離すことができる。
【0033】
次に、搬送台車5上に残置されている空気ばねSの下面板S2を、搬送台車5上から他の場所に移動したのち、可撓膜体把持手段8における下側把持爪80を、操作用の取手803によって、装置本体1の中心部側に向かって移動させる。この際、可撓膜体把持手段8における上側把持爪81も同様に装置本体1の中心部側に向かって移動させられるので、取手813によって、上側把持爪81を装置本体1の側方に引き戻す。これにより、下側把持爪80は、図5の2点鎖線で示すように、装置本体1の内方に位置した状態となっている。
【0034】
次に、下側把持爪80の後部の一方側に設けたフランジ805のピン孔804と、ベース801の先端側の側部に設けたフランジ806のピン孔807とに、ピン軸808を挿入し、下側把持爪80が、後退方向、即ち図4、図5の左方向(装置本体1の側方)に移動しないように固定する。
【0035】
次に、上面板把持手段9における把持爪90によって保持されている空気ばねSの上面板S1及び筒状可撓膜体S3を、上下動用のシリンダ93によって下方向に引き下げ、空気ばねSの筒状可撓膜体S3の下部を、可撓膜体把持手段8における下側把持爪80の上面に当接させる。この状態における空気ばねSの筒状可撓膜体S3の上側面と上面板S1との間に、可撓膜体把持手段8における上側把持爪81を、図5の2点鎖線で示すように差し込む。
【0036】
次に、可撓膜体把持手段8におけるシリンダ815のピストンロッド816を伸長し、押圧板814を下方向に移動させて、押圧板814を上側把持爪81の先端側の上面に押し付けると、上側把持爪81は、第1のガイド部材811の角部を支点として、先端側が下方向に回動し、空気ばねSの筒状可撓膜体S3の上側面を下方向に押し付け挟み付ける。これにより、空気ばねSの筒状可撓膜体S3は、上側把持爪81と下側把持爪80とによって、把持された状態になる。このとき、可撓膜体把持手段8におけるボルト819の頭部が、下側把持爪80の上面に当接して、ばね821を圧縮している。
【0037】
次に、上面板把持手段9における上下動用のシリンダ93によって、上面板把持手段9の把持爪90を上方向に引き上げて、空気ばねSの上面板S1を筒状可撓膜体S3の上部から切り離す。その後、可撓膜体把持手段8におけるシリンダ815のピストンロッド816を縮小し、押圧板814を上方向に移動させると、可撓膜体把持手段8の上側把持爪81の先端は、ばね821の付勢力によって、第2のガイド部材812の角部を支点として上方向に回動し、空気ばねSの筒状可撓膜体S3の把持が解除されるので、空気ばねSの筒状可撓膜体S3を、搬送台車5上に載置する。
【0038】
次に、可撓膜体把持手段8におけるピン軸808を抜き取り、上側把持爪81と下側把持爪80を装置本体1の側方に退避させたのち、上面板把持手段9における上下動用のシリンダ93によって、上面板把持手段9の把持爪90を下方向に移動させ、空気ばねSの上面板S1を、搬送台車5上の筒状可撓膜体S3の上に載せる。
【0039】
次に、上面板把持手段9の把持爪90を外方向(開き方向)に移動して、空気ばねSの上面板S1のとの当接を解除したのち、上下動用のシリンダ93によって、上面板把持手段9の把持爪90を上方向に移動させる。
【0040】
上述の動作の繰り返しにより、空気ばねSを、下面板S2、筒状可撓膜体S3、及び上面板S1の順にそれぞれ解体することができる。
【0041】
上述した本発明の実施の形態によれば、装置本体1に、下面板把持手段7、可撓膜体把持手段8、及び上面板把持手段9を装設し、これらによって、空気ばねを解体するので、空気ばねの解体作業の省力化を図ることができる。また、筒状可撓膜体S3の上側面及び下側面を挟みこむ上側把持爪81と下側把持爪80とを有する可撓膜体把持手段8を備えているので、特に、空気ばねSの上面板S1と筒状筒状可撓膜体S3との解体作業性が著しく向上する。
【0042】
なお、上述の実施の形態においては、装置本体1の各脚柱2a〜2dの下部に、車輪4を設けて移動可能にしたが、固定することも可能である。また、空気ばねSを装置本体1内に搬入するための搬送台車5を用いたが、他の移送装置を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の空気ばねの解体装置の一実施の形態の正面図である。
【図2】図1に示す本発明の空気ばねの解体装置の一実施の形態の側面図である。
【図3】図1に示す本発明の空気ばねの解体装置の一実施の形態の平面図である。
【図4】本発明の空気ばねの解体装置の一実施の形態を構成する可撓膜体把持手段8の正面図である。
【図5】図4に示す本発明の空気ばねの解体装置の一実施の形態を構成する可撓膜体把持手段の平面図である。
【図6】図4に示す本発明の空気ばねの解体装置の一実施の形態を構成する可撓膜体把持手段の側面図である。
【図7】本発明の空気ばねの解体装置の一実施の形態を構成する可撓膜体把持手段における上側把持爪の正面図である。
【図8】図7に示す本発明の空気ばねの解体装置の一実施の形態を構成する可撓膜体把持手段における上側把持爪の底面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 装置本体
7 下面板把持手段
8 可撓膜体把持手段
9 上面板把持手段
S 空気ばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下面板とこの上下面板に端部をそれぞれ連結した筒状可撓膜体とを有する空気ばねを、解体する空気ばねの解体装置であって、
脚柱とこの脚柱の上部に設けた上枠とからなる装置本体と、
この装置本体の脚柱に設けられ、前記空気ばねの下面板をその側方から把持する下面板把持手段と、
前記装置本体の脚柱に設けられ、前記空気ばねの筒状可撓膜体をその側方から把持する可撓膜体把持手段と、
前記装置本体の上枠に上下動可能に設けられ、前記空気ばねの上面板をその側方から把持する上面板把持手段とを備えた
ことを特徴とする空気ばねの解体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の空気ばねの解体装置において、
前記可撓膜体把持手段は、前記空気ばねの筒状可撓膜体の下側に進退可能な下側把持爪と、
前記空気ばねの筒状可撓膜体の上側に向かって進退可能で、先端部が上下方向に回動可能な上側把持爪と、
前記上側把持爪を前記下側把持爪に向かって押しつける押付け手段と、
前記上側把持爪を前記前記下側把持爪に対し離す方向の付勢力を与えるばねとを備えた
ことを特徴とする空気ばねの解体装置。
【請求項3】
請求項2に記載の空気ばねの解体装置において、
前記可撓膜体把持手段における上側把持爪は、その先端下面に、前記空気ばねの筒状可撓膜体の上側面に当接する突起を備えたことを特徴とする空気ばねの解体装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の空気ばねの解体装置において、
前記空気ばねを載置し、前記空気ばねを前記装置本体内に移送する移送台車を更に備えたことを特徴とする空気ばねの解体装置。
【請求項5】
請求項4に記載の空気ばねの解体装置において、
前記装置本体の脚柱に、前記移送台車を装置本体の中心部に案内するためのガイドを設けたことを特徴とする空気ばねの解体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−17771(P2010−17771A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−177774(P2008−177774)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(000221616)東日本旅客鉄道株式会社 (833)
【出願人】(591055975)水戸工業株式会社 (11)
【Fターム(参考)】