説明

空気バネ

【課題】建物等の構造物に上下方向の免震装置として適用可能な空気バネを提供する。
【解決手段】外筒1と内筒2との間の隙間4内にすり鉢状または円筒状のゴム膜からなるダイアフラム3を配設して空気室5を画成し、ダイアフラムの上端部および下端部にそれぞれ外筒および内筒の径寸法に対応して外側および内側に膨出するフランジ状のビード部3a、3bを形成し、各ビード部を締結金具6a、6bによって外筒および内筒に対してそれぞれ気密裡に締め付け固定する。ビード部に全体の厚みの30%以上の金属線からなるビードワイヤまたは金属製リングのビード部補強部材を埋設し、そこでの締め代を20%以上とする。外筒と内筒との間の隙間をダイアフラムの膜厚の3倍以上かつ10倍未満の範囲とし、ダイアフラムの周面にバイアス補強繊維を埋設し、内筒の内部空間を補助タンク8として空気室とオリフィス9を介して連通させ、外筒に補剛リブ10を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物等の構造物を上下方向の振動に対して免震支持するための上下方向免震装置としてのローリングシール型の空気バネに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の空気バネとしては特許文献1、2に示されるものが周知である。
これは、外筒内に円筒状のゴム膜からなるダイアフラムを配設して空気室を画成し、そのダイアフラムを介して作動体(内筒)を上下方向に弾性的に支持する構成のもので、この空気バネを建物の基礎と上部構造との間に介装することにより上部構造の上下振動をダイアフラムによって吸収して優れた免震効果が得られるものであり、高度の耐震性能が要求される原子力発電施設等における建物を対象とする上下方向免震装置として好適なものである。
【0003】
この種のローリングシール型の空気バネ自体は従来より鉄道車両を対象とする防振装置として一般的であるが、従来一般的な構造のローリングシール型空気バネを免震装置として建物のような大重量のものを支持しようとすると、空気バネの直径が非常に大きくなってしまってコストが上昇するうえ、多数の空気バネを必要とするので平面的に配置するのが困難となる場合がある。
【0004】
したがって、この種のローリングシール型空気バネを使用して大重量の建物の上下方向免震を実現しようとする場合には、充分な小型化と高い圧力で使用できるような高強度化が必要となり、そのため特許文献2に示される空気バネでは、ダイアフラムを補強繊維によってバイアス補強したり、ダイアフラムのロール部径(外筒と作動体との間の間隙)や外筒とダイアフラムとの間の初期隙間をダイアフラムの膜厚との関連において適切に設定することにより小型化と高強度化を図るようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−16633号公報
【特許文献2】特開2006−342940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に示される空気バネは、上記のような小型化および高強度化のための工夫により建物等の構造物を対象とする上下方向免震装置として使用可能なものではあるが、その構造はやや複雑に過ぎ、特に外筒内にダイアフラムを組み込んで完全気密状態の空気室を画成するためには複雑なシール構造とそのための煩雑な組立工程を必要とするのでその作業は必ずしも容易ではなく、そのために小型化やコストダウンを図るうえでは自ずと限界があるし、保守性や耐久性,信頼性の点でも必ずしも万全とはいえないものである。
したがって特許文献2に示される空気バネはその有効性は認められつつも上記の点でさらなる改良の余地を残しており、これを原子力発電施設等に適用する免震装置として広く普及させるためにはその点でのさらなる改良が必要とされている。
【0007】
上記事情に鑑み、本発明はこの種の空気バネのさらなる簡略化を実現し、以てその製作を容易化するとともに充分な小型化とコストダウンを図り、保守性や耐久性、信頼性をさらに向上させることの可能な有効適切な空気バネを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、建物等の構造物を上下方向の振動に対して免震支持するためのローリングシール型の空気バネであって、外筒の内側に該外筒よりも小径の内筒を上下方向に相対変位可能に配設し、前記外筒と前記内筒との間の環状の隙間内にすり鉢状または円筒状のゴム膜からなるダイアフラムを配設して、該ダイアフラムを前記隙間内において上下方向に弾性的に反転させた状態でその一端部および他端部をそれぞれ前記外筒および前記内筒に対して気密裡に締結して空気室を画成してなり、前記ダイアフラムの一端部に前記外筒に対して締結するためのビード部を該外筒の径寸法に対応させて形成するとともに、該ダイアフラムの他端部に前記内筒に対して締結するためのビード部を該内筒の径寸法に対応させて形成し、大径の一端部のビード部は外側に膨出するフランジ状に形成され、小径の他端部のビード部は内側に膨出するフランジ状に形成され、前記各ビード部を締結金具によって前記外筒および前記内筒に対してそれぞれ気密裡に締め付け固定してなることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の空気バネにおいて、前記ビード部には金属線からなるビードワイヤまたは金属製リングのビード部補強部材を埋設するとともに、該ビード部補強部材の厚みをビード部全体の厚みの30%以上に設定し、かつ前記締結金具による該ビード部の締め代を該ビード部全体の厚みの20%以上に設定してなることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明の空気バネにおいて、前記外筒と前記内筒との間の環状の隙間を、前記ダイアフラムの膜厚の3倍以上かつ10倍未満の範囲に設定してなることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1,2または3記載の発明の空気バネにおいて、前記ダイアフラムの周面に、該ダイアフラムの周方向に対して傾斜させたバイアス補強繊維を埋設してなることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1,2,3または4記載の発明の空気バネにおいて、前記内筒の内部空間を補助タンクとして前記ダイアフラムにより画成される空気室とオリフィスを介して連通せしめてなることを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1,2,3,4または5記載の空気バネにおいて、前記外筒の外側に複数の補剛リブを放射状に設けてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明の空気バネによれば、従来のこの種の空気バネと同様に上下方向の振動に対する優れた免震効果を発揮し得ることはもとより、ダイアフラムの上下に形成するビード部の径を外筒および内筒の径寸法に対応させて異径として、大径の一端部のビード部を外側に膨出するフランジ状に形成するとともに、小径の他端部のビード部を内側に膨出するフランジ状に形成し、かつそれらビード部を締結金具により外筒および内筒に対して締め付け固定する構造としたことにより、従来一般のこの種の空気バネに比較して全体の構造を遙かに簡略化でき、したがって組み立て工程を簡略化できるばかりでなく部品の簡略化と部品点数の削減を図ることが可能であり、それによるコストダウン、保守性や耐久性、信頼性の向上を図ることができる。
【0015】
請求項2記載の発明の空気バネによれば、ビード部に金属線からなるビードワイヤまたは金属製リングのビード部補強部材を設けるとともに、その厚みをビード部全体の厚みの30%以上に設定し、かつ締結金具によるビード部の締め代をビード部全体の厚みの20%以上に設定することにより、セルフシール構造によらずとも締結金具による締め付け固定のみで充分なシール性能を確保することができる。
【0016】
請求項3記載の発明の空気バネによれば、外筒と内筒との間の環状の隙間をダイアフラムの膜厚の3倍以上かつ10倍未満とすることによりダイアフラムの耐圧性能を向上させて10MPa以上もの耐圧性能を期待でき、特に原子力発電施設における建屋等の大重量の構造物を免震支持するものとして有効に適用可能な高圧仕様とすることが可能である。
【0017】
請求項4記載の発明の空気バネによれば、ダイアフラムの周面に各種の補強繊維を埋設することによりその耐圧性能を充分に向上させることができるし、特に補強繊維の方向をダイアフラムの周方向に対して傾斜させたバイアス補強とすることにより、バイアス補強繊維の交角を適正に調整することで上下方向のスムーズな伸縮運動を阻害することなく耐圧性能の向上を図ることができる。
【0018】
請求項5記載の発明の空気バネによれば、内筒を補助タンクとして利用してダイアフラムにより画成される空気室と連通させるとともに、内筒と空気室との連通部にオリフィスを設けることにより、そこを通過する空気流の圧力損失による減衰機能を持たせることが可能である。
【0019】
請求項6記載の発明の空気バネによれば、外筒の外側に複数の補剛リブを放射状に設けることにより、外筒の耐圧性能をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態である空気バネの概略構成を示す断面図である。
【図2】同、ダイアフラムを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に本発明の空気バネの実施形態を示す。これは、基本的には特許文献2に示される従来の空気バネと同様に、外筒1と内筒2(従来の空気バネにおける作動体に相当)とダイアフラム3を構成要素とし、建物における基礎と上部構造との間に介装されて上下方向の免震装置として機能するものである。
但し、従来のものは外筒1が基礎に対して上向きに固定されて作動体が上部構造に対して固定されるものであるのに対し、本実施形態ではそれとは天地が反転していて、外筒1が上部構造に対して下向きに固定されて内筒2が基礎に対して固定されるものとなっている。
【0022】
本実施形態の空気バネにおけるダイアフラム3は、すり鉢状または円筒状のゴム膜からなるもので、図1に示すように外筒1と内筒2との間の環状の隙間4内において上下方向に弾性的に反転した状態で配設され、その両端部がそれぞれ外筒1と内筒2に対して気密裡に封止されることによって空気室5を画成するものであるが、このダイアフラム3には両端部にそれぞれビード部3a、3bが形成されている。
【0023】
すなわち、図2に示すように、ダイアフラム3の一端部(上端部)には、外筒1に対して締結するためのビード部3aが外筒1の径寸法に合致する寸法とされて外側に膨出するフランジ状に形成されている。
一方、ダイアフラム3の他端部(下端部)には、内筒2に対して締結するためのビード部3bが内筒3の径寸法に合致する寸法とされて内側に膨出するフランジ状に形成されている。
つまり、本実施形態の空気バネにおけるダイアフラム3は、その上下に形成されているビード部3a、3bの径a、bが外筒1と内筒2の径寸法の差に対応して異径とされていて、外筒1に締結される上端部のビード部3aの径aはダイアフラム3の周上部の有効径よりやや大きくされているとともに、内筒2に締結される下端部のビード部3bの径bはそれよりも小とされている。
【0024】
そして、従来一般の空気バネでは特許文献1,2に示されるように、それらのビード部3a、3bをいわゆるセルフシール構造として外筒および作動体(内筒に相当)に対して組み付ける構造とすることが通常であるが、本実施形態の空気バネではそのような複雑なセルフシール構造によることに代えて、各ビード部3a、3bをそれぞれ外筒1および内筒2に対して締結金具6a、6bにより直接的に締め付け固定することで締結するようにしており、それによりシール構造の簡略化を図りつつシール性能が確実に確保されて完全気密状態の空気室5が画成されるようになっている。
なお、本実施形態では外筒1の上端は開放端とされてその周囲にはフランジ部1aが一体に形成されているので、上記の締結金具6aは円板状とされてそのフランジ部1aに対して締結されることで外筒1の開放端を閉塞するための上面板を兼用しつつビード部3aを挟持するものとされている。但し、締結金具6aはそのような構成とすることに限らず、ビード部3aを外筒1に対して締め付け固定して気密裡に締結し得るものであれば適宜の締結金具を採用可能であり、そのうえで外筒1の開放端に適宜の上面板をさらに締結することでも良い。
また、本実施形態では後述するように内筒2は補助タンク8として機能するようにその上端部は上面板2aにより閉じられ、かつそこにはオリフィス9が形成されているので、上記の締結金具6bも同様のオリフィスを有する円板状とされてその上面板2aに対して締結されてビード部3bを挟持するようになっているが、締結金具6bはそのような構成とすることに限らずビード部3bを内筒2に対して締め付け固定して気密裡に締結できる限りにおいて適宜のもので良い。
【0025】
上記構成のもとに本実施形態の空気バネは、ダイアフラム3の上下に形成したビード部3a、3bの径a、bを外筒1および内筒2の径寸法に対応させて異径として、大径の上端部のビード部3aを外側に膨出するフランジ状に形成するとともに、小径の下端部のビード部3bを内側に膨出するフランジ状に形成し、かつそれらビード部3a、3bを締結金具6a、6bにより外筒1および内筒2に対して単に締め付け固定する構成としたことにより、従来のこの種の空気バネと同様に上下方向の振動に対する優れた免震効果を発揮し得ることはもとより、特許文献1や特許文献2に示される従来の空気バネに比較して全体の構造を遙かに簡略化でき、したがって組立工程を簡略化できるばかりでなく、部品の簡略化と部品点数の削減を図ることが可能であり、それによるコストダウン、保守性や耐久性、信頼性の向上を図ることができるものである。
【0026】
以上で本発明の空気バネの基本的な実施形態について説明したが、本発明では以上の構成に加えて必要に応じてたとえば以下に列挙するような適宜の応用や変形が可能である。
【0027】
ビード部3a、3bには金属線からなるビードワイヤまたは金属製リングなどのビード部補強部材7を設けることが好ましい。その場合、ビード部補強部材7の厚みをビード部3aやビード部3bの厚みの30%以上に設定し、かつ締結金具6a、6bによる締め付け部の締め代をビード部3a、3bの厚みの20%とすることが好ましく、それにより締め付け率を30%以上とし得てそこでのシール性能を充分にかつ確実に確保することができる。
【0028】
外筒1と内筒2との間の環状の隙間4の大きさ(図1におけるd寸法)は、ダイアフラム3の膜厚(図2に示すt寸法)との関連において適正に設定することが好ましく、特にダイアフラム3の耐圧性能を向上させて高圧仕様とするためには隙間4の寸法dを膜厚tの3倍以上かつ10倍未満、つまりそれらの比をα=d/tとすると、3≦α<10の範囲に設定することが好適である。
一般的な車両用の防振装置としての空気バネでは上記の比αを10以上とすることからその耐圧性能は2〜3Mpa程度が限界であるが、本発明者らの研究によりαを6.5程度とすると耐圧性能は5.6MPa程度に向上し、αを5程度とすれば8MPa程度に向上することが分かっており、さらにαを3程度とすれば10MPa以上の耐圧性能を期待できると考えられ、これにより原子力発電施設における建屋等の大重量の構造物に有効に適用可能な高圧仕様とすることが可能である。
なお、特許文献2でも同等の知見が得られているが、特許文献2の耐圧試験に用いられたダイアフラムの外径は243mmと小型であり、本発明者らの研究で用いたダイアフラムの外径は600mmと大型であり、大型のダイアフラムに対しても外筒1と内筒2の隙間4と耐圧性能の関係を確証している。
【0029】
ダイアフラム3の耐圧性能を向上させるためには、ダイアフラム3の周面に各種の補強繊維、たとえば複数層のすだれ状コードを埋設することも好ましく、特に補強繊維の方向をダイアフラムの周方向に対して傾斜させたバイアス補強とすることが好ましく、その場合にはバイアス補強繊維の交角を適正に調整することで上下方向のスムーズな伸縮運動を阻害することなく耐圧性能の向上を図ることができる。
【0030】
本発明の空気バネの剛性を低く設定する場合には、内筒2を補助タンク8として利用してダイアフラム3により画成される空気室5と連通させることが好ましく、その場合には内筒2と空気室5との連通部にオリフィス9を設けることでそこを通過する空気流の圧力損失による減衰機能を持たせることが可能である。
【0031】
外筒1の外側には必要に応じて補剛リブ10を設けることも考えられ、それにより外筒1の耐圧強度をさらに高めることができる。その場合、要求される耐圧性能に応じてたとえば4枚〜36枚程度の補剛リブ10を放射状に設けると良く、補剛リブ10の高さは肉厚の1〜5倍程度とすると良い。
【0032】
なお、本発明の空気バネの上部あるいは下部に積層ゴムなどの水平免震手段を一体に設けることにより、特許文献1に示されるような3次元免震装置を構成することができる。その場合、特許文献1に示される空気バネと同様に、内筒2を外筒1に対して上下方向に摺動可能に組み合わせてそれらの間で水平方向の相対変位が生じることを拘束するように構成すれば良い。
【0033】
また、既に述べたように上記実施形態では内筒2を基礎に対して固定して外筒1を上部構造に対して固定するものとしたが、特許文献1,2に示される空気バネのようにそれとは天地を逆にした状態(外筒1を基礎に対して固定して内筒2を上部構造に対して固定する)で使用することも勿論可能である。その場合、外筒1に対して締結するためのビード部3aはダイアフラム3の下端部に形成し、内筒2に対して締結するためのビード部3bはダイアフラム3の上端部に形成することになる。
【0034】
さらに、本発明の空気バネは文字どおり空気をダイアフラム3(および補助タンク8)に封入してその弾性を利用することが現実的であるが、特殊な用途に適用するような場合において必要であればたとえば不活性ガス等の適宜の気体や、液体も含めた各種の流体を空気に代えて、あるいは空気と混合して利用することも妨げるものではない(その観点からは本発明の空気バネはより厳密には流体バネともいうべきものである)。
【符号の説明】
【0035】
1 外筒
1a フランジ部
2 内筒
2a 上面板
3 ダイアフラム
3a、3b ビード部
4 隙間
5 空気室
6a、6b 締結金具
7 ビード部補強部材
8 補助タンク
9 オリフィス
10 補剛リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物等の構造物を上下方向の振動に対して免震支持するためのローリングシール型の空気バネであって、
外筒の内側に該外筒よりも小径の内筒を上下方向に相対変位可能に配設し、前記外筒と前記内筒との間の環状の隙間内にすり鉢状または円筒状のゴム膜からなるダイアフラムを配設して、該ダイアフラムを前記隙間内において上下方向に弾性的に反転させた状態でその一端部および他端部をそれぞれ前記外筒および前記内筒に対して気密裡に締結して空気室を画成してなり、
前記ダイアフラムの一端部に前記外筒に対して締結するためのビード部を該外筒の径寸法に対応させて形成するとともに、該ダイアフラムの他端部に前記内筒に対して締結するためのビード部を該内筒の径寸法に対応させて形成し、大径の一端部のビード部は外側に膨出するフランジ状に形成され、小径の他端部のビード部は内側に膨出するフランジ状に形成され、前記各ビード部を締結金具によって前記外筒および前記内筒に対してそれぞれ気密裡に締め付け固定してなることを特徴とする空気バネ。
【請求項2】
請求項1記載の空気バネであって、
前記ビード部には金属線からなるビードワイヤまたは金属製リングのビード部補強部材を埋設するとともに、該ビード部補強部材の厚みをビード部全体の厚みの30%以上に設定し、かつ前記締結金具による該ビード部の締め代を該ビード部全体の厚みの20%以上に設定してなることを特徴とする空気バネ。
【請求項3】
請求項1または2記載の空気バネであって、
前記外筒と前記内筒との間の環状の隙間を、前記ダイアフラムの膜厚の3倍以上かつ10倍未満の範囲に設定してなることを特徴とする空気バネ。
【請求項4】
請求項1,2または3記載の空気バネであって、
前記ダイアフラムの周面に、該ダイアフラムの周方向に対して傾斜させたバイアス補強繊維を埋設してなることを特徴とする空気バネ。
【請求項5】
請求項1,2,3または4記載の空気バネであって、
前記内筒の内部空間を補助タンクとして前記ダイアフラムにより画成される空気室とオリフィスを介して連通せしめてなることを特徴とする空気バネ。
【請求項6】
請求項1,2,3,4または5記載の空気バネであって、
前記外筒の外側に複数の補剛リブを放射状に設けてなることを特徴とする空気バネ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−36562(P2012−36562A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174423(P2010−174423)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(505374783)独立行政法人日本原子力研究開発機構 (727)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【出願人】(510211790)株式会社三協社 (1)
【出願人】(596151146)株式会社 シンコー (2)
【Fターム(参考)】